JPH05163179A - フェノールおよびアルデヒド類またはケトン類の製造法 - Google Patents

フェノールおよびアルデヒド類またはケトン類の製造法

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JPH05163179A
JPH05163179A JP3336823A JP33682391A JPH05163179A JP H05163179 A JPH05163179 A JP H05163179A JP 3336823 A JP3336823 A JP 3336823A JP 33682391 A JP33682391 A JP 33682391A JP H05163179 A JPH05163179 A JP H05163179A
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藤夫 松田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ベンゼンとオレフィン類から1工程でフェノ
ールおよびアルデヒド類またはケトン類を併産する方法
を提供することである。 【構成】 触媒としての銅イオン、パラジウムおよび相
関移動触媒および/または界面活性剤の存在下に、ベン
ゼンおよびオレフィン類を酸素等の酸化剤と水を用いて
液相酸化反応させる。反応器に原料としてベンゼン、オ
レフィン類(例えば、エチレン)および酸素を仕込み反
応させれば、フェノールおよびアルデヒドを同時に併行
して製造させることができる。さらに、オレフィン類の
追加添加によって、フェノールの収率を増大させること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上利用分野】本発明は、アルデヒドとケトンを少
なくとも1種およびフェノールを併産することを特徴と
する新規な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ベンゼンと酸素からフェノールを
1工程で製造する方法は、触媒の存在下にベンゼンと酸
素を気相または液相で反応させる方法が知られている。
しかし、気相反応の場合、ベンゼンの完全酸化が起こ
り、フェノールの選択率が大変低い(特開昭56−87
527号)。また、液相反応の場合、銅塩と酸素を用い
てベンゼンを酸化する方法があるが、ベンゼンの転化率
が低く、フェノールの収率が低い(有機合成化学41,
839(1983))。
【0003】さらに、パラジウム系触媒を用い、1,1
0−フェナントロリンおよび一酸化炭素の存在下にベン
ゼンを酸化する方法があるが、フェノールの収量は低い
(特開平2−19809号)。そのため、ベンゼンの直
接酸化でフェノールを製造する方法が望まれていたが、
いまだに工業化されていない。
【0004】一方、アルデヒド類またはケトン類の製造
法は、従来、いわゆるワッカー法が知られている。すな
わち、パラジウムイオンおよび銅イオンの存在下に、オ
レフィン類と水と酸素を反応させて、アルデヒド類また
はケトン類を液相で生成させる方法が知られている(An
gew.Chem.71,176(1959) )。
【0005】この方法では、例えば、オレフィン類とし
てエチレンを使用すれば、アセトアルデヒドが生成す
る。また、オレフィン類としてプロピレンを使用すれば
アセトンが生成する。その他のオレフィン類から生成す
るアルデヒドまたはケトンに関してはAngew.Chem.71,17
6(1959) に詳しく説明してある。
【0006】それ故、本発明者らはアルデヒドとケトン
を少なくとも1種およびフェノールを併産する製造方法
を提供した(特願平2−406712号)。しかしなが
ら、フェノールおよびアルデヒドまたはケトンの選択率
および収率が十分に高いとは言えない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、ベンゼンとオレフィン類から1工程でフェノールと
アルデヒドまたはケトンを併産する方法において、でき
れば生成物をより高い収率により高い選択率で製造する
方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に関して鋭意検討した結果、ベンゼンとオレフィン類か
ら1工程でフェノールとアルデヒドまたはケトンをより
高い収率により高い選択率で併産する方法を見出した。
即ち、本発明は、オレフィン類およびベンゼンを触媒と
