JPH05163301A - セルロースアセテートの溶解方法 - Google Patents

セルロースアセテートの溶解方法

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JPH05163301A
JPH05163301A JP33463791A JP33463791A JPH05163301A JP H05163301 A JPH05163301 A JP H05163301A JP 33463791 A JP33463791 A JP 33463791A JP 33463791 A JP33463791 A JP 33463791A JP H05163301 A JPH05163301 A JP H05163301A
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JP
Japan
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solution
cellulose acetate
heat exchanger
viscosity
dope
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Pending
Application number
JP33463791A
Other languages
English (en)
Inventor
Kunihei Seto
國平 瀬戸
Hiroshi Nakajima
浩 中嶋
Yuji Suzuki
祐次 鈴木
Kenji Uematsu
健二 植松
Toshikazu Nakamura
敏和 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】不溶解物が少ない高濃度で、かつ、長期間金属
に接触しても腐食を発生させないようなセルロースアセ
テートドープを製造できるようにする。 【構成】まず、セルローストリアセテートと溶媒の混合
物を作製し、この混合物を溶解機1に導入して常圧、か
つ35℃の条件で60分間攪拌して不完全溶解液を作製す
る。この不完全溶解液の粘度は、35℃において640ポイ
ズであった。次に、この不完全溶解液を加熱用熱交換器
3で所定温度で加熱及び加圧して完全溶解液とした。こ
の完全溶解液を、冷却用熱交換器4に送り込み35℃まで
冷却し、この状態で冷却用熱交換器4から送り出す。そ
して、この冷却用熱交換器4ら送り出された完全溶解液
の粘度低下率を、不完全溶解液の粘度を基準として2〜
11%の範囲にしてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セルロースアセテート
フイルムの製造方法に関し、さらに詳しくはセルロース
アセテートフイルムの原料となるセルロースアセテート
の溶解方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、セルロースアセテートは、メチ
レンクロライドと小量の低級アルコールとから成る混合
溶媒で溶解され、このセルロースアセテートの溶解液を
ドープと言う。また、このドープには、必要により可塑
剤を含有させてもよい。そして、セルロースアセテート
の溶液製膜の場合、流延後の乾燥負荷を小さくするため
に、ドープ濃度はできるだけ高くなるように調整され
る。
【0003】ところで、セルロースアセテートの溶解速
度は一般的に遅く、特に、高濃度の場合は溶解に非常な
長時間を要する。そこで、工業的に短時間で高濃度ドー
プを得るセルローストリアセテートの溶解方法として、
セルロースアセテート及び可塑剤とその溶媒を予め粗混
合して加圧容器内の一端に連続的に導入し、常圧におけ
る溶媒の沸点以上に加熱し、かつ攪拌しながら加圧容器
内を移動させ、加圧容器の他端から連続的に抜き出す方
法が提案されている(特開昭61−106628号公報)。
【0004】また、セルロースアセテートとその溶媒を
加圧容器に密閉し、加圧下で該溶媒の常圧における沸点
以上でかつ該溶媒が沸騰しない範囲の温度に加熱し、攪
拌しながら溶解するセルローストリアセテートの溶解方
法も提案されている(特開昭61−129031号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のセルローストリアセテート溶解方法を用い、長
期間溶液製膜装置を稼働させると、ドープが接している
金属面が腐食してくるという問題が発生した。
【0006】本発明は、以上の問題点を解決し、高濃度
のドープを短時間で調整でき、しかも、セルロースアセ
テート溶液製膜装置を長期間稼働させても、セルロース
アセテート溶解工程から流延工程に到るまでの各装置の
金属材料が腐食しないドープを調整することができるセ
ルロースアセテートの溶解方法を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、セルロースア
セテートの完全溶解性とドープの金属への腐食性とは、
ドープを加圧加熱することによって生ずるドープの粘度
