JPH0516321U - 活字式ドラムプリンタ - Google Patents

活字式ドラムプリンタ

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JPH0516321U
JPH0516321U JP6326191U JP6326191U JPH0516321U JP H0516321 U JPH0516321 U JP H0516321U JP 6326191 U JP6326191 U JP 6326191U JP 6326191 U JP6326191 U JP 6326191U JP H0516321 U JPH0516321 U JP H0516321U
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drum
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俊一 飯島
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Abstract

(57)【要約】 【目的】活字の選択機構と活字ドラムの自動停止機構の
二通りの活字ドラム停止手段を有する活字式ドラムプリ
ンタにおいて、各々の停止状態にて印字してもその印字
された文字群は一行の中で上下方向に不揃いに見えるこ
との無い見易い印字品質を向上させる。 【構成】自動停止機構にて停止された状態において、印
字紙と対向し印字可能な位置にある活字(活字ポジショ
ンP0)を、活字ドラム回転方向に他の活字より小さく
且つ隣合う桁に並んで印字することのない活字(,)を
配した活字ドラムからなる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は電卓やキャッシュレジスタ等に多用される活字式プリンタ、とりわけ 活字ドラムを用いた形式の活字式プリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に活字式ドラムプリンタは、活字式シリアルプリンタに比べ、複数桁同時 印字による高速印字が可能であることから高機能プリンタとして位置付けられ、 市場背景的には近年多色印字化並びに小型高速印字化の要望が強まっている。
【0003】 従来このような市場要望に応える活字式ドラムプリンタとして、次のようなプ リンタがあった。外周上に活字を配した活字ドラムと、活字ドラムが整数回回転 した時点(一行の印字が終了した時点)で自動的に活字ドラムを初期位相に停止 させる自動停止機構と、その自動停止機構を解除するための停止解除機構を有し 、活字ドラムと周方向において一体且つ活字と対応して設けられたラチェットと 、そのラチェットと係合し活字ドラムを停止させる爪を設け、その爪を選択的に 駆動することで活字の選択機構をなしていた。そしてこの選択機構と停止解除機 構の制御を単一のトリガ機構にて構成していた。
【0004】 この構成によれば、一行の印字が終了すると自動的に活字ドラムを初期位相に 停止させるのでリセットパルス検出器は不要であり、高価で制御回路が複雑なス テップモータを用いずにDCモータにて活字の選択が行え、しかも単一のトリガ 機構にて活字ドラムの回転開始と活字の選択が行える活字式ドラムプリンタであ った。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、前述の従来のプリンタでは、自動停止状態にて印字可能となる活字ポ ジションに配置する活字を格別に配慮していなかったため、自動停止状態にて印 字した活字は、印字品位を損なうという課題を有している。その課題を図10、 図11、図12にて説明する。図10はトリガ機構と選択機構を示す側断面図。 図11及び図12は選択機構動作図であり、図11は活字を選択した時の選択機 構動作図、図12は停止解除機構作動時の選択機構動作図である。また図20、 図21は従来の活字配列図であり、図においてP0からP55はタイミングパル スに対応する活字ポジションを示し、各々の活字ポジションにて各桁に印字可能 な活字を示している。図20は活字ドラム一回転目、図21は二回転目を表して いる。P0では活字ドラムは自動停止状態にあり、P55後再びP0状態に自動 復帰される。図22は従来における印字品位説明図であり、1、2桁の『M+』 は黒色の印字をし3桁目より上位桁は赤色の印字をなしている。図23はその他 の従来技術における停止解除機構作動時の選択機構動作図である。