しての銅イオンおよびパラジウムの存在下に、酸化剤を
用いて液相酸化反応させ、アルデヒドとケトンを少なく
とも1種およびフェノールを併産するに際し、反応液中
に四級アンモニウムイオンおよびクラウンエーテルから
なる群の少なくとも1種を存在させることにより、生成
物を高収率に高選択率に製造することができ、液相とし
て水を存在させることにおよび反応液を酸性とすること
により、さらに、より高収率により高選択率に製造する
方法を提供することができる。
【0009】本発明に使用されるオレフィン類は、エチ
レン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセ
ン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デ
セン−1、ブタジエン−1,3、ペンタジエン−1,
4、シクロペンテン、シクロヘキセン、スチレン、アリ
ルベンゼン、アクリル酸、クロトン酸、メタクリル酸、
アリルアルコール、クロトンアルデヒド、塩化ビニル等
Angew.Chem.71,176(1959) の表1に示す全ての不飽和化
合物を含む。
【0010】本発明に使用される触媒としての銅イオン
は、金属銅、1価の銅化合物および2価の銅化合物から
なる群の少なくとも1種を反応液に添加することによっ
て得られる。本発明に使用される触媒としての1価の銅
化合物は Cu2Cl2 、Cu2F2 、Cu2Br2、Cu2l2 、Cu2O、Cu
2CO3、Cu2(CN)2、Cu2SO3、Cu2OH 、Cu2S、Cu3Fe(CN)6
Cu4Fe(CN)6等である。本発明に使用される触媒としての
2価の銅化合物は、 CuCl2、CuF2、CuBr2 、CuO 、Cu(O
H)2 、Cu(CH3COO)2 、CuSO4 、CuCO3 、Cu(ClO4)2 、Cu
CrO4、Cu(CN)2 、CuCr2O7 、Cu3(Fe(CN)6)2 、Cu2Fe(C
H)6、Cu(HCO2)2 、Cu(NO3)2、Cu3(PO4)2 、CuS 、ナフ
テン酸、ステアリン酸銅等である。本発明に使用される
金属銅および銅化合物の量は、通常、ベンゼン100g
当たり0.001〜10g、好ましくは0.01〜1g
である。
【0011】本発明に使用される触媒としてのパラジウ
ムは、パラジウム塩、金属パラジウム、酸化パラジウ
ム、担体つきパラジウム、有機パラジウム等を反応液に
添加することによって得られる。本発明に使用される触
媒としてのパラジウム塩は、PdF2、PdCl2 、PdBr2 、Pd
I2、Pd(NO3)2、PdSO4 、Pd(CH3COO)2 、PdS 、パラジウ
ムアセチルアセテート、PdCl2(PPh3)2等である。本発明
に使用される金属パラジウムおよびパラジウム化合物の
量は通常、ベンゼン100g当たり0.001〜10
g、好ましくは0.01〜1gである。
【0012】本発明において、反応系に四級アンモニウ
ムイオンを添加すればフェノールの収率に良い効果があ
る。本発明に用いられる四級アンモニウムイオンは通
常、四級アンモニウム塩として反応系に添加される。本
発明に用いられる四級アンモニウム塩はベンジルトリエ
チルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアン
モニウムブロマイド、ベンジルトリ−n−ブチルアンモ
ニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロ
ライド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、デ
シルトリメチルアンモニウムクロライド、デシルトリメ
チルアンモニウムアイオダイド、フェニルトリメチルア
ンモニウムクロライド、フェニルトリメチルアンモニウ
ムブロマイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロラ
イド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、ト
リメチルステアリルアンモニウムクロライド等である。
また、これらのアンモニウム塩の対ハロゲンアニオンを
ヒドロキシアニオンに置換したもの等である。本発明に
用いられる四級ホスホニウムイオンは通常、四級ホスホ
ニウム塩として反応系に添加される。本発明に用いられ
る四級ホスホニウム塩はベンジルトリエチルホスホニウ
ムクロライド、ベンジルトリエチルホスホニウムブロマ
イド、ベンジルトリ−n−ブチルホスホニウムクロライ
