JPH05164152A - 回転差感応継手の伝達トルク制御装置 - Google Patents

回転差感応継手の伝達トルク制御装置

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Publication number
JPH05164152A
JPH05164152A JP32899291A JP32899291A JPH05164152A JP H05164152 A JPH05164152 A JP H05164152A JP 32899291 A JP32899291 A JP 32899291A JP 32899291 A JP32899291 A JP 32899291A JP H05164152 A JPH05164152 A JP H05164152A
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JP
Japan
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transmission torque
torque control
joint
actuator
abnormality
Prior art date
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Application number
JP32899291A
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English (en)
Inventor
Koichi Kitamura
浩一 北村
Etsuo Okubo
悦男 大久保
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 オリフィス開度の変更により継手伝達トルク
特性を可変に制御する回転差感応継手の伝達トルク制御
装置において、第1の目的は、アクチュエータ動作が確
保されない場合も含めて正常な伝達トルク制御を行なう
ことが不可能な伝達トルク制御系異常時に車両挙動安定
性の確保を図ること。第2の目的は、正常な伝達トルク
制御を行なうことは不可能であるがアクチュエータ動作
が確保される入力情報系異常時、低摩擦係数路走行での
車両挙動安定性や旋回走行での旋回安定性を図ること。 【構成】 第1の構成は、伝達トルク制御系異常時、継
電回路eに対する指令でアクチュエータ駆動電源dを断
つ第1フェイルセーフ制御手段gを設けた。第2の構成
は、入力情報系異常時、可変オリフィスbの開口面積を
特定の低伝達トルク特性が得られるように制御する第2
フェイルセーフ制御手段jを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のエンジン駆動系
に適用され、適用箇所の入出力部材の相対回転差に応じ
て所望の継手伝達トルクを得る回転差感応継手の伝達ト
ルク制御装置のフェイルセーフ技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の制御型回転差感応継手と
しては、例えば、特開平3−24329号公報に記載の
ものが知られている。
【0003】上記従来出典には、ハウジングとロータと
が相対回転する時、ピストンシリンダ室から吐出油路を
介してアキュムレータ室へ流出する吐出油をオリフィス
により流出抑制し、この流出抑制によりピストンシリン
ダ室の室圧を増大させて相対回転差に応じた伝達トルク
を発生するピストンポンプタイプの回転差感応継手にお
いて、前記吐出油路がスプール室と連通するスリット状
のロータ開口ポートの位置にスプールを配置し、ステッ
ピングモータにより軸方向の位置制御を行なうことでオ
リフィス開口面積(以下、オリフィス開度)を変更し、
ハウジングとロータとの相対回転差に対する継手伝達ト
ルク特性の制御ゲインを変更する制御型回転差感応継手
が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の制御型回転差感応継手にあっては、下記に列
