JPH0578705A - アルミニウム合金部材の製造方法 - Google Patents

アルミニウム合金部材の製造方法

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JPH0578705A
JPH0578705A JP11634991A JP11634991A JPH0578705A JP H0578705 A JPH0578705 A JP H0578705A JP 11634991 A JP11634991 A JP 11634991A JP 11634991 A JP11634991 A JP 11634991A JP H0578705 A JPH0578705 A JP H0578705A
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punch
die
powder
aluminum alloy
compact
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JP11634991A
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English (en)
Inventor
Shinichiro Kakehashi
伸一郎 梯
Toshiro Kimura
敏郎 木村
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来法における圧粉成形工程,加熱保持工
程,本成形工程の計3工程を、実質的に1工程かつ1装
置で行ない、生産性を高める。 【構成】 アルミニウム合金を主組成物とする材料の粉
末をダイの内部に充填し、上パンチおよび下パンチによ
り材料を密度比70〜98%まで加圧成形したうえ、前
記ダイの内部に余剰空間を画成し、さらにこの余剰空間
内への材料流れを許容することにより、粉末に変形の自
由度を与えつつ密度比98〜100%まで連続的に圧縮
することにより、成形品を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルミニウム合金部材の
粉末鍛造方法に係わり、特に、圧粉過程と鍛造過程とを
1工程で連続的に行うことができる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、Fe,V,Zr,Cu,Mg,Si等を含
有するアルミニウム合金からなる成形体は、優れた強
度、剛性、靭性、耐熱性および耐食性等の特徴を有する
が、原料となるアルミニウム合金粉末の表面が強固な酸
化皮膜で覆われているため、通常の焼結成形法では、個
々の粉末粒子の酸化被膜を破って粒子間結合を形成する
ことが難しく、製造が困難だった。
【0003】そこで、この種のアルミニウム合金部材の
製造方法として、特公平1−20215号公報では、以
下のような製造方法が提案されている。この方法ではま
ず、アルミニウム合金粉末を、成形型内で圧縮して真密
度に対する密度比が65〜85%の圧粉成形体を成形す
る(圧粉成形工程)。
【0004】次いで、この圧粉成形体を、300℃以上
かつ液相生成温度以下の温度で加熱または焼結した後
(加熱保持工程)、前記範囲の温度で密度比95%以上
の密度に押し出しもしくは鍛造加工し(本成形工程)、
成形品を得る。
【0005】この方法によれば、圧粉成形工程および加
熱保持工程により、後の本成形に耐え得るだけの強度を
確保したうえ、本成形工程により材料流れ(変形)を生
じさせることにより効果的に酸化被膜を破壊し、粒子間
結合を生じさせて十分に緻密化させ、成形体の特性を高
めることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の製造
方法は、圧粉成形工程,加熱保持工程,本成形工程の計
3工程を経て成形品を得るため、手間がかかって生産性
が高めにくいうえ、少なくとも2種の加工装置を必要と
するから、設備が大がかりになる欠点を有していた。
【0007】なお、生産性を高めるには、材料粉末をコ
イニングまたはホットプレス加工することにより、一気
に成形品を得る方法も考えられるが、コイニングやホッ
トプレスによりアルミニウム合金粒子の酸化被膜を破る
には、相当に高い圧力、および/あるいは長時間の加圧
保持時間を要して現実的ではない。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたもので、アルミニウム合金を主組成
物とする材料の粉末をダイの内部に充填し、上パンチお
