JP3013560B2 - 回転差感応継手の伝達トルク制御装置 - Google Patents

回転差感応継手の伝達トルク制御装置

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JP3013560B2
JP3013560B2 JP3316069A JP31606991A JP3013560B2 JP 3013560 B2 JP3013560 B2 JP 3013560B2 JP 3316069 A JP3316069 A JP 3316069A JP 31606991 A JP31606991 A JP 31606991A JP 3013560 B2 JP3013560 B2 JP 3013560B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のエンジン駆動系
に適用され、適用箇所の入出力部材の相対回転差に応じ
て所望の継手伝達トルクを得る回転差感応継手の伝達ト
ルク制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の制御型回転差感応継手と
しては、例えば、特開平3−24329号公報に記載の
ものが知られている。
【0003】上記従来出典には、ハウジングとロータと
が相対回転する時、ピストンシリンダ室から吐出油路を
介してアキュムレータ室へ流出する吐出油をオリフィス
により流出抑制し、この流出抑制によりピストンシリン
ダ室の室圧を増大させて相対回転差に応じた伝達トルク
を発生するピストンポンプタイプの回転差感応継手にお
いて、前記吐出油路がスプール室と連通するスリット状
のロータ開口ポートの位置にスプールを配置し、ステッ
ピングモータにより軸方向の位置制御を行なうことでオ
リフィス開口面積(以下、オリフィス開度)を変更し、
ハウジングとロータとの相対回転差に対する継手伝達ト
ルク特性の制御ゲインを変更する制御型回転差感応継手
が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の制御型回転差感応継手にあっては、高負荷
(高トルク,高回転差)で連続作動させると、作動オイ
ルが異常な高温となり、オイルの劣化及びドライビング
ピストンの追従性悪化を引き起こす場合がある。
【0005】これを防止するために、実開平1−132
821号公報に記載のように、非制御型回転差感応継手
に油温に感応する形状記憶合金バネ等を用いて、高油温
時にオリフィス開度を全閉とする案がある。しかし、こ
の構造を本来的に複雑な構造である制御型回転差感応継
手に適用すると、さらに複雑にしてしまう。
【0006】本発明は、上述のような問題に着目してな
されたもので、オリフィス開度の変更により継手伝達ト
ルク特性を可変に制御する回転差感応継手の伝達トルク
制御装置において、継手内部の構造を複雑化させること
なく、高負荷での連続作動時に油温上昇を抑えると共に
その後の継手性能の維持を図ることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1記載のピストンポンプタイプによる回転差感
応継手の伝達トルク制御装置では、出力軸トルク相当値
の変動軸トルク変動量しきい値を超えた時、オリフ
ィス開度を小さくする方向に制御する手段とした。
【0008】即ち、図1のクレーム対応図に示すよう
に、ハウジングとロータとが相対回転する時、ピストン
シリンダ室から吐出油路を介してアキュムレータ室へ流
出する吐出油を、アクチュエータaにより全閉から全開
までのいずれかのオリフィス開度を得るように開口面積
が制御される可変オリフィスbにより流出抑制し、この
流出抑制によりピストンシリンダ室の室圧を増大させて
オリフィス開度により決められた伝達トルク特性に基づ
き前記相対回転に応じた継手伝達トルクを発生するピス
トンポンプタイプの回転差感応継手cと、出力軸トルク
相当値を検出する出力軸トルク相当値検出手段dと、前
記出力軸トルク相当値の変動軸トルク変動量しきい
を超えた時、オリフィス開度を小さくする方向の駆動
制御指令を前記アクチュエータaに対し出力する限界対
応伝達トルク制御手段eとを備えている事を特徴とす
る。
【0009】上記課題を解決するために請求項2記載の
ピストンポンプタイプによる回転差感応継手の伝達トル
ク制御装置では、油温相当値が所定値を超えた時、オリ
フィス開度を小さくする方向に制御する手段とした。
