JPH05161938A - 高融点金属鋳造用の鋳型フェースコート材料およびそれを用いた鋳型による鋳造品の製造方法 - Google Patents

高融点金属鋳造用の鋳型フェースコート材料およびそれを用いた鋳型による鋳造品の製造方法

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JPH05161938A
JPH05161938A JP4077347A JP7734792A JPH05161938A JP H05161938 A JPH05161938 A JP H05161938A JP 4077347 A JP4077347 A JP 4077347A JP 7734792 A JP7734792 A JP 7734792A JP H05161938 A JPH05161938 A JP H05161938A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】希土類酸化物および希土ガラスを含み、更に合
成樹脂、水溶性有機高分子、シリカゾル、ジルコニアゾ
ルおよび/またはイットリアゾルを含有する高融点金属
鋳造用フェースコート材料。 【効果】本発明フェースコート材料を用いて得られる鋳
造品は表面に硬化層がなく、従って寸法精度が高い。ま
た、鋳型表面に肌荒れが無く、気泡、空隙のない精密な
鋳造品の作製が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高融点金属鋳造に用い
られる鋳型のフェースコート材料と、該フェースコート
材料を用いる高融点金属鋳造品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】チタン、チタン合金等の高融点活性金属
を鋳造するに際して用いるロストワックス鋳型は、通
常、溶湯と接するキャビティー面(フェースコート)
と、その外側に位置し、鋳型自体の形状を維持すると共
に鋳型に強度を付与するバックアップコートからなる。
【0003】このようなロストワックス鋳型の溶湯と接
するキャビティー面(フェースコート)には、通常は耐
火性材料が用いられており、そのような耐火性材料とし
ては、W、Mo等の高融点金属と、ZrO2 、CaO等
の酸化物が知られている。ところが、耐火性材料として
前者を用いると、鋳造前の鋳型焼成段階で水素還元を行
なう必要があるため、設備が大型化し、制御が複雑にな
るという問題点を有する。一方、後者のうち、ZrO2
を用いると、ZrO2 は鋳込み金属と反応して鋳造品表
面に反応硬化層を生成するために、その除去に多大の工
数を必要とし、また、寸法精度を補償しえなくなるとい
う問題点を有し、CaOを用いると、CaOは吸湿性が
強いため、造型ならびに造型後の取り扱いが難しいとい
う問題点を有している。
【0004】そこで、鋳型フェースコートに用いる耐火
性材料として、チタン合金等の高融点活性金属との反応
が極めて小さいといわれているイットリアの使用が提案
された。
【0005】例えば、高融点活性金属鋳造用鋳型のフェ
ースコート材料として、Y23 スラリーを用いるとい
うSchulyerらの報告がある(D.R.Schulyer, J.A.Petrus
ha and W.R.Keu, Proceedings Vac. Metall.Conf., R.
C.Krutenat 編,Scientific発行,Princeton, NJ., 197
7年,475 〜503頁)。
【0006】Schulyerらの報告では、細粒状イットリア
を分散させたコロイド状珪酸カリウム液に粗粒状イット
リアを加えたものを、鋳型の表面被覆剤として用いてい
る。Schulyerらは、「この表面被覆剤によって形成され
た表面被覆層は、工場の技術水準における正常品と比較
してなめらかではなく、気泡やピットがあり、スタッコ
が各所に見られた。」と報告している。
【0007】また、特開昭62−143864号公報に
は、溶媒として水、バインダーとしてY23 ゾルを使
用したフェースコート材料(スラリー)が開示されてい
る。そして、上記公報では、バインダーとしてZrO2
ゾルを使用した場合についても言及しており、このよう
なスラリーを使用して作製した鋳型で鋳造された鋳造品
は、表面の反応硬化層が薄くてよいと評価している。し
かし、Y23 ゾルは不安定な物質であるので、スラリ
−としての安定性に疑問がある。
【0008】特開昭63−115644号公報には、Y
23、溶媒としてのアルコールおよびバインダーとし
てエチルシリケート加水分解液を使用したフェースコー
ト材料(スラリー)が開示され、比較例として、溶媒を
水にかえた例が記載されている。上記公報によれば、こ
のようなスラリーを使用して作製した鋳型で鋳造された
鋳造品は、表面の反応硬化層が薄くてよいと評価してい
る。本発明者の追試によれば、上記利点は確認したが、
このスラリーは物性が不安定であり、ちなみに、溶質の
23 に対するSiO2 の割合が7.5%を超えると
半日以内に、それ以下の場合でも数日のうちにスラリー
は固化し、スラリーの使用可能期間(寿命)が非常に短
いという問題点があった。
【0009】さらに、上記フェースコート材料から製造
せられた鋳型でチタンあるいはチタン合金等の高融点活
性金属を鋳造すると、スラリー中のSiO2 分が高融点
活性金属と反応し、鋳造品表面に硬くて脆い反応硬化層
を生じる。そのため、この反応硬化層を除去する必要が
生じ、ケミカルミーリング等により、研削、研磨等を施
すので、高い寸法精度が得られない欠点がある。
【0010】このような問題点に加え、フェースコート
中の耐火性材料としてイットリアを用いる場合、下記の
ような問題点もある。
【0011】すなわち、イットリアを用いる場合、溶湯
流によって破壊されたり押し流されることのない強度を
付与するためには、その焼成温度を1600℃以上とす
る必要がある。一方、鋳型のバックアップコートには、
耐火性材料として、一般的にジルコンあるいはムライト
系耐火性材料が用いられているが、これらの耐火性材料
は、その耐火度から1100℃以上での鋳型焼成は不可
能であり、これ以上の温度に保持した場合には、バック
アップコート中の耐火性材料が軟化し、鋳型が割れてし
まう。このため、焼成温度の観点から、フェースコート
の耐火性材料としてイットリアを用い、バックアップコ
ートの耐火性材料としてジルコンあるいはムライト系耐
火性材料を用いることはできないという問題があった。
【0012】一方、本願出願人は水系のイットリアスラ
リーとして、水溶性有機高分子をバインダーとするスラ
リーを提案したが(特開平3−8534号)、表面被覆
剤としてのグリーン強度が弱く、そのため、ロストワッ
クス鋳造法の一工程である脱ろう(ワックス溶出)工程
において、この表面被覆剤が破壊し、ワックスと共に流
出してしまうという欠点がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、鋳造品表面に硬化層の無い、つまり、寸法精度の高
