JPH0517267U - 鋼製組合せオイルコントロールリング - Google Patents
鋼製組合せオイルコントロールリングInfo
- Publication number
- JPH0517267U JPH0517267U JP6611591U JP6611591U JPH0517267U JP H0517267 U JPH0517267 U JP H0517267U JP 6611591 U JP6611591 U JP 6611591U JP 6611591 U JP6611591 U JP 6611591U JP H0517267 U JPH0517267 U JP H0517267U
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ears
- thickness
- side rail
- oil control
- cylinder wall
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- Pending
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- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 追従性への対応としてサイドレールの厚さを
薄形にしても、オイルリングの安定性が損なわれず、オ
イル消費の低減という初期の目的が達成できる鋼製組合
せオイルコントロールリングを提供する。 【構成】 ピストンリング溝21に装着された環状スペ
ーサエキスパンダ13の内周側上下に耳部14、15が
設けられ、スペースエキスパンダ13の上下に一対の環
状サイドレール11、12が配置されて、各サイドレー
ル11、12の内周面をスペースエキスパンダ13の耳
部14、15に内側から当接させかつ外周面をシリンダ
壁に摺接させる構造において、上側サイドレール11の
径方向の厚さT1を下側サイドレール12の厚さT2より
も小さくすると共に、上側耳部14、15の径方向の幅
B1を下側耳部の幅B2よりも大きくして、上下のサイド
レール11、12を含むシリンダ壁30から耳部14、
15までの組立長さを同一にしたものである。
薄形にしても、オイルリングの安定性が損なわれず、オ
イル消費の低減という初期の目的が達成できる鋼製組合
せオイルコントロールリングを提供する。 【構成】 ピストンリング溝21に装着された環状スペ
ーサエキスパンダ13の内周側上下に耳部14、15が
設けられ、スペースエキスパンダ13の上下に一対の環
状サイドレール11、12が配置されて、各サイドレー
ル11、12の内周面をスペースエキスパンダ13の耳
部14、15に内側から当接させかつ外周面をシリンダ
壁に摺接させる構造において、上側サイドレール11の
径方向の厚さT1を下側サイドレール12の厚さT2より
も小さくすると共に、上側耳部14、15の径方向の幅
B1を下側耳部の幅B2よりも大きくして、上下のサイド
レール11、12を含むシリンダ壁30から耳部14、
15までの組立長さを同一にしたものである。
Description
【0001】
本考案は、内燃機関用ピストンリングに関し、詳しくは鋼製組合せオイルコン トロールリング(油かきリング)と呼ばれるものに関する。
【0002】
複数のピストンリング溝には、上から順に圧力リング及びオイルコントロール リングが装着される。オイルコントロールリングの代表例に、上下のサイドレー ルとスペーサエキスパンダとの組合せによるオイルリングがある。上下のサイド レールは薄板を環状に成形してその両端に合い口部が設けられている。スペーサ エキスパンダは上下のサイドレール間に位置し、環状の径方向又は周方向に波形 が形成してあってばねのごとき弾性を有する部材である。 上下のサイドレールは、これらの内周面でスペーサエキスパンダの耳部が接触 して、スペースエキスパンダのばね力を受けることで、常にラジアル方向の外方 へ拡張する作用を受ける。この拡張力によってサイドレールは外周面をシリンダ 壁面に対し押圧接触する。即ち、上下のサイドレールは、スペーサエキスパンダ の弾性張力を外周側と側面側に分散させてそれぞれの部位のシールを確保する部 材である。 また、このようなサイドレールのシール機能によってオイル消費を低減させる ためには、サイドレールがシリンダ壁に好適に追従することが要求される。追従 性への対応として従来よりサイドレールの厚さを小さくして薄くしたり、オイル リング全体の張力を高める工夫がなされている。
【0003】
しかしながら、シリンダ壁への追従性を高める目的で、サイドレールの厚さを 薄形にすると、ピストンリング溝面への座りが悪化し、オイルリング自体の姿勢 が不安定となる。特に、ピストンの下面に臨む側では、面取り、Fカット、鋳抜 き、そしてプロフィール等の関係で外径が小さくなり、オイルリングの座りが好 ましくない状態になるという不具合がある。 従って、本考案の目的は、追従性への対応としてサイドレールの厚さを薄形に しも、オイルリングの安定性が損なわれず、オイル消費の低減という初期の目的 が達成できる鋼製組合せオイルコントロールリングを提供することである。
【0004】
