JPH0516401A - プリント装置の制御方法 - Google Patents

プリント装置の制御方法

Info

Publication number
JPH0516401A
JPH0516401A JP3198911A JP19891191A JPH0516401A JP H0516401 A JPH0516401 A JP H0516401A JP 3198911 A JP3198911 A JP 3198911A JP 19891191 A JP19891191 A JP 19891191A JP H0516401 A JPH0516401 A JP H0516401A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink sheet
printing
printing apparatus
error
paper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3198911A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3025558B2 (ja
Inventor
Hidemune Ootake
英宗 大嶽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP3198911A priority Critical patent/JP3025558B2/ja
Publication of JPH0516401A publication Critical patent/JPH0516401A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3025558B2 publication Critical patent/JP3025558B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Accessory Devices And Overall Control Thereof (AREA)
  • Electronic Switches (AREA)
  • Impression-Transfer Materials And Handling Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 リセット信号により印字動作が中断された場
合でも、次の印写動作に余計な時間を必要とせず、且つ
誤動作や破損等を防止して生産性及び信頼性を向上させ
る。 【構成】 プラテンドラムとサーマルヘッドとの間に受
像紙とインクシートを介在させてそのサーマルヘッドで
圧接して受像紙に加熱記録することによりカラー画像を
形成するプリント装置において、操作部あるいは上位機
器から、又は上部ユニットの開閉により入力されるリセ
ット信号の検知により、印字動作の中断あるいはエラー
状態の解除動作を行わせると共に、所定のリセット動作
に並行してインクシートの先頭色の色選択動作を行わせ
るように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、熱転写記録方式によ
り受像紙に加熱記録してカラー画像を形成するプリント
装置の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種のプリント装置は、複数
の発熱素子からなるサーマルヘッドを、複数の色の面を
順次形成したインクシートを介してプラテンドラムに固
定されて搬送される受像紙に圧接し、加熱記録すること
によりカラー画像を形成するものである。
【0003】インクシートは例えば透明なフィルム上に
イエロY,マゼンダM,シアンCの3色のインクが面順
次に塗布され、各色の先頭位置に色識別用のマークがそ
れぞれ相異なる位置に設けてあり、これらを複数のセン
サにより検知して各色の頭出しを行うようになってい
た。そして、従来のこのようなプリント装置では、これ
らのインクシートの色選択動作は印写動作の開始と同時
に行うように制御されていた。
【0004】また、例えば特開平1−184184号及
び184185号公報に示されるように、プリント装置
の保守点検用蓋を開くことにより制御部に割り込み信号
が入力し、一部の機能を生かしたまま手動操作を可能に
し、障害排除後に蓋を閉じることにより駆動部が初期状
態に自動復帰するようにしたものも知られている。
【0005】さらに、特開平2−188821号公報に
示されるように、プリント装置が印字動作を行っている
時に、ホストシステムからその印字動作を一時的に強制
停止させることにより、異常動作の即時停止を可能とし
て故障を未然に防止すると共に復旧時間の短縮を図るよ
うにしたプリンタ装置も公知である。
【0006】さらにまた、特開昭60−199685号
公報に示されるように、インク担体の長手方向に設けら
れた複数の帯状のマーク表示部に各インク色に対応して
選択的にマークを設け、マーク表示部のそれぞれに臨ま
せたマーク検知部の検知結果によりインク色を判定する
ようにして各インク色を確実に検出し得るようにしたイ
ンク担体の色検出装置、特開昭61−132375号公
報に示されるように、インクシートが各色毎に頭出し検
出用マークを設けると共に、シートの終端にY,検出用
の第1のセンサとM,C検出用の第2のセンサとが同時
に動作する検出用マークを配設することにより、少ない
数のセンサでインクシートの終端を検知させるようにし
た熱転写プリンタ、特開昭61−242869号公報に
示されたように、ブロック別マーク及び色別マークと、
インクシートの終端を示すマークとの位置関係を特定す
ることにより、終端検知での誤動作を無くしたカラー転
写シートも知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の諸技術にあってはそれぞれ次のような問題点
がある。すなわち、インクシートの色選択動作が印写動
作の開始と同時に行れるようになっているので、例えば
リセット信号により印写動作が中断されてインクシート
が途中で停止した場合等では、次回の印写に際してイン
クシートの色選択動作に余計な時間が費やされて印写時
間に大きな無駄が生じるという不具合があった。
【0008】また、保守点検用蓋を開くことにより制御
部に割り込み信号が入力されるようにしたものは、蓋の
開閉動作のみによって異常状態の復帰動作を行わせるよ
うになっているので、例えば給紙不良や排紙不良等のよ
うに蓋の開閉動作を行わなくても障害の除去が可能な場
合にも、蓋の開閉動作を行わなければならず、蓋を閉じ
た時に直ちにリセット動作を行うと、蓋開閉動作検知手
段にノイズ信号が入力された場合等に誤動作の原因とな
る不都合がある。
【0009】そして、サーマルヘッドが蓋部分に取り付
けられ、リセットスイッチ等によってリセット動作を行
わせるようにしたプリント装置にあって、蓋が開放状態
のままでもリセット動作を行わせるように制御された場
合には、サーマルヘッドやプラテンドラムが損傷するお
それがあるという問題点も生じる。
【0010】さらに、ホストシステムから印字動作中の
プリント装置をホストシステムから停止させるようにし
たものにあって、給紙動作から印写動作を経て排紙動作
に至る一連の動作中の任意の動作中に何時でも中断可能
であるようにしようとすると、給紙及び排紙動作中の場
合には受像紙の紙づまり等が発生するおそれがあり、カ
ラープリント装置にあっては、印写動作中断後に印写動
作を再開させても色ずれを回避することは困難であっ
た。
【0011】さらにまた、インク担体の長手方向に設け
たマーク表示部を検知してインク色を判定するようにし
たものは、インクシートが絡まったりインクモータの動
作不良等で色選択動作が確実に行われない場合の処理に
ついては記載がなく、インクシート終端部の検知につい
ても残量検知のみでインクシート交換表示がなされてい
ない。
【0012】なお、インクシートの各色に対して頭出し
検出用マークと終端検出用マークを設けたものは、終端
部の検出は確実となるが、マゼンタMとシアンCの検出
用センサが同一であるため、マゼンタMのマーク検出ミ
スが発生した場合には、マゼンタMで転写すべきところ
をシアンCで転写してしまう恐れがあり、ブロック別マ
ーク及び色別マークと、インクシートの終端を示すマー
クとの位置関係を特定するようにしたものは、終端検知
のために専用のセンサを設けなければならずコスト高に
なるという不具合があった。
【0013】この発明は上記の点に鑑みてなされたもの
であり、リセット信号により印写動作が中断された場合
でも、次の印写動作に余計な時間を必要としない生産性
及び信頼性の高いプリント装置を提供することを目的と
する。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の目的を
達成するため、受像紙を巻き付けて搬送及びプリントを
行うプラテンドラムと、このプラテンドラムに受像紙を
固定させるためのグリッパと、加熱書き込み手段として
のサーマルヘッドと、複数の色のインク面が順次形成さ
れ複数の色識別マークとインクエンド表示用マークとが
設けられたインクシートと、このインクシートの色選択
動作を行うための一対のセンサと、上記プラテンドラム
とサーマルヘッドとの間に受像紙とインクシートとを介
在させてサーマルヘッドで圧接し、受像紙に加熱記録す
ることによりカラー画像を形成するプリント装置の制御
方法において、図1に示すようにリセット信号を検知す
ることにより、印写動作の中断あるいはエラー状態の解
除動作を行わせると共に、所定のリセット動作に並行し
てインクシートの先頭色の色選択動作を行わせるように
制御するプリント装置の制御方法を提供するものであ
る。
【0015】そして、このプリント装置の制御方法にお
いて、インクシートに設けた色識別マークのインクシー
ト巻き取り方向の長さをインクシートのたるみ巻き取り
長さより長く設定し、印写開始に先立って上記色識別マ
ークが一対のセンサから外れることなく上記インクシー
トのたるみを巻き取るように制御するのがよい。
【0016】上記プリント装置に解除可能なエラーが発
生した際に、その制御部にリセット信号が入力されたこ
とを検知することにより上記エラーのチェック動作及び
解除動作を実行させると共に、上記プリント装置の操作
部に設けられたリセット信号入力手段,上記プリント装
置の上部ユニットの開閉状態を検知する手段,上記プリ
ント装置に接続された上位機器のいずれかからリセット
信号が入力すると、それを検知するようにするとよい。
【0017】このような制御を行なうプリント装置の操
作部に設けられたリセット信号入力手段または上位機器
からのリセット信号を検知してリセット動作を行わせる
際に、プリント装置の上部ユニットが閉状態の時にのみ
リセット信号が有効となるように制御するとさらによ
い。
【0018】また、その上部ユニットの開閉状態を検知
する手段がその開状態を検知することによりリセット信
号を発生させ、閉状態を検知するとにより上記リセット
信号が有効となるように制御することも可能である。
【0019】そして、上部ユニットが閉状態から開状態
に変化した時に発生するリセット信号が、上記上部ユニ
ットの開閉状態を検知する手段が閉状態を検知してから
所定時間閉状態が継続した後に有効となるように制御す
るのが好ましい。
【0020】さらに、プリント装置の制御部にリセット
信号が入力された際に、上記プリント装置が印写動作あ
るいはインクシートの色選択動作を行っている場合には
直ちに印写動作を中断して所定のリセット動作を行い、
給排紙動作を行っている場合にはその給排紙動作が完了
した後に所定のリセット動作を行うように制御するのが
よい。
【0021】また、インクシートの色選択を行うための
一対のセンサが、色識別マークを検知してから所定時間
経過した後も上記色識別マークを検知し続けた場合、上
記一対のセンサが共に上記色識別マークを検知している
時にはインクシートエンドと判断し、一方のみが検知し
ている時にはインクシートエラーと判断するように制御
することもできる。
【0022】そして、インクシートエンドと判断された
場合には、プラテンドラムに巻き付けられた受像紙の排
紙動作を行わせ、インクシートエラーと判断された場合
には、上記受像紙の排紙動作を行わせないように制御す
るとさらによい。
【0023】さらにまた、上記のプリント装置の制御方
法において、上記プリント装置の操作部に単色印写モー
ドを選択するように設けられた色選択キーにより単色印