いロストワックス鋳造品を得ることができ、しかも表面
被覆剤として充分なグリーン強度を有する高融点金属鋳
造用鋳型のフェースコート材料を提供することである。
【0014】本発明の第2の目的は、肌荒れのない表面
性状にすぐれる鋳造品が製造可能であり、使用可能期間
が長いフェースコート材料を提供することである。
【0015】本発明の第3の目的は低温で焼成しても高
強度のフェースコートが得られるフェースコート材料を
提供することである。
【0016】本発明の第4の目的は上記フェースコート
材料を用いて優れた鋳造品を製造する方法を提供するこ
とである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様によ
れば、希土類酸化物と合成樹脂系エマルジョンを含有す
ることを特徴とする高融点金属鋳造用鋳型フェースコー
ト材料が提供され、本発明の第1の目的が達成される。
【0018】本発明の第2の態様によれば、希土類酸化
物、希土ガラスおよび合成樹脂系エマルジョンを含有
し、前記希土ガラスの含有量が、前記希土類酸化物10
0重量部に対して1〜15重量部であることを特徴とす
る高融点金属鋳造用の鋳型フェースコート材料が提供さ
れ、本発明の第1〜第3の目的が達成される。
【0019】本発明の第3の態様によれば、希土類酸化
物、希土ガラスおよび水溶性有機高分子化合物を含有
し、前記希土ガラスの含有量が、前記希土類酸化物10
0重量部に対して1〜15重量部であることを特徴とす
る高融点金属鋳造用の鋳型フェースコート材料が提供さ
れ、本発明の第1〜第3の目的が達成される。
【0020】本発明の第4の態様によれば、希土類酸化
物、希土ガラス、合成樹脂系エマルジョンおよび水溶性
有機高分子化合物を含有し、前記希土ガラスの含有量
が、前記希土類酸化物100重量部に対して1〜15重
量部であることを特徴とする高融点金属鋳造用の鋳型フ
ェースコート材料が提供され、本発明の第1〜第3の目
的が達成される。
【0021】本発明の第5の態様によれば、希土類酸化
物、希土ガラスを含有し、更にシリカゾル、ジルコニア
ゾルおよびイットリアゾルから選択される一種を含有
し、前記希土ガラスの含有量が、前記希土類酸化物10
0重量部に対して1〜15重量部であるこを特徴とする
高融点金属鋳造用の鋳型フェースコート材料が提供さ
れ、本発明の第3の目的が達成される。
【0022】本発明の第6の態様によれば、合成樹脂系
エマルジョンおよび/または水溶性有機高分子化合物
と、シリカゾル、ジルコニアゾルおよびイットリアゾル
から選択される一種と、希土類酸化物およひ希土ガラス
を含有し、前記希土ガラスの含有量が、前記土類酸化物
100重量部に対して1〜15重量部であることを特徴
とする高融点金属鋳造用の鋳型フェースコート材料が提
供され、本発明の第1〜第3の目的が達成される。
【0023】本発明の第7の態様によれば、所定形状を
有するワックス模型表面に、本発明の鋳型フェースコー
ト材料を用いて被覆層(a)を形成し、しかるのちに、
該被覆層(a)上にセラミックス粒状物を付着させる工
程を1回以上繰返した後、さらにその上に、耐火性材料
による被覆層(b)を形成して乾燥する工程と、ワック
スを溶出し、焼成する工程を経て鋳型を作製し、該鋳型
に溶融金属を注入し、鋳造品を得ることを特徴とする高
融点活性金属鋳造品の製造方法が提供され、本発明の第
4の目的が達成される。
【0024】
【構成】以下、本発明の構成を詳述するが、より好まし
い態様およびそれに基づく利点が自ずと明らかとなろ
う。本発明の第1の態様
【0025】本発明第1の態様で使用する希土類酸化物
は、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、T
b、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等の酸化物、
およびYあるいはScの酸化物から選択される1種また
は2種以上の混合物である。
【0026】これら酸化物の粒度分布は、特に限定され
るわけではないが、焼成後の鋳型の強度を保つ目的に於
いて2μm 以下の粒子が30〜100重量%のものが良
く、2μm 以下が50〜90重量%、2〜5μm が0〜
40重量%、かつ、5μm 以上が10〜50重量%の粒
度分布を持つものがさらに良い。
【0027】合成樹脂系エマルジョンとしては、合成樹
脂系化合物が不連続相、水が連続相となっており、か
つ、非イオン系乳化剤あるいは陰イオン系乳化剤を含有
するものである。
【0028】該エマルジョン中に含有される合成樹脂系
化合物としては、例えば、エチレン、スチレン、アクリ
ル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリ
ル、酢酸ビニル等のモノマーから得られる単重合体ある
いは共重合体、あるいはシリコーン樹脂やワックス類等
が例示される。これらは、1種のみが含有されても、2
種以上が含有されてもよい。
【0029】また、該エマルジョン中に含有される非イ
オン系乳化剤としては、ソルビタンモノラウレート、ポ
リオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル等が例示される。陰イオン
系乳化剤としてはラウリル硫酸ナトリウム等が例示され
る。
【0030】また、合成樹脂系エマルジョン中に、非イ
オン系あるいは陰イオン系乳化剤含有量が0.5重量%
以上のものを用いるのがよい。
【0031】上記の合成樹脂系エマルジョンは、フェー
スコート材料としてのスラリーの安定性を保持し、希土
類酸化物の分散性を高めると共に、該スラリーとセラミ
ックス粒状物とで形成される鋳型のグリーン強度(乾燥
時の強度)を高めるために有用である。
【0032】なお、合成樹脂系エマルジョンは、その構
成成分から直接製造してもよいが、より合成樹脂系化合
物含有量の多いエマルジョンを予め製造しておき、それ
を水で希釈して製造してもよい。
【0033】フェースコート材料(スラリー)中の希土
類酸化物の含有量は特に限定されないが、水等も含めた
スラリー全量中の40〜90重量%程度となるように用
いるのがよく、55〜85重量%程度となるように用い
るのがさらによい。過少では、乾燥時にクラックが生じ
やすく、一方、過剰では、スラリー状とならなかった
り、スラリー状となった場合でも、粘度が高くなりす
ぎ、そのために、使用時に模型表面に所望の厚さの層を
形成するのが困難となる。
【0034】前記エマルジョンの合成樹脂系化合物の含
有量は、バインダーとしての効果を発現し鋳型の強度を
維持する目的に於いて、前記希土類酸化物100重量部
に対して0.1〜10重量部が好ましく、1〜5重量部
がより好ましい。
【0035】また、前記合成樹脂系化合物は、その含有
量が、水等も含めたフェースコート材料全量中の0.1
〜9重量%程度となるように用いるのがよく、1〜4.
