JP4999283B2 - 粉末冶金用鉄基粉末 - Google Patents

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Description

本発明は、粉末冶金用鉄基粉末に係り、とくに686MPa程度の成形圧力で1回の成形によって圧粉密度:7.50Mg/m 以上の高密度の成形体を得ることが可能な鉄基粉末に関する。
粉末冶金法は、複雑な形状の金属部品をニアネットで製造できるため、各種部品の製造に適用されている。粉末冶金法は、溶融金属の噴霧条件や原料となる金属酸化物等の粉砕条件の調整または篩等の分級により所望の粒度分布に調整した金属粉末に、必要に応じて粉末冶金用潤滑剤や合金粉末を混合した混合粉を、金型に装入し加圧成形して成形体とし、得られた成形体に焼結処理さらには熱処理を行って部品としたり、あるいは金属粉末と樹脂等の結合剤とを混合したのち、金型で加圧成形し部品とする方法である。
このような粉末冶金技術を用いて、高強度の部品を製造する際には、高密度の焼結体が得られるように、焼結体中の空孔を低減させる工法が提案されている。
例えば、鉄基混合粉に通常の加圧成形と焼結処理を施して焼結体としたのち、再度、加圧成形しさらに焼結処理を施す2回成形2回焼結法や、1回成形1回焼結後に熱間で鍛造する焼結鍛造法などが提案されている。しかし、これらの方法では、材料の加圧と加熱をそれぞれ2回繰り返す必要があり、製造コストの高騰を招き経済的に不利となるうえ、焼結処理を行わない圧粉磁芯の製造には適用できないなどの問題がある。
一方、高密度の成形体としたうえで、焼結処理を施し高密度の焼結体とする方法も考えられる。高密度の成形体とする方法としては、金型に充填された金属粉末を高速あるいは高圧力で圧縮成形し、強制的に高密度の成形体とする高速成形法、高圧成形法が提案されている。しかし、これら高速成形法や高圧成形法では、高圧成形装置、高速成形装置等の非常に高価な設備を必要とし製造コストの高騰を招き経済的に不利となるうえ、金型への負荷が大きく金型寿命が低下するという問題があった。
また、高密度の成形体を得る方法として、例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3には、金属粉末および金型を100℃以上の温度に加熱しつつ、金型中で金属粉末を加圧成形する温間成形法が提案されている。また、特許文献4、特許文献5には、加熱された金型表面に潤滑剤を塗布したのち、該金型に金属粉末を充填し、加圧成形する温間金型潤滑成形法提案されている。しかし、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4.特許文献5に記載された技術では、非常に高価な設備は必要としないが、1回の加圧成形で到達できる密度は、相対密度(=圧粉密度/材料粉末の真密度)で高々95%が限度であるという問題があった。
また、特許文献6には、篩わけにより得られた粒度分布が所定の範囲の分布を有するとともに、呼び寸法(公称目開き)が150μmの篩を通過しない粗い粒度域の鉄粉粒子のマイクロビッカース硬さμHvで110以下とする高圧縮性鉄粉が提案されている。
特開平2−156002号公報 特公平7−103404号公報 米国特許第5256185号公報 特開2000−290703号公報 特開2001−342478号公報 特開2002−317204号公報
特許文献6に記載された技術によれば、常温での1回成形により7.20 Mg/m以上(相対密度:9.14%以上)の高密度成形体が得られるとしている。しかしながら、この技術によっても、686MPa程度の成形圧力での1回の加圧成形によって、相対密度:95%を超える(圧粉密度:7.45Mg/mを超える)高密度の成形体を安定して得ることは難しいという問題があった。
本発明は、上記した従来技術の問題を解決し、高エネルギーの投入がない、常温成形法、温間成形法あるいは温間金型潤滑成形法等の比較的安価な方法でかつ686MPa程度の成形圧力で1回の成形によって、相対密度:95%を超える(圧粉密度:7.45Mg/mを超える)高密度の成形体を得ることが可能な、粉末冶金用鉄基粉末を提案することを目的とする。
