JPH0517122Y2

JPH0517122Y2 -

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Publication number: JPH0517122Y2
Application number: JP10375187U
Authority: JP
Priority date: 1987-07-06
Filing date: 1987-07-06
Publication date: 1993-05-10
Anticipated expiration: 2002-07-06
Also published as: JPS648903U

Description

【考案の詳細な説明】［産業上の利用分野］本考案は、噴霧乾燥室自体が多孔性フイルター
で構成されている噴霧乾燥装置における、乾燥室
の内面に付着された粉体を払い落す装置に関す
る。

［従来の技術］従来、乾燥室自体がフイルターで構成された噴
霧乾燥装置はなかつた。

一方、類似する例として、箱状のケーシング内
に多数のバツグフイルターを内蔵した小型のバツ
グフイルターを用いた場合があるが、このバツグ
フイルターにおいては、円筒形の長いフイルター
バグを使用する場合、リバースジエツトという粉
体の払い落し方法が使われたことがあつた。

また、従来の乾燥室が鋼製の噴霧乾燥装置にお
いては、噴射空気により内面から粉体を払い落す
エアースイーパー装置等が知られていた。

［考案が解決しようとする問題点］しかしながら、上記リバースジエツトにあつて
は、多くの空気を必要とすること、機構が複雑と
なること等の欠点があつた。

また、従来の噴霧乾燥装置におけるエアースイ
ーパー装置においては、内部から内面に付着した
粉体を払い落す構造であるため、管状部材に粉体
の付着が避けられず、また洗浄が困難である、等
の欠点があつた。

［問題点を解決するための手段］従つて、本考案は上記従来の問題点を解決した
もので、本考案によれば、噴霧乾燥室が多孔性フ
イルターにて形成された噴霧乾燥装置におけるフ
イルター付着粉体の払落し装置であつて、振動装
置を前記フイルターに結合するとともに、前記噴
霧乾燥室を補助的に支持する着脱可能な補助支持
機構を設けたことを特徴とする粉体の払落し装置
が提供される。

また、本考案においては、着脱可能な補助支持
機構として、噴霧乾燥室をその側方からスプリン
グ、ゴム、ワイヤー、ロープ又はそれらの組合せ
により吊り下げるもの、あるいは噴霧乾燥室をそ
の下方から支えるスプリング、ゴム又はそれらの
組合せの支持機構を用いることが好ましい。

すなわち、噴霧乾燥室が大型の場合には、その
自重も大きくなり、振動装置と噴霧乾燥室を形成
する多孔性フイルターとの結合による振動伝達力
が弱まつてくる。また、噴霧乾燥室下部の振動装
置による支持のみでは全体の重量を支えきれなく
なる。そうなると、噴霧乾燥室全体に振動を伝達
することが困難となるとともに、振動の伝達が不
安定となる。

そこで、種々検討の結果、噴霧乾燥室を補助的
に支持する補助支持機構、特に噴霧乾燥室をその
側方からスプリング、ゴム、ワイヤー、ロープ又
はそれらの組合せにより吊り下げる、あるいは噴
霧乾燥室をその下方からスプリング、ゴム又はそ
れらの組合せにより支えることにより、振動を全
体に効率良く伝達することができ、且つ大型の噴
霧乾燥室を安定して支持することができることを
見出したのである。

尚、本補助支持機構は着脱可能なため、不必要
な場合は収納しておくことも可能である。

本考案の噴霧乾燥装置の乾燥室を形成する多孔
性フイルターとしては、特にその種類を限定する
ものではないが、通常繊維製の布やそれらを２種
類以上組合わせた組合わせ膜が用いられる。好ま
しい多孔性フイルターとしては、網目状膜に強度
材としての織布あるいは不織布を貼り合せたもの
が用いられ、この場合、具体的には網目状膜はポ
リ四フツ化エチレン（PTFE）（商品名テフロン）
系膜、ポリ三フツ化エチレン系膜、織布、不織布
としては、ポリイミド、耐熱ナイロン、ポリエス
テル、アラミド製のものが好ましく用いられる。

本考案に用いる振動装置としては、従来公知の
振動機が使用でき、具体的には振動篩、振動コン
ベアが挙げられる。

振動篩としては、従来公知の電磁式又は機械式
のものが使用できる。振動数は、一般に600〜
7200／分、篩のメツシユは20〜150程度のもので、
これにより粉体製品に紛れこむ粗大粒子を取り除
くものである。

振動コンベアとしては、従来公知のものが使用
できる。振動数は、一般に600〜7200／分程度の
もので、これにより粉体製品を取り出すものであ
る。

また、本考案においては、振動装置と多孔性フ
イルターとを結合する機構の形状、構造を、噴霧
乾燥室に沿つた骨組み構造、より具体的にいえ
ば、例えば籠型構造とすることは、騒音を抑えて
多孔性フイルターを振動させるために有効であ
る。