5重量%程度となるように用いるのがさらによい。その
ようにすることによりフェースコート材料のスラリー性
および粘度が適度に保たれる。
【0036】本発明の第1の態様のフェースコート材料
は、例えば、合成樹脂エマルジョンを攪拌しつつ、粒度
調整した希土類酸化物の微粉末を少量づつ添加し、所定
濃度のスラリーとし、(なお、粒度調整した希土類酸化
物の微粉末に、前記エマルジョンを加えていってもよ
い)、次いで、このスラリーをボールミル、自動乳鉢等
に仕込み、希土類酸化物の未分散粒子が消滅するまで充
分混練することにより得ることができる。スラリー製造
時に気泡の混入を防止するため、必要に応じて消泡剤を
添加することが好ましく、シリコーン系、POE−PO
P縮合物(ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン
共重合体)系等が消泡剤として用いられる。消泡剤は、
希土類酸化物100重量部に対して0.01〜1.0重
量部含有させることが好ましい。
【0037】このように製造された本発明の第1の態様
のフェースコート材料は、水(連続相)に、希土類酸化
物および合成樹脂系化合物がそれぞれ分散しているもの
である。
【0038】本発明の第1の態様のフェースコート材料
を用いて得られる鋳造品は表面に硬化層がなく、従って
寸法精度が高い。また、鋳型表面に肌荒れが無く、気
泡、空隙のない精密な鋳造品の作製が可能である。
【0039】本発明の第2の態様 本発明の第2の態様に於いては、本発明の前記した第1
の態様に更に少量の希土ガラスが配合されたフェースコ
ート材料である。希土ガラスの配合により焼成後の強度
が著しく向上し、低温焼成を行っても高融点金属鋳造用
ロストワックス鋳型として充分に機能する。
【0040】使用できる希土ガラスは二種類ありその一
つは一般式 aLn23 ・bMO・cM´・dB23 で表わされるガラス粉末である。ただし、LnはYおよ
びランタン系列の元素からなる群から選ばれた少なくと
も一種の元素、Mは、Mg、Ca、Sr、BaおよびZ
nからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素、M´
はAl23 、SiO2 およびSb23 からなる群か
ら選ばれた少なくとも1種の酸化物を表わし、a、b、
c、およびdは、それぞれ1≦a≦30モル%、0≦b
≦60モル%、0≦c≦20モル%、30≦d≦80モ
ル%の範囲の値であり、かつb+cは、0≦b+c≦6
0モル%の範囲の値であるのが適切である。
【0041】また、もう一つの希土ガラスは一般式 aLn23 ・bMO・cM′・eM2 ″O・dB2
3 で表わされるガラス粉末である。ただし、LnはYおよ
びランタン系列の元素からなる群から選ばれた少なくと
も一種の元素、Mは、Mg、Ca、Sr、BaおよびZ
nからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素、M′
はAl23 、SiO2 およびSb23 からなる群か
ら選ばれた少なくとも一種の酸化物、M″はLi、N
a、およびKからなる群から選ばれた少なくとも一種の
元素を表わし、a、b、c、dおよびeは、それぞれ1
≦a≦30モル%、0≦b≦60モル%、0≦c≦20
モル%、30≦d≦80モル%、0<e≦15モル%の
範囲の値であり、かつb+cは、0≦b+c≦60モル
%の範囲の値であるのが適切である。
【0042】前記二つの式のaの値が1モル%未満であ
ると水中における分解または溶解の度合(以下単に水溶
解度という)が大きい。水溶解度は、aの値が1モル%
以上で小さくなり、3モル%以上で極めて小さくなる。
一方、aの値が30モル%を越えるとガラスの軟化点が
高くなるので30モル%以下であることが好ましく、2
0モル%以下であるのがより好ましい。それ故、aの範
囲として1≦a≦30モル%の範囲であることが好まし
いが、1≦a≦20モル%の範囲であることがより好ま
しく、さらに3≦a≦20モル%の範囲であることがも
っとも好ましい。
【0043】Mで表される元素としては、Zn、Mg及
びCaを用いることが好ましい。Sr及びBaを用いた
ときは、水溶解度がやや増加する。それ故Srを用いる
ときは好ましくは40モル%以下、より好ましくは30
モル%以下、Baを用いるときは好ましくは40モル%
以下、より好ましくは20モル%以下であることが望ま
しい。
【0044】またbの値が60モル%を越えるとガラス
化し難くなるので60モル%以下であることが好まし
く、50モル%以下であることがより好ましい。
【0045】M´で表される酸化物としては、Al2O3,Si
O2,Sb2O3が用いられる。このうち、Sb2O3 は軟化点を下
げる効果がみられる。一方、Al2O3,SiO2は、軟化点はや
や高くなる傾向にあるが、水溶解度を下げる効果がみら
れる。それ故、Mで表わされる元素としてBa,Srな
どを用いて水溶解度の大になるとき、上記Al2O3,SiO2
どを加えることが好ましい。以上の理由からcの値とし
ては、0≦c≦20モル%の範囲が好ましいが、0≦c
≦10モル%の範囲がより好ましい。
【0046】dの値としてはガラスとしての性質を保つ
ために30≦d≦80モル%の範囲であることが好まし
く、40≦d≦70モル%の範囲であることがより好ま
しい。
【0047】M″Oで表わされる化合物は、わずかでも
加えることによって軟化点を下げる効果がある。しかし
1モル%以上加えることにより効果がより大きくなる。
一方15モル%を越えるとTiまたはTi合金溶湯との
反応が無視できなくなるので、好ましいeの範囲は0<
e≦15モル%であり、より好ましい範囲は1≦e≦1
5モル%である。
【0048】希土ガラスは、希土類酸化物100重量部
に対して1〜15重量部、好ましくは1〜5重量部含有
させるのが適切である。この範囲であれば焼成強度の向
上効果が達成されると同時に得られた鋳型の希土ガラス
と金属溶湯との反応も無視できる程少ない。
【0049】第2の態様に於いて、合成樹脂系エマルジ
ョンの種類、配合量、合成樹脂の量は第1の態様で記載
したことがそのままあてはまる。
【0050】第2の態様のフェースコート材料の製法は
第1の態様で記載したことがそのままあてはまる。希土
ガラス粉末の添加は、一例として希土類酸化物と共に少
量ずつ合成樹脂系エマルジョンに添加する方法を挙げら
れる。
【0051】第2の態様のフェースコート材料を用いて
製造された鋳造品表面には硬化層が薄いので寸法精度の
高いロストワックス鋳造品が得られ、この鋳造品の肌荒
れも少なく、表面性状に優れる。また、鋳型焼成温度が
低くてもフェースコートが高強度である。しかも、フェ
ースコート材料(スラリー)の可使時間が長く鋳型の製
造に於いてフェースコート材料の可使時間による操作上
の制約が少ない。
【0052】さらに、鋳型の製造に当たって、上記の如
く鋳型焼成温度を高温にする必要が無いのでバックアッ
プコート形成以降の工程には従来の方法が適用でき、比
較的安価な耐火材料を使用できるので材料費の節約にな
る。
【0053】本発明の第3の態様 本態様に於いては、第2の態様で使用する合成樹脂系エ
