JP2009078433A - 熱転写記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、画像耐久性が高く高濃度で鮮鋭性に優れた画像が得られる溶融転写方式の熱転写記録媒体において、低階調域のドットの粒状感、ざらつきを緩和し滑らかな階調表現のカラー画像を得ることができる熱転写記録媒体を提供する。
【解決手段】支持体の一方の面上に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂と、着色顔料と、熱により昇華あるいは拡散する染料とを含む熱転写インキ層を設けた熱転写記録媒体において、前記熱転写インキ層に昇華あるいは拡散する染料が塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂100重量部に対して50重量部以上含まれており、かつ、該熱転写インキ層の厚みが0.5μm以下であることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】支持体の一方の面上に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂と、着色顔料と、熱により昇華あるいは拡散する染料とを含む熱転写インキ層を設けた熱転写記録媒体において、前記熱転写インキ層に昇華あるいは拡散する染料が塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂100重量部に対して50重量部以上含まれており、かつ、該熱転写インキ層の厚みが0.5μm以下であることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、サーマルヘッドプリンタ等で着色顔料及び染料を含有する熱転写インキ層を受像シート上に熱転写し、更に詳しくは、少なくとも2色以上の色を重ねてフルカラー画像等を形成するための熱転写記録媒体に関する。
従来、サーマルヘッドプリンタ等を用いて階調画像を形成する熱転写記録方式としては、昇華転写方式と溶融転写方式が知られている。昇華転写方式は、昇華性(熱移行性)染料とバインダー樹脂とからなる染料インキ層を支持体上に設けた熱転写記録媒体を受像シートと重ね、サーマルヘッド等の熱量に応じて熱転写インキ層中の昇華型染料を受像シート上に移行させ階調画像を形成するものである。
しかしながら、このような昇華性染料を用いて画像を形成した場合、形成された画像は耐久性が劣り、耐熱性や耐光性を要求する分野への利用が制限される。また、感熱記録感度が溶融転写方式と比べ低いため、高濃度域の画像形成には多くの電力を必要とし乾電池などのバッテリー駆動によるプリンターの小型軽量化、将来実用が期待されている高解像力サーマルヘッド等を用いる高速記録材料としては適していない等の欠点を有している。
一方、溶融転写方式は、支持体上に顔料などの色材とワックスなどの結合剤からなる熱溶融性の熱転写インキ層を設けた転写シートを用いてサーマルヘッド等の加熱デバイスに画像情報に応じたエネルギーを印加し、受像シート上に熱転写インキ層を融着させて画像を形成させる方式である。溶融転写方式によって形成される画像は、高濃度で鮮鋭性に優れ、文字、線画等の2値画像の記録に適している。また、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックよりなる熱転写シートを用いて、受像シート上に重ねて画像を形成することにより、カラー画像の形成も可能である。このようなカラー画像形成用熱転写シートとして特許文献1で提案されている。
ところが、上記特許文献1に記載の熱転写シートの場合、低融点の結晶性ワックスをインキ層の結合剤として用いているため、インキの滲みによって解像力の低下が発生しやすい。また転写画像の定着強度が弱く、画像部を手で強くこすると画像部がとれてしまう。このような現象を解決する方法として種々の提案がなされてきた。
例えば、特許文献2には、65%以上の非晶質ポリマーと離型性物質と着色剤よりなる感熱インキ層を有する感熱転写シートが提案されている。しかしながら、上記特許文献2に記載の熱転写シートも、結晶性ワックスを含むため、各色の重ね印画を行った部分の定着強度は不十分なものとなっている。
そこで、特許文献3には、ワックスを使用せずエポキシ樹脂と着色顔料と微粒子を主成分とし、インキの滲みによる解像度の低下を防ぎ、画像の耐久性を増し更に熱転写インキ層の箔切れ性が良く、且つ転写画像の光学濃度も高い熱転写記録媒体が提案されている。
上記の特許文献3のような着色顔料と樹脂、微粒子を主成分とした溶融転写式では画像耐久性が高く、インキの滲みによる解像度の低下が少ない高濃度で鮮鋭性に優れた画像が得られるものの、カラー画像の階調表現はドットの面積階調であり、特に低濃度域はドットの粒状感、ざらつきが目立ち滑らかな階調表現が難しくなっている。
下記に公知文献を記す。
特公昭63−65029号公報
特開昭61−244592号公報
特開2001−096922号公報
本発明は、前記従来の技術の問題点に鑑みてなされたものであり、画像耐久性が高く高濃度で鮮鋭性に優れた画像が得られる溶融転写方式の熱転写記録媒体において、低階調域のドットの粒状感、ざらつきを緩和し滑らかな階調表現のカラー画像を得ることができる熱転写記録媒体を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、支持体の一方の面上に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂と、着色顔料と、熱により昇華あるいは拡散する染料とを含む熱転写インキ層を設けた熱転写記録媒体において、
前記熱転写インキ層に昇華あるいは拡散する染料が塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂100重量部に対して50重量部以上含まれており、かつ、該熱転写インキ層の厚みが0.5μm以下であることを特徴とする熱転写記録媒体である。
前記熱転写インキ層に昇華あるいは拡散する染料が塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂100重量部に対して50重量部以上含まれており、かつ、該熱転写インキ層の厚みが0.5μm以下であることを特徴とする熱転写記録媒体である。
請求項2に記載の発明は、前記昇華あるいは拡散する染料が着色顔料と同色であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写記録媒体である。
