JPH05163291A - N−アセチル−β−D−グルコサミン誘導体、これを有効成分とするN−アセチル−β−D−グルコサミニダーゼ活性測定用試薬及びこれを用いたN−アセチル−β−D−グルコサミニダーゼ活性の測定方法 - Google Patents

N−アセチル−β−D−グルコサミン誘導体、これを有効成分とするN−アセチル−β−D−グルコサミニダーゼ活性測定用試薬及びこれを用いたN−アセチル−β−D−グルコサミニダーゼ活性の測定方法

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JPH05163291A
JPH05163291A JP35393891A JP35393891A JPH05163291A JP H05163291 A JPH05163291 A JP H05163291A JP 35393891 A JP35393891 A JP 35393891A JP 35393891 A JP35393891 A JP 35393891A JP H05163291 A JPH05163291 A JP H05163291A
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JP
Japan
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acetyl
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glucosaminide
reagent
nagase
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JP35393891A
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Koichi Kasai
浩一 葛西
Kiyoshi Okada
清 岡田
Nobuyuki Yamatsugu
信幸 山次
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Kikkoman Corp
Original Assignee
Kikkoman Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規化合物を基質として用いることにより、
N−アセチル−β−D−グルコサミニダーゼ(NAGa
se)活性を効率よく、正確に測定する。 【構成】 基質として用いる化合物は、一般式 【化1】 (式中のR1は有機アミン若しくは含窒素複素環又はそ
の第四アンモニウム塩を有する炭素数1〜4の置換アル
キル基、R2〜R4はそれぞれ独立して、水素原子、ハロ
ゲン原子、又はニトロ基を意味する)で表わされるN−
アセチル−β−D−グルコサミン誘導体である。該化合
物をNAGase含有試料に加え、酵素反応により生成
するアグリコン(フルオレセイン・モノエーテル)を定
量してNAGase活性を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なN−アセチル−
β−D−グルコサミン誘導体、該誘導体を有効成分とす
るN−アセチル−β−D−グルコサミニダーゼ活性測定
用試薬及び該誘導体を用いてN−アセチル−β−D−グ
ルコサミニダーゼ活性を効率よく、かつ正確に測定する
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】N−アセチル−β−D−グルコサミニダ
ーゼ(以下、NAGaseという)は、腎尿細管上皮に
多く含まれるリソソーム(Lysosome)中の酵素
の1つであり、糖蛋白やムコ多糖類の分解に関与してい
る。尿中NAGaseは急性腎不全や糸球体腎炎などの
各種腎臓疾患や腎臓の術後においては上昇し、また糖尿
病においては、尿中ばかりでなく血清中NAGaseも
上昇することが認められている。こういった各種腎臓疾
患の診断及び経過観察の一助として、また薬物の腎毒性
検討の指標としても、臨床及び動物実験面でNAGas
eの測定が注目されている。
【0003】そして従来、NAGase活性の測定用基
質としては、例えばp−ニトロフェニル−N−アセチル
−β−D−グルコサミニド[Clin. Chem.,
27,1180(1981)]及び4−メチルウンベリ
フェリル−N−アセチル−β−D−グルコサミニド[C
lin. Chim. Acta,24,189(19
69)]、 m−クレゾールスルホンフタレイニル−N−
アセチル−β−D−グルコサミニド[Clin. Ch
em.,29,1713(1983)]が知られてい
る。
【0004】しかしながら、これらの化合物をNAGa
se活性の測定用基質として用いた場合は、酵素作用に
よって生成したアグリコンを定量する際、反応液のpH
を10〜11程度という高アルカリ性とする必要がある
ために、一旦酵素反応を停止させて酵素活性を測定する
いわゆるエンドポイント法しか適用できず、酵素活性測
定法として最適のレイトアッセイ法を採用することがで
きないなどの欠点を有している。
【0005】最近、酵素反応進行中に直接吸光度変化を
計測して酵素活性を測定する前記レイトアッセイ法が適
用可能な基質として、2−クロロ−4−ニトロフェニル
−N−アセチル−β−D−グルコサミニド[Clin.