本発明者らは、上記した課題を達成するために、高エネルギーの投入がない成形法である、温間金型潤滑成形法、あるいは常温成形法において、金型中で加圧される鉄基粉末の圧密化過程について鋭意解析した。その結果、初期加圧過程で鉄基粉末粒子が再配列し、その後、凡そ300MPa以上の加圧力で鉄基粉末粒子が塑性変形し、粒子間に結合を形成して密度が増加するという知見を得た。しかし、塑性変形が進行するとともに加工硬化が増大するため、塑性変形だけで鉄基粉末混合粉を高密度化することは困難である。そこで、本発明者らは、塑性変形が開始する前の、粒子が自由な状態でできるだけ空隙率を低くすることが、その後の塑性変形量を多くすることなく、高密度の成形体を得るために重要であることに思い至った。
そして、本発明者らは、粒子が自由な状態でできるだけ空隙率を低くするためには、まず、鉄基粉末の粒度分布を調整して、鉄基粉末の見掛密度を高くし、金型への鉄基粉末の充填密度を大きくすることが重要であること想到した。さらには、鉄基粉末粒子を球形に近い形状とすることにより、初期加圧時に粒子の再配列が促進されやすいことも見出した。
本発明は、このような知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨は、つぎのとおりである。
(1)JIS Z 2504に規定される試験方法により決定された見掛密度が、4.0 Mg/m以上5.0 Mg/m以下の粉末冶金用鉄基粉末であって、
JIS Z 8801−1に規定される篩により、
粒度A;公称目開きが53μmの篩を通過する粒度のものと、
粒度B;公称目開きが106μmの篩を通過し公称目開きが53μmの篩を通過しない粒度のものと、
粒度C;公称目開きが150μmの篩を通過し公称目開きが106μmの篩を通過しない粒度のものと、
粒度D;公称目開きが250μmの篩を通過し公称目開きが150μmの篩を通過しない粒度のものと、
粒度E;公称目開きが355μmの篩を通過し公称目開きが250μmの篩を通過しない粒度のものと、
粒度F;公称目開きが500μmの篩を通過し公称目開きが355μmの篩を通過しない粒度のものと、
の6段階の粒度に分級することによって得られた鉄基粉末の粒子群のうち、粒度Aの粒子を5〜20質量%を含み、残部が粒度C、粒度D、粒度E又は粒度Fのうちの1つの粒度の粒子からなり、
前記粒子が、0.9以上の円形度を有する粒子であり、
150℃に加熱された壁面に潤滑剤を塗布された金型中に装入し、成形圧力:686MPaで1回成形された時に7.50Mg/m 以上の圧粉密度を有する成形体を得ることができる
ことを特徴とする粉末冶金用鉄基粉末。
なお、本発明の鉄基粉末は、150℃に加熱され壁面に潤滑剤を塗布された金型中に装入し、成形圧力:686MPaで1回成形された時に7.50Mg/m 以上の圧粉密度を有する成形体が得られる高圧縮性鉄基粉末をいうものとする。また、本発明でいう「鉄基粉末」とは、純鉄粉、合金元素を予合金化して含む合金鋼粉および純鉄粉または前記合金鋼粉に非鉄金属粉末を接合した部分合金化鋼粉をも含むものとする。
本発明によれば、常温成形法、温間成形法あるいは温間金型潤滑成形法等の比較的安価な方法で、7.50Mg/m以上の高密度成形体を容易に製造でき、高磁束密度の圧粉磁芯や、高強度の焼結部材を安価に製造できるという、産業上格段の効果を奏する。また、本発明の鉄基粉末によれば、150℃に加熱され壁面に潤滑剤を塗布された金型中に装入し、成形圧力:686MPaの1回成形によって7.50Mg/m 以上の圧粉密度を有する高密度の成形体が得られる。
本発明の鉄基粉末は、4.0 Mg/m以上5.0 Mg/m以下の範囲の見掛密度を有する。なお、本発明では見掛密度は、JIS Z 2504に規定される試験方法(金属粉−見掛密度試験方法)により決定された値を用いるものとする。
