JP2864835B2 - 車両用差動制限制御装置 - Google Patents

車両用差動制限制御装置

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JP2864835B2
JP2864835B2 JP611592A JP611592A JP2864835B2 JP 2864835 B2 JP2864835 B2 JP 2864835B2 JP 611592 A JP611592 A JP 611592A JP 611592 A JP611592 A JP 611592A JP 2864835 B2 JP2864835 B2 JP 2864835B2
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  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)
  • Retarders (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外部から差動制限力を
付与し、所定の制御条件に従って差動制限制御を行う車
両用差動制限制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ブレーキ操作やエンジンブレーキ
等により車両減速度が発生する旋回制動時、減速度合に
応じて差動制限力を強めることでタックイン現象を防止
するフェイルセーフ技術を採用した車両用差動制限制御
装置としては、例えば、特開昭62−18330号公報
に記載のものが知られている。
【0003】また、差動制限クラッチを有する車両用差
動制限制御装置やトランスファクラッチを有する四輪駆
動車の駆動力配分制御装置において、センサ異常等によ
るフェイル時、クラッチ締結力の減少や保持により車両
挙動の急変を防止するフェイルセーフ技術を採用した装
置としては、例えば、特開昭62−253527号公報
に記載のものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のフェイルセーフ技術にあっては、電子コントローラ
内の中央演算処理装置(以下、CPUと略称する。)か
らの指令により実行するものであり、CPUが正常であ
ることを前提とする技術である為、CPU暴走や供給電
源停止によるCPU停止に対してフェイルセーフを達成
することができない。例えば、前者の従来装置で、減速
度発生に基づき差動制限力が付与されているタックイン
防止制御中にCPUフェイルが発生した場合、差動制限
力が急に零となり、差動制限力によるアンダーステア方
向のモーメントが急に減少し、タックインの発生を許す
というように、車両挙動が急変する可能性がある。
【0005】ここで、タックイン現象とは、車両減速度
による荷重移動とタイヤ接地特性のため、図10に示す
ように、前後コーナリングフォースFf,Frがそれ以
前の釣り合い状態から前輪側のコーナリングフォースF
fが大きくなる状態に急変し、車両を旋回中心方向へ向
けようとするヨー軸回りのモーメントψを発生する現象
をいう。そこで、減速時に差動制限力を大きくして制動
力Bo ,Bi を高めると、外輪側制動力Bo と内輪側制
動力Bi の差Zが大きくなり、前記モーメントψを打ち
消す方向のモーメントMが発生し、タックイン現象が防
止できる。
【0006】本発明は、上記のような問題に着目してな
されたもので、外部から差動制限力を付与し、所定の制
御条件に従って差動制限制御を行う車両用差動制限制御
装置において、中央演算処理装置の暴走や停止時に車両
挙動の急変防止を図ることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の車両用差動制限制御装置では、中央演算処理装
置の暴走や停止を検出する異常検出回路により異常が検
出された時、差動制限コントローラからの指令により
右駆動輪の制動力を低減する手段とした。即ち、図1の
クレーム対応図に示すように、中央演算処理装置aを有
し、所定の制御条件に従って差動制限力を付与する制御
を行なう差動制限コントローラbと、前記差動制限コン
トローラbからの指令により左右駆動輪の差動を制限す
る差動制限手段cと、信号指令により左右駆動輪の制動
力を低減する制動力低減手段dと、前記差動制限コント
ローラbに設けられ、中央演算処理装置aの暴走や停止
を検出する異常検出回路eと、前記異常検出回路eによ
り異常が検出された時、前記制動力低減手段dに対し
右駆動輪の制動力を低減する前記信号指令を送るフェイ
ルセーフ手段fとを備えていることを特徴とする。
【0008】即ち、図1のクレーム対応図に示すよう
に、中央演算処理装置aを有し、所定の制御条件に従っ