ド、セチルトリメチルホスホニウムクロライド、セチル
トリメチルホスホニウムブロマイド、デシルトリメチル
ホスホニウムクロライド、デシルトリメチルホスホニウ
ムアイオダイド、フェニルトリメチルホスホニウムクロ
ライド、フェニルトリメチルホスホニウムブロマイド、
テトラ−n−ブチルホスホニウムクロライド、テトラ−
n−ブチルホスホニウムブロマイド、トリメチルステア
リルホスホニウムクロライド等である。また、これらの
ホスホニウム塩の対ハロゲンアニオンをヒドロキシアニ
オンに置換したもの等である。本発明に用いられる四級
アンモニウム塩およびホスホニウム塩の使用量について
は特に制限はないが、好ましくはベンゼン1モルに対し
て0.001〜0.1モルである。
【0013】本発明において、反応系にクラウンエーテ
ルを添加すれば、副生物が減少し、フェノールの選択率
および収率に良い効果がある。本発明に用いられるクラ
ウンエーテルはクラウンエーテル/12−クラウン−
4、クラウンエーテル/15−クラウン−5、クラウン
エーテル/18−クラウン−6、18−クラウン−6ア
セトニトリルコンプレックス、クラウンエーテル/
(+)−18−クラウン−6−テトラカルボン酸、クラ
ウンエーテル/ジベンゾ−18−クラウン−6、クラウ
ンエーテル/ジベンゾ−24−クラウン−8、クラウン
エーテル/ジベンゾビリジノ−18−クラウン−6、ク
ラウンエーテル/ジシクロヘキシル−18−クラウン−
6、クラウンエーテル/N−フェノールアザ−15−ク
ラウン−5、クラウンエーテル/ジシクロヘキシル−2
4−クラウン−8等である。本発明に用いられるクラウ
ンエーテルの使用量については特に制限がないが、好ま
しくはベンゼン1モルに対して0.001〜0.1モル
である。本発明方法においては、界面活性剤を反応系に
添加することで、フェノールの収率、選択率を向上させ
る。これらの界面活性剤は通常、不均一な2液もしくは
多液相において、これら異種液相間の界面張力等を減少
させることにより、不均一な2もしくは多液相を乳化、
ミセル化、高分散化もしくはエマルジョン化させうるも
のであり、具体的には通常、市販されている界面活性剤
等であれば、差し支えない。更に具体的には、脂肪酸ソ
ーダ石鹸類、脂肪酸カリ石鹸類、アルキルスルホン酸塩
類、アルキルエーテルスルホン酸塩類、アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩類、N−メチルタウリン酸塩類、アシル
アルキルタウリン酸塩類、ジアルキルスルホこはく酸塩
類、ポリカルボン酸塩類、アミドエーテルサルフェート
類、アルキルザルコシネート類等の陰イオン界面活性
剤、アルキルアミン酢酸塩類、長鎖アルキルアンモニウ
ム塩類、オキシアルキレンアルキルアミン類、ポリオキ
シアルキレンアルキルアミン類等の陽イオン界面活性
剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、アルキ
ルフェノール、ポリオキシアルキレンアルキレート、ソ
ルビタンアルキルエステル類、オキシエチレンオキシプ
ロピレンブロックポリマー類、アルキルアルキロールア
ミド類、グリセロールエステル類等の非イオン界面活性
剤、アルキルグリシン類、ジメチルアルキルラウリルベ
タイン類等の両性界面活性剤などを例示される。無論、
本発明方法においては、これらの界面活性剤のみに限定
されることはない。これらの界面活性剤の使用量は、と
くに限定されることはないが、好ましくは、ベンゼン1
00g当たりに0.001〜20g、更に好ましくは、
0.01〜2gである。
【0014】本発明に使用される鉄イオンは金属鉄、2
価の鉄化合物、および3価の鉄化合物からなる群の少な
くとも1種を反応液に添加することによって得られる。
本発明に使用される2価の鉄化合物は FeCl2、FeF2、 F
eBr2、FeI2、 FeO、Fe(OH)2 、 Fe(CH3COO)2、 FeSO4
FeCO3、 Fe(ClO4)2、Fe3(CN)6、Fe(NO3)2、Fe3(P
O4)2 、FeS 等である。本発明に使用される3価の鉄化
合物は FeCl3、FeF3、 FeBr3、 Fe2O3、Fe(OH)3 、 Fe
(OH)(CH3COO)2、 Fe2(SO4)3、 Fe4[Fe(CN)6]3、Fe(NO3)
3、FePO4 、 Fe2S3等である。本発明に使用される金属
鉄および鉄化合物の量は通常、ベンゼン100g当たり
0.001〜10g、好ましくは0.01〜1gであ
る。