【0006】 従来技術では前述の効果をもたらすために、活字の選択機構と停止解除機構の 制御を一体の機構に構成し、単一のトリガ機構にて各々を制御可能としている。 活字の選択機構とは、活字及び活字ドラムが回転している間は各活字と対応して おり活字ドラムが停止後も発生するタイミングパルスを設け、活字選択の際には そのタイミングパルスと同期してトリガコイル46に通電を行うことにより、ト リガ吸引板47と、トリガ吸引板47と嵌合され揺動可能な選択レバー39を図 11の二点鎖線の状態まで作動させる。すると、選択レバー39に設けられた爪 39ーbはドラム歯車2に設けられ活字と対応するラチェット2−aと係合し、 回転していたラチェット2−a並びに活字を停止保持して、印字可能な位置に所 望の活字を選択位置決めする機構である。
【0007】 また停止解除機構の制御とは、活字ドラムが回転方向位相を初期化され自動停 止状態にある時、活字選択機構と同様にタイミングパルスに同期して前述のトリ ガコイル46に通電し、選択レバー39は揺動して爪39−eにてドラム駆動歯 車35を停止させることで停止解除機構作動開始の制御をしている。ラチェット 2−aを有するドラム歯車2が自動停止状態にあってトリガコイル46に通電さ れることで停止解除機構が作動するのである。
【0008】 ところが、自動停止状態にて、ラチェット2−aを活字が選択された状態であ る爪39ーbと当接する位置(図11)に設定し、停止解除機構作動開始のため の通電を行うと、爪39ーbはラチェット2−aと接触して爪39−eとドラム 駆動歯車35との係合を阻害してしまい、停止解除機構が作動できなくなる。選 択レバー39が確実に所定量作動し停止解除機構を正常に作動するためには、停 止解除機構制御用の通電投入時すなわちドラム歯車2ならびにラチェット2−a が自動停止状態にあるときのみ、図12のように爪39ーbとは干渉しないよう にラチェット2−aを設定しなければならない。
【0009】 従って、図12に示すようにドラム歯車2の全周にラチェット2−a及び活字 を設け、ラチェット2−aにおけるドラム歯車2の回転力を受ける面と活字は全 て回転方向に等ピッチにし、自動停止時に爪39ーbとラチェット2−aが干渉 しないようにドラム歯車2の自動停止位相を活字選択時の位相より回転方向と反 対方向に位相差を設けるとともに、ラチェット2−aの一部を爪39ーbと干渉 しない形状にする必要がある。しかし活字ドラム回転方向の位置決めは爪39ー bにより位置決めされる場合と自動停止機構による場合があり、自動停止時と活 字選択時との位相差に相当する量の活字の停止位置ずれを生じる。そして図20 及び図21のような従来の活字配列にて印字すると、図22のように自動停止状 態の活字ポジションP0にある活字『0』すなわち奇数桁の『0』のみ下方に位 置した印字となってしまう。図22においてAは爪39ーbにて活字が位置決め され印字した文字高さを示し、Bは自動停止時に印字した文字の停止位置ずれを 表している。図において、Aは6.2mm、Bは0.6mmである。このように この手段によると自動停止時に印字した文字が、その他の印字した文字とは一行 の中で上下方向に不揃いになって(いわゆるアライメント不良)、印字品位を損 なう欠点があった。また位相差が大きくなるとP0にて印字した文字の欠けが生 じていた。
