JPH05169863A - 多数回熱転写記録方法 - Google Patents

多数回熱転写記録方法

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JPH05169863A
JPH05169863A JP3357287A JP35728791A JPH05169863A JP H05169863 A JPH05169863 A JP H05169863A JP 3357287 A JP3357287 A JP 3357287A JP 35728791 A JP35728791 A JP 35728791A JP H05169863 A JPH05169863 A JP H05169863A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繰り返し熱転写印字を行っても鮮明な転写画
像を与えかつ、濃度低下の少ない転写画像を与える多数
回熱転写記録方法を提供する。 【構成】 支持体表面に、熱溶融性インクに対し離型性
のあるマトリックス樹脂とそのマトリックス樹脂に含有
された熱溶融性インクからなるインク層又は熱溶融性イ
ンクに対し離型性のある樹脂多孔質層を最上層に持つイ
ンク層を有する多数回熱転写記録媒体の支持体裏面に、
ラインサーマルヘッドを当接させ、該熱転写記録媒体の
少なくとも同一部分に多数回熱印加する多数回熱転写記
録方法において、熱転写記録媒体に対するラインサーマ
ルヘッドの当接圧が150〜400g/cmの線圧であ
ることを特徴とする多数回熱転写記録方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は繰り返し使用しても高印
字濃度で、かつ印字濃度低下の少ない画像を形成できる
多数回熱転写記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】プリンター、ファクシミ
リ等の記録装置において熱転写記録方式を利用したもの
は、記録装置の小型化、低価格化、保守の低減が図れる
ものとして広く普及している。熱転写記録装置に用いら
れる熱転写記録媒体は支持体上に熱転写性インク層(熱
溶融性インク層)が単に設けらているものが一般的であ
り、従って、1回の使用でインク層の加熱部分が全て転
写して繰り返し使用ができないためにランニングコスト
の点で問題があった。そこで、繰り返し使用可能な熱転
写記録媒体の出現が求められ、現在までに、各種のタイ
プの熱転写記録媒体が提案されるようになってきてい
る。
【0003】その幾つかをあげると、(1)特開昭54
−68253号公報、特開昭55−105579号公報
などに開示されているような、支持体上に微細多孔質イ
ンク層を設け、少しずつ熱溶融性インクが滲み出るよう
にしたもの、(2)特開昭58−212993号公報に
開示されているような、支持体上のインク層の上に多孔
質膜を設け、インク流出量を制御したもの、さらに
(3)特開昭60−127191号公報、特開昭60−
127192号公報などに開示されているような、複数
の接着層を介して複数のインク層を設け少しずつインク
層をはがして転写させるもの等が提案されている。しか
しながら、前記(1)の熱転写記録媒体は繰り返し使用
に伴いインク滲出が困難となり印字濃度が徐々に低下す
るという欠点がある。前記(2)の熱転写記録媒体は印
字濃度を高めるために多孔質膜の孔径を大きくすると機
械的強度が低下し、インク層の剥れが生じるという欠点
がある。前記(3)の熱転写記録媒体は印字ごとに熱溶
融性インクの転写量が一定しないという欠点がある。
【0004】また、従来の熱転写記録媒体のほとんど
は、ワードプロセッサー等の記録装置に用いられるシリ
アルサーマルヘッドに対応したものであり、ファクシミ
リ、バーコードプリンター等の記録装置に用いられるラ
インサーマルヘッドのように、熱転写記録媒体と受容紙
(被記録紙)との加熱後の剥離時間が長いものではイン
ク層の剥れが生じたり、更には、画像濃度の低下が発生
するという欠点がある。このほか、鮮明画像を得るには
プラテン圧を低くする必要があるため、充分な画像濃度
が得られないような欠陥もあり、その改善が要望されて
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、繰り返し熱
転写印字を行っても鮮明な転写画像を与えかつ、濃度低
下の少ない転写画像を与える多数回熱転写記録方法を提
供することをその課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するため鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、支持体表面に、熱溶
