JP3475101B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP3475101B2
JP3475101B2 JP33865398A JP33865398A JP3475101B2 JP 3475101 B2 JP3475101 B2 JP 3475101B2 JP 33865398 A JP33865398 A JP 33865398A JP 33865398 A JP33865398 A JP 33865398A JP 3475101 B2 JP3475101 B2 JP 3475101B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯情報端末、ノ
ートブック型コンピュータ、プロジェクション表示装置
等に用いられる液晶表示装置に関し、特に反射型の液晶
表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現代はIC、LSIに代表される半導体
素子や、これらの半導体素子を組み込んだ電子機器ある
いは家庭電化製品が開発、製造され市場で大量に販売さ
れている。今日においてはテレビ受像機は勿論のこと、
VTRやパーソナルコンピュータ等も広く一般に普及し
ている。そしてこれらの機器は年々高性能化しており、
情報化社会の進展に伴い利用者に多くの情報を提供する
ツールとして現代社会において欠かすことのできないも
のとなっている。
【0003】上述の機器類には多くの情報を利用者に的
確に伝達するための情報を表示する手段、いわゆるディ
スプレイを備えているものが多いが、そのディスプレイ
の性能、特徴によって扱える情報の種類や情報量が左右
されてしまうため、その開発動向等に強い関心が寄せら
れている。特に近年では、薄型で軽量、かつ低消費電力
である利点を有したディスプレイとして液晶表示装置、
中でも各画素電極毎に薄膜トランジスタ(以下、TFT
と呼ぶ。)等の半導体素子を設け、各画素電極を制御す
るようにしたアクティブマトリクス型の液晶表示装置
が、解像度に優れ、鮮明な画像が得られる等の理由から
注目されている。以下、このような液晶表示装置に関し
て説明する。
【0004】従来のアクティブマトリクス型液晶表示装
置に用いられる半導体素子としては、非晶質シリコン薄
膜からなるTFTが知られており、現在このTFTを搭
載したアクティブマトリクス型液晶表示装置が数多く商
品化されている。そして、このアクティブマトリクス型
液晶表示装置は、OA機器や民生機器のディスプレイと
して主流の位置を占めようとしている。
【0005】一方、この非晶質シリコン薄膜を用いたT
FTに代わる半導体素子として、画素電極を駆動させる
ための画素用TFTと、その画素用TFTを駆動させる
ためのTFT等からなる駆動回路部を一つの基板上に一
体形成することができる可能性が有る多結晶シリコン薄
膜を用いたTFTを形成する技術に大きな期待が寄せら
れている。
【0006】多結晶シリコン薄膜は、従来のTFTに用
いられている非晶質シリコン薄膜に比べて高移動度を有
しており、高性能なTFTを形成することが可能であ
る。また、画素用TFTを駆動させるための駆動回路部
を一つの安価なガラス基板等の上に一体形成することが
実現されると、ICやLSIから構成される駆動回路基
板を取り付ける必要がなくなり、従来に比べて製造コス
トが大幅に低減されることになる。
【0007】このアクティブマトリクス型液晶表示装置
には、画素電極にITO(indium tin ox
ide)等の透明導電性薄膜を用いた透過型液晶表示装
置と、画素電極に金属等からなる反射電極を用いた反射
型液晶表示装置とがある。本来、液晶表示装置は自発光
型のディスプレイではないため、透過型液晶表示装置の
場合には液晶表示装置の背後に照明装置、いわゆるバッ
クライトを配置してそこから入射される光によって表示
を行っている。また、反射型液晶表示装置の場合には外
部からの入射光を反射電極によって反射させることによ
って表示を行っている。
【0008】ところで、上述したような液晶表示装置