【0015】本発明に使用されるリチウムイオンはリチ
ウム金属またはリチウム塩を反応液中に添加することに
よって得られる。本発明に使用されるリチウム塩はLiC
l、LiNO3、Li2SO4、LiBr、 LiI、Li(CH3COO)、LiHCO3
LiCO3、LiClO3、LiHCO2、LiOH、 LiNO2、Li2S、Li2SO3
等である。本発明に使用されるリチウム金属およびリチ
ウム化合物の量は、通常、ベン100g当たり0.00
1〜10g、好ましくは0.01〜1gである。
【0016】本発明による反応液は酸性である。この酸
性反応液は反応液に酸を添加することによって得られ
る。反応液に添加する酸としては、通常、塩酸、硫酸、
酢酸、硝酸、ギ酸、酸性塩等が使用される。本発明に用
いられる反応液の酸性は通常pHが6以下、好ましくは
pHが4以下の範囲で実施される。
【0017】本発明による反応液は溶液状態、二層分離
状態、二液混層状態、コロイド状態、スラリー状態、気
相混相状態、気液混相状態等で実施することができる。
本発明による反応温度は、通常0〜300℃、好ましく
は10〜200℃である。反応温度が0℃より低いとベ
ンゼン若しくはオレフィンの転化率が低く、生産性が低
いことがある。一方、反応温度が300℃より高いと副
生物が多くなり、フェノールおよびアルデヒドまたはケ
トンの選択率が低くなる場合がある。本発明による反応
圧力は、通常0〜300Kg/cm2 、好ましくは2〜
150Kg/cm2 である。この反応圧力は酸素、窒
素、一酸化炭素等の圧力によって調整することができ
る。本発明による反応時間は、通常0.05〜30時
間、好ましくは0.1〜10時間である。また、本発明
は理論的には原料であるベンゼン、オレフィン、酸素中
のいずれかが無くなるまで反応は可能であるので、連続
的に原料を供給し、連続的に生成物を抜き出せばより長
時間の反応は可能である。とくに断続的にオレフィン類
を追加挿入することによって、フェノールおよびアルデ
ヒド類の収率が向上する。
【0018】本発明による反応は、回分法、半回分法、
連続法等の様々の反応方式および反応操作によって行う
ことができる。また、前記触媒は溶液状態、二層分離状
態、二液混層状態、スラリー状態、固定床、移動床、流
動床のいずれかの方法で用いてもよい。本発明におい
て、反応原料の各成分の反応器への添加順序および前記
触媒との接触順序は特に制限はない。本発明による反応
後、反応生成物を前記触媒等から濾別、抽出、留去等の
通常の分離方法によっては分離回収することができる。
本発明による目的生成物であるフェノールおよびアルデ
ヒドまたはケトンを含有する前記回収物を溶媒抽出、蒸
留、アルカリ処理、酸処理等の逐次的な処理等、あるい
は、これらを適宜に組合わせた操作等の通常の分離、精
製法によって、目的生成物であるフェノールおよびアル
デヒドおよび/またはケトンを分離精製することができ
る。また、未反応の原料であるベンゼン、オレフィン類
および酸素は回収して、再び反応系にリサイクルして使
用することができる。本発明による反応を回分操作法で
実施する場合、反応後、反応生成物を分離して回収され
た触媒はそのまま、またはその一部もしくは全部を再生
した後、繰り返して触媒として反応に使用することがで
きる。
【0019】本発明による反応を連続的に実施する場
合、反応に供することによって一部またはすべてが失活
または活性低下し触媒は、反応を中断後再生して反応に
用いることもできるし、また、連続的または継続的に反
応器から触媒の一部を抜き出して再生して、再び反応器
へリサイクルして反応に使用することもできる。また、
新しい触媒を連続的または断続的に反応器に添加するこ
ともできる。
【0020】
【実施例】
実施例1 50mlのハステロイC製オートクレーブ中にベンゼン
4.0g、 0.1N塩酸15g、PdCl2 0.05g、銅粉
0.05g、 FeCl2・4H2O 0.1g、FeCl3 ・6H2O
0.1g、LiCl 0.05g、クラウンエーテル/ジシ
クロヘキシル−18−クラウン−6を0.1gを仕込ん
だ後、このオートクレーブ内を酸素ガスで置換し、オー
トクレーブ内に酸素圧15Kg/cm2 およびエチレン
圧15Kg/cm2 を仕込んだ。反応温度100℃、反
応時間3時間とし、オートクレーブを攪拌した後、反応
液をベンゼンを用いて抽出し、ベンゼン中の反応生成物
をガスクロマトグラフを用いて分析した結果、フェノー
ル収率8.6%およびアセトアルデヒド収率28.7%