挙するような問題がある。
【0005】(1)アクチュエータへの電源の断続を制
御する回路を持たない構成である為、伝達トルク制御系
を正常にコントロールできないような異常時、例えば、
コントロールユニットのプログラムが暴走した場合、ア
クチュエータの位置が暴走する前の位置をそのまま保持
することになり、特に、低相対回転差で高トルクが発生
する位置を保持したままであると、運転条件によって
は、車両挙動が不安定となる恐れがある。
【0006】(2)車輪速センサ等のセンサ類が異常で
正常な伝達トルク制御は不可能であるが、アクチュエー
タ動作が確保される時、オリフィス開度を全開にした
り、全閉にする制御を行なうと、車両安定性を損なう恐
れがある。
【0007】例えば、制御型回転差感応継手を四輪駆動
車の前輪へのトルク伝達系に適用した場合で、センサ異
常時にオリフィス開度を全開、つまり継手伝達トルク特
性を最小とした場合、前後輪回転速度差に対し前輪側へ
の伝達トルクの発生がない後輪状態となり、低摩擦係数
路で不用意なアクセルワークを行なうと車両挙動が不安
定になり易い。また、センサ異常時にオリフィス開度を
全閉、つまり継手伝達トルク特性を最大にすると、アン
チスキッドブレーキシステムと干渉し、ブレーキング時
に車両安定性を損なう恐れがあるし、さらに、タイトコ
ーナブレーキングが発生してスムーズに走行することが
できなくなる。
【0008】本発明は、上述のような問題に着目してな
されたもので、オリフィス開度の変更により継手伝達ト
ルク特性を可変に制御する回転差感応継手の伝達トルク
制御装置において、アクチュエータ動作が確保されない
場合も含めて正常な伝達トルク制御を行なうことが不可
能な伝達トルク制御系異常時に車両挙動安定性の確保を
図ることを第1の課題とする。
【0009】正常な伝達トルク制御を行なうことは不可
能であるがアクチュエータ動作が確保される入力情報系
異常時、低摩擦係数路走行での車両挙動安定性や旋回走
行での旋回安定性を図ることを第2の課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1の課題を解決す
るために請求項1記載の回転差感応継手の伝達トルク制
御装置では、伝達トルク制御系異常時、継電回路に対す
る指令でアクチュエータ駆動電源を断つ制御を行なう手
段とした。
【0011】即ち、図1のクレーム対応図に示すよう
に、ハウジングとロータとが相対回転する時、出力油室
から吐出油路を介してアキュムレータ室へ流出する吐出
油を、アクチュエータaにより開口面積が制御される可
変オリフィスbにより流出抑制し、この流出抑制により
出力油室の室圧を増大させて相対回転差に応じた継手伝
達トルクを発生すると共に、アクチュエータaに対する
制御力を解除した時に最大の開口面積が得られるように
動作する回転差感応継手cと、前記アクチュエータaと
アクチュエータ駆動電源dとの間に設けられ、駆動電源
を断接可能な継電回路eと、正常な伝達トルク制御を行
なうことが不可能な伝達トルク制御系異常を検出する伝
達トルク制御系異常検出手段fと、伝達トルク制御系異
常が検出された時、前記継電回路eに対し駆動電源を断
つ指令を出力する第1フェイルセーフ制御手段gとを備
えている事を特徴とする。
【0012】上記第2の課題を解決するために請求項2
記載の回転差感応継手の伝達トルク制御装置では、入力
情報系異常時、可変オリフィスの開口面積を特定の低伝
達トルク特性が得られるように制御する手段とした。
【0013】即ち、図1のクレーム対応図に示すよう
に、ハウジングとロータとが相対回転する時、出力油室
から吐出油路を介してアキュムレータ室へ流出する吐出
油を、アクチュエータaにより開口面積が制御される可
変オリフィスbにより流出抑制し、この流出抑制により
出力油室の室圧を増大させて相対回転差に応じた継手伝
達トルクを発生する回転差感応継手cと、入力センサか
らの入力情報と所定の制御則に基づいて前記アクチュエ
ータaに対し制御指令を出力する伝達トルク制御手段h
と、可変オリフィスbの開口面積制御の入力情報系の異