【0010】 以上の説明は、ラチェット2−aにおけるドラム歯車2の回転力を受ける面と 、活字は全て回転方向に等ピッチであるとしたが、他の手段として、図23に示 すように、自動停止状態において爪39ーbの動作領域に対応する付近では、ラ チェット2−aおよび活字の回転方向位相自体をその他とは異ならせる手段があ る。しかし前述の説明と同様にこの手段においても、図20、図21の従来の活 字配列図を用いると、位相の異なるラチェットにより位置決めし印字した文字は その他の文字に対して上下方向に不揃いになってしまう。すなわち活字ポジショ ンP28に配設される『0』すなわち偶数桁の赤色の『0』がその他の活字に対 して上下方向に不揃いになってしまう。更に単一のトリガ機構であり、各ラチェ ット2−a毎に選択レバー39の作動時間を変えて設定できないため、ラッチェ ト2−aを確実に停止するためには、ラチェット2−aの位相ズレ量に対応して トリガコイル46への通電開始タイミングを設定しなければならない。すなわち ドラム歯車2が回動停止中にも常に発生しているタイミングパルスを、ドラム歯 車2が特定の位相にきたときだけパルス間隔を変えなければならず、タイミング パルス発生機構は極めて複雑なものとなってしまう。
【0011】 本考案は以上のような欠点を解決するためになされたものであり、本考案の目 的とするところは、活字の選択機構と活字ドラムの自動停止機構の二通りの活字 ドラム停止手段を有し、活字の選択機構と停止解除機構とを単一なトリガ機構に て制御する活字式ドラムプリンタにおいて、各々の停止状態にて印字してもその 印字された文字群は一行の中で上下方向に不揃いに見えることの無い見易い文字 をプリンタサイズを大きくせずに提供することにある。しかも複雑な制御方法や パルス検出機構を用いることのない小型多色印字可能なプリンタを提供する事に ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本考案の活字式ドラムプリンタは印字桁方向と平行に配設され外周上に複数の 活字を配した活字ドラムと、活字ドラムが整数回回転した時点で自動的に活字ド ラムを初期位相に停止させる自動停止機構と、一行の印字開始時に自動停止機構 を解除する停止解除機構と、活字ドラムと周方向において一体且つ活字と対応し て設けられたラチェットと、そのラチェットと係合しラチェットならびに活字ド ラムを停止させる爪と、爪を選択的に駆動し且つ停止解除機構を制御する単一の トリガ機構とを有し、 活字ドラムが自動停止機構にて停止された時の印字紙と対向し印字可能な位置 にある活字は、他の活字より小さく且つ隣合う桁に並んで印字することのない活 字としたことを特徴とする。
【0013】
【実施例】
図1、図2はそれぞれ本考案の一実施例における活字配列図であり、図1は活 字ドラム一回転目、図2は二回転目である。図3は一実施例による印字文字例で あり印字品位説明図である。また図18は他の実施例における活字配列図である 。 図4以降図17までは一実施例の説明を行うための各部機構図であり、図4 、図5、及び図6はそれぞれ一実施例におけるプリンタ斜視図、分解図であり、 図7は印字機構関係の側断面図である。
【0014】 1はフレームであり、穴1−a、溝1ーb、ストッパ1−cを設けてある。2 はドラム歯車であり、周方向に活字ポジションに対応して等ピッチにて分割され たラチェット2−a、一部を切り欠いた歯車2−b、軸2−dを有しており、第 一軸受け13と活字ドラム3により支持され、更にドラム歯車2と活字ドラム3 は、キー溝とキーとの嵌合により、同位相で回動する。活字ドラム3は、カム溝 3−a、キー、紙送り駆動歯車3ーdが一体成形されており、外周に貫通穴3− eが設けてある。活字ドラム3は第二軸受け14と中間軸受け48により軸支さ れる。4は活字シートであり、表面には活字4−aに対応して突起4−bとを配 してあり、活字ドラム3に巻装されている。図1は各活字ポジション、各桁にて 印字可能な活字を示す活字配列図であり、後述する自動停止状態では、活字ドラ ム3はP0の状態にあり、印字可能な活字は赤色の『,』を配している。