マルジョンに替えて、水溶性有機高分子をバインダーと
して用いる。
【0054】水溶性有機高分子化合物としては、例え
ば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、
ポリビニルブチラール等の水溶性アルコール系高分子化
合物、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、エチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース
等のセルロース誘導体やデキストリン、アラビアゴム、
カラゲニン等の多糖類、アルギン酸ナトリウム、アルギ
ン酸アンモニウム、アルギン酸アミン、ポリアクリル酸
ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、メタアクリ
ル酸等の水溶性ポリカルボン酸の塩等が例示される。な
お、これらの水溶性有機高分子化合物は、1種でもよい
し、2種以上の混合物で用いてもよい。
【0055】水溶性有機高分子化合物の含有量は特に限
定されないが、水溶性アルコール系高分子化合物および
多糖類からなる群から選択される化合物を用いる場合
は、その含有量は、バインダーの効果の発現および焼成
後の密度の確保のために、前記希土類酸化物100重量
部に対して0.1〜10重量部とするのがよい。
【0056】また、水溶性アルコール系高分子化合物お
よび多糖類からなる群から選択される化合物は、その含
有量が水等も含めた本発明の鋳型材料全量中の0.1〜
9重量%程度となるように用いるのがよい。この範囲で
あれば、フェースコート材料のスラリー性状が良好であ
り、粘度も適度で使用時に模型表面に所望の厚さの層を
形成することができる。
【0057】水溶性ポリカルボン酸の塩を用いる場合
は、その含有量は、前記と同様の理由で前記希土類酸化
物100重量部に対して0.1〜5重量部とするのがよ
い。
【0058】また、前記と同様の理由で、水溶性ポリカ
ルボン酸の塩は、その含有量が水等も含めた本発明のフ
ェースコート材料全量中の0.1〜4.5重量%程度と
なるように用いるのがよい。
【0059】本態様のフェースコート材料は、例えば、
水溶性有機高分子化合物を未溶解分のない所望の濃度の
水溶液に溶解し、これを攪拌しつつ、粒度調整した希土
類酸化物および希土ガラスの微粉末を少量づつ添加し、
所定濃度のスラリーとし(なお、粒度調整した希土類酸
化物および希土ガラスの微粉末に、水溶性有機高分子化
合物の水溶液を加えていってもよい)、次いで、このス
ラリーをボールミル、自動乳鉢等に仕込み、未分散粒子
が消滅するまで充分混練することによって得ることがで
きる。
【0060】スラリー製造時に気泡の混入を防止するた
め、必要に応じて消泡剤を添加することが好ましいの
は、本発明の第1の態様と同様である。第3の態様に於
いても第2の態様と同様の優れた効果を示す。
【0061】本発明の第4の態様 本態様においては、第2の態様で使用する合成樹脂エマ
ルジョンに替えて、合成樹脂エマルジョンと水溶性有機
高分子の両者を同時にバインダーとして用いる。合成樹
脂エマルジョンの種類、配合量、合成樹脂の量は、第2
の態様で記載したことがそのままあてはまる。水溶性有
機高分子の種類、配合量合成樹脂の量は、第3の態様で
記載したことがそのままあてはまる。
【0062】第4の態様のフェースコート材料の製法
は、例えば、水溶性有機高分子化合物を未溶解分のない
所望の濃度の水溶液に溶解し、これを撹拌しつつ所定量
の合成樹脂エマルジョンを添加した後、さらに撹拌を継
続しつつ、粒度調整した希土類酸化物および希土ガラス
の微粉末を少量づつ添加し、所定濃度のスラリーとな
し、次いで、このスラリーをボールミル、自動乳鉢等に
仕込み、未分散粒子が消滅するまで十分混練する事によ
って得ることができる。第4の態様に於いても第2ある
いは第3の態様と同様の優れた効果を示す。
【0063】本発明の第5の態様 本態様に於いては、第2の態様で使用する合成樹脂エマ
ルジョンに替えて、シリカゾルたはジルコニアゾルまた
はイットリアゾルのうちのいずれかをバインダーとして
用いる。
【0064】シリカゾルまたはジルコニアゾルまたはイ
ットリアゾルとしては、分散媒が水あるいはアルコール
等の有機系のどちらであっても良く、分散する酸化物粒
子の濃度は15〜30wt%のものを用いるのが良い。ま
た、そのpHを問わない。さらに、分散粒子の粒径も問
わない。また、シリカゾルにはエチルシリケート等の加
水分解液を含み、ジルコニアゾルには、酢酸ジルコニル
等の水溶液を含む。
【0065】シリカゾルまたはジルコニアゾルまたはイ
ットリアゾルの含有量は特に限定されないが、その含有
量は、バインダーの効果の発現および焼成後の密度の確
保のためと、鋳造品表面の硬化層の形成状況を勘案し
て、前記希土類酸化物100重量部に対して20〜50
重量部とするのがよい。この範囲であれば、フェースコ
ート材料のスラリー性状が良好であり、粘度も適度で使
用時に模型表面に所望の厚さの層を形成することができ
る。
【0066】本態様のフェースコート材料は、例えば、
市販のシリカゾルまたはジルコニアゾルまたはイットリ
アゾルをその溶媒と同一の水あるいはアルコール等の有
機溶剤で所望の酸化物粒子分散濃度に調製し、これを撹
拌しつつ、粒度調整した希土類酸化物および希土ガラス
の微粉末を少量づつ添加し、所定濃度のスラリーとな
し、次いで、このスラリーをボールミル、自動乳鉢等に
仕込み、未分散粒子が消滅するまで十分混練する事によ
って得ることができる。
【0067】スラリー製造時に気泡の混入を防止するた
め、必要に応じて消泡剤を添加することが好ましいの
は、本発明の第1の態様と同様である。第5の態様に於
いてはとりわけ焼成後の強度の発現が顕著である。
【0068】本発明の第6の態様 本態様に於いては、第2の態様で使用する合成樹脂エマ
ルジョンに替えて、合成樹脂系エマルジョンおよび水溶
性有機高分子化合物のいずれかあるいは両者と、シリカ
ゾルまたはジルコニアゾルまたはイットリアゾルのうち
の一つとをバインダーとして用いる。合成樹脂エマルジ
ョンの種類、配合量、合成樹脂の量は、第2の態様で記
載したことがそのままあてはまる。水溶性有機高分子の
種類、配合量、合成樹脂の量は、第3の態様で記載した
ことがそのままあてはまる。シリカゾルまたはジルコニ
アゾルまたはイットリアゾルの種類、酸化物粒子分散濃
度、配合量は、第5の態様で記載したことがそのままあ
てはまる。
【0069】本態様のフェースコート材料は、例えば、
市販のシリカゾルまたはジルコニアゾルまたはイットリ
アゾルをその溶媒と同一の水あるいはアルコール等の有
機溶剤で所望の酸化物粒子分散濃度に調製し、これを撹
拌しつつ、水溶性有機高分子化合物を未溶解分のない所
望の濃度の水溶液に溶解し、これを撹拌しつつ所定量の
合成樹脂エマルジョンを添加した後、さらに撹拌を継続
しつつ、粒度調整した希土類酸化物および希土ガラスの
微粉末を少量づつ添加し、所定濃度のスラリーとなし、
次いで、このスラリーをボールミル、自動乳鉢等に仕込
み、未分散粒子が消滅するまで十分混練する事によって
