JPH05169653A - インクジェットプリントヘッド及びインクジェットプリンタ - Google Patents

インクジェットプリントヘッド及びインクジェットプリンタ

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JPH05169653A
JPH05169653A JP4161124A JP16112492A JPH05169653A JP H05169653 A JPH05169653 A JP H05169653A JP 4161124 A JP4161124 A JP 4161124A JP 16112492 A JP16112492 A JP 16112492A JP H05169653 A JPH05169653 A JP H05169653A
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JP
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ink
partition wall
partition
array
piezoelectric
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Application number
JP4161124A
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English (en)
Inventor
Hisayoshi Fujimoto
久義 藤本
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Rohm Co Ltd
Original Assignee
Rohm Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧電アクチュエータのわずかな変形を用いて
インク噴射を行なう小型高速インクジェットプリントヘ
ッドを提供する。 【構成】 複数のインクチャネル11をもった振動板ア
レイ10と、この振動板アレイ10のインクチャネル1
1の内容積を変えるために各インクチャネル11間の隔
壁12に駆動力を与える圧電アクチュエータ40と、を
有するインクジェットプリントヘッド及びこれを装備し
たインクジェットプリンタ。また、振動板アレイ10の
裏面には裏板30が設けられ、インクチャネル11はオ
リフィスプレート20と裏板30とによってほぼ閉塞さ
れる。前記裏板30には、インク収納源と連通するイン
ク供給口31が設けられ、各インクチャネル11へのイ
ンク供給が行われる。各隔壁12とオリフィスプレート
20、裏板30との間にはわずかな間隙が設けられ、隔
壁12は圧電アクチュエータ40によって容易に屈曲し
て隣接するインクチャネル11の容積を変えることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェットプリン
トヘッド及びインクジェットプリンタ、特にインクの満
たされたインクチャネルの容積を圧電アクチュエータに
よって変化させ、このときにインクチャネルから噴射し
たインクジェットにより所望のプリントを行うインクジ
ェットプリントヘッド及びこれらのヘッドを内蔵したワ
ープロ、ファクシミリ、プロタ、等のインクジェットプ
リンタに関する。
【0002】
【従来の技術】ワープロ、ファクシミリあるいはプロタ
等のプリンタにおいて、圧電アクチュエータを用いたイ
ンクジェット式プリンタが実用化されており、その形式
にもいくつかの種類がある。
【0003】これらのインクジェットプリンタの一方式
として、カイザー方式が知られており、その内容は例え
ば米国特許第4189734号及び第4216483号
として知られている。このカイザー方式のプリントヘッ
ドは一般に以下の構成からなる。すなわち、プリントヘ
ッド基台には共通インク路から分岐する個別インク路が
噴射ノズルに向かって設けられている。この個別インク
路を覆うように、前記ヘッド基台には振動板が取り付け
られ、この振動板を撓み振動させることにより、個別イ
ンク路の容積を変化させて前記一振動毎にインクジェッ
トを用紙に向かって噴射する。前記振動板に振動駆動力
を与えるため、前記振動板には個別インク路と対応した
位置にそれぞれ圧電素子が固定され、所望の選択された
圧電素子に電圧を印加することにより、圧電素子を変位
させ、この部分の振動板を動かす。この結果、この振動
板の動きに対応した部分の個別インク路は前述したよう
にその容積が変化して、インクをノズルから押出すこと
ができる。
【0004】このようなカイザー方式のインクジェット
プリンタには更に改良が加えられ、特開昭63−252
750号、特開昭63−247051号これに対応する
米国特許第4879568号、同第4887100号、
同第4992808号、同第5003679号及び同第
5028936号として知られている。
【0005】この改良されたプリンタヘッドによれば、
低いエネルギーで作動し、またインクジェットの密度の
高いインクジェットプリンタを提供することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年の
インクジェットプリンタにおいては、その要求されるド
ット密度が一層高くなり、前述した通常のカイザー方式
における圧電駆動マルチチャネル振動板アレイではこの
ような高密度化に対応できないという問題があった。す
なわち、従来装置において印字ドットを高密度化するた
めには印字品質が低下してしまうという問題があり、こ
の高密度高品質の両要求を満足するためには多くの構造
上の問題があった。また、従来装置においてこのような
高密度高品質化を達成しようとしても、実際の量産型プ
リントヘッドを得ることができずにそのコストも実用可
能な範囲を越えてしまうという問題があった。
【0007】また、高密度化及び高印字品質を達成する
ためには、高粘度のインクを使用することが必要であ
る。しかしながら、このような高粘度インクはプリント
ヘッドの個別インク路を短くしてインクの流体摩擦を小
さくすることを要求し、これによって高品質のインクド
ットを得ることができた。しかしながら、従来のプリン
トヘッドでは、個別インク路の短縮が困難であり、前述
したような高粘度インクの使用は目詰りのために不可能
であるという問題があった。すなわち、従来において
は、圧電素子の駆動力による振動板の振動量に限界があ
り、前述したようないくつかの課題が生じていたわけで
ある。さらに、マルチチャネルのプリントヘッドにおい
て小型化かつ高密度高品質のプリントヘッドを得ること
が困難であった。
【0008】したがって、従来においては、このような
インクジェットプリントヘッドを備えたプリンタ自体も
装置が大型化してしまうという欠点があった。
【0009】さらに、従来における前述した振動板の振
動量が小さいことから、個別インク路はその長さが必然
的に増大し、この結果前述した装置の大型化ばかりでな
く、インクの目詰まりも生じやすいという問題があっ
た。特に、高速高密度印字のために高粘度のインクを用
いた場合にはこのような目詰まりが一層著しくなり、こ
のために各種の機構的な対策が必要となり、装置が一層
大型化するという問題があった。
【0010】したがって、本発明の目的は、高密度かつ
高品質の印字を実現することのできる改良されたインク
ジェットプリントヘッド並びにインクジェットプリンタ
を提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、構造が簡単で高い生
産性を達成できるインクジェットプリントヘッド並びに
インクジェットプリンタを提供することにある。
【0012】本発明の更に他の目的は、高粘度のインク
を使用できる高品質かつ低価格なインクジェットプリン
トヘッド及びインクジェットプリンタを提供することに
ある。
【0013】本発明の更に他の目的は、高密度かつ高品
質のマルチチャネルあるいはライン型インクジェットプ
リントヘッド並びにインクジェットプリンタを提供する
ことにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るインクジェットプリントヘッドは振動
板アレイと、オリフィスプレートと裏板と圧電アクチュ
エータとを含む。
【0015】前記振動板アレイは整列配置されたマルチ
インクチャネル群を形成するために各インクチャネルを
区画する屈曲可能な湾曲した隔壁群とこれらの隔壁群の
各端部を橋絡する上下端壁を有する。
【0016】また、前記オリフィスプレートは前記振動
板アレイの上下端壁の一面が固定され各隔壁が振動でき
るように各隔壁とわずかな間隙を持って各インクチャネ
