JPH05162363A - サーマル記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 作図領域を特定する輪郭線を含む図面を描画
した場合でも、サーマルヘッドの寿命が低下するのを防
止する。 【構成】 輪郭及び図形を含んだＣＡＤデータ（プロッ
タコマンド）は、入力バッファ１に格納され、解析部２
で得られた内部（中間）データは、輪郭データ抽出部３
で輪郭線のみを抽出される。抽出された輪郭線は、輪郭
データシフト部４で基準点変更部１３からの基準点Ｐに
基づきサーマルヘッドのライン方向にシフトされる。ビ
ットマップ展開処理部５でビットマップデータに展開さ
れた図面データは、フレームバッファ６に格納される。
図面データは、コントローラ７によって順次読み出さ
れ、シフトレジスタ９に順次供給される。ロール紙交換
検出部１２はロール紙が交換されたことを検出し、基準
点変更部１３はロール紙の交換が検出されたら記憶部１
１に記憶された基準点Ｐを変更して輪郭データをライン
方向にシフトさせる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、多数の発熱抵抗体がラ
イン状に配置されたサーマルヘッドを使用したサーマル
プロッタ及びファクシミリ装置等のサーマル記録装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から自動製図機の分野等では、ペン
プロッタと並んで、作図の高速性、低騒音性及び保守の
容易性等からサーマルヘッドを使用したサーマル記録装
置が使用されている。周知のようにサーマルヘッドは、
多数の発熱抵抗体をアレイ状に配置して構成されてい
る。最近では、長尺ヘッドの開発やアセンブリ技術の進
歩等に伴ってＡ０，Ａ１サイズといった大型のサーマル
プロッタも開発されている。

【０００３】ところで、通常、図面にはその作図領域を
特定するため、周縁部に太い実線（０．５mm以上）で輪
郭線を引いておくことになっている。この輪郭線の右下
には表題欄が設けられる。上記輪郭線は、ＣＡＤシステ
ムから図形データと共にサーマル記録装置に送信されて
くる場合と、記録用紙のサイズに合わせてサーマル記録
装置の内部で設定される場合とがある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記輪郭線は、図面に
おける最も長い直線となる。サーマル記録装置では、用
紙の搬送方向にこのような長い直線を引く場合、サーマ
ルヘッドの特定の発熱抵抗体を連続的に発熱させる必要
がある。特に、このような輪郭線は用紙サイズに応じて
記録位置が一意的に決定される。したがって、輪郭線を
描画する発熱抵抗体は、他の発熱抵抗体に比べて発熱時
間が著しく長くなり、ヘッド全体の寿命も輪郭線を描く
発熱抵抗体の寿命によって決定されることになる。

【０００５】このように、図面データを出力するサーマ
ル記録装置では、輪郭線を描くために特定の発熱抵抗体
を酷使するという特有の事情があり、このためにサーマ
ルヘッド全体としてみれば僅かな出図枚数であるにも拘
らず、特定の一部の発熱抵抗体の劣化によってサーマル
ヘッド全体の寿命が短くなってしまうという問題点があ
る。

【０００６】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、輪郭線を含む図面を描画した場合でも、サーマル
ヘッドの寿命が極端に短くなるのを効果的に防止するこ
とができるサーマル記録装置を提供することを目的とす
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明に係るサーマル記
録装置は、図面の作図領域を特定する輪郭線及びこの輪
郭線内に描画される図形を含んだ図面データを解析して
ビットマップ展開する画像処理手段と、この画像処理手
段でビットマップデータに展開された前記図面データを
記憶するフレーム記憶手段と、このフレーム記憶手段に
記憶された前記図面データを順次読み出すと共に各部を
制御する制御手段と、この制御手段に制御されて記録用
紙を搬送する用紙搬送手段と、前記フレーム記憶手段か
ら順次読み出された前記図面データに基づいて前記記録
用紙に前記輪郭線及び図形を出力するサーマルヘッドと
を具備したサーマル記録装置において、前記記録用紙が
交換されたことを検出する用紙交換検出手段と、この用
紙交換検出手段で記録用紙の交換が検出される毎に前記
サーマルヘッドの発熱抵抗体配列方向における前記図面
データ中の前記輪郭線の位置のみをシフトさせる輪郭シ
フト手段とを備えたことを特徴とする。

【０００８】前記図面データ中の輪郭線は、前記図形と
共に外部のＣＡＤシステム等から供給されてもよいし、
サーマル記録装置の内部で用紙サイズに合わせて設定さ
れるものであってもよい。前者の場合には、図面データ
中から輪郭線のみを抽出するための輪郭データ抽出手段
を更に備える必要がある。また、輪郭シフト手段は、例
えばビットマップ展開時において、前記フレーム記憶手
段における輪郭データの格納位置をシフトさせるような
ものでよい。

【０００９】

【作用】ＪＩＳ（機械製図）によると、図面の輪郭線の
左右余白は、大型図面（Ａ０，Ａ１）では２０mm以上、
中・小型図面（Ａ２〜Ａ３）では１０mm以上、左側を綴
じ代とする場合は２５mm以上と規定されているが、実用
上は、±２mm程度の幅が許容されている。本発明によれ
ば、例えばこの幅の範囲内で、サーマルヘッドの発熱抵
抗体配列方向における図面データ中の輪郭線の位置のみ
を記録用紙交換が検出される毎にシフトさせるようにし
ている。このため、記録用紙交換の度に輪郭線の位置が
ずれ、これにより輪郭線を描画するサーマルヘッドの発
熱抵抗体位置もずれることになる。

【００１０】このように、本発明によれば、用紙搬送方
向の輪郭線を描く発熱抵抗体を記録用紙を交換する毎に
変更することができるので、従来のように特定の発熱抵
抗体のみで輪郭線を描く場合に比べ、発熱抵抗体の使用
時間を数分の一〜数十分の一に短縮することができる。
このため、サーマルヘッドの寿命を従来よりも大幅に延
ばすことが可能になる。また、本発明によれば、輪郭線
のみをシフトする方式であるため、シフト処理に供され
るデータ量が少なく、シフト処理に多くの時間を費やす
ことはない。

【００１１】また、この発明によれば、輪郭線をシフト
させるタイミングが記録用紙の交換時となっている。通
常、記録用紙が交換されると、そのセット位置は前のセ
ット位置から微妙にずれることが多い。このため、記録
用紙毎に輪郭線をずらしても、そのずれ量が極端でない
限り、あまり目立つことはない。しかも、この発明で
は、記録用紙が交換されない限り輪郭線の位置は変わら
ないので、同一ロットの図面については輪郭線のずれに
よる問題が発生することは全くない。

【００１２】

【実施例】以下、添付の図面を参照して本発明の実施例
について説明する。図１は本発明の第１の実施例に係る
サーマルプロッタの構成を示す機能ブロック図である。
輪郭線及び図形を含んだ図面データは、例えばＡＳＣＩ
ＩコートからなるＣＡＤデータ（プロッタコマンド）の
形態で、図示しないＣＡＤシステムから送信される。こ
のＣＡＤデータ（プロッタコマンド）は入力バッファ１
に格納される。入力バッファ１に格納されたＣＡＤデー
タ（プロッタコマンド）は、解析部２で解析されてベク
トルデータからなる内部（中間）データに変換される。
解析部２で得られた内部（中間）データのうち輪郭線の
みは、輪郭データ抽出部３で抽出される。抽出された輪
郭線は輪郭データシフト部４でシフト処理され配置位置
を決定される。位置を決定された輪郭線を含む図面デー
タは、ビットマップ展開処理部５でＤＤＡ（Digital di
fferential analyzer ）処理されてビットマップデータ
に展開される。得られたビットマップデータは、フレー
ムバッファ６に格納される。

【００１３】フレームバッファ６に格納されたビットマ
ップデータは、コントローラ７によって順次読み出され
るようになっている。コントローラ７は、用紙搬送部８
を制御して記録用紙の搬送制御を行うと共に、フレーム
バッファ６から読み出した図面データをシフトレジスタ
９に順次供給する。シフトレジスタ９は、供給された図
面データをサーマルヘッド１０に送出する。サーマルヘ
ッド１０は、上記図面データに従って、図示しない記録
用紙に必要な感熱記録又は熱転写記録を行う。

【００１４】一方、このサーマルプロッタには、輪郭線
の配置基準点を記憶する記憶部１１と、記録用紙である
ロール紙が交換されたことを検出するロール紙交換検出
部１２と、このロール紙交換検出部１２でロール紙の交
換が検出する度に記憶部１１に記憶された基準点を変更
する基準点変更部１３が設けられている。記憶部１１に
は、例えばＥＥＰＲＯＭのような不揮発性メモリが使用
される。基準点変更部１３で変更された基準点は、ビッ
トマップ展開時の基準点を特定するデータとして輪郭デ
ータシフト部４に供給されている。

【００１５】次に、このように構成された本実施例に係
るサーマルプロッタの動作について説明する。図２は、
同プロッタの動作を示すフローチャートである。入力バ
ッファ１にＣＡＤデータ（プロッタコマンド）が格納さ
れ、これが解析部３で解析されて内部（中間）データに
変換されると、図２のフローが起動される。まず、輪郭
データ抽出部３で輪郭データが抽出される（Ｓ１）。輪
郭線であるかどうかは、例えばその両端の座標値から最
も外側の枠線であるかどうかで判定することができる。
また、輪郭線として抽出された線分データに接続された
全ての線分データについても輪郭線として抽出する。こ
れにより、表題欄、中心マーク及び図面の区域表示等に
ついてもシフト処理することができる。

【００１６】次に、基準点変更部１３は、記憶部１１か
ら基準点Ｐを読み出し（Ｓ２）、ロール紙交換検出部１
２でロール紙の交換が検出されているかどうかを調べる
（Ｓ３）。ロール紙の交換が検出されていなかった場合
には、そのまま１枚のプリント処理を実行し（Ｓ９）、
検出されていた場合には、基準点Ｐをカウントアップす
る（Ｓ４）。この場合、もし、基準点Ｐが最大シフト量
ＰＬを超えたら、Ｐを０にリセットする（Ｓ５，Ｓ
６）。最大シフト量ＰＬは、輪郭線のずれの許容幅（±
２mm）、サーマルヘッド１０の発熱抵抗体の配列ピッチ
及び１回のシフトピッチ等によって決定される。更新さ
れた基準点Ｐは記憶部１１に格納される（Ｓ７）。続い
て、輪郭データシフト部４で基準点Ｐを基準として輪郭
線の配置すべき位置が決定される。即ち、図面データ中
の輪郭線を構成する各ベクトルのＸ（ライン方向）座標
に、基準点Ｐを加算する（Ｓ８）。次に１枚のプリント
処理（Ｓ９）を実行する。以上の処理をプリント終了ま
で続行する（Ｓ１０）。所要枚数のプリントが終了しな
いうちに記録用紙を交換した場合でも、基準点Ｐは更新
される。

【００１７】図３は、本サーマルプロッタの作用を説明
するための図である。ロール紙交換前の出図では、図３
（ａ）に示すように、サーマルヘッド１０の発熱抵抗体
Ｐ１，Ｐ２が連続的に使用されて輪郭線２１の縦方向の
線が描画されたが、ロール紙交換後の出図では、図３
（ｂ）に示すように、輪郭線２１のみが発熱抵抗体の１
ピッチΔｘ分だけ左方向にずれることになるので、輪郭
線２１の縦方向の線を描画するサーマルヘッド１０の発
熱抵抗体がＰ３，Ｐ４に変更され、Ｐ１，Ｐ２が連続的
に使用されるのが防止されることになる。なお、図形２
２については輪郭線描画のような問題は生じないため、
同一位置で描画されることになる。

【００１８】発熱抵抗体が１６ドット／mmのピッチで配
置される場合、輪郭線を０．５mmとすると、輪郭線は８
ドット分の発熱抵抗体によって描画される。もし、１ド
ットずつシフト操作を行うとすると、許容幅を２mmと設
定した場合、３２回のシフト操作で処理が１巡する。こ
の場合、最も長く発熱する抵抗体でも従来の１／４の通
電時間に短縮されることになる。

【００１９】図４は本発明の第２の実施例に係るサーマ
ルプロッタの構成を示す機能ブロック図である。なお、
図４において図１と同一部分には同一符号を付し、重複
する部分の説明は省略する。この実施例は、ＣＡＤシス
テムから輪郭データがＣＡＤデータ（プロッタコマン
ド）として転送されない場合について本発明を適用した
ものである。

【００２０】即ち、サーマルプロッタには、用紙サイズ
入力器３１が設けられており、この用紙サイズ入力器３
１の入力状況に応じて輪郭データ設定部３２で輪郭線が
生成され、この輪郭線が輪郭データシフト部４に供給さ
れるようになっている。輪郭データシフト部４に供給さ
れた輪郭データのシフト以降の処理については、第１の
実施例と同様である。この実施例によれば、輪郭線が輪
郭データ設定部３２から与えられるので、図面データ中
から輪郭線のみを抽出するという操作が不要になり、そ
の分だけ処理を簡単にすることができる。

【００２１】なお、以上の実施例では、サーマルプロッ
タを例にしたが、ファクシミリ装置等の他のサーマル記
録装置にも本発明を適用可能であることはいうまでもな
い。

【００２２】

【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、輪
郭線を描くサーマルヘッドの発熱抵抗体位置を記録用紙
の交換の度に変更するようにしているので、輪郭線を描
画する発熱抵抗体の使用時間を従来の数分の一〜数十分
の一に短縮することができる。この結果、サーマルヘッ
ドの特定の発熱抵抗体のみが酷使されるのを防止するこ
とができ、サーマルヘッド全体の寿命を大幅に向上させ
ることができるという効果を奏する。また、本発明によ
れば、輪郭線のみをシフトさせるようにしているので、
シフト処理に供するデータ量を最小限度に抑えることが
でき、処理時間の短縮を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の第１の実施例に係るサーマルプロッ
タの構成を示す機能ブロック図である。

【図２】 同プロッタの動作を示すフローチャートであ
る。

【図３】 同プロッタによる出図形態を説明するための
図である。

【図４】 本発明の第２の実施例に係るサーマルプロッ
タの構成を示す機能ブロック図である。

【符号の説明】

１…入力バッファ、２…解析部、３…輪郭データ抽出
部、４…輪郭データシフト部、５…ビットマップ展開処
理部、６…フレームバッファ、７…コントローラ、８…
用紙搬送部、９…シフトレジスタ、１０…サーマルヘッ
ド、１１…記憶部、１２…ロール紙交換検出部、１３…
基準点変更部、２１…輪郭線、２２…図形、３１…用紙
サイズ入力器、３２…輪郭データ設定部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｈ０４Ｎ 1/23 １０２ Ａ 9186−5Ｃ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 図面の作図領域を特定する輪郭線及びこ
   の輪郭線内に描画される図形を含んだ図面データを解析
   してビットマップ展開する画像処理手段と、この画像処
   理手段でビットマップデータに展開された前記図面デー
   タを記憶するフレーム記憶手段と、このフレーム記憶手
   段に記憶された前記図面データを順次読み出すと共に各
   部を制御する制御手段と、この制御手段に制御されて記
   録用紙を搬送する用紙搬送手段と、前記フレーム記憶手
   段から順次読み出された前記図面データに基づいて前記
   記録用紙に前記輪郭線及び図形を出力するサーマルヘッ
   ドとを具備したサーマル記録装置において、 前記記録用紙が交換されたことを検出する用紙交換検出
   手段と、この用紙交換検出手段で記録用紙の交換が検出
   される毎に前記サーマルヘッドの発熱抵抗体配列方向に
   おける前記図面データ中の前記輪郭線の位置のみをシフ
   トさせる輪郭シフト手段とを備えたことを特徴とするサ
   ーマル記録装置。
2. 【請求項２】 前記図面データ中の輪郭線は前記図形と
   共に外部から供給されるものであり、前記図面データ中
   から前記輪郭線のみを抽出する輪郭データ抽出手段を更
   に備えたことを特徴とする請求項１記載のサーマル記録
   装置。
3. 【請求項３】 前記記録用紙のサイズを入力する用紙サ
   イズ入力手段と、この用紙サイズ入力手段によって入力
   された前記記録用紙のサイズに基づいて前記図面データ
   中の輪郭線を設定する輪郭設定手段とを更に備えたこと
   を特徴とする請求項１記載のサーマル記録装置。
4. 【請求項４】 前記輪郭シフト手段は、前記フレーム記
   憶手段における前記図面データの格納位置をシフトさせ
   るものであることを特徴とする請求項１乃至３のいずれ
   か１項記載のサーマル記録装置。