を得た。p−ベンゾキノンの副生は認められなかった。
【0021】実施例2 実施例1において実施した方法で、 FeCl2・4H2O、FeCl
3 ・6H2OおよびLiClを仕込まず、その方法は実施例1と
同様に実施した結果、フェノール収率6.8%およびア
セトアルデヒド収率12.6%を得た。副生物としてp
−ベンゾキノン1.0%を得た。
【0022】比較例1 実施例1において実施した方法で、クラウンエーテル/
ジシクロヘキシル−18−クラウン−6を仕込まず、そ
の他は実施例1と同様に実施した結果、フェノール収率
7.8%およびアセトアルデヒド収率25.8%を得
た。p−ベンゾキノンの副生は認められなかった。
【0023】比較例2 実施例1において実施した方法で、 FeCl2・4H2O、FeCl
3 ・6H2OおよびLiClおよびクラウンエーテル/ジシクロ
ヘキシル−18−クラウン−6を仕込まず、その他は実
施例1と同様に実施し結果、フェノール収率5.6%お
よびアセトアルデヒド収率9.4%を得た。副生物とし
てp−ベンゾキノン1.2%を得た。
【0024】実施例3 実施例1において実施した方法で、エチレンの代わりに
プロピレン8Kg/cm2 を仕込み、その他は実施例1
と同様に実施した結果、フェノール収率7.6%および
アセトン収率24.7%を得た。p−ベンゾキノンの副
生は認められなかった。
【0025】実施例4 実施例5を実施した後で、さらにプロピレン8Kg/c
2 を仕込み、その後実施例5と同様に実施した結果、
フェノール収率10.8%およびアセトン収率31.7
%を得た。p−ベンゾキノンの副生は認められなかっ
た。
【0026】実施例5 実施例6を使用した後で、さらにプロピレン8Kg/c
2 を仕込み、その後実施例6と同様に実施した結果、
フェノール収率13.9%およびアセトン収率38.5
%を得た。p−ベンゾキノンの副生は認められなかっ
た。
【0027】実施例6 実施例1において、オートクレーブ中にベンゼンを4
g、CuCl 0.1g、酢酸パラジウム0.05gおよび
クラウンエーテル/ジシクロヘキシル−18−クラウン
−6を仕込んだ後、このオートクレーブ内を酸素ガスで
置換し、オートクレーブ内に酸素圧15Kg/cm2
酸素ガス、エチレン圧15Kg/cmのエチレンガスお
よび一酸化炭素圧15Kg/cm2 の一酸化炭素ガスを
仕込んだ。反応温度180℃、反応時間1時間とし、そ
の他は実施例1と同様に実施した。その結果、フェノー
ル収率が6.7%、アセトアルデヒド収率12.3%お
よび酢酸フェニル収率が1.2%であった。
【0028】比較例3 実施例6において、ジシクロヘキシル−18−クラウン
−6を使用しない他は実施例6と同様に実施した。その
結果、フェノール収率が4.8%、アセトアルデヒド収
率8.1%および酢酸フェニル収率が1.0%であっ
た。
【0029】実施例7 実施例1において、クラウンエーテル/ジシクロヘキシ
ル−18−クラウン−6の代わりにテトラブチルアンモ
ニウムクロライドを0.01g添加した他は、実施例1
と同様に実施した。その結果、フェノール収率が8.5
%、アセトアルデヒド収率27.3%およびp−ベンゾ
キノンの副生は認められなかった。
【0030】実施例8 実施例において、クラウンエーテル/ジシクロヘキシル
−18−クラウン−6の代わりにベンジルトリエチルア
ンモニウムクロライド0.01gを使用した他は実施例
1と同様に実施した。その結果、フェノール収率8.5
%、アセトアルデヒド収率27.1%およびp−ベンゾ
キノンの副生は認められなかった。
【0031】実施例9 実施例8において、クラウンエーテル/ジシクロヘキシ
ル−18−クラウン−6の代わりにテトラブチルアンモ
ニウムクロライド0.01gを使用した他は実施例8と
同様に実施した。その結果、フェノール収率6.6%、
アセトアルデヒド収率12.0%および酢酸フェニル収
率が0.9%であった。
【0032】実施例10 実施例1において、クラウンエーテル/ジシクロヘキシ
ル−18−クラウン−6の代わりにクラウンエーテル/
12−クラウン−4 0.1gを使用した他は実施例1
と同様に実施した。その結果、フェノール収率8.5
%、アセトアルデヒド収率28.1%およびp−ベンゾ
キノンの副生は認められなかった。
【0033】実施例11 実施例1において実施した方法で、エチレンの代わりに
ブテン−1を4.2g仕込み、その他は実施例1と同様
に実施した結果、フェノール収率6.4%およびメチル
エチルケトン収率22.1%を得た。p−ベンゾキノン