ルの一方の開口を閉塞し、このプレートには各インクチ
ャネルに連通するインク噴射オリフィスが設けられてい
る。
【0017】さらに前記裏板は前記振動板アレイの上下
端壁の他面が固定され、各隔壁が振動できるように各隔
壁とわずかな間隙を持って各インクチャネルの他方の開
口を閉塞し、この裏板には各インクチャネルに連通する
インク供給口が設けられている。
【0018】さらに、前記圧電アクチュエータは、前記
振動板アレイの各隔壁を選択的に屈曲駆動するための圧
電素子を有する。
【0019】また、本発明に係るインクジェットプリン
タは、インクジェットを噴射するマルチチャネル型イン
クジェットプリントヘッドと、このプリントヘッドに所
定のインクを供給するインク収納源と前記プリントヘッ
ドを用紙に沿って往復走査するヘッド走査部とを含み、
前記インクジェットプリントヘッドは、インクチャネル
と対向した位置にそれぞれ設けられた切り込みによって
各隔壁と対向して整列配置された個別圧電素子を形成
し、前記個別圧電素子の振動板アレイ側にはそれぞれ個
別電極が設けられ、一方、薄板圧電素子の固定板側には
共通電極が設けられていることを特徴とする。
【0020】したがって、本発明によれば、振動板アレ
イには複数の湾曲したマルチインクチャネル群が整列配
置されることとなり、各インクチャネルを区画する隔壁
すなわち湾曲した隔壁に圧電アクチュエータが屈曲力を
与え、これによって湾曲した隔壁はその長手方向に撓み
屈曲し、この結果圧電アクチュエータの変位駆動量が小
さくても隔壁の屈曲によってインクチャネルの容積を大
きく変化させることができ、小型のプリントヘッドによ
っても十分に高い圧力のインク噴射力が得られるという
利点がある。
【0021】本発明において、圧電アクチュエータは振
動板アレイの一方の端壁に隣接して設けられた圧電素子
から構成することが好適であり、この圧電素子に所定電
圧を印加することにより、対応する隔壁には屈曲力が与
えられ、これによって選択された隔壁はその湾曲度を変
化させ、インクチャネルの容積を瞬時に変化させること
ができる。
【0022】したがって、インクチャネルの容積が増加
すればインクチャネル内にインク収納源からインクが吸
い込まれ、またインクチャネルの容積が減少すれば、そ
の内部に吸入されたインクがオリフィスから用紙に向か
って噴射されることとなる。以上のようにして、本発明
によれば、振動板アレイに設けられた複数の湾曲したマ
ルチインクチャネルは圧電アクチュエータによってその
隔壁が変位し、前記インクチャネルの容積の変化によっ
てインクをオリフィスから押し出し噴射して所定の印字
作用を行うことができる。以下に、圧電素子を振動板ア
レイの隔壁に沿って設けた場合のインク噴射作用をさら
に詳細に説明する。
【0023】前記圧電素子は一方の端壁に沿って各イン
クチャネル毎に分離して設けられており、それぞれの圧
電素子は隔壁の長手方向に沿って分極している。各圧電
素子は、その隔壁側面に個別電極が設けられ、反対側の
圧電素子面には共通電極が設けられている。この結果、
両電極間に通常の場合前記分極とは逆極性の電圧を印加
すると、分極の極性と電圧印加による極性に応じて個別
圧電素子は隔壁の長手方向に隔壁を座屈させる方向に力
を加える。この結果、この選択された隔壁はその湾曲度
を増加して一層曲りを大きくし、この結果隔壁の両側の
インクチャネルに対して一方の容積を減少させ他方を増
加する容積変化を与える。
【0024】そして、前記印加電圧を遮断すると、圧電
素子の駆動力が消滅し、振動板アレイの隔壁は再び元の
静止状態に復帰する。
【0025】さらに、印加電圧の極性を反転すると、圧
電素子は隔壁の長手方向に隔壁を引っ張る方向に駆動
し、この結果隔壁はその湾曲度を減らす方向に屈曲し、
前述したと反対の容積変化を隔壁の両側のインクチャネ
ルに与える。
【0026】したがって、前記インクチャネルの容積変
化を利用してインクの吸入あるいは噴射を自由に制御す
ることができる。
【0027】このように、本発明によれば、振動板アレ
イの隔壁を湾曲させ、この隔壁に対して圧電アクチュエ
ータにより伸縮あるいは引っ張り作用を与えることによ
りインクチャネルの容積を大きく変化させることが可能
となり、従来の圧電アクチュエータ型マルチインクジェ
ットプリントヘッドと異なり、低エネルギーでも大きな
インク噴射力を与えることが可能となる。
【0028】本発明において、圧電素子は通常のPZT
等を用いることが可能である。また、この圧電素子の分
極は素子自体の製造工程にて分極させることもできある
いはその後の加工処理時に分極させることも可能であ
る。
【0029】本発明において、前記圧電アクチュエータ
は振動板アレイの端壁に沿って設けられた圧電素子にそ
れぞれ各隔壁に対応して一対の個別電極が圧電素子の両
側に設けられた構成とすることができる。この場合、駆
動される隔壁に対応した圧電素子部の一対の電極はその
両隣の各一対の電極とは異なる極性に電圧印加され、こ
の結果圧電素子には剪断力が加わり、選択された隔壁に
圧縮あるいは伸張力が加えられ、これにより前述したと
同様のインクチャネルの容積変化を生じさせることがで
きる。このように、圧電素子を剪断モードで駆動すれ
ば、圧電素子を振動板アレイの隔壁に固着するのみで、
振動板アレイの反対側に固定板を設けて圧電素子の動き
をアレイ側へ規制することなく所望の駆動力を得ること
ができるという利点がある。
【0030】本発明において、振動板アレイは装置を小
型化しかつマルチチャネル数を増加しあるいはライン型
アレイとするために、微細加工の可能な感光性ガラス等
を用いた光エッチングにて加工されたアレイが好適であ
る。
【0031】また、本発明において、前記振動板アレイ
自体を圧電材料から形成することにより、振動板アレイ
と圧電アクチュエータとを一体化させ、構造を著しく簡
素化することができる。
【0032】本発明において、圧電材から成る振動板ア
レイの隔壁湾曲面に設けられた一対の電極に所定の極性
の電圧を印加することにより隔壁をその長手方向に伸張
しあるいは圧縮して屈曲変型させることができる。従っ
て、この隔壁の変位により両側のインクチャネルの容積
を容易に変化することが可能となる。
【0033】この本発明における隔壁の屈曲動作を以下
に更に詳細に説明する。
【0034】すなわち、圧電素子からなる振動板アレイ
はそれ自体例えばアレイ方向に分極している。そして、
インクチャネルを区画するための各隔壁に適当な極性の
電圧を各隔壁に設けられた電極により印加すると、前記
圧電材の分極の極性と印加電圧の極性に応じて隔壁には
その長手方向に沿って伸張あるいは圧縮変位が生じる。
そして、本発明においては、この伸張あるいは圧縮が各
隔壁に対してアレイ方向への大きな変位すなわち湾曲度
を増加あるいは減少する方向への大きな変位として現れ
る。そして、この結果隔壁の両側のインクチャネルに対
してその容積の増加又は減少を生じさせる。
【0035】さらに詳細に説明すると、例えば分極され
た振動子アレイの各隔壁が湾曲外側を正電荷にそして湾
曲内側を負電荷に分極方向を定める。そして、両電極へ
の印加電圧の方向は前記分極と逆に湾曲外側を負電圧そ
して湾曲内側を正電圧とすれば、この隔壁は湾曲度を少
なくするように伸張し、アレイ方向への大きな変位を生
じさせる。そして、この結果湾曲外側に面したインクチ
ャネルは容積が増大し湾曲内側のインクチャネルは容積
が減少することとなる。
【0036】そして、印加電圧を遮断すると隔壁はふた
たびもとの位置に戻る。
【0037】さらに、前記印加電圧の極性を反転すれ
ば、逆に隔壁は圧縮方向に変位し、すなわち湾曲度が増
加する変位を行う。
【0038】従って、この電圧印加を制御することによ
り、所望のインクチャネルに対してインク吸入あるいは
インク噴射を制御することが可能となる。
【0039】振動板アレイを圧電材から形成し所定のア
レイ方向に分極させた時、本発明においては各インクチ
ャネルに一対の電極を設けることなく、単一の電極とす
ることもできる。この場合選択されたインクチャネルに
対する印加電圧をこのインクチャネルの両隣のインクチ
ャネルに対する印加電圧と異なる極性とすることによ
り、所望の選択された隔壁に伸張あるいは圧縮力を与え
ることができる。このような構造によれば、電極の数を
各インクチャネルに対して単一とすることができ装置の
簡略化に寄与するところが大である。
【0040】本発明における振動板アレイはPZT等の
圧電材から構成されるが、前述したようにその分極方向
はアレイ方向に正しく設定されなければならない。この
ような分極化工程はインクチャネルを形成し、さらに隔
壁に電極及び保護膜をパターニングした後に行うことも
可能である。しかしながら、このような後工程による分
極化はその処理が困難な場合が多く、圧電材自体を予め