融性インクに対し離型性のあるマトリックス樹脂とその
マトリックス樹脂に含有された熱溶融性インクからなる
インク層又は熱溶融性インクに対し離型性のある樹脂多
孔質層を最上層に持つインク層を有する多数回熱転写記
録媒体の支持体裏面に、ラインサーマルヘッドを当接さ
せ、該熱転写記録媒体の少なくとも同一部分に多数回熱
印加する多数回熱転写記録方法において、熱転写記録媒
体に対するラインサーマルヘッドの当接圧が150〜4
00g/cmの線圧であることを特徴とする多数回熱転
写記録方法が提供される。
【0007】本発明の熱転写記録方法においては、特定
のインク層を有する熱転写記録媒体を用いるとともに、
その支持体裏面にラインサーマルヘッドを当接し、実施
される。その際のラインサーマルヘッドの当接圧を15
0〜400g/cmの線圧となるようプラテン圧を調節
して熱転写を行う。この場合、ヘッド当接圧が400g
/cmを超えると初回に高印字濃度が得られるが、2回
目以降の濃度低下が著しく、シワによる画像欠損も出易
く、多数回にわたって鮮明かつ高濃度の画像を得ること
ができない。また、当接圧150g/cm未満では細線
再現性が悪くなり、高品質画像を得ることができない。
【0008】本発明においては、熱転写記録媒体に対す
る熱印加から剥離までの時間を0.05〜0.25秒に
規定するのが好ましい。この時間が0.05秒未満では
インク供給が充分でないため充分な画像濃度が得られ
ず、一方、剥離までの時間が0.25秒を超えると1回
目での熱転写におけるインク供給が過多になるため、2
回目以降の濃度低下が著しくなる。なお、熱印加から剥
離までの時間制御は、印字速度と剥離距離の調節によっ
て容易に行うことができる。逆に言えば、剥離までの時
間が前記範囲内であれば印字速度や剥離距離は何等制限
されるものでなく、熱転写記録装置の使用条件を勘案し
て適宜定めれば良い。
【0009】熱転写記録時におけるリボンテンションや
剥離角度などの諸条件も多数回高品質印字には重要であ
り、これらの諸条件を適切に設定することによって、高
品質印字を多数回にわたって得ることができる。すなわ
ち、印字の際の熱転写記録媒体に対するリボンテンショ
ンは、120〜170g/cmの範囲に規定するのがよ
く、また、リボンバックテンションは50〜80g/c
mの範囲に規定するのが良い。多数回熱転写記録媒体の
品質にもよるが、リボンテンションが120g/cm未
満ではインク層の全転写確率が高く、一方、170g/
cmを超えるとシワやリボン切れなどが起こり易い。バ
ックテンションも50〜80g/cmのときに最も安定
しており、この範囲を逸脱するとインク層の全転写や走
行不良などのトラブルが多くなる。さらに、印字の際の
熱転写記録媒体に対する剥離角度も重要因子の一つであ
り、剥離角度は30°〜80°が良く、この範囲外では
インク層全転写生起の確率が高くなる。剥離角度30°
未満では細線の再現性低下の問題も起こる。
【0010】本発明においては、多数回熱転写記録媒体
として、熱転写に際し、インク層から一定量の溶融イン
クがスムースに受容紙へ移行するとともに、熱転写後に
おいて、熱転写記録媒体と受容紙の剥離が容易で、イン
ク層が支持体から剥離しない構造のものを用いる。この
ような構造の熱転写記録媒体は、支持体表面に熱溶融性
インクに対して離型性のあるマトリックス樹脂とそのマ
トリックス樹脂中に含有させた熱溶融性インクとからな
るインク層(A)又は熱溶融性インクに対して離型性の
ある樹脂多孔質層を最上層に有するインク層(B)を設
けることによって得ることができる。インク層(A)
は、離型性樹脂と熱溶融性インクとを混合し、この混合
物を支持体上に塗布乾燥させることによって形成するこ
とができる。このようなインク層(A)では、その樹脂
(マトリックス樹脂)がインク成分に対して離型作用を
有することから、熱転写に際して一定量の溶融インクが
スムースに受容紙へ移行するとともに、熱転写後におい
て受容紙へ移行した転写インクとマトリックス樹脂との
剥離強度が小さいことから、熱転写後には転写インクを
受容紙に保持させた状態で熱転写記録媒体と受容紙とを
円滑に剥離させることができる。また、この場合、イン
ク層と支持体との間の剥離強度は前記マトリックス樹脂
と転写インクとの間の剥離強度よりも大きいことから、
熱転写に際し、インク層全体が支持体からはがれ、受容
紙へ移行付着(即ち、全転写)するようなこともない。
即ち、マトリックス樹脂として離型性樹脂を用いること
により、転写インクとマトリックス樹脂との間の剥離強
度(F2)が小さくなり、その結果、この剥離強度
(F2)と、転写インクと受容紙との間の剥離強度
