JPH051745A - 流体封入式防振組立体 - Google Patents

流体封入式防振組立体

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JPH051745A
JPH051745A JP18184391A JP18184391A JPH051745A JP H051745 A JPH051745 A JP H051745A JP 18184391 A JP18184391 A JP 18184391A JP 18184391 A JP18184391 A JP 18184391A JP H051745 A JPH051745 A JP H051745A
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JP
Japan
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metal fitting
vibration
elastic body
rubber elastic
inner metal
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Application number
JP18184391A
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English (en)
Inventor
Yoshiki Funahashi
芳樹 舟橋
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Publication date
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  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 流体封入式防振組立体において、軸方向のば
ね硬さの向上と、高周波振動に対する防振特性の向上と
を、ともに簡略な構造にて達成すること。 【構成】 ロッド形状のインナ金具と、その外側に配さ
れた略有底筒形状の取付金具との間にゴム弾性体を介装
し、それら両金具の軸直角方向および軸方向対向面間を
連結せしめると共に、該取付金具に対して有底筒形状の
アウタ金具を外嵌固定せしめて、インナ金具とアウタ金
具との間に、オリフィス通路を通じて相互に連通された
受圧室と平衡室を形成せしめる一方、それら受圧室と平
衡室とを仕切る、前記ゴム弾性体にて構成された隔壁部
に、仕切枠部材を配設して前記インナ金具側またはアウ
タ金具側に支持せしめることにより、該仕切枠部材とイ
ンナ金具またはアウタ金具との間に、振動入力時におけ
る変形が回避され得る振動遮断部を形成し、そして、こ
の振動遮断部に対して液圧吸収機構を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、FF(フロントエンジン・フロ
ントドライブ)型の自動車におけるエンジンマウント等
として好適に用いられ得る、内部に封入された流体の流
動作用に基づいて防振効果を得るようにした流体封入式
防振組立体に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、振動伝達系を構成する部材間に
介装されて、それら両部材を防振連結するマウント装置
の一種として、互いに径方向に所定距離を隔てて配され
た内筒金具と外筒金具とを、それらの間に介装されたゴ
ム弾性体にて一体的に連結せしめてなる構造を有する、
所謂筒型の防振組立体が知られている。そして、このよ
うな防振組立体にあっては、コンパクトなマウントサイ
ズを有利に実現することができると共に、内外筒金具の
相対的変位量を有利に規制することができることから、
例えば、FF型自動車用のエンジンマウント等として、
好適に用いられてきている。
【0003】また、近年では、かかる筒型の防振組立体
における内筒金具と外筒金具との間に、オリフィス通路
を通じて互いに連通された複数の流体室を形成せしめ
て、それら内外筒金具間への振動入力時に、かかるオリ
フィス通路を通じて、流体室間での流体の流動が生ぜし
められるようにした構造の、所謂流体封入式防振組立体
が提案されており、オリフィス通路内を流動せしめられ
る流体の共振作用に基づいて、ゴム弾性体のみでは得ら
れない、優れた防振効果を得ることができることから、
その採用が増加してきている。
【0004】ところが、このような筒型の流体封入式防
振組立体にあっては、内外筒金具間における流体室の形
成によって、前記ゴム弾性体の内部が中空構造とされる
ことから、該ゴム弾性体における軸方向厚さが実質的に
