JPH05178913A - 均一粒径重合体微粒子の製造方法 - Google Patents

均一粒径重合体微粒子の製造方法

Info

Publication number
JPH05178913A
JPH05178913A JP35871991A JP35871991A JPH05178913A JP H05178913 A JPH05178913 A JP H05178913A JP 35871991 A JP35871991 A JP 35871991A JP 35871991 A JP35871991 A JP 35871991A JP H05178913 A JPH05178913 A JP H05178913A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer particles
oil
mixed
monomer
aqueous dispersion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP35871991A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Arimoto
敬浩 有元
Jun Shida
純 志田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP35871991A priority Critical patent/JPH05178913A/ja
Publication of JPH05178913A publication Critical patent/JPH05178913A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】水系分散媒に分散された種ポリマー粒子に、油
溶性エチレン性不飽和単量体及び非イオン性有機化合物
を吸収させ、油溶性重合開始剤の存在下に重合させる重
合体微粒子の製造方法において、油溶性エチレン性不飽
和単量体、非イオン性有機化合物および水系分散媒の混
合液(A)及び/又は種ポリマー粒子および水系分散媒
の混合液(B)を加圧状態下で混合液同士を衝突させて
分散させる装置を用いて乳化等させた後混合し、次いで
重合させる事を特徴とする均一粒径重合体微粒子の製造
方法。 【効果】本発明の製造方法を用いれば、単量体乳化粒子
の粒径が従来方法のものより小さくなるため、乳化液の
安定性が向上し、また種ポリマー粒子に吸収され易くな
る。その結果、本発明では粒径が均一な重合体微粒子が
高収率で得られると共に吸収時間の短縮により全工程の
高効率化が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシード重合法によって均
一粒径重合体微粒子を製造する方法に関するものであ
り、更に詳しくは、粒径が1〜30μmで真球性に優れ
た非多孔質あるいは多孔質の均一粒径重合体微粒子を効
率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の均一粒径重合体微粒子の製造方法
としては、特開昭64−81810号公報に記載された
方法が挙げられる。この方法は油溶性不飽和単量体、及
び非イオン性有機化合物と水系分散媒をホモミキサー等
による機械的剪断力、又は超音波処理等により乳化を行
い重合するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら特開昭6
4−81810号公報に記載された方法においては、ホ
モミキサーにより乳化させた場合、得られる乳化物の粒
径が大きいため安定性が低く、種ポリマー粒子への油溶
性エチレン性不飽和単量体および非イオン性有機化合物
の吸収時間も長くなり、重合体微粒子の均一性は低いも
のとなる。又、超音波処理により乳化させた場合、安定
性の高い乳化液を得ることは困難であり、また超音波チ
ップの摩耗、混入は避けられず製品の品質を低下させる
という問題が生じる。従ってこれらの方法では、超微粒
子乳化物や凝集粒子の少ない乳化物を得ることは困難で
ある。更に種ポリマー粒子の分散に関しても未解砕物や
破砕物の少ない分散液を得ることが困難であり、このた
め結果として得られる重合体微粒子の均一性は低下し、
また長時間のシード膨潤処理が必要となり生産性が乏し
いという問題があった。
【0004】以上のように、従来の均一粒径重合体微粒
子の製造方法では、得られる乳化物の粒径、乳化液の安
定性、種ポリマー粒子の分散状態等に問題があり、その
改善が以前より求められていた。本発明は、かかる課題
を解決するものとして、真球性に優れた非多孔質あるい
は多孔質の均一粒径重合体微粒子を容易な操作で効率よ
く製造する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的が達成可能なシード重合方法を開発するため鋭意研究