Chem.,34,2140(1988)]やソジオ−
3,3′−ジクロロフェノールスルホンフタレイニル−
N−アセチル−β−D−グルコサミニド(特開昭63−
309199号)が提案されている。
【0006】しかしながら、これらはいずれもNAGa
seの至適pHである4.5〜5.0においては十分な
感度を示すことができず、また2−クロロ−4−ニトロ
フェニル−N−アセチル−β−D−グルコサミニドはN
AGase活性測定に必要十分な量を溶解させることが
困難であるなどの欠点を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来のNAGase活性の測定用試薬及びそれを用いる
測定方法が有する欠点を克服し、NAGase活性を効
率よく、かつ正確に測定し得る溶解性の優れた試薬とし
て好適な新規化合物を提供するとともに、これを試薬と
した新規なNAGase活性の測定方法を提供すること
を目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、NAGase
活性測定用試薬として、特定の新規なN−アセチル−β
−D−グルコサミン誘導体が極めて好適であり、これを
用いてNAGase活性を測定することにより、その目
的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、一般式
【化2】 (式中のR1は有機アミン若しくは含窒素複素環又はそ
の第四アンモニウム塩を有する炭素数1〜4の置換アル
キル基、R2〜R4はそれぞれ独立して、水素原子、ハロ
ゲン原子、又はニトロ基を意味する)で表わされるN−
アセチル−β−D−グルコサミン誘導体、該一般式
(I)の化合物を有効成分とするNAGase活性測定
用試薬、及びNAGase含有試料に、該一般式(I)
の化合物を加え、酵素反応によって生成するアグリコン
(フルオレセイン・モノエーテル)を定量することを特
徴とするNAGase活性の測定方法を提供するもので
ある。
【0010】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の前記一般式(I)で表わされるN−アセチル−β
−D−グルコサミン誘導体において、R1は有機アミン
若しくは含窒素複素環又はその第四アンモニウム塩を有
する炭素数1〜4の置換アルキル基であるが、該有機ア
ミンとしては第三アミンが好ましく 、また該含窒素複
素環の化合物としてはピリジンが好ましい。
【0011】そして、このようなR1の有機アミン又は
その第四アンモニウム塩を有する炭素数1〜4の置換ア
ルキル基としては、例えばアミノメチル、ジメチルアミ
ノメチル、アミノエチル、メチルアミノエチル、ジメチ
ルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、ジイソプロピ
ルアミノエチル、ジベンジルアミノエチル、エチルフェ
ニルアミノエチル、アミノプロピル、ジメチルアミノプ
ロピル、アミノブチル、ジメチルアミノブチル、ピペリ
ジノエチル、ピロリジノエチル、モルホリノエチル、メ
チルピロリジニルエチル、ピペラジノプロピル、トリメ
チルアンモニウムエチル、ジメチルベンジルアンモニウ
ムエチルなどの基が挙げられる。また、R1の含窒素複
素環又はその第四アンモニウム塩を有する炭素数1〜4
の置換アルキル基としては、例えばピリジルメチル、ピ
リジルエチル、キノリルメチル、メチルピリジニウムメ
チル、ベンジルキノリニウムメチルなどの基が挙げられ
る。そして、前記一般式(I)で表わされるN−アセチ
ル−β−D−グルコサミン誘導体が置換基R1を有する
ことにより、その弱酸性水性溶媒に対する溶解性が向上
することとなる。
【0012】さらに、R2、R3及びR4はそれぞれ独立
して、水素原子、ハロゲン原子(塩素、ヨウ素、フッ素
若しくは臭素原子)、又はニトロ基である。そして、前
記一般式(I)で表わされる化合物とNAGaseとの
酵素反応によって生成するアグリコン(フルオレセイン
・モノエーテル)の発色性の観点から、R2、R3の少な
くとも一つがハロゲン原子であることが好ましい。ま
た、前記一般式(I)で表わされる化合物には、フルオ
レセイン部位の1位(スピロ)炭素における2種類の立
体異性体が存在するが、そのいずれでも、あるいはそれ
らの両者が存在してもNAGase活性の測定用基質と
して有効に用いられる。
【0013】このような前記一般式(I)で表わされる
N−アセチル−β−D−グルコサミン誘導体としては、
例えば6′−O−アミノメチル−フルオレセイニル−N
−アセチル−β−D−グルコサミニド、6′−O−ジメ
チルアミノエチル−2′,7′−ジクロロフルオレセイ
ニル−N−アセチル−β−D−グルコサミニド、6′−
O−トリメチルアンモニウムエチル−2′,7′−ジク
ロロフルオレセイニル−N−アセチル−β−D−グルコ
サミニド、6′−O−モルホリノエチル−2′,7′−
ジクロロフルオレセイニル−N−アセチル−β−D−グ
ルコサミニド、6′−O−ピリジルメチル−2′,7′
−ジクロロフルオレセイニル−N−アセチル−β−D−
グルコサミニド、6′−O−ジベンジルアミノエチル−
4′,5′−ジブロモフルオレセイニル−N−アセチル
−β−D−グルコサミニド、6′−O−ジメチルアミノ
ブチル−4′,5′−ジヨードフルオレセイニル−N−
アセチル−β−D−グルコサミニド、6′−O−ピペリ
ジノエチル−2′,4′,5′,7′−テトラブロモフ
ルオレセイニル−N−アセチル−β−D−グルコサミニ
ド、6′−O−ジメチルベンジルアンモニウムエチル−
2′,4′,5′,7′−テトラヨード−4,5,6,
7−テトラクロロフルオレセイニル−N−アセチル−β
−D−グルコサミニド、6′−O−メチルピリジニウム
メチル−4′,5′−ジブロモ−2′,7′−ジニトロ
フルオレセイニル−N−アセチル−β−D−グルコサミ
ニドなどが挙げられる。
【0014】本発明の前記一般式(I)で表わされるN
−アセチル−β−D−グルコサミン誘導体は文献未載の
新規な化合物であって、その製造方法については特に制
限はなく、任意の方法を用いることができるが、例えば
次の方法によって製造することができる。
【0015】すなわち、一般式
【化3】 (式中のR2〜R4は前記と同じ意味をもち、Xはアシル
基を意味する)で表わされるフルオレセイニルグルコサ
ミン誘導体に、一般式 R1−Y (III) (式中のR1は前記と同じ意味をもち、Yはハロゲン原
子を意味する)で表わされる置換アルキルハライドを作
用させたのち、O−アシル基を脱離させることにより製
造することができる。
【0016】前記一般式(II)で表わされるフルオレ
セイニルグルコサミン誘導体において、Xのアシル基と
しては炭素数2〜7のものが好ましく、中でもアセチル
基が特に好ましい。そして、前記一般式(II)で表わ
される化合物は、例えば、市販のN−アセチル−D−グ
ルコサミンから容易に製造することができる、1−クロ