鉄基粉末の見掛密度が4.0 Mg/m未満では、粉末を金型に充填した際に充填密度が低く、粒子が自由な状態で形成される空隙量が多くなりすぎ、加圧成形後に所望の圧粉密度(7.50Mg/m)以上の高密度を有する成形体とすることができなくなる。一方、鉄基粉末の見掛密度は高いほど好ましいが、粒度調整や、粒子の球形化処理を行っても、見掛密度は5.0 Mg/mを超えないため、この値を上限とした。なお、真球の剛体球を最密充填した場合には、相対密度は67%となり、鉄基粉末の場合には凡そ5.3 Mg/mの密度となるが、自然充填では粉末粒子表面の摩擦等の影響により最密充填は実現しないため、5.0 Mg/m程度が実現できる見掛密度の上限であると考えられる。このようなことから、鉄基粉末の見掛密度を、4.0 Mg/m以上5.0 Mg/m以下の範囲に限定した。
また、本発明の鉄基粉末は、上記した範囲の見掛密度を有し、さらに粒度分布が少なくとも2つのピークを有する粒度分布をもつ粉末とする。そして、その粒度分布は、2つのピークのうち大きい粒度を示す粒度に属する粒子の含有質量が小さい粒度を示す粒度に属する粒子の含有質量よりも多くなるように、篩分級により調整した粒度分布とすることが好ましい。なお、本発明で用いる粒度分布は、JIS Z 8801−1に規定される篩により、公称目開きが500μmの篩を通過し公称目開きが355μmの篩を通過しない粒度のもの(粒度F)と、公称目開きが355μmの篩を通過し公称目開きが250μmの篩を通過しない粒度のもの(粒度E)と、公称目開きが250μmの篩を通過し公称目開きが150μmの篩を通過しない粒度のもの(粒度D)と、公称目開きが150μmの篩を通過し公称目開きが106μmの篩を通過しない粒度のもの(粒度C)と、公称目開きが106μmの篩を通過し公称目開きが53μmの篩を通過しない粒度のもの(粒度B)と、公称目開きが53μmの篩を通過する粒度のもの(粒度A)と、の6段階の粒度に分級した粒度規定を用いるものとするとよい。
鉄基粉末の粒度分布を、少なくとも2つのピークを有する粒度分布に調整することにより、粉末が粒度の相違がある、少なくとも2つの粒子群で構成されることになるため、粉末を金型に充填した際に、粒度の大きい粒子群が作る空隙を、粒度の小さい粒子群で効率よく埋めることができ、空隙率が低い状態で粉末を充填でき、充填密度が増大する。なお、好ましくは、最も大きいピーク及び2番目に大きい2つのピークは、前記した6段階からなる粒度規定で前記した粒度の公称目開きの中央値表示で100μm以上、より好ましくは175μm以上乖離していることが好ましい。2つのピークの乖離が少ないと、粒子群の粒度差が小さくなり、金型へ充填した時に、粒度の大きな粒子群が形成する空隙が、粒度の小さな粒子群によって効率的に充填できなくなり、空隙率の顕著な低下が期待できなくなる。
さらに、本発明の鉄基粉末では、2つのピークのうち大きい粒度を示す粒子の含有量が、小さい粒度を示す粒子の含有量よりも多くなる粒度分布とする。これにより、粉末を金型に充填した際に充填密度が増大し、空隙率が低い状態で充填することができるため、加圧成形時に粒子の著しい塑性変形を伴うことなく容易に相対密度が95%を超える高密度の成形体を得ることができる。一方、2つのピークのうち大きい粒度を示す粒子の含有量が、小さい粒度を示す粒子の含有量よりも少なくなると、小さい粒度を示す粒子群で形成される小さな空隙に、大きい粒度の粒子が押し込まれるようになるため空隙率は逆に増大する。このため、充填密度が低下し、加圧成形しても低い圧粉密度の成形体しか得られない。
また、上記した2つのピークに属する粒子の含有合計量を、粉体全量に対する質量%で、90%以上とすることが好ましい。2つのピークに属する粒子の含有合計量が、90質量%未満では、第三以降の粒度の粒子が前記2つのピークに属する粒子の隙間に入り込み不規則な空隙を形成するため、粉末を金型に充填した際の空隙率を低くすることが難しくなり、所望の高密度を有する成形体を得ることができにくくなる。
なお、粒度分布で、2つ以上のピークが存在する場合には、含有量の多い順に2つのピークを選択した場合に、上記した限定を満足させるものとする。