を重ねた結果、水系分散媒と種ポリマー粒子の混合液、
又は油溶性エチレン性不飽和単量体と非イオン性有機化
合物の相溶物と水系分散媒の混合液の少なくとも一方
を、加圧状態下で混合液同士を衝突させる装置を用いて
分散又は乳化した後それらを混合すると、乳化液が種ポ
リマー粒子に温室で迅速に吸収されることを見いだし、
本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明の要旨は、水系分散媒に分散
された種ポリマー粒子に、油溶性エチレン性不飽和単量
体及び非イオン性有機化合物を吸収させ、油溶性重合開
始剤の存在下に重合させる重合体微粒子の製造方法にお
いて、(1)油溶性エチレン性不飽和単量体、非イオン
性有機化合物および水系分散媒の混合液(A)を加圧状
態下で混合液同士を衝突させて乳化させる装置を用いて
乳化させ、得られる乳化液と種ポリマー粒子および水系
分散媒の混合液(B)を混合し、(2)種ポリマー粒子
および水系分散媒の混合液(B)を加圧状態下で混合液
同士を衝突させて分散させる装置を用いて分散させ、得
られる分散液と油溶性エチレン性不飽和単量体、非イオ
ン性有機化合物および水系分散媒の混合液(A)を混合
し、または、(3)油溶性エチレン性不飽和単量体、非
イオン性有機化合物および水系分散媒の混合液(A)を
加圧状態下で混合液同士を衝突させて乳化させる装置を
用いて乳化させ、種ポリマー粒子および水系分散媒の混
合液(B)を加圧状態下で混合液同士を衝突させて分散
させる装置を用いて分散させ、各々得られる乳化液と分
散液を混合し、次いで重合させる事を特徴とする均一粒
径重合体微粒子の製造方法に関する。
【0007】本発明の製造方法で用いられる種ポリマー
粒子は、従来のシード重合法の種ポリマーとして知られ
ているものが用いられる。ここで種ポリマー粒子の材質
としては、重合体であれば特に限定されることなく、例
えばスチレン系、アクリル系等が挙げられる。種ポリマ
ー粒子の粒径ついては、平均粒子径が0.1〜20μm
であり、且つ粒径分布の標準偏差が平均粒子径の10%
以下のものが好ましい。また種ポリマー粒子は非架橋型
のものが好ましく、架橋型微粒子を用いると本発明の製
造法では生成する重合体粒子の真球性が低下する場合が
多く不都合を生ずる。
【0008】これらの種ポリマー粒子の調製方法は、ソ
ープフリー重合もしくは乳化重合で得られた粒子径0.
04〜0.2μm程度の均一粒径微粒子を用いて従来の
シード重合法を繰返すか、又は簡便にはJ. Ploym. Sc
i., Polym. Lett. Ed. 23.103(1985)に示
されているような非水系の沈澱重合法を用いて行われる
が、もちろんこれらの方法に限定されるものではない。
本発明で使用される水系分散媒としては、例えば水が挙
げられる。
【0009】本発明に使用される油溶性エチレン性不飽
和単量体としては、例えばスチレン、p−メチルスチレ
ン、p−クロロスチレン等のスチレン系モノマー;アク
リル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリ
ル酸ラウリル、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジ
エチルアミノエチルアクリレート等のアクリル酸エステ
ル系モノマー;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸ラウリル、ジメチルアミノエチルメタ
クリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート等の
メタクリル酸エステル系モノマー;ポリエチレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート;メチルビニルエーテ
ル、エチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテ
ル;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル系モノ
マー;N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリル
アミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタ
クリルアミド等のN−アルキル置換(メタ)アクリルア
ミド;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニト
リル系モノマー;ジビニルベンゼン、エチレングリコー
ルジアクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリアクリレート等の