写モードが選択された時、リセット信号により印写動作
の中断あるいはエラー状態の解除動作を行わせると共
に、所定のリセット動作に並行して次位の同一色選択動
作を行わせるように制御することも可能である。
【0024】
【作用】この発明によるプリント装置の制御方法は、上
記のように制御することにより、リセット信号により印
写動作の中断あるいはエラー状態の解除動作が行わせる
と共に、所定のリセット動作に並行してインクシートの
先頭色の色選択動作を行わせることができるので、次の
印写時に余分なインクシートの巻き上げ動作を行う必要
がなく、速やかに印写動作を行うことが可能になり、操
作性及び生産性を著しく向上させることができる。
【0025】そして、インクシートの色識別マークのイ
ンクシート巻き取り方向の長さをインクシートのたるみ
取り長さより長く設定し、印字開始に先立ってインクシ
ートのたるみを巻き取るようにすることにより、色識別
マークがインクシートセンサの検出領域から外れる恐れ
がなく、検出ミスによるインクシートの無駄な消費を防
止することができる。
【0026】上記プリント装置に解除可能なエラーが発
生した際に、そのエラーのチェック動作及び解除動作を
実行させると共に、プリント装置側のリセット信号入力
手段、プリント装置の上部ユニット開閉検知手段、プリ
ント装置に接続された上位機器のいずれかから入力され
るリセット信号を検知するようにすることにより、エラ
ー処理の操作性を著しく向上させることができる。
【0027】このような制御を行なうプリント装置の操
作部に設けられたリセット信号入力手段又は上位機器か
らのリセット信号を検知することによりリセット動作を
行わせる際に、上部ユニットが閉状態の時にのみリセッ
ト信号が有効となるようにすることにより、上部ユニッ
ト開放状態のままでエラーのチェック動作や解除動作を
行ってサーマルヘッド等を破損する恐れをなくすること
ができる。
【0028】また、上部ユニットの開閉状態検知手段が
開状態を検知することによりリセット信号を発生させ、
開状態から閉状態に変化したことを検知することにより
有効となるようにすることにより、上部ユニットの開閉
動作のみで自動的にリセット信号が発生するので、操作
性が向上する。
【0029】そして、上部ユニットが閉状態から開状態
に変化した時に発生するリセット信号が、上部ユニット
開閉検知手段による閉状態検知から所定時間閉状態が継
続した後に有効となるようにすることにより、上部ユニ
ットの閉動作が不完全に行われた場合や閉状態検知手段
にノイズが入力された場合には、エラーチェックや解除
動作が行われないようにして誤動作を防止することがで
きる。
【0030】さらに、プリント装置の制御部にリセット
信号が入力された際に、プリント装置が印写動作やイン
クシートの色選択動作を行っている場合には直ちに印写
動作を中断して所定のリセット動作を行い、給排紙動作
を行っている場合にはそれが完了した後に所定のリセッ
ト動作を行うようにすることにより、プリント装置を速
やかに印写可能状態に復帰させることができると共に、
紙づまりを未然に防止することが可能になる。
【0031】また、色選択センサが色識別マークを検知
してから所定時間経過後もそれを検知し続けた場合に、
一対の色選択センサが共に検知している時にはインクシ
ートエンドと判断し、一方のみが検知している時にはイ
ンクシートエラーと判断することにより、インクシート
モータの動作不良やインクシートの切断等を速やかに検
知することができる。
【0032】そして、インクシートエンドと判断された
場合には、プラテンドラムに巻き付けられている受像紙
を排紙させ、インクシートエラーと判断された場合には
上記受像紙の排紙を行わせないようにすることにより、
インクシートエラー時にインクシートがたるんだ状態に
あった場合に、インクシートがプラテンドラムに巻き付
いたり切断されたりする等の不具合を防止することがで
きる。
【0033】さらにまた、単色印写モードが設けられた
プリント装置で単色印写モード選択時、リセット信号に
よる印写動作の中断やエラー状態の解除動作に平行して
次位の同一色選択動作を行わせるようにすることによ
り、次の印写時に余分なインクシートの巻き上げ動作が
不要になり、操作性,生産性を向上させることが可能に
なる。
【0034】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて具
体的に説明する。この発明を実施するプリント装置の基
本構成例を図2に示す。
【0035】プリント装置100は、受像紙Pを巻き付
け、搬送・印写するためのプラテンドラム110及びプ
ラテンドラム110を回転駆動するためのドラムモータ
(図示せず)、受像紙Pをプラテンドラム110に固定
するためのグリッパ120、プリント装置100に着脱
自在に設けられたインクシートカセット151に収容さ
れインクモータ(図示せず)により搬送されるインクシ
ート150、プラテンドラム110との間に受像紙Pと
インクシート150を介して加圧・加熱することにより
受像紙Pに画像を形成するサーマルヘッド140とを有
する。
【0036】なお、インクシートカセット151には収
容するインクシート150の種類を表示するラベル15
2が貼着してある。サーマルヘッド140はヘッド加圧
モータ(図示せず)により動作するサーマルヘッド加圧
機構141により、プラテンドラム110に加圧される
構成になっている。
【0037】また、プラテンドラム110に受像紙Pを
給送するための手段として、給紙カセット160に積載
された受像紙Pを搬送するための給紙ローラ161と、
手差し台170から給紙を行うための手差し給紙ローラ
171とを有し、印写終了後の受像紙Pは排紙ローラ1
81により、排紙トレイ180上に排出積載される。上
記の各ローラは給排紙モータ(図示せず)により、ギア
またはベルト等の駆動力伝達手段を介して駆動され、給
紙ローラ161はクラッチ(図示せず)により必要なと
きのみ駆動力が伝達されるように構成されている。
【0038】さらに、給紙カセット160および手差し
台170には紙幅に合わせてスライド可能な紙ガイド板
(図示せず)が設けられており、この紙ガイド板と一体
に形成された遮光板(図示せず)を後述する紙サイズセ
ンサで読み取ることにより、セットされた受像紙Pの紙
幅を検知することができるように構成されている。
【0039】また、プリント装置100はヒンジ部10
3を有し、上部ユニット101はこのヒンジ部103の
支持軸104を軸としてクラムシェル状に開閉可能とな
っている。この上部ユニット101にはサーマルヘッド
140およびインクシートカセット151が保持されて
おり、開放動作に伴い、上部ユニット101に保持され
たまま下部ユニット102から離脱する(上部ユニット
101が開いている状態を図中一点鎖線で示す)。上部
ユニット101が閉じた状態では、上部ユニット101
に設けられた嵌合部材105が下部ユニット102に設
けられた嵌合ピン106と嵌合するようになっており、
さらに上部ユニット101をロックするためのカバーロ
ックソレノイド(図示せず)により開放禁止状態にする
ことができるように構成される。
【0040】図3に本発明におけるプリント装置の制御
部のブロック図の例を示す。このプリント装置100の
制御部200は、プリント動作のコントロールを行うシ
ステムコントローラ210、キー入力および状態表示を
行うための操作部240、各モータを駆動するための駆
動部250、装置の諸状態を検知するためのセンサ部2
60、外部装置290(ワークステーションやパーソナ
ルコンピュータ等のホスト291、FAX292など)
からの画像データを取り込むためのインタフェース(I
/F)280、スキャナ270によって読み取られた原
稿の画像データあるいは外部装置290から取り込んだ
画像データを、シェーディング補正やフィルター等によ
り加工してサーマルヘッド140に適合したデータに変
換するための画像処理部220、サーマルヘッド140
の駆動条件を制御するための熱制御部230で構成され
る。
【0041】図4にシステムコントローラ210の回路
構成を示す。CPU211はデータRAM,複数の8ビ
ットI/Oポート,A/Dコンバータ,16ビットソフ
トウェアタイマ,シリアルポート等を内蔵したシングル
チップ・マイクロコンピュータであり、プリント装置1
00のシーケンスコントロールを行う。このCPU21
1にプログラム用のPROM213およびデータ格納用
のRAM214を接続するために、ラッチ212(LS
373等)によりアドレスバスをデコードしている。ま
たデータラインは上位バイト(D15〜D8)と下位バ
イト(D7〜D0)の2つのラインに分けてそれぞれ2
つのPROM213およびRAM214に入力される。
【0042】デコーダ215は、PROM213,RA
M214およびI/Oエキスパンダ216(例えばPP
I8255)に送出するチップセレクト信号(反転C
S)を発生させるための素子(LS138等)である。
CPU211は上述のI/Oエキスパンダ216を介し
てモータの駆動、データの送受信等を行う。ドライバ2
17は、I/Oエキスパンダ216からの信号に応じて
モータ,クラッチ,ソレノイド等を駆動するための駆動
用素子であり、それぞれの被駆動体に対応した駆動素子
が用意される。
【0043】また、センサおよび各制御信号の送受信に
はバッファ218が用いられ、各信号ラインにはプルア
ップ用の抵抗である抵抗アレイ219(RAY)が接続
される。CPU211のA/D変換端子ANA1,AN
A2には、それぞれヘッド抵抗値測定部300及びヘッ
ド温度測定部301からのアナログ信号が入力される。
なお、上述のそれぞれの信号の詳細については後に述べ
る。
【0044】図5にプリント装置100の各センサの配
置図を示す。図において、S1は上部ユニット101の
開閉状態を検知するカバーオープンセンサ、S2はサー
マルヘッド140の加圧状態を検知するヘッド加圧セン
サ、S3はインクシートカセット151の有無およびイ
ンクシート150の種類を判別するインクシートカセッ
トセンサ、S4はインクシート150の色を判別するイ
ンクシートセンサである。S5は給紙カセット160内
の受像紙Pの有無を検知するカセット紙有無センサ、S
6は給紙カセット160内の受像紙Pのサイズを判別す
るカセット紙サイズセンサ、S7はカセット給紙搬送路
における受像紙Pの有無を検知するカセット給紙センサ
である。
【0045】また、S8は手差し台170のセット状態
を検知する手差し台センサ、S9は手差し台170にセ
ットされた受像紙Pを検知する手差し紙有無センサ、S
10は手差し給紙搬送路における受像紙の有無を検知す
る手差し給紙センサ、S11は手差し台170にセット
された受像紙Pのサイズを検知する手差し紙サイズセン
サである。さらに、S12はプラテンドラム110上の
受像紙を検知するドラム紙センサ、S13は排紙搬送路
における受像紙の有無を検知する排紙センサである。
【0046】そして、プラテンドラム110の回転軸に
は、プラテンドラム110に同期して回転可能に取り付
けられたディスク117が設けられており、さらにこの
ディスク117に設けられたスリット118を検知する
ことによりグリッパ120の位置を判別するための3個
のドラム位置センサDS1〜DS3が設けられている。
これらのセンサは、それぞれ印写開始位置センサDS
1,給紙位置センサDS2,及びヘッド開放位置センサ
DS3である。
【0047】図6にこのプリント装置100の操作部2
40の一例を示す。図において、1はパワーON状態
を、2はレディ状態を、3はビジィ状態をそれぞれ表示
するための発光ダイオード(以下「LED」という)で
ある。オンラインキー241はオンライン/オフライン
の切り換えを行うキーであり、このキー241を押すご
とにオンラインモードとオフラインモードがトグルで切
り換り、オンライン状態のときにはオンライン表示用の
LED16が点灯する。
【0048】リセットキー242はシステムコントロー
ラ210にリセット信号を送るためのキーであり、プリ
ント動作を中断したりエラー状態の解除を行うときなど
に使用される。LED4は受像紙のサイズを表示するた
めのLEDであり、用紙のサイズが検知されたときにい
ずれかひとつが点灯する。LED5はインクシート15
0の種類を表示するためのLEDであり、インクシート
カセット151に設けられたラベル152をセンサS3
で検知することにより、「standard」か「OHP」のい
ずれかが点灯される。
【0049】LED6〜LED8はそれぞれイエロY,