得ることができる。第6の態様に於いても第2あるいは
第3の態様と同様の優れた効果を示す。
【0070】本発明の第2〜第6の態様においてフェー
スコートの強度が上昇するが、その理由は、以下の説明
からより明らかとなろう。
【0071】本発明の第2〜第6の態様によれば、希土
類酸化物に焼成助剤として、低融点ガラスの希土ガラス
を添加したことにより、希土類酸化物単独の場合に比べ
て800〜1300℃における焼成後強度は著しく向上
する。
【0072】例えば、イットリア粉100重量部に対し
て、0.1重量部から20重量部の希土ガラス(組成は
Er23 10モル%、MgO 40モル%、B2
350モル%)を添加した混合粉をプレス成形(圧力2
00kgf/cm2 )し、直径20mm、高さ6mmの円筒状
ペレットとし、それを電気炉にて1100℃に3時間保
持して、その後炉冷したものについて、圧縮強度を測定
すると、その結果は図1の如くになる。
【0073】イットリア単独の場合に比べて、希土ガラ
スを添加することで、1100℃焼成での焼成後強度が
向上していることがわかる。希土ガラス1重量部の添加
で圧縮強度は添加しない場合の約2倍の値を示し、強度
向上効果が充分である。
【0074】また、上記の希土ガラス含有イットリア焼
成体ディスクを埋めこんだ鋳型にTi溶湯を溶解・鋳造
し、表面の反応硬化層を調べた結果、希土ガラスの添加
量がイットリア100重量部に対し15重量部を越える
と、希土ガラスと鋳込み金属溶湯との反応が無視できな
くなる。
【0075】焼成助剤の低融点ガラスとして希土ガラス
を用いると、希土ガラスは水中においてほとんど溶解ま
たは分解しないので好適である。たとえば、CaO・B
aO・B23 系ガラスは水中で分解してB23 を溶
出し、使用することができない。
【0076】本発明の第7の態様 第7の態様は第1〜第6の態様のフェースコート材料を
用いて高融点金属鋳造品を製造する方法に関するもの
で、その好適な工程を下記する。
【0077】[フェースコートの形成] 1) 目的とする鋳造品と同じ大きさ、形状のワックス模
型を1個以上準備し、これをワックス製の湯口、湯道に
接着し、いわゆるツリーとする。ここで用いるワックス
は、パラフィンを主体とする公知のものでよいが、それ
に限定されるものではない。 2) 上記ツリーをスラリー状の本発明の第1〜第6の態
様の高融点金属鋳造用の鋳型フェースコート材料に浸漬
し、ワックス模型表面に、該鋳型材料にて被覆層(a)
を形成させる。 3) ワックス模型表面に形成された被覆層(a)が乾く
前に、被覆層(a)上にセラミックス粒状物(スタッ
コ)を万遍なく付着させる。ここで用いるセラミックス
粒状物は、耐火度の高い耐火性材料であればその種類は
問わないが、2)の工程で用いた高融点活性金属鋳造用鋳
型材料中に含有される希土類酸化物が好ましい。 4) 上記2)および3)の工程を、必要により、さらに1回
以上繰返す。
【0078】[バックアップコートの形成] 5) 1)〜4)の処理がなされたワックス模型を、コロイダ
ルシリカあるいはエチルシリケート加水分解液、及びジ
ルコンフラワーあるいは溶融シリカフラワー等のセラミ
ックス微粉を含有する公知のバックアップコート用スラ
リーに浸漬した後、ムライト質あるいはジルコン等のセ
ラミックス粒状物(スタッコ)を万遍なく付着して被覆
層(b)を形成する。 6) 上記5)の工程を、被覆層(b)の厚さが所定の厚さ
となるまで繰返す。 7) 被覆層(b)を十分に乾燥する。
【0079】[焼成] 8) 約180℃程度でワックスを溶出させた後、約10
00〜1100℃で鋳型を焼成する。
【0080】[鋳造] 9) チタンあるいはチタン合金等の高融点活性金属を融
解し、前記鋳型に注湯する。前記金属の融解方法は問わ
ないが、真空あるいは非酸化性雰囲気中での融解が望ま
しい。 10) 鋳型内で金属が冷却、凝固した後、鋳型を除去し
て鋳造品を取出し、湯道、湯口等を除去して製品とす
る。 なお、上記工程のうち5)〜10) の工程は、従来から実施
されている公知の方法がいずれも適用可能である。
【0081】以上、詳述した本発明のフェースコート材
料および製造方法により高融点金属の鋳造品が製造する
ことができるが、例えば、チタン、チタン合金、ジルコ
ニウム、ジルコニウム合金などの高融点活性金属の鋳造
品を製造するのに好適である。
【0082】
【実施例】以下に、実施例により、本発明を具体的に説
明する。なお、下記の実施例では、本発明をTi合金の
鋳造に適用した例について説明するが、本発明はこれら
実施例に限定されるものではない。
【0083】(実施例1) 1.スラリーの調製 ボールミルに、イットリア(Y23 )100重量部
と、ポリエチレン3.0重量%、ポリオキシエチレン
(10)ノニルフェニルエーテル(乳化剤)0.2重量
%、残部が水のエマルジョン60重量部、消泡剤(旭電
化製 プルロニックL−61)0.05重量部を入れ、
40分間混練し、スラリーを調製した。イットリアは、
その粒度分布が表2中I−Aのものを使用した。 2.ロストワックス法鋳造鋳型の製作 目的とする鋳物の形をしたワックス製の模型を準備
し、上記スラリーにこの模型を浸漬し、模型表面にスラ
リー被覆層(a)を形成させ、スラリーが乾く前に、ス
ラリー被覆層(a)の上からイットリア粉(平均粒径2
50μm)をスタッコとして付着させ、フェースコート
を形成した。 以降は、従来から実施されている公知の方法に基い
て行った。すなわち、フェースコート形成後の模型につ
いて、これをコロイダルシリカ及びジルコンフラワーか
らなるスラリーに浸漬した後、ムライト質スタッコによ
り被覆層(b)を形成するという工程を、被覆層(b)
が所定の厚さ(6〜10mm)となるまで行い、バック
アップコートを形成した。 乾燥後、オートクレーブで180℃にて脱ロウし、
続いて、電気炉にて1100℃で焼成して試験鋳型を得
た。
【0084】3.試験・評価 作製した鋳型の半数を分解してスラリー被覆層
(a)および被覆層(b)の厚さ約1mmの外観および
断面を観察し、評価した。 作製した鋳型の残りの半数に、電子ビーム溶解炉に
て溶解させた、Alを6重量%とVを4重量%とを含む
チタン合金を、鋳込み温度1950℃で、真空(10-3
Torr)にて注湯した。チタン合金が冷却、凝固後、
試験鋳型を除去し、サンドブラストにて鋳造品表面を仕
上げた後、鋳造品表面に存在する鋳型に起因する介在物
およびピンホールを数えた。また、鋳造品中央部の表面
から深さ方向の硬さをマイクロビッカース硬度計にて測
定し、反応硬化層深さを求めた。なお、使用したスラリ
ーの組成と試験・評価結果は、表1に示した。
【0085】(実施例2)イットリアとして、表2中I
−Bの粒度分布のものを使用した以外は、実施例1と同
様に実施した。
【0086】(実施例3、4)希土類酸化物を夫々セリ
ウム酸化物(粒度分布は表2中II)、エルビウム酸化物
(粒度分布は表2中III )に変えた以外は、実施例1と
同様に実施した。
【0087】(実施例5)ポリエチレンの代りにアクリ
ル酸エステル3.5重量部、ポリオキシエチレン(1