多官能モノマー等が挙げられるが、本質的に油溶性であ
れば前記モノマーに限定されるものではない。これらの
単量体は、単独で又は2種以上混合して用いることが可
能である。
【0010】本発明で使用される非イオン性有機化合物
は、常温で液体であり、25℃における水への溶解度が
0.01重量%以上で、且つ上記エチレン性不飽和単量
体と相溶するものであり、より好ましくは、25℃にお
ける水への溶解度が0.1重量%以上のものである。こ
のような化合物としては、メチルアルコール、エチルア
ルコール、イソプロピルアルコール、イソアミルアルコ
ール、オクチルアルコール等のアルコール類;酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル等のエス
テル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;
ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスル
ホキシド類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド等のアミド類;アセトニトリル、プロピオニトリル
等のニトリル類等を挙げることができ、分子量が30〜
300の低分子量化合物である。
【0011】また、前述のエチレン性不飽和単量体の中
で上記の非イオン性有機化合物に関する条件を満たすも
のも、該非イオン性有機化合物として用いることができ
る。こうした単量体としては、例えば、酢酸ビニル、メ
タクリル酸メチル、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル等を挙げることができる。これらの非イオン性有機
化合物は単独で、あるいは2種類以上を混合して用いる
ことができる。
【0012】次に、以上の原料を用いた本発明の均一粒
径重合体微粒子の製造方法について述べる。まず、その
概略を示すと次のようなものになる。
【0013】油溶性エチレン性不飽和単量体、非イオ
ン性有機化合物及び水系分散媒を混合して混合液(A)
とし、また種ポリマー粒子と水系分散媒を混合して混合
液(B)を得る。 混合液(A)及び/又は混合液(B)を加圧状態下で
混合液同士を衝突させて乳化等させる装置を用いて乳化
等を行い、安定な微小に分散した混合液(A)の乳化
液、及び/又は混合液(B)の分散液を得る。 で得られた混合液(A)の乳化液とで得られた混
合液(B)、で得られた混合液(A)とで得られた
混合液(B)の分散液、又はで得られた混合液(A)
の乳化液とで得られた混合液(B)の分散液を混合す
る。これにより種ポリマー粒子に該単量体及び非イオン
性有機化合物を効率よく吸収、膨潤させることができ
る。 その後重合を行う。
【0014】前記における混合の方法としては、通常
の混合方法に従い、例えば攪拌機、好ましくはホモミキ
サー、超音波ホモジナイザー、マントンガウリングホモ
ジナイザー(ガウリング社製)などの乳化機、分散機を
用いる方法がある。ここで混合液の混合重量%は、混合
液(A)については油溶性エチレン性不飽和単量体が混
合液の2〜50重量%、非イオン性有機化合物が混合液
の1〜30重量%であり、混合液(B)については、種
ポリマー粒子が混合液の0.1〜10重量%である。こ
のとき、所望により混合液に界面活性剤あるいは高分子
保護コロイド等の分散安定剤を添加してもよい。このよ
うな分散安定剤としてはラウリル硫酸ナトリウム、ラウ
リルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレ
ンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等の界面活性剤;ゼ
ラチン、澱粉、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニ
ルアルキルエーテル、ポリビニルアルコール等の水溶性
高分子;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシ
ウム等の難水溶性無機塩等が挙げられる。分散安定剤の
添加量としては0.05〜10重量%である。
【0015】前記において、混合液(A)及び/又は
混合液(B)を加圧状態下で衝突させて乳化等させる方
法には、加圧状態下で混合液同士を衝突させて乳化させ
る装置、あるいは加圧状態下で混合液同士を衝突させて
分散させる装置が用いられるが、その方法を操作手順に
従って説明すると、以下のようになる。まず混合液
(A)及び/又は混合液(B)を通常のポンプ等を用い
た供給方法に従い供給する。その方法としては、例えば
プランジャーポンプ、ダイアフラムポンプ等のポンプ
類、空気、窒素等のガスによる圧送等が使用できる。次
に、供給された混合液を流動させながら、分岐した管を