は、その表示をカラー化するために、画素電極が形成さ
れた基板と対向する基板側にカラーフィルタを設けるこ
とが一般的である。透過型液晶表示装置の場合には、バ
ックライトからの光が画素電極を通過し、さらに液晶
層、カラーフィルタ層を透過してカラー画像が表示され
ることになる。一方、反射型液晶表示装置の場合には、
外部からの入射光がカラーフィルタを通過して反射電極
に達し、反射電極で反射された反射光が再度カラーフィ
ルタを透過してカラー画像が表示される。
【0009】反射型液晶表示装置では、入射光の強度お
よび反射電極の反射率によって輝度が大きく左右される
が、従来は反射電極を形成している材料の反射率が小さ
かったため、十分な輝度が得られていない。そこで、従
来はこの反射率を向上させるために、反射電極上に屈折
率の異なる薄膜を積層し、層間の界面反射を利用する方
法が用いられている。この方法における反射電極上に積
層される薄膜は、一般に増反射膜と呼んでいる。このよ
うな方法については、例えば特開平6−273731号
公報、特開平7−191317号公報、特開平8−11
4799号公報などに示されている。
【0010】具体的には、まず、特開平6−27373
1号公報には、反射電極上にSiO2、Al23等の薄
膜を積層する方法が開示されており、また、特開平7−
191317号公報および特開平8−114799号公
報には、反射電極上にSiO2膜、Al23膜等の低屈
折率の透明誘電体膜と、TiO2膜、Ta25膜等の高
屈折率の透明誘電体膜を積層する方法が開示されてい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述のように従来の反
射型液晶表示装置では、表示される画像をカラー化する
ためにカラーフィルタを設け、更に輝度を向上させるた
めに反射電極上に増反射膜を設ける必要がある。
【0012】このカラーフィルタは、画像をカラー化す
るために必須の要素であり、これを省くことは現状では
考え難い。また、画質、視認性及び色再現性等を向上さ
せるためには輝度を向上させる必要があり、そのために
は反射電極上に増反射膜を形成する方法を用いることは
望ましい。
【0013】このような反射型液晶表示装置と従来から
ある透過型液晶表示装置とを比較した場合には、反射型
液晶表示装置はバックライトを用いない分だけコスト面
で優位であると言えるが、増反射膜を形成することによ
る工程数の増加、初期設備投資額の増加、それに伴う減
価償却費の増加等を考慮するとコスト面での優位性は極
めて少ないものになる。
【0014】特に増反射膜を構成するSiO2膜等を形
成するためには、一般的にプラズマ励起化学気相成長法
(Plasma Enhanced Chemical
Vapor Deposition:以下、プラズマ
CVD法と呼ぶ。)、スパッタリング法等の真空中での
成膜方法を用いる場合が多い。また、Al23膜、Ta
25膜等は陽極酸化法によっても形成することが可能で
あるが、この場合には反射電極を構成する金属材料が陽
極酸化が可能な材質である必要があり、反射率等を考慮
すると選択の幅は自ずと限定されてしまう。
【0015】本発明は、以上のような従来の問題点に鑑
みなされたものであって、その目的とするところは、反
射電極の反射率を向上させるためのコストアップを最小
限に抑制するとともに、十分な輝度を有するとともに表
示品位の高い反射型の液晶表示装置を提供することであ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも表
面に電極が形成された一対の基板が該電極形成面を対向
して配置され、該一対の基板間に液晶物質が挟持されて
なる液晶表示装置において、前記一対の基板のうちの何
れか一方の基板表面に形成された電極は反射電極であ
り、該反射電極上には特定の波長の可視光を吸収するカ
ラーフィルタが設けられてなり、該カラーフィルタは互
いに屈折率の異なる2種類の層を交互に複数回積層する
ことにより構成されており、前記カラーフィルタを構成
する2種類の層は、互いに屈折率が異なる樹脂中に顔料
を分散して形成されて成り、それぞれの屈折率が隣接す
