JP2943679B2 - 電極基板 - Google Patents

電極基板

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ディスプレ
イ、入出力装置あるいはプラズマディスプレイ等の表示
装置向け透明電極もしくは反射電極の電極基板、あるい
は太陽電池用の透明電極もしくは反射電極に係わり、特
に薄膜で導電性と可視光線透過率が高く、しかも保存安
定性に優れた電極基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガラス、プラスチックフィルム等の基板
上に、可視光線を透過する電極形状の透明導電膜が設け
られた電極板は、液晶ディスプレイ等の各種表示装置の
表示用電極やこの表示装置の表示画面から直接入力する
入出力電極などに広く使用されている。例えば、液晶が
用いられたディスプレイ装置の透明電極板は、図2に示
すように、ガラス基板31と、このガラス基板31上の
画素部位に設けられ画素毎にその透過光を赤、緑、青に
それぞれ着色するカラーフィルタ層37と、上記ガラス
基板31上の画素と画素との間の部位(画素間部位)に
設けられこの部位からの光透過を防止する遮光膜38
と、上記カラーフィルタ層37の全面に設けられた保護
層39と、この保護層39上に成膜された透明電極40
と、この透明電極40上に成膜された配向膜41とでそ
の主要部が構成されている。そして、上記透明電極40
はスパッタリングにより成膜され、所定のパターンにエ
ッチングされた透明導電被膜により構成されている。
【0003】この透明導電被膜としては、その高い導電
性に着目して、酸化インジウム中に酸化錫を添加したI
TO薄膜が広く利用されており、その比抵抗はおよそ
2.4×10-4Ω・cmで、透明電極として通常適用され
る240nmの膜厚の場合、その面積抵抗率はおよそ1
0Ω/□である。また、この他にも、酸化錫薄膜、この
酸化錫に酸化アンチモンを添加して構成される薄膜(ネ
サ膜)、酸化亜鉛に酸化アルミニウムを添加して構成さ
れる薄膜などが知られているが、これらはいずれも上記
ITO薄膜よりその導電性が劣り、また、酸やアルカリ
に対する耐薬品性あるいは耐水性などが不十分なため一
般には普及していない。
【0004】一方、1982年日本で開催された第7回
ICVMにおいて、熱線反射膜として銀薄膜の表裏面に
ITO薄膜または酸化インジウム薄膜(IO薄膜)を積
層させて構成される3層構造の透明導電膜が提案されて
いる。この3層構造の透明導電膜はおよそ5Ω/□程度
の低い面積抵抗率を有しており、その高い導電性を生か
して上記透明電極への応用が期待された。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記ディス
プレイ装置や入出力装置においては、近年、画素密度を
増大させて緻密な画面を表示することが求められ、これ
に伴って上記透明電極パターンの緻密化が要求されてお
り、例えば100μm程度のピッチで上記透明電極の端
子部を構成することが要求されている。また、液晶ディ
スプレイ装置において基板に液晶駆動用ICが直接接続
される方式(COG)においては、配線の引き回しが幅
20〜50μmという細線となる部分があり、従来にな
い高度のエッチング加工適性と高い導電性(低い抵抗
率)が要求されている。
【0006】また、その一方で表示画面の大型化も求め
られており、このような大画面化について上述したよう
な緻密パターンの透明電極を形成し、しかも液晶に十分
な駆動電圧を印加できるようにするためには、上記透明
電極として5Ω/□以下という高い導電性を備えた透明
導電膜を適用する必要があった。また、これに加えて、
STN液晶等を利用した単純マトリクス駆動方式の液晶
表示装置において16階調以上の多階調表示を行う場合
には3Ω/□以下というさらに低い面積抵抗率が要求さ
れている。
【0007】しかしながら、第7回ICVMにおいて提
案された上記3層構造の透明導電膜においても、高々5
Ω/□程度の面積抵抗率が得られるに過ぎず、十分な導
電性が確保できないという問題点があった。なお、銀薄
膜の厚さを16〜18nm程度に厚くすることによりそ
の面積抵抗率を約3Ω/□に低下させることは可能であ
るが、可視光線透過率(特に波長610nm程度の長波
長側の可視光線透過率)が75%程度まで低下し、透明
導電膜としての機能が損なわれてしまう。