ロ−1−デオキシ−2,3,4,6−テトラアセチル−
α−D−グルコサミン、1−ブロモ−1−デオキシ−
2,3,4,6−テトラアセチル−α−D−グルコサミ
ンなど[その製法は、例えばMeth. Carboh
ydr. Chem.,6,282(1972)などを
参照]の1モル当量に、市販のフルオレセイン類、例え
ばフルオレセイン、2′,7′−ジクロロフルオレセイ
ン、4′,5′−ジブロモフルオレセイン、4′,5′
−ジヨードフルオレセイン、4,5,6,7−テトラク
ロロフルオレセイン、2′,4′,5′,7′−テトラ
ヨードフルオレセイン、4′,5′−ジブロモ−2′,
7′−ジニトロフルオレセイン、2′,4′,5′,
7′−テトラブロモ−4,5,6,7−テトラクロロフ
ルオレセインなど、さらにはこれらのナトリウム塩、カ
リウム塩などの1モル当量を作用させて製造することが
できる。具体的には、例えば、溶媒としてアセトニトリ
ル、クロロホルム、アセトンなどを用い、Ag2O、K2
CO3、トリエチルアミンなどの触媒の存在下、20〜
80℃で1〜60時間連続して反応させ、次いで、例え
ば常法により精製操作をおこなって、前記一般式(I
I)で表わされる化合物を製造することができる。
【0017】このような前記一般式(II)で表わされ
る化合物としては、例えばフルオレセイニル−2,3,
4,6−テトラアセチル−β−D−グルコサミニド、
2′,7′−ジクロロフルオレセイニル−2,3,4,
6−テトラアセチル−β−D−グルコサミニド、4′
5′−ジブロモフルオレセイニル−2,3,4,6−テ
トラアセチル−β−D−グルコサミニド、4′5′−ジ
ヨードフルオレセイニル−2,3,4,6−テトラアセ
チル−β−D−グルコサミニド、4,5,6,7−テト
ラクロロフルオレセイニル−2,3,4,6−テトラア
セチル−β−D−グルコサミニド、2′,4′,5′,
7′−テトラヨードフルオレセイニル−2,3,4,6
−テトラアセチル−β−D−グルコサミニド、4′,
5′−ジブロモ−2′,7′−ジニトロフルオレセイニ
ル−2,3,4,6−テトラアセチル−β−D−グルコ
サミニド、2′,4′,5′,7′−テトラブロモ−
4,5,6,7−テトラクロロフルオレセイニル−2,
3,4,6−テトラアセチル−β−D−グルコサミニド
などが挙げられる。
【0018】また、前記一般式(III)で表わされる
置換アルキルハライドとしては、市販品を用いてもよ
く、あるいは適宜の方法で製造して得たものを用いても
よい。このような前記一般式(III)で表わされる化
合物としては、例えば、いずれも市販品であるが、アミ
ノメチルクロライド、アミノエチルブロマイド、ジメチ
ルアミノエチルクロライド、ジエチルアミノエチルブロ
マイド、ジベンジルアミノエチルクロライド、ジメチル
アミノブチルブロマイド、ピペリジノエチルクロライ
ド、ピロリジノエチルクロライド、モルホリノエチルク
ロライド、ピペラジノプロピルブロマイド、トリメチル
アンモニウムエチルブロマイド、ジメチルベンジルアン
モニウムエチルクロライド、ピリジルメチルクロライ
ド、キノリルメチルクロライド、メチルピリジニウムメ
チルブロマイドなど、さらにはこれらの塩酸塩、臭素酸
塩などが挙げられる。
【0019】次に、前記一般式(I)で表わされるN−
アセチル−β−D−グルコサミン誘導体の製造法につき
例示する。先ず、前記一般式(II)で表わされるフル
オレセイニルグルコサミン誘導体に、溶媒及び触媒の存
在下で、前記一般式(III)で表わされる置換アルキ
ルハライドを作用させるのであるが、このときの該一般
式(II)で表わされる化合物に対する該一般式(II
I)で表わされる化合物の添加量は、通常1〜100倍
モル当量、好ましくは5〜20倍モル当量である。
【0020】溶媒としては、ケトン類、例えばアセト
ン、メチルエチルケトンなど、ニトリル類、例えばアセ
トニトリルなど、ハロゲン化炭化水素類、例えばジクロ
ロメタン、クロロホルム、ジクロロエタンなど、ジメチ
ルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(D
MA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメ
チルホスホラミド(HMPA)などが挙げられ、中でも
アセトニトリル、DMFが特に好ましい。また、これら
は単独又は組み合わせて用いられる。その量は、通常、
前記一般式(III)で表わされる化合物の重量の5〜
1000倍量、好ましくは50〜500倍量である。
【0021】触媒としては、銀塩、例えば Ag2O、A
gClO4、AgNO3、Ag2CO3など、水銀塩、例え
ばHgO、Hg(CN)2 など、アルカリ金属塩、例え
ばNaOH、Na2CO3、KOH、K2CO3など、第三
アミン類、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン
などが挙げられ、中でも銀塩、アルカリ金属塩が好まし
い。また、これらは単独又は組み合わせて用いられる。
その量は、通常、前記一般式(III)で表わされる化
合物の1〜100倍モル当量、好ましくは1〜10倍モ
ル当量である。
【0022】反応温度及び反応時間は前記一般式(I
I)で表わされる化合物、前記一般式(III)で表わ
される化合物、溶媒及び触媒の種類によって異なるが、
通常は20〜100℃で1〜60時間連続して反応させ
る。
【0023】こうして得られたものに塩基を作用させて
O−アシル基を脱離させることにより、前記一般式
(I)で表わされるN−アセチル−β−D−グルコサミ
ン誘導体が得られる。塩基としては、例えばKOH、K
2CO3、NaOH、Na2CO3などのアルカリ金属塩、
例えばナトリウムメチラート、ナトリウムフェノラート
などのアルカリ金属のアルコラート、アンモニアなどが
挙げられ、ナトリウムメチラートが特に好ましい。
【0024】次いで、このようにして得られたものを常
法により精製して前記一般式(I)で表わされる目的化
合物を得ることができる。精製法としては、例えば適宜
の有機溶媒などを用いる析出法、シリカゲル、ODS
(オクタデシルシリルシリカゲル)などを用いるカラム
クロマトグラフィなどが挙げられる。なお、前記一般式
(I)で表わされる化合物の2種類の立体異性体を必要
により分離するには、常法、例えば高速液体クロマトグ
ラフィなどを用いればよい。
【0025】以上のようにして得られた前記一般式
(I)で表わされるN−アセチル−β−D−グルコサミ
ン誘導体は、NAGase活性の測定に極めて有用であ
り、この化合物を用いてNAGase活性をレイトアッ
セイ法により高感度、高精度で測定することができる。
【0026】NAGaseを測定するための有利な系と
しては、例えば前記一般式(I)で表わされるN−アセ
チル−β−D−グルコサミン誘導体を1〜20mM及び
緩衝剤を2〜200mM含有する系(pH4.0〜6.