本考案の鋼製組合せオイルコントロールリングは、ピストンリング溝に装着さ れた環状スペーサエキスパンダの内周側上下に耳部が設けられ、スペースエキス パンダの上下に一対の環状サイドレールが配置されて、各サイドレールの内周面 をスペースエキスパンダの耳部に内側から当接させかつ外周面をシリンダ壁に摺 接させる構造において、上側サイドレールの径方向の厚さT1を下側サイドレー ルの厚さT2よりも小さくすると共に、上側耳部の径方向の幅B1を下側耳部の幅 B2よりも大きくして、上下のサイドレールを含むシリンダ壁から耳部までの組 立長さを同一にしたものである。
【0005】
上側のサイドレールは厚さT1が薄くしてあるため、機械的剛性でいう断面二 次モーメントを下げることができ、シリンダ壁への追従性が高まる。一方、下側 のサイドレールの、上側サイドレールよりも厚さT2が厚くしてあるので、ピス トンリング溝の下面に対する着座(の面積)が十分であり、オイルコントロール の姿勢が安定する。その結果、オイル消費が低減する。
【0006】
以下、本考案による鋼製組合せオイルコントロールリングの実施例を図面に基 づいて説明する。 図1は、実施例のオイルコントロールリング10を例えば4サイクルガソリン エンジン用ピストン20のリング溝21に装着した例を示す。オイルコントロー ルリング10は上下2つのサイドレール11、12を有し、サイドレール11、 12間にはスペーサエキスパンダ13が設けられる。サイドレール11、12は 環状に成形されてこの両端に合い口部が形成される。また、スペーサエキスパン ダ13の全体も環状であって、その内周面側で合い口部両端の上下にそれぞれ耳 部14、15を突出させている。耳部14、15はそれぞれ上下のサイドレール 11、12の内周側に接触部11a、12aで接触し、サイドレール11、12 の外周側をシリンダ壁30に接触さすべく押圧している。
【0007】 サイドレール11、12は、スペーサエキスパンダ13の張力を外周側と側面 側に分散させてそれぞれの部位のシールを確保する部材である。ピストンリング 溝21内でいう上下のサイドレール11、12は、上側のサイドレール11の厚 さT1が下側のサイドレール12の厚さT2よりも小さく、T1<T2の寸法関係に してあり、それぞれの外周面がシリンダ壁30に摺接している。
【0008】 一方、スペーサエキスパンダ13の上下の耳部14、15においては、上側の 耳部14の耳巾B1が下側の耳部15の耳巾B2よりも大きく、B1>B2である。 この場合、上側のサイドレール11の厚さT1と耳部14の耳巾B1との和と、下 側のサイドレール12の厚さT2と耳部15の耳巾B2との和とは等しく、シリン ダ壁30を基点にした組立寸法が同等長さであり、T1+B1=T2+B2の寸法関 係にある。
【0009】 以上のような構成とすることによって、実施例の鋼製組合せオイルコントロー ルリング10は次の作用が得られる。 上下のサイドレール11、12の各内周側がスペーサエキスパンダ13の耳部 14(15)の傾斜内周面14a(15a)に接触しており、斜面の作用で上の サイドレール11の内周側端が押し上げられてリング溝21の上面21aに圧接 され、下のサイドレール12の内周側端が押し下げられてリング溝21の下面2 1bに圧接される。サイドレール11、12がリング溝21の上下面21a、2 1bに対して圧接されることによってオイルシール性を確保でき、オイルシール 機能を維持することができる。
【0010】 同時に、上下のサイドレール11(12)はスペーサエキスパンダ13のばね 力でシリンダ壁30に押圧される。上側のサイドレール11は環状の径方向でい う厚さT1が薄くしてあるため、機械的剛性でいう断面二次モーメントを下げる ことができる。その結果、シリンダ壁30への追従性が高まる。一方、下側のサ イドレール12の場合、厚さT2が厚くしてあるので、ピストンリング溝21の 下面21bに対する着座(の面積)率を60%以上になるよう設定すると、オイ ルコントロール10全体の姿勢が安定する。その結果、オイル消費が低減する。
【0011】 また、図2は、従来例及び本考案による実施例のオイルコントロールリング1 0をそれぞれ実機エンジンに装着したオイル消費率(%)の比較を示している。 図中斜線を施した棒グラフは従来例のオイル消費率を表し、本考案及び従来例の 場合、いずれも高速及び高負荷運転時の場合、サイクリック運転条件の場合 とが示されている。図から明らかなように、本考案による実施例のオイルコント ロールリング10の場合、従来例に比較してオイル消費率が大巾に改善されてい る。
【0012】
以上説明したように、本考案による鋼製組合せオイルコントロールリングは、 上側のサイドレールの厚さを下側のサイドレールよりも小さく薄形としたので、 上側のサイドレールの追従性が向上し、下側のサイドレールはリング溝での安定 性が確保される。その結果、オイル消費量を低減させる効果がある。
【図1】 本考案による実施例の鋼製組合せオイルコン
トロールリングをピストンリング溝に装着した状態の組
立断面図。
トロールリングをピストンリング溝に装着した状態の組
立断面図。
【図2】 実施例及び従来例の鋼製組合せオイルコント
ロールリングによるオイル消費量の比較を示すグラフ。
ロールリングによるオイル消費量の比較を示すグラフ。
10..鋼製組合せオイルコントロールリング、11、
12..サイドレール、13..スペーサエキスパン
ダ、14、15..耳部、21..ピストンリング溝、
30..シリンダ壁。
12..サイドレール、13..スペーサエキスパン
ダ、14、15..耳部、21..ピストンリング溝、
30..シリンダ壁。
Claims (1)
- 【請求項1】 ピストンリング溝に装着された環状スペ
ーサエキスパンダの内周側上下に耳部が設けられ、スペ
ースエキスパンダの上下に一対の環状サイドレールが配
置されて、各サイドレールの内周面をスペースエキスパ
ンダの耳部に内側から当接させかつ外周面をシリンダ壁
に摺接させる鋼製組合せオイルコントロールリングにお
いて、 上側サイドレールの径方向の厚さT1を下側サイドレー
ルの厚さT2よりも小さくすると共に、上側耳部の径方
向の幅B1を下側耳部の幅B2よりも大きくして、上下の
サイドレールを含むシリンダ壁から耳部までの組立長さ
を同一にしたことを特徴とする鋼製組合せオイルコント
ロールリング。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6611591U JPH0517267U (ja) | 1991-08-21 | 1991-08-21 | 鋼製組合せオイルコントロールリング |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6611591U JPH0517267U (ja) | 1991-08-21 | 1991-08-21 | 鋼製組合せオイルコントロールリング |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0517267U true JPH0517267U (ja) | 1993-03-05 |
Family
ID=13306565
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6611591U Pending JPH0517267U (ja) | 1991-08-21 | 1991-08-21 | 鋼製組合せオイルコントロールリング |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0517267U (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5737500U (ja) * | 1980-08-13 | 1982-02-27 | ||
JP2012233572A (ja) * | 2011-04-20 | 2012-11-29 | Tpr Co Ltd | 組合せオイルリング |
US9726286B2 (en) | 2011-11-11 | 2017-08-08 | Tpr Co., Ltd | Combination oil ring |
JP6389970B1 (ja) * | 2018-01-16 | 2018-09-12 | Tpr株式会社 | 組合せオイルリング |
JP6400874B1 (ja) * | 2018-05-21 | 2018-10-03 | Tpr株式会社 | 組合せオイルリング |
-
1991
- 1991-08-21 JP JP6611591U patent/JPH0517267U/ja active Pending
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5737500U (ja) * | 1980-08-13 | 1982-02-27 | ||
JP2012233572A (ja) * | 2011-04-20 | 2012-11-29 | Tpr Co Ltd | 組合せオイルリング |
US9726286B2 (en) | 2011-11-11 | 2017-08-08 | Tpr Co., Ltd | Combination oil ring |
US9845873B2 (en) | 2011-11-11 | 2017-12-19 | Tpr Co., Ltd. | Combination oil ring |
US10072755B2 (en) | 2011-11-11 | 2018-09-11 | Tpr Co., Ltd. | Combination oil ring |
JP6389970B1 (ja) * | 2018-01-16 | 2018-09-12 | Tpr株式会社 | 組合せオイルリング |
WO2019142380A1 (ja) * | 2018-01-16 | 2019-07-25 | Tpr株式会社 | 組合せオイルリング |
JP2019124288A (ja) * | 2018-01-16 | 2019-07-25 | Tpr株式会社 | 組合せオイルリング |
US10890255B2 (en) | 2018-01-16 | 2021-01-12 | Tpr Co., Ltd. | Combination oil ring |
DE112018001439B4 (de) | 2018-01-16 | 2022-03-24 | Tpr Co., Ltd. | Kombinationsölring |
JP6400874B1 (ja) * | 2018-05-21 | 2018-10-03 | Tpr株式会社 | 組合せオイルリング |
JP2019124346A (ja) * | 2018-05-21 | 2019-07-25 | Tpr株式会社 | 組合せオイルリング |
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