JPH0517614B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、レーザー等を光源として、円盤状情
報記録媒体（以下デイスクと称す）上に情報を記
録あるいは再生する光学式記録再生装置において
デイスクの面振れ等により発生するフオーカスず
れを補正するフオーカシング制御と、デイスクの
偏心等に伴なうトラツキングずれを補正するトラ
ツキング制御を行なう光ピツクアツプ装置に関す
るものである。

従来例の構成とその問題点 近年、ビデオデイスク、DAD、光デイスクフ
アイル等光学式記録再生装置の実用化に伴なつて
光ピツクアツプ装置の小型化、高性能化の必要性
が高まつてきている。

まず、従来の光ピツクアツプの一例について説
明する。第１図は、従来の光ピツクアツプの断面
図である。第１図において１は半導体レーザー、
３は反射ミラー、４は対物レンズ、５はデイス
ク、６はレンズ鏡筒、７ａ，７ｂはトラツキング
駆動コイル、コイル８，８′はトラツキング駆動
磁気回路、９はフオーカシング駆動コイル、１０
ａ，１０ｂ，１０ｃはフオーカシング駆動磁気回
路、１１，１２は弾性支持部材、２は光軸を示し
ている。XXはデイスク５の半径方向、ZZはデイ
スク５の厚み方向を各々示している。

以上のように構成された従来の光ピツクアツプ
について、以下その動作について説明する。

トラツキング誤差検出回路（図示せず）から、
トラツキング補正電流が、トラツキング駆動コイ
ル７ａ，７ｂに加わると、トラツキング駆動磁気
回路８，８′との間にフレミングの左手の法則に
基づく電磁気力が発生し、対物レンズ４は、図中
のＸ−Ｘ方向に、弾性支持部材１１，１２の弾性
力とつり合う形で移動して、トラツキング制御が
行なわれる。同様に、フオーカシング制御は、フ
オーカシング駆動コイル９とフオーカシング駆動
磁気回路１０ａ，１０ｂ，１０ｃ間に発生する電
磁気力によつて行なわれる。

しかしながら、上記の構成ではトラツキング制
御の駆動力の発生位置であるトラツキング駆動コ
イル７ａ，７ｂの中心位置Ｐと弾性支持部材１
１，１２の光軸２方向の中心Ｑとが一致していな
い。従つてトラツキング制御は、対物レンズ４を
傾動することにより行なわれる。ところが、対物
レンズ４を傾動させると、光軸２と対物レンズ４
自身の光軸との傾き及び、対物レンズ４自身の光
軸とデイスク５との相対傾きにより、収差が発生
し、記録再生特性が劣化するという欠点を有して
いる。また、フオーカス駆動用コイル９、トラツ
キング駆動用コイル７ａ，７ｂが、レンズ鏡筒６
の上下に分離して、配置されているということ、
トラツキングとフオーカシングの各々の磁気回路
が完全に閉磁路を構成しているため、第１図中に
示したフオーカシング移動のための空隙ａ，ｂ，
ｃ，ｄを必要とするため、光ピツクアツプの高さ
が、大きくなる。従つて光学式記録再生装置全体
の薄形化が困難となる欠点がある。

発明の目的 本発明は、上記従来の欠点を解消するものでデ
イスクの半径方向に対物レンズを平行移動させ、
収差を発生することなくトラツキング制御を行え
るようにし、記録再生特性を向上するとともに光
ピツクアツプを薄型化し、光学式記録再生装置全
体の薄形化を計ることを目的とする。

発明の構成 本発明は、トラツキング制御用コイルに関して
対称な位置に、同一形状、材質の１対の弾性支持
部材を配置することにより、トラツキング制御時
に、対物レンズを平行移動可能にし、収差を発生
させることなく、トラツキング制御を行なえるよ
うにして記録再生特性を向上させ、フオーカス駆
動用コイルとトラツキング駆動用コイルとを、レ
ンズ鏡筒へ同一高さに配置することと、フオーカ
ス駆動用磁石とトラツキング駆動用磁石を、各々
フオーカス駆動用コイルと、トラツキング駆動用
コイルに対向配置し、フオーカス制御時の移動用
空間を設けることを不要とすることで光ピツクア
ツプを薄型化し、光学式記録再生装置全体を薄型
化したものである。

実施例の説明 第２図は本発明の一実施例の断面図である。第
２図において、１３は対物レンズ、１４はデイス
ク、１５はレンズ鏡筒、１６は中空四角柱状のフ
オーカス駆動用コイル、１７ａ，１７ｂはトラツ
キング駆動用コイル、１８ａ，１８ｂはトラツキ
ング駆動磁石ユニツト、１９ａ，１９ｂは１対の
弾性部材、２０は光ピツクアツプ全体の筐体を
各々示し、また図中のXXはデイスク１４上に形
成された記録トラツクの半径方向、ZZはデイス
ク１４の厚み方向を各々示す。