よび下パンチにより前記材料を密度比70〜98%まで
加圧成形したうえ、前記ダイの内部に余剰空間を画成
し、さらにこの余剰空間内への材料流れを生じさせつつ
前記材料を密度比98〜100%まで連続的に圧縮する
ことにより、成形品を得ることを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明のアルミニウム合金部材の製造方法で
は、従来法における圧粉成形工程,加熱保持工程,本成
形工程の計3工程を、実質的に1工程かつ1装置で行う
ことが可能であり、設備が小さくて済むうえ、生産性が
高められる。
【0010】また、工程後半において、余剰空間へ材料
流れを生じさせつつ中間成形体を圧縮するので、粉末の
変形に伴い粒子の酸化被膜が容易に破れ、従来のコイニ
ング加工やホットプレスに比して加圧力が低減でき、成
形時間も短縮できる。ただし、ここでいう材料流れは、
粉末の変形の自由度のことであり、余剰空間への押出大
変形を必ずしも意味するものではない。
【0011】
【実施例】以下、本発明に係わるアルミニウム合金部材
の製造方法の実施例を説明する。図1は第1実施例の方
法に使用する装置の断面図であり、符号1は円筒形のパ
ンチ孔(1A+1B)を有するダイ、2はパンチ孔に下
方から挿入された下パンチ、3はパンチ孔に上方から挿
入された上パンチである。パンチ孔の上部1Aは下部1
Bよりも半径差Dだけ径が小さく、これらの間には段部
1Cがある。
【0012】ダイ1の内部には、図示しないヒーターが
設けられ、ダイ1,下パンチ2,上パンチ3の温度を自
在に調整できるようになっている。
【0013】下パンチ2の外径は、材料漏れが生じない
程度にパンチ孔下部1Bよりも僅かに径が小さく設定さ
れ、その上部にはパンチ孔上部1Aの内径よりも僅かに
外径の小さい段部2Aが形成されている。また、上パン
チ3の外径はパンチ孔上部1Aよりも僅かに小さく設定
されている。そして下パンチ2および上パンチ3は、図
示しない駆動機構により、ダイに対し相対的にそれぞれ
別個に上下駆動されるようになっている。この例の場
合、上パンチ3が下部1Bの位置まで降下した際に、上
パンチ3の周囲に形成される円筒状の空間が余剰空間で
ある。
【0014】前記半径差Dは、圧縮された材料に対する
開放率が3〜30%、より好ましくは5〜20%となる
ように設定されることが望ましい。ここでいう開放率
は、余剰空間へ向かう材料の流れを、便宜上押出と考え
たときの押出比の逆数と定義し、この実施例において
は、 開放率=(下部1Bの断面積−上部1Aの断面積)/下
部1Bの断面積 である。
【0015】開放率が3%未満では中間生成物を鍛造す
る段階で十分な材料流れを生じさせる効果に乏しく、十
分な緻密化が困難である。逆に開放率が30%より大で
は、材料流れが生じる際に中間成形体の表層部に引っ張
り応力が生じ、クラックが発生しやすい。
【0016】なお、ダイ1,下パンチ2,上パンチ3の
材質は、工具鋼で十分であるが、アルミニウム合金が付
着しやすいことから、表面処理又は潤滑剤の使用は必須
である。なお、潤滑剤としてはC系が有効である。
【0017】次に、上記装置を用いたアルミニウム合金
部材の製造方法を説明する。この方法に使用される材料
粉末は、ガスアトマイズ法、遠心法、回転カップ法、ロ
ール法等、いかなる粉末製造方法によって得られたアル
ミニウム合金粉末でもよい。粉末に添加される元素とし
ては、従来この種の合金に使用されているいずれの元素
も使用可能である。例えば、Si,Cu,Mg,Fe,Ni,Co,
Mn,Cr,Li,Ti,Zr,Ce,Mo,V,Zn等が使用可能で、
勿論複数種を混合してもよい。また、物性を改善するた
めに、WS2,MoS2,CaF2,BaF2,LiF等の
固体潤滑剤やその他各種のフィラーを添加してもよい。
【0018】この方法ではまず、材料となるアルミニウ
ム合金粉末を、図示しない予熱装置により300℃〜液
相温度以下に予熱した後、図1に示すように下パンチ2
の段部2Aをパンチ孔上部1Aに進入させた状態で、パ
ンチ孔上部1A内にアルミニウム合金粉末Pを所定量入
れる。ダイ1,上パンチ3,下パンチ2も同様の温度ま
で加熱しておく。
【0019】次いで、下パンチ2は動かさずに上パンチ
3を降下させ、材料粉末Pを密度比90〜95%までに
熱間圧着して中間成形体とする。この中間成形体Qは前
記従来法において圧粉成形体を加熱保持し、熱間塑性加
工を施し始めた状態に相当する。
【0020】次に、中間成形体Qが鍛造に耐え得る強度
