JPH05169301A - 非真円状旋削機能を有する複合ｙ軸加工旋盤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 複合Ｙ軸加工旋盤の基台１には主軸２が回転
割出し可能に軸承されており、主軸２先端のチャックに
ワークが把持される。上刃物台３と下刃物台４とが、基
台１のＸ軸方向案内面上に工具５、６の移動位置、移動
速度若しくは移動加減速度をＮＣ制御可能に載置されて
いる。更に、上刃物台３は、Ｙｓ軸方向にもＮＣ制御さ
れ、直線２軸合成Ｙ軸制御され、Ｃ軸及びＸ軸制御によ
るエンドミル５を取り付けてある。下刃物台４は、非真
円旋削手段であるカム旋削機能を有し、カム軸制御が可
能である。 【効果】 ワークのカム軸、ポリゴン軸などの加工する
際、ワークの載置替えをすることがないので、キー溝と
カム軸、ポリゴン軸の位相差などの加工精度が向上する
上、特に丸棒からカム軸、ポリゴン軸などを粗加工する
方法では、上刃物台によりエンドミルを使用し旋削加工
をし、次に下刃物台により仕上げ加工ができるために、
加工能率も向上がする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、２サドルの複合Ｙ軸
加工旋盤における下刃物台の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】上下刃物台である２サドルを有する複合
Ｙ軸加工旋盤において上刃物台は、Ｘ軸及びＹｓ軸の直
線２軸合成によるＹ軸制御によって、Ｙ軸加工が可能な
刃物台であり、下刃物台は一般的な、Ｚ軸及びＸ軸方向
の制御を行うことができる。従って、ワークのカム軸、
ポリゴン軸などの加工方法として、一般に、ワークのキ
ー溝、軸部分を複合Ｙ軸加工旋盤で加工ができるが、カ
ム、ポリゴン形状の加工は、ワークを非真円加工専用機
に載置替えして加工を行っていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このように、従来カム
軸、ポリゴン軸などの加工工程において、複合Ｙ軸加工
旋盤だけで行うことができず、ワークを載置替えしなけ
ればならず、キー溝とカム軸、ポリゴン軸との位相差が
生じ、加工精度が低下するという問題点があった。また
丸棒からカム軸、ポリゴン軸などを粗加工する方法で
は、取り代が大きいために、加工時間を要し加工能率が
低下していた。そこで、この発明の課題は、カム軸、ポ
リゴン軸などの加工工程を、複合Ｙ軸加工旋盤のみで処
理させることにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明の複合Ｙ軸加工旋盤は、基台上に上刃物
台及び下刃物台をＺ軸及びＸ軸方向へ往復動可能に支持
し、直線２軸合成Ｙ軸制御される上刃物台を設けると共
に、下刃物台に、ワークの回転角度により下刃物台に取
り付けられた工具の移動位置、移動速度及び移動加減速
度を制御する非真円旋削手段を設けて構成される。

【０００５】

【作用】この発明の複合Ｙ軸加工旋盤によれば、基台上
に上刃物台及び下刃物台を往復動可能に支持し、下刃物
台に、ワークの回転角度により下刃物台に取り付けられ
た工具の移動位置、移動速度及び移動加減速度を制御す
る非真円旋削手段を設け、工具の回転駆動機構及び移動
機構並びに下刃物台の移動機構を制御するので、ワーク
のカム軸、ポリゴン軸などの加工する際、ワークのキー
溝、軸部分を複合Ｙ軸加工旋盤の上刃物台により加工を
行い、カム軸、ポリゴン形状の加工は、非真円旋削手段
を有する下刃物台により行うことができる。

【０００６】

【実施例】以下、この発明を具体化した実施例を図面に
基づいて説明する。図１は本発明の概略構成図を示し、
図２は本発明の第一実施例を示し、図３は第二実施例を
示す。図１に示すように、本発明の概略の複合Ｙ軸加工
旋盤においては、基台１の図示しない主軸台には主軸２
が回転割出し可能に軸承されており、主軸２先端のチャ
ックにワークが把持される。上刃物台３と下刃物台４と
が、基台１のＸ軸方向案内面上に工具５、６の移動位
置、移動速度若しくは移動加減速度をＮＣ制御可能に載
置されている。更に、上刃物台３は、Ｙｓ軸方向にもＮ
Ｃ制御され、直線２軸合成Ｙ軸制御され、Ｃ軸及びＸ軸
制御によるエンドミル５を取り付けてある。下刃物台４
は、非真円旋削手段であるカム旋削機能を有し、カム軸
制御が可能である。