また、本発明の鉄基粉末では、粉末粒子は、粒子の円形度が0.9以上であることが好ましい。粉末粒子の円形度を0.9以上とすることにより、粒子形状が球形に近い形状となり、粒子間の接触点が少なくなり、相互の接触抵抗が小さくなるため、加圧成形時に金型内に充填された粒子が移動しやすくなり、塑性変形が生じる前の初期加圧時に粒子の再配列が促進され、初期加圧時での緻密化が進行する。このような形状の粒子は、低圧の水アトマイズやガスアトマイズで製造することができる。またこのような形状の粒子は、粉砕法や、酸化物還元法、あるいは通常の高圧の水アトマイズ法で得られた不定形の粉末を機械的に叩き、表面の凹凸を無くすことによっても製造できる。しかし、この場合には、粒子表面が加工硬化するため歪取焼鈍を必要とする。一方、粉末粒子の円形度が0.9未満では、粒子が球形から外れた形状となり、初期加圧時の粒子の再配列が促進されにくくなる。
なお、本発明でいう、「円形度」は、粒子の断面を観察する場合に次式
円形度={相当円の外周長さ/粒子の実外周長さ}
で定義される値をいうものとする。
円形度の算出はつぎのとおりとする。
まず、対象とする粉末粒子を樹脂等に埋込し、その断面を研磨したのち、走査型電子顕微鏡等で各粒子の断面像を撮像する。ついで、その断面像から、各粒子の実外周長さおよび投影面積を測定する。測定された各粒子の投影面積から、相当する円(相当円)の直径を算出する。そして、その直径を用いて、相当円の外周長さを計算して、上記した式により円形度を算出するものとする。なお、測定する粒子数は10個以上とし、それらの平均値を用いるものとする。
なお、粉末冶金等の実用上の観点から、本発明の鉄基粉末粒子の最大粒径は、500μm未満とすることが好ましい。粒子の最大粒径が500μmを超えると、成形体を焼結して部材を作製する時に拡散が不充分となって焼結が進まないため、成形体の高密度化による部材の機械的強度向上の効果が相殺されてしまう。とくにガスアトマイズ法を利用して鉄基粉末を製造する場合には、粒子が球形で粒子間の接触面積が小さく拡散には不利であるため、最大粒径は500μm未満とすることが好ましい。
また、本発明の鉄基粉末には、必要に応じ、潤滑剤としてステアリン酸リチウム等成形時の粉末温度より高い融点をもつ潤滑剤を添加してもよい。その添加量は、鉄基粉末全量に対する質量%で、0.2質量%以下とすることが好ましい。
つぎに、本発明の鉄基粉末の好ましい製造方法について説明する。
本発明の鉄基粉末の製造に当たっては、通常公知の鉄基粉末製造方法がいずれも適用でき、とくに限定する必要はないが、金属溶湯に水やガスを吹き付け、噴霧状にして冷却凝固させ、金属粉末とする水アトマイズ法、ガスアトマイズ法を利用することが好ましい。なかでも円形度:0.9以上の球形粒子を製造するには、低圧の水アトマイズ法か、ガスアトマイズ法を利用することがより好ましい。なお、粉砕法や、酸化物還元法、あるいは通常の高圧の水アトマイズ法で得られた不定形の粉末を機械的に叩き、表面の凹凸を無くす方法によって製造してもよい。
上記した製造方法を用いて、好ましくは500μm以下の粒径で、できるだけ広い粒度分布を有する鉄基粉末を製造する。ついで、JIS Z 8801−1に規定される篩を用いて、複数の粒子群に篩分級する。複数の粒子群としては、上記した6段階の粒度に分級することが好ましい。篩分級した粒子群から、上記した粒度分布を満足するように、各粒子群の粒子を所定量、配合し、混合して、本発明の鉄基粉末(製品)とすることが好ましい。なお、アトマイズ法で得られた各種粒度の粉末に加えてさらに、アトマイズ法以外の製造方法で製造された粉末を上記した粒度分布を満足する範囲内で配合してよいことは、言うまでもない。
なお、本発明の鉄基粉末は、各種加圧成形法を利用して圧粉磁芯としたり、加圧成形により成形体とした後さらに、焼結処理あるいはさらに熱処理を施して焼結部材とすることができる。加圧成形法としては、常温成形法、温間成形法、温間金型潤滑成形法などがいずれも適用できる。本発明の鉄基粉末を利用すれば、従来の汎用鉄粉を利用し、同一成形法を適用して成形した場合にくらべて、成形圧力:686MPaでの成形による圧粉密度は0.05 Mg/m程度の密度増が期待できる。
本発明の鉄基粉末は、圧粉磁芯製造の場合には原則として、本発明鉄基粉末単独の配合で成形することができるが、金型壁面に潤滑剤が塗布されない場合には、予め鉄基粉末に潤滑剤を配合して成形することが好ましい。さらに圧粉磁芯用としては、必要に応じて、鉄基粉末表面に絶縁処理を施しともよい。