て差動制限力を付与する制御を行なう差動制限コントロ
ーラbと、前記差動制限コントローラbからの指令によ
り左右駆動輪の差動を制限する差動制限手段cと、信号
指令により制動力を低減する制動力低減手段dと、前記
差動制限コントローラbに設けられ、中央演算処理装置
aの暴走や停止を検出する異常検出回路eと、前記異常
検出回路eにより異常が検出された時、前記制動力低減
手段dに対し制動力を低減する前記信号指令を送るフェ
イルセーフ手段fとを備えていることを特徴とする。
【0009】
【作用】差動制限コントローラbの正常時には、差動制
限コントローラbにおいて、所定の制御条件に従って差
動制限力を付与する指令が出力され、差動制限手段cの
作動により左右駆動輪の差動が制限される。従って、差
動制限制御系の正常状態では、左右駆動輪間に差動制限
力が付与されている。
【0010】この正常状態の途中で中央演算処理装置a
の暴走や停止が発生した場合、この中央演算処理装置a
の暴走や停止を検出する異常検出回路eにより異常が検
出され、フェイルセーフ手段fにおいて、制動力低減手
段dに対し制動力を低減する信号指令が送られる。従っ
て、一方の差動制限側で異常により差動制限力が急に零
となるのに代え、他方の制動側で左右駆動輪への制動力
が低減される。これにより、左右駆動輪への制動力が減
少した分、左右駆動輪の横力が増大し、差動制限力が急
に零となることによる車両挙動変化が抑えられる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0012】まず、構成について説明する。
【0013】尚、この実施例を述べるにあたって、外部
油圧により作動する多板摩擦クラッチ機構を備えた差動
制限制御システムと急制動時や低μ路制動時等に車輪の
制動ロックを抑えるアンチスキッドブレーキシステム
(制動力低減手段に相当)とが共に搭載された後輪駆動
車への適用例に基づいて説明する。
【0014】に外部油圧により作動する多板摩擦クラッ
チ機構を備えた自動車用差動制限装置を例にとる。
【0015】まず、構成について説明する。
【0016】実施例装置は図2〜図4に示すように、差
動制限制御システムとして、差動装置10、多板摩擦ク
ラッチ機構(差動制限手段に相当)11、差動制限油圧
アクチュエータ12、差動制限コントローラ13、入力
センサ14を備え、アンチスキッドブレーキシステムと
して、ABSコントローラ60、ブレーキ液圧制御アク
チュエータ61、後輪ホイールシリンダ62,63を備
えている。
【0017】差動装置10は、左右輪に回転速度差が生
じるような走行状態において、この回転速度差に応じて
左右輪に速度差をもたせるという差動機能と、エンジン
駆動力を左右の駆動輪に等配分に分配伝達する駆動力配
分機能をもつ装置である。
【0018】この差動装置10は、図2に示すように、
スタッドボルト15により車体に取り付けられるハウジ
ング16内に納められているもので、リングギヤ17、
ディファレンシャルケース18、ピニオンメートシャフ
ト19、デフピニオン20、サイドギヤ21,21を備
えている。
【0019】前記ディファレンシャルケース18は、ハ
ウジング16に対しテーパーローラベアリング22,2
2’により回転自在に支持されている。
【0020】前記リングギヤ17は、ディファレンシャ
ルケース18に固定されていて、プロペラシャフト23
に設けられたドライブピニオン24と噛み合い、このド
ライブピニオン24から回転駆動力が入力される。
【0021】前記サイドギヤ21,21’には、駆動出
力軸である左輪側ドライブシャフト25と右輪側ドライ
ブシャフト26がそれぞれに設けられている。
【0022】多板摩擦クラッチ機構11は、前記差動装
置10の駆動入力部と駆動出力部との間に設けられ、外
部油圧によるクラッチ締結力により差動制限力を付与す
る機構である。
【0023】この多板摩擦クラッチ機構11は、ハウジ
ング16及びディファレンシャルケース18内に納めら
れているもので、多板摩擦クラッチ27,27’、プレ
ッシャリング28,28’、リアクションプレート2
9、29’、スラスト軸受30,30’、スペーサ3
1,31’、プッシュロッド32、油圧ピストン33、
油室34、油圧ポート35を備えている。
【0024】前記多板摩擦クラッチ27,27’は、デ
ィファレンシャルケース18に回転方向固定されたフリ
クションプレート27a,27’aと、サイドギヤ2
1,21’に回転方向固定されたフリクションディスク
27b,27’bとによって構成され、軸方向の両端面
にはプレッシャリング28,28’とリアクションプレ
ート29,29’とが配置されている。
【0025】前記プレッシャリング28,28’は、ク