通過させる等して2手以上に分割した後、分割した該混
合液同士を衝突させる。衝突の方法としては、2手以上
に分割した液が衝突する任意の方法によって行うことが
できる。このように混合液を衝突させることにより、混
合液の持つ運動エネルギーが破壊エネルギーと変わり乳
化及び/又は分散が行われる。このとき混合液を加圧し
て衝突させれば、混合液が持つ運動エネルギーはより大
きくなり、乳化、分散にさらに効果的である。混合液を
加圧する場合、高圧ガス又は高圧ポンプ、好適には高圧
ポンプが用いられ、その圧力としては100〜3000
kg/cm2 が好ましく、更に好ましくは500〜30
00kg/cm2 であり、特に好ましくは800〜30
00kg/cm2 である。ここで加圧は、混合液を2手
以上に分割する前に行ってもよく、また分割した後に行
ってもよい。
【0016】本発明の方法においては、混合液(A)、
混合液(B)のいずれかについて、又は混合液(A)と
混合液(B)の両方を加圧衝突させるいずれの方法にお
いても、所望の効果が得られるが、重合体の収率及び均
一粒径化の点から、混合液(A)及び混合液(B)の両
方を加圧衝突させる方法がより好ましい。また、混合液
を加圧状態で衝突させる際の温度は特に限定されない
が、混合液中の各成分の沸点以下の温度が好ましい。
【0017】以上の操作を図を用いてその一例について
説明すると、図1の装置では原料槽より高圧ガス又は高
圧ポンプ1により混合液を細いチューブ内に供給する。
細いチューブは分割部3でより細められ、混合液はこの
部分を通るときに高圧流体となる。その後高圧となった
混合液は衝突し、系外に出て常圧の乳化液、又は分散液
となる。
【0018】また、図2の装置では、細いチューブの分
割部3の後に高圧ポンプ1を設け、このポンプにより原
料槽から混合液を供給しながら、同時に加圧を行う。細
いチューブは高圧ポンプ1の後で、更に細められ混合液
はこの部分を通るときに高圧流体となる。その後高圧と
なった混合液は衝突し、系外に出て常圧の乳化液、又は
分散液となる。
【0019】このような操作には、具体的には例えば、
マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディクス社
製)、ナノマイザー(コスモ計装社製)等の装置が好適
に用いられる。
【0020】前記における混合工程は、通常のシード
重合と同様に種ポリマー粒子分散液と油溶性エチレン性
不飽和単量体/非イオン性有機化合物の乳化液とを混合
し、室温で1〜6時間攪拌等することよりなる。これに
より、種ポリマー粒子に油溶性エチレン性不飽和単量体
および非イオン性有機化合物を吸収、膨潤させることが
できるが、この場合特に30〜40℃程度に加温するこ
とにより更に速く吸収させることができる。このとき膨
潤度は、単量体乳化液と種ポリマー粒子分散液との混合
割合を調整することにより任意に選ぶことが可能である
が、通常は5〜150倍であり、この程度の膨潤度のも
のが本発明において好適に用いられる。ここで膨潤度と
は膨潤前の種ポリマー粒子に対する膨潤後の粒子の容積
比で定義される。尚、吸収の終了は光学顕微鏡等で観察
することにより容易に確認できる。
【0021】前記における重合条件を以下に述べる。
用いられる開始剤としては、一般に用いられる油溶性重
合開始剤であれば特に限定されることなく使用でき、例
えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、オルソク
ロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイ
ル等の過酸化物系開始剤、2,2’−アゾビスイソブチ
ロニリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)等のアゾ系開始剤が使用できる。一方、水
溶性の重合開始剤を使用すると種ポリマー粒子以外に新
たな重合体粒子を生成させることになり好ましくない。
重合開始剤の添加時期は、上記の単量体と非イオン性有
機化合物との混合工程から、微分散乳化液の種ポリマー
粒子への吸収工程までの間で適宜選ぶことができるが、
単量体と非イオン性有機化合物とともに重合開始剤を予
め混合し、微分散乳化液の中に含ませるのが最も簡便で
好ましい。
【0022】重合温度は、用いる重合開始剤、単量体の
種類に応じて適宜選ぶことができるが、通常25〜10
0℃の範囲であり、より好ましくは50〜90℃の範囲
である。本発明においては、単量体等が種ポリマー粒子
に完全に吸収された後に、昇温して重合を行うのが好ま
しい。該吸収の後期より昇温を始めて重合を開始するこ
ともできるが、この場合は、新たな重合体粒子が生成し
ないような重合条件にとどめる必要がある。
【0023】重合工程においては、重合体粒子の分散安
定性を向上させる目的で種ポリマー粒子と水系分散媒の