(F1)と、支持体インク層との間の剥離強度(F3)と
には、F1>F2、F3>F2の関係が生じ、転写インクを
受容シートに保持させかつ残りの非転写インクを記録媒
体上に保持させた状態で、熱転写後における熱転写記録
媒体と受容紙とを円滑に剥離させることができる。そし
て各熱転写毎に一定量の溶融インクが受容紙へ転写され
るので、多数回にわたって、鮮明かつ高濃度の転写画像
を得ることができる。
【0011】前記インク層のインク成分に対する離型作
用を有する樹脂は、変性シリコーン樹脂、シリコーン樹
脂、変性フッ素樹脂等の低表面エネルギー性樹脂等が用
いられる。これらは、単独又は2種以上の混合物とし
て、または一般樹脂と混合して使用することができる。
【0012】また、前記インク層(B)は、支持体表面
に熱転写インク層を設け、最上層に熱転写インク層中の
熱溶融性インク成分に対し離型作用を持つ樹脂多孔質層
を積層することによって得ることができる。前記離型作
用を持つ樹脂多孔質層は、その多孔質樹脂層形成用樹脂
として、低表面エネルギーの樹脂を用いて得ることがで
きる。この場合の樹脂としては、低表面エネルギー樹脂
として知られている各種樹脂、例えば、シリコーン樹脂
及びその変性体、フッ素樹脂及びその変性体等が挙げら
れる。これらのものは単独又は混合物の形で用いられ
る。変性シリコーン樹脂や変性フッ素樹脂としては、従
来各種のものが知られており、このようなものとして
は、アクリル変性体、ウレタン変性体、アルキッド変性
体、エポキシ変性体等が挙げられる。これらの変性体に
おいては、低表面エネルギーを示すポリオルガノシロキ
サン部や、ジフルオロエチレン、トリフルオロエチレ
ン、テトラフルオロエチレン等のフッ化エチレン部ある
いはフッ素化炭化水素部が、それら変性用樹脂との間で
ブロック状もしくはグラフト状に結合して、全体として
低表面エネルギー樹脂を構成している。
【0013】また、離型作用を有する樹脂多孔質層は、
通常の汎用樹脂に対して低表面エネルギー物質を混入し
たものを用いて得ることができる。この場合の低表面エ
ネルギー物質としては、前記した低表面エネルギー樹脂
を用いることができる他、樹脂に対して相溶性を示す低
表面エネルギー有機物質、例えば、フッ素化炭化水素等
を用いることもできる。また、樹脂としては、ガラス転
移点が熱溶融性インクの融点より高い各種樹脂を用いる
ことができる。このような樹脂としては、例えば、塩化
ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエ
ステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース系樹脂、ポ
リアミド樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
【0014】樹脂多孔質層の形成は、従来公知の方法に
従って行うことができる。例えば、低表面エネルギー樹
脂又は低表面エネルギー物質を混入した樹脂の溶液に対
し、熱溶融性固体物質を、水、有機溶剤等の液体中に微
粒子状に分散させた分散液を混合し、この混合液をイン
ク層上に塗布乾燥することによって樹脂多孔質層を形成
することができる。熱溶融性物質としては、常温で固体
状を示す各種の熱溶融性物質、例えば、ワックス類が好
ましく使用される。樹脂多孔質層の孔径や密度は、その
熱溶融性物質からなる分散粒子の大きさや量によってコ
ントロールすることができる。熱溶融性物質と樹脂との
重量比は、10:90〜80:20の範囲に規定するこ
とが好ましい。また、樹脂多孔質層の塗工量は、乾燥重
量で0.1〜0.5g/m2に規定するのが良い。この
樹脂多孔質層は、溶融性インクに対して離型作用を有す
ることから、熱転写に際して溶融インクの受容紙への移
行を容易にするとともに、その移行量をコントロール
し、さらに、熱転写後において熱転写記録媒体と受容紙
とを剥離させる際の剥離強度を小さくする。その結果、
熱転写記録媒体を用いて受容紙上に画像を転写させる時
には、受容紙上には一定量のインクが移行して鮮明な転
写画像が形成される。また熱転写後に熱転写記録媒体と
受容紙を剥離させる際に、インク層が基材からはがれて
受容紙上へ全転写するようなことが防止される。
【0015】前記熱転写記録媒体は、離型性の樹脂多孔
質層を最上層に設けたことから、熱転写後の受容紙から
の剥離性にすぐれ、受容紙へのインク層の全転写が防止
されたものであるが、このインク層の全転写をさらに確
実に防止する点からは、インク層自体に基材に対する接
着性を付与させるのが好ましい。このことは、その基材
に接するインク層に、粘着性ないし接着性を有する物質
を添加することにより達成される。基材に対して粘着性