0)などが挙げられる。この系に用いられる緩衝剤とし
ては、例えばリン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、コハク酸
塩、フタル酸塩などが挙げられる。また必要に応じて溶
解補助剤、安定化剤として、例えばグリセリン、トリト
ンX−100などの界面活性剤、クラウンエーテル類、
シクロデキストリン類、グライコール類などを加えても
よい。
【0027】本発明の試薬は、乾燥物あるいは溶解した
形で用いてもよく、薄膜状の担体、例えばシート、含浸
性の紙などに含浸させて用いてもよい。このような本発
明の試薬を用いることにより、各種の試料に含有される
NAGaseの活性を簡単な操作で正確に、かつ高感度
で測定することができる。
【0028】次に、本発明のNAGase活性の測定法
の好適な1例について説明する。先ず、NAGaseを
含む試料に、前記一般式(I)で表わされるN−アセチ
ル−β−D−グルコサミン誘導体を1〜20mM、好ま
しくは2〜5mM及び緩衝剤を添加した後、20〜60
℃、pH4.0〜6.0の条件にて1分以上、好ましく
は3〜10分間酵素反応させ、生成するアグリコン(フ
ルオレセイン・モノエーテル)の吸光度を直接分光光度
計を用いて測定し、単位時間当りの吸光度の変化量を求
める。そして予め同様にして測定したNAGase標品
の吸光度変化量と対比させて試料中のNAGase活性
を算出する。
【0029】本発明に用いられるNAGase含有試料
については、NAGaseを含有するものであればよ
く、特に制限はないが、具体的には微生物の培養液、植
物の抽出液、あるいは動物の体液や尿や組織及びそれら
の抽出液などを用いることができる。また緩衝剤として
は、例えばリン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、コハク酸
塩、フタル酸塩などが挙げられる。その他、必要に応じ
て還元物質の影響を少なくするために、前処理や酸化剤
の添加を行なってもよい。
【0030】
【発明の効果】本発明の前記一般式(I)で表わされる
N−アセチル−β−D−グルコサミン誘導体は、新規な
化合物であって、NAGase活性測定用試薬として極
めて有用であり、このものを用いることにより、試料中
に含まれるグルコース、ビリルビン、ヘモグロビンなど
の影響を受けることなく、NAGase活性を自動分析
法などにより精度よく、容易に測定することができる。
【0031】
【実施例】以下に実施例を示して本発明をさらに詳細に
説明する。 実施例1 6′−O−(N,N−ジメチルアミノ)エチル−2′,
7′−ジクロロフルオレセイニル−N−アセチル−β−
D−グルコサミニド[R1=CH2CH2−N(C
32、R2=Cl、R3=R4=H)の製造 1−クロロ−1−デオキシ−2,3,4,6−テトラア
セチル−α−D−グルコサミン15.0g(41.0m
mol)をアセトニトリル2.5lに溶解し、これに
2′,7′−ジクロロフルオレセイン16.5g(4
1.0mmol)及びトリエチルアミン57ml(41
0mmol)を加え、40℃で16時間攪拌しながら反
応させた。次いで、溶媒を留去したのち、シリカゲルク
ロマトグラフィにより精製し、クロロホルム−メタノー
ル混液(容量比4:1)で溶出した区分より、2′,
7′−ジクロロフルオレセイニル−2,3,4,6−テ
トラアセチル−β−D−グルコサミニド15.2g(2
0.8mmol、収率50.7%)を得た。
【0032】融点: 165−167℃ 紫外部・可視部吸収スペクトル(EtOH):吸収極大
波長[λmax]=486,457,373,283,2
27nm 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)(CDC
3):δ(ppm) 8.00−8.05(1H,m),7.60−7.80
(2H,m),6.65−7.20(5H,m),6.
18and6.28(1H,each d,J=8.5
Hz,NH),5.00−5.65(3H,m),4.