混合の場合と同様の各種の界面活性剤あるいは高分子保
護コロイド等を用いてもよい。このとき分散安定剤は、
種ポリマー粒子に単量体等の微分散乳化液を吸収させた
後添加してもよいし、微分散乳化時に添加して微分散時
の安定化と、重合時の分散安定化の機能を兼ねさせても
よい。
【0024】以上のようにして本発明の製造方法によ
り、均一粒径重合体微粒子が得られる。得られる粒子の
粒子径は、用いる種ポリマー粒子の粒子径、種ポリマー
粒子と単量体との割合によって変わり得るが、本発明は
特に1〜30μm、粒径分布の標準偏差が平均粒子径の
10%以下の均一粒径重合体微粒子を得る場合に有用で
ある。
【0025】また、本発明では重合条件を選ぶことによ
り、得られる重合体微粒子は表面が滑らかで均質なもの
から、凹凸のある多孔質のものまで任意に製造すること
ができる。特に多孔質の重合体微粒子を得るためには、
非イオン性有機化合物の単量体に対する量を15〜30
0重量%と比較的多く用いればよい。また同様の目的で
上記の非イオン性有機化合物のうち、重合性不飽和化合
物でないものを用いることもできる。このとき使用量の
下限は用いる非イオン性有機化合物の種類によって変化
し得る。しかしながら、滑らかな表面の微粒子が生成す
る条件と多孔質の微粒子が生成する条件は明確に分けら
れるものではなく、非イオン性有機化合物の使用量を適
宜選ぶことにより目的に応じた表面状態の重合体微粒子
を得ることができる。
【0026】重合後の重合体微粒子は、濾過、遠心分離
等により分離して水相を除き、水洗及び/又は溶剤で洗
浄の後、通常の乾燥手段によって粉体として単離するこ
とができ、これは、特別に分級処理を施さなくても実用
的には充分な均一粒径を有する微粒子である。
【0027】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によ
りなんら限定されるものではない。
【0028】種ポリマー粒子の製造例 ポリビニルピロリドン(分子量4万)7.2部(部は重
量部、以下同様)、エアロゾールOT(和光純薬工業
(株)製界面活性剤)2部、アゾイソブチロニトリル
0.5部をエタノール340部に溶解させた溶液を攪拌
しながら窒素気流下70℃に昇温させ、ついでスチレン
45部を加え、同温度で24時間保持して重合体粒子を
得た。この粒子の平均粒子径は1.55μm、粒径分布
の標準偏差は2.5%であった。
【0029】実施例1 前記の種ポリマー粒子の製造例で得られた乾燥粒子1.
56部にイオン交換水250部とラウリル硫酸ナトリウ
ム0.8部を加え、均一に分散して分散液(混合液)を
得た。スチレン55重量%とジビニルベンゼン(純度5
5重量%品)45重量%からなる単量体混合物80部に
エタノール5.0部及び過酸化ベンゾイル10部を溶解
させたものに、イオン交換水600部、ラウリル硫酸ナ
トリウム1.5部を混合して、得られた混合液を、常温
で700kg/cm2 にて400ml/minでマイク
ロフルイダイザー(マイクロフルイディクス社製)に供
給し、2手に分割させた後、衝突させて乳化液を得た。
得られた乳化液を、前記種ポリマー粒子の分散液に加
え、30℃にて3時間攪拌すると完全に単量体は種ポリ
マー粒子に吸収された。この分散液にポリビニルアルコ
ール(GH−17、日本合成化学工業(株)製:鹸化度
86.5〜89mol%)の3重量%水溶液370部を
加えた後、攪拌しながら窒素気流下80℃で12時間重
合を行い、表面のなめらかな均一粒径重合体微粒子の分
散液を得た。得られた重合体の収率は、単量体と種ポリ
マーに対して98重量%であり、この重合体粒子の平均
粒径は6.05μm、粒径分布の標準偏差は2.5%で
あった。
【0030】実施例2 実施例1と同じ乾燥粒子1.56部にイオン交換水25
0部とラウリル硫酸ナトリウム0.8部を加えて混合
し、得られた混合液を常温で900kg/cm2 にて4
50ml/minでマイクロフルイダイザー(マイクロ
フルイディクス社製)に供給し、2手に分割させた後、
衝突させて種ポリマー粒子の分散液を得た。スチレン5
5重量%とジビニルベンゼン(純度55重量%品)45
重量%からなる単量体混合物80部にエタノール5.0
部及び過酸化ベンゾイル10部を溶解させたものに、イ
オン交換水600部、ラウリル硫酸ナトリウム1.5部
を混合して、得られた乳化液を、前記種ポリマー粒子の
分散液を加え、30℃にて3時間攪拌すると完全に単量
体は種ポリマー粒子に吸収された。この分散液にポリビ
ニルアルコール(GH−17、日本合成化学工業(株)
製;鹸化度86.5〜89mol%)の3重量%水溶液
370部を加えた後、攪拌しながら窒素気流下80℃で
12時間重合を行い、表面のなめらかな均一粒径重合体
微粒子の分散液を得た。収率は98重量%であり、粒子
の平均粒径は6.13μm、粒径分布の標準偏差は2.