減少し、マウントの軸方向ばね定数が充分に確保され難
いという不具合を有していたのである。
【0005】そして、それ故、上述の如き流体封入式防
振組立体を、例えば自動車用エンジンマウントに適用
し、パワーユニット重量が、その径方向に及ぼされる状
態で装着せしめた場合には、軸方向のばね定数が充分に
確保され難いが故に、該軸方向に相当する車両左右方向
等において、パワーユニットが車体に対して大きく変位
し易く、そのために車両の操縦安定性が著しく悪化する
といった問題が惹起されることとなるのである。
【0006】また、上述の如き筒型の流体封入式防振組
立体においては、オリフィス通路内を流動せしめられる
流体の共振作用に基づく防振効果が、予めチューニング
された限られた周波数域の入力振動に対してしか有効に
は発揮され得ず、高周波数域の振動入力時には、かかる
オリフィス通路の実質的な閉塞化に伴う高動ばね化が惹
起されるために、防振性能の著しい低下が避けられない
といった不具合をも有していたのであり、その有効な解
決策は、未だ実現されてはいなかったのである。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、前述の如き流体封入式防振組立体におい
て、その軸方向におけるばね硬さを、簡単な構造をもっ
て有利に向上せしめることができると共に、高周波数域
の入力振動に対する防振特性を、簡単な構造をもって有
利に向上せしめ得る技術を提供することにある。
【0008】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明にあっては、(a)ロッド形状を呈するインナ金具
と、(b)略有底筒形状を呈し、該インナ金具の外側に
所定距離を隔てて同軸的に若しくは偏心して配される、
軸直角方向一方向に対向位置する壁部に第一の窓部およ
び第二の窓部が設けられた取付金具と、(c)前記イン
ナ金具と前記取付金具との間に介装されて、それらの軸
直角方向および軸方向の対向面間を連結する、該インナ
金具を挟んだ軸直角方向両側に、前記第一の窓部および
第二の窓部を通じて開口する第一のポケット部および第
二のポケット部が設けられたゴム弾性体と、(d)前記
取付金具に外嵌固定されることにより、前記インナ金具
に対して前記ゴム弾性体を介して連結せしめられると共
に、前記第一のポケット部および前記第二のポケット部
の開口を覆蓋せしめることにより、それぞれ内部に所定
の非圧縮性流体が封入された、壁部の一部が前記ゴム弾
性体にて構成されて振動入力時に内圧変動が惹起される
受圧室と、壁部の一部が可撓性膜にて構成されて容積変
化が容易に許容される平衡室とを、形成する有底筒状の
アウタ金具と、(e)前記受圧室と前記平衡室との間に
跨がって設けられて、それら両室間での流体の流動を許
容するオリフィス通路と、(f)前記受圧室と前記平衡
室とを仕切る前記ゴム弾性体にて構成された隔壁部に配
設されて、前記インナ金具および前記アウタ金具の何れ
か一方の側に支持されることにより、それらインナ金具
とアウタ金具との間に入力される振動を遮断せしめて、
該インナ金具または該アウタ金具との間に振動遮断部を
形成する仕切枠部材と、(g)かかる振動遮断部に形成
された前記受圧室と前記平衡室とを連通する通孔内に、
所定量だけ変位乃至は変形可能に配設されて、その変位
乃至は変形に基づいて、それら受圧室と平衡室との間で
の流体の流動を実質的に許容する液圧吸収手段とを、有
する流体封入式防振組立体を、その特徴とするものであ
る。
【0009】
【作用・効果】すなわち、このような本発明に従う構造
とされた流体封入式防振組立体にあっては、軸方向への
振動入力時に、インナ金具とアウタ金具との軸方向対向
面間に介装されたゴム弾性体に対して、引張/圧縮変形
が有効に惹起され得るのであり、それによって、軸方向
のばね強度が有利に発揮され得るのである。
【0010】また、本発明に係る流体封入式防振組立体
においては、高周波数域の振動入力時における受圧室の
内圧変動が、液圧吸収手段の変形乃至は変位に伴う流体
の流動に基づいて軽減乃至は防止され得ることから、高
周波数域の入力振動に対しても、優れた防振性能が発揮
され得るのである。
【0011】しかも、特に本発明にあっては、受圧室と
平衡室とを仕切る隔壁部に仕切枠部材を設けて、該仕切
枠部材とインナ金具またはアウタ金具との間に、液圧吸
収手段が配設される振動遮断部を形成せしめたことによ
り、該液圧吸収手段の配設スペースを有利に確保し得た
のであり、そこにも、本発明の大きな技術的特徴が存す
るのである。
【0012】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明することとする。