る層間で0.3以上異なっており、かつ、それぞれの光
吸収率が隣接する下層よりも上層の方が大きくなるよう
に積層されていることを特徴としており、そのことによ
り、上記目的は達成される。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】また、このとき、前記カラーフィルタ上に
は、導電性薄膜からなる透明電極が形成されてなり、該
透明電極は前記反射電極と電気的に接続されていること
が好ましい。
【0021】
【0022】また、このとき、前記反射電極は、銀を主
成分とする材料により膜厚が70nm以上に形成されて
いることが好ましい。
【0023】
【0024】以下、本発明の液晶表示装置が奏する作用
について説明する。
【0025】本発明の液晶表示装置によれば、たとえば
金属材料からなる反射電極と、反射電極上に形成された
屈折率の大きな第1のカラーフィルタ層と、第1のカラ
ーフィルタ層上に形成された、該第1のカラーフィルタ
層よりも屈折率の小さな第2のカラーフィルタ層との2
種類の層を複数回積層するような構成としている。その
ことにより、反射電極上にカラーフィルタを兼ねる増反
射膜が形成されることになる。従って、本発明の液晶表
示装置では、対向基板側にカラーフィルタを形成する必
要がなくなり、カラーフィルタと増反射膜とを別個に形
成することによる工程数の増加を防止することが可能と
なっている。また、カラーフィルタを構成する各層は樹
脂中に顔料を分散したものにより形成されているため、
耐光性、耐熱性を有しており、カラーフィルタ上に透明
電極を形成する等の処理を施してもカラーフィルタおよ
び増反射膜としての性能を損なわず、良好な特性を維持
することが可能となっている。
【0026】また、第1のカラーフィルタ層と第2のカ
ラーフィルタ層とは、屈折率が0.3以上異なって構成
されており、また、上層に積層されたカラーフィルタ層
ほど光吸収率が高くなるように設定されている。そのこ
とにより、少ない層数で反射電極の反射率を効果的に向
上させることが可能となり、また、色度の低下を防止し
て良好な色味を実現することが可能となっている。
【0027】また、カラーフィルタ上に透明電極を形成
し、反射電極の一部と電気的に接続するように構成され
ているため、反射電極上にカラーフィルタ層を積層する
ことによって生じる電圧降下を防止することが可能とな
っている。
【0028】
【0029】また、このときの反射電極は膜厚70nm
以上の銀を主成分とする材料によって構成されるため、
可視光領域において良好な反射率を得ることができると
ともに、増反射膜と組合わせることにより極めて高い反
射率を実現することが可能となっている。
【0030】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)以下、本発明の
実施形態について説明する。
【0031】図1は、本発明の実施形態1に係る液晶表
示装置を示した概略断面図であり、また、図2は、本発
明の実施形態1に係る液晶表示装置を示した概略平面図
である。尚、図1は、図2のA―A´で示された部分の
断面を示したものである。
【0032】本実施形態1に係る液晶表示装置は、図1
に示されるように、TFTのドレイン電極10に接続さ
れた反射電極13上に屈折率の大きな材料からなるカラ
ーフィルタ層14と、屈折率の小さな材料からなるカラ
ーフィルタ層15とを交互に積層してカラーフィルタを
兼ねる増反射膜が形成される。また、対向側基板には共
通電極および配向膜(図示していない)が形成され、カ
ラーフィルタ層は形成されていない。そして、TFTを
形成した基板1と対向側基板との間には液晶層が挟持さ
れて構成されている。
【0033】次に、本実施形態1に係る液晶表示装置の
製造工程に関して説明する。図3(a)〜図5(e)
は、本発明の実施形態1に係る液晶表示装置の製造工程
を示した工程断面図である。
【0034】図3(a)に示されるように、ガラス等の
基板1上にSiNx膜またはSiO2膜もしくはこれら
の膜の積層膜を、例えばプラズマ励起化学気相成長法
(Plasma Enhanced Chemical