ないし接着性を有する物質としては、高分子物質や、ワ
ックス状物質等があり、好ましくは、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体等の高分子系接着剤及びマイクロクリスタ
リンワックスが挙げられる。このような粘着性又は接着
性物質の添加量は、繰返し印字回数や印字条件に応じて
適宜決定されるが、通常のラインサーマルヘッド塔載の
プリンターに対する適用では、高分子系接着剤の管合、
インク層中5〜50wt%、マイクロクリスタリンワッ
クスの場合、5〜70wt%である。高分子系接着剤の
場合、その添加量が多すぎると、転写画像の濃度が低下
し、一方、少なすぎると基材に対するインク層の接着力
が低下する。マイクロクリスタリンワックスの場合、そ
の添加量が少なすぎると、基材に対するインク層の接着
力が低下し、一方、多すぎると、ブロッキング等の問題
を生じる。
【0016】本発明で用いる熱転写記録媒体において、
多数回の熱転写に際して高濃度印字を可能とするため
に、支持体上に2層以上の熱転写層を設けるとともに、
最上層に樹脂多孔質層を設け、さらに、インク層の熱溶
融性インク成分の溶融粘度を基材に近いインク層程高く
することが好ましい。この場合のインク層の溶融粘度の
調節は、インク層に増粘剤を添加するとともに、その際
の増粘剤の種類及び添加量を適当に選ぶことにより行う
ことができる。増粘剤としては、常温で固体状を示す接
着性ないし粘着性物質が用いられる。このようなものと
しては、各種高分子の他、前記したマイクロクリスタリ
ンワックスの如き溶融粘度の高い有機物質を示すことが
できる。本発明において好ましく用いられる増粘剤は、
エチレン−酢酸ビニル共重合体であり、特にメルトフロ
ーレート(MF)(JISK 6760)が10g/10
分以上、好ましくは100g/10分以上のものの使用
が好ましい。
【0017】この熱転写記録媒体においては、基材に接
するインク層(I)の溶融粘度(110℃)は、1,0
00〜300,000cpsの範囲に規定し、最上のイ
ンク層(II)の溶融粘度(110℃)は、100〜1
0,000の範囲に規定し、インク層(I)の溶融粘度
(I)とインク層(II)の溶融粘度(II)の比(I/I
I)を5以上、好ましくは10〜30の範囲になるよう
に規定するのがよい。インク層が3層以上の時は、イン
ク層の溶融粘度が基材側から上層のインク層に行くに従
って減少する粘度勾配を設ける。最上層に設ける樹脂多
孔質層は、通常の樹脂から形成されたものであってもよ
いが、好ましくは、前記した如きインク成分に対して離
型性を有するものが用いられる。
【0018】インク層の溶融粘度を前記のように規定す
ることにより、多数回の熱転写においても、その転写毎
に高い濃度の転写画像を得ることができる。図1を参照
してその理由を以下に示す。図1において、熱転写記録
媒体のaの部分は、多数回の転写が行われたために他の
部分bに比べてインク量が減少している。この部分a
は、そのインク量が少ないことから、この状態で熱転写
を行うと、他の部分bに比べてインクの単位体積当りの
エネルギー量が多く付加され、インクの流動性が高くな
る。この場合、インクの溶融粘度が低いとインクの流動
が速く、転写量が多くなるが、一方、インクの溶融粘度
が高いと、その分インクの流動が遅く、その転写量は少
なくなる。前記のように構成したインク層では基材に近
くなるに従って、即ち、インク量が減少するに従ってイ
ンクの溶融粘度が高く、流動しにくいものになっている
ため、インク量が少なくなっても、インクの転写量が増
大するようなことはなく、インク転写量をほぼ一定に保
持することができる。その結果、多数回の熱転写を行っ
ても、各転写毎に充分高濃度の転写画像を得ることがで
きる。なお、図1において、1は基材、2はインク層を
示す。
【0019】熱転写性インク層を構成する着色剤は、公
知の顔料及び染料の中から適宜選択できるが、顔料とし
てはカーボンブラックやフタロシアニン系顔料を使用す
るのが一般的であり、染料としては直接染料、酸性染
料、塩基性染料、分散性染料、油溶性染料等が一般に使
用される。インク層を構成するベヒクル成分としてはミ
ツロウ、カルナバワックス、鯨ロウ、木ロウ、キャンデ
リラワックス、ヌカロウ、モンタンワックス等の天然ワ
ックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、
酸化ワックス、オゾケライト、セレシン、エステルワッ
クス等が一般に使用され、このほかマルガリン酸、ラウ
リン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
フロメン酸、ベヘニル酸等の高級脂肪酸や、ステアリル
アルコール及びベヘニルアルコールのような高級アルコ
ール、ステアリンアミドやオレインアミドのような高級
アミド、グリセリンやソルビタンの高級脂肪酸エステル
等のエステル類も用いられる。熱転写インク層の塗工量
は、印字回数や熱感度等の諸因子を勘案して適宜設定し
なければならないが、一般的には熱転写インク層全体で
乾燥重量として4〜12g/m2程度が良く、2層構成
の場合は各層が2〜7g/m2程度である。
【0020】熱転写記録媒体に用いられる支持体には、
公知の耐熱性材料、例えばポリエステル、ポリカーボネ
ート、トリアセチルセルロース、ナイロン、ポリイミド
等のプラスチックフィルム、セロハン、硫酸紙、コンデ
ンサー紙等が使用できる。基材の厚さは熱感度、機械的
強度を考慮して2〜15μm程度とするのが良い。又、
耐熱性基材のサーマルヘッドと接触する表面にシリコー
ン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、
フェノール樹脂、メラミン樹脂、ニトロセルロース等か
らなる耐熱保護層を設けることにより基材の耐熱性を更
に向上させることも可能である。
【0021】図2に本発明で用いる熱転写記録媒体の1
例についての断面構成図を示す。この図において、1は
基材、3は第1熱転写インク層、4は第2熱転写インク
層、5は離型性樹脂多孔質層、6は耐熱性保護層を示
す。この熱転写記録媒体においては、第1熱転写インク
層3は基材1に対して接着性を有し、基材1に対して充
分接着力を有する。また、受容紙と接触する最上層の樹
脂多孔質層5は離型性を有し、転写後に受容紙からの剥
離が容易である。従って、この熱転写記録媒体は、熱転
写後に、受容紙から剥離させる際に、所定のインク量が
受容紙に転写するだけで、熱転写インク層全体が受容紙
に転写するようなことはない。また、この熱転写記録媒
体においては、第1熱転写インク層3の溶融粘度は、第
2熱転写インク層4の溶融粘度よりも高く規定されてい
る。従って、前記した理由により、多数回の熱転写後に
おいても、その多数回の熱転写毎に、受容紙には高濃度
画像を転写させることができる。
【0022】
【実施例】次に、本発明を実施例によってより具体的に
詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるも
のではない。なお、実施例及び比較例に記載の各成分の
量は重量部で計算したものである。
【0023】(多数回熱転写記録媒体の調製)実施例及
び比較例の実験に使用する多数回熱転写記録媒体を下の
ようにして調製した。 <塗布液A> カーボンブラック 16部 ラノリン脂肪酸モノグリセライド(mp=73℃) 15部 キャンデリラワックス 9部 マイクロクリスタリンワックス(mp=83℃) 50部 エチレン−酢酸ビニル共重合体 10部 (メルトフローレート 2,500g/10min) 上記成分をサンドミルベッセルに充填後、温度を110
℃に保ち分散を行い、熱溶融性インク成分を得た。 <塗布液B> カーボンブラック 10部 キャンデリラワックス 30部 ラノリン脂肪酸モノグリセライド 60部 上記成分をサンドミルベッセルに充填後、温度を110
℃に保ち分散を行った。この成分の110℃における溶
融温度は800cpsであった。この分散物20部を破
砕し、メチルエチルケトン/トルエン(2/1比)80
部を添加し、加温溶解後、冷却して23℃下において分
散を行い塗布紙Bを得た。 <塗布液C> セルロースアセテートブチレート 2部 アクリル変性シリコン樹脂(20%トルエン溶液) 1部 カルナウバワックス水分散物(30%平均粒径4μ) 8部 メチルエチルケトン 89部 を混合、セルロースアセテートブチレートを溶解後、撹
拌し塗布紙Cを得た。 <塗布液D> セルロースアセテートブチレート 3部 カルナウバワックス水分散物(30%平均粒径4μ) 8部 メチルエチルケトン 89部 を混合、セルロースアセテートブチレートを溶解後、撹
拌し塗布紙Dを得た。多数回熱転写記録媒体A 厚さ4.5μmのPETフィルムの片面に耐熱処理を施
した基材上に、塗布液Aをホットメトルコーティングに
より塗工し、3g/cm2の熱転写インク層を得た。続
いて塗布液Bをバーコーターにより塗工し4g/cm2
の熱転写インク層を積層した。次に、塗布液Cをバーコ
ーターによって塗工し、0.39g/cm2の樹脂多孔
質層を積層し、熱転写記録媒体Aを得た。多数回熱転写記録媒体B 厚さ4.5μmのPETフィルムの片面に耐熱処理を施
した基材上に、塗布液Aをホットメトルコーティングに
より塗工し、3g/cm2の熱転写インク層を得た。続
いて塗布液Bをバーコーターにより塗工し、4g/cm
2の熱転写インク層を積層後、塗布液Dを同様にバーコ
ーターにより塗工し、0.39g/cm2の樹脂多孔質
層を積層して熱転写記録媒体Bを得た。
【0024】実施例1〜3、比較例1〜5 以上のようにして調製した多数回熱転写記録媒体を使用
し、下記及び表1に示す条件で同一箇所を繰り返し印字
し、各回の画像濃度を反射濃度計(マクベス社製RD=
914)で、バーコード読取率(コード39)をバーコ
ードレーザーチェッカー(Symbol Technology社製 LC
2811)で測定し、その結果を表2に示す。 〔印字条件〕 ラインサーマルヘッド:薄膜ヘッドタイプ 8ドット/
分 印字エネルギー :17mJ/mm2 受容紙 :コート紙(ベック平滑度45
0)
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】表2から、離型性を持つ多数回熱転写記録
媒体を使用する本発明の記録方法(実施例1〜3)で
は、画像濃度、バーコード読取率共に実用上何ら差し支
えない値が得られた。一方、離型性のない多数回熱転写
記録媒体を用いた場合は、比較例5から明らかなよう
に、初回で全転写してしまった。また、離型性を持つ多
数回熱転写記録媒体を使用しても、剥離までの時間が長
かったり剥離角度が大きいと容易に全転写した(比較例
1)。比較例2のように当接圧が低い場合は、濃度面で
は良好であるが当初から解像度が悪く、比較例3のよう
にリボンのバックテンションが弱いだけでは、表2から
も明らかなように印字濃度及び読取率の点では問題が少
ないが、リボンのすべりが悪く走行性に問題があった。
また、剥離角度が小さくリボンテンションの弱い比較例
4では解像度が劣ると共に、2回目で全転写してしまっ
た。
【0028】
【発明の効果】本発明の多数回熱転写記録方法は、繰り
返し印字しても画像濃度が充分に高く、解像力が低下す
るようなこともない。さらに、インク層が剥離したり走
行性が悪い等のトラブルもなく、実用上極めて優れたも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱転写記録媒体を多数回使用後のインク層の状
況図を示す。
【図2】熱転写記録媒体の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
a:受容体に転写されてインク層厚が薄くなった熱転写
インク層 b:転写されていない熱転写インク層 1:耐熱性基材 2:熱転写インク層 3:第1熱転写インク層 4:第2熱転写インク層 5:樹脂多孔質層 6:耐熱保護層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体表面に、熱溶融性インクに対し離
    型性のあるマトリックス樹脂とそのマトリックス樹脂に
    含有された熱溶融性インク層からなるインク層又は熱溶
    融性インクに対し離型性のある樹脂多孔質層を最上層に
    持つインク層を有する多数回熱転写記録媒体の支持体裏
    面に、ラインサーマルヘッドを当接させ、該熱転写記録
    媒体の少なくとも同一部分に多数回熱印加する多数回熱
    転写記録方法において、熱転写記録媒体に対するライン
    サーマルヘッドの当接圧が150〜400g/cmの線
    圧であることを特徴とする多数回熱転写記録方法。
  2. 【請求項2】 熱転写記録媒体に対する熱印加から剥離
    までの時間が0.05〜0.25秒であることを特徴と
    する請求項1の多数回熱転写記録方法。
  3. 【請求項3】 熱転写記録媒体に対するリボンテンショ
    ンが120〜170g/cmであることを特徴とする請
    求項1又は2の多数回熱転写記録方法。
  4. 【請求項4】 リボンバックテンションが50〜80g
    /cmであることを特徴とする請求項3の多数回熱転写
    記録方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0657293A1 (en) * 1993-12-09 1995-06-14 Agfa-Gevaert N.V. Method for making an image according to a thermal dye transfer process
JP2012171241A (ja) * 2011-02-22 2012-09-10 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写記録媒体およびその製造方法

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