【０００７】カム旋削機能としては、ワークの加工後の
非真円形状と同一形状に製作したカムの外周に、一端を
固定し且つ前記カムの回転中心へ付勢するコイルバネに
より工具６を押し当て、前記カムをワークと同一速度で
回転させることにより工具６を前後送りして旋削加工を
していた。これにより、工具６の移動位置、移動速度若
しくは移動加減速度を制御する非真円旋削手段として用
いることができる。また、ワークの加工後の非真円形状
と同一形状に対応する工具６の移動位置、移動速度及び
移動加減速度のデータを記憶装置に記憶しておき、一方
工具６を取り付けた下刃物台４をＸ軸方向に前後送りす
る下刃物台送り軸モーターにデジタルサーボ装置を取り
付け、ワークが所定の単位角度回転する毎に前記記憶装
置から工具６の次ぎの移動位置などのデータを取り出
し、これらのデータを前記デジタルサーボ装置に入力し
て、工具６が予め与えられたワークの非真円形状に応じ
たカム軸運動するように追従サーボ制御するようにする
ことも出来る。

【０００８】図２、図３において、１は基台、２は主
軸、３は上刃物台、４は下刃物台であり、これら上刃物
台３及び下刃物台４は、基台１上に、Ｚａ軸モーター
７、Ｚｂ軸モーター８により送りねじでＺ軸方向へ位置
制御される上移動体９及び下移動体１０上に、図示しな
いモーターによりＸ軸方向へ摺動可能に位置決め制御可
能に載置されている。１１は切削空間を覆うカバーであ
り、１２は主軸台に設けられた操作盤である。図２の下
刃物台４は、タレット１３を回転割出しする駆動機構１
４、駆動機構１４をカム軸方向の前後運動を行うカム軸
駆動機構１５及び下刃物台４のＸｂ軸方向へ前後運動を
行うＸｂ軸駆動機構１６とからなり、カム軸駆動機構１
５は、図示しない下刃物台４内のワークの加工後の非真
円形状と同一形状に製作したカムの外周に、一端を固定
し且つ前記カムの回転中心へ付勢するコイルバネにより
工具６を押し当て、前記カムをワークと同一速度で回転
させることにより工具６を前後送りする運動を伝達する
ものであり、これにより、工具６の移動位置、移動速度
若しくは移動加減速度を制御する非真円旋削手段として
用いることができる。

【０００９】図３は、下刃物台４にタレット１７を取り
付けたものであり、タレット１７を回転する駆動機構１
８及び下刃物台４のＸｂ軸方向へ前後運動を行うＸｂ軸
駆動機構１６とからなり、Ｘｂ軸駆動機構１６にデジタ
ルサーボ装置を取り付け、ワークの加工後の非真円形状
と同一形状に対応する工具６の移動位置、移動速度及び
移動加減速度のデータを記憶装置に記憶しておき、ワー
クが所定の単位角度回転する毎に前記記憶装置から工具
６の次ぎのデータを取り出し、これらのデータを前記デ
ジタルサーボ装置に入力して、工具６が予め与えられた
ワークの非真円形状に応じたカム軸運動するように追従
サーボ制御する。

【００１０】なお、この発明は上記実施例に限定される
ものではなく、非真円旋削機能を有すれば良いものであ
り、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の形状並びに
構成を適宜に変更して具体化することも可能である。

【００１１】

【発明の効果】以上に詳述したように、この発明によれ
ば、ワークのカム軸、ポリゴン軸などの加工する際、ワ
ークのキー溝、軸部分を複合Ｙ軸加工旋盤の上刃物台に
より加工を行い、カム軸、ポリゴン形状の加工は、非真
円旋削手段を有する下刃物台により行うことができ、ワ
ークの載置替えをすることがないので、キー溝とカム
軸、ポリゴン軸の位相差などの加工精度が向上する上、
特に丸棒からカム軸、ポリゴン軸などを粗加工する方法
では、上刃物台のＣ軸及びＸ軸制御によるエンドミルを
使用し旋削加工をし、次に下刃物台により仕上げ加工が
できるために、加工能率も向上がする。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の構成の概略を示す複合Ｙ軸加工旋盤
の説明図である。

【図２】この発明の実施例を示す複合Ｙ軸加工旋盤の説
明図である。

【図３】この発明の第二実施例を示す複合Ｙ軸加工旋盤
の説明図である。

【符号の説明】

１・・基台、２・・主軸、３・・上刃物台、４・・下刃
物台、５・・エンドミル、７・・Ｚａ軸モーター、８・
・Ｚｂ軸モーター、９・・上移動体、１０・・下移動
体、１１・・カバー、１２・・操作盤、１３・・タレッ
ト、１４、１８・・駆動機構、１５・・カム軸駆動機
構、１６・・Ｘｂ軸駆動機構、１７・・タレット。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 基台上に上刃物台及び下刃物台をＺ軸及
   びＸ軸方向へ往復動可能に支持した複合Ｙ軸加工旋盤に
   おいて、直線２軸合成Ｙ軸制御される上刃物台を設ける
   と共に、下刃物台に、ワークの回転角度により下刃物台
   に取り付けられた工具の移動位置、移動速度及び移動加
   減速度を制御する非真円旋削手段を設けてなることを特
   徴とする非真円状旋削機能を有する複合Ｙ軸加工旋盤。