Vapor Deposition:以下、プラズマ
CVD法と呼ぶ。)により、100nm〜500nm堆
積してベースコート膜2を形成する。なお、基板1とし
ては高歪点を有するアルミノホウ珪酸ガラス等を用いる
ことができるが、本実施形態1は基板の材質等に何ら影
響を受けるものではなく、ガラス以外の材質であっても
必要に応じて基板として用いることが可能であり、例え
ば、石英基板、シリコンウェハ、プラスチック基板等を
用いても差し支えない。但し、対向側基板としては光が
透過する必要があるため、ガラス、石英等、透光性の材
質である必要がある。
【0035】次いで、非晶質シリコン薄膜等の半導体薄
膜を、例えばプラズマCVD法で25nm〜200n
m、望ましくは30nm〜70nm程度の膜厚に堆積
し、加熱処理を施して多結晶シリコン薄膜による半導体
層3を形成する。加熱処理の方法としては熱アニール法
やレーザアニール法等を用いることができ、加熱処理の
方法を特に限定する必要はない。また、非晶質シリコン
薄膜の代わりに直接多結晶シリコン薄膜を堆積してもよ
い。また、半導体層3は多結晶シリコン薄膜以外にも非
晶質シリコン薄膜、微結晶シリコン薄膜等のシリコンを
主成分とした半導体材料を用いることができる。
【0036】次に、半導体層3を島状にパターニングし
た後、TEOS(テトラエチルオルソシリケート)等の
有機シラン材料を用いて、SiO2膜を約100nm程
度堆積し、ゲート絶縁膜4を形成する。ゲート絶縁膜4
は、プラズマCVD法、常圧CVD法、スパッタリング
法等で成膜してもよい。
【0037】次いで、ゲート絶縁膜4上に金属薄膜を、
例えばスパッタリング法により200nm〜400nm
程度堆積し、その後、所定の形状にパターニングしてゲ
ート電極5を形成する。この金属薄膜としてはアルミニ
ウム合金等を用いることができる。
【0038】次に、ゲート電極5の上方から不純物イオ
ン、例えばリン等のV族元素もしくはその化合物または
ボロン等のIII族元素もしくはその化合物を加速電圧5
0keV〜100keVでイオン注入し、半導体層3に
コンタクト領域6を形成する。本実施形態1では、ゲー
ト電極5をマスクとして自己整合的にコンタクト領域6
を形成するようにしたが、ゲート電極形成前にレジスト
等で不純物注入用マスクを形成して不純物を導入するよ
うにしてもよい。
【0039】次いで、ゲート電極5を含む全面にSiN
x膜を、例えばプラズマCVD法により300nm〜5
00nm程度堆積して第1の層間絶縁膜7を形成する。
【0040】次に、半導体層3のコンタクト領域6上の
絶縁膜にコンタクトホール8を開口し、金属薄膜を、例
えばスパッタリング法により堆積し、その後所定の形状
にパターニングしてソース電極9およびドレイン電極1
0を形成する。このソース電極9およびドレイン電極1
0には、アルミニウム合金またはアルミニウム合金とチ
タン等の高融点金属との積層膜を用いることができる。
【0041】次に、図3(b)に示されるように、ソー
ス電極9およびドレイン電極10を含む全面に第2の層
間絶縁膜11を成膜する。次いで、ドレイン電極10上
の第2の層間絶縁膜11にコンタクトホール12を開口
する。なお、第2の層間絶縁膜11は反射電極13の表
面を平坦化することを目的とした膜であり、本実施形態
1ではアクリル樹脂を用いたが、その材質については特
に限定されるものではない。
【0042】次に、金属薄膜を、例えばスパッタリング
法により50〜100nm堆積し、その後所定の形状に
パターニングして画素となる反射電極13を形成する。
反射電極を構成する金属薄膜としては、反射率に優れた
アルミニウム(Al)や銀(Ag)を用いることが望ま
しい。特に、銀は、図11に示すように、アルミニウム
よりも高い反射率を有しており、反射電極を構成するの
に好適である。但し、図11に示すように、波長400
nm〜700nmの可視光領域の全域でアルミニウムの
反射率を上回るためには膜厚70nm以上が必要であ
る。
【0043】このようにして、本実施形態1における液
晶表示装置に用いられるTFT基板が完成する。なお、