【0015】 5及び6は印字電磁石の継鉄を成す印字ヨーク、7は印字ヨーク6に固着され た印字鉄心、8は活字4−aの2桁に1個の割合で配置した印字コイル、9は印 字コイル8の内部に摺動可能にセットされたハンマ、10は印字コイル8の内部 に位置しハンマ9とほぼ一体的に動き、印字コイル8に通電すると吸引力により 鉄心7に吸引される印字吸引板である。印字ヨーク5の一端5−aはDCモータ 11の下側を通り第一軸受け13を貫通し、両端ともフレーム1にネジ止めされ る。ドラム歯車2及び軸受け13、14は桁方向に移動不能であるが、活字ドラ ム3は桁方向に所定量移動(シフト)可能である。
【0016】 ドラム歯車2の内部にはφ20mm程度の小型のDCモータ11が隙間を持っ て配されており、ドラム歯車2は第一軸受け13回りに回動可能であるが、DC モータ11は第一軸受け13及び中間軸受け48によって回動不能に保持される 。
【0017】 12は回転子であり、フレーム1の穴1−aに枢支され、活字ドラム3のカム 溝3−aと係合し、活字ドラム3を一回転毎に1桁分桁方向に移動(シフト)さ せるためのシフト機構を成す。
【0018】 29はインクローラフレームであり、突起29−aが活字ドラム3の溝3−b に係合する事により、フレーム1の溝1−bに沿って活字ドラム3と一体的にシ フトする。15はインクロールカバーであり、黒色のインクローラ18と赤色の インクローラ19を桁方向に交互に挿着し回転可能に支持している。30はイン クローラバネであり、インクローラ18及び19を活字ドラム3側に押し付けて いる。
【0019】 DCモータ11の動力は、モータ歯車32から伝達歯車33を介して減速歯車 34へ伝えられ、各々の歯車は連続回転する。減速歯車34には検出板34−b と太陽歯車34−cが一体成形されている。35はドラム駆動歯車であり、遊星 歯車36を軸支する軸35−a、周方向に活字ポジションに対応して分割された ラチェット35−b、歯車35−cが一体で形成されており、減速歯車34によ り軸支される。ドラム駆動歯車の歯車35−cは前述のドラム歯車の歯部2−b と噛み合う。37は選択カムであり、内歯歯車37−a、スライドカム37−b 、制御カム37−c、ディテントカム37−dが一体成形されている。内歯歯車 37−aと遊星歯車34−cによって構成される輪列は、いわゆる遊星差動機構 をなす。この遊星差動機構は図8すなわち内歯歯車37−a固定状態と、図9す なわちドラム駆動歯車の軸35−aが固定されている状態の2種類の動作モード があり、図中矢印で示される方向に回転する。後述するように、選択時以外は図 8に示す状態で作動するが、選択時には図9に示す状態となる。
【0020】 39は選択レバーであり、第一軸受け13とフレーム1によって軸両端を枢支 され、前述の遊星差動機構に作用して、活字選択及び動力伝達の切り替えを行う 。選択レバー39には、後述のトリガ吸引板47の一端を挟む溝部39−a、活 字ドラム選択時にドラム歯車のラチェット部2−aに係合して活字ドラムを保持 する爪39−b、選択カム37の裏面の制御カム37−cと係合するピン39− d、ディテント部39−cが一体で形成されている(図10、図11参照)。4 0はフレーム1に取り付けられたディテントバネであり、選択レバーのディテント 部39−cと選択カムのディテントカム37−dに作用して各々の位置決めを行 う。
【0021】 なお、以上述べた遊星差動機構と選択レバー39とディテントバネ40で選択 機構を構成し、ドラム歯車2と活字ドラム3を回転し選択的に停止させる。更に この選択機構は、後述する自動停止機構を解除する機能も、合わせ持つ。
【0022】 41は検出機構を構成する光検出器であり、第一軸受け13にスナップフィッ トされ、減速歯車33の一回転に三回タイミングパルスを発生する。
【0023】 42はスライド歯であり、ストッパ42−aを有し、ドラム歯車2に摺動可能 にセットされスライドバネ44のバネ力を上位桁側に受けている(図15参照) 。43は保持爪であり、ドラム歯車2の軸2−dに軸支され、スライドバネ44 により回転力を受けている。保持爪はカム部43−aとストッパ部43−bを有 する。これらスライド歯42と保持爪43とスライドバネ44と前述のフレーム のストッパ1ーcは、活字ドラム3を初期位相に停止させるための自動停止機構 を構成する。