請求項3に記載の発明は、前記熱転写インキ層が、支持体の長手方向に沿ってシアン、マゼンタ、イエローの少なくとも3色が面順次に繰り返し塗り分けて設けてあることを特徴とする請求項1または2に記載の熱転写記録媒体である。
本発明によれば、少なくとも支持体の一方の面上に塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂と着色顔料と熱により昇華或いは拡散する染料を含む熱転写インキ層を設けた熱転写記録媒体において、熱転写インキ層に熱により昇華或いは拡散する染料を含有させることにより、受像シートにサーマルヘッド等を用いた感熱転写記録方式にて、熱転写インキ層を受像シートへ転写すると共に、染料を受像シートへ染着、拡散させることができ、更に熱転写インキ層の厚みが0.5μm以下とし、前記熱転写インキ層に含まれる昇華あるいは拡散する染料が塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂100重量部に対して50重量部以上とすることで低濃度域では染料拡散による滑らかな濃度階調表現ができ、中濃度域から高濃度域では、熱転写インキ層の転写したドットによる面積階調が加わり高濃度で鮮明な階調表現が可能になる。
また、染料と着色顔料を同色とすることで転写画像の各濃度域での色相が安定し更に、支持体の長手方向に沿って少なくともシアン、マゼンタ、イエローの3色が面順次に繰り返し塗り分けて設けることで、連続して3色の重ね印画が可能となり良好なフルカラー画像を得ることが可能となる。
以下、本発明の熱転写記録媒体について詳細に説明する。図1は、支持体(2)上に熱転写インキ層(3)を設けた本発明に係わる熱転写記録媒体(1)の断面図である。
本発明に用いることのできる支持体(2)としては、従来より昇華転写型や溶融転写型用として一般に用いられるものを使用することができる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、セロファン、ポリカーボネー
ト、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリイミド、ナイロン、ポリ塩化ビニリデン等のプラスチックフィルム、コンデンサーペーパー、パラフィン紙等の紙類を挙げることができるが、特に好ましいのはポリエステルフィルムである。支持体(2)の厚みは2〜50μm、より好ましくは2〜16μmである。
ト、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリイミド、ナイロン、ポリ塩化ビニリデン等のプラスチックフィルム、コンデンサーペーパー、パラフィン紙等の紙類を挙げることができるが、特に好ましいのはポリエステルフィルムである。支持体(2)の厚みは2〜50μm、より好ましくは2〜16μmである。
熱転写インキ層(3)は、熱により溶融あるいは軟化して転写する樹脂と着色顔料を主成分とし、熱で昇華或いは拡散する染料を含有する。
着色顔料としては、種々の公知の顔料が使用でき、例えばカーボンブラック、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、アンスラキノン系、イソインドリノン系等の顔料が挙げられる。これらは2種類以上組み合わせて使用することも可能である。
染料としては公知の昇華性、熱溶融移行性染料が使用でき、具体的には、ジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メチン系、アゾメタン系、キサンチン系、アクリジン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、アゾ系、スピロジピラン系、イソドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンダクタム系、アントラキノン系等の染料が使用できる。
着色顔料と染料は同一色を使用することで各濃度階調において安定した色相の転写画像が得られる。着色顔料と染料の色相が大きく異なる場合、熱転写インキ層の転移による顔料と染料の発色部分と染料が受像シートに染着し発色した部分の色相差が発生し、良好な階調表現が難しくなる。
また、フルカラーの多色印画用としては、イエロー、マゼンタ、シアンの各着色顔料および染料を含有した熱転写インキ層を支持体上に設けた熱転写記録媒体を使用し重ね印画することでフルカラー画像を得る。特に支持体上の長手方向に沿ってシアン、マゼンタ、イエローの3色が面順次に繰り返し塗り分けて設けることで連続して3色の印画が可能となる。また3色以外にブラックや他の特色を加えた4色以上に塗り分けた熱転写記録媒体を使用することも可能である。
熱転写インキ層(3)に使用される樹脂としては、サーマルヘッド等の熱媒体に対する印画適正と転写記録後の画像の耐久性を考慮した特性を有する熱溶融、熱可塑性の樹脂を選定する必要がある。一般には、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、石油樹脂、アイオノマー、エチレンアクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステルガム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンアクリロニトリルゴム、ポリアミド樹脂、ポリ塩素化オレフィン等の天然樹脂や合成ゴムの誘導体等の熱可塑性樹脂を主成分として使用することができるが、この中で更に保存時に染料を保持しサーマルヘッド等での過熱時に任意に染料を受像シートに移行でき、且つ過熱エネルギーによって任意に熱転写インキ層を転写できる樹脂として、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂を選択する。
また熱転写インキ層(3)には、熱転写するときの転写性、詳しくは転写画像の形成されるドット形状、また階調再現性等を向上させる目的で、無色又は淡色の微粒子を添加することができる。無色又は淡色のものを使用するのは、感熱転写で形成された着色画像の
発色を極力損なわないようにする為である。このような無色又は淡色の微粒子の例としては、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、澱粉、酸化亜鉛、テフロン(登録商標)パウダー、ポリエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレート樹脂ビーズ、ポリウレタン樹脂ビーズ、ベンゾグアナミン及びメラミン樹脂ビーズなどを挙げることができる。上記の中では、特に、屈折率が樹脂に近く透明性の優れるシリカの微粒子が好ましい。