本実施形態1ではコプラナ型TFTの例を示したが、ボ
トムゲート型TFTまたはMIM素子であっても差し支
えないことは言うまでもない。また、本実施形態1にお
けるTFTの製造方法については一例を示したものであ
り、これに限定されるものではない。
【0044】次に、図4(c)に示されるように、反射
電極13上を含む基板全面に、屈折率の大きいワニス材
料にカラー顔料を混合したものをスピンコータ等を用い
て塗布する。そして、この材料をこの後加熱して硬化さ
せることで第1のカラーフィルタ層14を形成する。屈
折率の大きなワニス材料としては、例えばH−1000
(商品名、日産化学工業(株)製)などを用いることが
できる。この材料の屈折率は、概ね1.9程度である。
また、顔料については市販の液晶カラーフィルタ用のも
のを用いればよい。また、顔料の混合比については、ワ
ニス材料に対して概ね5〜50wt%程度としたが、用
いる顔料の種類や必要とする色味等によって様々であ
り、試行して決定すればよい。
【0045】次に、図4(d)に示されるように、第1
のカラーフィルタ層14上に、屈折率の小さなワニス材
料にカラー顔料を混合したものをスピンコータ等を用い
て塗布する。そして、この材料をこの後加熱して硬化さ
せることで第2のカラーフィルタ層15を形成する。屈
折率の小さなワニス材料としては、例えばH−1001
(商品名、日産化学工業(株)製)などを用いることが
できる。この材料の屈折率は、概ね1.5程度である。
また、顔料については同様に市販の液晶カラーフィルタ
用のものを用いればよく、顔料の混合比についても同様
でよい。このように最低2層のカラーフィルタ層を積層
することで反射率の改善効果は認められるが、例えば上
記の2種類の材料を用いて、図4(c)、図4(d)の
工程を繰り返し4層にすることで更に反射率の改善効果
を向上させることができる。
【0046】次に、図5(e)に示されるように、上述
の2層のカラーフィルタ層をドライエッチングによって
所定の形状にパターニングする。通常カラー表示を行う
ためには、赤、緑、青、または、シアン、マゼンタ、イ
エローのカラーフィルタが必要であるため、上述の工程
を3度繰り返すことによりカラーフィルタを兼ねる増反
射膜を形成することができる。
【0047】ここで、図12に、本実施形態1による反
射率の改善効果を示す。この図12では、比較のために
反射電極上にカラーフィルタ層を1層のみ形成した場合
と、屈折率の差を0.3以上有するカラーフィルタ層2
層によって構成した増反射膜を形成した場合と、カラー
フィルタ層4層によって構成した増反射膜を形成した場
合とにおけるそれぞれの輝度変化の割合を示している。
【0048】この図12によれば、カラーフィルタ層が
1層の場合を100としたとき、カラーフィルタ層が2
層の場合には106、4層の場合には108となり、反
射率が増したことにより輝度の向上が図られたことが分
かる。
【0049】なお、本発明者らが検討した結果による
と、カラーフィルタ層の屈折率の差が0.3以下の場合
には、増反射膜としての一定の効果は認められるもの
の、目視で観察して明らかに輝度が向上したと認識でき
る程の顕著なまでの輝度向上の効果は得られなかった。
これらの検討結果から、増反射膜の効果としては、輝度
向上率が最低でも5%程度でないと優位な差として認識
され難く、また、屈折率の差が0.3以下のカラーフィ
ルタ層を用いる場合には、2層または4層といった少な
い層数で大幅に輝度の向上を図ることが困難であり、製
造コストの面を考慮すると実用性が乏しいといえる。
【0050】(実施形態2)以下に、本発明の他の実施
形態について説明する。
【0051】図6は、本発明の実施形態2に係る液晶表
示装置を示した概略断面図であり、また、図7は、本発
明の実施形態2に係る液晶表示装置を示した概略平面図
である。尚、図6は、図7のA―A´で示された部分の
断面を示したものである。
【0052】本実施形態2に係る液晶表示装置は、図6
に示されるように、TFTのドレイン電極10に接続さ
れた反射電極13上に屈折率の大きな材料からなるカラ
ーフィルタ層14と、屈折率の小さな材料からなるカラ