常を検出する入力情報系異常検出手段iと、入力情報系
の異常が検出された時、相対回転差に対し弱い伝達トル
クを発生させるオリフィス開口面積制御指令を前記伝達
トルク制御手段hに出力する第2フェイルセーフ制御手
段jとを備えている事を特徴とする。
【0014】
【作用】請求項1記載の発明の作用を説明する。
【0015】正常時の回転差感応継手cでの伝達トルク
発生作用は、可変オリフィスbの開口面積であるオリフ
ィス開度が所定のオリフィス開度に設定されると、設定
されたオリフィス開度に応じて回転差感応継手cの継手
伝達トルク特性が決まり、ハウジングとロータとが相対
回転する時、出力油室から吐出油路を介してアキュムレ
ータ室へ流出する吐出油が可変オリフィスbのオリフィ
ス開度に応じて流出抑制され、この流出抑制により出力
油室の室圧が増大し、相対回転差に応じた継手伝達トル
クを発生する作用を示す。
【0016】そして、正常な伝達トルク制御を行なうこ
とが不可能な伝達トルク制御系異常が伝達トルク制御系
異常検出手段fで検出されると、第1フェイルセーフ制
御手段gにおいて、継電回路eに対し駆動電源を断つ指
令が出力され、回転差感応継手cでは、アクチュエータ
aに対する制御力が解除され、最大の開口面積が得られ
るように可変オリフィスbが動作する。
【0017】このフェイルセーフ動作によって、回転差
感応継手cでは、相対回転差に対し最小の伝達トルクが
発生する安全サイドの継手伝達トルク特性に固定され、
この回転差感応継手cが適用された車両は、回転差感応
継手cが無い車両とほぼ同様な車両挙動を示すことにな
る。
【0018】請求項2記載の発明の作用を説明する。
【0019】可変オリフィスbの開口面積制御の入力情
報系の異常を検出する入力情報系異常検出手段iにより
入力情報系の異常が検出されると、第2フェイルセーフ
制御手段jにおいて、相対回転差に対し弱い伝達トルク
を発生させるオリフィス開口面積の制御指令が伝達トル
ク制御手段hに出力される。
【0020】このフェイルセーフ動作によって、回転差
感応継手cでは、相対回転差に対し弱い伝達トルクが発
生する安全サイドでありながら継手性能を幾分享有する
継手伝達トルク特性が得られ、この回転差感応継手cが
適用された車両は、例えば、低摩擦係数路での走行時に
オリフィス開度を全開とした場合に比べ車両挙動が安定
するし、また、オリフィス開度を全閉とした場合のよう
にアンチスキッドブレーキシステムとの干渉も無く、ブ
レーキング時に車両安定性が確保されるし、さらに、タ
イトコーナブレーキングの発生も抑えられてスムーズに
走行することができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0022】(第1実施例)まず、構成を説明する。
【0023】図2は請求項1記載の本発明に対応する第
1実施例の回転差感応継手の伝達トルク制御装置が適用
されたトランスファを示す断面図、図3は回転差感応継
手の軸直交方向断面図、図4は第1実施例の回転差感応
継手の伝達トルク制御装置が適用された後輪駆動ベース
の四輪駆動車のパワートレーンを示す概略図、図5は第
1実施例の伝達トルク制御系を示す図である。
【0024】四輪駆動車のパワートレーンを図4により
説明すると、後輪1,2へは、リングギア3→トランス
ファケース4→トランスファギア5→プロペラシャフト
6→リヤディファレンシャル7→左右後輪軸8,9を介
してエンジントルクを直接伝達し、前輪10,11側へ
は、前後輪回転速度差に応じて制御型回転差感応継手1
2で発生する継手伝達トルクをフロントディファレンシ
ャル13でのトルク等配分伝達作用により左右前輪軸1
4,15に伝達するようにしている。そして、フロント
ディファレンシャル13にトルク配分機能を持つ制御型
回転差感応継手12をトランスファケース4に内蔵し、
側部にトランスファギア5を配置することでトランスフ
ァAが構成されている。
【0025】前記フロントディファレンシャル13は、
図1に示すように、トランスファハウジング20に回転
可能に支持されると共にリングギア3を介してエンジン
駆動力が入力されるトランスファケース4と、該ケース
4に支持されるピニオンシャフト21と、該ピニオンシ
ャフト21に回転自在に支持されるピニオン22と、該
ピニオン22に噛合する一対のサイドギア23,24を
備えている。そして、前記サイドギア23は、制御型回
転差感応継手12を介して左前輪軸14にスプライン結
合され、前記サイドギア24は、右前輪軸15にスプラ
イン結合されている。
【0026】前記制御型回転差感応継手12は、図2及
び図3に示すように、前記サイドギア23が一体に形成
されると共に内面にカム面30aが形成されたハウジン
グ30と、左前輪軸14にスプライン結合されたロータ
31と、前記ハウジング30とロータ31との相対回転
差により前記カム面30aに摺接しながら径方向に往復
動する放射状配置のドライビングピストン32と、該ド
ライビングピストン32の往復動に伴なって体積変化す
るシリンダ室33(出力油室に相当)と、ロータ31の
軸心位置に油密状態で固定されたオリフィススリーブ3
4と、該オリフィススリーブ34に形成されたスプール
室35と、該スプール室35に軸方向ストローク可能に
設けられたスプール36と、該スプール36の端部位置
に形成されたアキュムレータ室37を有し、後述するモ
ータ50からの制御力が解除されると、スプール36の
端部に加わるアキュムレータ圧によりスプール36は図
の左端まで移動し、可変オリフィス40を全開にする。
そして、前記ロータ31には、アキュムレータ室37と
前記シリンダ室33とをワンウェイバルブ38を介して
連通するレギュレータ油路39が形成されている。ま
た、前記ロータ31及びオリフィススリーブ34には、
シリンダ室33とスプール室35とを可変オリフィス4
0を介して連通する吐出油路41が形成されている。
【0027】前記スプール36とアクチュエータとして
のモータ50との間には、モータ50の回転をスプール
36の軸方向ストロークに変換する制御動作変換機構が
設けられている。また、モータ50には、駆動制御指令
によりモータ回転角度を制御する伝達トルク制御装置が
連結されている。
【0028】前記制御動作変換機構は、図2及び図5に
示すように、トランスファハウジング20に設けられた
モータ50と、そのモータ軸51に設けられたフォーク
52と、該フォーク52に接するアウタースリーブ53
と、該アウタースリーブ53にベアリング54を介して
設けられたインナースリーブ55と、該インナースリー
ブ55に固定されたクロスロッド56と、該クロスロッ
ド56に一端側が固定されると共に左前輪軸14の軸心
位置に配置されたプッシュロッド57とを有して構成さ
れている。尚、図2ではモータ50とモータ軸51は、
断面を90°変えて描かれている。
【0029】前記伝達トルク制御装置は、図4及び図5
に示すように、左右後輪1,2と左右前輪10,11の
それぞれの位置に設けられた車輪速センサ60,61,
62,63と、横加速度センサ64と、これらのセンサ
類からのセンサ信号を入力し、モータ50へ駆動制御指
令を出力する4WDコントローラ66とを有して構成さ
れている。
【0030】前記4WDコントローラ66には、各セン
サ60,61,62,63,64からのセンサ信号を入
力し、正常時にアクチュエータの動作量を計算してモー
タ50へ駆動制御指令を出力する制御回路66aと、電
源67(アクチュエータ駆動電源に相当)とモータ50
との間に設けられ、電源67を断接可能な継電回路66
bとが設けられている。
【0031】次に、作用を説明する。
【0032】図6は4WDコントローラ66において行
なわれるフェイルセーフ制御作動の流れを示すフローチ
ャートであり、以下、各ステップについて説明する。
【0033】ステップ70では、各センサ60,61,
62,63,64からのセンサ信号が通常の車両状態で
発生し得る範囲を超えている場合や断線やショートによ
る信号である場合等によってセンサが異常かどうかを判
断する(伝達トルク制御系異常検出手段に相当)。
【0034】ステップ71では、制御指令信号の監視等
により制御プログラムが暴走しているかどうかが判断さ
れる(伝達トルク制御系異常検出手段に相当)。
【0035】ステップ70またはステップ71でYES
と判断された場合には、ステップ72へ進み、継電回路
66bに対し電源67とモータ50との間の接続を断つ
指令が出力される(第1フェイルセーフ制御手段に相
当)。
【0036】また、ステップ70及びステップ71でN
Oと判断された場合には、ステップ73へ進み、継電回
路66bに対し電源67とモータ50との間を接続する
指令が出力され、ステップ74で入力信号を取り込み、
ステップ75でアクチュエータ動作量を入力情報に応じ
て計算し、ステップ76でアクチュエータへ目標動作量
が得られる信号を出力するという正常時の伝達トルク制
御が行なわれる。
【0037】車両走行時の作用について説明する。
【0038】(イ)正常時 センサ異常や制御プログラム暴走等の無い正常時には、
図6において、ステップ70→ステップ71→ステップ
73→ステップ74→ステップ75→ステップ76へと
進む流れとなり、例えば、図7に示すように、横加速度
Ygが大きい時には全開側で、横加速度Ygが小さい時
に全閉側というように、横加速度Ygに応じて全閉から
全開までのいずれかのオリフィス開度が得られる伝達ト
ルク制御が行なわれる。
【0039】この伝達トルク制御時、オリフィス開度に
応じて制御型回転差感応継手12の継手伝達トルク特性
が決まり、前後輪速度差ΔNによりハウジング30とロ
ータ31とが相対回転する時、シリンダ室33から吐出
油路41を介してアキュムレータ室37へ流出する吐出
油が可変オリフィス40のオリフィス開度に応じて流出
抑制され、この流出抑制によりシリンダ室33の室圧が
増大し、前後輪回転速度差ΔNに応じた継手伝達トルク
を発生する作用を示す。
【0040】この結果、横加速度Ygが大きな高μ路旋
回時等においては、前後輪回転速度差ΔNの発生に対し
て前輪側へのエンジントルク配分が小さく、タイトコー
ナブレーキング現象等が防止され、横加速度Ygが小さ
な低μ路旋回時や直進走行時には、前後輪回転速度差Δ
Nの発生に対して前輪側へのエンジントルク配分が大き
く、旋回安定性や加速性の向上が図られる。
【0041】(ロ)異常時 センサ異常あるいは制御プログラム暴走している時に
は、図6において、ステップ70→ステップ72あるい
はステップ70→ステップ71→ステップ72へと進む
流れとなり、継電回路66bに対し電源67とモータ5
0との間の接続を断つ指令が出力され、モータ50は制
御力が解除されたフリー状態となり、スプール36の端
部に加わるアキュムレータ圧によりスプール36は図の
左端まで押し戻され、可変オリフィス40が全開にされ
る。
【0042】このフェイルセーフ動作によって、制御型
回転差感応継手12では、図7の伝達トルク特性におい
て前後輪回転速度差ΔNに対し最小の伝達トルクが発生
する安全サイドの継手伝達トルク特性に固定され、この
制御型回転差感応継手12が適用された後輪駆動ベース
の四輪駆動車は、制御型回転差感応継手12が無い後輪
駆動車とほぼ同様な車両挙動を示すことになる。
【0043】次に、効果を説明する。
【0044】センサ異常あるいは制御プログラム暴走し
ている時、継電回路66bに対する指令でモータ50の
電源67を断ち、モータ50による制御力解放でオリフ
ィス全開にする装置とした為、制御プログラム暴走等の
ようにモータ動作が確保されないような異常時を含む正
常な伝達トルク制御を行なうことが不可能な伝達トルク
制御系異常時、車両挙動安定性を確保を図ることができ
る。
【0045】すなわち、モータ50の位置がセンサ異常
に基づく位置や制御プログラム暴走する前の位置等のよ
うに、特定されない位置にそのまま保持されることがな
く、仮に、オリフィス全閉側の位置に保持されると、常
時4輪駆動状態となり、高摩擦係数路での旋回時にタイ
トコーナブレーキングが発生し、旋回性等に劣ってしま
う。
【0046】この第1実施例において、下記に列挙する
追加制御を含めて伝達トルク制御系異常時にオリフィス
全開制御を行なうようにしても良い。
【0047】(A)継電回路66bへの電源OFF指令
を出力するタイミングは、センサ異常を検出した時点で
直ちに電源OFF指令を出力するのではなく、下記の条
件を満足するまでは継電回路66bへの電源ON指令を
維持し、その後、継電回路66bへの電源OFF指令を
出力するようにしても良い。
【0048】(a) 車輪速センサ60,61,62,63
及び横加速度センサ64からのセンサ信号が予め設定し
た値以下を一定時間続けた場合。
【0049】(b) 前後輪回転速度差ΔN及び横加速度Y
gの値が予め設定した値を一定時間続けた場合。
【0050】この場合、走行中に継手特性が変わること
がなく、停止時や低速直進時等に継手の特性が変わるこ
とになる為、継手特性の変化による不安定な車両挙動が
生じることが防止される。
【0051】(B)センサ異常等のように、モータ50
の制御動作が確保されるような異常時には、一定時間毎
に徐々に可変オリフィス40を全開方向に開けてゆき、
オリフィス全開になった後、継電回路66bに電源OF
F指令を出力するようにしても良い。
【0052】この場合、上記と同様に、継手特性の急変
による不安定な車両挙動が生じることが防止される。
【0053】(第2実施例)請求項2記載の発明に対応
する第2実施例について説明する。
【0054】構成的には、図8に示すように、入力情報
源としてABSスイッチ68が加わり、各車輪速センサ
60,61,62,63には車輪速センサ断線検知回路
66dが接続され、横加速度センサ64には横加速度セ
ンサ断線検知回路66eが接続されている構成を持つ点
で第1実施例装置と異なるが、他の構成と同様であるの
で、図示並びに説明を省略する。
【0055】作用を説明する。
【0056】図9は4WDコントローラ66において行
なわれる車輪速センサ異常フェイルセーフ制御作動の流
れを示すフローチャートであり、以下、各ステップにつ
いて説明する。
【0057】ステップ80では、車輪速が通常発生し得
る値の範囲、Vmin<車輪速<Vmaxかどうかが判断され
る(入力情報系異常検出手段に相当)。
【0058】ステップ81では、車輪速センサが断線か
どうかが判断される(入力情報系異常検出手段に相
当)。
【0059】ステップ80でYESかつステップ81で
NOと判断された時には、ステップ82へ進み、図6の
ステップ74〜76で示す通常の制御が行なわれる。
【0060】ステップ80でNOと判断あるいはステッ
プ81でYESと判断された時には、ステップ83へ進
み、ABS(アンチスキッド・ブレーキ・システム)が
ONかどうかが判断され、ONの時には、ステップ84
へ進み、オリフィス全開にするオリフィス開度SABS
する指令が出力される。
【0061】また、ABSがOFFの時には、ステップ
85へ進み、タイトコーナブレーキングが生じない程度
の弱4輪駆動が得られる低オリフィス開度SO とする指
令が出力される(第2フェイルセーフ制御手段に相
当)。
【0062】従って、車輪速センサの異常時でABSが
OFFの時には、図10に示すように、弱4輪駆動が得
られる低オリフィス開度SO に固定され、低摩擦係数路
走行では、前後輪回転速度差ΔNに応じて少しの伝達ト
ルクが前輪側へ配分されることで車両挙動安定性が得ら
れるし、旋回走行時にはタイトコーナブレーキングを生
じることなく旋回安定性が図られる。
【0063】また、車輪速センサの異常時でABSがO
FFの時には、図10に示すように、オリフィス全開に
するオリフィス開度SABS に固定され、制動力分配によ
るABSとの干渉が生じることがない。
【0064】図11は4WDコントローラ66において
行なわれる横加速度センサ異常フェイルセーフ制御作動
の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップ
について説明する。
【0065】ステップ90では、横加速度が通常発生し
得る値の範囲、Gmin <横加速度<Gmax かどうかが判
断される(入力情報系異常検出手段に相当)。
【0066】ステップ91では、横加速度センサが断線
かどうかが判断される(入力情報系異常検出手段に相
当)。
【0067】ステップ90でYESかつステップ91で
NOと判断された時には、ステップ92へ進み、図6の
ステップ74〜76で示す通常の制御が行なわれる。
【0068】ステップ90でNOと判断あるいはステッ
プ91でYESと判断された時には、ステップ93へ進
み、ABS(アンチスキッド・ブレーキ・システム)が
ONかどうかが判断され、ONの時には、ステップ94
へ進み、目標トルクが非常に低い一定の目標トルクT
ABS (図12)とされる。
【0069】また、ABSがOFFの時には、ステップ
95へ進み、目標トルクがタイトコーナブレーキングが
生じない程度の弱4輪駆動が得られる一定の目標トルク
O (図12)とされる。
【0070】ステップ96では、目標トルクTABS また
はTO が得られるアクチュエータ位置が計算される。
【0071】ステップ97では、計算されたアクチュエ
ータ位置に基づきモータ50を駆動する指令が出力され
る(ステップ94〜ステップ97は第2フェイルセーフ
制御手段に相当)。
【0072】従って、横加速度センサ異常時にも上記車
輪速センサ異常時と同様に、低摩擦係数路走行時に車両
挙動安定性が得られるし、旋回走行時にはタイトコーナ
ブレーキングを生じることなく旋回安定性が図られる。
【0073】次に、効果を説明する。
【0074】センサ異常時、可変オリフィス40の開口
面積を特定の低伝達トルク特性が得られるように制御す
る装置とした為、正常な伝達トルク制御を行なうことは
不可能であるがモータ動作が確保されるセンサ異常時、
低摩擦係数路走行での車両挙動安定性や旋回走行での旋
回安定性を図ることができる。
【0075】尚、車輪速センサ異常の場合には定オリフ
ィス開度制御を採用し、横加速度センサ異常の場合には
定トルク制御を採用した例を示したが、車輪速センサ異
常の場合に定トルク制御を行なう等、いずれの制御手法
を用いても良い。
【0076】また、センサ異常検出時からモータ動作ま
でのタイミングは、第1実施例で述べた(A),(B)
の手法を用いて、継手特性の急変による不安定な車両挙
動を防止するようにしても良い。
【0077】以上、実施例を図面に基づいて説明してき
たが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではな
い。
【0078】例えば、回転差感応継手をトルク配分装置
としてトランスファに適用した例を示したが、回転差感
応継手を左右駆動輪の差動制限装置として適用しても良
い。実施例では、回転差感応継手としてラジアルピスト
ンポンプタイプの継手を示したが、ベーンポンプタイプ
の継手やトロコイドポンプタイプ等、制御型可変オリフ
ィスを用いて継手伝達トルク特性の制御ゲインを変更す
るような継手であれば、実施例で示した以外の継手であ
っても適用できる。
【0079】実施例では、アクチュエータとして、モー
タを用いた例を示したが、サーボモータや油圧モータや
油圧シリンダ等、電気や油圧による他のアクチュエータ
であっても良い。
【0080】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1記載
の本発明にあっては、オリフィス開度の変更により継手
伝達トルク特性を可変に制御する回転差感応継手の伝達
トルク制御装置において、伝達トルク制御系異常時、継
電回路に対する指令でアクチュエータ駆動電源を断つ制
御を行なう手段とした為、アクチュエータ動作が確保さ
れない場合も含めて正常な伝達トルク制御を行なうこと
が不可能な伝達トルク制御系異常時に車両挙動安定性の
確保を図ることができるという効果が得られる。請求項
2記載の本発明にあっては、オリフィス開度の変更によ
り継手伝達トルク特性を可変に制御する回転差感応継手
の伝達トルク制御装置において、入力情報系異常時、可
変オリフィスの開口面積を特定の低伝達トルク特性が得
られるように制御する手段とした為、正常な伝達トルク
制御を行なうことは不可能であるがアクチュエータ動作