の副生は認められなかった。
【0034】比較例4 実施例13において実施した方法で、クラウンエーテル
/ジシクロヘキシル−18−クラウン−6を仕込まず、
その他は実施例13と同様に実施した結果、フノール収
率6.0%およびメチルエチルケトン収率20.2%を
得た。p−ベンゾキノンの副生は認められなかった。
【0035】実施例12 実施例1において実施した方法で、エチレンの代わりに
シクロヘキセン4.0g仕込み、その他は実施例1と同
様に実施した結果、フノール収率6.2%およびシクロ
ヘキサノン収率10.3%を得た。p−ベンゾキノンの
副生は認められなかった。
【0036】比較例5 実施例12において実施した方法で、クラウンエーテル
/ジシクロヘキシル−18−クラウン−6を仕込まず、
その他は実施例12と同様に実施した結果、フノール収
率5.8%およびシクロヘキサノン収率8.7%を得
た。p−ベンゾキノンの副生は認められなかった。
【0037】
【発明の効果】本発明に従えば、以下の効果が得られ
る。 (1)フェノールおよびアルデヒドまたはケトンが併産
できる。 (2)ベンゼンを直接酸化して、フェノールを選択率良
く製造し、オレフィンの添加によって、フェノールの収
率を増大させることができる。 (3)アルデヒドまたはケトンを選択率良く、かつ、収
率よく製造することができる。 (4)フェノール収率およびアルデヒドまたはケトン収
率を相互に増大させる。 (5)従来の方法に比較して、フェノールを低温、低圧
の温和条件で直接酸化製造することができる。 (6)工業上重要なフェノールおよびアルデヒドまたは
アセトンを安全上、プロセス上、経済上著しく優位に生
産することができる。 上述のように、本発明によって工業上著しく優れたフェ
ノールおよびアルデヒド類またはケトン類の新規な併産
方法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 27/12 350 8827−4H 37/58 9159−4H 39/04 9159−4H 47/06 B 9049−4H 49/08 A 6917−4H 49/10 6917−4H 49/403 A 6917−4H // C07B 61/00 300

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィン類及びベンゼンを触媒として
    の銅イオン及びパラジウムの存在下に、酸化剤を用いる
    液相反応であって、反応液中に、相間移動触媒及び界面
    活性剤からなる群の少なくとも1種以上を存在させるこ
    とを特徴とするアルデヒド類とケトン類を少なくとも1
    種及びフェノールを製造する方法。
  2. 【請求項2】 反応系に更に、触媒としての鉄イオン及
    びリチウムイオンからなる群の少なくとも1種以上を存
    在させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 液相として水を存在させることを特徴と
    する請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 相間移動触媒が、第4級アンモニウムイ
    オン、第4級ホスホニウムイオン又はクラウンエーテル
    である請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 界面活性剤が、反応液系を乳化、ミセル
    化もしくはエマルジョン化させる物質である請求項1に
    記載の方法。
  6. 【請求項6】 酸化剤が酸素ガスもしくは不活性ガスで
    希釈された酸素ガス及び水である請求項1に記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 更に反応液に酸を加えることを特徴とす
    る請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 断続的にオレフィン類を追加挿入するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8614349B2 (en) 2004-11-17 2013-12-24 Asahi Kasei Chemicals Corporation Oxidation catalyst and oxidation method

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