【0024】 45はトリガ電磁石の継鉄をなすトリガヨーク、46はトリガコイルであり、 トリガヨーク45がトリガコイル46の中心穴に圧入されている。47はトリガ コイル46に通電すると吸引力によりトリガヨーク45の鉄心部45−aに吸引 されるトリガ吸引板である。トリガ吸引板47はその一端が選択レバー39の溝 部39−aに嵌合し選択レバー39を所定角度揺動させる。これらトリガヨーク 45とトリガコイル46とトリガ吸引板47はトリガ機構を構成する。
【0025】 55はFPC(フレキシブル・プリント・サーキット)を示し、印字コイル8 とDCモータ11の端子と接続され、さらに光検出器41やトリガコイル46の 端子と接続されたFPCの一部と合体し、制御回路側への接続端子となる。
【0026】 次に以上のように構成された装置の動作について説明する。まず選択機構の動 作原理から説明する。
【0027】 <ドラム回転時> 選択レバー39は図10及び図11において実線で示す状態にあり、ドラム駆 動歯車35が回転し選択カム37は停止している。減速歯車34が1/3回転す る毎に1回タイミングパルスが発生する。一方活字ドラム3は全周を28ポジシ ョンに分割されていて、減速歯車34が1/3回転する毎に活字ドラム3は1/ 28回転する。すなわちタイミングパルス1ピッチは活字ポジション1ピッチに なるように設定されている。またドラム駆動歯車の歯車35−cとラチェット3 5−bはともに12枚の歯数であり、減速歯車34が1/3回転するとドラム駆 動歯車35は1/12回転し、ラチェット35−bの1ピッチもまたタイミング パルス1ピッチに対応している。
【0028】 <選択状態> 選択レバー39は図10及び図11において二点鎖線で示す状態にあり、ドラ ム歯車2とドラム駆動歯車35が停止し、選択カム37が回転する。選択カム3 7には、選択レバーのピン39−dと係合して、選択レバー39を保持しその後 解除する制御カム37−c(3分割の薄型ハートカム形状)が設けてあり、選択 カムが1/3回転すると停止し、再びドラム駆動歯車35が回転する。本実施例 では、選択カム37が1/3回転する間に減速歯車が1回転するような減速比に 設定されている。
【0029】 次に実際の一行印字動作を順を追って説明する。本実施例では、活字ドラム3 の二回転で一行の印字サイクルが完了する。
【0030】 <活字ドラムの回転開始> 一行の印字サイクルは、まずDCモータ11への通電で始まる。DCモータが回 転するとドラム駆動歯車35が回転を始めるが、活字ドラム3が次ぎに述べる初 期化された状態では、ドラム駆動歯車35とスライド歯42は非係合状態にある ため活字ドラム3は自動停止状態を保つ(活字ドラムの自動停止)。次にタイミ ングパルスに同期してトリガコイル46に通電すると吸引板47が吸引され、選 択レバー39が図10と図12において矢印方向へ回転して図中二点鎖線で示す 位置まで揺動する。この自動停止状態にある活字ドラム3は、選択レバー39の 爪39−bとラチェットが2−aが接触しないように、活字選択状態(図11) より回転方向に位相差を設けている。そして選択レバー39の他端にある爪39 −eがドラム駆動歯車のラチェット35−bと係合して回転を止めると同時に、 選択カム37を回動可能にする。これにより遊星機構の動力伝達が切り替わり、 選択カム37が回転を開始し、120度毎に設けられたスライドカム37−bに よってスライド歯42はスライドバネ44のバネ力に抗して下位桁側に押し下げ られる。スライド歯42が移動中に、スライド歯42に度当りしていた保持爪4 3は図17において矢印方向へ回転する。そして、スライド歯42は選択カム3 7のスライドカム37−bとの係合が外れるとスライドバネ44により下位桁側 へ若干量戻されるが、保持爪43で度当たる(図15の状態)。選択カム37が 1/3回転すると、選択カム裏面の制御カム37−cのプロフィールに添って選 択レバーのピン39−dが動き、選択レバー39は図10中実線で示す位置に復 帰し、同時に選択カム37が停止してドラム歯車35が回転を始める。同時に、 ドラム歯車35と係合状態にあるスライド歯42、スライド歯42と回転方向で は一体であるドラム歯車2も回転を始める。以上により、活字ドラム3及びドラ ム歯車2は、初期位相での自動停止状態を解除される。