となったら、下パンチ2の降下を開始する。この間、上
パンチ3は停止することなく連続的に降下し続ける。下
パンチ2の降下速度は上パンチ3とほぼ等しいか、それ
以上に設定され、両者は中間成形体Qを挟んで固定ある
いは圧縮しつつ降下する。中間成形体Qがパンチ孔下部
1B内に移動したら、下パンチ2を停止し、降下し続け
る上パンチ3により、パンチ孔下部1B内で中間成形体
Qをさらに圧縮する。
【0021】この時点で、中間成形体Qの周囲には、円
筒状の余剰空間が生じていることになる。これにより、
図2に示すように中間成形体Qは潰れてパンチ孔下部1
Bの内径まで拡径し、さらに上下端に円環状の膨出部S
が生じる。このため、中間成形体Qの内部では材料流れ
が生じて個々の粒子の酸化被膜が破れ、粒子間結合が形
成され、密度比98〜100%まで緻密化することが可
能となる。この段階は従来の熱間鍛造工程の最終部分に
相当する。
【0022】鍛造成形体Rが十分に緻密化したら、下パ
ンチ2を降下させてダイ1から引き抜き、さらに上パン
チ3を下げて鍛造成形体Rをダイ1から押し出し、次工
程へと移送する。
【0023】次いで図4に示すように下パンチ2を初期
位置に復帰させ、上パンチ3を上方に待避させて、パン
チ孔上部1Aに粉末を充填する。以下、同様に上記サイ
クルを繰り返して次々に成形体Rを得る。
【0024】上記構成からなるアルミニウム合金部材の
製造方法によれば、従来法における圧粉成形工程,加熱
保持工程,本成形工程の計3工程を、実質的に1工程か
つ1装置で行うことが可能であり、設備が小さくて済む
うえ、生産性が高められる。
【0025】また、工程後半で中間成形体Qを材料流れ
を生じさせつつ圧縮するので、材料流れに伴い粒子の酸
化被膜が容易に破れ、従来のコイニング加工やホットプ
レスに比して加圧力が低減でき、成形時間も短縮でき
る。
【0026】なお、上記の例では単純化のためパンチ孔
の断面形状を円形にしていたが、各部の形状は製造すべ
き物品に合わせて適宜変更してよいのは勿論である。
【0027】次に、図5ないし図8は本発明の第2実施
例を示す図である。図中符号10はダイ、10Aはパン
チ孔、12は下パンチ、16は上パンチであり、この例
の特徴は、下パンチ12および上パンチ16の外周に、
それぞれ筒状のスリーブ14,18が通され、これらス
リーブ14,18が各パンチ12,16とは独立して昇
降されることにある。スリーブ14,18の肉厚は、余
剰空間の開放率が、上記第1実施例と同様になるように
設定されている。この例では、 開放率=スリーブの断面積/パンチ孔10Aの断面積 である。
【0028】この装置を用いてアルミニウム合金部材を
製造するには、前記実施例と同様に材料粉末Pを予熱し
た後、下パンチ12および下スリーブ14を揃えた状態
で、図5に示すようにダイ10のパンチ孔10Aに充填
する。
【0029】次いで図6に示すように、上パンチ16お
よび上スリーブ18を揃えて降下させると同時に、下パ
ンチ12および下スリーブ14を揃えて上昇させ、材料
粉末Pを圧縮して前記実施例と同様の中間成形体Qを熱
間圧着成形する。
【0030】さらに連続して、図7に示すように、上パ
ンチ16を降下させつつ相対的に上スリーブ18を上昇
させる一方、下スリーブ14を下パンチ12に対して相
対的に降下させつつ中間成形体Qを圧縮(鍛造)する。
これにより、上下スリーブ14,18が後退して生じた
円環状の余剰空間へ向けて材料流れが生じ、中間成形体
Q内の粒子の酸化被膜が破れて緻密化される。
【0031】その後、図8に示すように、上パンチ16
と上スリーブ18を上方に待避させ、下パンチ12と下
スリーブ14を揃えて上昇させ、成形体Rをダイ1から
突き出して、1サイクルが終了する。
【0032】この実施例の方法では、前記第1実施例の
効果に加え、次の効果も得られる。すなわち、この例で
は上スリーブ18と下スリーブ14を昇降制御すること
により、材料流れの進行と余剰空間の形成とを正確に制
御できるから、材料流れの先端(S)に各スリーブ1
4,18により常に一定圧力をかけながら、これらスリ
ーブ14,18を後退させることができる。すると、材
料流れの先端に圧力をかけない場合に比して、材料流れ
の先端面に引張応力が生じにくく、引張応力に起因した
クラックが生じにくい。
【0033】また、材料流れの先端部(S)の形状を制
御できるから、鍛造成形体Rの形状を製品の最終形状に
近づけておくことにより、成形後の加工量が少なくて済
む利点も有する。
【0034】次に、図9ないし図13は本発明の第3実