【0010】即ち、図1のクレーム対応図に示すよう
に、ハウジングとロータとが相対回転する時、ピストン
シリンダ室から吐出油路を介してアキュムレータ室へ流
出する吐出油を、アクチュエータaにより全閉から全開
までのいずれかのオリフィス開度を得るように開口面積
が制御される可変オリフィスbにより流出抑制し、この
流出抑制によりピストンシリンダ室の室圧を増大させて
オリフィス開度により決められた伝達トルク特性に基づ
き前記相対回転に応じた継手伝達トルクを発生するピス
トンポンプタイプの回転差感応継手cと、油温相当値を
検出する油温相当値検出手段fと、前記油温相当値が所
定値を超えた時、オリフィス開度を小さくする方向の駆
動制御指令を前記アクチュエータaに対し出力する限界
対応伝達トルク制御手段eとを備えている事を特徴とす
る。
【0011】
【作用】請求項1記載の発明の作用を説明する。
【0012】回転差感応継手cでの伝達トルク発生作用
は、可変オリフィスbの開口面積であるオリフィス開度
が所定のオリフィス開度に設定されると、設定されたオ
リフィス開度に応じて回転差感応継手cの継手伝達トル
ク特性が決まり、ハウジングとロータとが相対回転する
時、出力油室から吐出油路を介してアキュムレータ室へ
流出する吐出油が可変オリフィスbのオリフィス開度に
応じて流出抑制され、この流出抑制により出力油室の室
圧が増大し、相対回転差に応じた継手伝達トルクを発生
する作用を示す。
【0013】そして、高負荷(高トルク,高回転差)で
連続作動すると、作動オイルが異常に高温度となり、ロ
ータに設けられるドライビングピストン等の追従性が悪
化し、ピストンシリンダ室の室圧変動に伴ない出力軸ト
ルクが変動する。このような状況下で出力軸トルク相当
値検出手段dからの出力軸トルク相当値の変動軸ト
ルク変動量しきい値を超えると、限界対応伝達トルク制
御手段eにおいて、オリフィス開度を小さくする方向の
駆動制御指令がアクチュエータaに対し出力される。
【0014】この限界対応伝達トルク制御で可変オリフ
ィスbが閉じられると、ピストンシリンダ室の室圧が増
大し、ハウジングとロータとの相対回転が低下すること
で発熱量の上昇が抑えられる。
【0015】請求項2記載の発明の作用を説明する。
【0016】高負荷(高トルク,高回転差)で連続作動
すると、大きな摩擦熱の発生で作動オイルが異常に高温
度となる。このような状況下で油温相当値検出手段fか
らの油温相当値が所定値を超えると、限界対応伝達トル
ク制御手段eにおいて、オリフィス開度を小さくする方
向の駆動制御指令がアクチュエータaに対し出力され
る。
【0017】この限界対応伝達トルク制御で可変オリフ
ィスbが閉じられると、ピストンシリンダ室の室圧が増
大し、ハウジングとロータとの相対回転が低下すること
で発熱量の上昇が抑えられる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0019】(第1実施例)まず、構成を説明する。
【0020】図2は請求項1記載の本発明に対応する第
1実施例の回転差感応継手の伝達トルク制御装置が適用
されたトランスファを示す断面図、図3は回転差感応継
手の軸直交方向断面図、図4は第1実施例の回転差感応
継手の伝達トルク制御装置が適用された後輪駆動ベース
の四輪駆動車のパワートレーンを示す概略図、図5は第
1実施例の伝達トルク制御系を示す図である。
【0021】四輪駆動車のパワートレーンを図4により
説明すると、後輪1,2へは、リングギア3→トランス
ファケース4→トランスファギア5→プロペラシャフト
6→リヤディファレンシャル7→左右後輪軸8,9を介
してエンジントルクを直接伝達し、前輪10,11側へ
は、前後輪回転速度差に応じて制御型回転差感応継手1
2で発生する継手伝達トルクをフロントディファレンシ
ャル13でのトルク等配分伝達作用により左右前輪軸1
4,15に伝達するようにしている。そして、フロント
ディファレンシャル13にトルク配分機能を持つ制御型
回転差感応継手12をトランスファケース4に内蔵し、
側部にトランスファギア5を配置することでトランスフ
ァAが構成されている。
【0022】前記フロントディファレンシャル13は、
図1に示すように、トランスファハウジング20に回転
可能に支持されると共にリングギア3を介してエンジン
駆動力が入力されるトランスファケース4と、該ケース
4に支持されるピニオンシャフト21と、該ピニオンシ
ャフト21に回転自在に支持されるピニオン22と、該