【0013】先ず、図1乃至図4には、本発明の一実施
例としてのFF型自動車用エンジンマウント10が示さ
れている。これらの図において、12および14は、イ
ンナ金具およびアウタ金具であって、それらの間に介装
されたゴム弾性体16によって一体的に連結されてい
る。そして、かかるエンジンマウント10にあっては、
インナ金具12がパワーユニット側に、アウタ金具14
が車体側に、それぞれ取り付けられることにより、図1
中の上下方向(マウント径方向)および左右方向(マウ
ント軸方向)が、それぞれ、車両の上下方向および左右
方向となる状態で、それらの間に介装される。また、そ
のような装着状態下、このエンジンマウント10にあっ
ては、パワーユニット重量が及ぼされてゴム弾性体が変
形せしめられることにより、インナ金具12とアウタ金
具14とが、略同軸的に位置せしめられることとなると
共に、図1中の上下方向に対して、防振すべき主たる振
動が入力されることとなる。
【0014】より詳細には、インナ金具12は、中実の
ロッド形状をもって形成されており、その軸方向一方の
端部には、軸方向外方に突出する取付ボルト18が、一
体的に設けられている。そして、この取付ボルト18に
より、インナ金具12が、図示しないパワーユニット側
に取り付けられるようになっている。
【0015】さらに、このインナ金具12の外側には、
所定距離を隔てて、取付金具20が配設されている。か
かる取付金具20は、全体として略半球殻状の底部を備
えた有底円筒体に対して、その底部側の径方向一方向に
対向位置する周壁部分に、第一の窓部22と第二の窓部
24とが設けられてなる構造とされている。換言すれ
ば、かかる取付金具20は、薄肉の略大径円筒形状を呈
する筒状部26と、該筒状部26から軸方向に一体的に
突出し、略U字型に湾曲した帯板形状をもって、該筒状
部26の径方向対向部間をつなぐ帯状部28とによって
構成されているのである。
【0016】また、この取付金具20における筒状部2
6には、軸方向中間部分において、周方向に連続して延
びる凹溝30が設けられている。
【0017】更にまた、かかる取付金具20における帯
状部28には、その長手方向中央に位置する突出先端部
において、内方に向かって略矩形枠体状に入り込むよう
に屈曲された仕切枠部32が、設けられている。
【0018】そして、かかる取付金具20は、その筒状
部26が、インナ金具12の径方向外側に所定距離を隔
てて、第一の窓部22と第二の窓部24との対向方向に
所定量だけ偏心して位置すると共に、その帯状部28の
仕切枠部32が、インナ金具12の軸方向端面に対し
て、所定距離を隔てて対向位置する状態で、インナ金具
12の外側に配設されている。
【0019】さらに、これらインナ金具12と取付金具
20との間には、それらの間を充填するようにして、ゴ
ム弾性体16が設けられており、図5に示されている如
く、該ゴム弾性体16に対して、それら両金具12,2
0が加硫接着されてなる一体加硫成形品29として形成
されている。即ち、かかる一体加硫成形品29において
は、インナ金具12と取付金具20とが、ゴム弾性体1
6により、それらの径方向および軸方向対向面間におい
て連結されているのである。
【0020】また、このゴム弾性体16には、インナ金
具12を軸直角方向に挟んで、インナ金具12と取付金
具20との偏心方向に対向位置する両側において、取付
金具20に設けられた第一の窓部22および第二の窓部
24を通じて開口する凹所状形態をもって、第一のポケ
ット部34および第二のポケット部36が、それぞれ形
成されている。更に、第二のポケット部36とインナ金
具12との間には、軸方向に延びる肉抜部38が設けら
れている。そして、この肉抜部38によって、かかる第
二のポケット部36の底壁40が薄肉化されていること
により、該底壁40の変形が容易に許容され得るように
なっている。
【0021】更にまた、これら第一のポケット部34と
第二のポケット部36とは、取付金具20の筒状部26
に設けられた前記凹溝30によって、相互に連通されて
いる。即ち、かかる凹溝30は、その周上の一箇所が遮
断ゴム42にて遮断されて、実質的に周方向一周弱の長
さとされていると共に、その周方向両端部近傍が、それ
ぞれ、連通路44,45により、第一のポケット部34
および第二のポケット部36に対して接続されているの
である。
【0022】さらに、かかる一体加硫成形品29におい
て、ゴム弾性体16は、取付金具20における仕切枠部
32の内部にまで充填されており、この仕切枠部32内
に充填されたゴム部分をも含んで、前記第一のポケット
部34と第二のポケット部36とを仕切る隔壁部が構成
されている。そして、この仕切枠部32の内部に充填さ