第３図は、弾性支持部材１９ａを取り除いた状
態の平面図であり、XX，YYは各々デイスク１
４上に形成された記録トラツクの半径方向及び接
線方向を示している。２１ａ，２１ｂ，２１ｃは
トラツキング駆動磁石ユニツト１８ｂの構成を示
しており、２１ａ，２１ｂは各々YY方向に磁極
を有する１対の磁石である。また２１ｃはヨーク
を示している。このように閉磁気回路を構成する
ことで、磁石２１ａのＮ極から発せられた磁束
が、レンズ鏡筒１５に固着されたトラツキング駆
動コイル１７ｂのZZ方向に巻装された２辺のう
ち磁石２１ａに対向する１辺には、磁石２１ａ側
からレンズ鏡筒１５側に磁束が鎖交し、磁石２１
ｂに対向する１辺には、逆に、レンズ鏡筒１５側
から磁石２１ａ側に磁束が鎖交する。

一方、レンズ鏡筒１６に直接巻装されたフオー
カス駆動コイル１６のXX方向に巻装された２辺
のうちトラツキング駆動磁石ユニツト１８ｂに対
向する辺にも同じく磁石２１ａに対向する部分と
磁石２１ｂに対向する部分では、逆方向の磁束が
鎖交することになる。また２２ａ，２２ｂ，２２
ｃはトラツキング駆動磁石ユニツト１８ａの構成
を示しており、トラツキング駆動磁石ユニツト１
８ｂと同様の構成を示し、その動作も同様であ
る。

２３ａ，２３ｂは各々フオーカス駆動磁石ユニ
ツトを示し、磁石２４ａ，２４ｂは磁極がXX方
向に一致するよう配置されており、かつその同極
同士がフオーカス駆動コイル１６を介して対向す
るようヨーク２５ａ，２５ｂに固着されている。

磁石２４ｂは、フオーカス駆動コイル１６の
YY方向に巻装された２辺のうちの磁石２４ｂに
対向する１辺の磁石２４ｂ側からレンズ鏡筒１５
側へ鎖交する磁束を与える。この時、一部は磁石
２１ｂとの間で閉磁路を構成する。これは、一
方、レンズ鏡筒１５に固着されたトラツキング駆
動コイル１７ｂのZZ方向に巻装された２辺のう
ち磁石２１ｂに対向する１辺には、磁石２１ａか
らの鎖交磁束と同方向の鎖交磁束を発生するので
フオーカス駆動磁石１６が、トラツキング駆動コ
イル１７ｂにも影響を与えるようであるが、フオ
ーカス駆動磁石２４ａとトラツキング駆動磁石２
１ｂ間で、トラツキング駆動磁石２１ａからトラ
ツキング駆動磁石２１ｂへ向かう磁束を妨げる作
用を与えるので、実質的にはフオーカス駆動磁石
２４ａ，２４ｂはトラツキング駆動磁石ユニツト
１８ｂには影響を与えない。

すなわち、本実施例の磁気回路は１対の異極性
の磁石からなるトラツキング駆動磁気回路と、同
極性の磁石を対向配置したフオーカス駆動磁気回
路からなり、構成的にも作用的にも分離独立して
配置されている。

また、フオーカス駆動コイル１６のZZ方向の
幅の中心と、トラツキング駆動コイル１７ａ，１
７ｂのZZ方向の幅の中心は、いずれも第２図中
のAA線上に略々一致されている。

また、上下一対の弾性支持部材１９ａ，１９ｂ
は、AAに対して、上下対称に配置されている。

第４図は、弾性支持部材１９ａ，１９ｂの平面
図であり、バネ部２６ａ，２６ｂ、リング部２
７、外周固定部２８ａ，２８ｂから成つており、
リング部２７はレンズ鏡筒１５に、外周固定部２
８ａ，２８ｂは、筐体２０に各々固着されてい
る。

次に、上記実施例の動作説明を行なう。初めに
フオーカス制御について説明する。フオーカス誤
差検出回路（図示せず）により検出したフオーカ
ス誤差信号に基づいて、フオーカス駆動コイル１
６に、駆動電流が流れると磁石ユニツト２３ａ，
２３ｂとの間で、フレミングの左手の法則に基づ
くフオーカス駆動力がZZ方向に働き、弾性支持
部材１９ａ，１９ｂのバネ部２６ａ，２６ｂが
ZZ方向に変位し、その結果対物レンズ１３がZZ
方向に変位してフオーカス制御が行なわれる。ま
た、トラツキング制御は、フオーカス制御と同様
にトラツキング駆動コイル１７ａ，１７ｂにトラ
ツキング駆動電流が流れると磁石ユニツト１８
ａ，１８ｂとの間にフレミングの左手の法則に基
づいてXX方向の駆動力が発生する。その結果、
弾性支持部材１９ａ，１９ｂのバネ部２６ａ，２
６ｂはXX方向に変位するが、この時、第２図中
にAAで示したトラツキング駆動コイルのZZ方向
の中心すなわち、トラツキング駆動力の発生位置
に対して弾性支持部材１９ａ，１９ｂが対称に配
されているため、トラツキング制御時に、バネ部
２６ａ，２６ｂに不所望なモーメントが負荷され
ることはなく、上下一対の弾性支持部材１９ａ，
１９ｂのバネ部２６ａ，２６ｂが等しくXX方向
に変位する。その結果対物レンズ１３は傾動する
ことなくXX方向に変位し、トラツキング制御が
行なわれる。