が確保される入力情報系異常時、低摩擦係数路走行での
車両挙動安定性や旋回走行での旋回安定性を図ることが
できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転差感応継手の伝達トルク制御装置
を示すクレーム対応図である。
【図2】本発明第1実施例の回転差感応継手の伝達トル
ク制御装置が適用されたトランスファを示す断面図であ
る。
【図3】回転差感応継手の軸直交方向断面図である。
【図4】第1実施例の回転差感応継手の伝達トルク制御
装置が適用された後輪駆動ベースの四輪駆動車のパワー
トレーンを示す概略図である。
【図5】第1実施例の伝達トルク制御系を示す図であ
る。
【図6】第1実施例装置の4WDコントローラで行なわ
れるフェイルセーフ制御作動の流れを示すフローチャー
トである。
【図7】第1実施例装置での伝達トルク特性図である。
【図8】第2実施例の伝達トルク制御系を示す図であ
る。
【図9】第2実施例装置の4WDコントローラで行なわ
れる車輪速センサ異常フェイルセーフ制御作動の流れを
示すフローチャートである。
【図10】車輪速センサ異常時の伝達トルク特性図であ
る。
【図11】第2実施例装置の4WDコントローラで行な
われる横加速度センサ異常フェイルセーフ制御作動の流
れを示すフローチャートである。
【図12】横加速度センサ異常時の伝達トルク特性図で
ある。
【符号の説明】
a アクチュエータ b 可変オリフィス c 回転差感応継手 d アクチュエータ駆動電源 e 継電回路 f 伝達トルク制御系異常検出手段 g 第1フェイルセーフ制御手段 h 伝達トルク制御手段 i 入力情報系異常検出手段 j 第2フェイルセーフ制御手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングとロータとが相対回転する
    時、出力油室から吐出油路を介してアキュムレータ室へ
    流出する吐出油を、アクチュエータにより開口面積が制
    御される可変オリフィスにより流出抑制し、この流出抑
    制により出力油室の室圧を増大させて相対回転差に応じ
    た継手伝達トルクを発生すると共に、アクチュエータに
    対する制御力を解除した時に最大の開口面積が得られる
    ように動作する回転差感応継手と、 前記アクチュエータとアクチュエータ駆動電源との間に
    設けられ、駆動電源を断接可能な継電回路と、 正常な伝達トルク制御伝達トルク制御を行なうことが不
    可能な伝達トルク制御系異常を検出する伝達トルク制御
    系異常検出手段と、 伝達トルク制御系異常が検出された時、前記継電回路に
    対し駆動電源を断つ指令を出力する第1フェイルセーフ
    制御手段と、 を備えている事を特徴とする回転差感応継手の伝達トル
    ク制御装置。
  2. 【請求項2】 ハウジングとロータとが相対回転する
    時、出力油室から吐出油路を介してアキュムレータ室へ
    流出する吐出油を、アクチュエータにより開口面積が制
    御される可変オリフィスにより流出抑制し、この流出抑
    制により出力油室の室圧を増大させて相対回転差に応じ
    た継手伝達トルクを発生する回転差感応継手と、 入力センサからの入力情報と所定の制御則に基づいて前
    記アクチュエータに対し制御指令を出力する伝達トルク
    制御手段と、 可変オリフィスの開口面積制御の入力情報系の異常を検
    出する入力情報系異常検出手段と、 入力情報系の異常が検出された時、相対回転差に対し弱
    い伝達トルクを発生させるオリフィス開口面積制御指令
    を前記伝達トルク制御手段に出力する第2フェイルセー
    フ制御手段と、 を備えている事を特徴とする回転差感応継手の伝達トル
    ク制御装置。
JP32899291A 1991-12-12 1991-12-12 回転差感応継手の伝達トルク制御装置 Pending JPH05164152A (ja)

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