施例を示し、図中符号20はダイ、22は下パンチ、2
4は上パンチであり、この例ではダイ20の内部に、パ
ンチ孔20Aの内壁面に互いに対向して開口する一対の
スリット25が形成され、これらスリット25内に、水
平方向摺動可能なスライド26がそれぞれ挿入されてい
る。
【0035】これらスライド26をいっぱいに挿入した
状態において、各スライド26の先端面は、パンチ孔2
0Aの内壁面と一致する。スライド26の厚さは成形体
最終高さの5〜20%程度が望ましい。理由は第1実施
例と同様である。
【0036】この装置を用いたアルミニウム合金部材の
製造方法は、以下の通りに行う。まず、図9に示すよう
に各スライド26の先端面をパンチ孔20Aの内壁面と
一致させた状態で、予熱しておいた材料粉末Pを充填す
る。
【0037】次いで、図10に示すように、上パンチ2
4と下パンチ22により粉末Pを熱間圧着して中間成形
体Qとした後、図11に示すように各スライド26を後
退させつつ、同時に圧縮を続行する。各スライド26が
後退するにつれ、余剰空間が生じてそこへ材料が流れて
いき、凸部Sが形成され、中間成形体Qが緻密化されて
鍛造成形体Rとなる。
【0038】次に、図12に示すように下パンチ22を
待避させ、上パンチ24を降下させ、前記凸部Sを切断
して成形体Rのみをダイ20から突き出す。さらに図1
3に示すように上パンチ24を上方に待避させ、各スラ
イド26を復帰させて各凸部Sを落下させ、1サイクル
を完了する。
【0039】この例でも、前記第2実施例と同様に、各
スライド26により材料に圧力をかけながら鍛造するこ
とができるため、材料流れの先端部Sに引張応力が生じ
にくく、クラックが発生しにくい利点を有する。また、
凸部Sを成形体Rの突き出しとともに切断するため、潤
滑剤の巻き込み等により凸部Sを切断する必要がある場
合には、後加工の手間がその分省ける。
【0040】次に、図14ないし図17は本発明の第4
実施例を示し、この例では、ダイが上ダイ30と下ダイ
32に上下2分割され、上ダイ30は駆動機構により上
昇可能となっている。符号36は下パンチ、38は上パ
ンチである。
【0041】この方法ではまず、図14に示すように上
ダイ30と下ダイ32とを当接させた状態で、パンチ孔
34に材料粉末Pを充填する。次いで、図15に示すよ
うに上パンチ38と下パンチ36により粉末Pを熱間圧
着して中間成形体Qとした後、図16に示すように上ダ
イ30を一定長だけ上昇させ、圧縮を続行する。これに
より上ダイ30と下ダイ32の間に余剰空間40が生
じ、そこへ材料が流れて凸部Sが形成されるとともに、
中間成形体Qが緻密化されて鍛造成形体Rとなる。
【0042】次に、図17に示すように上パンチ38を
上方に待避させた後、下パンチ36を上昇させ、前記凸
部Sを切断して成形体Rのみをダイから突き出して1サ
イクルを完了する。
【0043】一方、図18および図19は、第1実施例
の装置を改良したものである。図18の例は、パンチ孔
1Aの下部に2段階に拡径する第1段部50、第2段部
52を形成したものであり、まずパンチ孔1Aの上部内
で材料粉末を熱間圧着した後、第1段部50内および第
2段部52内で密度比98〜100%に本鍛造する。
【0044】パンチ孔1Aから第1段部50への開放率
は5〜10%、第2段部52への開放率は10〜30%
程度であることが望ましい。
【0045】この場合にも、上パンチは連続的に降下し
続け、下パンチ2はパンチ圧力に応じて段階的に降下す
ることにより、熱間圧着→予備鍛造→本鍛造が連続的に
切れ目なく進行する。
【0046】一方、図19は、パンチ孔1Aの下部52
を下方に開くテーパ状に形成したことを特徴とするもの
で、パンチ孔1Aの上部内で材料粉末を熱間圧着した
後、下パンチ2を徐々に降下させつつ、上パンチにより
中間成形体を鍛造していき、最下位置で鍛造を完了する
ようにする。
【0047】これによれば、下パンチ2の降下速度を調
整することにより、中間成形体の外周面に常に圧力をか
けつつ鍛造を行うことができるため、この効果の得られ
る他の実施例に比して装置の構成が単純でありながら、
中間成形体の外周面にクラックが生じにくい利点を有す
る。
【0048】なお、テーパ部54の断面角度αは3〜1
5゜、より好ましくは5〜10゜程度とされる。3゜未
満では本発明の効果が得られず、15゜より大では成形
体にクラックが生じやすくなる。また、上記のようなテ
ーパ部54と段部50,52等を組み合わせてもよい。
【0049】次に、図20および図21はさらに別の実
施例を示す平面図であり、この例ではダイ60が、中央