ピニオン22に噛合する一対のサイドギア23,24を
備えている。そして、前記サイドギア23は、制御型回
転差感応継手12を介して左前輪軸14にスプライン結
合され、前記サイドギア24は、右前輪軸15にスプラ
イン結合されている。
【0023】前記制御型回転差感応継手12は、図2及
び図3に示すように、前記サイドギア23が一体に形成
されると共に内面にカム面30aが形成されたハウジン
グ30と、左前輪軸14にスプライン結合されたロータ
31と、前記ハウジング30とロータ31との相対回転
差により前記カム面30aに摺接しながら径方向に往復
動する放射状配置のドライビングピストン32と、該ド
ライビングピストン32の往復動に伴なって体積変化す
るシリンダ室33(出力油室に相当)と、ロータ31の
軸心位置に油密状態で固定されたオリフィススリーブ3
4と、該オリフィススリーブ34に形成されたスプール
室35と、該スプール室35に軸方向ストローク可能に
設けられたスプール36と、該スプール36の端部位置
に形成されたアキュムレータ室37を有する。そして、
前記ロータ31には、アキュムレータ室37と前記シリ
ンダ室33とをワンウェイバルブ38を介して連通する
レギュレータ油路39が形成されている。また、前記ロ
ータ31及びオリフィススリーブ34には、シリンダ室
33とスプール室35とを可変オリフィス40を介して
連通する吐出油路41が形成されている。
【0024】前記スプール36とアクチュエータとして
のモータ50との間には、モータ50の回転をスプール
36の軸方向ストロークに変換する制御動作変換機構が
設けられている。また、モータ50には、駆動制御指令
によりモータ回転角度を制御する伝達トルク制御装置が
連結されている。
【0025】前記制御動作変換機構は、図2及び図5に
示すように、トランスファハウジング20に設けられた
モータ50と、そのモータ軸51に設けられたフォーク
52と、該フォーク52に接するアウタースリーブ53
と、該アウタースリーブ53にベアリング54を介して
設けられたインナースリーブ55と、該インナースリー
ブ55に固定されたクロスロッド56と、該クロスロッ
ド56に一端側が固定されると共に左前輪軸14の軸心
位置に配置されたプッシュロッド57とを有して構成さ
れている。尚、図2ではモータ50とモータ軸51は、
断面を90°変えて描かれている。
【0026】前記伝達トルク制御装置は、図4及び図5
に示すように、左右後輪1,2と左右前輪10,11の
それぞれの位置に設けられた車輪速センサ60,61,
62,63と、横加速度センサ64と、トルクセンサ6
5(出力軸トルク相当値検出手段)と、これらのセンサ
類からのセンサ信号を入力し、モータ50へ駆動制御指
令を出力する4WDコントローラ66とを有して構成さ
れている。
【0027】次に、作用を説明する。
【0028】図6は4WDコントローラ66において行
なわれる限界対応伝達トルク制御作動の流れを示すフロ
ーチャートであり、以下、各ステップについて説明する
(請求項1記載の限界対応伝達トルク制御手段に相
当)。
【0029】尚、この限界対応伝達トルク制御は、制御
条件を満足すると、例えば、図外の横加速度対応による
通常の伝達トルク制御作動に優先する。
【0030】ステップ70では、トルクセンサ65から
の軸トルク値TS が所定時間サンプリングされて読み込
まれる。
【0031】ステップ71では、ステップ70でサンプ
リングされた複数の軸トルク値TS から最大軸トルク値
SMAX及び最小軸トルク値TSMINが検索される。
【0032】ステップ72では、軸トルク変動量ΔTS
が最大軸トルク値TSMAXと最小軸トルク値TSMINとの差
により演算される。
【0033】ステップ73では、軸トルク変動量ΔTS
が軸トルク変動量しきい値ΔTref を超えているかどう
かが判断される。
【0034】ステップ73でYESと判断された時は、
ステップ74へ進み、ステップ74では、前回の目標オ
リフィス開度S(最初のステップ73を満足する時には
通常制御でのオリフィス開度)から所定開度ΔSだけ差
し引いて目標オリフィス開度Sが求められ、この目標オ
リフィス開度Sが得られる制御指令がモータ50に対し
て出力される。
【0035】上記制御作動は所定周期で繰り返され、ス
テップ73を満足する限り、オリフィス開度は全閉まで
徐々に閉じられる。
【0036】車両走行時の作用について説明する。