低下率と関係があることを見出した。すなわち、ドープ
の粘度低下率が小さすぎるとセルロースアセテートが十
分に溶解されず、ドープの粘度低下率が大きすぎると金
属腐食性が増大するものであった。
【0008】本発明者らは、上記知見に基づきさらに研
究し、セルロースアセテートの溶解性と金属腐食性との
両方を満足させるドープの粘度低下率を見出し、本発明
を完成させた。
【0009】すなわち、本発明のセルロースアセテート
の溶解方法は、セルロースアセテートを常圧、沸点以下
の条件で溶媒に不完全溶解し、該不完全溶解液を熱交換
器を通過させてセルロースアセテートを完全溶解する方
法において、該熱交換器を通過した完全溶解液の粘度低
下率が、熱交換器に導入される前の不完全溶液の粘度を
基準として2〜10%の範囲であることを特徴として構成
されている。
【0010】本発明では、完全溶解液の粘度低下率が、
不完全溶解液の粘度を基準として2〜11%の範囲であ
り、好ましくは3〜5%の範囲である。粘度低下率が2
%未満であると、セルロースアセテートが完全には溶解
されずにミクロゲルが残り、後工程のフイルターの目詰
まりが発生しやすい。また、粘度低下率が11%を越える
と、ドープが金属を腐食させやすくなる。この粘度低下
率は下記の式によって求める。 粘度低下率(%)=(A−B)×100/A A:熱交換器に導入時の不完全溶解液の粘度(ポイズ) B:熱交換器を通過した完全溶解液の粘度(ポイズ)
【0011】上記不完全溶解液および完全溶解液の粘度
は、同一の温度及び圧力における値であり、熱交換器を
通過した完全溶解液の温度および圧力が、熱交換器に導
入時の不完全溶解液の温度および圧力と異なる場合は、
異なる温度等における粘度ではなく、熱交換器に導入時
の不完全溶解液の温度等に変更した場合の粘度である。
したがって、35℃で導入し35℃で排出した場合はそのま
まの実測値を使用できるが、35℃で導入し40℃で排出し
たり、40℃で導入し35℃で排出する場合は、その実測値
をそのまま使用することはできず、導入時の温度まで冷
却又は加熱した後測定した値になる。
【0012】不完全溶解液および完全溶解液の粘度は、
通常用いられている方法で測定され、例えば、回転式粘
度計で測定される。
【0013】完全溶解液の粘度低下率を2〜11%の範囲
に調整するには、熱交換器における加熱温度および加熱
時間(熱交換器内の滞留時間)を調整することにより行
う。
【0014】熱交換器は、不完全溶解液を加熱及び加圧
して未溶解のセルロースアセテートを完全に溶解できれ
ばよく、従来用いられている種々の装置を用いることが
できる。また、熱交換器には、加熱及び加圧によりセル
ロースアセテートを完全に溶解した完全溶解液の温度
を、常圧において沸点以下に下げるための冷却用熱交換
器も含まれている。
【0015】
【作用】セルロースアセテートをメチレンクロライドと
小量の低級アルコールとの混合溶媒に溶解した不完全溶
解液は、通常0.3〜0.8%の水分を含んでおり、熱分解す
ると完全溶解液中に塩酸と酢酸が発生し、これらの酸が
装置材質である金属の表面を腐食させるものと考えられ
る。
【0016】本発明のセルロースアセテートの溶解方法
では、粘度低下率を特定しているが、この粘度低下率と
熱分解とは相関関係があり、粘度低下率が11%以下であ
ると熱分解が少なく金属の腐食が抑制される。また、こ
の粘度低下率は完全溶解性とも相関関係があり、粘度低
下率が2%以上であるとセルロースアセテートを効率良
く溶解させる。
【0017】本発明によるセルロースアセテートの溶解
方法の詳細を図面に基づいて説明する。
【0018】図1は本発明のセルロースアセテートの溶
解方法を実施する溶解装置の模式図である。
【0019】図1において、符号1は溶解機で、導入さ
れたセルロースアセテートとその溶媒とから成る混合物
を攪拌し、セルロースアセテートの不完全溶解液を作製
するものである。この溶解機1は、ポンプ2を介してス
チームを熱源とする加熱用熱交換器3及び冷却用熱交換
器4に連結され、この加熱用熱交換器3は、不完全溶解
液を加熱及び加圧して完全溶解液とするものである。冷
却用熱交換器4は、加熱用熱交換器3で作製された完全
溶解液を冷却するものである。そして、この冷却用熱交
換器4には、ポンプ5を介してフィルター6が連結され
ており、このフィルター6は、完全溶解液中に存在する
ミクロゲル等の不溶解物を除去するためのものである。
【0020】次に、以上の溶解装置を用いてセルロール
アセテートを溶解する方法について説明する。
【0021】まず、セルローストリアセテート90部、ト
リフェニルホスフェート10部、メチレンクロライド360
部、メタノール40部からなる混合物を作製し、この混合
物を溶解機1に導入して常圧、かつ35℃の条件で60分間
攪拌して不完全溶解液を作製した。この不完全溶解液の
粘度は、35℃において640ポイズであった。
【0022】次に、この不完全溶解液をポンプ2で加熱
用熱交換器3に送り込み、所定温度で加熱及び加圧し、
かつ所定時間滞留させて完全溶解液とした。この完全溶