ーフィルタ層15とを交互に積層してカラーフィルタを
兼ねる増反射膜が形成されて構成されている。
【0053】次に、本実施形態2に係る液晶表示装置の
製造工程に関して説明する。図8(a)〜図10(e)
は、本発明の実施形態2に係る液晶表示装置の製造工程
を示した工程断面図である。
【0054】図8(a)に示されるように、ガラス等の
基板1上にTFTを形成する。このTFTの製造方法に
ついては上述した実施形態1と同様であるため、ここで
は詳細な説明は省略する。なお、本実施形態2でもコプ
ラナ型TFTの例を示したが、ボトムゲート型TFTで
あっても差し支えないことは言うまでもない。また、T
FTの製造方法については実施形態1と同様であるとし
たが、これに限定されるものではない。
【0055】次に、図8(b)に示されるように、ソー
ス電極9およびドレイン電極10を含む全面に第2の層
間絶縁膜11を成膜する。次いで、ドレイン電極10上
の第2の層間絶縁膜11にコンタクトホール12を開口
し、金属薄膜を、例えばスパッタリング法により50〜
100nm堆積し、その後所定の形状にパターニングし
て画素となる反射電極13を形成する。なお、この第2
の層間絶縁膜11は反射電極13の表面を平坦化するこ
とを目的とした膜であり、本実施形態2ではアクリル樹
脂を用いたが、その材質については特に限定されるもの
ではない。このようにして本実施形態2における液晶表
示装置に用いられるTFT基板が完成する。
【0056】次に、図9(c)に示されるように、反射
電極13上を含む基板全面に、屈折率の大きいワニス材
料にカラー顔料を混合したものをスピンコータ等を用い
て塗布する。そして、この材料をこの後加熱して硬化さ
せることで第1のカラーフィルタ層14を形成する。屈
折率の大きなワニス材料としては、例えばH−1000
(商品名、日産化学工業(株)製)などを用いることが
できる。この材料の屈折率は、概ね1.9程度である。
また、顔料については市販の液晶カラーフィルタ用のも
のを用いればよい。また、顔料の混合比については、ワ
ニス材料に対して概ね5〜50wt%程度としたが、用
いる顔料の種類や必要とする色味等によって様々であ
り、試行して決定すればよい。
【0057】続いて、第1のカラーフィルタ層14上
に、屈折率の小さなワニス材料にカラー顔料を混合した
ものをスピンコータ等を用いて塗布する。そして、この
材料をこの後加熱して硬化させることで第2のカラーフ
ィルタ層15を形成する。屈折率の小さなワニス材料と
しては、例えばH−1001(商品名、日産化学工業
(株)製)などを用いることができる。この材料の屈折
率は、概ね1.5程度である。また、顔料については同
様に市販の液晶カラーフィルタ用のものを用いればよ
く、顔料の混合比についても同様でよい。このように最
低2層のカラーフィルタ層を積層することで反射率の改
善効果は認められるが、例えば上記の2種類の材料を用
いて、図9(c)の工程を繰り返し4層にすることで更
に反射率の改善効果を向上させることができる。
【0058】次に、図9(d)に示されるように、上述
の2層のカラーフィルタ層をドライエッチングによって
所定の形状にパターニングする。この際、反射電極13
の一部が露出するようにカラーフィルタ層をパターニン
グする。本実施形態2では、反射電極13の一端が露出
するようにカラーフィルタ層をパターニングする例につ
いて示したが、カラーフィルタ層をパターニングする際
に、カラーフィルタ層の所定の位置に反射電極13まで
到達するコンタクトホールを形成するようにしてもよ
い。
【0059】また、通常カラー表示を行うためには、
赤、緑、青、または、シアン、マゼンタ、イエローのカ
ラーフィルタが必要であるため、上述の工程を3度繰り
返すことによりカラーフィルタを兼ねる増反射膜を形成
することができる。
【0060】続いて、これらの全面にITO膜、SnO
2膜(酸化錫)等からなる透明導電膜16を堆積させ
る。この透明導電膜16は、例えばスパッタ法により1
00nm〜150nm程度の膜厚に堆積される。
【0061】次に、図10(e)に示されるように、透