分極処理した後に前記インクチャネルの形成を行うこと
も好適である。この場合、分極が消滅しないように振動
板アレイはキューリー温度以下で加工することが重要で
ある。通常、このような圧電材振動板アレイの加工には
エキシマレーザ加工、KOH水溶液中でのレーザ加工、
モールド加工あるいは超音波加工等が好ましい。
【0041】
【実施例】以下本発明に係るインクジェットプリントヘ
ッドの好適な実施例を説明する。図1〜3は本発明の第
1実施例を示し、図1は、ワープロ、ファクシミリある
いはプロタ等に用いられるインクジェットプリンタに好
適なプリントヘッドの用紙面側から見た分解正面図であ
り、図2はその要部断面図そして図3は図2の更に拡大
したアレイ方向に沿った断面図である。
【0042】実施例において、プリントヘッドは振動板
アレイ10とこの振動板アレイ10の前面に設けられた
オリフィスプレート20、後面に設けられた裏蓋30そ
して圧電アクチュエータ40を含む。そして実施例にお
いて、圧電アクチュエータ40はアレイ方向ALLEY
に沿って伸張して設けられており、更に詳細には、前記
振動板アレイ10と固定板50との間に挾み込み固定さ
れている。振動板アレイ10はその内部に整列配置され
たマルチインクチャネル群を形成し、このチャネルの内
容積を変化することによって、各チャネルにインクを吸
引し、また内部のインクをオリフィスから用紙に向かっ
て噴射させる。このため振動板アアレイには微細加工が
必要である。実施例において、振動板アレイ10は感光
性ガラスからなり、光エッチング手法によってインクチ
ャネルが精密に加工されている。図2,3には前記イン
クチャネルが詳細に示されており、インクチャネル11
は振動板アレイ10を貫通したスリット状の空室からな
り、このインクチャネルを区画するために、振動板アレ
イ10には隔壁12及びこの隔壁の各端部を橋絡する上
下端壁13,14が設けられている。本発明において特
徴的なことは、この隔壁12が図3に詳細に示されるよ
うに、一方向に湾曲して整列されており、この結果、後
述するように、圧電アクチュエータによって所望の隔壁
が屈曲駆動されたとき、その両側のインクチャネル11
の内容積を大きく変化させることが可能となる。本発明
において、この隔壁12が振動板アレイ10の振動板と
して動作することは明らかである。そして、本発明にお
いて、各隔壁12はその壁厚に比して十分に長手方向の
長さを有するのでその材質がガラスではあるが、十分な
屈曲性を有する。実施例において、図2に示されるよう
に、インクチャネル11の高さHはその幅Wより大きく
設定されており、これによって、前記隔壁12の屈曲を
一層容易に行うことが可能となる。
【0043】第1実施例において、インクチャネル11
の数はプリントヘッドの形式によって任意に設定され、
ラインプリンタにおいては一行分配列することも好適で
あるが、このような場合には複数の振動板アレイ10を
並設することが好ましい。
【0044】また、図1に示したプリントヘッドのアレ
イ方向ALLEYを垂直方向に配置して、インクジェッ
ト型ドットプリントヘッドとして用いることも好適であ
る。前記振動板アレイ10の前面には前述したようにオ
リフィスプレート20が配置されており、このオリフィ
スプレート20には前記振動板アレイ10の各インクチ
ャネル11と連通するオリフィス21が設けられ、イン
クチャネル11から押出されたインクがこのオリフィス
21を通って用紙に向かって噴射される。
【0045】一方、振動板アレイ10の背面には裏板3
0が設けられており、この裏板30には図2に示される
ようにインク供給口31が設けられており、図示してい
ないインク収納源からこのインク供給口31を通ってす
べてのインクチャネル11にインクの供給が行われる。
【0046】本発明において、各インクチャネル11を
区画する隔壁12はその端壁13,14側が固定されて
いるがその間では自由に屈曲することができ、このため
に、図2で示されるように振動板アレイ10がオリフィ
スプレート20と裏板30との間に挾み込まれた場合で
も、図で誇張して書かれているように、各隔壁12とオ
リフィスプレート20そして裏板30との間にはわずか
な間隙が設けられている。この間隙は実際上0.5μm
のように極めて微細であり、この結果各インクチャネル
11内のインクが隔壁12の変位によって隣のインクチ
ャネルへ移動するには大きな抵抗となり、前記隔壁12
の変位時にはオリフィス21からインクを用紙に向かっ
て噴出することができる。そして、前記間隙の存在によ
り、隔壁11は前記両隔壁13,14の間で自由に屈曲
変位することが可能となる。
【0047】前記圧電アクチュエータ40は実施例にお
いて薄板状の圧電素子からなり、振動板アレイ10と固
定板50との間に挾み込み固定されている。
【0048】この固定板50は圧電アクチュエータ40
の上方向への変位を抑制し、常に振動板アレイ10の隔
壁12に対して圧電駆動力を与えるためのものである。
【0049】実施例においては、固定板50と前記振動
板アレイ10そして圧電アクチュエータ40は同一の厚
さに構成されており、この結果オリフィスプレート20
と裏板30とは振動板アレイ10の両端壁13,14、
圧電アクチュエータ40そして固定板50の両端に密接
固定されることとなる。
【0050】図3には圧電アクチュエータ40の詳細な
構造が示されており、この薄板圧電素子は図示のごと
く、インクチャネル11と対向した位置にそれぞれ設け
られた切り込み41によって各隔壁12と対向して整列
配置された個別圧電素子42を形成している。そして、
各個別圧電素子42の振動板アレイ10側にはそれぞれ
個別電極43が設けられており、一方固定板側には共通
電極44が設けられている。
【0051】周知のように、圧電素子からなる圧電アク
チュエータ40はそれ自体図の矢印Aで示されるよう
に、上方が正に下方が負に分極されている。
【0052】本発明の第1実施例は以上の構成からな
り、以下にその作用を説明する。
【0053】本発明において、インクの噴射は選択され
たインクチャネル11の内容積を急激に減少させ、この
ときインクチャネル11内に貯留されていたインクを対
応するオリフィス21から用紙に向かって噴出させるこ
とにある。
【0054】そして、このために、本発明においては、
各インクチャネル11はその長手方向(H)に沿って一
方向に湾曲した隔壁12を有しており、この隔壁12は
両端が端壁13,14にて支持されているのみで容易に
その湾曲度合いを変化させることができる。したがっ
て、本実施例においては、各隔壁12の端壁13側に配
置した圧電素子からなる圧電アクチュエータにより選択
された隔壁12にその長手方向(H)へ圧縮あるいは伸
張力を与える。そして、この結果、隔壁12には屈曲作
用が与えられ、すなわち圧電アクチュエータ40が隔壁
12に対して座屈圧縮力を与えれば隔壁12はその湾曲
度を一層増加させてその湾曲外側のインクチャネルの内
容積を減少させ一方湾曲内側のインクチャネルの内容積
を増大させる。反対に、圧電アクチュエータ40が隔壁
12に対して伸張力を与えれば、隔壁12はその湾曲度
合いを小さくするよう伸び、湾曲外側のインクチャネル
の内容積を増加させ一方湾曲内側のインクチャネル11
の内容積を減少させる。
【0055】したがって、選択された隔壁12に対して
所望の圧縮あるいは伸張作用を与えることによって、所
望のインクチャネル11からインクをオリフィス21を
介して用紙に噴射させまた必要なインクチャネルにイン
ク供給口31からインクを吸入することができる。
【0056】本実施例における圧電アクチュエータ40
の作用を更に詳細に説明する。
【0057】図3に示されるように、実施例における圧
電アクチュエータ40はそれ自体細長いPZT等の圧電
素子からなり、各隔壁12に対応して切り込み41によ
って個別圧電素子42に区分けされている。そして、こ
の圧電素子は全体として矢印Aで示されるように図3の
上方が正極にそして下方が負極になるように予め分極さ
れている。もちろんこの分極状態はそれ自体なんら振動
板アレイ10に駆動力をおよぼさないが、共通電極44
と個別電極43との間に電圧を印加することにより、各
個別圧電素子42は機械的な伸張あるいは圧縮作用を引
き起こす。
【0058】いま、図3に示されている8個の隔壁12
及び個別圧電素子42のうち選択された2個の圧電素子
42−2,42−6に対してその個別電極43−2,4
3−6に正極の電圧を印加し、一方共通電極44には負
極の電圧を印加する。すなわち、この電圧は前述した分
極方向と逆である。この分極方向と逆の電圧印加によ
り、個別圧電素子42−2,42−6はそれぞれ上下方
向に伸張し、実施例において圧電アクチュエータ40の