れた部分は、該仕切枠部32によって、インナ金具12
と取付金具20とを連結せしめる本体ゴム部分とは、実
質的に独立して構成されており、それによって、かかる
本体ゴム部分における変形が、仕切枠部32によって遮
断されて、殆ど及ぼされない振動遮断部46とされてい
る。
【0023】また、かかる振動遮断部46には、前記第
一のポケット部34と第二のポケット部36との対向方
向に貫通して、それら両ポケット部34,36を連通す
る連通孔47が設けられている。更に、この連通孔47
には、可動部材48が、貫通状態下に遊挿され、挿通方
向に自由に変位可能に配置されている。かかる可動部材
48は、連通孔47よりも一回り小さな外周面と、該連
通孔47よりも僅かに長い長さとをもって形成されてい
ると共に、その両端部には、それぞれ、フランジ状に突
出する当接片50,50が一体的に設けられており、こ
れら当接片50,50の連通孔47開口周縁部への当接
によって、その変位量が規定されるようになっている。
【0024】そして、かくの如く構成された一体加硫成
形品29には、更に、その外周面に対して、アウタ金具
14が外挿されて、一体的に組み付けられている。かか
るアウタ金具14は、図6にも示されているように、全
体として、取付金具20よりも一回り大きな半球殻状の
底部を有する有底円筒形状をもって形成されている。ま
た、その内周面には、略全面に亘って、シールゴム層5
2が一体的に設けられている。
【0025】すなわち、かかるアウタ金具14にあって
は、一体加硫成形品29に外挿された後、その筒壁部に
対して八方絞り等の縮径加工が施されて、取付金具20
(筒状部26)の外周面に対して嵌着固定されることに
より、その内周面に対して筒状部26および帯状部28
が当接固定された状態で、該一体加硫成形品29に対し
て組み付けられている。要するに、その組付状態下、か
かるアウタ金具14の筒壁部および底壁部は、インナ金
具12の外周面および軸方向端面に対して、それぞれ、
ゴム弾性体16を介して、弾性的に連結されているので
ある。
【0026】また、このようなアウタ金具14の組付け
によって、前記一体加硫成形品29に形成された第一の
ポケット部34および第二のポケット部36の開口が、
それぞれ流体密に覆蓋されて、それらの内部に、所定の
非圧縮性流体が封入されて成る受圧室54および平衡室
56が形成されている。なお、この非圧縮性の封入流体
としては、流体の流動作用に基づく防振効果を有効に得
るために、水やアルキレングリコール、ポリアルキレン
グリコール、シリコーン油等が、好適に用いられること
となる。また、かかる流体の受圧室54および平衡室5
6への封入は、例えば、一体加硫成形品29に対するア
ウタ金具14の組付操作を、流体中にて行なうこと等に
よって、有利に為され得る。
【0027】ここにおいて、かかる受圧室54にあって
は、その壁部の一部が、ゴム弾性体16によって構成さ
れており、以て、振動入力時に、該ゴム弾性体16の弾
性変形に基づいて内圧変動が惹起されるようになってい
る。また一方、平衡室56にあっては、底壁40の変形
に基づいて、その容積変化が容易に許容され得るように
なっている。それによって、振動入力時、それら受圧室
54と平衡室56との間に、相対的な内圧変動が惹起さ
れ得るようになっているのである。
【0028】更にまた、アウタ金具14の一体加硫加硫
成形品29への組付けにより、第一及び第二のポケット
部34,36間を連通する前記凹溝30が覆蓋され、該
凹溝30により、上記受圧室54と平衡室56とを相互
に連通するオリフィス通路58が形成されている。それ
によって、振動入力時には、受圧室54と平衡室56と
の間で、かかるオリフィス通路58を通じての流体の流
動が生ぜしめられることとなり、以て、その流体の共振
作用に基づいて、シェイクやバウンス等の低周波振動に
対する高減衰効果が発揮され得ることとなるのである。
【0029】また、特に本実施例では、受圧室54の内
部において、その内周面形状に略対応した外形を有する
可動ブロック60が収容配置されており、該可動ブロッ
ク60と受圧室内面との間に、所定間隙の狭窄流路が形
成されている。それによって、振動入力時、該可動ブロ
ック60の周囲において、流体の流動が有効に生ぜしめ
られることとなり、以て、その流体の共振作用に基づい
て、エンジンノイズやこもり音等の高周波振動に対する
低動ばね効果が発揮され得るのである。また、この可動
ブロック60は、インナ金具12とアウタ金具14との
径方向における相対的変位量を規制するストッパ機構と
しても機能し得ることとなる。
【0030】さらに、前記一体加硫成形品29に設けら
れた振動遮断部46は、アウタ金具14の底壁部内面に