にパンチ孔60Aを画成する4つのブロック62で構成
されている。
【0050】各ブロック62はパンチ孔60Aに向けて
付勢されており、パンチ孔60A内で中間成形体を形成
した後、さらに圧力を上げると各ブロック62が互いに
離間してパンチ孔60Aの内径が拡大するとともに、各
ブロック62の間に間隙64が生じ、中間成形体は拡径
方向および前記間隙64のそれぞれに向けて材料流れを
生じつつ鍛造される。
【0051】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、各実施例の構成を組み合わせてもよいし、
ダイ,上下パンチ等の形状は任意に変更してよく、さら
に各部の駆動を行う機構としては、いかなる機構を用い
てもよい。
【0052】
【実験例】次に、実験例を挙げて本発明の効果を実証す
る。アルミニウム合金としてAH09N,AH12を使
用して、下記の比較例、実験例の方法により直方体状の
アルミニウム合金部材を作成し、それらの物性を比較し
た。なお、上記各合金の組成は以下の通りである。 AH09N:Al−10Fe−1.5V−1.0Zr AH12 :Al−8Fe−1.5V−1.0Zr
【0053】(比較例)図22に示す装置により、直方
体状のアルミニウム合金部材を成形した。符号70はダ
イであり、このダイ70には平面視12mm×57mm
のパンチ孔が形成されるとともに、ヒーターが内蔵され
ている。72は下パンチ、74は上パンチである。
【0054】AH09N,AH12の各粉末を予め約4
50℃に加熱するとともに、ダイ70を150℃に加熱
した後、粉末30gをパンチ孔に充填し、各パンチ7
2,74により10.6ton/cm2の圧力で圧縮
し、成形体を得た。成形体の寸法は12×57×14m
mであった。
【0055】(実験例1)一方、図23に示す装置によ
り、直方体状のアルミニウム合金部材を成形した。符号
80はダイ、82は下パンチであり、これらは上記ダイ
70,下パンチ72と共通であり、パンチ孔の寸法も等
しい。
【0056】84は断面矩形状の上パンチであり、その
両側にはスライド86がそれぞれ配置され、別個に駆動
されるようになっている。上パンチ84の断面寸法は1
2×51mm、スライド86の断面寸法は12×3mm
である。
【0057】AH09N,AH12の各粉末を予め45
0℃に加熱するとともに、ダイ80を150℃に加熱し
た後、粉末30gをパンチ孔に充填し、上パンチ84と
スライド86を揃えて粉末を密度比80%まで圧縮し、
さらに各スライド86を相対的に後退させつつ上パンチ
84を降下させて最終的に10.6ton/cm2の圧
力で圧縮し、成形体を得た。成形体の寸法は12×57
×13.8mmとなり、両端上には12×3×16mm
の突起が形成された。
【0058】次に、上記4種の成形体を縦に2分割し、
その断面の各点(計25点)における硬さをロックウェ
ルBにより測定した。その結果を等高線表示した結果を
図24ないし図27に示す。
【0059】図24および図25はAH12での結果で
あり、図24は比較例、図25は実験例の方法でそれぞ
れ得られたものの結果を示す。
【0060】また、図26および図27はAH09Nの
結果であり、図26は比較例、図27は実験例の方法で
それぞれ得られたものの結果である。硬さの分布は密度
の分布に対応する。実際密度測定を行ったところ、 であった。さらに、図28および29は、それぞれ図2
4と25、および図26と27での結果を、他のデータ
を含めて、加圧力と密度の関係として示したものであ
る。
【0061】これらの図から明らかなように、実験例の
方法によれば成形体の内部に材料流れが生じ、比較例の
方法と同じ加圧力においても、はるかに高密度化されて
いる。
【0062】(実験例2)実験例1と同様の実験を、型
温を450℃にして行ったところ、最終的に4ton/
cm2の圧力で、実験例1と同等またはそれ以上に高密
度かつ高硬度の成形体が得られた。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わるア
ルミニウム合金部材の製造方法は、アルミニウム合金を
主組成物とする材料の粉末をダイの内部に充填し、上パ
ンチおよび下パンチにより前記材料を密度比70〜98
%まで加圧成形したうえ、前記ダイの内部に余剰空間を
画成し、さらにこの余剰空間内への材料流れを生じさせ
つつ前記材料を密度比98〜100%まで連続的に圧縮
することにより、成形品を得る方法であるから、従来法
における圧粉成形工程,加熱保持工程,本成形工程の計