上方は固定板50によってその動きが抑制されているの
で、前記個別圧電素子42−2,42−6の伸張動作は
図3の矢印Bで示されるように下方向に向かう。この結
果、この個別圧電素子42−2,42−6と対向してい
る隔壁12−2,12−6はともにその長手方向に圧縮
作用を受け、この結果鎖線Cで示されるようにその湾曲
度を増加するように湾曲する。本発明において、各隔壁
11は通常の状態で湾曲しており、したがって、前記圧
電アクチュエータ40の圧縮により、常に一方向にかつ
容易にその湾曲度を増加できることが理解される。
【0059】また、本発明によれば、前記あらかじめ湾
曲している隔壁により、個別圧電素子42の変位に対し
隔壁12は高速応答を行うことができる。
【0060】そして、本発明によれば、隔壁12は、そ
の長手方向の圧縮あるいは伸張によってその湾曲度を変
化させ、この結果、両インクチャネルの容積変化量を十
分に大きくすることができる。したがって、このインク
チャネル11の容積変化を用いて、本発明によればイン
クチャネル11へのインクの注入あるいは噴射が制御さ
れている。
【0061】実施例において、前記隔壁12の撓み変化
はまずその湾曲内側にあるインクチャネルへのインク吸
入のために行われる。したがって、圧電アクチュエータ
40が駆動される以前には各インクチャネル11には微
量のインクしか吸入されておらず、前記隔壁12の撓み
屈曲により、例えば図3においては隔壁12−2及び1
2−6の湾曲内側にあるインクチャネル11−2,11
−6へのインク吸入が行われる。このとき、両隔壁12
−2,12−6の撓み外側にあるインクチャネル11−
3,11−7はその内容積が減少するが、このとき各イ
ンクチャネル11−3,11−7に残存しているインク
量は微量であるので、これによるインク噴出は行われな
い。
【0062】以上のことから、本実施例によれば、所定
の選択された個別圧電素子42に所望極性の電圧を印加
すればこれに対応する隔壁12が圧縮されて湾曲量を増
加するように撓み変型することが理解される。そして、
この変位により容積が拡大する湾曲内側のインクチャネ
ルには十分な量のインクが吸入される。
【0063】たとえば図2の隔壁12が長さH及び幅W
をともに1.5mmとし、静止状態における隔壁12の
初期曲がり量を0.005mmとして、座屈時の容積変
化を求める。
【0064】圧電アクチュエータ40に100Vの電圧
を印加したとき、アクチュエータの圧電定数を400×
10-12 m/Vとすると、約40nmだけアクチュエー
タ40が変位する。したがって、このときの座屈変位量
は約0.0002438nmとなり、このときの体積変
化は約274plとなる。
【0065】したがって、各印字毎に十分な量のインク
をインクチャネル11内に吸入し、これを用紙に向かっ
て噴射することができる。
【0066】したがって、前記隔壁12の変位が完了し
た後、個別圧電素子42への印加電圧を遮断すれば、変
型していた隔壁12は元に復帰し、このときに、前記十
分なインクを吸入したインクチャネル11からは余分な
インクが用紙に向かってオリフィス21を経て噴射され
る。
【0067】また、本実施例においては、インクチャネ
ル11にインクを吸入するときにはゆっくりと吸引する
ことがなく、このためにたとえば圧電素子42への電圧
印加を徐々に行うことが好適であり、一方変形した隔壁
12を元に復帰するときにはそれ自体の戻り力によって
自由に復帰させ、あるいは必要に応じて逆方向電圧の印
加によって急速に戻し、これによりインクチャネルから
のインク噴射を確実に行うことが可能となる。
【0068】したがって、本実施例によれば、所望の選
択された個別圧電素子42に分極と逆極性の電圧印加を
行うことにより、隔壁を変化させてインクを吸入し、次
に印加電圧を遮断することによって隔壁を急激に元の位
置に復帰させ、このときに所望のインク噴射を行うこと
が可能となる。
【0069】もちろん、本実施例において、前記個別圧
電素子に印加する電圧を前記実施例の説明と逆極性にす
れば、個別圧電素子はこの電圧印加によって圧縮され、
この結果対応する隔壁12が伸張するので、湾曲外側に
あるインクチャネル11にインク吸入が行われる。そし
て、この隔壁12の変化後印加電圧を遮断すれば隔壁1
2は元に戻り、湾曲外側のインクチャネル11内の余分
なインクが用紙に向かってオリフィス21から噴出する
こととなる。
【0070】したがって、本実施例において、個別圧電
素子42への電圧印加極性はいずれの極性を選択するこ
とも可能である。
【0071】しかしながら、実験によれば、個別圧電素
子42を分極方向Aに伸張させ隔壁12を座屈して撓ま
せる方が安定したインク吸入作用を行うことができた。
【0072】図4には本発明の第2実施例が示されてお
り、第1実施例の図3と同様の構造からなるので、対応
部材には図3に100を加えて示し詳細な説明は省略す
る。第2実施例においては、振動板アレイ110は第一
実施例とまったく同様であるが、圧電アクチュエータ1
40が第一実施例と異なり分極方向の異なる二層圧電構
造からなることを特徴とする。
【0073】すなわち、圧電アクチュエータ140は一
方が固定板150によって動き抑制されている第一の圧
電板140aとこの第一の圧電板140aに積層配置さ
れ、一端が前記振動板アレイ110の端壁113と接す
る第二の圧電板140bとからなる。第一の圧電板14
0aの固定板150側には共通電極144が設けられて
おり、一方、振動板アレイ110側の第二の圧電板14
0bの端面にはそれぞれ各隔壁112と対向して個別電
極143が設けられている。
【0074】図4から明らかなように、第二の圧電板1
40bは第一の圧電板140aに積層固定された後切り
込み141によって個別圧電素子に分割区分けされてい
る。そして、第2実施例によれば、第一及び第二の圧電
板140a、140bは図4のA1 、A2 で示される方
向に逆極性で分極されている。
【0075】第2実施例は以上の構成からなり、この圧
電アクチュエータ140を駆動して選択された隔壁11
2に対して座屈による屈曲作用を与えるために、前記共
通電極144及び個別電極143にはともに正極性の電
圧が印加される。この結果、第1実施例と同様に、選択
された個別圧電素子142は前記電圧印加によりそれ自
体の分極方向と反対の圧電作用により図4の上下方向に
伸張し、この結果対応する隔壁112に対して所望の座
屈屈曲力を与える。
【0076】したがって、第2実施例によれば、正極電
圧の印加のみで所望のインク噴射作用を制御できるとい
う利点があり、駆動回路を簡略化し、また静電荷がプリ
ントヘッドに残留することが無いという利点がある。
【0077】図5には本発明の第3実施例が示されてお
り、第1実施例の図3と同一または対応する構成には同
一符号に200を加えて示し詳細な説明を省略する。
【0078】第3実施例において特徴的なことは、振動
板アレイ210の各隔壁212の座屈による屈曲度合い
を大きく取るために隔壁12の両端壁213、214の
両外側に圧電アクチュエータ240a、240bを配置
したことにある。これら両圧電アクチュエータ240
a、240bはともに前記第1実施例の圧電アクチュエ
ータ40と同一構造からなり、その分極方向は図5のA
3 、A4 に示されている。
【0079】したがって、この第3実施例によれば、選
択された各隔壁212の両端壁213、214側からと
もに圧電アクチュエータ240a、240bにより座屈
力が与えられ、単体の圧電アクチュエータ240の動き
を他の実施例の半分に小さくしても同様の隔壁212の
撓み量を得ることが可能となる。
【0080】図5において、圧電アクチュエータ240
a、240bの選択された隔壁212−2、212−6
に対しては個別圧電素子242a−2、242a−6の
個別電極243a−2、243b−6と下側の個別圧電
素子242b−2、242b−6の個別電極243b−
2、243b−6にそれぞれ正電圧が印加される。そし
て、上下の圧電アクチュエータ240a、240bの共
通電極244a、244bには負の電圧が印加される。
【0081】したがって、図5の鎖線で示されるように
選択された隔壁212−2、212−6が座屈により撓
み屈曲し、それぞれ湾曲内側のインクチャネル211−
2、211−6にインク注入が行われる。したがって、
このインク注入が完了した後に両圧電アクチュエータ2
40a、240bの電圧印加を遮断すれば、両隔壁21
2−2、212−6が元の状態に復帰し、この急激な復
帰によりインクチャネル211−2、211−6のイン
クが用紙に向かって噴射される。
【0082】したがって、第3実施例によれば、各圧電
アクチュエータ240a、240bの動きは小さくとも