また、焼結部材用として使用する場合には、本発明の鉄基粉末に、黒鉛粉、銅粉等の合金元素粉を必要に応じ所定量配合して成形することが好ましい。なお、金型壁面に潤滑剤が塗布されない場合には、予め潤滑剤を配合して成形することが好ましい。成形体としたのち、焼結処理、あるいはさらに熱処理を施されて、焼結部材とされる。
最大粒径が500μm未満の純鉄粉粉末をガスアトマイズ法(ガス:アルゴン使用)または水アトマイズ法を用いて製造した。これら純鉄粉粉末を、乾水素中で800℃×1hの焼鈍処理を施した。ついで、JIS Z 8801−1に規定される篩を用いて、公称目開きが500μmの篩を通過し公称目開きが355μmの篩を通過しない粒度のもの(粒度F)と、公称目開きが355μmの篩を通過し公称目開きが250μmの篩を通過しない粒度のもの(粒度E)と、公称目開きが250μmの篩を通過し公称目開きが150μmの篩を通過しない粒度のもの(粒度D)と、公称目開きが150μmの篩を通過し公称目開きが106μmの篩を通過しない粒度のもの(粒度C)と、公称目開きが106μmの篩を通過し公称目開きが53μmの篩を通過しない粒度のもの(粒度B)と、公称目開きが53μmの篩を通過する粒度のもの(粒度A)と、の6段階の粒度に分級した。
得られた各粒度のもの(粉末)について、粒子の円形度を調査した。各粒度の粉末をエポキシ樹脂と混合し、タブレット型に成形し、タブレット底面を研磨したのち、該研磨面について、上記した方法で粒子断面の実外周長さおよび投影面積を測定した。測定された各粒子の投影面積から、相当する円(相当円)の直径を算出し、その直径を用いて、相当円の外周長さを計算して、上記した式により円形度を算出した。
ついで、各粒度の粉末を表1に示すように配合し、鉄基粉末とした。これら鉄基粉末について、JIS Z 2504に規定される試験方法により、見掛密度を測定した。また、これら鉄基粉末を、150℃に加熱し、ステアリン酸リチウムを塗布し150℃に加熱された金型(タブレット型:内径11mmφ)に充填し、686MPaの成形圧力で1回で成形した。得られた成形体の密度(圧粉密度)は、得られた成形体の質量を体積で割ることにより算出した。
得られた結果を表1に併記した。
Figure 0004999283
本発明例の鉄基粉末は、いずれも、150℃、成形圧力:686MPaの1回成形で7.50Mg/m以上の高密度の成形体が得られている。一方、本発明の範囲を外れる比較例の鉄基粉末では、見掛密度、圧粉密度の両方が低下している。

Claims (1)

  1. JIS Z 2504に規定される試験方法により決定された見掛密度が、4.0 Mg/m以上5.0 Mg/m以下の粉末冶金用鉄基粉末であって、
    JIS Z 8801−1に規定される篩により、
    粒度A;公称目開きが53μmの篩を通過する粒度のものと、
    粒度B;公称目開きが106μmの篩を通過し公称目開きが53μmの篩を通過しない粒度のものと、
    粒度C;公称目開きが150μmの篩を通過し公称目開きが106μmの篩を通過しない粒度のものと、
    粒度D;公称目開きが250μmの篩を通過し公称目開きが150μmの篩を通過しない粒度のものと、
    粒度E;公称目開きが355μmの篩を通過し公称目開きが250μmの篩を通過しない粒度のものと、
    粒度F;公称目開きが500μmの篩を通過し公称目開きが355μmの篩を通過しない粒度のものと、
    の6段階の粒度に分級することによって得られた鉄基粉末の粒子群のうち、粒度Aの粒子を5〜20質量%を含み、残部が粒度C、粒度D、粒度E又は粒度Fのうちの1つの粒度の粒子からなり、
    前記粒子が、0.9以上の円形度を有する粒子であり、
    150℃に加熱された壁面に潤滑剤を塗布された金型中に装入し、成形圧力:686MPaで1回成形された時に7.50Mg/m 以上の圧粉密度を有する成形体を得ることができる
    ことを特徴とする粉末冶金用鉄基粉末。
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