0)ノニルフェニルエーテルの代りにラウリル硫酸ナト
リウム0.2重量部に変え、その用いたエマルジョン中
の濃度、スラリー中における対イットアリ添加量を変化
させた以外は、実施例1と同様に実施した。
【0088】
【表1】 *1 希土類酸化物を100重量部とする。 *2 P.E.:ポリエチレンエマルジョン A.E.:アクリル酸エステルエマルジョン PVA :ポリビニルアルコール水溶液 *3 ○:良好 △:やや良好 ×:不可
【0089】
【0090】(実施例6)イットリア粉100重量部と
希土ガラス(Er2O3 10モル%、MgO 40モル%、B2O3
50モル%)5重量部とをボールミルにいれ、ここに
ポリエチレンを3.0重量%含むエマルジョン60重量
部を添加して50分間混練し、スラリーを作製した。な
お、このスラリーは、60日以上経過してもなお使用可
能であった。
【0091】次に、25mm×100mm×10mmの
ワックス製の模型を準備し、上記スラリーにこの模型を
浸漬し、模型表面にスラリー被覆層(a)を形成させ、
スラリーが乾く前に、スラリー被覆層(a)の上からイ
ットリア粉(平均粒径250μm)をスタッコとして付
着させフェースコートを形成した。
【0092】以降は、従来から実施されている公知の方
法に基いて行なった。
【0093】すなわち、フェースコート形成後の模型に
ついて、これをコロイダルシリカ及びジルコンフラワー
からなるスラリーに浸漬した後、ムライト質スタッコに
より被覆層(b)を形成するという工程を7回行ない、
バックアップコートを形成した。
【0094】乾燥後、オートクレーブで180℃にて脱
ロウし、続いて、電気炉にて1100℃で焼成して試験
鋳型を得た。
【0095】電子ビーム溶解炉にて、Alを6重量%と
Vを4重量%とを含むチタン合金を融解し、これを鋳込
み温度1950℃で、真空(10-3Torr)にて、上
記試験鋳型に注湯した。
【0096】チタン合金が冷却、凝固後、試験鋳型を除
去し、サンドブラストにて鋳造品表面を仕上げた後、鋳
造品表面に存在する鋳型に起因する介在物およびピンホ
ールを数えた。
【0097】また、鋳造品中央部の表面から深さ方向の
硬さをマイクロビッカース硬度計にて測定し、反応硬化
層深さを求めた。結果を表3に示した。
【0098】(実施例7)希土ガラス(Er2O3 10モル
%、MgO 40モル%、B2O3 50モル%)5重量部の代
りに、希土ガラス(Er2O3 10モル%、MgO 40モル
%、B2O3 50モル%)10重量部を用いた以外は実施
例6と同様に実施した。
【0099】(実施例8)希土ガラス(Er2O3 10モル
%、MgO 40モル%、B2O3 50モル%)5重量部の代
りに、希土ガラス(Y2O3 10モル%、MgO 40モル%、
B2O3 50モル%)2重量部を用いた以外は実施例6と
同様に実施した。
【0100】(実施例9)希土ガラス(Er2O3 10モル
%、MgO 40モル%、B2O3 50モル%)5重量部の代
りに、希土ガラス(Y2O3 10モル%、MgO 40モル%、
B2O3 50モル%)12重量部を用いた以外は実施例6
と同様に実施した。
【0101】(実施例10)希土ガラス(Er2O3 10モ
ル%、MgO 40モル%、B2O3 50モル%)5重量部の
代りに、希土ガラス(Gd2O310モル%、ZrO 40モル
%、B2O3 50モル%)6重量部を用い、バインダーと
してアクリル酸エステルを5重量%含むエマルジョンを
用いた以外は実施例6と同様に実施した。
【0102】(比較例1)ジルコニア粉100重量部に
20重量%のジルコニアゾル30重量部を添加し、ボー
ルミルで混合してスラリーを作製した。フェースコート
の形成にあたり、このスラリーとスタッコとしてイット
リア粉に代ってジルコニア粉(平均粒径350μm)を
用いた以外は、実施例1と同様に実施した。
【0103】以上のようにして得られたサンプルについ
て、鋳造品の表面状態および反応硬化層深さを調べ総合
評価した。その結果を表3に示す。
【0104】(1)鋳造品の表面状態 鋳造品表面の100mm×25mmの範囲にみられる欠
陥の数を下記の基準で評価した。 ◎:欠陥が3個未満 ○:欠陥が3個以上10個未満 △:欠陥が10個以上20個未満 ×:欠陥が20個以上
【0105】(2)総合評価 鋳造品の表面状態および反応硬化層深さにしたがい、総
合評価した。 ○:良好 △:やや良 ×:不良
【0106】
【表2】
【0107】(実施例11)イットリア粉100重量部
と希土ガラス(Er2O3 10モル%、MgO 40モル%、B2
O350モル%)5重量部とをボールミルにいれ、ここに
1.5重量%のメチルセルロース(MC)水溶液60重
量部を添加して50分間混練し、スラリーを作製した。
なお、このスラリーは、60日以上経過してもなお使用
可能であった。
【0108】次に、25mm×100mm×10mmの
ワックス製の模型を準備し、上記スラリーにこの模型を
浸漬し、模型表面にスラリー被覆層(a)を形成させ、
スラリーが乾く前に、スラリー被覆層(a)の上からイ
ットリア粉(平均粒径250μm)をスタッコとして付
着させフェースコートを形成した。
【0109】以降は、従来から実施されている公知の方
法に基いて行なった。すなわち、フェースコート形成後
の模型について、これをコロイダルシリカ及びジルコン
フラワーからなるスラリーに浸漬した後、ムライト質ス
タッコにより被覆層(b)を形成するという工程を7回
行ない、バックアップコートを形成した。
【0110】乾燥後、オートクレーブで180℃にて脱
ロウし、続いて、電気炉にて1100℃で焼成して試験
鋳型を得た。
【0111】電子ビーム溶解炉にて、Alを6重量%と
Vを4重量%とを含むチタン合金を融解し、これを鋳込
み温度1950℃で、真空(10-3Torr)にて、上
記試験鋳型に注湯した。
【0112】チタン合金が冷却、凝固後、試験鋳型を除
去し、サンドブラストにて鋳造品表面を仕上げた後、鋳
造品表面に存在する鋳型に起因する介在物およびピンホ
ールを数えた。
【0113】また、鋳造品中央部の表面から深さ方向の
硬さをマイクロビッカース硬度計にて測定し、反応硬化
層深さを求めた。結果は表4に示した。
【0114】(実施例12)希土ガラス(Er2O3 10モ
ル%、MgO 40モル%、B2O3 50モル%)5重量部の
代りに、希土ガラス(Er2O3 10モル%、MgO 40モル
%、B2O3 50モル%)10重量部を用いた以外は実施
例11と同様に実施した。
【0115】(実施例13)希土ガラス(Er2O3 10モ
ル%、MgO 40モル%、B2O3 50モル%)5重量部の
代りに、希土ガラス(Y2O3 10モル%、MgO 40モル
%、B2O3 50モル%)2重量部を用いた以外は実施例
11と同様に実施した。
【0116】(実施例14)希土ガラス(Er2O3 10モ
ル%、MgO 40モル%、B2O3 50モル%)5重量部の
代りに、希土ガラス(Y2O3 10モル%、MgO 40モル
%、B2O3 50モル%)12重量部を用いた以外は実施
例11と同様に実施した。
【0117】(実施例15)希土ガラス(Er2O3 10モ