良く、あるいは隔壁212の湾曲自体を大きくすること
ができる。また、第3実施例によれば、隔壁212をそ
の長手方向の両側から圧縮するので、高速応答性を得る
という利点がある。
【0083】図6は本発明の第4実施例を示し、第1実
施例と対応する構成部材には第1実施例の符号に300
を加えて示し詳細な説明は省略する。
【0084】この第4実施例においては、振動板アレイ
310に二列のマルチインクチャネル群が形成されてい
ることを特徴とする。実施例において、この両マルチイ
ンクチャネルは鎖線Dで示すように、各マルチインクチ
ャネルの配列ピッチが1/2ピッチずれており、これに
よってハーフドットの印字を行うことが可能となる。こ
の結果、プリントヘッドの高密度化が極めて容易とな
り、例えば図6の実施例において360DPIの64ノ
ズルを実現している。第4実施例において、上下に配列
されたマルチインクチャネルはそれぞれ第1実施例と同
様の構造及び作用を有し、所望の選択されたインクチャ
ネルからインク噴射を行うことができる。前述したいず
れの実施例においても、本発明に係る圧電アクチュエー
タは、その分極方向と印加電圧の極性、電圧値により対
応する隔壁に圧縮作用を与え、このときの隔壁の座屈に
よる屈曲にて、湾曲内側のインクチャネルに所望のイン
クを吸入し、次に前記印加電圧を遮断することによって
隔壁の戻り作用によりインク噴射を行うことができる。
もちろん、本発明において前記隔壁の戻りを一層迅速に
行うためには圧電アクチュエータに印加する電圧の極性
を反転することも好適である。
【0085】また、本発明によれば、インクチャネルの
容積を変えるために必要な隔壁の長手方向は図2のHで
示されるようにインク供給口31からオリフィス21へ
向かうインクチャネル11の幅方向Wとは直交する方向
にあり、この結果良好な隔壁屈曲作用を得るためにHを
大きくしてもインクチャネル11の幅Wは比較的短く抑
制することができ、これによってインク流路を短くして
高粘度のインクを使用できるという利点がある。
【0086】図7から図10には本発明に係るプリント
ヘッドの第5実施例が示されている。
【0087】図7において、プリントヘッド401は振
動板アレイ410とオリフィスプレート420、裏板4
30そして圧電アクチュエータ440を含む。第5実施
例において、前記プリントヘッド401の裏板430は
インク供給路409を持ったインク路ブロック402と
一体に設けられており、図示していないが、周知のイン
ク収納源に前記インク供給路409がインク供給口43
1を介して接続されている。前記インク供給路409は
各インクチャネル411に連通されている。
【0088】前記インク路ブロック402には回路基板
403が固定されており、この回路基板403には駆動
IC404が搭載され、駆動IC404は保護コート4
05によって被覆されている。前記回路基板403の後
方下側には外部接続用のコネクタ406が設けられてい
る。
【0089】図8には第5実施例における振動板アレイ
410と圧電アクチュエータ440の詳細が示されてい
る。図において、振動板アレイ410は感光性ガラスを
微細エッチング加工して整列配置されたマルチインクチ
ャネル群を形成しており、図においてインクチャネル4
11は屈曲可能な湾曲した隔壁412によって区画され
ている。また、各隔壁412はその両上下端部が上下端
壁413、414によって橋絡されている。この振動板
アレイ410の構造は前述した各実施例となんら異なる
ことはない。
【0090】前述した図7から明らかなように、インク
チャネル411はその前面側がオリフィスプレート42
0によって、また裏面側が裏板430によって閉塞され
ており、もちろん各隔壁412は図7の左右方向におい
てそれぞれオリフィスプレート420及び裏板430と
はわずかに間隙をもって閉塞されているので、前記隔壁
412が座屈による撓み屈曲を行うことは自由である。
【0091】前記オリフィスプレート420には各イン
クチャネル411に連通するオリフィス421が設けら
れている。実施例において、隔壁412はその屈曲運動
を自由に行い、かつ高粘度のインクであってもインクチ
ャネル411において目詰まりをおこさないように、各
隔壁412は図7の上下方向の長さHが幅方向の長さW
より大きくなるように設定されている。
【0092】本実施例において特徴的なことは、圧電ア
クチュエータ440が前述した各実施例と異なり、固定
板が無く、振動板アレイと反対側の動きを拘束されてい
ないことであり、このために、本実施例では、各隔壁4
12に対向した圧電素子が剪断モードで隣接した圧電素
子との間で上下方向に移動することを特徴とする。
【0093】図8は圧電アクチュエータの構造を示して
おり、圧電アクチュエータ440は薄板状の圧電素子か
らなり、この圧電素子の両側面、すなわち前記振動板ア
レイ410との対向面及び上方の解放面にはそれぞれ各
隔壁412に対向した位置に複数の組の上下共通の電極
対443、460が設けられ、実施例において、これら
の電極対443、460はPZT等の圧電体の両面に蒸
着された金属電極からなる。
【0094】実施例において、これらの上下電極は各隔
壁412に対向して上下一対設けられており、下側の電
極443を挾んで圧電素子440は振動板アレイ410
にしっかりと接着固定されている。
【0095】そして、前記下側の個別電極443と対向
する圧電素子の反対面には他方の個別電極460が蒸着
されている。
【0096】本実施例においては、これら一対の隔壁4
12と対向する上下電極443、460に同一極性の電
圧を印加し、この印加電圧極性を隣接する電極の極性と
反対にすることによって所望の剪断モードによる圧電素
子の上下動を得ている。各隔壁412と対向する対電極
443、460は後述するように圧電駆動時に同極に電
圧印加され、このために、本実施例においては、図7で
示されるように、両電極443、460は圧電素子44
0の回路基板側後端部においてフレキシブルケーブル4
07によって共通接続されている。実施例におけるPZ
T圧電素子は前記フレキシブルケーブル407による共
通接続のため振動板アレイ410の後方に突出する大き
さとすることが好適である。さらに、前述した上部個別
電極460にはフレキシブルケーブル408の一端が接
続されており、前記駆動IC404からの駆動電圧が所
望の電極対に供給される。
【0097】本発明の第5実施例は以上の構成からな
り、そのインク噴射作用を圧電アクチュエータ440の
動作を中心として以下に詳細に説明する。
【0098】本実施例における圧電素子440は図9の
矢印A5 で示されるように開放側が負極そして振動板ア
レイ410側が正極となるように分極されている。
【0099】前述した各実施例と異なり第5実施例にお
いては、圧電アクチュエータ440の上側が開放されて
いるので、所望の選択された個別電極対に前記分極方向
と異なる方向の電圧を与えても、個別圧電素子は単にそ
の開放した上側が動くのみで振動板アレイ410の隔壁
412にはなんら駆動力を与えることができない。
【0100】したがって、この第5実施例においては、
所望の選択された個別電極対にその両隣とは異なる極性
の電圧を印加することにより、隣接した圧電素子と選択
された個別圧電素子との間に剪断駆動力を与え、これに
よって所望の個別圧電素子を所定の方向、例えば振動板
アレイ410方向へ移動させ、これにともなって所望の
隔壁412に座屈による屈曲力を与える。
【0101】いま、一例として9個のインクチャネル4
11中のチャネル411−2、411−6からインク噴
射を行わせる場合を想定する。このとき、選択されたイ
ンクチャネル411−2、411−6を湾曲内側に有す
る隔壁412−2、412−6が座屈による屈曲を与え
られなければならない。そして、このために図9に示さ
れるように、前記隔壁412−2、412−6と対向す
る個別電極対443−2、460−2そして443−
6、460−6に正極の駆動電圧が与えられ、他の全て
の個別電極443、460には負極性の駆動電圧が与え
られる。この結果、圧電素子440には印加電圧の極性
が異なる部分において剪断モードに基づく変型が生じ、
図10で示されるように周囲と異なる極性の電圧が与え
られた個別圧電素子の部分が振動板アレイ410方向に
剪断変型する。
【0102】この結果、図10から明らかなように、個
別電極対443−2、460−2そして443−6、4
60−6の圧電素子領域では前述したように振動板アレ
イ410方向に向かって下降し、逆にこれらの両隣の個
別対電極で区画された圧電素子領域が多少上方に変型す
る。
【0103】したがって、この剪断変型により、本実施
例においては選択された所望の隔壁412−2、412
−6に座屈による屈曲作用が与えられる。