【0037】(イ)通常の伝達トルク制御時 通常の走行時には、例えば、横加速度Ygが大きい時に
は全開側で、横加速度Ygが小さい時に全閉側というよ
うに、横加速度Ygに応じて全閉から全開までのいずれ
かのオリフィス開度が得られる伝達トルク制御が行なわ
れる。
【0038】この伝達トルク制御時、オリフィス開度に
応じて制御型回転差感応継手12の継手伝達トルク特性
が決まり、前後輪速度差ΔNによりハウジング30とロ
ータ31とが相対回転する時、シリンダ室33から吐出
油路41を介してアキュムレータ室37へ流出する吐出
油が可変オリフィス40のオリフィス開度に応じて流出
抑制され、この流出抑制によりシリンダ室33の室圧が
増大し、前後輪回転速度差ΔNに応じた継手伝達トルク
を発生する作用を示す。
【0039】この結果、横加速度Ygが大きな高μ路旋
回時等においては、前後輪回転速度差ΔNの発生に対し
て前輪側へのエンジントルク配分が小さく、タイトコー
ナブレーキング現象等が防止され、横加速度Ygが小さ
な低μ路旋回時や直進走行時には、前後輪回転速度差Δ
Nの発生に対して前輪側へのエンジントルク配分が大き
く、旋回安定性や加速性の向上が図られる。
【0040】(ロ)限界対応伝達トルク制御時 砂地や悪路等で連続走行する場合のような高負荷(高ト
ルク,高回転差)で連続作動すると、作動オイルが異常
に高温度となり、ロータ31に設けられるドライビング
ピストン32の追従性が悪化し、シリンダ室33の室圧
変動に伴ない出力軸トルクが変動する。このような状況
下でトルクセンサ65からの軸トルク値TS の軸トルク
変動量ΔTS が軸トルク変動量しきい値ΔTref を超え
ると、図6のフローチャートにおいて、ステップ70→
ステップ71→ステップ72→ステップ73→ステップ
74へと進む流れとなり、オリフィス開度が全閉方向に
制御される。
【0041】この限界対応伝達トルク制御で可変オリフ
ィス40が閉じられると、シリンダ室33の室圧が増大
し、ドライビングピストン32がハウジング30のカム
面30aに強い圧接力で圧接し、ハウジング30とロー
タ31との相対回転が低下することで作動オイルの発熱
上昇が抑えられる。
【0042】尚、砂地や悪路等で連続走行している状況
は操縦性安定性等を問題にする走行状況ではないので、
可変オリフィス40を閉じてロックする方向に制御して
も問題はない。
【0043】次に、効果を説明する。
【0044】(1)軸トルク値TS の軸トルク変動量Δ
S が軸トルク変動量しきい値ΔTref を超えるとオリ
フィス開度を全閉方向に制御する装置とした為、油温感
知バルブを内蔵する場合のように、継手内部の構造を複
雑化させることなく、高負荷での連続作動時に油温上昇
を抑えると共にその後の継手性能の維持を図ることがで
きる。
【0045】すなわち、高負荷での連続作動時に通常制
御を継続していると、シールからのオイル漏れやシール
の劣化やオイルの劣化やオイルの減少等を招くことがあ
り、その後の継手性能が低下してしまうことがある。
【0046】(2)出力軸トルク相当値検出手段とし
て、軸トルク値TS を直接検出するトルクセンサ65を
用いた為、ユニットの異常を直接検出でき、ユニットの
バラツキ等による発生ポイントのズレを考慮してマージ
ンを取る必要がなく、限界まで通常制御を継続すること
ができる。
【0047】(第2実施例)請求項2記載の発明に対応
する第2実施例について説明する。
【0048】構成的には、トルクセンサ65が無い点だ
けで第1実施例装置の構成と同様であるので、図示並び
に説明を省略する。
【0049】作用を説明する。
【0050】図7の(イ)は図6は4WDコントローラ
66において行なわれる限界対応伝達トルク制御作動の
流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップに
ついて説明する(請求項2記載の油温相当値検出手段及
び限界対応伝達トルク制御手段に相当)。
【0051】尚、この限界対応伝達トルク制御は、制御
条件を満足すると、例えば、図外の横加速度対応による
通常の伝達トルク制御作動に優先する。
【0052】ステップ80では、伝達トルク制御フロー
チャートにおいて演算された前後輪回転速度差ΔNとモ
ータ指令値に基づいて推定されるオリフィス開度Sが読
み込まれる。
【0053】ステップ81では、オリフィス開度Sをパ
ラメータとするΔN−T特性(図7の(ロ)に示す)か
ら伝達トルクTがルックアップされる。