解液を、冷却用熱交換器4に送り込み35℃まで冷却し、
この状態で冷却用熱交換器4から送り出す。
【0023】冷却用熱交換器4ら送り出された完全溶解
液は、ポンプ5を介してフィルター6に送られ、不溶解
物が除去される。そして、後段の流延工程(図示せず。)
へ送られる。
【0024】
【実施例】以上のセルロースアセテートの溶解方法にお
いて、加熱用熱交換器による加熱温度および加熱時間を
調整して、粘度低下率をそれぞれ変更した実施例および
比較例の、完全溶解性および金属腐食性を比較した。結
果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】完全溶解性:フィルター6が完全溶解液を
200リッター濾過した時点で、フィルター6の濾過圧力
の上昇を測定し、この圧力の上昇の程度により完全溶解
性を評価した。
【0027】金属腐食性:フイルター6から流出した完
全溶解液をガラス容器にとり、金属試験片としてサイズ
20mm×80mm、厚さ2mmの鋼板を半浸漬して密閉し、35℃
を保ち1週間放置した。そして、浸漬1週間後に鋼板を
取り出して肉眼および顕微鏡で観察して評価した。
【0028】表1の結果より、実施例1〜4は、完全溶
解液中に不溶解物が少なく、かつ、金属を殆ど腐食させ
ないものであった。
【0029】比較例1は、金属腐食性は好ましいが、完
全溶解性が不充分でフィルターの目詰まりが早く、メン
テナンスが面倒で、かつコストが高くなるものであっ
た。
【0030】比較例2は、完全溶解性は好ましいが、金
属腐食性が極めて大きいものであった。
【0031】
【発明の効果】本発明は、ミクロゲルなどの不溶解物が
少ない高濃度ドープを工業的に短時間で作ることがで
き、かつ、セルロースアセテートドープが長期間金属に
接していても金属を腐食させることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセルロースアセテートの溶解方法を実
施する溶解装置の模式図である。
【符号の説明】
1…溶解機 2…ポンプ 3…加熱用熱交換器 4…冷却用熱交換器 5…ポンプ 6…フィルター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植松 健二 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 中村 敏和 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロースアセテートを常圧、沸点以下
    の条件で溶媒に不完全溶解し、該不完全溶解液を熱交換
    器を通過させてセルロースアセテートを完全溶解する方
    法において、該熱交換器を通過した完全溶解液の粘度低
    下率が、熱交換器に導入される前の不完全溶解液の粘度
    を基準として2〜11%の範囲であることを特徴とするセ
    ルロースアセテートの溶解方法
JP33463791A 1991-12-18 1991-12-18 セルロースアセテートの溶解方法 Pending JPH05163301A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0704473A1 (en) * 1994-09-16 1996-04-03 Eastman Kodak Company Process for making cellulose triacetate photographic film base
US7401909B2 (en) 1994-08-24 2008-07-22 Canon Kabushiki Kaisha Ink container for ink jet printer, holder for the container, carriage for the holder and ink jet printer
EP2105767A1 (en) 2008-03-28 2009-09-30 Fujifilm Corporation Transparent support, optical film, polarizing plate and image display device

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7401909B2 (en) 1994-08-24 2008-07-22 Canon Kabushiki Kaisha Ink container for ink jet printer, holder for the container, carriage for the holder and ink jet printer
EP0704473A1 (en) * 1994-09-16 1996-04-03 Eastman Kodak Company Process for making cellulose triacetate photographic film base
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