【0104】本実施例においても、隔壁411は予め一
定の方向に湾曲しており、前記圧電アクチュエータ44
0による座屈屈曲もその方向が常に一定方向に定まりか
つ容易に隔壁の屈曲を行うことが可能となる。また、隔
壁412の応答速度も著しく高速となり、インクチャネ
ルへのインク吸入及び駆動電圧遮断後の隔壁戻り時のイ
ンク噴射も著しく高速に行うことが可能となる。
【0105】以上のように、第5実施例によれば、振動
板アレイ410の上に圧電アクチュエータ440を貼着
するのみで第1から第4実施例の固定板を必要とするこ
となくプリントヘッドを小型化して各種のプリンタに用
いることができるという利点がある。
【0106】図11から図14には本発明の第6実施例
が示されており、この実施例は本発明の特徴である振動
板アレイが圧電材から形成されていることを特徴とす
る。したがって、本実施例においては、圧電振動板アレ
イの湾曲した隔壁に直接駆動電極が貼着されている。
【0107】図11は本実施例における概略的な全体構
成を断面図で示したものであり、プリントヘッドの一部
が示され、他の回路基板その他は省略されている。
【0108】図において、圧電振動板アレイ510は前
述した各実施例と同様に整列配置されたマルチインクチ
ャネル群を形成している。図11、12から明らかなよ
うに、前記マルチインクチャネルは符号511にて示さ
れ、各インクチャネル511を区画するために屈曲可能
な湾曲した隔壁512がその湾曲方向を一方向に設定し
て配列されており、これらの隔壁512の各端部は上下
端壁513、514によって橋絡されている。
【0109】前記マルチインクチャネル群511を閉塞
するために、図11に示されるように振動板アレイ51
0の上下端壁513、514の一面はオリフィスプレー
ト520に固定されており、このオリフィスプレート5
20は前記各インクチャネル511に連通するオリフィ
ス521を有し、後述するように対応するインクチャネ
ル511から押出されたインクをこのオリフィス521
を通って用紙に噴射させることができる。
【0110】後述する作用から明らかなように、本実施
例においても隔壁512は両端壁513、514間で屈
曲し、この屈曲動作を行いやすくするため、隔壁512
とオリフィスプレート520との間にはわずかなギャッ
プG1 が設けられている。通常、このギャップG1 長は
0.5μm程度の極めてわずかな量であり、これによっ
て各インクチャネル511のインクがこのギャップG1
から隣接するインクチャネルへ漏洩することを極力防い
でいる。
【0111】振動板アレイ510の裏面側には裏板53
0が設けられており、この裏板530も前記振動板アレ
イ510の両上下端壁513、514の他面と固定され
ている。裏板530にはインク供給口531が設けられ
ており、図示していないインク収納源からのインクを各
インクチャネル511に供給することができる。
【0112】前記裏板530と隔壁512との間にもわ
ずかなギャップG2 が設けられており、これによって隔
壁512の屈曲移動が裏板530によって妨げられるこ
とを防止している。前述した各実施例と同様に、第六実
施例のインクチャネル511及び隔壁512はともに図
12で詳細に示されるように一定の方向に湾曲してお
り、これによって隔壁512の屈曲動作を容易にしてい
る。
【0113】本実施例においては、振動板アレイ510
自体が圧電材からなり、前述した複数の隔壁512は図
の矢印A6 で示されるように湾曲内側が負極そして湾曲
外側が正極となるように分極されている。
【0114】したがって、隔壁512に対して所定の向
きに印加電圧を与えれば、前記分極方向と印加電圧の極
性によって定まる方向に隔壁512を屈曲させることが
可能となる。そして、この隔壁512の屈曲は両側のイ
ンクチャネル511の容積を変化させ、これにより所望
のインクチャネルにインクを吸入することが可能とな
る。そして、前述した実施例と同様に、印加電圧の遮断
により、隔壁512が元の位置に復帰するとき、前記イ
ンクチャネルに吸入されたインクの余りがインクチャネ
ルから押出され、これがオリフィス521を通って用紙
に噴射される。
【0115】前述した圧電振動板アレイの電極配置は図
12に示されるように、各隔壁512の両面すなわち各
インクチャネルの内壁に沿って全面に貼着されている。
これらの電極はPZT等の圧電材からなる振動板アレイ
510の全面、特にインクチャネル511の内壁面にす
べて電極を蒸着した後、不要個所をエッチングによって
除去することにより形成することが好適である。
【0116】図12において、各隔壁512の湾曲内側
面には共通電極544が形成され、また湾曲外側面には
それぞれ個別電極543が設けられている。なお、図1
2には明らかでないが、前記共通電極544及び各個別
電極543は圧電振動板アレイ510の背面に導かれ、
図示していない回路基板とフレキシブルケーブル等によ
って電気的に接続されている。
【0117】第6実施例は以上の構成からなり、そのイ
ンク噴射作用を以下に詳細に説明する。
【0118】前述した各実施例と同様に、本実施例にお
いても、所望の選択された隔壁512を屈曲させること
により、その湾曲内側に位置しているインクチャネル5
11にインクを吸入し、隔壁512の戻り時にインクが
充満したインクチャネルから押出されたインクを対応す
るオリフィス521から用紙に向かって噴射するもので
ある。
【0119】本実施例においては、隔壁512を含む振
動板アレイ510自体が圧電材から形成されており、前
述したように隔壁512の両内壁面に蒸着された共通及
び個別電極に電圧を印加することによって選択された隔
壁512を容易に屈曲変型させることができる。
【0120】図13には隔壁512−3を屈曲させる一
例が示されている。隔壁512は前述したように湾曲内
側が負極そして湾曲外側が正極となるように予め分極さ
れており、この状態で共通電極544には正電圧が印加
され、一方選択された隔壁512−3の個別電極543
−3には負電圧が印加される。この極性にしたがった電
圧印加により、隔壁512は圧電作用によってその長手
方向に圧縮され、鎖線示されるようにその湾曲度を減少
させるように屈曲する。したがって、この屈曲変型によ
り、インクチャネル511−4はその容積が増加し、イ
ンクチャネル内にインクが吸入されることとなる。もち
ろん、この屈曲変型時に湾曲内側に面したインクチャネ
ル511−3はその容積が減少するが、初期状態におい
てインクチャネルに残留しているインクはその量が少な
いため、インクチャネル511−3からインクが外部に
噴射されることはない。
【0121】次に、選択された隔壁512−3が十分に
屈曲変型した後、前記両電極間に与えられた電圧を遮断
すると、再び隔壁512−3は実線で示される位置まで
戻り、この結果インクチャネル511−4内に充満した
インクはインクチャネルから押出され、前述したように
オリフィス521を通って用紙に向かって噴射する。も
ちろん、本実施例において、この印加電圧の遮断の際逆
極性の印加電圧を両電極544、543−3に与えるこ
とにより、前記隔壁512−3の戻り作用を一層早くす
ることが可能である。この逆極性の印加電圧時には、隔
壁512−3はその長手方向に伸張し、その湾曲度を増
加する方向に変型する。
【0122】もちろん、本実施例においても、インク噴
射のために隔壁512の変型は前述した圧縮からの戻り
あるいは圧縮からの伸張によってインクを噴出してもあ
るいはこの逆の工程を経てインクを噴出してもよい。
【0123】以上のように、本実施例においては、振動
板アレイ510がそれ自体圧電材からなるので、単に隔
壁の両側面に電極を設けるのみで所望の屈曲変型が得ら
れ、インクチャネルからのインク噴射を制御することが
できる。
【0124】このような圧電振動板アレイを製造する工
程を以下に簡単に説明する。
【0125】まず、適当な圧電材を成形焼成して板状の
アレイ材を形成する。次に、このアレイ材の内部にエキ
シマレーザ加工あるいは型加工等によって湾曲したイン
クチャネルを所定間隔でアレイ上に形成する。この結
果、各インクチャネル間には隔壁が形成され、これら隔
壁はその上下端部が端壁によって橋絡されていることが
理解される。次に、スパッタリング等の蒸着手法を用い
て圧電振動板アレイの表面に電極を蒸着し、次にマスク
パターニング及びエッチング手法によって不要な電極部
を除去し、前述した図12に示す共通電極及び個別電極
を得る。
【0126】本実施例においては、このようにして圧電
振動板アレイに所望の電極を形成した後圧電素子の分極
作用が行われ、このために共通電極に正極性の電圧をそ
して個別電極全てに負極性の電圧を印加することによ
り、前述した図12に示した分極を得ることができる。