【0031】 <活字ドラムポジションの初期化> 印字するに当たって活字ドラム3の回転方向と桁方向のポジションの初期化を 行う。なおこの初期化は既に一行の印字を終了した後では、後述するようにドラ ム歯車2と活字ドラム3とスライド歯42が初期位相に復帰している(自動停止 状態)ため、行う必要はない。この動作は、DCモータ11駆動後、トリガコイ ル46に通電を行い、56パルス(56=28×2)以上カウントすることによ り行う。この時、スライド歯42は下位桁側にありフレーム1のストッパ1−c とスライド歯42のストッパー42−aが当接し(図13の状態)、スライド歯 42はドラム駆動歯車35と非係合の位置にあるので、ドラム駆動歯車35から ドラム歯車2への動力伝達は遮断されドラム歯車2は初期位相で自動停止してい る(図15の状態)。そして、ドラム歯車2と連接されている活字ドラム3も所 定の位置で停止している。このドラム歯車2及び活字ドラム3の停止位相は活字 選択状態の位相とは位相差を設け、選択レバー39の爪39−bの動作領域にラ チェット2−aを設けないようにし、停止解除作動開始時に選択レバーが確実に 作動するようにしてある。
【0032】 <活字選択と印字(活字ドラム1回転目)> 活字の選択は各活字に対応するタイミングパルスにおいてトリガコイル46に 通電することによって行う。この通電により、選択レバー39が図10と図12 において矢印の方向へ回転して図中二点鎖線で示す位置まで揺動し、ドラム歯車 のらチェット2−aと係合して回転を止め、従ってドラム駆動歯車35の回転を 止めると同時に、選択カム37を回転可能にする。選択カム37が回転中、選択 レバー39は選択カム裏面の制御カム37−cのプロフィールに添って保持され 、ドラム歯車2を位置決め状態に保持する。この状態でもタイミングパルスは、 連続回転している減速歯車34によって繰り返し発生している。このタイミング パルスに同期して所望の桁の印字コイル8に通電し吸引板10を吸引させ、ハン マ9を動作させ活字を印字紙に押圧し印字を行う。さて、活字選択の後に選択カ ム37が1/3回転すると、前述のように選択レバー39が解除されるので、選 択カム37は停止し再びドラム歯車2が回転を始める。
【0033】 <活字ドラムのシフト(活字ドラム1回転目)> 活字ドラム3が一回転終了する少し前で、活字ドラム3が上位桁側から下位桁 側にシフトする行程となる。活字ドラム3の回動にともないカム溝3−aと回転 子12との係合により活字ドラム3が一桁分下位桁側に移動する。この時、活字 ドラムの4本あるキー3−cの一本が保持爪のカム面を押して保持爪43を図1 6中矢印方向に回転させ、同時にスライド歯42を押して下位桁側にスライドさ せる。この状態では、スライド歯42の歯部は、ドラム駆動歯車35−cとは桁 方向に噛み合い可能な位置関係になる(図16参照)。
【0034】 <活字選択と印字(活字ドラム2回転目)> 活字ドラム3が二回転目に入った後は、前述の活字選択と印字の行程を再度繰 り返す。今度は桁位置に対応する印字色が、活字ドラム3の一回転目とは入れ替 わっている。
【0035】 <活字ドラムのシフト(活字ドラム2回転目)> 活字ドラム3が2回転終了する少し前で、活字ドラム3が下位桁側から上位桁側 にシフトする行程となる。活字ドラム3の回転にともないカム溝3−aと回転子 12との係合により活字ドラム3が一桁分上位桁側に移動する。シフト中、活字 ドラムの4本あるキー3−cの一本が保持爪のカム面43−aを保持した後、保 持爪の度当り部43−bがスライド歯の度当り部42−bを乗り越えてしまうた め、スライド歯42は保持爪43の度当りがなくなる。そして、スライドバネ4 4のバネ力により活字ドラム3の移動に合わせて上位桁側へ移動し、ドラム歯車 の突起部2−eに度当たった位置となる。この状態では、スライド歯42の歯部 (約2枚)は、ドラム駆動歯車の歯車35−cとは桁方向に噛み合い不能な位置 関係になる(図17)。