対して当接せしめられて、該アウタ金具14と取付金具
20の仕切枠部32との間で囲まれた状態で位置せしめ
られることとなる。即ち、この振動遮断部46にあって
は、インナ金具12側からの入力振動が仕切枠部32に
て遮断されることにより、振動入力時にも大きな変形が
回避され得るようになっているのである。
【0031】そして、この振動遮断部46に配設支持さ
れた前記可動部材48にあっては、その両端面に対し
て、受圧室54および平衡室56の内圧がそれぞれ及ぼ
されることから、振動入力時に、それら受圧室54と平
衡室56との間での相対的な内圧差によって変位(振
動)せしめられることとなる。そうして、この可動部材
48の変位に基づいて、受圧室54と平衡室56との間
で、流体の実質的な流動が許容されるのであり、それに
よって受圧室54内の液圧変動が有利に軽減乃至は防止
され得て、マウントの低動ばね化が発揮され得るのであ
る。
【0032】また、そこにおいて、かかる可動部材48
は、その変位量が、当接片50の連通孔47開口周縁部
に対する当接によって規制されることから、前記オリフ
ィス通路58による防振効果が要求される低周波大振幅
振動の入力時には、実質的に機能し得ず、該オリフィス
通路58による高減衰効果が有効に発揮され得るのであ
り、アイドリング振動やこもり音等の高周波小振幅振動
の入力時においてのみ、有効な低動ばね効果を発揮し得
ることとなる。
【0033】なお、特に、本実施例では、受圧室54内
に配置された前記可動ブロック60の周囲を流動せしめ
られる流体の共振作用によっても、高周波数域の振動入
力時における低動ばね効果が発揮され得ることから、適
当なチューニングを施すことによって、高周波数域の充
分に広い範囲の入力振動に対して、優れた防振効果を一
層有利に得ることができるのである。
【0034】そうして、このような構造とされたエンジ
ンマウント10は、前述の如く、そのインナ金具12お
よびアウタ金具14が、パワーユニット側および車体側
に対して、それぞれ取り付けられることにより、図1中
の上下方向(マウント径方向)および左右方向(マウン
ト軸方向)が、それぞれ、車両の上下方向および左右方
向となる状態で、それらパワーユニットと車体との間に
介装されることとなる。
【0035】そして、そのような装着状態下、かかるエ
ンジンマウント10に対して、軸方向の振動荷重が入力
された際には、ゴム弾性体16のうち、インナ金具12
とアウタ金具14との軸方向対向面間を連結する部分に
対して、圧縮/引張変形が惹起されることから、この軸
方向連結部によって有効な支持ばね強度が発揮され得る
こととなる。それ故、このようなエンジンマウント10
によれば、車両左右方向における支持ばね強度を有利に
確保することができるのであり、それによって、パワー
ユニットの車両左右方向における変位量を抑えることが
できることから、車両の操縦安定性の向上が、極めて有
効に達成され得るのである。
【0036】しかも、かかるエンジンマウント10にあ
っては、略有底円筒形状のアウタ金具14を採用したこ
とによって、該アウタ金具14に対して、インナ金具1
2との軸方向対向面を有利に形成し得たのであり、しか
も、該アウタ金具14の内周面に嵌着固定される取付金
具20を利用して、ゴム弾性体16の軸方向連結部をア
ウタ金具14側に固着するようにしたことにより、構造
の簡略化と組立作業性の向上も、有利に図られ得ること
となったのである。
【0037】また、かかるエンジンマウント10におい
ては、受圧室54と平衡室56との間に配設された可動
部材48の変位に基づく液圧吸収作用によって、高周波
数域の振動入力時における受圧室54の内圧変動が、有
利に軽減乃至は防止され得ることから、高周波数域の振
動入力時における著しい高動ばね化が有利に回避され得
ることとなり、高周波数域の入力振動に対しても、優れ
た防振性能が発揮され得るのである。
【0038】しかも、かかるエンジンマウント10にあ
っては、受圧室54と平衡室56とを仕切る隔壁部に仕
切枠部32を配し、該仕切枠部32とアウタ金具14と
の間に、可動部材48が配設される振動遮断部46を形
成せしめたことにより、該可動部材48の配設スペース
を、極めて有利に且つ簡略な構造をもって確保し得たの
である。
【0039】ところで、上述した第一の実施例において
は、仕切枠部材(32)がアウタ金具(14)側に支持
されており、該アウタ金具との間に振動遮断部(46)
を形成せしめて成る構造とされたエンジンマウントの一
具体例を示したが、その他、仕切枠部材をインナ金具側
に支持せしめることによって、インナ金具との間に振動
遮断部を形成することも可能である。その具体例につい
て、以下に、実施例を示しつつ、説明を加えることとす