5%であった。
【0031】実施例3 実施例1と同じ乾燥粒子1.56部にイオン交換水25
0部にラウリル硫酸ナトリウム0.8部を加えて混合
し、得られた混合液を常温で1000kg/cm2 にて
500ml/minでマイクロフルイダイザー(マイク
ロフルイディクス社製)に供給し、2手に分割させた
後、衝突させて種ポリマー粒子の分散液を得た。スチレ
ン55重量%とジビニルベンゼン(純度55重量%品)
45重量%からなる単量体混合物80部にエタノール
5.0部及び過酸化ベンゾイル10部を溶解させたもの
に、イオン交換水600部、ラウリル硫酸ナトリウム
1.5部を混合して、得られた混合液を、常温で100
0kg/cm2 、にて500ml/minでマイクロフ
ルダイザー(マイクロフルイディクス社製)に供給し、
2手に分割させた後、衝突させて乳化液を得た。得られ
た乳化液を、前記種ポリマー粒子の分散液に加え、30
℃にて2時間攪拌すると完全に単量体は種ポリマー粒子
に吸収された。この分散液にポリビニルアルコール(G
H−17、日本合成化学工業(株)製;鹸化度86.5
〜89mol%)の3重量%水溶液370部を加えた
後、攪拌しながら窒素気流下80℃で12時間重合を行
い、表面のなめらかな均一粒径重合体微粒子の分散液を
得た。収率は99重量%であり、粒子の平均粒径は6.
13μm、粒径分布の標準偏差は2.0%であった。
【0032】比較例1 実施例1と同じ乾燥粒子1.56部にイオン交換水25
0部とラウリル硫酸ナトリウム0.8部を加え均一に分
散させた。スチレン55重量%とジビニルベンゼン(純
度55重量%品)45重量%からなる単量体混合物80
部にエタノール5.0部及び過酸化ベンゾイル10部を
溶解させたものに、イオン交換水600部、ラウリル硫
酸ナトリウム1.5部を混合して、得られた乳化液を、
前記種ポリマー粒子の分散液に加え、30℃にて4時間
攪拌すると完全に単量体は種ポリマー粒子に吸収され
た。この分散液にポリビニルアルコール(GH−17、
日本合成化学工業(株)製;鹸化度86.5〜89mo
l%)の3重量%水溶液370部を加えた後、攪拌しな
がら窒素気流下80℃で12時間重合を行い、表面のな
めらかな均一粒径重合体微粒子の分散液を得た。収率は
95重量%であり、粒子の平均粒径は5.89μm、粒
径分布の標準偏差は7.0%であった。
【0033】以上のように、本発明の実施例1〜3では
いずれも高収率(98〜99重量%)、であり、得られ
た粒子の粒径分布の標準偏差も小さい(2.0〜2.5
%)ものであった。これに対し、比較例1では、収率が
劣るとともに、粒径分布の標準偏差も大きいものであっ
た。
【0034】
【発明の効果】本発明の製造方法を用いれば、種ポリマ
ー粒子に吸収される単量体乳化粒子の粒径が、従来方法
のものより小さくなるため、乳化液の安定性が向上し乳
化粒子の凝集が起こりにくく、また乳化粒子の表面積が
大きくなるため種ポリマー粒子に吸収され易くなる。ま
た、種ポリマー粒子が完全に一次粒子として分散される
ため不良粒子の混入を未然に防ぐことができる。その結
果、本発明では粒径が均一な重合体微粒子が高収率で得
られると共に吸収時間の短縮により全工程の高効率化が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】混合液を加圧した後分割し、衝突させる場合の
本発明で使用される装置の概略説明図を示す。
【図2】混合液を分割した後、加圧し衝突させる場合の
本発明で使用される装置の概略説明図を示す。
【符号の説明】
1 高圧ポンプ 2 圧力計 3 分割部 4 混合液

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水系分散媒に分散された種ポリマー粒子
    に、油溶性エチレン性不飽和単量体及び非イオン性有機
    化合物を吸収させ、油溶性重合開始剤の存在下に重合さ
    せる重合体微粒子の製造方法において、油溶性エチレン
    性不飽和単量体、非イオン性有機化合物および水系分散
    媒の混合液(A)を加圧状態下で混合液同士を衝突させ
    て乳化させる装置を用いて乳化させ、得られる乳化液と
    種ポリマー粒子および水系分散媒の混合液(B)を混合
    し、次いで重合させる事を特徴とする均一粒径重合体微
    粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】 水系分散媒に分散された種ポリマー粒子
    に、油溶性エチレン性不飽和単量体及び非イオン性有機
    化合物を吸収させ、油溶性重合開始剤の存在下に重合さ
    せる重合体微粒子の製造方法において、種ポリマー粒子
    および水系分散媒の混合液(B)を加圧状態下で混合液
    同士を衝突させて分散させる装置を用いて分散させ、得
    られる分散液と油溶性エチレン性不飽和単量体、非イオ
    ン性有機化合物および水系分散媒の混合液(A)を混合
    し、次いで重合させる事を特徴とする均一粒径重合体微
    粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】 水系分散媒に分散された種ポリマー粒子
    に、油溶性エチレン性不飽和単量体及び非イオン性有機
    化合物を吸収させ、油溶性重合開始剤の存在下に重合さ