15−4.30(3H,m),3.60−4.00(1
H,m),2.18(3H,s),2.07(3H,
s),2.06(3H,s),1.93and1.96
(3H,each s)
【0033】なお、該2′,7′−ジクロロフルオレセ
イニル−2,3,4,6−テトラアセチル−β−D−グ
ルコサミニドは、フルオレセイン部位の1位炭素におけ
る2種類の立体異性体が存在し、核磁気共鳴スペクトル
よりその存在比は約1:1であった。
【0034】次に、この2′,7′−ジクロロフルオレ
セイニル−2,3,4,6−テトラアセチル−β−D−
グルコサミニド2.0g(2.74mmol)をジメチ
ルホルムアミドに溶解し、これに、塩酸N,N−ジメチ
ルアミノエチルクロリド3.95g(27.4mmo
l)及び炭酸カリウム7.58g(54.8mmol)
を加え、60℃で20時間かきまぜながら反応させた。
続いて、不溶物を濾去し、濾液のジメチルホルムアミド
を留去したのち、シリカゲルクロマトグラフィにより精
製し、クロロホルム−メタノール混液(容量比25:
1)で溶出した区分より、6′−O−(N,N−ジメチ
ルアミノ)エチル−2′,7′−ジクロロフルオレセイ
ニル−2,3,4,6−テトラアセチル−β−D−グル
コサミニド1.09g(1.36mmol、収率:4
9.7%)を得た。
【0035】融点:152−154℃ 紫外部・可視部吸収スペクトル(EtOH):吸収極大
波長[λmax]=282,228nm 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)(CDC
3):δ(ppm) 8.00−8.05(1H,m),7.60−7.80
(2H,m),7.10−7.20(2H,m),6.
70−6.80(3H,m),5.93and5.99
(1H,each d,J=8.1Hz,NH),5.
05−5.65(3H,m),4.25−4.35(3
H,m),4.18(2H,t,J=5.6Hz),
3.85−4.05(1H,m),2.85(2H,
t,J=5.6Hz),2.39(6H,s),2.1
5(3H,s),2.06(6H,s),1.92an
d1.94(3H,each s)
【0036】このようにして得た6′−O−(N,N−
ジメチルアミノ)エチル−2′,7′−ジクロロフルオ
レセイニル−2,3,4,6−テトラアセチル−β−D
−グルコサミニド0.50g(0.62mmol)を脱
水メタノール(20ml)−アセトニトリル(10m
l)混液に溶解し、これに28%ナトリウムメチラート
−メタノール溶液0.06ml(0.31mmol)を
加え、氷冷下、2時間かきまぜながら反応させた。次い
で、溶媒を減圧留去したのち、ODS(YMC・GEL
ODS−AQ 120−S50)カラムクロマトグラ
フィにより精製し、40%エタノール−水溶液で溶出し
た区分を凍結乾燥すると、6′−O−(N,N−ジメチ
ルアミノ)エチル−2′,7′−ジクロロフルオレセイ
ニル−N−アセチル−β−D−グルコサミニド270m
g(0.40mmol、収率:64.1%)を得た。
【0037】融点:160−162℃ 紫外部・可視部吸収スペクトル(EtOH):吸収極大
波長[λmax]=282,228nm 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)(DMSO−d
6):δ(ppm) 8.00−8.05(1H,m),7.65−7.90
(3H,m),7.20−7.35(3H,m),6.
78(1H,s),6.76(1H,s),5.14a
nd5.15(1H,each d,J=8.6H
z),5.08(1H,br d,J=5.3Hz,O
H),5.01(1H,br d,J=5.1Hz,O
H),4.60−4.70(1H,m,OH),4.2
3(2H,t,J=5.6Hz),3.70−3.85
(2H,m),3.30−3.60(4H,m),2.
70(2H,t,J=5.6Hz),2.25(6H,
s),1.78and1.79(3H,each s)
【0038】実施例2 6′−O−(N,N,N−トリメチルアンモニウム)エ
チル−2′,7′−ジクロロフルオレセイニル−N−ア
セチル−β−D−グルコサミニド[R1=CH2CH2
N(CH33、R2=Cl、R3=R4=H]の製造 2′,7′−ジクロロフルオレセイニル−2,3,4,
6−テトラアセチル−β−D−グルコサミニド2.0g
(2.74mmol)をジメチルホルムアミドに溶解
し、これにブロモコリンブロマイド6.77g(27.
4mmol)及び炭酸カリウム7.58g(54.8m
mol)を加え、室温で20時間かきまぜながら反応さ
せた。次いで、不溶物を濾去し、濾液のジメチルホルム
アミドを留去したのち、ODSカラムクロマトグラフィ
により精製し、25%エタノール−水溶液で溶出した区
分より、 6′−O−(N,N,N−トリメチルアンモ
ニウム)エチル−2′,7′−ジクロロフルオレセイニ
ル−2,3,4,6−テトラアセチル−β−D−グルコ
サミニド1.25g(1.53mmol、収率:55.
9%)を得た。
【0039】融点:191−193℃ 紫外部・可視部吸収スペクトル(EtOH):吸収極大
波長[λmax]=282,228nm 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)(CDC
3):δ(ppm) 8.00−8.10(1H,m),7.60−7.85
(2H,m),7.10−7.25(2H,m),6.
90−7.00(1H,m),6.65−6.80(2
H,m),6.06and6.17(1H,each
d,J=8.8Hz,NH),5.00−5.75(3
H,m),4.72(2H,br t,J=5.4H
z),4.29(2H,br t,J=5.4Hz),
4.05−4.25(3H,m),3.80−3.95
(1H,m),3.51and3.54(9H,eac
h s),2.13(3H,s),2.05(6H,
s),1.90and1.92(3H,each s)
【0040】このようにして得た6′−O−(N,N,
N−トリメチルアンモニウム)エチル−2′,7′−ジ
クロロフルオレセイニル−2,3,4,6−テトラアセ
チル−β−D−グルコサミニド0.50g(0.61m
mol)を脱水メタノール(20ml)−アセトニトリ
ル(10ml)混液に溶解し、これに28%ナトリウム
メチラート−メタノール溶液0.06ml(0.31m
mol)を加え、氷冷下、2時間かきまぜながら反応さ
せた。次いで、溶媒を減圧留去したのち、ODS(YM
C・GEL ODS−AQ 120−S50)カラムク
ロマトグラフィにより精製し、20%エタノール−水溶
液で溶出した区分を凍結乾燥すると、6′−O−(N,
N,N−トリメチルアンモニウム)エチル−2′,7′
−ジクロロフルオレセイニル−N−アセチル−β−D−
グルコサミニド284mg(0.41mmol、収率:
67.1%)を得た。
【0041】融点:179−182℃ 紫外部・可視部吸収スペクトル(EtOH):吸収極大
波長[λmax]=282,228nm 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)(DMSO−d
6):δ(ppm) 8.00−8.05(1H,m),7.65−7.90
(3H,m),7.20−7.35(3H,m),6.