る。
【0040】図7乃至図9には、本発明に従う構造とさ
れた別の実施例としてのエンジンマウント70が示され
ている。なお、本実施例において、前記第一の実施例と
同様な構造とされた部材については、それぞれ、図中、
前記第一の実施例と同一の符号を付することにより、そ
の詳細な説明は省略することとする。
【0041】即ち、本実施例のエンジンマウント70に
あっては、その取付金具20の帯状部28が、半円状の
突出先端部をもって形成されており、全長に亘ってアウ
タ金具14の内周面に対し、シールゴム層52を挟んで
圧接せしめられている。従って、該取付金具20とアウ
タ金具との間には、前記第一の実施例の如き振動遮断部
(46)が設けられていない。
【0042】その代わり、本実施例のエンジンマウント
70には、ゴム弾性体16に構成された受圧室54と平
衡室56とを仕切る隔壁部において、略コ字状に屈曲さ
れた帯板状の仕切枠金具72が、その両端部においてイ
ンナ金具12の外周面に固着されることにより、該イン
ナ金具12から軸方向に突出して設けられている。
【0043】そして、この仕切枠金具72が設けられて
いることにより、該仕切枠金具72とインナ金具12と
によって囲まれた部分に充填されたゴム弾性体が、イン
ナ金具12と取付金具20とを連結せしめる本体ゴム部
分とは、実質的に独立して構成されている。それによっ
て、かかる仕切枠金具72とインナ金具12とによって
囲まれた部分に、本体ゴム部分における変形が仕切枠金
具72によって遮断されて殆ど及ぼされない振動遮断部
74が形成されているのである。
【0044】そうして、かかる振動遮断部74に対し
て、受圧室54と平衡室56との対向方向に貫通する連
通孔47が設けられていると共に、この連通孔47に遊
挿されることにより、可動部材48が配設支持されてい
る。
【0045】なお、本実施例のエンジンマウント70に
は、受圧室54内において、インナ金具12側から所定
高さで突出する突出片76が、ゴム弾性体16によって
一体的に形成されている。そして、この突出片76によ
り、受圧室54内における可動ブロック60の変位が規
制されるようになっており、それによって、該可動ブロ
ック60の、上記可動部材48に対する当接に起因する
防振特性の阻害が防止され得るようになっている。
【0046】従って、このような構造とされた本実施例
のエンジンマウント70にあっても、前記第一の実施例
に示されたエンジンマウント(10)と同様、インナ金
具12とアウタ金具14とを軸方向に連結するゴム弾性
体16によって、軸方向の支持ばね強度が有利に確保さ
れ得ると共に、可動部材48の配設スペースが、受圧室
54と平衡室56とを仕切る隔壁部において、有利に且
つ簡略な構造をもって確保され得ることとなり、該可動
部材48の変位に伴う流体の流動作用に基づいて、高周
波振動に対する優れた防振特性が発揮され得ることとな
るのである。
【0047】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これらは文字通りの例示であって、本発明は、か
かる具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0048】例えば、前記第一の実施例の如く、アウタ
金具と仕切枠部材との間に振動遮断部を形成する場合で
も、振動遮断部を形成する仕切枠部材(32)を、取付
金具とは別部材にて構成することも可能である。
【0049】また、前記実施例では、振動遮断部が、ア
ウタ金具14とインナ金具との軸方向対向面間に設けら
れていたが、その他、アウタ金具とインナ金具との軸直
角方向対向面間に形成するようにしても良い。
【0050】更にまた、受圧室と平衡室とを連通する通
孔内に配されて、その変位乃至は変形に基づいて、受圧
室内の液圧変動を吸収する液圧吸収手段の具体的構造
も、前記実施例に示されている可動部材48によって限
定されるものではない。例えば、受圧室と平衡室とを連
通する通孔の中間部分に、平板形状の可動板を所定量だ
け変位可能に配設支持せしめることによって、或いはか
かる通孔を閉塞するように、ダイヤフラム等の所定量の
変形が許容される仕切膜を配設せしめること等によっ
て、液圧吸収機構を構成することも可能である。
【0051】さらに、前記実施例では、アウタ金具14
が、半球殻状の底部を備えた有底円筒形状をもって形成
されていたが、平板状の底部を備えた有底筒体形状のア
ウタ金具を採用することも可能である。
【0052】また、受圧室と平衡室とを連通するオリフ
ィス通路の具体的構造は、実施例のものに限定されるも
のでは決してなく、要求される防振特性等に応じて、適
宜変更されるべきものであり、例えば、液圧吸収手段が