明導電膜16を所定の形状にパターニングする。この
際、透明導電膜16は反射電極13の露出した部分に接
触するように形成される。このような本実施形態2によ
れば、カラーフィルタ層上に透明導電膜16を形成し、
反射電極13と電気的に接続するような構成であるた
め、反射電極13上にカラーフィルタ層を積層すること
によって生じる電圧降下を防止することが可能となって
いる。
【0062】なお、本実施形態2における液晶表示装置
に用いられるカラーフィルタ層は、樹脂中に顔料を分散
させて形成したものであり、耐光性、耐熱性を有してい
る。従って、本実施形態2のように、カラーフィルタ層
上に透明導電膜を形成する等の加熱を伴う処理を施して
も、カラーフィルタ層および増反射膜としての性能を損
なうことなく、長期間にわたり良好な特性を維持するこ
とが可能である。
【0063】(実施形態3)以下に、本発明の他の実施
形態について説明する。なお、本実施形態3の構成につ
いては、上述した実施形態1および実施形態2と同様で
あるため、図示およびその説明は省略する。
【0064】なお、本実施形態3では、上述の実施形態
1で示した図4(c)、図4(d)、または実施形態2
で示した図9(c)のように、反射電極上にカラーフィ
ルタ層を積層する。そして、この際に、上層のカラーフ
ィルタを下層のカラーフィルタに比べて顔料の混合比を
高くして構成していることを特徴としている。
【0065】上述した実施形態のように、屈折率の異な
るカラーフィルタを積層した場合には、各層の界面で反
射が起こり全体として反射率が向上するものの、単にカ
ラーフィルタを積層しただけでは色が薄くなり白っぽい
色味となってしまう。
【0066】そこで、本実施形態3に示したように、上
層のカラーフィルタの顔料の混合比を下層のカラーフィ
ルタに比べて高くすることにより、光吸収率を大きくす
ることができ、これにより色度の低下を防止して、良好
な色味を実現することが可能となる。このときの顔料の
混合比は、平均20%程度として、±10%程度の範囲
で調整するようにすればよい。
【0067】なお、これまで説明した実施形態1〜3で
は、スイッチング素子としてTFTを用いた例を示した
が、本発明は反射電極の反射率を向上させるためのもの
であり、スイッチング素子の有無は直接本発明の作用、
効果に影響を及ぼすものではない。従って、本発明はT
FT等のスイッチング素子を用いない単純マトリクス型
液晶表示装置にも適用することができることは言うまで
もない。
【0068】
【発明の効果】上述したように、本発明は良好な表示品
位を有する反射型液晶表示装置を提供するものであり、
そのために必要となる反射電極の反射率を向上させる際
の課題を解決するものである。
【0069】本発明によれば、反射電極上に、互いに屈
折率の異なる樹脂中に顔料を分散して形成された2種類
のカラーフィルタ層を複数回積層し、反射電極の反射率
を向上させるための増反射膜を構成しているため、真空
チャンバを有するような成膜装置を用いる必要がなく、
塗布装置等を用いて比較的簡便な方法で増反射膜を形成
することができる。従って、反射型の液晶表示装置にお
ける反射電極の反射率向上によって良好な表示品位が得
られるようになるとともに、反射型の液晶表示装置を製
造する際の初期設備投資額の増大等のコストアップ要因
が大幅に抑制されることになる。
【0070】また、反射電極上の増反射膜はカラーフィ
ルタの機能を兼ねることになるため、対向基板側にカラ
ーフィルタを形成する必要がない。即ち、本発明の反射
型の液晶表示装置は、反射電極上にカラーフィルタを形
成すると同時に増反射膜が形成されることになるため、
従来のカラーフィルタと増反射膜を別個に形成した反射
型の液晶表示装置に比べ、液晶表示装置全体の構造が複
雑とならず、かつ製造コストを低減することが可能とな
る。
【0071】以上のように、本発明は、反射型の液晶表
示装置において課題であった反射電極の反射率向上と製
造コストの抑制の両立を実現するものであり、今後の情
報化社会に欠かすことのできない画像表示装置とりわけ
反射型の液晶表示装置あるいはそれを搭載した携帯機器