マゼンタM及びシアンC各色のプリント状態を表示する
ためのランサLEDであり、2個が対になったLEDが
各色分、つまり3組設けられている。これらのLED6
〜8は、各色のプリント開始時に一方が点灯し、終了時
に他方が点灯するように制御され、オペレータが一目で
プリント状況を把握することができるようになってい
る。
【0050】操作部240は、さらにサービスマンコー
ル表示LED9、カセット紙無し表紙LED10、手差
し給紙表示LED11、紙ジャム表示用のLED12、
インクシートカセット無し/インクシートエンド表示用
のLED13、カバーオープン表示用のLED14等を
有している。また、ひとつの表示では表しきれない場
合、たとえばエラーの種類や紙ジャムの位置等について
は、7セグメントLED15に表示された数字と他の表
示との組み合わせにより、その詳細がわかるように構成
されている。
【0051】なお、この操作部240には単色印写モー
ドを選択するための色選択キー243,244,245
が設けてあり、それぞれY,M,Cを選ぶことができ、
これらのキーのいずれかを押すことによりLED6,
7,8のそれに対応する一対が同時に点灯して選択色を
表示し、プリント時にはいずれか一方が消灯してプリン
ト状態を示す。
【0052】次に、上記のような構成からなる実施例の
作用を詳細に説明する。なお、ここでの動作説明は、プ
リント装置単体としての基本動作についてのものであ
り、スキャナに対する制御、インタフェースによる外部
機器との送受信等については割愛する。
【0053】プリント装置100に電源が投入される
と、図7のフローチャートに示すように、CPU211
は始めにCPU本体および周辺ICのイニシャライズを
行う。次に、RAM214の動作のチェックを行うため
にRAM214に対し特定データのライト・リードを行
う。この際エラーが発生した場合にはRAMエラーとな
り、サービスマンコールの点滅表示を行ったまま無限ル
ープに入る。RAM214が正常に動作したならば、熱
制御部230に対する初期値設定ルーチンに移る。
【0054】図8にその初期値設定ルーチンを示す。こ
の初期値設定ルーチンにおいては、初期値設定開始信号
を送出し、最大駆動エレメント数と最大印加パルス幅の
設定、ネガ/ポジモードの選択、抵抗値・エレメント数
補正データの転送、書込みアドレスの設定、ライン同期
信号(Lsync)及びレベル同期信号(LVsyn
c)の間隔設定、R/Lマージンのセット等を行った
後、初期設定終了信号を送出する。
【0055】抵抗値・エレメント数補正データの転送に
ついて、図9によりさらに説明を加える。サーマルヘッ
ド140の総エレメント数は2560ドットであり、こ
れが64ドットずつの40ブロックに分割されている。
各ブロックの64ドットのエレメントの抵抗値はヘッド
抵抗値測定部300により測定され、この測定値(アナ
ログ値)がCPU211のA/D変換端子ANA1に入
力されてデジタル値に変換される。これをブロックN
o.0〜39について順次行い、この測定結果を熱制御
部230に転送する。
【0056】さらに、各エレメントの抵抗値から平均抵
抗値を求め、各エレメントに対するエレメント差分デー
タの計算を行い、この結果も熱制御部230に転送され
る。このエレメント差分データの計算は、各エレメント
の抵抗値に対応した印加パルス数を設定するために行う
ものである。熱制御部230においては、これらのデー
タに基づき、ムラのない印写が行えるように各エレメン
トに印加するパルス幅およびパルス数を決定する。
【0057】初期値設定が終了したら、図7に戻ってプ
ログラム内で用いるソフトウェアタイマのセットを行
い、装置の機械上の初期設定(メカイニシャライズ)を
行う。このメカイニシャライズのルーチンを図10に示
す。メカイニシャライズでは、まずカバーオープンセン
サS1をチェックし、オープン状態ならばエラーとな
る。
【0058】次に、手差し給紙センサS9、カセット給
紙センサS7、排紙センサS13をそれぞれチェック
し、いずれかが検知状態にあった場合にはエラーバッフ
ァにエラーコードを書き込む。エラーバッファとはエラ
ーコードを格納するための変換用レジスタであり、詳細
はエラー処理の項で説明する。エラーになった場合に
は、各モータおよびカバーロックをオフし、ビジィ信号
を出力した後エラーフラグをセットしてメインルーチン
に戻る。
【0059】つぎにドラム紙センサS12をチェック
し、検知状態(ドラム上に受像紙Pが巻き付いた状態)
にある場合には排紙動作を行い、検知状態にない場合は
排紙チェックを行う。排紙チェックルーチンでは、図1
1に示すように、ドラムモータと給排紙モータを同時に
駆動させ、排紙ローラ181を所定距離だけ駆動する間
に排紙センサS13がオンした場合には排紙ジャムエラ
ーとなってメカイニシャライズルーチンに戻る。オンし
なかった場合には給排紙モータを停止させ、プラテンド
ラム110をヘッド開放位置センサDS3がオンするま
で駆動させ、メカイニシャライズルーチンに戻る。
【0060】この排紙チェック動作は、受像紙Pが、グ
リッパ120からはずれて排紙搬送路に達している状態
かどうかを判別するためのものである。この動作によ
り、排紙動作中にメインスイッチがオフされた場合等に
起き得る受像紙Pのジャム状態をイニシャライズ時に検
知することで、装置内に残存する受像紙Pを完全に排除
することができる。
【0061】図10において、排紙チェックルーチンで
エラーにならなかった場合には再びドラム紙センサS1
2をチェックし、オンしていれば排紙動作を行った後、
オンしていなければそのままの状態から、プラテンドラ
ム110を印写開始位置(ホームポジション)まで駆動
してメインルーチンに戻る。メカイニシャライズルーチ
ンから図7のメインルーチンに戻ったら、エラーフラグ
のチェックを行い、エラーが発生していた場合にはエラ
ー処理ルーチンへ、エラーがなかったらメインループへ
進む。
【0062】図12にメインループルーチンのフローを
示す。メインループにおいては、エラーのチェック、イ
ンクシートおよび用紙サイズのチェック、オンライン/
オフラインのチェック、プリント信号のチェック、およ
びそれぞれのチェック動作におけるエラー発生のチェッ
クを行い、操作部240からのキー入力あるいは外部か
らの信号が入力されるまで上記のアイドリング動作を繰
り返す。
【0063】まず、エラー状態のチェックであるが、メ
インループに処理が移った際に、すでに「サービスマン
コールエラー」が発生している場合には、無限ループに
入り以降の処理は行わない。次に、その他のエラーのチ
ェックを行い、エラーがある場合にはエラー処理ルーチ
ンへ飛ぶ。この装置の制御においては、エラーが発生し
た場合、エラーの原因を解消した後に上部ユニット10
1を開状態から閉状態にするかリセットキー242を押
して、リセット信号をCPU211に入力することによ
り、エラー状態からレディ状態に復帰するように設定さ
れている。
【0064】すなわち、エラー処理ルーチンにおいてセ
ットされた「リセット待機」フラグは、リセット信号が
入力された場合にリセットされ、代わりに「リセット入
力」フラグがセットされる。メインループにおいては、
これらのフラグをチェックしており、「リセット待機」
フラグがセットされていてリセットキーが押されていな
い場合には、リセット信号の入力があるまで待機状態と
なる。リセット信号が入力されると、メカイニシャライ
ズが行われ、前述のように各センサが再びチェックされ
る。当然ながら、このメカイニシャライズでエラーが発
生した場合には、再びエラー処理ルーチンに飛ぶ。
【0065】次に、インクシートカセット151のチェ
ックが行われる。図13にインクカセットチェックルー
チンを示す。このルーチンでは、インクシートカセット
151の有無、およびインクシート150の種類(スタ
ンダード用/OHP用)の判別を行う。インクシートカ
セット151がセットされていればLED5によりスタ
ンダードもしくはOHPの表示を行い、もしインクシー
トカセット151がセットされていなかった場合にはイ
ンクシートエラー(インクシートなし)となり、LED
13を点灯する。
【0066】インクシートカセット151の有無および
インクシート150の種類の判別は、図5に示したイン
クシートカセットセンサS3によって行う。このセンサ
S3は2つの反射型フォトセンサで構成され、インクシ
ートカセット151にはこのセンサS3に対向する位置
にインクシート150の種類に応じたラベルが貼られて
いる。
【0067】このラベルは、表面がセンサS3からの光
を反射するような材料で構成され、センサS3の2つの
フォトセンサの少なくとも一方に検知されるように貼ら
れている。したがって、一方のセンサがオンすればスタ
ンダード用、他方がオンすればOHP用、両方ともオフ
の場合はインクシートカセットがセットされていないと
いうふうに、それぞれの状態を判別することができる。
【0068】インクシートカセット151のチェックが
終わると、図12のメインループへ戻り、受像紙のサイ
ズ(用紙サイズ)のチェックを行う。この用紙サイズチ
ェックのルーチンを図14に示す。ここで、給紙には手
差し給紙とカセット給紙の2種類があるため、まずどち
らの給紙を使うかのチェックを行なう。このチェックに
は手差し台センサS8が用いられ、このセンサS8がオ
ンしていれば、すなわち手差し台170がセットされて
いれば手差し給紙と判断しLED11を点灯し、オフな
らばカセット給紙としてLED11を消灯する。
【0069】手差し給紙の場合、手差し紙有無センサS
9により手差し台170に受像紙Pがセットされている
かどうかをチェックし、セットされていればサイズのチ
ェックを行う。このサイズのチェックには手差し紙サイ
ズセンサS11を用い、検知した用紙サイズは操作部2
40のLED4に表示する。
【0070】カセット給紙の場合には、まず手差し紙有
無センサS9により手差し用紙がセットされているかど
うかをチェックし、紙があったときには手差しジャムエ
ラーとなりLED12を点灯し、LED15には手差し
ジャムエラーに対応した数字を表示する。このチェック
は、カセット給紙の際に手差し台170の紙が同時に給
紙されるのを防ぐために行われる。つぎに、給紙カセッ
ト160に紙があるかどうかをカセット紙有無センサS
5でチェックし、紙があればカセット紙サイズセンサS
6によりサイズのチェックを行って、結果をLED4に
表示し、紙がなければカセット紙無しエラーと判断して
LED10を点灯する。
【0071】次に、図12のメインループに戻って操作
部240のオンラインキー241のチェックを行う。そ
のオンラインチェックのルーチンを図15に示す。オン
ラインキー241が押されていたら現在の状態をチェッ
クして、リモート状態ならローカルモードに、ローカル
状態ならリモートモードにセットし直す。オンラインの
ときにはLED16を点灯してその状態を示す。また、
オンラインキー241が押されていなかったり、テスト
印写モードであった場合には、何の処理もせずにそのま
まこのルーチンを抜けて図12のメインループに戻る。
【0072】ここで、プリント装置がレディ状態か否か
をチェックし、レディならばテスト印写かどうかをチェ
ックする。テスト印写ならばそのままプリント動作のル
ーチンへ進み、そうでなければリモートモードかローカ
ルモードかのチェックを行う。リモートモードでかつプ
リント信号がホスト側から送られていたならプリント動
作に移り、他の場合はメインループの先頭へ戻って待機
状態となり、上述の各チェックを繰り返す。
【0073】図16にエラー処理のルーチンを示す。各
ルーチンでエラーが発生した場合には、必ずこのルーチ
ンによってエラー処理がなされる。エラー処理ルーチン
に制御が引き渡されると、まず各駆動手段すなわちドラ
ムモータ,インクモータ,給排紙モータをオフにする。
次にエラーバッファを参照することによりエラーの種類
の判別を行う。
【0074】このエラーバッファはCPU211の内部
レジスタファイルに設けられているエラーコードを格納
するための変数用レジスタであり、エラーが発生したと
きにそのエラーに対応したエラーコードがエラーバッフ
ァに格納される。エラーには、サービスマンコールエラ
ー,カバーオープンエラー,紙ジャムエラー,モータ動
作エラー,紙/インクシートなしエラー等があり、優先
順位はサービスマンコールエラー,カバーオープンエラ
ー,その他の順となっている。
【0075】サービスマンコールエラーの場合には、エ
ラー状態フラグに「エラーあり」および「サービスマン