ラッチ締結力を受ける部材として前記ピニオンメートシ
ャフト19に嵌合状態で設けられたもので、その嵌合部
は、図3に示すように、断面方形のシャフト端部19a
に対し角溝28a,28’aによって嵌合させ、従来の
トルク比例式差動制限機構のように、回転差によるスラ
ストが発生しない構造としている。
【0026】前記油圧ピストン33は、油圧ポート35
への油圧供給により軸方向(図面右方向)へ移動し、両
多板摩擦クラッチ27,27’を油圧レベルに応じて締
結させるもので、一方の多板摩擦クラッチ27は、締結
力がプッシュロッド32→スペーサ31→スラスト軸受
30→リアクションプレート29へと伝達され、プレッ
シャリング28を反力受けとして締結され、他方の多板
摩擦クラッチ27’は、ハウジング16からの締結力と
なって締結される。
【0027】差動制限油圧アクチュエータ12は、クラ
ッチ締結力となる油圧を発生する外部装置で、油圧ポン
プや制御バルブ等を備え、制御圧油路51により油圧ポ
ート35に連結されている。
【0028】差動制限コントローラユニット13は、車
載のマイクロコンピュータを用いたもので、入力回路1
31、RAM(ランダム.アクセス.メモリ)132、
ROM(リード.オンリー.メモリ)133、CPU
(セントラル.プロセシング.ユニット;中央演算処理
装置)134、クロック回路135、出力回路136、
異常検出回路137,フェイルセーフ回路139(フェ
イルセーフ手段に相当)を備えている。
【0029】入力センサ14としては、車速センサ14
1と他のセンサ・スイッチ類142が設けられている。
【0030】前記入力回路131は、前記入力センサ1
4からの入力信号(v)等をCPU134にて演算処理
できるデジタル信号に変換する回路である。
【0031】前記RAM132は、書き込み読み出しの
できるメモリであり、各センサ141、142からの入
力信号の書き込みや、CPU134での演算途中におけ
る情報の書き込みが行われる。
【0032】前記ROM133は、読み出し専用のメモ
リであって、CPU134での演算処理に必要な情報が
予め記憶されていて、必要に応じてCPU134から読
み出される。
【0033】前記CPU134は、入力された各種の情
報を定められた処理条件に従って演算処理を行う装置で
ある。
【0034】前記クロック回路135は、CPU134
での演算処理時間を設定する回路である。
【0035】前記出力回路136は、CPU134から
の演算結果信号に基づいて、差動制限油圧アクチュエー
タのソレノイドバルブ等に対し差動制限制御信号を出力
する回路である。
【0036】前記異常検出回路137は、CPU134
の暴走による異常や供給電源落ちによるCPU137の
停止を検出する回路で、CPU134の電圧レベルを監
視し、電圧レベルが一気に零ボルトにダウンするような
場合、異常検出信号をフェイルセーフ回路138に出力
する。
【0037】前記フェイルセーフ回路138は、異常検
出回路137から異常検出信号が入力された場合、AB
Sコントローラ60に対しABS減圧しきい値を通常の
第1減圧しきい値より高い第2減圧しきい値に変更する
指令が出力される。この第2減圧しきい値への変更指令
により、車輪ロックの許容幅を小さくし、少しでも車輪
ロック気味になるとブレーキ液圧を減圧するABS制御
となり、通常のABS制御に比べて制動力が低減され
る。尚、異常検出回路137及びフェイルセーフ回路1
38は、CPU134等への供給電源とは別の電源を持
つ。
【0038】前記ABSコントローラ60は、各車輪速
センサからの信号に基づいて制動時に各輪の減速スリッ
プ量を監視し、減速スリップ量がABS減圧しきい値を
超えた場合、ブレーキ液圧の減圧を行なう指令をブレー
キ液圧制御アクチュエータ61に出力する等、ブレーキ
液圧を増圧・保持・減圧の3モードにより制御すること
で制動ロックを抑えられる。
【0039】次に、作用について説明する。
【0040】(イ)差動制限制御作動 図6は実施例装置の差動制限コントローラ13で行なわ
れる差動制限制御作動の流れを示すフローチャートで、
以下、各ステップについて説明する。
【0041】ステップ200では、車速センサ141か
らの車速信号(v)により求められた車速Vが入力され
る。
【0042】ステップ201では、前記ステップ200
で入力された車速Vの時間微分値である車速微分値V’
が演算される。
【0043】ステップ202では、前記201で演算さ
れた車速微分値V’と、予めコントロールユニット13
のROM133に記憶させてある車速微分値V’と差動
制限力F(指令値)との関係を示すマップ(図5)か
ら、車速微分値V’に応じた差動制限力F(指令値)が
テーブルルックアップにより検索される。
【0044】尚、図5に示すマップには、車速微分値