3工程を、実質的に1工程かつ1装置で行うことが可能
であり、設備が小さくて済むうえ、生産性が高められ
る。
【0064】また、工程後半で中間成形体を材料流れを
生じさせつつ圧縮することにより、粉末に変形の自由度
を与えることができるから、変形に伴い粒子の酸化被膜
が容易に破れ、従来のコイニング加工やホットプレスに
比して加圧力が低減可能で、成形時間も短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるアルミニウム合金部材の製造方
法の第1実施例での熱間圧着過程を示す縦断面図であ
る。
【図2】第1実施例での鍛造過程を示す縦断面図であ
る。
【図3】第1実施例での成形体突き出し過程を示す縦断
面図である。
【図4】第1実施例での粉末充填過程を示す縦断面図で
ある。
【図5】本発明の第2実施例での粉末充填過程を示す縦
断面図である。
【図6】第2実施例での熱間圧着過程を示す縦断面図で
ある。
【図7】第2実施例での鍛造過程を示す縦断面図であ
る。
【図8】第2実施例での成形体突き出し過程を示す縦断
面図である。
【図9】本発明の第3実施例での粉末充填過程を示す縦
断面図である。
【図10】第3実施例での熱間圧着過程を示す縦断面図
である。
【図11】第3実施例での鍛造過程を示す縦断面図であ
る。
【図12】第3実施例での成形体突き出し過程を示す縦
断面図である。
【図13】第3実施例での後処理過程を示す縦断面図で
ある。
【図14】本発明の第4実施例での粉末充填過程を示す
縦断面図である。
【図15】第4実施例での熱間圧着過程を示す縦断面図
である。
【図16】第4実施例での鍛造過程を示す縦断面図であ
る。
【図17】第4実施例での成形体突き出し過程を示す縦
断面図である。
【図18】本発明の第5実施例に使用される装置の縦断
面図である。
【図19】本発明の第6実施例に使用される装置の縦断
面図である。
【図20】本発明の第7実施例に使用される装置の平面
図である。
【図21】第7実施例での鍛造過程を示す平面図であ
る。
【図22】比較例の実験方法を示す縦断面図である。
【図23】実験例の実験方法を示す縦断面図である。
【図24】比較例で得られた試験片のHRB硬さ分布を
示すグラフである。
【図25】実験例で得られた試験片のHRB硬さ分布を
示すグラフである。
【図26】比較例で得られた試験片のHRB硬さ分布を
示すグラフである。
【図27】実験例で得られた試験片のHRB硬さ分布を
示すグラフである。
【図28】実験例での加圧力と成形密度との関係を示す
グラフである。
【図29】実験例での加圧力と成形密度との関係を示す
グラフである。
【符号の説明】
1 ダイ 1A パンチ孔 2 下パンチ 3 上パンチ P 材料粉末 Q 中間成形体(熱間圧着成形体) R 鍛造成形体 S 材料流れの先端(凸部) 10 ダイ 10A パンチ孔 12 下パンチ 14 下スリーブ 16 上パンチ 18 上スリーブ 20 ダイ 20A パンチ孔 22 下パンチ 24 上パンチ 26 スライド 30 上ダイ 32 下ダイ 34 パンチ孔 36 下パンチ 38 上パンチ 40 間隙 50 第1段部 52 第2段部 54 テーパ部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム合金を主組成物とする材料
    の粉末をダイの内部に充填し、上パンチおよび下パンチ
    により前記材料を密度比70〜98%まで加圧成形した
    うえ、前記ダイの内部に余剰空間を画成し、さらにこの
    余剰空間内への材料流れを生じさせつつ前記材料を密度
    比98〜100%、必要に応じ塑性変形域まで連続的に
    圧縮することにより、成形品を得ることを特徴とするア
    ルミニウム合金部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記一連の成形過程での前記材料の温度
    を、300℃以上かつ前記アルミニウム合金の液相温度
    以下に保つことを特徴とする請求項1記載のアルミニウ
    ム合金部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記余剰空間の開口面積は、圧縮された
    材料に対する開放率が3〜30%となるように設定され
    ることを特徴とする請求項1または2記載のアルミニウ
    ム合金部材の製造方法。
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