【0036】 <自動停止> 2回転目のシフト行程と紙送り行程の後、スライド歯42はドラム駆動歯車の 歯車35−cとは桁方向に噛み合い不能な位置関係であり、一方フレームのスト ッパ1−cとは度当り可能な位置関係にある。スライド歯のストッパ42−aが フレームのストッパ1−cに度当たる時、ドラム歯車の歯車2−bはドラム駆動 歯車35との対向位置で歯を切り欠いた部分が来るため、ドラム駆動歯車35か らドラム歯車2への動力伝達は断たれる。よって、ドラム歯車2は停止する。以 降、トリガコイル46への回転開始の通電がされるまでドラム歯車2及び活字ド ラム3は自動停止状態を保つ。この状態は前述の<初期化>された後の状態と等 しく爪39−bにて位置決めされた活字選択状態とは位相差がある。
【0037】 次に以上のような動作をする活字式ドラムプリンタに図1、図2の活字配列図 を施し印字した場合の印字品位を図3にて説明する。図3において1、2桁の『 M+』は黒色印字で、3桁目より上位桁は赤色印字である。7桁目と11桁目の 『,』は活字ポジションP0すなわち自動停止状態にて印字され、活字ドラム3 の回転方向停止位相差よりその他の文字とは上下方向に印字位置にズレが生じて いる。図3中のCは活字『,』が爪39−bにて位置決めされ印字した場合との ズレ量を表しており、従来の課題で説明した図22中のB値と同一量の0.6m mである。しかし、活字『,』は活字ドラム回転方向にその他の活字より小さく 、且つ隣合う桁に印字することない活字であるので、上下方向に不揃いに見えな い良好な印字品位である。
【0038】 次に他の実施例として、図18の活字配列図を説明する。自動停止状態にある 活字ポジションP0には赤色の『.』を配している。図19はこの活字配列図を 用いて印字した印字文字例である。1、2桁の『M+』は黒色印字で、3桁目よ り上位桁は赤色印字である。3桁目の『.』は活字ポジションP0にて印字した 文字であり、活字ドラム3の回転方向停止位相差よりその他の文字とは上下方向 に印字位置にズレが生じている。図19中のDは活字『.』が爪39−bにて位 置決めされ印字した場合とのズレ量を表しており、図22中のB値及び図3中の C値と同一量の0.6mmの位置ズレ量である。しかし図3と同様に上下方向に 不揃いに見えない良好な印字品位である。
【0039】 以上説明した一実施例においては、活字ドラムが2回転して自動停止する活字 式ドラムプリンタにて説明してきたが、活字ドラムが整数回回転してから自動停 止する機構であれば本考案は適用でき、更にはハンマが活字ドラムの内から押圧 する形式、ハンマが活字ドラムの外から押圧する形式あるいはインパクト印字形 式等様々な印字形式のものでも良く、いずれの場合も本考案の主旨を逸脱するも のではない。
【0040】
【考案の効果】
以上述べたように本考案によれば、活字ドラムの自動停止状態にて印字可能な ドラム上の位置に、活字ドラム回転方向にその他の活字より小さく、且つ隣合う 桁に印字することない活字を配しているため、活字選択時の活字ドラム停止位相 と自動停止位相とに位相差が生じても、自動停止状態にて印字した文字と活字選 択機構にて印字した文字とは一行の中で上下方向に不揃いに見えることがない。 従って活字ドラムの自動停止位相と活字選択位相とに意識的に位相差を設けるこ とで、活字と対応したラチェットを停止させる爪と、停止解除選択のためのレバ ーを印字品位を損なうことなく一体化でき、単一なトリガ機構にて制御しても、 一行の中で上下方向に不揃いに見えることがない良好な印字品質を得る。更に、 活字ドラムの回転力を受けるラチェットの面及び活字は周方向に等ピッチな配置 で良いため、複雑なタイミングパルス検出機構を必要としないで制御可能である 。また活字ドラム周方向のより広い領域で印字品位良好に印字可能となるため、 活字種に対して小型化された活字式ドラムプリンタを提供できる。