【0127】以上のように、本実施例によれば、湾曲し
た隔壁を電圧印加によって屈曲させる振動板アレイを得
ることができるが、この湾曲形状は図示した実施例ばか
りでなく、図14に示すV型の湾曲形状とすることも可
能である。
【0128】なお、前記共通電極及び個別電極に対して
はインクチャネル内壁に対応する部分に対しては保護膜
を施すことが好適であり、これによりインクによる電極
の腐蝕が防止される。
【0129】図15には本発明に係るインクジェットプ
リントヘッドの第7実施例が示され、前述した第6実施
例と類似するので、対応部材には第6実施例の符号に1
00を加えて示し説明を省略する。
【0130】この実施例においても、前記第6実施例と
同様に振動板アレイ610はそれ自体圧電材からなり、
湾曲した隔壁612で区画されたインクチャネル611
が配設されている。
【0131】第7実施例が第6実施例と異なるところは
圧電振動板アレイ610に対する電極構造であり、図1
5から明らかなように、各インクチャネル611の全内
壁には各インクチャネル毎に個別電極643が設けられ
ている。すなわち、各インクチャネル611の湾曲して
いる内壁にはすべて同電位の電極643が蒸着される。
【0132】以上のような電極配置を構成することによ
って、本実施例によれば、各隔壁612はその湾曲外側
と湾曲内側とで隣接する異なる個別電極643によって
電圧印加が行われることとなる。
【0133】本実施例のインク噴射作用を以下に詳細に
説明する。
【0134】実施例において、圧電振動板アレイ610
は図15及びその動作状態を示す図16から明らかなよ
うに、矢印A7 で示されるよう、各隔壁612の湾曲外
側が正極そして湾曲内側が負極となるように分極されて
いる。
【0135】そして、図16に示されるように、各個別
電極643にはそれぞれ正極あるいは負極のいずれかの
電圧が印加される。実施例において、インク噴射が行わ
れるべきインクチャネル611−2、611−6の個別
電極643−2、643−6には正極の電圧が印加さ
れ、他の個別電極643には全て負極の電圧が印加され
る。この電圧極性により、インクチャネル611−2の
図16における左側の隔壁612−1はその湾曲度を増
加するように屈曲し、一方右側の隔壁612−2は湾曲
度を減少させるように屈曲する。この結果、インクチャ
ネル611−2はその容積が減少し、この結果、インク
チャンネル611−2内に充満されていたインクはオリ
フィスを通って用紙に向かって押出されるインク噴射を
行う。
【0136】このようなインク噴射作用はインクチャネ
ル611−6においても同様であり、選択されたインク
チャネルからのインク噴射が自由に選択可能である。
【0137】前記インク噴射完了後、各個別電極への電
圧印加を遮断すると、隔壁612は再び図15の状態に
復帰し、インクチャネル611−2、611−6の容積
が増加するので、これらのインクチャネルにはインク収
納源からインクが補充される。
【0138】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るイン
クジェットプリントヘッドあるいはインクジェットプリ
ンタは振動板アレイの湾曲状インクチャネルの容積を各
隔壁の屈曲によって変化させ、これにより所望のインク
噴射を行うので、隔壁の長手方向に対するわずかな変位
によって大きなインクチャネル容積の変化を生じさせる
ことができ、小型でかつ低エネルギーのインクジェット
プリンタを提供することが可能となる。
【0139】本発明において、各インクチャネルへのイ
ンク吸入及びインク噴射は隔壁の湾曲状態を変化させる
屈曲により行われ、印加電圧の極性を任意に選択し、ま
た電圧の印加と遮断を組み合わせることによって前記イ
ンク噴射を効果的に行うことが可能となる。
【0140】そして、本発明に係るプリントヘッドによ
れば、小型ヘッドにより高密度印字及び印字品質の向上
を容易に実現することができる。
【0141】また、振動板アレイはその内部にマルチイ
ンクチャネルを形成するが、その材質は感光性ガラスあ
るいは圧電材からなり、前者はエッチング加工により容
易にインクチャネルを形成することができ、また後者に
あってもPZT等の圧電材をKOH溶液内でレーザ加工
すること等により高い生産性で廉価にこのような振動板
アレイを得ることができる。
【0142】そして、本発明によれば、前述したように
隔壁の屈曲によりインクの吸入及び噴射が制御されるの
で、インクチャネルの容積変化は隔壁の長手方向の距離
に依存し、一方インクチャネルからインクが噴射するオ
リフィスはインクチャネルの幅方向に設けられるので、
インクチャネルの容積を大きくするには隔壁の長さを大
きくするのみでよく、幅を短くすることができる。この
結果、高粘度インクを用いた場合においても、インクチ
ャネルの幅が短いので、インクの目詰まり等を生じさせ
ることが少ないという利点がある。
【0143】そして、これらのプリントヘッドの使用に
より、ワープロ、ファクシミリ、プロタ等の印字装置に
対しても、高品質印字かつ光速度印字を可能にする利点
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェットプリントヘッドの
第1実施例を印字用紙面側から見た分解正面図である。
【図2】第1実施例における要部側断面図であって、図
1の2−2線に沿った断面図である。
【図3】第1実施例における図2の3−3線に沿った断
面の拡大図であって、インク噴射作用を示す。
【図4】本発明に係るインクジェットプリントヘッドの
第2実施例を示し、特に振動板アレイのマルチインクチ
ャネルと圧電アクチュエータを示す説明図である。
【図5】本発明に係るインクジェットプリントヘッドの
第3実施例であって、振動板アレイとその両側に設けた
圧電アクチュエータを示す説明図である。
【図6】本発明に係るインクジェットプリントヘッドの
第4実施例を示す振動板アレイと圧電アクチュエータと
の説明図である。
【図7】本発明に係るライン型インクジェットプリント
ヘッドの第5実施例を示す全体的な側断面図である。
【図8】第5実施例における振動板アレイと圧電アクチ
ュエータの関係を示す印字用紙側から見た要部正面図で
ある。
【図9】第5実施例における図8の拡大説明図である。
【図10】第5実施例におけるインク噴射作用を示す説
明図である。
【図11】本発明に係るインクジェットプリントヘッド
の第6実施例を示す要部側断面図である。
【図12】第6実施例における圧電振動板アレイと電極
配置を示す用紙側から見た正面図である。
【図13】第6実施例におけるインク噴射作用を示す説
明図である。
【図14】第6実施例におけるインクチャネルと隔壁の
他の変型例を示す説明図である。
【図15】本発明に係るインクジェットプリントヘッド
の第7実施例を示す圧電振動板アレイと電極配置を示す
説明図である。
【図16】第7実施例におけるインク噴射作用を示す説
明図である。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 整列配置されたマルチインクチャネル群
    を形成するために、各インクチャネルを区画する屈曲可
    能な湾曲した隔壁群と、これらの隔壁の各端部を橋絡す
    る上下端壁とを有した振動板アレイと、 前記振動板アレイの上下端壁の一面が固定され、各隔壁
    が屈曲できるように各隔壁と僅かに間隙をもって各イン
    クチャネルの一方の開口を閉塞し、各インクチャネルに
    連通するインク噴射オリフィスが設けられたオリフィス
    プレートと、 前記振動板アレイの上下端壁の他面が固定され、各隔壁
    が屈曲できるように各隔壁と僅かに間隙をもって各イン
    クチャネルの他方の開口を閉塞し、各インクチャネルに
    対してインクを供給するインク供給口が設けられた裏板
    と、 前記振動板アレイの各隔壁を選択的に屈曲駆動する圧電
    アクチュエータと、 を含むインクジェットプリントヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のインクジェットプリント
    ヘッドにおいて、 前記圧電アクチュエータは振動板アレイの一方の端壁と
    固定版との間に挟み込み固定され、圧電アクチュエータ
    の変位が振動板アレイに向かってのみ働くことを特徴と
    するインクジェットプリントヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のインクジェットプリント
    ヘッドにおいて、 前記振動板アレイは感光性ガラスからなり、光エッチン
    グ手法によってインクチャネル群が加工形成されている