配設される振動遮断部に形成することも可能である。
【0053】更にまた、前記実施例では、受圧室54内
に可動ブロック60が収容配置されていたが、かかる可
動ブロック60は、本発明において必須のものではな
い。
【0054】加えて、前記実施例では、本発明を自動車
用エンジンマウントに対して適用したものの具体例を示
したが、本発明は、自動車用ボデーマウントやデフマウ
ント、或いは自動車以外の各種装置における防振装置等
に対して、何れも、有利に適用され得るものであること
は、勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての自動車用エンジンマ
ウントを示す縦断面図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】図1における III−III 断面図である。
【図4】図1におけるIV−IV断面図である。
【図5】図1に示されているエンジンマウントを構成す
る一体加硫成形品を示す縦断面図である。
【図6】図1に示されているエンジンマウントを構成す
るアウタ金具を示す縦断面図である。
【図7】本発明の別の実施例としての自動車用エンジン
マウントを示す縦断面図である。
【図8】図1におけるVIII−VIII断面図である。
【図9】図1におけるIX−IX断面図である。
【符号の説明】
10,70 エンジンマウント 12 インナ金具 14 アウタ金具 16 ゴム弾性体 20 取付金具 22 第一の窓部 24 第二の窓部 32 仕切枠部 34 第一のポケット部 36 第二のポケット部 46,74 振動遮断部 47 連通孔 48 可動部材 50 当接片 54 受圧室 56 平衡室 58 オリフィス通路 72 仕切枠金具

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 ロッド形状を呈するインナ金具と、略有
    底筒形状を呈し、該インナ金具の外側に所定距離を隔て
    て同軸的に若しくは偏心して配される、軸直角方向一方
    向に対向位置する壁部に第一の窓部および第二の窓部が
    設けられた取付金具と、前記インナ金具と前記取付金具
    との間に介装されて、それらの軸直角方向および軸方向
    の対向面間を連結する、該インナ金具を挟んだ軸直角方
    向両側に、前記第一の窓部および第二の窓部を通じて開
    口する第一のポケット部および第二のポケット部が設け
    られたゴム弾性体と、前記取付金具に外嵌固定されるこ
    とにより、前記インナ金具に対して前記ゴム弾性体を介
    して連結せしめられると共に、前記第一のポケット部お
    よび前記第二のポケット部の開口を覆蓋せしめることに
    より、それぞれ内部に所定の非圧縮性流体が封入され
    た、壁部の一部が前記ゴム弾性体にて構成されて振動入
    力時に内圧変動が惹起される受圧室と、壁部の一部が可
    撓性膜にて構成されて容積変化が容易に許容される平衡
    室とを、形成する有底筒状のアウタ金具と、前記受圧室
    と前記平衡室との間に跨がって設けられて、それら両室
    間での流体の流動を許容するオリフィス通路と、前記受
    圧室と前記平衡室とを仕切る前記ゴム弾性体にて構成さ
    れた隔壁部に配設されて、前記インナ金具および前記ア
    ウタ金具の何れか一方の側に支持されることにより、そ
    れらインナ金具とアウタ金具との間に入力される振動を
    遮断せしめて、該インナ金具または該アウタ金具との間
    に振動遮断部を形成する仕切枠部材と、かかる振動遮断
    部に形成された前記受圧室と前記平衡室とを連通する通
    孔内に、所定量だけ変位乃至は変形可能に配設されて、
    その変位乃至は変形に基づいて、それら受圧室と平衡室
    との間での流体の流動を実質的に許容する液圧吸収手段
    とを、有することを特徴とする流体封入式防振組立体。
JP18184391A 1991-06-25 1991-06-25 流体封入式防振組立体 Pending JPH051745A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0585517A1 (de) * 1992-08-29 1994-03-09 Firma Carl Freudenberg Hydraulisch dämpfendes Gummilager

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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