コール」のフラグをセットした後、エラー処理、すなわ
ち各駆動系のオフ、ホストへのビジィ信号およびエラー
信号の出力、LED9もしくはLED14によるエラー
表示等を行い、エラーバッファをクリアしてエラー処理
ルーチンを抜ける。
【0076】カバーオープンエラーの場合には、エラー
状態フラグに「エラーあり」、「カバーオープンエラ
ー」および「リセット待機」のフラグをセットした後、
上述のエラー処理を行う。また、サーマルヘッド140
が加圧状態にある場合にはヘッドの圧解除を行う。これ
は、サーマルヘッド140を上昇させておくことによ
り、カバー(上部ユニット101)を閉じるときにサー
マルヘッド140がプラテンドラム110に衝突するの
を防ぐことを目的としている。
【0077】次に、エラー状態フラグをチェックして
「エラーあり」にセットされていた場合(エラー表示
中)には、上述のエラーを除くほかのエラー表示が既に
なされており、かつエラー解除がなされていない状態で
あるから、この場合にはエラーバッファをクリアするだ
けでルーチンを抜ける。このことは、以前に発生したエ
ラーの表示が優先され、このエラーが解除されなければ
つぎに発生したエラーの表示が行われないことを意味す
る。
【0078】その他のエラーのうち駆動系のエラーの場
合には、このエラー処理ルーチンにジャンプしてくるた
びにエラーカウンタ(ERR−CNT)をインクリメン
トし、このカウンタが2になった場合にはサービスマン
コールエラーとなり、エラー状態フラグに「サービスマ
ンコールエラー」をセットする。このことは、エラーが
発生した場合にリセット信号が入力されることによりエ
ラー解除動作が行われるが、リセット信号が2回以上入
力されてもエラーが解除されなかった場合にサービスマ
ンコールエラーになることを意味する。このようなエラ
ーが発生する可能性としては、モータあるいはモータド
ライバの故障,駆動伝達系の不具合,各センサ類の故障
等が考えられる。
【0079】紙無しエラーの場合には、ビジィ信号およ
びエラー信号の出力、LED10による紙無しエラー表
示、およびエラーバッファのクリアを行い、エラーフラ
グのセットは行わない。このエラーは紙をセットするこ
とで解消され、リセット信号の入力の必要はない。
【0080】その他のエラー、たとえば紙ジャムエラ
ー、インクシートエラー等の場合には、エラー状態フラ
グに「エラー有り」,「リセット待機」をセットし、上
述のエラー処理を行ってこのルーチンを抜ける。ジャム
エラーの場合には、ドラムモータおよび給排紙モータの
励磁電流をオフすることにより、プラテンドラムおよび
給排紙ローラがフリーに回転することができるようにな
って、ジャム紙を容易に取り除くことができる。
【0081】以下に各エラー状態の解除方法について簡
単にまとめると次のようになる。RAMチェックエラ
ー,サーマルヘッド高温異常エラーの場合は、サービス
マンコールエラーとなり復帰しない。サーマルヘッドモ
ータ,プラテンドラムモータ等の駆動系エラーの場合
は、リセット信号の入力で復帰する。ただし他のエラー
回復後、リセット信号が2回以上入力されても復帰しな
かった場合にはサービスマンコールエラーとなる。
【0082】カバーオープンエラーの場合は、上部ユニ
ット101を閉じることにより復帰する。インクシート
エンドエラーの場合は、インクシートカセット151を
新しいものに入れ換えて上部ユニット101を閉じるこ
とで復帰する。インクシートなしエラーの場合は、イン
クシートカセット151をセットして上部ユニット10
1を閉じることで復帰する。受像紙ジャムエラーの場合
は、ジャム紙を除去したあとリセット信号が入力される
ことで復帰する。
【0083】紙なしエラーの場合は、給紙カセット16
0または手差し台170に受像紙Pをセットすれば復帰
する。ここで、リセット信号はリセットキー242の押
下動作、上部ユニット101の開閉動作、上位機器から
のリセット信号入力のいずれかが行われたときに発生す
るものである。
【0084】このプリント装置100では、CPU21
1の割込み処理のうち、2種類の割込み処理、すなわち
外部割込み処理とタイマ割込み処理を行っている。この
うち外部割込み処理では、操作部240からのリセット
キー242の入力信号、外部装置からのリセット信号、
カバーオープンセンサからの信号、ライン同期信号等を
受け付け、外部割込み信号がどの信号なのかを判別した
後、それぞれの信号に応じた処理を行う。また、タイマ
割込み処理では、ステッピングモータの駆動、ソフトウ
ェアで使用するタイマの管理、操作部240のLED表
示の制御、サーマルヘッドの温度測定の管理、ウォッチ
ドッグタイマの管理等を行う。
【0085】以下、各割込み処理についての詳細な説明
を行う。リセット信号によるリセット動作には、エラー
解除動作とプリント動作の中断があるが、前者について
はすでに述べたので後者についてのみ説明する。ここ
で、プリント動作中は上部ユニット101は図示しない
カバーロック手段により開放禁止状態に保持されている
ため、カバーオープンによるリセット信号は発生しな
い。
【0086】印写動作中にリセットキー242の信号も
しくは外部装置からのリセット信号がCPU211の外
部割込み端子に入力されると、CPU211は即座に割
込み処理を行い、この処理の中でリセット入力フラグを
セットする。このリセット入力フラグがセットされる
と、プリント装置100はプリント動作を中止し、リセ
ット動作を行う。この際、プリント装置100がどのよ
うな動作を行っているかにより、リセット動作が多少異
なる。
【0087】給紙動作中の場合には、途中でリセット信
号が入力されても給紙動作を続行し、動作が完了した時
点でリセット入力フラグをチェックし、リセット入力フ
ラグがセットされていればリセット動作を行う。ここで
いうリセット動作とは、プラテンドラム110にセット
された受像紙Pの排紙動作と、エラーの有無のチェック
動作を行い、エラーがなかった場合にローカルモードに
セットし、レディ状態に復帰することを意味する。
【0088】インクシートセット動作中の場合には、直
ちにインクシートモータをストップし、上述のリセット
動作を行う。印写動作中の場合には、直ちにサーマルヘ
ッド140に供給される駆動用電源をオフして加圧状態
を解除した後、上述のリセット動作を行う。排紙動作中
の場合には、排紙動作を完了させ、エラーがなかった場
合はローカルモードにセットしてレディ状態に復帰す
る。
【0089】ここで、インクシートセットおよび印写動
作中にリセット信号が入力されたときは、印写途中でも
直ちにリセット動作を行うが、このままではインクシー
ト150の頭出しがされない状態でストップしてしま
い、つぎの印写を行うときにインクシート150の頭出
しを行うために余分な時間を費やさなければならなくな
る。
【0090】この不具合を解消するために、印写途中
に、リセット信号が入力されたときにはリセット動作を
行うのと同時にインクシート150の色選択動作を平行
して行わせれば良い。なお、インクシートの色選択動作
の詳細については、後述のプリント動作のインクシート
セットの項で説明する。
【0091】すなわち、リセット動作の開始と同時にイ
ンクモータをスタートさせ、たとえばタイマ割込みルー
チン内でインクシートセンサS4の出力をチェックする
ことで所望の色のところでインクモータをストップさせ
ることができる。この場合、インクシート150に形成
された複数の色のうち最初に印写される色、例えばY→
M→Cの順で印写されるとすればYの色識別マークを検
知したところでインクシートモータを停止させるのがよ
い。
【0092】ここで注意を要するのは、Yを識別するた
めのマークMKは、印写動作開始直後にインクシート1
50のたるみ防止のために行われるたるみ巻き取り動作
で巻き取られる長さよりも長くなければならないという
ことである。
【0093】もう一つの手段としては、インクシートモ
ータをシアンCを検知したところで停止させるという方
法がある。この方法によれば、次の印写動作開始の際に
インクシート150を一色分だけ余計に巻き取れば良い
ため、相応の効果が得られる。 ただし、この方法にお
いては、シアンCを印写している時にリセット信号が入
力された場合には、インクシート150の巻き取りは行
わないようにすることはいうまでもない。
【0094】また、単色印写モード選択時には、所定の
リセット動作に並行して次位の同一色、例えばCで印写
している場合にはY,Mを飛ばして次のCを検知したと
ころでインクモータを停止させるようにする。
【0095】カバーオープン割込みは、上部ユニット1
01が開放状態になったときに、カバーオープンセンサ
S1からの信号がCPU211の外部割込み端子に入力
されることにより発生する。この割込みでは、ヘッド駆
動用電源オフ,ヘッドの加圧解除,各駆動系およびカバ
ーロックソレノイドのオフ,カバーオープンエラーの出
力等の処理を行う。
【0096】また、この割込みによりCPU211に
「リセット信号入力あり」のフラグがセットされ、カバ
ーオープンセンサS1がカバーの閉状態を検知した際に
リセット信号が有効となり、所定のリセット動作が行わ
れる。すなわち、受像紙のジャムエラーやインクシート
エンド等が発生した際に、カバーを開放してエラーの要
因を除去した後に、カバーを閉じると自動的にリセット
動作が行われる。
【0097】ここで、カバーが閉じられてから所定時間
だけ閉状態が継続するのを確認してからリセット動作を
行わせるようにすれば、カバーの閉じ方が不完全だった
り、カバーオープンセンサS1にノイズが混入した際の
誤動作を防止することができる。
【0098】ライン同期信号(Lsync)による割込
みは、サーマルヘッド140の書き込み動作に同期させ
てプラテンドラム110を回転駆動させるために行わ
れ、このライン同期信号による割込みの度にドラムモー
タを所定のステップ数だけ駆動させ、プラテンドラム1
10が1ライン分だけ回転するように制御される。この
動作については、印写動作の説明の項で詳細に説明す
る。
【0099】このプリント装置100では、ドラムモー
タおよび給排紙モータにステッピングモータを用いてお
り、このモータはCPU211のタイマ割込みにより駆
動制御される。ソフトウェアタイマにステッピングモー
タの駆動速度に応じたタイマ値をセットすることによ
り、所定時間後にタイマ割込みがかかるため、この割込
みの度に励磁する相を変化させることによってモータを
駆動する。また、割込み処理の最中に、例えばセンサの
出力状態をチェックしてモータをストップさせる等の動
作を行うことにより、見かけ上メインフローと平行して
異なる制御を実行させることができる。
【0100】このプリント装置の制御では、定期的にタ
イマ割込みがかかるようなフリーランタイマ割込みを実
行させている。プログラム内で設定時間のチェックを行
う場合に用いるタイマ用のカウンタバッファは、このフ
リーランタイマ割込みによって管理する。すなわち、こ
のバッファに所定値をセットした後、フリーランタイマ
割込みにより0になるまで定期的に減算していく。した
がって、プログラム上でこのバッファをチェックするこ
とによって、所定時間が経過したかどうかを判断するこ
とができる。ここで、タイマ用バッファを複数セットす
ることにより、異なった設定時間の管理を平行して行う
ことができる。
【0101】また、前述のリセット動作におけるインク
シート150の色選択動作のように、他の動作と平行し
て異なる動作、たとえばセンサの出力チェック等を行わ
せる場合に、このタイマ割込みルーチンを利用すること
ができる。
【0102】操作部240の表示部にはLEDを用いて
いるが、このLEDはダイナミック駆動で点灯されてい
る。このダイナミック駆動は信号線をマトリクス状に配
線してオン/オフ信号を送るため、直接LEDを駆動す
るスタティック駆動に比べて信号線の数を減らすことが
できる反面、マトリクス状になった信号線の一方にデー
タをロードし、他方を定期的にスキャンさせる必要があ
る。したがって、上記のフリーラン割込みによりオン/
オフデータおよびスキャン信号のロードを定期的に行っ
ている。
【0103】サーマルヘッド140は印写動作を継続す
ることにより徐々に蓄熱されていくが、通常は冷却手段
により一定温度以上には上昇しないように制御されてい
る。しかし、環境温度の影響やサーマルヘッド140の
故障等の原因でヘッド温度が異常に上昇し、適正な印写
動作が行われなくなる可能性があるため、常にヘッド温
度のチェックを行う必要がある。ヘッド温度は、サーマ