【0008】さらに、上記3層構造の透明導電膜におい
ては、銀の薄膜が積層界面などから進入した空気中の水
分と化合しやすく、その表面に反応物を生成してシミ状
の欠陥を生じ、例えば液晶表示装置の透明電極に適用し
た場合にはその表面に表示欠陥などを生じやすいという
問題点があった。本発明はこのような問題点に着目して
なされたものであって、その課題とするところは、薄膜
で導電性と可視光線透過率が高く、しかも経時劣化がな
く保存安定性に優れた透明導電膜を提供することにあ
る。
【0009】一方、太陽電池用透明電極においては、そ
の製造プロセスの関係で水素プラズマ耐性を必要とす
る。このため、水素プラズマ耐性の高い酸化亜鉛を基材
とする透明電極を用いることが一般的である。しかし、
酸化亜鉛系の透明電極は、フッ素ドープしたものや、ア
ルミナ添加したものでも抵抗値が高く、太陽電池用透明
電極として400nm〜800nmとかなり厚い膜厚に
て形成する必要があった。
【0010】本発明者らは、これらの問題をほぼ解消し
うる電極基板として、例えば、0.1〜3at%銅を含有
する銀系薄膜を透明酸化物薄膜で挟持する構成の導電膜
を形成した電極基板を提案している。しかし、この構成
は、ほぼ実用レベルにあるが耐湿性がやや不十分であっ
た。銅を1at%含有する銀系薄膜を透明酸化物薄膜で挟
持する構成の導電膜(以下、3層電極と略す)付き電極
基板を、60℃、95%湿度の高温高湿環境下にて保管
すると、およそ200時間前後でパターンに微小のシミ
が発生してしまう問題があった。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述のような技術的課題
に鑑みて本発明者らが鋭意検討を重ねたところ、高屈折
率かつ耐薬品性に優れる絶縁膜を、保護膜として3層電
極上に形成した構成が良い結果を得ることを発見した。
屈折率については、保護膜に限らず、銀系薄膜を挟持す
る透明酸化物薄膜においても同様に高いことが好まし
い。この傾向は、空気よりも屈折率の高い液晶材料(通
常の液晶の屈折率は1.5〜1.6程度)やカラーフィ
ルタ(カラーフィルタの材料の屈折率は1.5を若干超
える程度)と接する形態の3層電極の場合に顕著であ
る。
【0012】例えば、ガラス等の基板上に形成された3
層電極の片側が空気である場合のシミュレーション結果
を図4のB線で示すが、透過率Tはピークで96%以
上、反射率Rは1%に近いところまで下がる。ここでは
基板側の透明酸化物薄膜の膜厚を40nm、Ag膜厚を
14nm、空気と接する側の透明酸化物薄膜の膜厚を4
4nmとした。透明酸化物薄膜の屈折率をITOとほぼ
同じ2.0として計算した。しかし、3層電極上にポリ
イミドの配向膜を40nm積層し、これに接する液晶の
屈折率を1.5として計算し直すと、図4のAに示すよ
うに透過率Tと反射率Rはかなり悪くなる。透過率のピ
ークは90%を下回り、反射率Rは、光の波長550n
m付近でおよそ10%まで上昇してしまう。
【0013】本発明者らは、このことから、3層電極に
液晶の配向膜としてのポリイミド膜と液晶が接する形で
の計算を、透明酸化物薄膜の屈折率を変えて(屈折率を
変えると同時に銀系薄膜を挟持する透明酸化物薄膜の膜
厚も調整し、ほぼ最適化した)行った。結果を図3に示
す。透明酸化物薄膜の屈折率が高い方が、特に2.1を
超えると透過率が向上し、また、反射率も低下すること
がわかる。
【0014】このように、本発明者らは、3層電極にお
いて、銀系薄膜の膜厚に対応して透明酸化物薄膜の膜厚
を調整することによって、その透過率の最適化が可能で
あることを見出している。本発明者らはさらに、この透
明酸化物薄膜は、一部を高屈折率の絶縁膜によって置き
換えることが可能であることを発見した。絶縁膜による
置き換えで3層電極の信頼性が大きく向上することを併
せて発見した。すなわち、請求項1に係わる発明は、基
板上に銀系薄膜を透明酸化物薄膜で挟持する構成の導電
膜を備える電極基板において、上記導電膜上に屈折率が
2.1より大きい絶縁膜を配設してなることを特徴とす
る電極基板である。
【0015】酸化セリウムは、強い耐アルカリ性をもつ
と同時に、約2.5の極めて高い屈折率をもつ。透明酸
化物薄膜の膜厚の一部を代替する形で、酸化セリウムを
基材とする絶縁膜を用いることができる。すなわち請求
項2に係わる発明は、絶縁膜の基材が酸化セリウムであ