    ことを特徴とするインクジェットプリントヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のインクジェットプリント
    ヘッドにおいて、 前記振動板アレイの隔壁はその長手方向の高さが幅より
    大きく設定されていることを特徴とするインクジェット
    プリントヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項2記載のインクジェットプリント
    ヘッドにおいて、 前記圧電アクチュエータは薄板圧電素子からなり、イン
    クチャネルと対向した位置にそれぞれ設けられた切り込
    みによって各隔壁と対向して整列配置された個別圧電素
    子を形成し、 前記個別圧電素子の振動板アレイ側にはそれぞれ個別電
    極が設けられ、 一方、薄板圧電素子の固定板側には共通電極が設けられ
    ていることを特徴とするインクジェットプリントヘッ
    ド。
  6. 【請求項6】 請求項2記載のインクジェットプリント
    ヘッドにおいて、 前記圧電アクチュエータは分極方向が逆の二層張り合わ
    せ圧電素子からなり、インクチャネルと対向した位置に
    それぞれ設けられた切り込みによって各隔壁と対向して
    整列配置された個別圧電素子を形成し、 前記個別圧電素子の振動板アレイ側にはそれぞれ個別電
    極が設けられ、 一方、薄板圧電素子の固定板側には共通電極が設けられ
    ていることを特徴とするインクジェットプリントヘッ
    ド。
  7. 【請求項7】 請求項2記載のインクジェットプリント
    ヘッドにおいて、 振動板アレイの両端壁の外側にはそれぞれ圧電アクチュ
    エータが配置され、各隔壁に対して上下から屈曲作用を
    与えることを特徴とするインクジェットプリントヘッ
    ド。
  8. 【請求項8】 請求項2記載のインクジェットプリント
    ヘッドにおいて、 振動板アレイには2列のマルチインクチャネル群が形成
    され、両マルチインクチャネルは配列ピッチが1/2ピ
    ッチずれていることを特徴とするインクジェットプリン
    トヘッド。
  9. 【請求項9】 請求項1記載のインクジェットプリント
    ヘッドにおいて、 圧電アクチュエータは振動板アレイの端壁に沿って設け
    られた薄板圧電素子からなり、 前記圧電素子の振動板アレイ側及び開放側には振動板ア
    レイな各隔壁と対向した位置に共通の個別電極対が設け
    られ、 所望の電極対にはその両隣の電極対と逆極性の電圧が印
    加され、振動素子を剪断モードで駆動することを特徴と
    するインクジェットプリントヘッド。
  10. 【請求項10】 記録用紙に対向して配置され、用紙に
    対して所望のドットパターンでインク噴射を行うインク
    ジェットプリントヘッドと、 前記インクジェットプリントヘッドにインクを供給する
    インク収納源と、 前記用紙に沿って前記インクジェットプリントヘッドを
    往復走査する走査機構と、 を含むインクジェットプリンタにおいて、 前記インクジェットプリントヘッドは、 整列配置されたマルチインクチャネル群を形成するため
    に、各インクチャネルを区画する屈曲可能な湾曲した隔
    壁群と、これらの隔壁の各端部を橋絡する上下端壁とを
    有した振動板アレイと、 前記振動板アレイの上下端壁の一面が固定され、各隔壁
    が屈曲できるように各隔壁と僅かに間隙をもって各イン
    クチャネルの一方の開口を閉塞し、各インクチャネルに
    連通するインク噴射オリフィスが設けられたオリフィス
    プレートと、前記振動板アレイの上下端壁の他面が固定
    され、各隔壁が屈曲できるように各隔壁と僅かに間隙を
    もって各インクチャネルの他方の開口を閉塞し、各イン
    クチャネルに対してインクを供給するインク供給口が設
    けられた裏板と、 前記振動板アレイの各隔壁を選択的に屈曲駆動する圧電
    アクチュエータと、 を含むことを特徴とするインクジェットプリンタ。
  11. 【請求項11】 整列配置されたマルチインクチャネル
    群を形成するために、各インクチャネルを区画する屈曲
    可能な湾曲した隔壁群と、これらの隔壁の各端部を橋絡
    する上下端壁とを有した圧電材から成る圧電振動板アレ
    イと、 前記圧電振動板アレイの上下端壁の一面が固定され、各
    隔壁が屈曲できるように各隔壁と僅かに間隙をもって各
    インクチャネルの一方の開口を閉塞し、各インクチャネ
    ルに連通するインク噴射オリフィスが設けられたオリフ
    ィスプレートと、 前記圧電振動板アレイの上下端壁の他面が固定され、各
    隔壁が屈曲できるように各隔壁と僅かに間隙をもって各
    インクチャネルの他方の開口を閉塞し、各インクチャネ
    ルに対してインクを供給するインク供給口が設けられた
    裏板と、 を含むインクジェットプリントヘッド。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のインクジェットプリ
    ントヘッドにおいて、 前記圧電振動板アレイの各インクチャネルにはそれぞれ
    湾曲外側または湾曲内側のいずれか一方のチャネル内壁
    面に共通電極が設けられ、多方のチャネル内壁面には個
    別電極が設けられていることを特徴とするインクジェッ
    トプリントヘッド。
  13. 【請求項13】 請求項11記載のインクジェットプリ
    ントヘッドにおいて、 圧電振動板アレイの各インクチャネルの全内壁には各イ
    ンクチャネルごとに個別電極が設けられていることを特
    徴とするインクジェットプリントヘッド。
  14. 【請求項14】 記録用紙に対向して配置され、用紙に
    対して所望のドットパターンでインク噴射を行うインク
    ジェットプリントヘッドと、 前記インクジェットプリントヘッドにインクを供給する
    インク収納源と、 前記用紙に沿って前記インクジェットプリントヘッドを
    往復走査する走査機構と、 を含むインクジェットプリンタにおいて、 前記インクジェットプリントヘッドは、 整列配置されたマルチインクチャネル群を形成するため
    に、各インクチャネルを区画する屈曲可能な湾曲した隔
    壁群と、これらの隔壁の各端部を橋絡する上下端壁とを
    有した圧電材から成る圧電振動板アレイと、 前記圧電振動板アレイの上下端壁の一面が固定され、各
    隔壁が屈曲できるように各隔壁と僅かに間隙をもって各
    インクチャネルの一方の開口を閉塞し、各インクチャネ
    ルに連通するインク噴射オリフィスが設けられたオリフ
    ィスプレートと、 前記圧電振動板アレイの上下端壁の他面が固定され、各
    隔壁が屈曲できるように各隔壁と僅かに間隙をもって各
    インクチャネルの他方の開口を閉塞し、各インクチャネ
    ルに対してインクを供給するインク供給口が設けられた
    裏板と、 を含むことを特徴とするインクジェットプリンタ。
JP4161124A 1991-06-21 1992-06-19 インクジェットプリントヘッド及びインクジェットプリンタ Pending JPH05169653A (ja)

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JP4161124A JPH05169653A (ja) 1991-06-21 1992-06-19 インクジェットプリントヘッド及びインクジェットプリンタ

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JP3-150596 1991-06-21
JP15059691 1991-06-21
JP20902391 1991-08-21
JP3-209023 1991-08-21
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JP (1) JPH05169653A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6685306B2 (en) 2001-03-30 2004-02-03 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Liquid droplet ejection device

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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