ル%、MgO 40モル%、B2O3 50モル%)5重量部の
代りに、希土ガラス(Gd2O310モル%、ZnO 40モル
%、B2O3 50モル%)6重量部を用い、バインダーと
して1.5重量%、MC水溶液の代りに3重量%PVA
水溶液を用いた以外は実施例1と同様に実施した。
【0118】(比較例2)希土ガラスを無添加とした以
外は実施例11と同様に実施した。
【0119】(比較例3)希土ガラスを無添加とし、バ
インダーとして1.5重量%、MC水溶液の代りに3重
量%PVA水溶液を用いた以外は実施例1と同様に実施
した。
【0120】実施例11〜15および比較例2、3で得
られたサンプルについて、鋳造品の表面状態および反応
硬化層深さを調べ総合評価した。その結果を表4に示
す。
【0121】(1)鋳造品の表面状態 鋳造品表面の100mm×25mmの範囲にみられる欠
陥の数を下記の基準で評価した。 ◎:欠陥が3個未満 ○:欠陥が3個以上10個未満 △:欠陥が10個以上20個未満 ×:欠陥が20個以上
【0122】(2)総合評価 鋳造品の表面状態および反応硬化層深さにしたがい、総
合評価した。 ○:良好 △:やや良 ×:不良
【0123】
【表3】
【0124】(実施例16)イットリア粉100重量部
と希土ガラス(Er2O3 10モル%、MgO 36モル%、Li
2O 4モル%、B2O3 50モル%)5重量部とをボール
ミルにいれ、ここに1.5重量%のメチルセルロース
(MC)水溶液60重量部を添加して50分間混練し、
スラリーを作製した。なお、このスラリーは、60日以
上経過してもなお使用可能であった。
【0125】次に、25mm×100mm×10mmの
ワックス製の模型を準備し、上記スラリーにこの模型を
浸漬し、模型表面にスラリー被覆層(a)を形成させ、
スラリーが乾く前に、スラリー被覆層(a)の上からイ
ットリア粉(平均粒径250μm)をスタッコとして付
着させフェースコートを形成した。
【0126】以降は、従来から実施されている公知の方
法に基いて行なった。
【0127】すなわち、フェースコート形成後の模型に
ついて、これをコロイダルシリカ及びジルコンフラワー
からなるスラリーに浸漬した後、ムライト質スタッコに
より被覆層(b)を形成するという工程を7回行ない、
バックアップコートを形成した。
【0128】乾燥後、オートクレーブで180℃にて脱
ロウし、続いて、電気炉にて1100℃で焼成して試験
鋳型を得た。
【0129】電子ビーム溶解炉にて、Al6重量%とV
4重量%とを含むチタン合金を融解し、これを鋳込み温
度1950℃で、真空(10-3Torr)にて、上記試
験鋳型に注湯した。
【0130】チタン合金が冷却、凝固後、試験鋳型を除
去し、サンドブラストにて鋳造品表面を仕上げた後、鋳
造品表面に存在する鋳型に起因する介在物およびピンホ
ールを数えた。
【0131】また、鋳造品中央部の表面から深さ方向の
硬さをマイクロビッカース硬度計にて測定し、反応硬化
層深さを求めた。結果は表5に示した。
【0132】(実施例17)希土ガラス(Er2O3 10モ
ル%、MgO 36モル%、Li2O 4モル%、B2O3 50モ
ル%)5重量部の代りに、希土ガラス(Er2O3 10モル
%、MgO 36モル%、Li2O 4モル%、B2O3 50モル
%)10重量部を用いた以外は実施例16と同様に実施
した。
【0133】(実施例18)希土ガラス(Er2O3 10モ
ル%、MgO 36モル%、Li2O 4モル%、B2O3 50モ
ル%)5重量部の代りに、希土ガラス(Y2O3 10モル
%、MgO 36モル%、Li2O 4モル%、B2O3 50モル
%)2重量部を用いた以外は実施例16と同様に実施し
た。
【0134】(実施例19)希土ガラス(Er2O3 10モ
ル%、MgO 36モル%、Li2O 4モル%、B2O3 50モ
ル%)5重量部の代りに、希土ガラス(Y2O3 10モル
%、MgO 36モル%、Li2O 4モル%、B2O3 50モル
%)12重量部を用いた以外は実施例16と同様に実施
した。
【0135】(実施例20)希土ガラス(Er2O3 10モ
ル%、MgO 36モル%、Li2O 4モル%、B2O3 50モ
ル%)5重量部の代りに、希土ガラス(Gd2O310モル
%、ZnO 36モル%、Li2O 4モル%、B2O3 50モル
%)6重量部を用い、バインダーとして1.5重量%、
MC水溶液の代りに3重量%PVA水溶液を用いた以外
は実施例16と同様に実施した。
【0136】以上のようにして得られたサンプルについ
て、鋳造品の表面状態および反応硬化層深さを調べ総合
評価した。その結果を表5に示す。
【0137】(1)鋳造品の表面状態 鋳造品表面の100mm×25mmの範囲にみられる欠
陥の数を下記の基準で評価した。 ◎:欠陥が3個未満 ○:欠陥が3個以上10個未満 △:欠陥が10個以上20個未満 ×:欠陥が20個以上
【0138】(2)総合評価 鋳造品の表面状態および反応硬化層深さにしたがい、総
合評価した。 ○:良好 △:やや良 ×:不良
【0139】
【表4】
【0140】(実施例21)イットリア粉100重量部
と希土ガラス(Er23 10モル%、MgO40モ
ル%、B23 50モル%)5重量部とをボールミル
にいれ、ここに1.0重量%のメチルセルロース(M
C)を溶解し、かつポリエチレンを2.0重量%含むエ
マルジョン60重量部を添加して50分間混練し、スラ
リーを作製した。
【0141】次に、25mm×100mm×10mmの
ワックス製の模型を準備し、上記スラリーにこの模型を
浸漬し、模型表面にスラリー被覆層(a)を形成させ、
スラリーが乾く前に、スラリー被覆層(a)の上からイ
ットリア粉(平均粒径250μm )をスタッコとして付
着させフェースコートを形成した。以降は、従来から実
施されている公知の方法に基づいて行なった。
【0142】すなわち、フェースコート形成後の模型に
ついて、これをコロイダルシリカおよびジルコンフラワ
ーからなるスラリーに浸漬した後、ムライト質スタッコ
により被覆層(b)を形成するという工程を7回行な
い、バックアップコートを形成した。乾燥後、オートク
レーブで180℃にて脱ロウし、続いて、電気炉にて1
100℃で焼成して試験鋳型を得た。電子ビーム溶解炉
にて、Alを6重量%とVを4重量%とを含むチタン合
金を融解し、これを鋳込み温度1950℃で、真空(1
-3Torr)にて、上記試験鋳型に注湯した。チタン
合金が冷却、凝固後、試験鋳型を除去し、サンドブラス
トにて鋳造品表面を仕上げた後、鋳造品表面に存在する
鋳型に起因する介在物およびピンホールを数えた。ま
た、鋳造品中央部の表面から深さ方向の硬さをマイクロ
ビッカース硬度計にて測定し、反応硬化層深さを求め
た。
【0143】(実施例22)1.0重量%のメチルセル
ロース(MC)を溶解し、かつポリエチレンを2.0重
量%含むエマルジョン60重量部の代わりに、1.5重
量%のポリビニルアルコール(PVA)を溶解し、かつ
アクリル酸エステルを3重量%含むエマルジョン60重
量部を用いた以外は実施例21と同様に実施した。
【0144】(実施例23)イットリア粉100重量部
と希土ガラス(Er23 10モル%、MgO40モ