以上に述べた様に、この実施例の光ピツクアツ
プ装置は、中空四角柱状のフオーカス駆動用コイ
ル１６と、同じく中空四角柱状のトラツキング駆
動用コイル１７ａ，１７ｂを、各々その高さ方向
の中心が略一致するようレンズ鏡筒１５に固着
し、さらに、その高さ方向の中心に関して、上下
対称に一対の弾性支持部材１９ａ，１９ｂを配置
し、また、フオーカス駆動用コイル１６と、トラ
ツキング駆動用コイル１７ａ，１７ｂの各々に磁
石ユニツトを対向させ、駆動力を得る構成とした
ことで、トラツキング制御を対物レンズ１３を傾
動させることなく行なうことができる。

従つて、トラツキング制御時の対物レンズ光軸
のデイスク１４に対する傾き及び、光源からの入
射光軸２９に対する傾きに起因する収差（コマ収
差、非点収差）の発生を防止でき良好な記録再生
特性が得られる。さらに、トラツキング及びフオ
ーカス駆動用のコイル１６，１７ａ，１７ｂと磁
石ユニツトの高さ方向の中心を一致させたことに
より、光ピツクアツプの薄形化を実現でき、光学
式記録再生装置全体の薄形化が可能となるという
効果が得られる。

また、本発明の他の実施例として、フオーカス
駆動用磁石ユニツト２３ａ，２３ｂのいずれか一
方のみを設けるか、あるいは、トラツキング駆動
用コイル１７ａ，１７ｂ及び磁石ユニツト１８
ａ，１８ｂの組み合せのいずれか一方のみを設け
るだけの構成の光ピツクアツプでも同様の効果が
上げられる。

発明の効果 本発明の光ピツクアツプは、トラツキングとフ
オーカス駆動コイルをレンズ鏡筒の同一高さに設
置しさらに各々の駆動コイルに対して各々磁石を
対向配置することにより、トラツキング、フオー
カスの駆動力を得る構成としさらに、前記レンズ
鏡筒への両コイル取り付け位置に対して、１対の
弾性支持部材を上下対称に配置したことで、光ピ
ツクアツプを薄型化し、光学式記録再生装置全体
の薄型化を可能とすると共に、トラツキング制御
を、対物レンズの平行移動により行なうことで、
収差の発生を防止し記録再生特性を向上したもの
であり、その工業的効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来例における光ピツクアツプ装置
の断面図、第２図は本発明の一実施例における光
ピツクアツプ装置の断面図、第３図は同平面図、
第４図は同装置に用いる弾性支持部材の平面図で
ある。 １３……対物レンズ、１９ａ，１９ｂ……弾性
支持部材、１６……フオーカス駆動用コイル、１
７ａ，１７ｂ……トラツキング駆動用コイル、１
８ａ，１８ｂ……トラツキング駆動磁石ユニツ
ト、２３ａ，２３ｂ……フオーカス駆動磁石ユニ
ツト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 対物レンズを収納したレンズ鏡筒と、 前記レンズ鏡筒の外周に、そのコイル軸が前記
   対物レンズの光軸と一致するよう巻装した中空四
   角状のフオーカシング制御用の第１のコイルと、 前記レンズ鏡筒にそのコイル軸が円盤状記録媒
   体上に形成された記録トラツクの接線方向と一致
   するよう、かつそのコイル軸が前記第１のコイル
   の前記レンズ鏡筒への巻装位置の中心と前記対物
   レンズの光軸上において略一致するよう固着した
   中空四角状のトラツキング制御用の第２のコイル
   と、 前記第１と第２のコイルの中心から前記光軸方
   向に略等しい位置にあつて前記レンズ鏡筒を移動
   自在に支持する１対の弾性支持部材と、 前記円盤状記録媒体の記録トラツクの半径方向
   に磁極を有し、かつ前記第１のコイルの巻装面に
   磁極が対向するよう配したフオーカシング制御用
   の第１の磁石と、 前記円盤状記録媒体の記録トラツクの接線方向
   に磁極を有し、かつ、前記第２のコイルの前記光
   軸方向に巻装された二辺の各々に異極性の磁極が
   対向するよう配したトラツキング制御用の第２の
   磁石とを有してなる光ピツクアツプ装置。