80−6.85(2H,m),5.16and5.17
(1H,each d,J=8.5Hz,),4.95
−5.01(2H,m,OH),4.60−4.75
(1H,m,OH),4.68(2H,brt,J=
5.6Hz),3.89(2H,br t,J=5.6
Hz),3.70−3.85(2H,m),3.30−
3.60(4H,m),3.22(9H,s),1.7
8and1.80(3H,each s)
【0042】実施例3 6′−O−(N−モルホリノ)エチル−2′,7′−ジ
クロロフルオレセイニル−N−アセチル−β−D−グル
コサミニド[R1=CH2CH2−N(CH2CH22
、R2=Cl、R3=R4=H]の製造 2′,7′−ジクロロフルオレセイニル−2,3,4,
6−テトラアセチル−β−D−グルコサミニド2.0g
(2.74mmol)をジメチルホルムアミドに溶解
し、これに塩酸N−(2−クロロエチル)モルホリン
5.10g(27.4mmol)及び炭酸カリウム7.
58g(54.8mmol)を加え、40℃で7時間か
きまぜながら反応させた。次いで、不溶物を濾去し、濾
液のジメチルホルムアミドを留去したのち、シリカゲル
クロマトグラフィにより精製し、クロロホルム−メタノ
ール混液(容量比25:1)で溶出した区分より、
6′−O−(N−モルホリノ)エチル−2′,7′−ジ
クロロフルオレセイニル−2,3,4,6−テトラアセ
チル−β−D−グルコサミニド1.44g(1.71m
mol、収率:62.3%)を得た。
【0043】融点:156−158℃ 紫外部・可視部吸収スペクトル(EtOH):吸収極大
波長[λmax]=282,228nm 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)(CDC
3):δ(ppm) 8.00−8.05(1H,m),7.60−7.80
(2H,m),7.10−7.20(2H,m),6.
70−6.80(3H,m),5.90and5.93
(1H,each d,J=8.8Hz,NH),5.
05−5.70(3H,m),4.25−4.35(2
H,m),4.21(2H,t,J=5.6Hz),
3.85−4.05(2H,m),3.72(4H,b
r t,J=4.6Hz),2.88(2H,t,J=
5.6Hz),2.63(4H,brt,J=4.6H
z),2.15(3H,s),2.07(6H,s),
1.92and1.94(3H,each s)
【0044】このようにして得た6′−O−(N−モル
ホリノ)エチル−2′,7′−ジクロロフルオレセイニ
ル−2,3,4,6−テトラアセチル−β−D−グルコ
サミニド0.50g(0.59mmol)を脱水メタノ
ール(20ml)−アセトニトリル(10ml)混液に
溶解し、これに28%ナトリウムメチラート−メタノー
ル溶液0.06ml(0.31mmol)を加え、氷冷
下、2時間かきまぜながら反応させた。次いで、溶媒を
減圧留去したのち、ODS(YMC・GELODS−A
Q 120−S50)カラムクロマトグラフィにより精
製し、40%エタノール−水溶液で溶出した区分を凍結
乾燥すると、6′−O−(N−モルホリノ)エチル−
2′,7′−ジクロロフルオレセイニル−N−アセチル
−β−D−グルコサミニド294mg(0.41mmo
l、収率:69.1%)を得た。
【0045】融点:147−148℃ 紫外部・可視部吸収スペクトル(EtOH):吸収極大
波長[λmax]=282,228nm 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)(DMSO−d
6):δ(ppm) 8.00−8.05(1H,m),7.70−7.90
(3H,m),7.20−7.35(3H,m),6.
78(1H,s),6.76(1H,s),5.14a
nd5.15(1H,each d,J=8.5H
z,),4.95−5.10(2H,m,OH),4.
68(1H,br s,OH),4.30(2H,t,
J=5.6Hz),3.65−3.85(2H,m),
3.57(4H,br t,J=4.6Hz),3.2
0−3.50(4H,m),2.77(2H,t,J=
5.6Hz),2.52(4H,br t,J=4.6
Hz),1.78and1.80(3H,each
s)
【0046】実施例4 6′−O−(2−ピリジル)メチル−2′,7′−ジク
ロロフルオレセイニル−N−アセチル−β−D−グルコ
サミニド[R1=CH2CH2−C55N 、R2=Cl、
3=R4=H]の製造 2′,7′−ジクロロフルオレセイニル−2,3,4,
6−テトラアセチル−β−D−グルコサミニド3.0g
(4.11mmol)をジメチルホルムアミドに溶解
し、これに塩酸2−(クロロメチル)ピリジン6.74
g(41.1mmol)及び炭酸カリウム11.36g
(82.2mmol)を加え、40℃で5時間かきまぜ
ながら反応させた。次いで、不溶物を濾去し、濾液のジ
メチルホルムアミドを留去したのち、シリカゲルクロマ
トグラフィにより精製し、クロロホルム−メタノール混
液(容量比50:1)で溶出した区分より、 6′−O
−(2−ピリジル)メチル−2′,7′−ジクロロフル
オレセイニル−2,3,4,6−テトラアセチル−β−
D−グルコサミニド2.43g(2.96mmol、収
率:72.0%)を得た。
【0047】融点:146−148℃ 紫外部・可視部吸収スペクトル(EtOH):吸収極大
波長[λmax]=282,228nm 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)(CDC
3):δ(ppm) 8.55−8.65(1H,m),8.00−8.10
(IH,m),7.65−7.80(3H,m),7.