等の性能や付加価値の向上に大きな効果を奏するもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施形態1に係る液晶表示装
置を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態1に係る液晶表示装
置を示す平面図である。
【図3】図3(a)(b)は、本発明の実施形態1に係
る液晶表示装置の製造工程を示す断面図である。
【図4】図4(c)(d)は、本発明の実施形態1に係
る液晶表示装置の製造工程を示す断面図である。
【図5】図5(e)は、本発明の実施形態1に係る液晶
表示装置の製造工程を示す断面図である。
【図6】図6は、本発明の実施形態2に係る液晶表示装
置を示す断面図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態2に係る液晶表示装
置を示す平面図である。
【図8】図8(a)(b)は、本発明の実施形態2に係
る液晶表示装置の製造工程を示す断面図である。
【図9】図9(c)(d)は、本発明の実施形態2に係
る液晶表示装置の製造工程を示す断面図である。
【図10】図10(e)は、本発明の実施形態2に係る
液晶表示装置の製造工程を示す断面図である。
【図11】図11は、本発明に係る液晶表示装置に用い
られる反射電極の反射率を示す図面である。
【図12】図12は、本発明に係る液晶表示装置の効果
を示す図面である。
【符号の説明】
1 基板 2 ベースコート膜 3 半導体層 4 ゲート絶縁膜 5 ゲート電極 6 コンタクト領域 7 第1の層間絶縁膜 8 コンタクトホール 9 ソース電極 10 ドレイン電極 11 第3の層間絶縁膜 12 コンタクトホール 13 反射電極 14 第1のカラーフィルタ層 15 第2のカラーフィルタ層 16 透明導電膜
フロントページの続き (56)参考文献 特開2000−75277(JP,A) 特開 平9−146124(JP,A) 特開 平9−15420(JP,A) 特開 平6−273731(JP,A) 特開 平9−179110(JP,A) 特開 平9−270520(JP,A) 特開 平8−320480(JP,A) 特開 平9−179116(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1335

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも表面に電極が形成された一対
    の基板が該電極形成面を対向して配置され、該一対の基
    板間に液晶物質が挟持されてなる液晶表示装置におい
    て、 前記一対の基板のうちの何れか一方の基板表面に形成さ
    れた電極は反射電極であり、該反射電極上には特定の波
    長の可視光を吸収するカラーフィルタが設けられてな
    り、該カラーフィルタは互いに屈折率の異なる2種類の
    層を交互に複数回積層することにより構成されており、 前記カラーフィルタを構成する2種類の層は、互いに屈
    折率が異なる樹脂中に顔料を分散して形成されて成り、
    それぞれの屈折率が隣接する層間で0.3以上異なって
    おり、かつ、それぞれの光吸収率が隣接する下層よりも
    上層の方が大きくなるように積層されていることを特徴
    とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 前記カラーフィルタ上には、導電性薄膜
    からなる透明電極が形成されてなり、該透明電極は前記
    反射電極と電気的に接続されていることを特徴とする請
    求項1記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 前記反射電極は、銀を主成分とする材料
    により膜厚が70nm以上に形成されていることを特徴
    とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
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