骨組み構造の具体例としては、放射状に延びる
主骨と、それを環状に結んでなる籠型構造が挙げ
られ、さらに網状構造も挙げられる。

［作用］多孔性フイルターで形成される噴霧乾燥室内で
噴霧された原液は、熱風により瞬時に加熱乾燥さ
れ、ガスと微粉体となる。そしてガスと微粉体の
分離は多孔性フイルターを介して行われる。従つ
て、噴霧乾燥運転を一定時間続けると、多孔性フ
イルターに微粉体が付着する傾向が強くなるが、
本考案では、噴霧乾燥運転の間、振動装置による
振動を多孔性フイルターに効率的に伝達させるこ
とにより、フイルターに付着した粉体を払い落
す。

［実施例］以下、本考案を実施例に基づいて更に詳細に説
明する。

第１図は本考案に係る粉体の払落し装置を備え
た噴霧乾燥装置の一例を示す概略図で、１は多孔
性フイルター２で形成されている噴霧乾燥室、３
は原液微粒化装置、４は振動篩、５は粉体製品回
収装置、６は熱風分配装置、７は骨組み構造であ
る籠型構造である。振動篩４に結合する結合部構
造は、８は噴霧乾燥室を支持するためのスプリン
グを各々示している。

以上の装置において、噴霧乾燥室１内に供給さ
れ、原液微粒化装置３により噴霧された原液は、
熱風発生装置（図示せず）および熱風分配装置６
を介して吹き込まれる熱風によつて瞬間的に加熱
乾燥され、ガスと微粉体となる。微粒体は、多孔
性フイルター２で分離され、次いで微粒体は振動
篩４にて粗大粒子が除かれた後、製品粉体として
粉体製品回収装置５により回収される。

一方、噴霧乾燥運転の際には、振動篩４に結合
する骨組み構造により、振動を伝達するととも
に、噴霧乾燥室１をスプリング８で側部より支持
しているため、多孔性フイルター２の全体に万遍
なく振動が伝達されているので、多孔性フイルタ
ー２への微粉体の付着が殆ど生じず、極めて長期
間の噴霧乾燥運転が可能となる。

次に、さらに具体的な実施結果を説明する。

（実施例１）第１図に示す形式の噴霧乾燥装置を用い、原液
としてセラミツクスラリー（濃度60重量％）を処
理量30Kg／Hrの割合で噴霧した。噴霧乾燥室は
直径5m、直胴高さ5m、全高7mの上部が円筒形、
下部がロート状のもので、噴霧乾燥室を形成する
多孔性フイルターとしては耐熱ナイロン不織布に
ポリ四フツ化エチレンをラミネートした組合わせ
膜を使用した。また、熱風の入口温度は220℃、
排風温度は120℃であつた。

一方、振動篩は円形の振動篩（三英製作所製）
であつて、メツシユ４８、振動数1500／分の条件
で運転した。

また振動篩に結合する骨組み構造として、放射
状に延びる主骨48本と、それを外周部で環状に結
んでなる籠型構造を採用した。

噴霧乾燥室を側方から支持するスプリングとし
て、天井部に一端が固定され、他端は前記籠型構
造の周端部に固定されたものを用いた。

以上の条件で噴霧乾燥運転を行つたところ、多
孔性フイルターへの粉体の堆積が起こらず120時
間にも及ぶ長時間の運転が可能となつた。

［考案の効果］以上説明したことから明らかなように、本考案
の粉体の払落し装置によれば、振動装置の振動を
利用でき、且つ噴霧乾燥室を補助的に支持する補
助支持機構を設けたので、噴霧乾燥室が大型にな
つても多孔性フイルター全体へ振動が伝達できる
ことから、噴霧乾燥室への粉体の付着を防止で
き、噴霧乾燥運転を極めて長期間連続して行うこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る粉体の払落し装置を備え
た噴霧乾燥装置の一例を示す概略図である。１……噴霧乾燥室、２……多孔性フイルター、
３……原液微粒化装置、４……振動篩、５……粉
体製品回収装置、６……熱風分配装置、７……振
動篩に結合する結合部構造、８……スプリング。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) 噴霧乾燥室が多孔性フイルターにて形成され
た噴霧乾燥装置におけるフイルター付着粉体の
払落し装置であつて、振動装置を前記フイルタ
ーに結合するとともに、前記噴霧乾燥室を補助
的に支持する着脱可能な補助支持機構を設けた
ことを特徴とする粉体の払落し装置。 (2) 着脱可能な補助支持機構が噴霧乾燥室をその
側方からスプリング、ゴム、ワイヤー、ロープ
又はそれらの組合せにより吊り下げるものであ
る実用新案登録請求の範囲第１項記載の粉体の
払落し装置。 (3) 着脱可能な補助支持機構が噴霧乾燥室をその
下方からスプリング、ゴム又はそれらの組合せ
により支えるものである実用新案登録請求の範
囲第１項記載の粉体の払落し装置。