ルヘッド140に内蔵されたヘッド温度測定部301
(たとえばサーミスタ等)により測定され、そのアナロ
グデータはCPU211のA/D変換端子ANA2に入
力される。
【0104】この測定結果は、上記のフリーラン割込み
が発生する毎にA/D変換され(ただし割込み発生時に
A/D変換実行中の場合には次の処理に進む)、予め設
定されている温度上限値と比較される。測定結果が一定
時間以上温度上限値をオーバーしていたならばヘッド温
度異常エラーとなり、そのとき実行していた動作を中断
してサービスマンコールエラー表示を行う。
【0105】CPU211は、システム上に発生した事
故からすばやく復旧させるために、ウォッチドッグ・タ
イマ機能を有している。このウォッチドッグ・タイマ
(以下「WDT」という)はシステムが立ち上がった時
点で初期化され、上記フリーランタイマ割込みの処理に
おいて定期的にリセットされる。もし所定時以内にWD
Tがリセットされないと、WDTのタイマがタイムアウ
トし、CPU211は自分自身をリセットして初期化す
る。この機能により、システムが暴走してもCPU21
1は所定時間後に自動復帰することができる。
【0106】図17にプリント動作のフローチャートを
示す。プリント装置100は、レディ状態でかつリモー
トモードの時、ホストからのプリント信号を受け付ける
とプリント動作を開始する。図17のプリント動作のル
ーチンでは、まずマージンの設定を行う。このマージン
の設定値は、用紙サイズのチェックを行った際に各サイ
ズに応じて選択されたものである。ここで、プリントカ
ウンタをリセットし、続いてジャムセンサのチェックを
行う。ジャムが発生していなければ、給紙動作を行いプ
ラテンドラム110に受像紙Pを巻き付ける。
【0107】次にインクシート150の色合わせ、すな
わちイエロYの選択を行う。このインクシートセットル
ーチンでは、インクシート150の色選択動作のほかに
インクシート150のエンド検知を行っているが、その
詳細については後述する。インクシート150のセット
と印写動作をイエロY,マゼンダM,シアンCの3色に
ついて行った後、プラテンドラム110に巻き付けられ
ている受像紙Pの排紙動作を行って一連のプリント動作
が完了する。
【0108】このルーチンで、ジャムセンサチェック,
給紙動作,ドラム紙センサチェック,排紙動作のいずれ
かにおいて、何らかのジャムが検知された場合にはプリ
ント動作を中止し、ジャム表示,各駆動手段の停止,エ
ラーバッファおよびエラーフラグのセットを行ってこの
ルーチンを抜ける。また、インクシートエンドエラーが
発生した場合には、すでにプラテンドラム110に受像
紙Pが巻き付いているため、インクシートエンドエラー
の表示,エラーバッファおよびエラーフラグのセットを
行った後、排紙動作を行う。
【0109】また、図には示していないが、プリント動
作中にリセットキー242が押された場合には、即座に
プリント動作を中断して図中Aで示したところへジャン
プし、排紙動作を行ってプリント動作を終了する。ただ
し、リセットキーが押されたときに給紙動作中であった
場合には、給紙動作が完全に終了してから排紙動作を行
う。また、印写動作中であった場合は、サーマルヘッド
に印加している電圧をオフし、へッドの加圧状態を解除
してから排紙動作を行う。
【0110】図17に示したプリント動作において、給
紙動作,排紙動作,インクシートセット,印写動作の4
つの動作について、以下に詳細に説明する。まず、図1
8〜20及び図21に基づいて給紙動作について説明す
る。図18〜20に給紙動作のフローチャートを、図2
1に給紙動作の各段階の状態をそれぞれ示す。
【0111】図18に示すように、給紙動作が開始され
るとまず初めにサーマルヘッド140の状態をチェック
し、加圧状態にあった場合には加圧の解除を行った後、
インクシート150を所定量だけ巻き上げる。このイン
クシート150の巻き上げ動作は、インクシート150
がたるんだ状態でプラテンドラム110を回転させた場
合に、インクシート150がプラテンドラム110に巻
く付くという現象が生ずる可能性があるので、それを防
ぐために行う。
【0112】次に、プラテンドラム110が印写開始位
置(DS1)に位置しているかどうかのチェックを行
い、他の位置にあった場合には印写開始位置まで移動さ
せる。この時の状態を図21の(a)に示す。ここで、
図18に示すように給排紙ソレノイドをONさせ、ドラ
ムモータをスタートさせたあと、手差し給紙かカセット
給紙かの判別を行い、カセット給紙の場合は図9のA
へ、手差し給紙の場合は同図のBへジャンプする。カセ
ット給紙と手差し給紙は一部を除いてほぼ同じ動作であ
るから、以降は図21を参照しながらカセット給紙を主
に説明し、手差し給紙については相違点のみを記す。
【0113】図18,19のフローチャートに示すよう
に、給紙動作の開始に伴い、ドラムモータと給排紙モー
タとがスタートし、同時にカセット給紙の場合には給紙
ローラ161に給排紙モータの駆動力を伝達するための
給紙ローラクラッチ(図示せず)をオンにする。手差し
給紙の場合には手差し給紙ローラは給排紙モータから常
に駆動力が伝達されているため、クラッチ等のON動作
は必要としない。
【0114】次に、給紙搬送路162上に配設されたカ
セット給紙センサS7(手差し給紙の場合は手差し搬送
路172上の手差し給紙センサS10)の出力及び給紙
位置センサDS2の出力をチェックして、カセット給紙
センサS7(または手差し給紙センサS10)がオンし
た場合には給排紙モータを停止させ、プラテンドラム1
10が給紙位置(DS2)に来るまでドラムモータの駆
動を続ける(図21の(b))。
【0115】なお、このときグリッパ120は給排紙ソ
レノイド190(図29参照)により開放状態になってい
る(グリッパ120の開閉動作については後述する)。給
紙位置センサDS2がオンしたならば、ドラムモータを
停止させ(図21の(c))、ドラムモータと給排紙モー
タが共に停止していることを確認してから、図20のC
にジャンプして、給排紙モータを再び駆動させて受像紙
Pをグリッパ120に侵入させる。
【0116】このとき、給排紙モータの搬送量は、カセ
ット給紙センサS7(または手差し給紙センサS10)
からグリッパ120までの距離よりも5〜10mm程度
長めに設定することが望ましい。これは、受像紙Pの先
端をグリッパ120に突き当てた後、さらに受像紙Pを
搬送して軽く撓ませることにより、給紙時に生じたスキ
ューを矯正するためである。
【0117】すなわち、この場合はグリッパ120をス
キュー矯正用のストッパとして利用していることにな
る。図20のフローチャートでは、前記搬送量を仮に4
5mmに設定している。このときの状態を図21の
(d)に示す。
【0118】続いて、給排紙モータを駆動したままドラ
ムモータをスタートさせると、グリッパ120が閉じ始
め、受像紙Pがプラテンドラム110に固定される。受
像紙Pがグリップされプラテンドラム110に巻き付け
られて充分に固定された状態で(図20のフローチャー
トにおいては50mm搬送するように設定している)、
給排紙モータをストップさせる(図21の(e))。
【0119】なお、給排紙モータの停止と同時に上記ロ
ーラクラッチもオフされ、給紙ローラ161はフリーな
状態となるため、プラテンドラム110が受像紙Pを巻
き付けて回転する際の負荷になることはない。この状態
でグリッパ120がヘッド開放位置(DS3)に達する
までプラテンドラム110を回転した後、ドラムモータ
を停止する(図21の(f))。
【0120】ここで、ドラム紙センサS12をチェック
して、オンしていれば紙の搬送方向の長さをセットして
給紙動作が完了する。もしドラム紙センサS12がオフ
であったなら、受像紙Pがプラテンドラム110上に固
定されていない状態であるからペーパージャムとなる。
【0121】図22に排紙動作のフローチャートを示
す。排紙動作では、まずプラテンドラム110が印写開
始位置DS1に位置している状態で給排紙ソレノイド1
90をオンさせ、同時にドラムモータと給排紙モータを
スタートさせる。給排紙ソレノイド190がオンした状
態でプラテンドラム110が回転すると、後述するよう
にグリッパ120が開放されイジェクトピン130(図
24参照)が受像紙Pを押し出すため、受像紙Pはプラ
テンドラム110を離れ、排紙搬送路182に送り出さ
れる。
【0122】ここで排紙センサS13の出力をチェック
し、給排紙モータが所定長さ(図では230mm)だけ
搬送しても排紙センサS13がオンしなかった場合に
は、排紙ミスと判断し排紙ジャム処理を行う。排紙セン
サS13がオンしたら、給排紙モータの搬送距離(図で
は370mm)を給排紙モータのステップカウンタにセ
ットし、印写開始位置センサDS1のチェック動作に移
る。
【0123】プラテンドラム110が印写開始位置DS
1に到達したら、ドラムモータをストップして給排紙モ
ータがストップしているかどうかをチェックする。な
お、給排紙モータを駆動するための割込み処理では、割
込みが発生する度に上記のステップカウンタを減算し、
ゼロになった時点でモータの駆動を停止し、ストップフ
ラグをセットするように設定されている。
【0124】したがって、上記の給排紙モータのストッ
プチェックは、このストップフラグをチェックすればよ
いことになる。給排紙モータが停止したなら、再び排紙
センサをチェックし、オフしていれば給排紙ソレノイド
190をオフしエラーフラグをクリアしてこのルーチン
を抜ける。
【0125】もし、排紙センサS13がオンしていれ
ば、受像紙Pが完全に排出されていない状態であるため
排紙ジャムとなり、排紙ジャムエラー表示を行い、給排
紙ソレノイド190をオフし、エラーフラグをセットし
てこのルーチンを抜ける。
【0126】ここで、図23乃至図29により、給排紙
動作についてさらに詳細な説明を加える。図23にプラ
テンドラム110の平面図を示す。円筒状のプラテンド
ラム110は平面部114を有し、この平面部114に
はプラテンドラム110の中空部まで貫通しグリッパ1
20を外部に突出させるための透孔115と、同じくイ
ジェクトピン130を突出させるための透孔116がそ
れぞれ複数個、交互に位置するように略一直線に列設さ
れている。
【0127】図24の(a)および(b)にグリッパ1
20がホームポジション(印写開始位置:DS1)に位
置しているときの状態を示す。図24の(a)にプラテ
ンドラム110の中に配設されたグリッパ120および
イジェクトピン130を示す。
【0128】プラテンドラム110は芯金部111とそ
の芯金部111に一定の厚さで被覆された弾性部材から
なる表層部112で構成されており、前述のように表層
部112の一部に平面部114が設けられている。12
1はグリッパ120を支持する支持軸、131はイジェ
クトピン130を支持する支持軸であり、それぞれ回動
可能に構成されている。
【0129】また、イジェクトピン130は支持端側の
径が図のように太くなっており、この膨大部と芯金部1
11の内壁との間に、イジェクトピン130を被うよう
な形でコイルスプリング133が設けられている。この
ため、イジェクトピン130は常にプラテンドラム11
0の内壁と反対側に力を受けており、イジェクトピン1
30の先端は通常はプラテンドラム110内に格納され
た状態になっている。
【0130】図24の(b)に、プラテンドラム110
の一方の端面部113に配設された各部材を示す、この
図において、122は一端が前記グリッパ120の支持
軸121に結合された弓型のアーム状部材(以下「弓型
アーム」という)であって、支持軸121を中心に回動
可能になっている。また、この弓型アーム122の他端
と端面部113に設けられたスプリング係止ピン124
との間には、スプリング123が係着され、弓型アーム
122全体がプラテンドラム110の軸方向に付勢され
ている。したがって、通常の状態ではグリッパ120は
閉じた状態になっている。
【0131】132は一端が前記イジェクトピン130
の支持軸131に結合されたアーム状部材(以下「イジ
ェクトアーム」という)であり、前述のようにイジェク
トピン130がスプリング133により付勢されている
ため、このイジェクトアーム132も弓型アーム122
と同様にプラテンドラム110の軸方向に付勢された状
態になっている。
【0132】191は図29に示すように、給排紙ソレ
ノイド190によって押し出される給排紙ピンであり、
下部ユニット102の側板102aに配設されたピンガ
イド192に緩挿されており、スプリング193により