【0041】 また活字ドラムを一回転する毎に活字ドラムを交互に桁方向に一桁分シフトし 、活字ドラム2回転で一行の印字をなすプリンタにおいて、 自動停止状態で印字可能な活字ドラム上の位置に3桁毎の桁表示用の記号のカン マを配置すると、そのカンマを印字する際は、一行の中のカンマは全て自動停止 状態にあるカンマで印字でき、その他の活字ポジションにあるカンマは用いられ ることが無い。従ってカンマとカンマ間で印字位置を比較しても上下方向に不揃 いになることはなく、良好な印字品位を得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例による活字ドラム一回転目の
活字配列図。
【図2】本考案の一実施例による活字ドラム二回転目の
活字配列図。
【図3】本考案の一実施例による印字品位説明図。
【図4】本考案の一実施例におけるプリンタ斜視図。
【図5】本考案の一実施例におけるプリンタ斜視図。
【図6】本考案の一実施例におけるプリンタ分解図。
【図7】本考案の一実施例における印字機構関係側断面
図。
【図8】本考案の一実施例における遊星作動機構を示す
側断面図。
【図9】本考案の一実施例における遊星作動機構を示す
側断面図。
【図10】本考案の一実施例における選択機構を示す側
断面図。
【図11】本考案の一実施例における活字選択状態の選
択機構動作図。
【図12】本考案の一実施例における停止解除機構作動
開始状態の選択機構動作図。
【図13】本考案の一実施例における自動停止機構を示
す側面図。
【図14】本考案の一実施例における自動停止機構を示
す平断面図。
【図15】本考案の一実施例におけるスライド歯回りの
背面図。
【図16】本考案の一実施例におけるスライド歯回りの
背面図。
【図17】本考案の一実施例におけるスライド歯回りの
背面図。
【図18】本考案の他の実施例による活字配列図(活字
ドラム一回転目)。
【図19】本考案の他の実施例による印字品位説明図。
【図20】従来技術における活字配列図(活字ドラム一
回転目)。
【図21】従来技術における活字配列図(活字ドラム二
回転目)。
【図22】従来技術における印字品位説明図。
【図23】従来技術における他の停止解除機構作動時の
選択機構動作図。
【符号の説明】
1 フレーム 2 ドラム歯車 2−a ラチェット 3 活字ドラム 4 活字シート 35 ドラム駆動歯車 39 選択レバー 39ーb 爪 46 トリガコイル 47 トリガ吸引板

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印字桁方向と平行に配設され外周上に複
    数の活字を配した活字ドラムと、 前記活字ドラムが整数回回転した時点で自動的に前記活
    字ドラムを初期位相に停止させる自動停止機構と、 一行の印字開始時に前記自動停止機構を解除する停止解
    除機構と、 前記活字ドラムと周方向において一体且つ前記活字と対
    応して設けられたラチェットと、該ラチェットと係合し
    該ラチェットならびに前記活字ドラムを停止させる爪
    と、該爪を選択的に駆動し且つ前記停止解除機構を制御
    する単一のトリガ機構とを有し、 前記活字ドラムが前記自動停止機構にて停止された時の
    印字紙と対向し印字可能な位置にある活字は、他の活字
    より小さく且つ隣合う桁に並んで印字することのない活
    字としたことを特徴とする活字式ドラムプリンタ。
  2. 【請求項2】 前記活字ドラムを一回転する毎に該活字
    ドラムを交互に桁方向に一桁分シフトする手段と、 前記活字ドラムが二回転した時点で自動的に前記活字ド
    ラムを初期位相に停止させる自動停止機構と、 一行の印字開始時に前記自動停止機構を解除する停止解
    除機構と、 前記活字ドラムが前記自動停止機構にて停止された状態
    において印字紙と対向し印字可能な位置にある活字を、
    3桁毎の桁表示用の記号であるカンマとしたことを特徴
    とする請求項1記載の活字式ドラムプリンタ。
JP6326191U 1991-08-09 1991-08-09 活字式ドラムプリンタ Pending JPH0516321U (ja)

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