ることを特徴とする、請求項1記載の電極基板である。
酸化セリウムには、耐酸、耐アルカリ性に富む酸化タン
タルや酸化ガリウム、酸化錫など他の金属(あるいは半
金属)の酸化物を添加しても良い。
【0016】絶縁膜の形成は、その膜厚を1nm〜70
nmの範囲に設定することが適切である。1nmより薄
くても良いが、成膜時の膜厚制御及び3層電極の欠陥部
を埋める効果(3層電極は微小欠陥があると、これを起
点として水分などによりその構成が破壊されやすい)を
あわせ考慮すると、1nmが少なくとも必要である。3
層電極の透明酸化物薄膜の片側の膜厚は、透過率や反射
率を考慮するとおおむね20nm〜70nmの範囲から
選択される。絶縁膜での透明酸化物薄膜の代替を行うと
して、絶縁膜の最大膜厚は70nmでよい。すなわち、
請求項3に係わる発明は、絶縁膜の膜厚が1nm〜70
nmの範囲にあることを特徴とする請求項1または2記
載の電極基板である。
【0017】本発明者らは、さらに深く研究を重ねた結
果、透明酸化物薄膜の屈折率を高くしていった場合にお
いて、銀系薄膜の膜厚に適切な範囲があることを見出し
た。透明酸化物薄膜の屈折率を2.3とし、ガラス基板
(n=1.5)側の透明酸化物薄膜の膜厚を35nm、
銀系薄膜の膜厚を12nm、上層の透明酸化物薄膜の膜
厚を37nm、ポリイミド膜の膜厚を40nm、媒質
(液晶を想定)の屈折率を1.5とした場合のシミュレ
ーション結果を図5に示した。銀系薄膜の膜厚の薄い方
が透過率が高く、反射率は低くなり、良い傾向を示して
いる。銀系薄膜の膜厚が17nmより厚くなると、光の
波長550nmでの透過率は90%以上を維持すること
が難しくなり、17nmより薄く形成する必要のあるこ
とがわかる。また、銀系薄膜は4nmより薄くすると、
実際上、均質な膜が形成されにくく、島状の着膜とな
る。4nmより薄いと、こうした理由で反射率が増加す
るため銀系薄膜の膜厚は4nmより厚くすることが望ま
しい。なお、透過型LCDを前提として、高輝度の光源
をバックライトとする構成では、むろん17nmより銀
系薄膜を厚く形成しても良い。すなわち、請求項4に係
わる発明は、銀系薄膜の膜厚が4nm〜17nmの範囲
にあることを特徴とする、請求項1、2または3記載の
電極基板である。
【0018】また、3層電極において、銀系薄膜の膜厚
を50nmより厚く形成すると、光の反射率の高い反射
電極となる。反射電極は、反射型液晶表示装置で反射板
と駆動電極を兼ねた反射電極として、あるいは太陽電池
で、光電変換効率を高めるため半導体素子裏面に形成す
る光の反射膜として用いることができる。図6は、媒質
の屈折率を1.5、透明酸化物薄膜の屈折率を2.3、
膜厚を40nmにて、銀系薄膜の膜厚を50nm、75
nm、100nm、200nmとしてシミュレーション
したものである。銀系薄膜の膜厚が50nmを超えると
80%前後の反射性電極となり、200nmで反射率が
飽和し、透過率もほぼ0%となることが示されている。
すなわち、請求項5に係わる発明は、銀系薄膜の膜厚が
50nm〜200nmの範囲にあることを特徴とする、
請求項1、2または3記載の電極基板である。
【0019】なお、反射電極を形成する基板は、透明で
あっても良いが、白、黒その他の色に着色された基板で
あっても良い。材質も、ガラス、プラスチックフィル
ム、セラミック、金属あるいはアモルファスシリコンの
半導体素子が形成された基板など、種々のものが使用で
きる。
【0020】ところで、[ITO/Ag/ITO]の構
成に代表される従来の3層電極は、耐湿性に大きな問題
がある。また、ITOは屈折率が1.8〜2.0程度で
あるため、高性能の3層電極を提供できるものではな
い。本発明者らは、種々の酸化物を検討した結果、酸化
セリウムと酸化インジウムの混合酸化物を3層電極の透
明酸化物薄膜として用いる構成が、耐湿性及び光学特性
において極めて優れていることを見出した。すなわち、
請求項6に係わる発明は、透明酸化物薄膜の基材が、酸
化セリウムと酸化インジウムとの混合酸化物であること
を特徴とする、請求項1、2、3、4または5記載の電
極基板である。
【0021】この混合酸化物による透明酸化物薄膜は、
酸化物として含有する金属元素換算(酸素元素をカウン
トしない)で、セリウム元素を5at%以上、好ましくは
20at%以上、酸化インジウムに加えることにより、3
層電極としてほぼ実用レベルの導電膜を備える電極基板
を提供できる。3層電極としてパターン形成が必要な場
合は、ウエットエッチングを前提とすると、セリウム元
素の添加量は40at%以下がよい。40at%以上となる
と、ウエットエッチングでのパターン形成がやや難しく
なる。40at%以上の添加量でも、ドライエッチングの
場合はこの問題はない。また、パターン形成が不必要な
場合は、セリウム元素を40at%を超えるレベルでの混
合酸化物としても良い。透明酸化物薄膜の屈折率は、酸
化セリウムの割合が高くなるにつれて高い屈折率とな
る。本発明者らのデータでは、セリウム20at%でn=
2.17、30at%でn=2.24、40at%でn=
2.30、100at%でn=2.49であった。なお、
これら屈折率は成膜時の酸素ガスの分圧や成膜後のアニ
ール温度条件などにより影響を受ける。
【0022】本発明による電極基板は、表示装置用電極
基板として用いる場合に、基板と透明電極である3層電
極との間に、赤、緑、青などに着色されたカラーフィル
タを配設することによりカラー表示を可能とする。すな
わち、請求項7に係わる発明は、基板と導電膜との間に
カラーフィルタが配設されていることを特徴とする、請
求項1、2、3、4または6記載の電極基板である。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、以下の実
施例に述べる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。 <実施例1>この実施例に係る電極基板1は、図1
(a)に示すように、厚さ0.7mmのガラス基板11
と、ストライプパターン状の透明電極として厚さ40n
mの透明酸化物薄膜12と、厚さ15nmの銀系薄膜1
3と、厚さ40nmの透明酸化物薄膜14と、該3層電
極のパターンを覆うように厚さ2nmの酸化セリウムで
ある絶縁膜15を形成して、液晶表示装置向け電極基板
とした。
【0025】透明酸化物薄膜12、14はいずれも金属
元素換算(酸素元素をカウントしない)でセリウムを3
0at%含む、酸化セリウムと酸化インジウムの混合酸化
物とした。銀系薄膜は銅を0.8at%含む銀銅合金とし
た。いずれもスパッタリングにて成膜し、ウエットエッ
チングにてパターン形成したものである。酸化セリウム
である絶縁膜15も同様にスパッタリングにて成膜し
た。当実施例の3層電極は、面積抵抗値が2.8Ω/□
であり、また、ガラスレファレンス(媒質はエアー)で
の透過率は550nmで約97%であった。
【0026】当実施例の電極基板を、60℃、湿度95
%の環境下に200時間保管した後、肉眼、顕微鏡両方
法にて外観を調べたところ、なんら変化は生じていなか
った。抵抗値、透過率も変化がなかった。比較例とし
て、絶縁膜15を積層していない電極基板を同環境下に
200時間置いたものの外観を調べたところ、ストライ
プパターンのエッジ近傍に数μm〜20μmサイズのシ
ミやディフェクトが散見された。
【0027】<実施例2>この実施例にかかる電極板2
は、図1(b)に示すように、厚さ0.7mmのガラス
基板21と、ストライプパターン状の反射電極として、
厚さ10nmの透明酸化物薄膜22と、厚さ150nm
の銀系薄膜23と、厚さ10nmの透明酸化物薄膜24
と、該3層電極のパターンを覆うように、厚さ40nm
の酸化セリウムである絶縁膜25とを形成して、反射型
液晶表示装置向け電極基板とした。透明酸化物薄膜2
2、24は、いずれも金属元素換算(酸素元素をカウン
トしない)でセリウムを30at%含む、酸化セリウムと
酸化インジウムの混合酸化物とした。銀系薄膜は銅を
0.8at%含む銀銅合金とした。他、成膜方法、パター
ン形成方法はいずれも実施例1と同様である。当実施例
の3層電極は、面積抵抗値が約0.2Ω/□であり、ま
た、硫酸バリウムレファレンスでの反射率は、550n
mで約93%であった。
【0028】当実施例の電極基板を、60℃、湿度95
%の環境下に200時間保管した後、肉眼、顕微鏡両方
法にて外観を調べたところ、なんら変化は生じていなか
った。抵抗値、透過率も変化がなかった。比較例とし
て、絶縁膜15を積層していない電極基板を同環境下に
200時間置いたものの外観を調べたところ、ストライ
プパターンのエッジ近傍に数μm〜20μmサイズのシ
ミやディフェクトが散見された。
【0029】なお、実施例2において、絶縁膜25の膜
厚を40nmとしたが、3層電極のパターン間のスペー
ス26からの反射光を活かすためには、さらに厚く50
nm〜60nm前後で形成しても良い。高屈折率の酸化
セリウムを厚く形成することにより、パターン部以外か
らの反射光成分が増え、反射型液晶表示装置の更なる輝
度向上を図ることができる。50nm厚の酸化セリウム
をガラス面上に形成した基板は、およそ30〜40%の
反射率を有する。一方、酸化セリウムを形成せず、パタ
ーン以外の部分でガラス基板が露出した基板では、5〜
6%の反射率である。逆に、透過型液晶表示装置の場
合、スペース部からの反射成分を抑える必要があるが、
酸化セリウムの膜厚を5nm以下にして形成せしめれば
ガラス基板のみとほぼ同程度の反射率を得ることができ
る。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、屈折率が2.1より大
きい絶縁膜を3層電極上に配設するため、透明電極にお
いては高透過率を維持したまま、耐湿性を向上すること
ができる。また、反射電極においては、高反射率を維持
したまま、耐湿性を向上することができる。また、ノー
マリーホワイト表示の反射型液晶表示装置向け電極基板
としては、電極パターン以外の、例えばスペース部から
の反射も期待できるため、更なる輝度向上が図られる。
また、透明酸化物薄膜の膜厚の一部を酸化セリウムで置
き換えることができるため、高価な酸化インジウムの使
用量を減らすことができる。
【0031】
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は実施例1に、(b)は実施例2に、そ
れぞれ係わる電極基板の断面図である。
【図2】液晶表示装置に使用される透明電極板の一例を
示す断面図である。
【図3】本発明に係わる電極基板の、透明酸化物薄膜の
屈折率を変えた場合の分光反射率と分光透過率を示すグ
ラフである。
【図4】電極基板のシミュレーションにおいて、媒質の
屈折率が1であるときと1.5であるときの分光特性の
差を示すグラフである。
【図5】本発明に係わる電極基板の、銀系薄膜の膜厚を
薄い領域で変えた場合の分光特性を示すグラフである。
【図6】本発明に係わる電極基板の、銀系薄膜の膜厚を
厚い領域で変えた場合の分光特性を示すグラフである。
【符号の説明】
11、21: 基板 12、14、22、24: 透明酸化物薄膜 13、23: 銀系薄膜 15、25: 絶縁膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−110507(JP,A) 特開 昭63−102108(JP,A) 特開 昭63−29410(JP,A) 特開 昭64−25130(JP,A) 特開 平2−289449(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01B 5/14 C23C 14/08 G02F 1/1333 505 G09F 9/30 315 H01J 11/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に銀系薄膜を透明酸化物薄膜で挟持
    する構成の導電膜を備える電極基板において、上記導電
    膜上に屈折率が2.1より大きい絶縁膜を配設してなる
    ことを特徴とする電極基板。
  2. 【請求項2】上記絶縁膜の基材が酸化セリウムであるこ
    とを特徴とする、請求項1記載の電極基板。
  3. 【請求項3】上記絶縁膜の膜厚が1nm〜70nmの範
    囲にあることを特徴とする、請求項1または請求項2記
    載の電極基板。
  4. 【請求項4】上記銀系薄膜の膜厚が4nm〜17nmの
    範囲にあることを特徴とする、請求項1、2または3記
    載の電極基板。
  5. 【請求項5】上記銀系薄膜の膜厚が50nm〜200n
    mの範囲にあることを特徴とする、請求項1、2または
    3記載の電極基板。
  6. 【請求項6】上記透明酸化物薄膜の基材が、酸化セリウ
    ムと酸化インジウムとの混合酸化物であることを特徴と
    する、請求項1、2、3、4または5記載の電極基板。
  7. 【請求項7】上記基板と導電膜との間にカラーフィルタ
    が配設されていることを特徴とする、請求項1、2、
    3、4または6記載の電極基板。
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