    せる重合体微粒子の製造方法において、油溶性エチレン
    性不飽和単量体、非イオン性有機化合物および水系分散
    媒の混合液(A)を加圧状態下で混合液同士を衝突させ
    て乳化させる装置を用いて乳化させ、種ポリマー粒子お
    よび水系分散媒の混合液(B)を加圧状態下で混合液同
    士を衝突させて分散させる装置を用いて分散させ、各々
    得られる乳化液と分散液を混合し、次いで重合させる事
    を特徴とする均一粒径重合体微粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】 加圧状態における圧力が、100〜30
    00kg/cm2 である請求項1〜3いずれか記載の均
    一粒径重合体微粒子の製造方法。
JP35871991A 1991-12-27 1991-12-27 均一粒径重合体微粒子の製造方法 Pending JPH05178913A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35871991A JPH05178913A (ja) 1991-12-27 1991-12-27 均一粒径重合体微粒子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35871991A JPH05178913A (ja) 1991-12-27 1991-12-27 均一粒径重合体微粒子の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05178913A true JPH05178913A (ja) 1993-07-20

Family

ID=18460762

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35871991A Pending JPH05178913A (ja) 1991-12-27 1991-12-27 均一粒径重合体微粒子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05178913A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004244587A (ja) * 2003-02-17 2004-09-02 Nitto Denko Corp ポリマー水分散体の製造方法およびポリマー水分散体
CN102786759A (zh) * 2011-05-17 2012-11-21 罗门哈斯公司 吸入有热塑性聚合物的胶乳颗粒

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004244587A (ja) * 2003-02-17 2004-09-02 Nitto Denko Corp ポリマー水分散体の製造方法およびポリマー水分散体
CN102786759A (zh) * 2011-05-17 2012-11-21 罗门哈斯公司 吸入有热塑性聚合物的胶乳颗粒

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7763689B2 (en) Process for the preparation of functionalised polymer particles
CN111171221B (zh) 一种利用spg乳化膜技术制备热膨胀微球的方法
JPH05178912A (ja) 架橋ポリマー粒子の製造方法
JP2002542319A (ja) ポリマー粒子の製造法
JPS61215603A (ja) 重合体粒子の製造方法
JPS61215602A (ja) 重合体粒子の製造方法
EP0695769A1 (en) Methods of preparing hollow polymeric particles
JPS61215604A (ja) ポリマ−粒子の製造方法
WO2018212207A1 (ja) ポリビニルアルコール系樹脂、分散剤及び懸濁重合用分散剤
JPH05178913A (ja) 均一粒径重合体微粒子の製造方法
EP0308864B1 (en) Process for preparing uniformly sized, fine particles of polymer
JPH06256438A (ja) 重合体粒子の製造方法
JPS61190504A (ja) ポリマ−粒子の製造方法
JP3339091B2 (ja) 重合体粒子の製造方法
JP3130437B2 (ja) 大きさの揃った重合体粒子の製造方法
JPH08134115A (ja) 高単分散微粒子の製造方法
JPH01314962A (ja) 液体クロマトグラフィー用充填剤
JP2005232426A (ja) 開口微粒子及びその製造方法
JPH05271313A (ja) 塩化ビニル系重合体の製造法
JPS61215605A (ja) ポリマ−粒子の製造方法
JPH11158204A (ja) 懸濁重合方法
JP2000128903A (ja) 単分散球形重合体の製造
JP2956043B2 (ja) 熱可塑性重合体粒子の製造方法
JPH02194007A (ja) 塩化ビニル系樹脂の製造法
JPH06206929A (ja) 吸水性樹脂の製造方法