55−7.60(1H,m),7.23−7.30(1
H,m),7.10−7.17(2H,m),6.70
−6.90(3H,m),5.96and6.04(1
H,each d,J=8.8Hz,NH),5.05
−5.70(3H,m),5.31(2H,br
s),4.15−4.35(2H,m),3.85−
4.05(2H,m),2.14(3H,s),2.0
7(3H,s),2.05(3H,s),1.90an
d1.93(3H,each s)
【0048】このようにして得た6′−O−(2−ピリ
ジル)メチル−2′,7′−ジクロロフルオレセイニル
−2,3,4,6−テトラアセチル−β−D−グルコサ
ミニド0.50g(0.61mmol)を脱水メタノー
ル(20ml)−アセトニトリル(10ml)混液に溶
解し、これに28%ナトリウムメチラート−メタノール
溶液0.06ml(0.31mmol)を加え、氷冷
下、2時間かきまぜながら反応させた。次いで、溶媒を
減圧留去したのち、ODS(YMC・GEL ODS−
AQ 120−S50)カラムクロマトグラフィにより
精製し、50%エタノール−水溶液で溶出した区分を凍
結乾燥すると、6′−O−(2−ピリジル)メチル−
2′,7′−ジクロロフルオレセイニル−N−アセチル
−β−D−グルコサミニド334mg(0.48mmo
l、収率:78.8%)を得た。
【0049】融点:172−173℃ 紫外部・可視部吸収スペクトル(EtOH):吸収極大
波長[λmax]=282,228nm 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)(DMSO−d
6):δ(ppm) 8.55−8.65(1H,m),8.00−8.05
(1H,m),7.65−7.95(4H,m),7.
50−7.60(1H,m),7.25−7.40(4
H,m),6.75−6.85(2H,m),5.41
(2H,s),5.14and5.15(1H,eac
h d,J=8.6Hz,),5.00−5.10(2
H,m,OH),4.60−4.70(1H,m,O
H),3.70−3.85(2H,m),3.40−
3.60(3H,m),3.15−3.30(1H,
m)1.78and1.79(3H,each s)
【0050】実施例5 NAGase活性の測定用試薬 (1)試薬の組成 含有物 濃度 基質試薬:6′−O−(N,N−ジメチルアミノ) エチル−2′,7′−ジクロロフルオレ セイニル−N−アセチル−β−D−グル コサミニド 2.0mM クエン酸緩衝液(pH=5.0) 50.0mM 精製水
【0051】(2)測定法 基質試薬1mlを37℃で5分間加温したのち、試料液
50μlを加え、37℃で5分間加温後からの5分間の
490nmにおける吸光度の変化量を測定する。この吸
光度変化量と予め作成した検量線から算出して、試料液
中のNAGase活性の測定を行なうことができる。な
お、試料液の酵素活性の値が検量線の測定範囲を超えた
場合は、50mMクエン酸緩衝液(pH=5.0)を用
いて相当する倍数の希釈を行なったのち、再測定を行な
う。
【0052】実施例6 NAGase活性の測定用試薬 (1)試薬の組成 含有物 濃度 基質試薬:6′−O−(N,N,N−トリメチルア ンモニウム)エチル−2′,7′−ジク ロロフルオレセイニル−N−アセチル− β−D−グルコサミニド 2.0mM クエン酸緩衝液(pH=5.0) 50.0mM 精製水 (2)測定法 実施例5に記載したと同様にして、NAGase活性を
測定することができる。
【0053】実施例7 NAGase活性の測定用試薬 (1)試薬の組成 含有物 濃度 基質試薬:6′−O−(N−モルホリノ)エチル− 2′,7′−ジクロロフルオレセイニル −N−アセチル−β−D−グルコサミニ ド 2.0mM β−シクロデキストリン 0.5%(W/V) クエン酸緩衝液(pH=5.0) 50.0mM 精製水 (2)測定法 実施例5に記載したと同様にして、NAGase活性を
測定することができる。
【0054】実施例8 NAGase活性の測定用試薬 (1)試薬の組成 含有物 濃度 基質試薬:6′−O−(2−ピリジル)メチル− 2′,7′−ジクロロフルオレセイニ ル−N−アセチル−β−D−グルコサ ミニド 2.0mM 18−クラウン−6 0.2%(W/V) クエン酸緩衝液(pH=5.0) 50.0mM 精製水 (2)測定法 実施例5に記載したと同様にして、NAGase活性を
測定することができる。
【0055】実施例9 NAGase活性の測定方法 (1)基質液の調製 実施例1で得た6′−O−(N,N−ジメチルアミノ)
エチル−2′,7′−ジクロロフルオレセイニル−N−
アセチル−β−D−グルコサミニド67.5mg(0.