プラテンドラム110とは反対の方向に付勢されてい
る。この給排紙ピン191は、支持部材102bに取り
付けられた給排紙ソレノイド190がオンすると仮想線
で示した位置までスライドし、オフするとスプリング1
93によりもとの位置に戻るようになっている。
【0133】給紙動作を開始すると、プラテンドラム1
10は図24の(b)の矢示A方向に回転し始め、同時
に図29の給排紙ソレノイド190がオンする。給排紙
ソレノイド190がオンすると、給排紙ピン191がス
プリング193を押し縮めながら図29の矢示B方向に
押し出される。給排紙ピン191が押し出された状態で
さらにプラテンドラム110が回転すると、給排紙ピン
191がまず弓型アーム122の内側面に当接し、弓型
アーム122を支持軸121を中心として時計回りに回
転させるため、支持軸121に結合されたグリッパ12
0が開き始める。
【0134】図25の(a),(b)はグリッパ120
が給紙位置(DS2)に達したときの状態を示してい
る。この位置では同図の(b)に示すように給排紙ピン
191はイジェクトアーム131から外れるため、同図
の(a)に示すイジェクトピン130はプラテンドラム
110内に格納された状態になっている。プラテンドラ
ム110はこの位置で一旦回転を停止し、グリッパ12
0を開いた状態で受像紙Pが進入してくるまで待機す
る。
【0135】受像紙Pがグリッパ120に進入し終わっ
た後、プラテンドラム110を再び回転させると、給排
紙ピン191が弓型アーム122の内側面からはずれる
ため、弓型アーム122はスプリング123により引き
戻されグリッパ120が閉じ、ヘッド開放位置(DS
3)に達したときには、図26の(a),(b)に示す
ように、受像紙Pがプラテンドラム110に固定された
状態となって給紙動作が終了する。
【0136】排紙動作では、受像紙Pを固定しているグ
リッパ120が印写開始位置DS1に位置している状態
から、プラテンドラム110が回転し始めると同時に図
29の給排紙ソレノイド190がオンし、給排紙ピン1
91が押し出される。プラテンドラム110の回転に伴
い、始めに弓型アーム122が給排紙ピン191に当接
してグリッパ120が開放しはじめ、続いてイジェクト
ピン130に結合されたイジェクトアーム132が給排
紙ピン191に当接し、イジェクトアーム132を支持
軸131を中心として時計回りに回転させ、支持軸13
1に結合されたイジェクトピン130がプラテンドラム
110の表面から突出しはじめる。
【0137】その結果図27の(a),(b)に示すよ
うに、グリッパ120によってプラテンドラム110に
固定されていた受像紙Pが、グリッパ120解放される
とともにイジェクトピン130によってプラテンドラム
110表面から強制的に剥され、排紙搬送路182上に
押し出されることになる。
【0138】この状態でさらにプラテンドラム110が
回転し続けると、受像紙Pは排紙搬送路182上を搬送
され、プラテンドラム110と同じ線速で回転する排紙
ローラ181へと達し、この排紙ローラ181により排
紙トレイ180に排紙されて排紙動作が終了する。
【0139】図28は、上述の一連の動作を説明するた
めの説明図であり、給排紙ソレノイド190がオンし、
給排紙ピン191が押し出された状態でプラテンドラム
110が1回転した時に、グリッパ120およびイジェ
クトピン130の状態が変化する領域を示したものであ
る。
【0140】図において、領域aはグリッパ120が閉
じてイジェクトピン130プラテンドラム110に格納
されている状態、領域bはグリッパ120が開放動作を
行う領域、領域cはイジェクトピン130が突出動作を
行う領域、領域dはイジェクトピン130が格納動作を
行う領域、領域eはグリッパ120が開放状態でイジェ
クトピン130が格納状態にある領域、領域fはグリッ
パ120が開放状態から閉じる動作を行う領域である。
【0141】次に、図30はインクシート150の構成
を示したものである。インクシート150は透明なフィ
ルム上にイエロY,マゼンダM,シアンCの3色のイン
クが面順次に塗布されて構成され、各色の先頭位置に色
識別用のマークMK1〜MK4が設けられている。ここ
で、すでに説明したように、色識別マークMK1〜MK
4(以下総称して「マークMK」という)はインクシー
ト150のたるみ巻き取り動作によって巻き取られる長
さよりも長く設定してある。
【0142】この各マークMKは、光を遮蔽しかつ反射
しないような材料で形成されており、インクシートセン
サS4(反射型フォトセンサ)によってフィルムの透明
部分とマークMKの不透明部分とを区別できるように構
成される。このインクシートセンサS4の周辺部の詳細
を図31に示すが、インクシートセンサS4のインクシ
ート150を間に挾んで判定側には、センサからの光を
反射するような反射板Rが対向するように配設されてい
る。
【0143】したがって、センサS4と反射板Rの間に
マークMKの無い部分では、センサS4の発光部からの
照射光がインクシート150の透明部分を透過して反射
板Rにより反射され、再びインクシート150の透明部
を透過してセンサS4の受光部で受光されるためセンサ
S4はオンする。マークMKがある場合には、このマー
クMKによりセンサS4からの照射光が遮蔽されるた
め、センサS4はオフする。
【0144】よって、図31に示したようにマークMK
を設ければ、イエロYの場合には、一対のセンサS4
a、S4bがマークMK1、MK2をそれぞれ検知する
ことにより、インクシートのイエロ面の頭出しをするこ
とができる。同様にしてセンサS4aがマークMK3を
検知したときがマゼンタ、センサS4bがマークMK4
を検知したときがシアンのそれぞれの先頭位置となる。
【0145】また、図示しないが、インクシート150
のエンド部分にはマークMKを形成している材料と同一
の材料が全面に塗布されており、このエンド部分をイン
クシートセンサS4で一定時間以上検知した場合に、イ
ンクシート切れと判断するように制御される。
【0146】図32にインクシートセットのメインルー
チンのフローチャートを、図33及び図34にインクシ
ートセットの割込み処理ルーチンのフローチャートを示
す。これらのルーチンでは、インクシート150の色合
わせに加えて、インクシート150のエンド検知および
インクシートエラーの検知が行われる。さらに、プラテ
ンドラム110のホームポジション復帰およびサーマル
ヘッド140の加圧解除動作が同時に行われる。
【0147】図32に示すように、まずCPU211の
タイマ用のカウンタバッファ(C−TIME)に所定値
をセットする。この値は、インクシートセンサS4がマ
ークMKを検知するまでのタイムリミットであり、カウ
ンタバッファはすでに述べたように一定時間毎にディク
リメントされる。この時間内にマークMKを検知しなか
った場合には、インクシート150に異常があると判断
してインクシートエラーとなる。このエラーは、例えば
インクシート150がジャムしたり、何らかの原因で切
断した場合や、インクモータに異常があった場合等に発
生する。
【0148】このカウンタバッファをセットしたら、次
にインクセットフラグ(IF1)をオンにしてインクモ
ータをスタートさせ、サーマルヘッド140の加圧解除
動作を行った後、プラテンドラム110をホームポジシ
ョン(印写開始位置:DS1)に復帰させるためにドラ
ムモータをスタートさせる。
【0149】そして、印写開始位置センサDS1の出力
をチェックし、プラテンドラム110が印写開始位置
(DS1)に達したらドラムモータをオフにする。プラ
テンドラム110のホームポジション復帰が終了した
ら、つぎにインクモータがストップしているかどうかを
チェックし、止まっていたらエラーバッファをチェック
してインクシートエンドエラーもしくはインクシートエ
ラーが発生しているか否かを確認し、エラーがなければ
このルーチンを抜ける。インクシートエンドの場合は排
紙処理を行い、インクシートエラーの場合にはエラーフ
ラグをセットしてルーチンを抜ける。
【0150】次に、プラテンドラム110のホームポジ
ション復帰動作と並行してインクシートの頭出しを行わ
せるための、インクシートセット割込み処理を図33及
び図34に基づいて説明する。この割込み処理は、先に
述べたフリーラン割込みが発生する度に行われ、インク
セットフラグIF1によりインクシートセットの実行中
かどうかを判断して、実行中ならばインクシート頭出し
動作に移る。
【0151】始めに、インクセットフラグIF2により
インクシート150のマークMKを検知済みかどうかの
チェックを行い、マークMKが検知済みでなければ、コ
ピーカウンタ(C−COPY)のチェックを行う。この
コピーカウンタの値が0のときはイエロ,1の時はマゼ
ンダ,2の時はシアンの印写を行うことを意味するか
ら、先に述べたように各色に応じてインクシートセンサ
S4の出力をチェックする。
【0152】目的の色のマークMKが検知されなけれ
ば、前述のタイマ用カウンタバッファ(C−TIME)
の値をチェックし、0でなければ(タイムオーバでなけ
れば)この割込み処理ルーチンを抜ける。次に割込みが
発生すると、再びインクセットフラグIF2のチェック
を行い、マークMKが検知されるかタイムオーバになる
まで、割込みが発生する度にこの動作を繰り返す。もし
ここでタイムオーバになったらインクシートエラーとな
り、エラーフラグをセットし、インクシートモータを停
止してインクセットルーチンを抜ける。
【0153】マークMKが検知されたならば、インクセ
ットフラグIF2をセットし(マーク検知済みを示
す)、カウンタバッファ(C−TIME)に別の値をセ
ットする。この値は、ある色のマークMKが検知されて
からこのマークMKが検知されなくなるまでのタイムリ
ミットであり、この時間をオーバするとインクシートエ
ンドもしくはインクシートエラーとなる。
【0154】すなわち、イエロの頭出しをする際に、イ
ンクシートセンサS4a及びS4bがマークMKを検知
してから一定時間経過してもマークMKを検知したまま
の状態を示している場合には、インクシート150エン
ド部分を検知している判断しインクシートエンドとな
り、他の色の頭出しの場合にタイムオーバとなった時に
はインクシート150あるいはインクモータに異常があ
ると判断してインクシートエラーとなる。
【0155】それぞれの色に対応するマークMKが検知
状態から非検知状態になった時点でインクシート150
の色選択動作が完了し、インクモータをオフし、フラグ
IF1,IF2をクリアしてこのルーチンを抜ける。ま
た、インクシートエラーあるいはインクシートエンドエ
ラーが発生した場合には、インクモータをオフにし、エ
ラーフラグをセットしてこのルーチンを抜ける。
【0156】このように、インクシートセンサS4がマ
ークMKを一旦検知してから検知しなくなるまでインク
モータを駆動することにより、確実にインクシートの色
選別動作を行わせることができる。
【0157】すなわち、従来の方法ではインクシートセ
ンサがマークMKを検知した時点で色選択動作を終了さ
せていたために、たとえばインクモータが動作不良を起
こした場合でも、インクシートセンサがマークMK上も
しくはエンドマーク上に位置していた場合には、色選別
が正常に行われたという判断がなされて誤動作の原因と
なる。しかし、前述のような制御を行うことによりこの
ような不具合を解消することができる。
【0158】また、このインクシートセットルーチンで
エラーが発生した場合には、エラーが解除されるまでは
以降の動作をおいてインクモータの駆動は行わないよう
に制御される。なお、インクシートエンドの場合には、
プラテンドラム110上に巻き付けられた受像紙Pを排
紙させるが、インクシートエラーの場合には、インクモ
ータの動作不良が原因である可能性もあり、たるんだイ
ンクシート150がプラテンドラム110に巻き付く不
具合が発生しやすくなるため、受像紙Pの排紙動作は行
わないことが望ましい。
【0159】さらに、インクシートセット動作を割込み
処理内で行うことにより、メインルーチンではヘッドの
加圧解除およびドラムのホームポジション復帰動作を管
理するだけでよいため、見かけ上複数の制御を同時に行
っていることになり、インクシートセット動作に要する
時間を大幅に短縮することができる。なお、単色印写モ
ードが選択されている場合は、リセット信号入力時に所
定のリセット動作に並行して次位の同一色選択動作を行
わせればよい。
【0160】図35に印写動作のルーチンを示す。この
ルーチンでは、プラテンドラム110にサーマルヘッド