V’が中減速域にあるVo'までは、その値V’が大きく
なるほど大きな差動制限力Fを与え、それより高い減速
域では、その値V’が大きくなるほど小さな差動制限力
Fを与え、所定の高減速域以上になると一定の差動制限
力Fを与えるように設定されている。
【0045】ステップ203では、前記ステップ202
で得られた差動制限力Fに応じた差動制限制御信号が出
力される。
【0046】(ロ)CPU異常時のフェイルセーフ作用 図7は実施例装置のABSコントローラ60で行なわれ
るCPU異常時のフェイルセーフ制御作動の流れを示す
フローチャートで、以下、各ステップについて説明す
る。
【0047】ステップ300では、フェイルセーフ回路
138からの出力信号が正常時を示す信号かどうかが判
断される。
【0048】ステップ300でYESと判断された時
は、ステップ301へ進み、正常時のABS制御で用い
る第1減圧しきい値に設定される。
【0049】ステップ300でNOと判断された時は、
ステップ302へ進み、異常時のABS制御で用いる第
2減圧しきい値に設定される。
【0050】ステップ303では、ステップ301で設
定された第1減圧しきい値あるいはステップ302で設
定された第2減圧しきい値に基づきABS後輪ブレーキ
液圧制御が行なわれる。
【0051】(ハ)CPU正常時の差動制限制御作用 通常制動による旋回時等であって、車速微分値V’が中
減速域のVo'までの時には、差動制限力制御として、図
5のマップに示すように、車速微分値V’の大きさに応
じて差動制限力Fを強める制御が行なわれる。
【0052】従って、差動制限力Fにより旋回内輪側の
制動トルクが増大し旋回外輪側の制動トルクが減少する
ことで生じるトルク差によりアンダーステア方向のモー
メントが車両重心回りに発生することになり、緩減速旋
回時に車両減速度による荷重移動とタイヤ接地特性に基
づいて発生するタックイン方向のモーメントが差動制限
力Fによるアンダーステア方向のモーメントで打ち消さ
れ、タックイン現象が有効に防止される。
【0053】急制動による旋回時等であって、車速微分
値V’が中減速域のVo'を超える急減速域の時には、差
動制限力制御として、図5のマップに示すように、車速
微分値V’の大きさに応じて差動制限力Fを弱める制御
が行なわれる。
【0054】従って、差動制限力Fにより旋回内輪側の
制動トルクが増大し旋回外輪側の制動トルクが減少する
ことで生じるトルク差により発生するアンダーステア方
向のモーメントが減少し、急減速旋回時にタックイン防
止を超える過大なアンダーステア方向のモーメントが残
ってしまうことによる強アンダーステアが防止される。
この結果、車両の回頭性が向上し、狙った旋回ラインに
近いラインに沿う旋回走行が可能となる。
【0055】(ニ)CPU異常時 上記のように車両減速度に応じて差動制限制御が行なわ
れている途中でCPU134の暴走や供給電源落ちによ
るCPU134の停止が発生した場合、図7のフローチ
ャートで、ステップ300→ステップ302→ステップ
303へと進む流れとなり、アンチスキッドブレーキシ
シテムにおいて第2減圧しきい値によりABS後輪ブレ
ーキ液圧制御が行なわれる。
【0056】従って、両制御システムのうち一方の差動
制限制御システム側でCPU134の異常により差動制
限力が急に零となるのに代え、他方のアンチスキッドブ
レーキ制御システム側で左右駆動輪へのブレーキ液圧が
低下し、左右駆動輪の制動力が低減される。つまり、A
BSコントローラ60において、第1減圧しきい値が選
択されている時には、図8に示すように、後輪速が少し
ロック傾向にあっても第1減速しきい値以下になること
がなく、ABS作動が行なわれることなく、後輪ブレー
キ液圧は減圧されないまま保持される。しかし、ABS
コントローラ60において、第2減圧しきい値が選択さ
れている時には、図9に示すように、後輪速が少しロッ
ク傾向になるだけで第2減圧しきい値以下となり、AB
S作動により第2減圧しきい値以下となる毎に後輪ブレ
ーキ液圧が減圧されることになり、トータルとしての後
輪ブレーキ液圧は第1減圧しきい値が選択されている時
に比べ低減されることになる。
【0057】これにより、CPU134の異常時には、
左右駆動輪への制動力が減少した分、左右駆動輪の横力
が増大し、差動制限力が急に零となることによるタック
イン方向の車両挙動変化が抑えられる。
【0058】次に、効果を説明する。
【0059】(1)CPU134の暴走や停止を検出す
る異常検出回路137により異常が検出された時、差動
制限コントローラ13からABSコントローラ60への
指令によりABS制御での減圧しきい値を高く設定し、
駆動輪制動力を低減するフェイルセーフ回路138を設