1mmol)を取り、50mMクエン酸緩衝液(pH=
5.0)を加えて全量を50mlとして基質液とする。 (2)標品NAGase液の調製 市販品の酵素活性既知のNAGaseを50mMクエン
酸緩衝液(pH=5.0)を用いて数種類の濃度に希釈
して標品NAGase液とする。
【0056】(3)検量線の作成 基質液1mlに、各濃度の標品NAGase液50μl
を加え、37℃で5分間加温後からの5分間の490n
mにおける吸光度の変化量の関係により検量線を作成す
る。シグマ社製NAGase(25u/0.5ml)を
使用した場合、検量線の式は U=1.84×(△A)×103 (U:酵素活性u/l、△A:吸光度変化量/分)とな
る。そのグラフを図1に示す。 (4)試料液中のNAGase活性の測定 基質液1mlに試料液50μlを加え、37℃で5分間
加温後からの5分間の490nmにおける吸光度の変化
量を測定する。この吸光度変化量と(3)で作成した検
量線から算出して試料液中のNAGase活性の測定を
行なうことができる。なお、試料液の酵素活性の値が検
量線の測定範囲(0−250u/l)を超えた場合は、
50mMクエン酸緩衝液(pH=5.0)を用いて相当
する倍数の希釈を行なったのち、再測定を行なう。
【0057】実施例10 NAGase活性の測定方法 (1)基質液の調製 基質として、実施例2で得た6′−O−(N,N,N−
トリメチルアンモニウム)エチル−2′,7′−ジクロ
ロフルオレセイニル−N−アセチル−β−D−グルコサ
ミニド69.0mg(0.1mmol)を用いる以外
は、実施例9に記載したと同様にして基質液を調製す
る。 (2)標品NAGase液の調製、検量線の作成及び試
料液中のNAGase活性の測定は、実施例9に記載し
たと同様にして行なう。なお、シグマ社製NAGase
(25u/0.5ml)を使用した場合、検量線の式は U=2.85×(△A)×103 (U:酵素活性u/l、△A:吸光度変化量/分)とな
る。そのグラフを図2に示す。
【0058】実施例11 NAGase活性の測定方法 (1)基質液の調製 基質として実施例3で得た6′−O−(N−モルホリ
ノ)エチル−2′,7′−ジクロロフルオレセイニル−
N−アセチル−β−D−グルコサミニド71.7mg
(0.1mmol)を用い、β−シクロデキストリン
0.25gを加える以外は、実施例9に記載したと同様
にして基質液を調製する。 (2)標品NAGase液の調製、検量線の作成及び試
料液中のNAGase活性の測定は、実施例9に記載し
たと同様にして行なう。なお、シグマ社製NAGase
(25u/0.5ml)を使用した場合、検量線の式は U=2.14×(△A)×103 (U:酵素活性u/l、△A:吸光度変化量/分)とな
る。そのグラフを図3に示す。
【0059】実施例12 NAGase活性の測定方法 (1)基質液の調製 基質として実施例4で得た6′−O−(2−ピリジル)
メチル−2′,7′−ジクロロフルオレセイニル−N−
アセチル−β−D−グルコサミニド69.5mg(0.
1mmol)を用い、18−クラウン−6を0.10g
加える以外は、実施例9に記載したと同様にして基質液
を調製する。 (2)標品NAGase液の調製、検量線の作成及び試
料液中のNAGase活性の測定は、実施例9に記載し
たと同様にして行なう。なお、シグマ社製NAGase
(25u/0.5ml)を使用した場合、検量線の式は U=3.20×(△A)×103 (U:酵素活性u/l、△A:吸光度変化量/分)とな
る。そのグラフを図4に示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例9におけるNAGase活性の測定に
用いる検量線のグラフ
【図2】 実施例10におけるNAGase活性の測定
に用いる検量線のグラフ
【図3】 実施例11におけるNAGase活性の測定
に用いる検量線のグラフ
【図4】 実施例12におけるNAGase活性の測定
に用いる検量線のグラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (54)【発明の名称】 N−アセチル−β−D−グルコサミン誘導体、これを有効成分とするN−アセチル−β−D−グ ルコサミニダーゼ活性測定用試薬及びこれを用いたN−アセチル−β−D−グルコサミニダーゼ 活性の測定方法

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中のR1は有機アミン若しくは含窒素複素環又はそ
    の第四アンモニウム塩を有する炭素数1〜4の置換アル
    キル基、R2〜R4はそれぞれ独立して、水素原子、ハロ
    ゲン原子、又はニトロ基を意味する)で表わされるN−
    アセチル−β−D−グルコサミン誘導体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のN−アセチル−β−D−
    グルコサミン誘導体を有効成分とするN−アセチル−β
    −D−グルコサミニダーゼ活性測定用試薬。
  3. 【請求項3】 N−アセチル−β−D−グルコサミニダ
    ーゼ含有試料に、請求項1記載のN−アセチル−β−D
    −グルコサミン誘導体を加え、酵素反応によって生成す
    るアグリコン(フルオレセイン・モノエーテル)を定量
    することを特徴とするN−アセチル−β−D−グルコサ
    ニダーゼ活性の測定方法。
JP35393891A 1991-12-19 1991-12-19 N−アセチル−β−D−グルコサミン誘導体、これを有効成分とするN−アセチル−β−D−グルコサミニダーゼ活性測定用試薬及びこれを用いたN−アセチル−β−D−グルコサミニダーゼ活性の測定方法 Pending JPH05163291A (ja)

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JP35393891A JPH05163291A (ja) 1991-12-19 1991-12-19 N−アセチル−β−D−グルコサミン誘導体、これを有効成分とするN−アセチル−β−D−グルコサミニダーゼ活性測定用試薬及びこれを用いたN−アセチル−β−D−グルコサミニダーゼ活性の測定方法

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JP35393891A Pending JPH05163291A (ja) 1991-12-19 1991-12-19 N−アセチル−β−D−グルコサミン誘導体、これを有効成分とするN−アセチル−β−D−グルコサミニダーゼ活性測定用試薬及びこれを用いたN−アセチル−β−D−グルコサミニダーゼ活性の測定方法

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