140を加圧接触させ、ドラムモータおよびインクモー
タをスタートさせて、ランサLED6〜8のうち印写す
る色に対応したLED対の一方を点灯させる。
【0161】次に、印写開始位置センサDS1の出力を
チェックし、検知状態から非検知状態(HIGH→LO
W)に変化する点を越えて一定時間(1msec程度)経過
した後にフレームゲート信号(以下「FGATE信号」
という)をイネーブル(ロー)にする。このFGATE
信号は熱制御部230に対するプリント許可信号であ
り、熱制御部230はこの信号を受けてライン同期信号
(以下「Lsync信号」という)に同期して主走査方
向の1ライン分の画像データをサーマルヘッド140に
転送する。ドラムモータも上記ライン同期信号に同期し
て駆動され、副走査方向に画像が形成される。
【0162】このドラムモータの印写時の駆動パルス数
(D−CNT)は紙サイズ検知を行った際にR/Lマー
ジンとともに紙サイズに応じた設定数にセットされてお
り、タイマ割込みのドラムモータ駆動ルーチンにおいて
1パルス駆動される度に1ずつ減算される。この設定パ
ルス数(D−CNT)が0になった時点で割込み処理内
でドラムモータをストップするように制御される。
【0163】次に、ドラムモータのストップチェックお
よびリセットキー242のチェックを行う。リセットキ
ー242が押されていた場合には印写動作を中止し、ド
ラムモータ停止,FGATE信号のオフ(L→H),サ
ーマルヘッドの電源オフ,ヘッドの加圧解除等を行った
後に排除動作に移る。
【0164】ドラムモータがストップしていたら、副走
査方向の印写が終了した状態であるから、FGATE信
号のオフ(L→H),ヘッドの加圧解除,ランサLED対
の他方の点灯を行った後に、コピーカウンタ(C−CN
T)をインクリメントする。このコピーカウンタ(C−
CNT)をチェックして、3であったらY,M,C3色
の印写が終了したことを意味するから、次の排紙動作に
ある。3に達していなかったら次の色を印写すべくイン
クセットルーチンに飛ぶ。
【0165】図36および図37により、上記の各信号
およびドラムモータの駆動パルスの関係についてさらに
詳細に説明する。Lsync信号は、前述の初期値設定
ルーチンにおいてその発生間隔が設定された時点から熱
制御部230より出力される。印写開始位置センサDS
1の出力はCPU211と熱制御部230に入力されて
おり、このセンサDS1の出力の立ち下がりエッジ(検
知状態から非検知状態に変化したときの信号)で熱制御
部230のLsync信号発生部にトリガがかけられ、
リセットされると共にドラムモータが停止する。
【0166】またCPU211から出力されたFGAT
E信号はフリップフロップ回路素子のデータ入力端子に
接続され、クロック端子にはLsync信号が入力され
るため、FGATE信号はLsync信号に同期してイ
ネーブル(L)になる。したがって、図36に示すとお
り、印写開始位置センサDS1の出力がオフ(L)にな
った後、次に発生するLsync信号に同期してFGA
TE信号がイネーブル(L)、すなわち印写開始状態に
なり、プラテンドラム110が駆動されることにより常
に受像紙の同じ位置から印写が開始されるため、各色間
での色ずれが発生しない印写が可能となる。
【0167】また、割込み処理の項で述べたように、L
sync信号はCPU211の外部割込み端子に入力さ
れており、この外部割込み処理により、ドラムモータは
1ライン分のステップ数だけ駆動するように制御され
る。さらに詳しく説明すると、印写動作を開始してプラ
テンドラム110が駆動され、印写開始センサDS1の
出力がローになった時点でドラムモータの駆動が停止さ
れ、Lsync信号による外部割込みがイネーブルされ
る。
【0168】次のLsync信号により外部割込みがか
かると、外部割込み処理ルーチンでは印写動作中か否か
を判断した後、印写動作中のときはドラムモータを駆動
するためのタイマをセットする。次にこのイマによりタ
イマ割込みがかかった時は、ドラムモータ駆動ルーチン
に制御が引き渡される。このルーチンでは所定のステッ
プ数だけドラムモータを駆動させ、その後はLsync
信号による外部割込みが発生するまでドラムモータは停
止した状態となる。
【0169】このように、印写開始位置センサDS1の
立ち下がりエッジでLsync信号をリセットし、この
Lsync信号に同期させてFGATE信号の出力を行
うことにより、印写開始位置センサDS1の立ち下がり
エッジを基準として印写開始位置を常に一定に保つこと
ができ、3色の印写開始位置を正確に合致させることが
できる。さらに、Lsync信号に同期させてドラムの
1ライン分の駆動を行うことにより、3色の副走査方向
の色ずれの発生を防ぐことができる。
【0170】図38にこれまで述べてきたこのプリント
装置の全体動作のタイミングチャートを示す。
【0171】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によるプリ
ント装置の制御方法は上述のように制御することによ
り、次に記載する効果を奏する。
【0172】請求項1記載の制御方法によれば、リセッ
ト信号により所定のリセット動作に並行してインクシー
トの先頭色の色選択動作を行わせるようにしたので、イ
ンクシートが途中の位置で停止した場合にも、次の印写
動作に先立って色選択動作が行われ、次の印写時に余分
なインクシートの巻き上げ動作を行う必要がなく、速や
かな印写動作が可能となってプリント装置の操作性及び
生産性を大幅に向上させることができる。
【0173】請求項2の制御方法によれば、インクシー
トに設けた色識別マークのインクシート巻き取り方向の
長さをインクシートのたるみ取り長さより長く設定し、
印字開始に先立ってインクシートのたるみを巻き取るよ
うにしたので、インクシートのたるみ取りを行っても色
識別マークがインクシートセンサの検出領域から外れな
いようにすることが可能になり、検出ミスによるインク
シートの無駄な消費を防止することができる。
【0174】請求項3の制御方法によれば、エラーの原
因を取り除く際に上部ユニットの開閉により自動的にリ
セット信号が発生し、上部ユニットの閉状態でエラーの
除去動作を行う場合には、操作部からの信号入力や上位
機器からの信号入力によりリセット信号を発生させるこ
とができるので、エラー処理の操作性を著しく向上させ
ることが可能になる。
【0175】請求項4の制御方法によれば、操作部のリ
セット信号入力手段、または上記機器からのリセット信
号検知手段によりセット動作を行わせる際に、上部ユニ
ットが閉状態の時にのみリセット信号が有効となるよう
にしたので、上部ユニットが開状態のままでエラーのチ
ェック動作や解除動作を行ってその閉動作によりサーマ
ルヘッド等を破損させるおそれがなくなり、プリント装
置の信頼性を向上させることができる。
【0176】請求項5の制御方法によれば、上部ユニッ
トの開閉状態検知手段が開状態を検知することによりリ
セット信号を発生させ、開状態から閉状態に変化した時
にリセット信号が有効となるようにしたので、上部ユニ
ットの開閉動作のみで自動的にリセット信号が発生して
操作性が向上すると共に、上部ユニットが開状態の時に
はリセット信号が有効とならないので、誤操作による信
頼性低下の恐れもなくなる。
【0177】請求項6の制御方法によれば、上部ユニッ
トの開閉動作により発生するリセット信号が、上部ユニ
ット開閉検知手段による閉状態検知から所定時間閉状態
が継続した後に有効となるようにしたので、上部ユニッ
トの閉動作が不完全であったり、閉状態検知手段にノイ
ズが入力された場合等にはエラーチェックやエラー解除
が行われないようにして誤動作を防止することができ
る。
【0178】請求項7の制御方法によれば、プリント装
置の制御部にその操作部や外部装置からリセット信号が
入力された際に、プリント装置が印字動作やインクシー
トの色選択動作を行っている場合には直ちに印写動作を
中断して所定のリセット動作を行い、給排紙動作を行っ
ている場合には給排紙動作が完了した後に所定のリセッ
ト動作を行うようにしたので、プリント装置を速やかに
印写可能状態に復帰させることができ、同時に給排紙途
中の受像紙が紙搬送路上で紙づまりを起したり、受像紙
除去のために操作者の手を煩わせる等の不具合を未然に
解消することができる。
【0179】請求項8の制御方法によれば、色選択セン
サが色識別マークを検知してから所定時間経過後もそれ
を検知し続けた場合に、一対の色選択センサが共に検知
している時にはインクシートエンドと判断し、一方のみ
が検知している時にはインクシートエラーと判断するよ
うにしたので、インクーシートエラーとインシートエン
ドとを容易に判断することが可能になり、その結果イン
クシートに過大な張力が作用して切断する恐れがなくな
る。
【0180】請求項9の制御方法によれば、前項の制御
方法でインクシートエンドと判断された場合には、プラ
テンドラムに巻き付けられている受像紙を排紙させ、イ
ンクシートエラーと判断された場合には、上記受像紙の
排紙を行わせないようにしたので、インクシートがたる
んだ状態にあるインクシートエラー時に、インクシート
がプラテンドラムに巻き付いたり切断されたりする等の
不都合がなくなる。
【0181】請求項10の制御方法によれば、単色印写
モードが設けられたプリント装置で単色印写モード選択
時に、リセット信号による所定のリセット動作に並行し
て次位の同一色選択動作を行わせるようにしたので、こ
の場合にも次の印写時に余分なインクシートの巻き上げ
動作が不要になり、プリント装置の操作性,生産性を大
幅に向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるリセット信号入力時のプリント
装置の制御方法の概要を示す説明図である。
【図2】この発明による制御方法を実施するプリント装
置の一例を示す機構部の概略構成図である。
【図3】同じくその制御部の構成を示すブロック図であ
る。
【図4】図3におけるシステムコントローラ210の回
路構成を示すブロック図である。
【図5】図2に示したプリント装置内の各センサの配置
状態を示す説明図である。
【図6】図2に示したプリント装置の操作部を示す説明
図である。
【図7】図4に示したCPU211によるパワーオン時
の動作を示すフロー図である。
【図8】同じくその初期値設定ルーチンを示すフロー図
である。
【図9】同じくその抵抗値補正ルーチンのフロー図であ
る。
【図10】同じくそのメカニカルイニシャライズルーチ
ンのフロー図である。
【図11】同じくその排紙チェックルーチンのフロー図
である。
【図12】同じくそのメインループルーチンのフロー図
である。
【図13】同じくそのインクカセットチェックルーチン
のフロー図である。
【図14】同じくその用紙サイズチェックルーチンのフ
ロー図である。
【図15】同じくそのオンラインチェックルーチンのフ
ロー図である。
【図16】同じくそのエラー処理ルーチンのフロー図で
ある。
【図17】同じくそのプリント動作ルーチンのフロー図
である。
【図18】同じくその給紙動作ルーチンのフロー図であ
る。
【図19】その給紙動作ルーチンの続きを示すフロー図
である。
【図20】さらにその給紙動作ルーチンの続きを示すフ
ロー図である。
【図21】図18〜図20による給紙動作ルーチンの説
明に供する説明図である。
【図22】図4に示したCPU211による排紙動作ル
ーチンのフロー図である。
【図23】図2に示したプリント装置のプラテンドラム
の平面図である。
【図24】同じくそのプラテンドラムの印写開始時の状
態を示す説明図である。
【図25】同じくそのプラテンドラムの給紙時の状態を
示す説明図である。
【図26】同じくそのプラテンドラムのヘッド開放時の
状態を示す説明図である。
【図27】同じくそのプラテンドラムの排紙時の状態を
示す説明図である。
【図28】同じくそのプラテンドラムの動作領域を示す
説明図である。
【図29】同じくその給排紙ソレノイドの動作状態を示
す説明図である。
【図30】同じくそのインクシートの構成を示す斜視図
である。
【図31】同じくそのインクシートセットの検知部を示
す説明図である。
【図32】図4に示したCPU211によるインクシー
トセットルーチンのフロー図である。
【図33】同じくそのインクシート割込みルーチンのフ
ロー図である。
【図34】同じくそのインクシート割込みルーチンの続
きを示すフロー図である。
【図35】同じくその印写動作ルーチンのフロー図であ
る。