けた為、CPU134の暴走や停止時に車両挙動の急変
防止を図ることができる。
【0060】(2)差動制限制御として車両減速度に応
じて差動制限力を付与するタックイン防止制御とし、差
動制限力の付与と駆動輪への制動力付与とが互いにリン
クしている為、旋回時に制動操作により発生しようとす
るタックインを防止できると共に、このタックイン防止
制御中にCPU134の暴走や停止が発生した時にタッ
クイン方向の車両挙動の急変防止を図ることができる。
【0061】以上、実施例を図面により説明してきた
が、具体的な構成は実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加等があ
っても本発明に含まれる。
【0062】例えば、実施例では、差動制限制御として
車両減速度に応じて差動制限力を付与するタックイン防
止制御とする例を示したが、具体的な制御内容は実施例
に限られるものではない。
【0063】実施例では、差動制限手段として制御油圧
により締結される多板摩擦クラッチ機構とする例を示し
たが、同様に、外部からの制御でクラッチ締結力を制御
できる電磁クラッチ等としても良い。
【0064】実施例では、制動力低減手段として、アン
チスキッドブレーキシステムを用いる例を示したが、通
常のブレーキシステムのブレーキ液圧路の途中に例え
ば、特開昭61−282156、同61−282155
等に用いられたような、スプリットポイントを調整でき
る減圧バルブ等を設けるような手段としても良い。
【0065】実施例では、CPUの異常検出回路とフェ
イルセーフ回路を独立して設け、また、これらの回路を
別電源により作動させる例を示したが、例えば、差動制
限コントローラと同じ電源を用い、CPU正常時に所定
の電圧レベルを確保しておいて、CPU異常時に急に電
圧レベルが零になることを利用し、この零電圧自体を制
動力低減手段への指令信号とするような異常検出&フェ
イルセーフ回路とするような例としても良い。
【0066】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明にあっ
ては、外部から差動制限力を付与し、所定の制御条件に
従って差動制限制御を行う車両用差動制限制御装置にお
いて、中央演算処理装置の暴走や停止を検出する異常検
出回路により異常が検出された時、差動制限コントロー
ラからの指令により左右駆動輪の制動力を低減するフェ
イルセーフ手段を設けた為、中央演算処理装置の暴走や
停止時に車両挙動の急変防止を図ることができるという
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用差動制限制御装置を示すクレー
ム対応図である。
【図2】本発明実施例装置の差動制限機構を内蔵した差
動装置を示す断面図である。
【図3】図2のZ方向矢視図である。
【図4】本発明実施例装置の電子制御系ならびに油圧制
御系を示す図である。
【図5】本発明実施例装置のコントロールユニットに予
め記憶させてある車速微分値と差動制限力との関係を示
すマップである。
【図6】本発明実施例装置の差動制限コントローラで行
なわれる差動制限制御作動の流れを示すフローチャート
である。
【図7】本発明実施例装置のABSコントローラで行な
われるCPU異常時のフェイルセーフ制御作動の流れを
示すフローチャートである。
【図8】ABSコントローラで第1減圧しきい値が選択
されている時のブレーキ制御状態を示すタイムチャート
である。
【図9】ABSコントローラで第2減圧しきい値が選択
されている時のブレーキ制御状態を示すタイムチャート
である。
【図10】タックイン現象を説明する説明図である。
【符号の説明】
a 中央演算処理装置 b 差動制限コントローラ c 差動制限手段 d 制動力低減手段 e 異常検出回路 f フェイルセーフ手段

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央演算処理装置を有し、所定の制御条
    件に従って差動制限力を付与する制御を行なう差動制限
    コントローラと、 前記差動制限コントローラからの指令により左右駆動輪
    の差動を制限する差動制限手段と、 信号指令により左右駆動輪の制動力を低減する制動力低
    減手段と、 前記差動制限コントローラに設けられ、中央演算処理装
    置の暴走や停止を検出する異常検出回路と、 前記異常検出回路により異常が検出された時、前記制動
    力低減手段に対し左右駆動輪の制動力を低減する前記信
    号指令を送るフェイルセーフ手段と、 を備えていることを特徴とする車両用差動制限制御装
    置。
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