発色を極力損なわないようにする為である。このような無色又は淡色の微粒子の例としては、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、澱粉、酸化亜鉛、テフロン(登録商標)パウダー、ポリエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレート樹脂ビーズ、ポリウレタン樹脂ビーズ、ベンゾグアナミン及びメラミン樹脂ビーズなどを挙げることができる。上記の中では、特に、屈折率が樹脂に近く透明性の優れるシリカの微粒子が好ましい。
また、熱転写インキ層(3)には、前記顔料や染料、樹脂、微粒子の他に、適宜、離型剤、軟化剤、界面活性剤といった添加剤を添加できる。熱転写インキ層の熱的感度や強度、接着性などを調整する目的で添加する離型剤、軟化剤として、例えばパルミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、ステアリン酸亜鉛の如き脂肪酸金属塩類、脂肪酸エステル類もしくはその部分ケン化物、脂肪酸アミド類等の脂肪酸誘導体、高級アルコール類、多価アルコール類のエステル等誘導体、パラフィンワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、ミツロウ、木ロウ、キャンデリラワックス等のワックス類、粘度平均分子量が約1,000から10,000程度の低分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等のポリオレフイン類、或いはオレフイン、α−オレフイン類と無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸等の有機酸、酢酸ビニル等との低分子量共重合体、低分子量酸化ポリオレフイン、ハロゲン化ポリオレフイン類、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート等長鎖アルキル側鎖を有するメタクリル酸エステル、メタクリル酸エステル類の単独もしくはスチレン類等のビニル系単量体との共重合体、ポリジメチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン等の低分子量シリコーンレジン及びシリコーン変性有機物質等が挙げられ、1種あるいは2種以上選択して用いることができる。
熱転写インキ層の平滑性や顔料の分散性を向上させる目的で添加する界面活性剤としては、インク層中の組成物に相溶するものならば特に制限はなく、例えば、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、脂肪族アミンもしくは脂肪族アミドの硫酸塩類、脂肪族アルコール燐酸エステル塩類、二塩基性脂肪酸エステルのスルホン酸塩類、脂肪族アミドスルホン酸塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類、ホルマリン縮合のナフタレンスルホン酸塩類等のアニオン系界面活性剤、脂肪族アミン塩類、第四級アンモニウム塩類、アルキルピリジニウム塩類等のカチオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類等の非イオン系界面活性剤、カルボン酸誘導体、イミダゾリン誘導体等の両性界面活性剤等、パーフルオロアルキルカルボン酸類、フルオロ脂肪族基含有アクリレートもしくはフルオロ脂肪族基含有メタクリレートとポリオキシアルキレンアクリレートもしくはポリオキシアルキレンメタクリレートとの共重合体、パーフルオロアルキルスルホンアミド類等が挙げられる。
なお、本発明の熱転写記録媒体の製造方法は、コート紙またはプラスチック等の支持体上に着色顔料と染料、樹脂を溶剤に、分散または溶解した組成物を、バーコート、ブレードコート、エアナイフコート、グラビアコート、ロールコート等のソルベントコート法によって塗布し、乾燥して熱転写インキ層を形成することにより成る。ここで用いられる溶剤としては、一般的なコート剤に用いられる溶剤、例えば、水あるいはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチイソブチルケトンなどのケトン類、トルエン、キシレン、シクロヘキサンなどのその他炭酸水素などの有機溶剤が挙げられる。
本発明の熱転写記録媒体(1)の熱転写インキ層(3)の膜厚は、0.5μm以下であり、熱転写インキ層に含まれる昇華あるいは拡散する染料が塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂100重量部に対して50重量部以上である。熱転写インキ層(3)の膜厚は少ない方が熱転写時のドットの再現性がよく中濃度域から高濃度域まで滑らかな階調表現が可能
であるが、熱転写インキ層(3)に使用される樹脂が本発明の塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂の場合、0.5μmを超えると特にドット再現性が悪くなり滑らかな階調表現が困難となる。また、滑らかな階調表現が可能となる0.5μm以下では熱転写インキ層(3)自体の光学濃度が低くなり再現できる高濃度域の最高濃度も低くなってしまうため、熱転写インキ層に含まれる昇華あるいは拡散する染料が塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂100重量部に対して50重量部以上とすることで高濃度の階調表現が可能となり、また低濃度域の染料拡散による濃度階調の表現範囲も広くなり、低濃度域から中濃度域の階調表現も滑らかなものとなる。
であるが、熱転写インキ層(3)に使用される樹脂が本発明の塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂の場合、0.5μmを超えると特にドット再現性が悪くなり滑らかな階調表現が困難となる。また、滑らかな階調表現が可能となる0.5μm以下では熱転写インキ層(3)自体の光学濃度が低くなり再現できる高濃度域の最高濃度も低くなってしまうため、熱転写インキ層に含まれる昇華あるいは拡散する染料が塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂100重量部に対して50重量部以上とすることで高濃度の階調表現が可能となり、また低濃度域の染料拡散による濃度階調の表現範囲も広くなり、低濃度域から中濃度域の階調表現も滑らかなものとなる。
本発明の熱転写記録媒体(1)の熱転写インキ層(3)の膜厚は、0.5μm以下で、熱転写インキ層に含まれる昇華あるいは拡散する染料が塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂100重量部に対して50重量部以上であるが、染料の含有量を増やしても再現できる最高濃度の限界はあるため、熱転写インキ層(3)の膜厚は、好ましくは0.2〜0.5μm,染料の含有量は好ましくは塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂100重量部に対して50〜100重量部である。
また図2に示すように、支持体(2)の熱転写インキ層(3)を設けていない側よりサーマルヘッド等を用いて熱を加え、受像シート上に熱転写インキ層(3)を転写する際に、サーマルヘッド等が支持体(2)に付着して熱転写記録媒体(1)のスムーズな走行性を妨害するのを防ぐために、支持体(2)の熱転写インキ層(3)が設けられていない側に、バックコート層(4)を設けることが望ましい。このようなバックコート層(4)に用いられる材料としては例えば、ニトロセルロース、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ブチラール樹脂、アセタール樹脂、ビニル樹脂等の樹脂にフッ素樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンオイル、ポリエチレンワックス、燐酸エステル等の滑剤を含有させたものまたはシリコーン変性樹脂等が挙げることができる。またシリカ、炭酸カルシウム、タルク、樹脂ビーズ等のフィラーを含有させたり、また、耐熱性を向上させる目的で、架橋剤を併用しても良い。バックコート層(4)を設ける際の塗布厚は、0.1〜4μm程度が好ましい。
以上の如き熱転写記録媒体(1)を用いて、画像を形成する為に使用する受像シートとしては、上質紙、コート紙等の紙類、ポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリプロピレンフィルム等のプラスチックフィルム、あるいは紙、プラスチックフィルム上に受像層をコーティングしたもの等が挙げられる。
ここで使用する受像層は、サーマルヘッド等の熱に対応し熱転写記録媒体の熱転写インキ層と良好な接着性を有する樹脂を適宜選択できる。受像層の樹脂と熱転写インキ層の樹脂は熱感度が近いものを使用することが好ましく、これにより熱転写時に熱転写記録媒体の熱転写インキ層が十分に溶融しなくても熱転写時の熱によって熱転写インキ層と受像層とが良好に接着し、十分な箔切れを以て印画が成されるため転写性、詳しくは転写画像の形成されるドット形状、また階調再現性等が向上する。更には形成された画像は、耐摩耗性、耐擦過性等の画像耐性に優れたものとなる。 また、必要に応じて従来の昇華転写方式に用いられる受像シートの受像層にシリコーンオイルやシリコーン樹脂等の離型剤を含有させて、熱転写記録媒体の熱転写インキ層と受像シートの受像層の接着を制御するとともに低階調域で染料を染着、拡散させ滑らかな階調表現を行なうことができる。
また、画像形成を行いたいシート上に直接画像形成を行うことが困難な場合は、上記受像シート上に一度画像を形成した後、転写画像を最終シート上に再転写させても良い。このような間接転写方式は、最終シートの選択性が広がるだけでなく、受像シートに保護層を設けておくことにより、最終転写画像上に保護層を設けられ画像耐性の向上が図れたり、受像シート上にホログラム形成層等のセキュリティ層を設けておくことにより、最終転写画像のセキュリティの向上を図ることが可能となる。
本発明における熱転写方法としては、サーマルヘッドを用いた方法やアルゴンイオン、ヘリウムネオン等のガスレーザーや固体レーザー、半導体レーザー、エキシマレーザー等のレーザーを用いた方法等が挙げられる。
上記の如き本発明の熱転写記録媒体を使用し上記の如き受像シートを使用してサーマルヘッド等を用いて熱エネルギーをコントロールすることにより、熱転写インキ層の転写による面積階調と染料の受像シートへの拡散による濃度階調を合せた階調画像を得ることが可能となる。
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、文中で「部」又は「%」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
<実施例1>
まず、下記組成の熱転写インキ層用インキ組成物を調製した。
まず、下記組成の熱転写インキ層用インキ組成物を調製した。
(シアンインキ)
樹脂:塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(ユニオンカーバイド社製VAGH)…5.8部
顔料:フタロシアニンブルー…2.55部
染料:C.I.ソルベントブルー63…2.9部
溶剤:メチルエチルケトン…44.3部
トルエン…44.3部
(マゼンタインキ)
樹脂:塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(ユニオンカーバイド社製VAGH)…5.8部
顔料:カーミン6B…2.55部
染料:C.I.ディスパーズレッド60…2.9部
溶剤:メチルエチルケトン…44.3部
トルエン…44.3部
(イエローインキ)
樹脂:塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(ユニオンカーバイド社製VAGH)…5.8部
顔料:ジスアゾイエロー…2.55部
染料:C.I.ディスパーズイエロー201…2.9部
溶剤:メチルエチルケトン…44.3部
トルエン…44.3部
上記処方の熱転写インキ層用インキを、裏面に耐熱処理を施した厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフイルムに、乾燥膜厚が0.5μmになるように塗布及び乾燥して本発明の熱転写記録媒体を得た。
樹脂:塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(ユニオンカーバイド社製VAGH)…5.8部
顔料:フタロシアニンブルー…2.55部
染料:C.I.ソルベントブルー63…2.9部
溶剤:メチルエチルケトン…44.3部
トルエン…44.3部
(マゼンタインキ)
樹脂:塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(ユニオンカーバイド社製VAGH)…5.8部
顔料:カーミン6B…2.55部
染料:C.I.ディスパーズレッド60…2.9部
溶剤:メチルエチルケトン…44.3部
トルエン…44.3部
(イエローインキ)
樹脂:塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(ユニオンカーバイド社製VAGH)…5.8部
顔料:ジスアゾイエロー…2.55部
染料:C.I.ディスパーズイエロー201…2.9部
溶剤:メチルエチルケトン…44.3部
トルエン…44.3部
上記処方の熱転写インキ層用インキを、裏面に耐熱処理を施した厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフイルムに、乾燥膜厚が0.5μmになるように塗布及び乾燥して本発明の熱転写記録媒体を得た。
次に、100μmの易接着ポリエステルフィルムの易接着面に下記の受像シートインキを用いて、乾燥膜厚が5μmになるように塗布及び乾燥して、受像シートを得た。
(受像シートインキ)
樹脂:塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(ユニオンカーバイド社製VAGH)…20部
離型剤:シリコーンオイル(信越化学工業製KF393)…0.6部
溶媒:メチルエチルケトン…40部
トルエン…40部
得られたシアンの熱転写記録媒体の熱転写インキ層面と受像シートとを重ね、サーマルヘッドを用いて、サーマルヘッドの発熱部に応じた面積階調によるシアン画像を得た。次にマゼンタの熱転写記録媒体を用いて、シアン画像が形成されている受像シート上にシアンと同様にして面積階調によるマゼンタ画像を形成した。同様にしてイエロー画像を形成し、カラー画像を形成させた。受像シート上には熱転写インキ層の転写によるドットによる面積階調と染料の転移拡散による濃度階調からなる画像を形成させることができた。
樹脂:塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(ユニオンカーバイド社製VAGH)…20部
離型剤:シリコーンオイル(信越化学工業製KF393)…0.6部
溶媒:メチルエチルケトン…40部
トルエン…40部
得られたシアンの熱転写記録媒体の熱転写インキ層面と受像シートとを重ね、サーマルヘッドを用いて、サーマルヘッドの発熱部に応じた面積階調によるシアン画像を得た。次にマゼンタの熱転写記録媒体を用いて、シアン画像が形成されている受像シート上にシアンと同様にして面積階調によるマゼンタ画像を形成した。同様にしてイエロー画像を形成し、カラー画像を形成させた。受像シート上には熱転写インキ層の転写によるドットによる面積階調と染料の転移拡散による濃度階調からなる画像を形成させることができた。
<実施例2>
下記組成の熱転写インキ層用インキ組成物を調製した。
下記組成の熱転写インキ層用インキ組成物を調製した。
(シアンインキ)
樹脂:塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(ユニオンカーバイド社製VAGH)…4.3部
顔料:フタロシアニンブルー…1.89部
染料:C.I.ソルベントブルー63…3.44部
溶剤:メチルエチルケトン…40.3部
トルエン…40.3部
(マゼンタインキ)
樹脂:塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(ユニオンカーバイド社製VAGH)…4.3部
顔料:カーミン6B…1.89部
染料:C.I.ディスパーズレッド60…3.44部
溶剤:メチルエチルケトン…40.3部
トルエン…40.3部
(イエローインキ)
樹脂:塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(ユニオンカーバイド社製VAGH)…4.3部
顔料:ジスアゾイエロー…1.89部
染料:C.I.ディスパーズイエロー201…3.44部
溶剤:メチルエチルケトン…40.3部
トルエン…40.3部
上記処方の熱転写インキ層用インキを、裏面に耐熱処理を施した厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフイルムに、乾燥膜厚が0.4μmになるように塗布及び乾燥して本発明の熱転写記録媒体を得た。
樹脂:塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(ユニオンカーバイド社製VAGH)…4.3部
顔料:フタロシアニンブルー…1.89部
染料:C.I.ソルベントブルー63…3.44部
溶剤:メチルエチルケトン…40.3部
トルエン…40.3部
(マゼンタインキ)
樹脂:塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(ユニオンカーバイド社製VAGH)…4.3部
顔料:カーミン6B…1.89部
染料:C.I.ディスパーズレッド60…3.44部
溶剤:メチルエチルケトン…40.3部
トルエン…40.3部
(イエローインキ)
樹脂:塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(ユニオンカーバイド社製VAGH)…4.3部
顔料:ジスアゾイエロー…1.89部
染料:C.I.ディスパーズイエロー201…3.44部
溶剤:メチルエチルケトン…40.3部
トルエン…40.3部
上記処方の熱転写インキ層用インキを、裏面に耐熱処理を施した厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフイルムに、乾燥膜厚が0.4μmになるように塗布及び乾燥して本発明の熱転写記録媒体を得た。
得られたシアンの熱転写記録媒体の熱転写インキ層面と実施例1の受像シートとを重ね、サーマルヘッドを用いて、サーマルヘッドの発熱部に応じた面積階調によるシアン画像を得た。次にマゼンタの熱転写記録媒体を用いて、シアン画像が形成されている受像シート上にシアンと同様にして面積階調によるマゼンタ画像を形成した。同様にしてイエロー画像を形成し、カラー画像を形成させた。受像シート上には熱転写インキ層の転写によるドットによる面積階調からなる画像を形成された。
<比較例1>
実施例1の処方の熱転写インキ層用インキを、裏面に耐熱処理を施した厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフイルムに、乾燥膜厚が0.6μmになるように塗布及び乾燥して比較例1の熱転写記録媒体を得た。
実施例1の処方の熱転写インキ層用インキを、裏面に耐熱処理を施した厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフイルムに、乾燥膜厚が0.6μmになるように塗布及び乾燥して比較例1の熱転写記録媒体を得た。
得られたシアンの熱転写記録媒体の熱転写インキ層面と実施例1の受像シートとを重ね、サーマルヘッドを用いて、サーマルヘッドの発熱部に応じた面積階調によるシアン画像
を得た。次にマゼンタの熱転写記録媒体を用いて、シアン画像が形成されている受像シート上にシアンと同様にして面積階調によるマゼンタ画像を形成した。同様にしてイエロー画像を形成し、カラー画像を形成させた。
を得た。次にマゼンタの熱転写記録媒体を用いて、シアン画像が形成されている受像シート上にシアンと同様にして面積階調によるマゼンタ画像を形成した。同様にしてイエロー画像を形成し、カラー画像を形成させた。
<比較例2>
熱転写インキ層用インキとして以下のインキ組成物を調整した。
熱転写インキ層用インキとして以下のインキ組成物を調整した。
(シアンインキ)
樹脂:塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(ユニオンカーバイド社製VAGH)…6.6部
顔料:フタロシアニンブルー…2.9部
染料:C.I.ソルベントブルー63…2.64部
溶剤:メチルエチルケトン…44部
トルエン…44部
(マゼンタインキ)
樹脂:塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(ユニオンカーバイド社製VAGH)…6.6部
顔料:カーミン6B…2.9部
染料:C.I.ディスパーズレッド60…2.64部
溶剤:メチルエチルケトン…44部
トルエン…44部
(イエローインキ)
樹脂:塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(ユニオンカーバイド社製VAGH)…6.6部
顔料:ジスアゾイエロー…2.9部
染料:C.I.ディスパーズイエロー201…2.64部
溶剤:メチルエチルケトン…44部
トルエン…44部
上記処方の熱転写インキ層用インキを、裏面に耐熱処理を施した厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフイルムに、乾燥膜厚が0.5μmになるように塗布及び乾燥して比較例2の熱転写記録媒体を得た。
樹脂:塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(ユニオンカーバイド社製VAGH)…6.6部
顔料:フタロシアニンブルー…2.9部
染料:C.I.ソルベントブルー63…2.64部
溶剤:メチルエチルケトン…44部
トルエン…44部
(マゼンタインキ)
樹脂:塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(ユニオンカーバイド社製VAGH)…6.6部
顔料:カーミン6B…2.9部
染料:C.I.ディスパーズレッド60…2.64部
溶剤:メチルエチルケトン…44部
トルエン…44部
(イエローインキ)
樹脂:塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(ユニオンカーバイド社製VAGH)…6.6部
顔料:ジスアゾイエロー…2.9部
染料:C.I.ディスパーズイエロー201…2.64部
溶剤:メチルエチルケトン…44部
トルエン…44部
上記処方の熱転写インキ層用インキを、裏面に耐熱処理を施した厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフイルムに、乾燥膜厚が0.5μmになるように塗布及び乾燥して比較例2の熱転写記録媒体を得た。
得られたシアンの熱転写記録媒体の熱転写インキ層面と実施例1の受像シートとを重ね、サーマルヘッドを用いて、サーマルヘッドの発熱部に応じた面積階調によるシアン画像を得た。次にマゼンタの熱転写記録媒体を用いて、シアン画像が形成されている受像シート上にシアンと同様にして面積階調によるマゼンタ画像を形成した。同様にしてイエロー画像を形成し、カラー画像を形成させた。
<比較例3>
熱転写インキ層用インキとして以下のインキ組成物を調整した。
熱転写インキ層用インキとして以下のインキ組成物を調整した。
(シアンインキ)
樹脂:エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製JER1007)…10部
顔料:フタロシアニンブルー…4.4部
染料:C.I.ソルベントブルー63…5部
溶剤:メチルエチルケトン…80.6部
(マゼンタインキ)
樹脂:エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製JER1007)…10部
顔料:カーミン6B…4.4部
染料:C.I.ディスパーズレッド60…5部
溶剤:メチルエチルケトン…80.6部
(イエローインキ)
樹脂:エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製JER1007)…10部
顔料:ジスアゾイエロー…4.4部
染料:C.I.ディスパーズイエロー201…5部
溶剤:メチルエチルケトン…80.6部
上記処方の熱転写インキ層用インキを、裏面に耐熱処理を施した厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフイルムに、乾燥膜厚が0.5μmになるように塗布及び乾燥して比較例3の熱転写記録媒体を得た。
樹脂:エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製JER1007)…10部
顔料:フタロシアニンブルー…4.4部
染料:C.I.ソルベントブルー63…5部
溶剤:メチルエチルケトン…80.6部
(マゼンタインキ)
樹脂:エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製JER1007)…10部
顔料:カーミン6B…4.4部
染料:C.I.ディスパーズレッド60…5部
溶剤:メチルエチルケトン…80.6部
(イエローインキ)
樹脂:エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製JER1007)…10部
顔料:ジスアゾイエロー…4.4部
染料:C.I.ディスパーズイエロー201…5部
溶剤:メチルエチルケトン…80.6部
上記処方の熱転写インキ層用インキを、裏面に耐熱処理を施した厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフイルムに、乾燥膜厚が0.5μmになるように塗布及び乾燥して比較例3の熱転写記録媒体を得た。
得られたシアンの熱転写記録媒体の熱転写インキ層面と実施例1の受像シートとを重ね、サーマルヘッドを用いて、サーマルヘッドの発熱部に応じた面積階調によるシアン画像を得た。次にマゼンタの熱転写記録媒体を用いて、シアン画像が形成されている受像シート上にシアンと同様にして面積階調によるマゼンタ画像を形成した。同様にしてイエロー画像を形成し、カラー画像を形成させた。
<比較例4>
熱転写インキ層用インキとして以下のインキ組成物を調整した。
熱転写インキ層用インキとして以下のインキ組成物を調整した。
(シアンインキ)
樹脂:ポリエステル樹脂(東洋紡績製バイロン200)…5.8部
顔料:フタロシアニンブルー…2.55部
染料:C.I.ソルベントブルー63…2.9部
溶剤:メチルエチルケトン…44.3部
トルエン…44.3部
(マゼンタインキ)
樹脂:ポリエステル樹脂(東洋紡績製バイロン200)…5.8部
顔料:カーミン6B…2.55部
染料:C.I.ディスパーズレッド60…2.9部
溶剤:メチルエチルケトン…44.3部
トルエン…44.3部
(イエローインキ)
樹脂:ポリエステル樹脂(東洋紡績製バイロン200)…5.8部
顔料:ジスアゾイエロー…2.55部
染料:C.I.ディスパーズイエロー201…2.9部
溶剤:メチルエチルケトン…44.3部
トルエン…44.3部
上記処方の熱転写インキ層用インキを、裏面に耐熱処理を施した厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフイルムに、乾燥膜厚が0.5μmになるように塗布及び乾燥して比較例4の熱転写記録媒体を得た。
樹脂:ポリエステル樹脂(東洋紡績製バイロン200)…5.8部
顔料:フタロシアニンブルー…2.55部
染料:C.I.ソルベントブルー63…2.9部
溶剤:メチルエチルケトン…44.3部
トルエン…44.3部
(マゼンタインキ)
樹脂:ポリエステル樹脂(東洋紡績製バイロン200)…5.8部
顔料:カーミン6B…2.55部
染料:C.I.ディスパーズレッド60…2.9部
溶剤:メチルエチルケトン…44.3部
トルエン…44.3部
(イエローインキ)
樹脂:ポリエステル樹脂(東洋紡績製バイロン200)…5.8部
顔料:ジスアゾイエロー…2.55部
染料:C.I.ディスパーズイエロー201…2.9部
溶剤:メチルエチルケトン…44.3部
トルエン…44.3部
上記処方の熱転写インキ層用インキを、裏面に耐熱処理を施した厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフイルムに、乾燥膜厚が0.5μmになるように塗布及び乾燥して比較例4の熱転写記録媒体を得た。
得られたシアンの熱転写記録媒体の熱転写インキ層面と実施例1の受像シートとを重ね、サーマルヘッドを用いて、サーマルヘッドの発熱部に応じた面積階調によるシアン画像を得た。次にマゼンタの熱転写記録媒体を用いて、シアン画像が形成されている受像シート上にシアンと同様にして面積階調によるマゼンタ画像を形成した。同様にしてイエロー画像を形成し、カラー画像を形成させた。
<比較例5>
熱転写インキ層用インキとして以下の昇華転写型インキ組成物を調整した。
熱転写インキ層用インキとして以下の昇華転写型インキ組成物を調整した。
(シアンインキ)
染料:C.I.ソルベントブルー63…5部
樹脂:ブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製BX−1)…5部
溶剤:メチルエチルケトン…60部
溶剤:トルエン…30部
(マゼンタインキ)
染料:C.I.ディスパーズレッド60…5部
樹脂:ブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製BX−1)…5部
溶剤:メチルエチルケトン…60部
溶剤:トルエン…30部
(イエローインキ)
染料:C.I.ディスパーズイエロー201…5部
樹脂:ブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製BX−1)…5部
溶剤:メチルエチルケトン…60部
溶剤:トルエン…30部
上記処方の熱転写インキ層用インキを、裏面に耐熱処理を施した厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフイルムに、乾燥膜厚が1.0μmになるように塗布及び乾燥して比較例5の熱転写記録媒体を得た。
染料:C.I.ソルベントブルー63…5部
樹脂:ブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製BX−1)…5部
溶剤:メチルエチルケトン…60部
溶剤:トルエン…30部
(マゼンタインキ)
染料:C.I.ディスパーズレッド60…5部
樹脂:ブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製BX−1)…5部
溶剤:メチルエチルケトン…60部
溶剤:トルエン…30部
(イエローインキ)
染料:C.I.ディスパーズイエロー201…5部
樹脂:ブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製BX−1)…5部
溶剤:メチルエチルケトン…60部
溶剤:トルエン…30部
上記処方の熱転写インキ層用インキを、裏面に耐熱処理を施した厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフイルムに、乾燥膜厚が1.0μmになるように塗布及び乾燥して比較例5の熱転写記録媒体を得た。
次に、100μmの易接着ポリエステルフィルムの易接着面に下記の昇華転写受容層用インキを乾燥膜厚が4μmとなるように塗布、乾燥を行い、その後45℃1週間エージング行い、受像シートを得た。
(昇華転写受容層用インキ)
樹脂:塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(ユニオンカーバイド社製VAGH)…20部
樹脂:イソシアネート樹脂…2部
離型剤:シリコーンオイル(信越化学工業製KF393)……0.6部
溶媒:メチルエチルケトン…39部
トルエン…39部
得られた熱転写記録媒体の熱転写インキ層面と受像シートの昇華転写受容層面とを重ね、サーマルヘッドを用いてイエロー、マゼンタ、シアンの順に画像形成を行い、カラー画像を得た。
樹脂:塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(ユニオンカーバイド社製VAGH)…20部
樹脂:イソシアネート樹脂…2部
離型剤:シリコーンオイル(信越化学工業製KF393)……0.6部
溶媒:メチルエチルケトン…39部
トルエン…39部
得られた熱転写記録媒体の熱転写インキ層面と受像シートの昇華転写受容層面とを重ね、サーマルヘッドを用いてイエロー、マゼンタ、シアンの順に画像形成を行い、カラー画像を得た。
得られたカラー画像について画像階調性、画像濃度、耐光性、定着性の評価を行った。
(画像階調性)
○:作製したカラー画像が高濃度域から低濃度域まで滑らかに忠実に再現されている。
×:高濃度域から低濃度域までの再現性が不十分である。
○:作製したカラー画像が高濃度域から低濃度域まで滑らかに忠実に再現されている。
×:高濃度域から低濃度域までの再現性が不十分である。
(画像濃度)
○:カラーの反射濃度が1.5以上である。
×:カラーの反射濃度が1.5以下である。
○:カラーの反射濃度が1.5以上である。
×:カラーの反射濃度が1.5以下である。
(耐光性)
キセノンフェードメーターによりカラー画像面に80時間照射を行い、その退色率を測定。
○:退色率5%以内。
×:退色率5%以上。
キセノンフェードメーターによりカラー画像面に80時間照射を行い、その退色率を測定。
○:退色率5%以内。
×:退色率5%以上。
(定着性)
カラー画像面を爪で通常の力で擦ったときの画像部の尾引き度合い。
○:変化なし。
×:画像部周辺に汚れあり。
カラー画像面を爪で通常の力で擦ったときの画像部の尾引き度合い。
○:変化なし。
×:画像部周辺に汚れあり。
表1に示した通り本発明による熱記録媒体(実施例1および2)は、階調再現性において作製したカラー画像が低階調域がざらつきの少ない滑らかな階調で再現され、記録後の画像の耐久性を具備した優れた熱転写記録媒体を得ることができ、且つ転写画像の光学濃度も高い事、これらを同時に本発明の目的が達成された。
本発明は少なくとも支持体上に熱により溶融あるいは軟化して転写する樹脂と着色顔料を主成分とする熱転写インキ層を有する熱転写記録媒体において、熱転写インキ層に熱により昇華或いは拡散する染料を含有させることで低階調域のドットの粒状感、ざらつきを緩和し滑らかな階調表現のカラー画像得ることができる熱転写記録媒体を提供することができるものであって、しかも、転写後の画像の保存性、特に耐光性や機械的強度に優れている熱転写記録媒体を提供するものである。このカラー画像はデジタル画像データの出力媒体としてデジタルカメラのフォトプリントや証明写真としてカードやパス等の出力媒体として利用される可能性がある。
1・・・熱転写記録媒体
2・・・支持体
3・・・熱転写インキ層
4・・・バックコート層
5・・・受像シート
6・・・支持体
7・・・受像層
2・・・支持体
3・・・熱転写インキ層
4・・・バックコート層
5・・・受像シート
6・・・支持体
7・・・受像層
Claims (3)
- 支持体の一方の面上に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂と、着色顔料と、熱により昇華あるいは拡散する染料とを含む熱転写インキ層を設けた熱転写記録媒体において、
前記熱転写インキ層に昇華あるいは拡散する染料が塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂100重量部に対して50重量部以上含まれており、かつ、該熱転写インキ層の厚みが0.5μm以下であることを特徴とする熱転写記録媒体。 - 前記昇華あるいは拡散する染料が着色顔料と同色であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写記録媒体。
- 前記熱転写インキ層が、支持体の長手方向に沿ってシアン、マゼンタ、イエローの少なくとも3色が面順次に繰り返し塗り分けて設けてあることを特徴とする請求項1または2に記載の熱転写記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007248866A JP2009078433A (ja) | 2007-09-26 | 2007-09-26 | 熱転写記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007248866A JP2009078433A (ja) | 2007-09-26 | 2007-09-26 | 熱転写記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009078433A true JP2009078433A (ja) | 2009-04-16 |
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ID=40653567
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007248866A Pending JP2009078433A (ja) | 2007-09-26 | 2007-09-26 | 熱転写記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009078433A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012076322A (ja) * | 2010-09-30 | 2012-04-19 | Dainippon Printing Co Ltd | 熱転写シート |
JP2015044292A (ja) * | 2013-08-27 | 2015-03-12 | 大日本印刷株式会社 | 印画物の製造方法 |
JP2016068268A (ja) * | 2014-09-26 | 2016-05-09 | 大日本印刷株式会社 | 熱転写シート、シアン色材層用塗工液、熱転写シートの製造方法、画像形成方法 |
-
2007
- 2007-09-26 JP JP2007248866A patent/JP2009078433A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012076322A (ja) * | 2010-09-30 | 2012-04-19 | Dainippon Printing Co Ltd | 熱転写シート |
JP2015044292A (ja) * | 2013-08-27 | 2015-03-12 | 大日本印刷株式会社 | 印画物の製造方法 |
JP2016068268A (ja) * | 2014-09-26 | 2016-05-09 | 大日本印刷株式会社 | 熱転写シート、シアン色材層用塗工液、熱転写シートの製造方法、画像形成方法 |
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