【0054】例えば、図7の(ロ)に示すように、前後
輪回転速度差がΔN1でオリフィス開度がS1の時に
は、伝達トルクがT1としてルックアップされる。
【0055】ステップ82では、ステップ81での伝達
トルクTと前後輪回転速度差ΔNに基づいて発熱量Qが
演算される。
【0056】ステップ83では、発熱量Qが発熱量しき
い値Qref を超えているかどうかが判断され、NOの時
にはステップ84へ進み、QFLGがQFLG=0にセ
ットされ、YESの時には、ステップ85へ進み、QF
LG=1かどうかが判断され、QFLG=0の時には、
ステップ86へ進み、QFLGがQFLG=1にセット
される。
【0057】ステップ87では、タイマ値TQを制御周期
毎のΔTQだけ増すタオマインクリメント処理が行なわれ
る。
【0058】ステップ88では、タイマ値TQがタイマし
きい値TQref を超えているかどうかが判断される。
【0059】ステップ88YESと判断された時は、ス
テップ89へ進み、ステップ89では、前回の目標オリ
フィス開度S(最初のステップ73を満足する時には通
常制御でのオリフィス開度)から所定開度ΔSだけ差し
引いて目標オリフィス開度Sが求められ、この目標オリ
フィス開度Sが得られる制御指令がモータ50に対して
出力される。
【0060】上記制御作動は所定周期で繰り返され、ス
テップ83やステップ88の条件を満足する限り、オリ
フィス開度は全閉まで徐々に閉じられる。
【0061】従って、砂地や悪路等で連続走行する場合
のような高負荷(高トルク,高回転差)で連続作動する
と、ステップ83での発熱量条件を満足するし、その状
態が連続することでステップ88での時間条件をも満足
することになり、図7(イ)のフローチャートにおい
て、ステップ80→ステップ81→ステップ82→ステ
ップ83→ステップ85→ステップ87→ステップ88
→ステップ89へと進む流れとなり、オリフィス開度が
全閉方向に制御される。
【0062】この限界対応伝達トルク制御で可変オリフ
ィス40が閉じられると、シリンダ室33の室圧が増大
し、ドライビングピストン32がハウジング30のカム
面30aに強い圧接力で圧接し、ハウジング30とロー
タ31との相対回転が低下することで作動オイルの発熱
上昇が抑えられる。
【0063】尚、砂地や悪路等で連続走行している状況
は操縦性安定性等を問題にする走行状況ではないので、
可変オリフィス40を閉じてロックする方向に制御して
も問題はない。
【0064】次に、効果を説明する。
【0065】(3)発熱量条件と時間条件による油温相
当値が所定値を超えるとオリフィス開度を全閉方向に制
御する装置とした為、油温感知バルブを内蔵する場合の
ように、継手内部の構造を複雑化させることなく、高負
荷での連続作動時に油温上昇を抑えると共にその後の継
手性能の維持を図ることができる。
【0066】(4)油温相当値検出手段として、油温セ
ンサを用いることなく、通常制御で用いられるセンサ類
のみを用いて求めた発熱量と時間とで油温相当値を推定
検出して制御する装置とした為、コスト的に有利としな
がら限界対応伝達トルク制御を導入することができる。
【0067】以上、実施例を図面に基づいて説明してき
たが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではな
い。
【0068】実施例では、回転差感応継手としてラジア
ルピストンポンプタイプの継手を示したが、ピストンポ
ンプタイプの継手であれば、実施例で示した以外の継手
であっても適用できる。
【0069】実施例では、アクチュエータとして、モー
タを用いた例を示したが、サーボモータや油圧モータや
油圧シリンダ等、電気や油圧による他のアクチュエータ
であっても良い。
【0070】第1実施例では、出力軸トルク相当値検出
手段として、トルクセンサを用いる例を示したが、第2
実施例のステップ80,ステップ81のように、前後輪
回転速度差ΔNとオリフィス開度Sとから伝達トルクを
間接的に検出するようにしても良い。
【0071】第2実施例では、油温相当値検出手段とし
て、発熱量と時間により間接的に検出する例を示した
が、油温センサを用いて直接検出する例としても良い。
この場合、油温による継手特性の変化を検出し、油温を
通常の伝達トルク制御の補正情報とすることができ、精
度良く制御する有効な手段となり得る。
【0072】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1記載
の本発明にあっては、オリフィス開度の変更により継手
伝達トルク特性を可変に制御するピストンポンプタイプ
回転差感応継手の伝達トルク制御装置において、出力
軸トルク相当値の変動軸トルク変動量しきい値を超
えた時、オリフィス開度を小さくする方向に制御し、相
対回転を抑えた継手伝達トルク特性に変更する手段とし
た為、継手内部の構造を複雑化させることなく、高負荷
での連続作動時に油温上昇及び出力軸トルク変動を抑え
ると共にその後の継手性能の維持を図ることができると
いう効果が得られる。
【0073】請求項2記載の本発明にあっては、オリフ
ィス開度の変更により継手伝達トルク特性を可変に制御
するピストンポンプタイプの回転差感応継手の伝達トル
ク制御装置において、油温相当値が所定値を超えた時、
オリフィス開度を小さくする方向に制御し、相対回転を
抑えた継手伝達トルク特性に変更する手段とした為、継
手内部の構造を複雑化させることなく、高負荷での連続
作動時に油温上昇及び出力軸トルク変動を抑えると共に
その後の継手性能の維持を図ることができるという効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転差感応継手の伝達トルク制御装置
を示すクレーム対応図である。
【図2】本発明第1実施例の回転差感応継手の伝達トル
ク制御装置が適用されたトランスファを示す断面図であ
る。
【図3】回転差感応継手の軸直交方向断面図である。
【図4】第1実施例の回転差感応継手の伝達トルク制御
装置が適用された後輪駆動ベースの四輪駆動車のパワー
トレーンを示す概略図である。
【図5】第1実施例の伝達トルク制御系を示す図であ
る。
【図6】第1実施例装置の4WDコントローラで行なわ
れる限界対応伝達トルク制御作動の流れを示すフローチ
ャートである。
【図7】図7の(イ)は第2実施例装置の4WDコント
ローラで行なわれる限界対応伝達トルク制御作動の流れ
を示すフローチャート、図7の(ロ)はオリフィス開度
をパラメータとする前後輪回転速度差に対する伝達トル
ク特性図である。
【符号の説明】
a アクチュエータ b 可変オリフィス c 回転差感応継手 d 出力軸トルク相当値検出手段 e 限界対応伝達トルク制御手段 f 油温相当値検出手段

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングとロータとが相対回転する
    時、ピストンシリンダ室から吐出油路を介してアキュム
    レータ室へ流出する吐出油を、アクチュエータにより
    閉から全開までのいずれかのオリフィス開度を得るよう
    開口面積が制御される可変オリフィスにより流出抑制
    し、この流出抑制によりピストンシリンダ室の室圧を増
    大させてオリフィス開度により決められた伝達トルク特
    性に基づき前記相対回転に応じた継手伝達トルクを発生
    するピストンポンプタイプの回転差感応継手と、 出力軸トルク相当値を検出する出力軸トルク相当値検出
    手段と、 前記出力軸トルク相当値の変動軸トルク変動量しき
    い値を超えた時、オリフィス開度を小さくする方向の駆
    動制御指令を前記アクチュエータに対し出力する限界対
    応伝達トルク制御手段と、 を備えている事を特徴とする回転差感応継手の伝達トル
    ク制御装置。
  2. 【請求項2】 ハウジングとロータとが相対回転する
    時、ピストンシリンダ室から吐出油路を介してアキュム
    レータ室へ流出する吐出油を、アクチュエータにより
    閉から全開までのいずれかのオリフィス開度を得るよう
    開口面積が制御される可変オリフィスにより流出抑制
    し、この流出抑制によりピストンシリンダ室の室圧を増
    大させてオリフィス開度により決められた伝達トルク特
    性に基づき前記相対回転に応じた継手伝達トルクを発生
    するピストンポンプタイプの回転差感応継手と、 油温相当値を検出する油温相当値検出手段と、 前記油温相当値が所定値を超えた時、オリフィス開度を
    小さくする方向の駆動制御指令を前記アクチュエータに
    対し出力する限界対応伝達トルク制御手段と、 を備えている事を特徴とする回転差感応継手の伝達トル
    ク制御装置。
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