【図36】同じくその印写動作開始時のタイミングチャ
ートである。
【図37】同じくその印写開始動作を制御する制御部の
ブロック図である。
【図38】この実施例全体の動作タイミングを示すタイ
ミングチャートである。
【符号の説明】
100 プリント装置 101
上部ユニット 110 プラテンドラム 120
グリッパ 130 イジェクトピン 140
サーマルヘッド 150 インクシート 160
給紙カセット 170 手差し台 180
排紙トレイ 190 給排紙ソレノイド 200
制御部 210 システムコントローラ 211
CPU 220 画像処理部 230
熱制御部 240 操作部 242
リセットキー 250 駆動部 260
センサ部 270 スキャナ 280
インタフェース 290 外部装置 300
ヘッド抵抗測定部 MK(MK1〜MK4) 色識別マーク S1
カバーオープンセンサ S4(S4a,S4b) インクシートセンサ R 反
射板 P 受像紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 31/10 7318−2C 35/16 A 7318−2C 35/18 7318−2C 35/36 7318−2C

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受像紙を巻き付けて搬送及びプリントを
    行うプラテンドラムと、該プラテンドラムに受像紙を固
    定させるためのグリッパと、加熱書き込み手段としての
    サーマルヘッドと、複数の色のインク面が順次形成され
    複数の色識別マークとインクシートエンド表示用マーク
    とが設けられたインクシートと、該インクシートの色選
    択動作を行うための一対のセンサとを有し、前記プラテ
    ンドラムとサーマルヘッドとの間に前記受像紙とインク
    シートを介在させて前記サーマルヘッドで圧接し、前記
    受像紙に加熱記録することによりカラー画像を形成する
    プリント装置の制御方法において、 リセット信号の検知により、印写動作の中断あるいはエ
    ラー状態の解除動作を行わせると共に、所定のリセット
    動作に並行してインクシートの先頭色の色選択動作を行
    わせるように制御することを特徴とするプリント装置の
    制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のプリント装置の制御方法
    において、前記インクシートに設けた色識別マークのイ
    ンクシート巻き取り方向の長さをインクシートのたるみ
    巻き取り長さより長く設定し、印写開始に先立って前記
    色識別マークが前記一対のセンサから外れることなく前
    記インクシートのたるみを巻き取るように制御すること
    を特徴とするプリント装置の制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のプリント装置の制
    御方法において、前記プリント装置に解除可能なエラー
    が発生した後、前記プリント装置の操作部に設けられた
    リセット信号入力手段,前記プリント装置の上部ユニッ
    トの開閉状態を検知する手段,前記プリント装置に接続
    された上位機器のいずれかによるリセット信号の入力を
    検知することにより前記エラーのチェック動作及び解除
    動作を実行させることを特徴とするプリント装置の制御
    方法。
  4. 【請求項4】 プリント装置の操作部に設けられたリセ
    ット信号入力手段または上位機器からのリセット信号を
    検知してリセット動作を行わせる際に、プリント装置の
    上部ユニットが閉状態の時にのみそのリセット信号が有
    効となるように制御することを特徴とする請求項3記載
    のプリント装置の制御方法。
  5. 【請求項5】 上部ユニットの開閉状態を検知する手段
    がその開状態を検知することによりリセット信号を発生
    させ、閉状態を検知することにより前記リセット信号が
    有効となるように制御することを特徴とする請求項3記
    載のプリント装置の制御方法。
  6. 【請求項6】 上部ユニットが閉状態から開状態に変化
    した時に発生するリセット信号が、前記上部ユニットの
    開閉状態を検知する手段が閉状態を検知してから所定時
    間閉状態が継続した後に有効となるように制御すること
    を特徴とする請求項5記載のプリント装置の制御方法。
  7. 【請求項7】 プリント装置の制御部にリセット信号が
    入力された際に、前記プリント装置が印写動作あるいは
    インクシートの色選択動作を行っている場合には直ちに
    印写動作を中断して所定のリセット動作を行い、給排紙
    動作を行っている場合にはその給排紙動作が完了した後
    に所定のリセット動作を行うように制御することを特徴
    とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のプリント
    装置の制御方法。
  8. 【請求項8】 インクシートの色選択を行うための一対
    のセンサが、色識別マークを検知してから所定時間経過
    した後も前記色識別マークを検知し続けた場合、前記一
    対のセンサが共に前記色識別マークを検知している時に
    はインクシートエンドと判断し、一方のみが検知してい
    る時にはインクシートエラーと判断するように制御する
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載
    のプリント装置の制御方法。
  9. 【請求項9】 インクシートエンドと判断された場合に
    は、プラテンドラムに巻き付けられた受像紙の排紙動作
    を行わせ、インクシートエラーと判断された場合には前
    記受像紙の排紙動作を行わせないように制御することを
    特徴とする請求項8記載のプリント装置の制御方法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれか一項に記載
    のプリント装置の制御方法において、前記プリント装置
    の操作部に単色印写モードを選択するように設けられた
    色選択キーにより単色印写モードが選択された時、リセ
    ット信号により印写動作の中断あるいはエラー状態の解
    除動作を行わせると共に、所定のリセット動作に並行し
    て次位の同一色選択動作を行わせるように制御すること
    を特徴とするプリント装置の制御方法。
JP3198911A 1991-07-12 1991-07-12 プリント装置の制御方法 Expired - Fee Related JP3025558B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3198911A JP3025558B2 (ja) 1991-07-12 1991-07-12 プリント装置の制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3198911A JP3025558B2 (ja) 1991-07-12 1991-07-12 プリント装置の制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0516401A true JPH0516401A (ja) 1993-01-26
JP3025558B2 JP3025558B2 (ja) 2000-03-27

Family

ID=16399000

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3198911A Expired - Fee Related JP3025558B2 (ja) 1991-07-12 1991-07-12 プリント装置の制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3025558B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0827837A2 (en) * 1996-09-04 1998-03-11 Lexmark International, Inc. Method of inhibiting a print artifact associated with a printer pause
JPH1111790A (ja) * 1997-06-23 1999-01-19 Sharp Corp シート処理装置の異常動作時における復帰方法及び復帰装置
JP2008290339A (ja) * 2007-05-24 2008-12-04 Tohoku Ricoh Co Ltd 製版装置、印刷装置及び溶融塗料付着防止方法
JP2014193565A (ja) * 2013-03-29 2014-10-09 Seiko Epson Corp 印刷装置、印刷装置の制御方法、及び、プログラム

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0827837A2 (en) * 1996-09-04 1998-03-11 Lexmark International, Inc. Method of inhibiting a print artifact associated with a printer pause
EP0827837A3 (en) * 1996-09-04 1999-07-28 Lexmark International, Inc. Method of inhibiting a print artifact associated with a printer pause
JPH1111790A (ja) * 1997-06-23 1999-01-19 Sharp Corp シート処理装置の異常動作時における復帰方法及び復帰装置
JP2008290339A (ja) * 2007-05-24 2008-12-04 Tohoku Ricoh Co Ltd 製版装置、印刷装置及び溶融塗料付着防止方法
JP2014193565A (ja) * 2013-03-29 2014-10-09 Seiko Epson Corp 印刷装置、印刷装置の制御方法、及び、プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP3025558B2 (ja) 2000-03-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR0171545B1 (ko) 용지길이 자동검출에 의한 프린팅 시스템 및 그 제어방법
WO2004000564A1 (ja) テープ印字装置及びテープカセット
JP2008179086A (ja) プリンタ装置、着脱方法、プリンタ用カートリッジおよびインクリボン体
JP3025558B2 (ja) プリント装置の制御方法
JP2009113228A (ja) 印刷装置及び印刷方法
JP3674220B2 (ja) プリンタ及びその記録紙ジャム処理方法
JPH07252021A (ja) シート搬送装置
US20180111387A1 (en) Medium conveying apparatus and image forming apparatus
CN113119602B (zh) 标签打印机及存储介质
JPH0516434A (ja) プリント装置の制御方法
JP4962240B2 (ja) 印刷装置
JPH0665498B2 (ja) 記録装置
JP2877340B2 (ja) 画像形成装置
JP3331724B2 (ja) プリンターのクリーニング方法
JPH0725127A (ja) 孔版印刷装置
JPH09249338A (ja) 画像形成装置および方法
JP3100135B2 (ja) 記録装置
JP2837918B2 (ja) 記録装置のカッタ制御方法
JP3659285B2 (ja) プリンタおよびプリンタの制御方法
JPH10157232A (ja) プリンタ
JP2927441B2 (ja) 画像形成システム
JPS6082377A (ja) プリンタ装置
JPS6279147A (ja) 自動給紙装置
JP3279422B2 (ja) 画像形成装置
JP2744654B2 (ja) 画像記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees