JPH05173153A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JPH05173153A
JPH05173153A JP35487491A JP35487491A JPH05173153A JP H05173153 A JPH05173153 A JP H05173153A JP 35487491 A JP35487491 A JP 35487491A JP 35487491 A JP35487491 A JP 35487491A JP H05173153 A JPH05173153 A JP H05173153A
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JP
Japan
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liquid crystal
crystal display
electrode layer
heater
display element
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Application number
JP35487491A
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English (en)
Inventor
Hideo Kawaguchi
英夫 川口
Atsushi Yago
淳 矢後
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication of JPH05173153A publication Critical patent/JPH05173153A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • G02F1/133Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
    • G02F1/1333Constructional arrangements; Manufacturing methods
    • G02F1/133382Heating or cooling of liquid crystal cells other than for activation, e.g. circuits or arrangements for temperature control, stabilisation or uniform distribution over the cell

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  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 液晶表示素子(液晶パネル)全体を均一な温
度に制御することが可能な液晶表示素子を提供する。さ
らに、透過光がほとんど着色のない液晶表示素子を提供
する。 【構成】 片面に少なくとも透明電極層及び配向膜が設
けられたガラス基板二枚を、配向膜同士が対面するよう
に配設し、配向膜の間の空隙に液晶を封入してなる液晶
表示素子において、少なくとも一方のガラス基板のいず
れかの表面に、長方形のヒーター電極が横方向に平行に
三つ以上配設されてなるヒーター電極層が設けられ、そ
して該ヒーター電極層が少なくとも三つの独立した加熱
領域にヒーター電極単位で分割され且つ分割された両端
の加熱領域が他の加熱領域より狭いことを特徴とする液
晶表示素子。および透明電極の膜厚及びヒーター電極の
膜厚が、液晶表示素子を透過した白色光の400〜80
0nmの波長領域において示す最大透過率と最小透過率
との差が20%以下となるように調整されていることを
特徴とする液晶表示素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、時計、テレビ、パソコンディスプ
レイなどに使用されている液晶表示素子は、基本的に、
片面に少なくとも透明電極及び配向膜が設けられたガラ
ス基板二枚が、配向膜同士が対面するように配設され、
配向膜の間の空隙に液晶が封入された構造を有してい
る。そして、このような液晶表示素子には、種々の液晶
が使用されており、最近では高速応答性を有する強誘電
性液晶なども開発されている。
【0003】液晶表示素子に対する要求が多様化し高度
化するに伴なって、種々の液晶組成物が開発されてい
る。このような液晶組成物は、一般に温度変化により、
ねじれのピッチ、しきい値特性、粘度係数などが変化
し、このため応答速度、クロストーク、コントラストな
ど画質に影響する特性も変化する。従って、液晶をその
性能が十分に発揮されるように使用するためには、液晶
表示素子中の液晶を、その駆動最適温度範囲に常に維持
することが望ましい。例えば、液晶表示素子中の液晶の
温度が、駆動適性温度範囲よりも高いと表示にクロスト
ークが発生したり、駆動適性温度範囲よりも低いと応答
性が遅くなったりする。
【0004】液晶のみで、広い温度範囲で上記特性を満
足させることは困難であり、一般に、表示素子(パネ
ル)中にヒーターを組み込むことにより、パネル中の液
晶の温度を環境温度に影響されないようにコントロール
されている。例えば、液晶表示素子の基板に、ITOや
SnO2 などの透明導電性膜を形成してヒーター電極と
して用いると、基板の中央部と両側とでは放熱量が異な
るため基板全面を均一な温度に制御することは困難であ
る。
【0005】上記問題点を解決する素子として、特開昭
57−192927号公報に、液晶パネルの周辺部に対
応するヒーターおよび中央部に対応するヒーターとに分
けて設け、それぞれのヒーターを、液晶パネル温度と環
境温度の温度差によって、それぞれの可変抵抗を適当に
コントロールすることよりパネル全体を一定の温度にす
る液晶パネルが提案されている。図4は、上記液晶パネ
ルの平面図で、ガラス基板41、その上に設けられたパ
ネル周辺部に対応するヒーター42、パネル中央部に対
応するヒーター43、そしてヒーターの一方の側面に設
けられた金属電極端子44、可変変抗45、及び電源4
6から構成されている。このように、ヒーターは、周囲
のヒーターが中央のヒーターを囲むように設けられた二
つの部分からなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者の検討による
と、上記のように液晶パネルを周辺部と中央部とに分け
てヒーターを設け、加熱の程度を可変抵抗によりコント
ロールする方法は、必ずしもパネル全体を均一な温度に
制御できるとは限らないことが明らかとなった。すなわ
ち、パネル周辺部に対応するヒーター42は、「コ」の
字型に形成されているため、その直角に曲がる二か所の
角の部分で発熱が大きく、パネル全体としては均一な温
度に制御し難いことが判明した。従って、本発明は、液
晶表示素子(液晶パネル)全体を均一な温度に制御する
ことが可能な液晶表示素子を提供する。さらに、本発明
は、液晶表示素子(液晶パネル)を均一な温度に制御す
ることが可能で、且つ明状態での透過光がほとんど着色
のない液晶表示素子を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、片面に少な
くとも透明電極層及び配向膜が設けられたガラス基板二
枚を、配向膜同士が対面するように配設し、配向膜の間
の空隙に液晶を封入してなる液晶表示素子において、少
なくとも一方のガラス基板のいずれか一方の表面に、液
晶加熱用の長方形のヒーター電極が横方向に平行に三つ
以上配設されてなるヒーター電極層が設けられ、そし
て、該ヒーター電極層が、少なくとも三つの独立した加
熱領域にヒーター電極単位で分割され且つ分割された両
端の加熱領域が、他の加熱領域より狭いことを特徴とす
る液晶表示素子により達成することができる。
【0008】本発明の液晶表示素子の好適な態様は下記
の通りである。
【0009】1)該ヒーター電極が、全て同一寸法であ
ることを特徴とする上記液晶表示素子。
【0010】2)該ヒーター電極層のそれぞれ加熱領域
が、複数のヒーター電極からなることを特徴とする上記
液晶表示素子。
【0011】3)該それぞれの加熱領域のヒーター電極
が、短辺側で金属電極端子により連結されていることを
特徴とする上記液晶表示素子。
【0012】4)該ヒーター電極層が、線対称形である
ことを特徴とする上記液晶表示素子。
【0013】5)該少なくとも三つの加熱領域の、両側
の領域の幅が3〜30mmの範囲にあることを特徴とす
る上記液晶表示素子。
【0014】6)該ヒーター電極が、ガラス基板の透明
電極の設けられていない表面に形成されていることを特
徴とする上記液晶表示素子。
【0015】9)ヒーター電極の横幅(長方形の短辺)
が、0.2〜2.0mmの範囲にあることを特徴とする
上記液晶表示素子。
【0016】10)ヒーター電極間の間隔が、50〜1
000μmの範囲にあることを特徴とする上記液晶表示
素子。
【0017】11)ヒーター電極層の膜厚が、50〜2
50nmの範囲にあることを特徴とする上記液晶表示素
子。
【0018】12)上記ヒーター電極層が、ITO(イ
ンジウム−スズ酸化物)膜又はSnO2 膜であることを
特徴とする上記の液晶表示素子。
【0019】13)上記ガラス基板と透明電極層との間
に、温度検出器が設けられていることを特徴とする上記
の液晶表示素子。
【0020】本発明は、片面に少なくとも透明電極層及
び配向膜が設けられたガラス基板二枚を、配向膜同士が
対面するように配設し、配向膜の間の空隙に液晶を封入
してなる液晶表示素子において、少なくとも一方のガラ
ス基板のいずれか一方の表面にヒーター電極層が設けら
れ、そして透明電極層の膜厚及びヒーター電極層の膜厚
が、該液晶表示素子を透過する白色光の400〜800
nmの波長領域において示す最大透過率と最小透過率と
の差が20%以下となるように調整されていることを特
徴とする液晶表示素子にもある。
【0021】本発明の上記液晶表示素子の好適な態様は
下記の通りである。
【0022】1)該最大透過率と最小透過率との差が、
15%以下であることを特徴とする上記液晶表示素子。
【0023】2)該透明電極層及びヒーター電極層が、
ITO膜であることを特徴とする上記液晶表示素子。
【0024】3)該透明電極層のITO膜の膜厚が、8
0〜300nmの範囲にあることを特徴とする上記液晶
表示素子。
【0025】4)該ヒーター電極層のITO膜の膜厚
が、50〜500nmの範囲にあることを特徴とする上
記液晶表示素子。
【0026】[発明の詳細な記述]本発明を、添付する
図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の液晶
表示素子の一実施例の一部を拡大して模式的に示した断
面図である。図1において、液晶表示素子10は、ガラ
ス基板11bの一方の表面にヒーター電極層12b、ガ
ラス基板11bの他方の表面に、絶縁膜13b、透明電
極層14b、絶縁膜15b及び配向膜16bがこの順で
設けられ、もう一方のガラス基板11a上に、カラーフ
ィルタ17a、絶縁膜13a、透明電極層14a、絶縁
膜15a及び配向膜16aがこの順で設けられ、配向膜
16aと配向膜16bとの間の空隙に液晶18が充填さ
れて構成されている。
【0027】ヒーター電極は、直線の帯状で、並列に、
好ましくは素子の縦(短かい方の辺)方向と平行に多数
配設され、ヒーター電極層を形成している。後に図3で
説明するように、ヒーター電極層は少なくとも三つの加
熱領域に分割され、それぞれの加熱領域のヒーター電極
は、両端で金属電極端子により連結されてまとめられて
いる。ヒーター電極は、ITOなどの導電性の透明な膜
からなる。この膜は、電流が流れることにより発熱する
ので、印加電圧を、液晶素子の両端領域と中央領域と変
化させて付与することにより(具体的には、両端に高電
圧を、中央に低電圧を付与する)、素子全域をほぼ一定
の温度に保つことができる。発熱量を変化させる方法
は、電圧を一定にして時間を変える、パルス幅を変える
などの方法を利用しても良い。この場合、印加電圧等を
自動的に制御するため、温度検出器(ITO膜からな
る)を非表示領域のカラーフィルタ上、あるいはガラス
基板上に設けることが好ましい。
【0028】図2は、本発明の液晶表示素子の別の実施
例の一部を拡大して模式的に示した断面図である。図2
において、液晶表示素子20は、ガラス基板21bの上
にヒーター電極層22b、絶縁膜23b、透明電極層2
4b、絶縁膜25b及び配向膜26bがこの順で設けら
れ、他方のガラス基板21a上には、カラーフィルタ2
7a、絶縁膜23a、透明電極層22a、絶縁膜25a
及び配向膜26aがこの順で設けられ、配向膜26aと
配向膜26bとの間の空隙に液晶28が充填されて構成
されている。これは、ヒーター電極層を液晶側に設けた
例で、図1の例に比べ、液晶を加温するには有利である
が、製造上、高い精度が要求される。
【0029】図3は、本発明の液晶表示素子のヒーター
電極が設けられた基板の例を模式的に示した平面図であ
る。図3において、ガラス基板31bの上に、長方形
(直線帯状)のヒーター電極32H、33H、34Hが
形成されている。透明電極基板にするためには、更に絶
縁膜を設け、その上に直線帯状の透明電極が形成され
る。ヒーター電極層は三つの加熱領域32、33、34
に分割され、それぞれに対応するヒーター電極が22
H、33H、34Hである。それぞれの領域のヒーター
電極は、両端で金属電極端子32A、33A、34A及
び32B、33B、34Bにより連結されている。32
Aと32B、33Aと33B、および34Aと34B
が、それぞれ結線され、加熱器と接続されている。ヒー
ター電極層が一つの領域である場合、結線付近での発熱
の低下はなく、短辺側の端部付近で発熱量が低下すると
の知見から、上記のように、複数の長方形のヒーター電
極が横方向に配設されることにより形成されるヒーター
電極層を少なくとも三つの加熱領域に分割して、両端の
領域に電圧を他の中央部の領域より大きく印加すること
によって本発明の目的が達成されることが判明した。従
って、両側の領域の幅は大きくない方が好ましく、その
幅は3〜30mmの範囲が好ましい。ヒーター電極層の
両側の端部から3〜4mmの範囲では温度低下が大きい
傾向があるので、ヒーター電極の面積を表示部の面積よ
り両側分大きくすることが好ましい。また、ヒーター電
極が、線対称形であることが好ましい。勿論、分割領域
の数を多くして、端部に近い領域程幅を狭く且つ発熱量
を上昇させれば、このような問題はほぼ解消されるが、
生産性の点で不利であることは否めない。上記三つ領域
の印加電圧を自動的に制御するため、温度検出器をこれ
らの領域に対応する位置にある非表示領域のカラーフィ
ルタ上、あるいはガラス基板上に設けることが好まし
い。
【0030】本発明のヒーター電極は、ITO膜に限定
されるものではなく、酸化インジウム、酸化スズ、酸化
チタン等の金属酸化物の膜であってもよい。
【0031】ITO膜からなるヒーター電極は、長方形
の横幅(短辺)が、一般に0.2〜2.0mmの範囲、
好ましくは0.5〜1.5mm;電極間の間隔が一般に
0.01〜1.0mmの範囲、好ましくは0.2〜0.
8mm;膜厚が、一般に50〜500nmの範囲、好ま
しくは50〜250nmの膜厚である。ヒーター電極か
らなるヒーター電極層は、それ自体公知の方法、例え
ば、塗布法、真空蒸着法、高周波スパッタ法、マグネト
ロンスパッタ法などの方法によって形成することができ
る。また、面積抵抗値は液晶表示素子のサイズにより好
ましい範囲は異なるが、10〜100Ω/□の範囲が好
ましい。
【0032】温度検出器はITO膜である。ITO膜
が、温度によりその電気抵抗値が変化することを利用
し、ITO膜に電流を通し、その電流値を測定すること
によって温度を検出する。例えば、ITO膜に微小電流
を通し、それを増幅し検定線と対比させて温度値に変換
し、ディジタル表示させることができる。また、ITO
膜を通る電流値を、検定線から求めた所定の温度に対応
する電流値と比較し、その差を補償するように、液晶表
示素子の外部に設けられた加熱器のON−OFF操作を
行なう。即ち、温度検出器から得られた温度が所定の温
度よりも低い場合は上記電圧を上げ、温度検出器から得
られた温度が所定の温度よりも高くなると電圧を下げる
か停止し、放冷する。このようにして、液晶表示素子の
温度を所定の温度範囲内に保持することができる。これ
らの操作はコンピュータを利用して自動的に行なうこと
ができる。温度の制御手段として、比例制御、PID制
御、ファジー制御等の手段を使用することができる。ま
た、上記加熱器を設ける変わりに、温度検出器から得ら
れた温度値を所定の範囲の温度と比較し、両者の温度差
によって、液晶表示素子を駆動する液晶ドライバの出力
を制御することによって、液晶の温度を所定の範囲内に
維持することもできる。本発明で用いられる前記温度検
出器は、基板と透明電極との間であれば、どこに設けら
れていてもよい。温度検出器を基板と透明電極との間で
ある限りどこに設けてもよい。一般的に、温度検出器と
透明電極は接触させることなく、その間に他の絶縁性の
層を介在させることが好ましい。温度検出器を基板上に
設けず、基板上の透明電極と基板との間に設けてもよ
い。
【0033】温度検出器は、ITO膜に限定されるもの
ではなく、Pt、Cu、Ag等の金属の細線、Au、P
d、Al、Ag等の金属の薄膜、酸化インジウム、酸化
スズ、酸化チタン等の金属酸化物の膜等、微細な形状に
構成することができ、温度を検出することができる(特
に、便宜上、温度を電気的な量として検出することがで
きる)ものであれば、どのようなものであってもよい。
【0034】金属電極端子は、Pt、Cu、Ag、A
u、Pd、Al、Cr、Mo、Ni等の金属などからな
るもので、電気抵抗が低く電気の流れ易いものであれば
何でもよい。
【0035】さらに、本発明の液晶表示素子は、上記の
ように透明電極層及びヒーター電極層を有する液晶表示
素子であって、液晶表示素子を透過する白色光の着色を
透明電極層の膜厚及びヒーター電極層の膜厚を調整する
ことにより20%以下にされたものでもある。すなわ
ち、本発明者の検討によると、透明電極層及びヒーター
電極層を設ける際、これらを同じ膜厚に、同条件で形成
した場合、素子を透過した白色光が着色することが明ら
かとなり、またその原因が透過光の400〜800nm
の波長領域における最大透過率と最小透過率との差が大
きくなることにあることが判明した。従って、本発明の
液晶表示素子は、該液晶表示素子の一方のガラス基板に
垂直入射した白色光がもう一方のガラス基板に出射した
時の該白色光が、400〜800nmの波長領域におけ
る最大透過率と最小透過率との差が、20%以下となる
ように透明電極層の膜厚及びヒーター電極層の膜厚が設
定されている。一般にこれらの電極は、ITOで形成さ
れた膜であり、そしてこれらの膜厚は50〜300nm
程度である。例えば、230nm前後の膜厚(10Ω/
□程度)のITO膜は、400〜500nmの波長領域
での透過率が減少し、100nm前後の膜厚(30Ω/
□程度)では、400〜500nmの波長領域での透過
率が上昇する。このようにITO膜の透過率は、400
〜500nm付近で膜厚の増大と共に増加し、500〜
800nm付近ではほとんど変化しない。従って、透明
電極層及びヒーター電極層の膜厚の調整は、上記知見を
基に行えばよい。例えば、上記膜厚のITO膜をそれぞ
れ透明電極層とヒーター電極層に割り当てれば、素子を
通過した白色光の着色はほとんどないものとなる。一般
に、液晶表示素子には、二つの透明電極層と一つのヒー
ター電極層が設けられている。二つの透明電極層に当た
る同じ膜厚のITO膜を二枚重ねた場合は、透過率が減
少や上昇が強められる傾向にあるので、ヒーター電極の
一つのITO膜はこれを考慮して設定する必要がある。
或は二枚重ねる時は、これを考慮して膜厚を設定する必
要がある。また、配向膜や絶縁膜などの他の層は、これ
らの電極層に比べてこの範囲の波長の光をほとんど吸収
しないことなどのため、上記透過率を調整する上で考慮
しなくてもよい。さらに、素子とする場合、液晶の種類
により透過率が変化することがあるので、その際は素子
とする時にその変化も考慮して行うことが望ましい。
【0036】以上の説明の具体例を図5〜図7に示す。
図5に、膜厚230nm(面積抵抗10Ω/□)のIT
O膜が設けられたガラス基板の透過曲線Aおよびこのガ
ラス基板2枚の透過曲線Bが示されている。図6に、膜
厚90nm(面積抵抗30Ω/□)のITO膜が設けら
れたガラス基板の透過曲線Cおよびこのガラス基板2枚
の透過曲線Dが示されている。図7に、膜厚230nm
(面積抵抗10Ω/□)のITO膜が設けられたガラス
基板のおよび膜厚90nm(電気抵抗30Ω/□)のI
TO膜が設けられたガラス基板のガラス基板2枚の透過
曲線Eが示されている。
【0037】上記透過曲線から明らかなように、図5、
図6のように同じ膜厚のITO膜を組み合わせた場合
は、透過曲線が最大透過率と最小透過率との差が大き
く、図7のように異なる膜厚を組み合わせることにより
最大透過率と最小透過率との差が小さくなる。このよう
に形成された透明電極層及びヒーター電極層を有する液
晶表示素子は、素子を通過した白色光がほとんど着色し
ないため、コントラスト等が向上したものとなる。
【0038】上記最大透過率と最小透過率との差は、1
5%以下であることが好ましい。このためのヒーター電
極層のITO膜の膜厚は、透明電極層のITO膜の膜厚
が50〜250nmの範囲(100〜10Ω/□)に応
じて250〜50nmの範囲(10〜100Ω/□)に
調整されることが好ましい。
【0039】本発明の液晶表示素子は、一方の基板上の
透明電極層がそれぞれ複数個からなり、透明電極と透明
電極とが直交して表示画素を形成している液晶マトリク
ス型表示素子として好適である。また、本発明の液晶表
示素子は、黒白又はカラーの何れであってもよく、フィ
ルタとしてRGBカラーフィルタを隣接する表示ドット
に設けることによって、液晶カラーテレビジョンパネル
のようなフルカラーのマトリクス型表示素子にすること
ができる。
【0040】本発明の表示素子において、液晶はどのよ
うなものであってもよいが特に強誘電性液晶であること
が好ましく、透明電極、絶縁層、配向膜その他の構成部
品、表示素子のその他の構造、表示素子の駆動方式など
については、それ自体公知のものを使用することができ
る。
【0041】上記のようにして製造した、透明基板、ヒ
ーター電極、絶縁層、透明電極、絶縁層および配向膜か
らなる透明電極基板を少なくとも一方に持つ一対の透明
電極基板を配向膜が内側になるようにして、間隙をあけ
て相対させ、セルとする。この間隙の大きさ、すなわち
セル・ギャップは0.5μm〜4μm程度が一般的であ
る。次ぎに、このセル内に強誘電性液晶を注入、封止し
た後に徐冷する。
【0042】次に本発明の実施例、比較例を記載する。
ただし、本発明はこの実施例に限定されるものではな
い。
【0043】
【実施例】
【0044】[実施例1]厚さ1.1mmのガラス板の
一方に、インジウム−スズ酸化物(ITO)のヒーター
電極を長方形(直線の帯状)(電極の幅:1mm、電極
間の間隙:0.3mm、膜厚:120nm、面積抵抗:
27Ω/□)に、図3に示すように形成してヒーター電
極層を設けた。ヒーター電極層は、幅(長い辺)が20
0mm有するものであり、そしてこの電極層を左端から
幅15mmの加熱領域(図3の32)、幅15mmから
185mmの加熱領域(図3の33)および幅185m
mから200mmの加熱領域(図3の34)の三つの領
域に分割した。それぞれの加熱領域のヒーター電極は、
両端で金属電極端子(図3の32A、33A、34A及
び32B、33B、34B)により連結して、三つの領
域それぞれに独立に電圧印加ができるように配線した。
【0045】 [絶縁膜形成用塗布液] オプトマー5246(日本合成ゴム(株)製) 10重量部 ブチルセロソルブアセテート 50重量部 DMF 50重量部
【0046】上記ヒーター電極付きのガラス基板の電極
のない面に、上記塗布液をスピンコーターにて塗布し、
80℃で30分乾燥後、200℃で1時間加熱処理する
ことにより、層厚1.5μmの絶縁膜を設けた。上記ガ
ラス基板の絶縁膜上に、インジウム−スズ酸化物(IT
O)の透明電極をストライプ状(電極の幅:300μ
m、電極間の間隙:20μm、膜厚:230nm、面積
抵抗:10Ω/□)に透明電極層を形成した。
【0047】他方のガラス基板上には、ヒーター電極層
を設けない以外派、上記基板と同様にして絶縁膜と透明
電極層(上記ストライブ状電極と交差するように設け
る)を形成した。
【0048】上記二枚の透明電極付きのガラス基板の電
極を有する面に、上記塗布液をスピンコーターにて塗布
し、80℃で1時間乾燥後、200℃で1時間加熱処理
することにより、層厚80nmの絶縁膜を設けた。上記
絶縁膜上に、SiO(大阪チタニウム(株)製)を蒸着
角85°にて、蒸着開始時の真空度を1×10-5Torrに
して抵抗加熱法でスパッタリングして、層厚30nmの
斜方蒸着の配向膜を形成した。
【0049】得られた配向膜が形成された2枚のガラス
基板をそれぞれの配向膜を内側にして重ね合せ、セル・
ギャップが1.7μmのセルを作成した。このセルにの
強誘電性液晶(DOF−0004、大日本インキ化学工
業(株)製)を100℃、真空中で注入し、約2℃/分
の速度で室温まで徐冷し、液晶表示素子を得た。
【0050】[比較例1]実施例1において、ヒーター
電極層の分割された三つの加熱領域を、一つの加熱領域
となるように金属電極端子により連結して、電圧印加が
一種類のみとなるように配線した以外は実施例1と同様
にして液晶表示素子を作成した。
【0051】[液晶表示素子の温度コントロールの評
価] 1)実施例1 ヒーター電極層の三つの加熱領域のそれぞれの中央に、
温度検出器を取り付け40℃になるように制御した。温
度制御は、三つの領域の両側の領域には25Vのオン・
オフにより、中央の領域は30Vのオン・オフにより行
った。上記の結果、三つの領域の内、中央の領域及び両
側の2つの領域共40±0.5℃に制御することができ
た。
【0052】2)比較例1 ヒーター電極層の中央に、温度検出器を取り付け40℃
になるように制御した。温度制御は、30Vのオン・オ
フにより行った。上記の結果、中央付近の領域では40
±0.5℃に制御することができたが、両端から15m
mの領域では37℃以下となった。
【0053】[比較例2]実施例1において、透明電極
層の膜厚を230nm(面積抵抗を10Ω/□)にした
以外は実施例1と同様にして液晶表示素子を作成した。
【0054】[液晶表示素子の透過光の着色の評価]上
記実施例1及び比較例2により得られた液晶表示素子の
透過率を測定したところ、図8に示す透過率曲線が得ら
れた。比較例2の透過曲線Gは、同じ膜厚のITO膜を
組み合わせた場合は、透過曲線が最大透過率と最小透過
率との差が大きくなることを示しており、実施例1の透
過曲線Fは、異なる膜厚を組み合わせることにより最大
透過率と最小透過率との差が小さくなることを示してい
る。従って、実施例1の液晶表示素子は、素子を通過し
た白色光がほとんど着色しないと考えられる。上記実施
例1及び比較例2により得られた液晶表示素子に白色光
を入射し、出射した光の色を観察したところ、実施例1
の素子の出射光はほとんど着色していなかったが、比較
例2の素子の出射光は黄色に少し着色していた。
【0055】
【発明の効果】本発明の液晶表示素子は、ヒーター電極
が長方形(直線の帯状)の形状で並列に配設され、かつ
少なくとも中央分と両端分に分割されているので、液晶
表示素子(液晶パネル)全体を均一な温度に制御するこ
とが可能である。また、本発明の液晶表示素子(液晶パ
ネル)は、ヒーター電極と透明電極の膜厚が入射光の透
過曲線がほぼフラットになるように考慮されているの
で、透過光の着色がほとんどないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示素子の一実施例の一部を拡大
して模式的に示した断面図である。
【図2】本発明の液晶表示素子の一実施例の一部を拡大
して模式的に示した断面図である。
【図3】本発明の液晶表示素子の一実施例のヒーター電
極層が設けられた基板を模式的に示した平面図である。
【図4】従来のヒーター付き液晶パネルの平面図であ
る。
【図5】膜厚230nm(面積抵抗10Ω/□)のIT
O膜が設けられたガラス基板の透過曲線Aおよびこのガ
ラス基板2枚の透過曲線Bを示すグラフである。
【図6】膜厚90nm(面積抵抗30Ω/□)のITO
膜が設けられたガラス基板の透過曲線Cおよびこのガラ
ス基板2枚の透過曲線Dを示すグラフである。
【図7】膜厚230nm(面積抵抗10Ω/□)のIT
O膜が設けられたガラス基板のおよび膜厚90nm(面
積抵抗30Ω/□)のITO膜が設けられたガラス基板
のガラス基板2枚の透過曲線Eを示すグラフである。
【図8】透明電極層として膜厚230nm、幅が1mm
で面積抵抗10Ω/□のITO膜を用い、ヒーター電極
層として膜厚120nmおよび面積抵抗27Ω/□のI
TO膜を用いた液晶セル(実施例1)の透過曲線F及び
透明電極層及びヒーター電極層共に膜厚230nm、幅
が1mmで面積抵抗10Ω/□のITO膜を用いた液晶
セル(比較例2)の透過曲線Gを示すグラフである。
【符号の説明】
10 液晶表示素子 11a、11b、21a、21b、31b ガラス基板 12b、22b ヒーター電極層 13a、13b、15a、15b、23a、23b、2
5a、25b、27b絶縁膜 14a、14b、24a、24b 透明電極層 16a、16b、26a、26b 配向膜 18、28 液晶 17a、27a カラーフィルター 32H、33H、34H ヒーター電極 32A、33A、34A、32B、33B、34B 金
属電極端子 32、33、34 ヒーター電極層の分割された加熱領

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片面に少なくとも透明電極層及び配向膜
    が設けられたガラス基板二枚を、配向膜同士が対面する
    ように配設し、配向膜の間の空隙に液晶を封入してなる
    液晶表示素子において、少なくとも一方のガラス基板の
    いずれか一方の表面に、液晶加熱用の長方形のヒーター
    電極が横方向に平行に三つ以上配設されてなるヒーター
    電極層が設けられ、そして、該ヒーター電極層が、少な
    くとも三つの独立した加熱領域にヒーター電極単位で分
    割され且つ分割された両端の加熱領域が、他の加熱領域
    より狭いことを特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 片面に少なくとも透明電極層及び配向膜
    が設けられたガラス基板二枚を、配向膜同士が対面する
    ように配設し、配向膜の間の空隙に液晶を封入してなる
    液晶表示素子において、少なくとも一方のガラス基板の
    いずれか一方の表面にヒーター電極層が設けられ、そし
    て透明電極層の膜厚及びヒーター電極層の膜厚が、該液
    晶表示素子を透過する白色光の400〜800nmの波
    長領域において示す最大透過率と最小透過率との差が2
    0%以下となるように調整されていることを特徴とする
    液晶表示素子。
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