ル%、B23 50モル%)5重量部および20重量
%の分散SiO2粒子を含むシリカゾル40重量部をボ
ールミルに入れ、50分間混練し、スラリーを作製し
た。次に、25mm×100mm×10mmのワックス
製の模型を準備し、上記スラリーにこの模型を浸漬し、
模型表面にスラリー被覆層(a)を形成させ、スラリー
が乾く前に、スラリー被覆層(a)の上からイットリア
粉(平均粒径250μm )をスタッコとして付着させフ
ェースコートを形成した。
【0145】以降は、従来から実施されている公知の方
法に基づいて行なった。すなわち、フェースコート形成
後の模型について、これをコロイダルシリカおよびジル
コンフラワーからなるスラリーに浸漬した後、ムライト
質スタッコにより被覆層(b)を形成するという工程を
7回行ない、バックアップコートを形成した。乾燥後、
オートクレーブで180℃にて脱ロウし、続いて、電気
炉にて1100℃で焼成して試験鋳型を得た。電子ビー
ム溶解炉にて、Alを6重量%とVを4重量%とを含む
チタン合金を融解し、これを鋳込み温度1950℃で、
真空(10-3Torr)にて、上記試験鋳型に注湯し
た。チタン合金が冷却、凝固後、試験鋳型を除去し、サ
ンドブラストにて鋳造品表面を仕上げた後、鋳造品表面
に存在する鋳型に起因す介在物およびピンホールを数え
た。また、鋳造品中央部の表面から深さ方向の硬さをマ
イクロビッカース硬度計にて測定し、反応硬化層深さを
求めた。
【0146】(実施例24)20重量%の分散SiO2
粒子を含むシリカゾル40重量部の代わりに、27重量
%の分散ZrO2 粒子を含むジルコニアゾル35重量部
を用いた以外は実施例23と同様に実施した。
【0147】(実施例25)20重量%の分散SiO2
粒子を含むシリカゾル40重量部の代わりに、25重量
%の分散Y23 粒子を含むイットリアゾル50重量部
を用いた以外は実施例23と同様に実施した。
【0148】(実施例26)20重量%の分散SiO2
粒子を含むシリカゾル40重量部の代わりに、10重量
%の分散SiO2 粒子と1.0重量%のメチルセルロー
ス(MC)を含むシリカゾル40重量部を用いた以外は
実施例23と同様に実施した。
【0149】(実施例27)20重量%の分散SiO2
粒子を含むシリカゾル40重量部の代わりに、20重量
%の分散ZrO2 粒子とアクリル酸エステルを3重量%
含むジルコニアゾル35重量部を用いた以外は実施例2
3と同様に実施した。
【0150】(実施例28)20重量%の分散SiO2
粒子を含むシリカゾル40重量部の代わりに、20重量
%の分散ZrO2 粒子とポリビニルアルコール(PV
A)1.5重量%およびアクリル酸エステル3重量%含
むジルコニアゾル35重量部を用いた以外は実施例23
と同様に実施した。
【0151】以上のようにして得られた実施例21〜2
8のサンプルについて、鋳造品の表面状態および反応硬
化層深さを調べた結果、更には総合評価の結果を表6に
示す。
【0152】(1)鋳造品の表面状態 鋳造品表面の100mm×25mmの範囲にみられる欠
陥の数を下記の基準で評価した。 ◎:欠陥が3個未満 ○:欠陥が3個以上10個未満 △:欠陥が10個以上20個未満 ×:欠陥が20個以上
【0153】(2)総合評価 鋳造品の表面状態および反応硬化層深さにしたがい、総
合評価した。 ○:良好 △:やや良 ×:不良
【0154】
【表5】
【0155】
【表6】
【0156】
【発明の効果】本発明の第1の態様のフェースコート材
料を用いて得られる鋳造品は表面硬化層が薄く、従って
寸法精度が高い。また、鋳型表面に肌荒れが無く、気
泡、空隙のない精密な鋳造品の作製が可能である。
【0157】本発明の第2〜第6の態様のフェースコー
ト材料を用いて製造された鋳造品表面には硬化層が薄い
ので寸法精度の高いロストワックス鋳造品が得られ、こ
の鋳造品の肌荒れも少なく、表面性状に優れる。また、
鋳型焼成温度が低くてもフェースコートが高強度であ
る。しかも、フェースコート材料(スラリー)の可使時
間が長く鋳型の製造に於いてフェースコート材料の可使
時間による操作上の制約が少ない。
【0158】そして本発明の第7の態様である製造方法
により優れた鋳造品を鋳造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 希土ガラス添加量と圧縮強度の関係を示すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 戸 田 広 朗 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 鈴 木 健一郎 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 木 村 裕 司 福井県武生市北府2丁目1番5号 信越化 学工業株式会社磁性材料研究所内 (72)発明者 吉 田 紀 史 福井県武生市北府2丁目1番5号 信越化 学工業株式会社磁性材料研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】希土類酸化物と合成樹脂系エマルジョンを
    含有することを特徴とする高融点金属鋳造用鋳型フェー
    スコート材料。
  2. 【請求項2】合成樹脂系エマルジョンの合成樹脂が、該
    フェースコート材料に希土類酸化物100重量部に対し
    て0.1〜10重量部含有されていることを特徴とする
    請求項1に記載の高融点金属鋳造用の鋳型フェースコー
    ト材料。
  3. 【請求項3】希土類酸化物、希土ガラスおよび合成樹脂
    系エマルジョンを含有し、前記希土ガラスの含有量が、
    前記希土類酸化物100重量部に対して1〜15重量部
    であることを特徴とする高融点金属鋳造用の鋳型フェー
    スコート材料。
  4. 【請求項4】希土類酸化物、希土ガラスおよび水溶性有
    機高分子化合物を含有し、前記希土ガラスの含有量が、
    前記希土類酸化物100重量部に対して1〜15重量部
    であることを特徴とする高融点金属鋳造用の鋳型フェー
    スコート材料。
  5. 【請求項5】希土類酸化物、希土ガラス、合成樹脂系エ
    マルジョンおよび水溶性有機高分子化合物を含有し、前
    記希土ガラスの含有量が、前記希土類酸化物100重量
    部に対して1〜15重量部であることを特徴とする高融
    点金属鋳造用の鋳型フェースコート材料。
  6. 【請求項6】希土類酸化物、希土ガラスを含有し、更に
    シリカゾル、ジルコニアゾルおよびイットリアゾルから
    選択される一種を含有し、前記希土ガラスの含有量が、
    前記希土類酸化物100重量部に対して1〜15重量部
    であることを特徴とする高融点金属鋳造用の鋳型フェー
    スコート材料。
  7. 【請求項7】合成樹脂系エマルジョンおよび/または水
    溶性有機高分子化合物と、シリカゾル、ジルコニアゾル
    およびイットリアゾルから選択される一種と、希土類酸
    化物および希土ガラスを含有し、前記希土ガラスの含有
    量が、前記希土類酸化物100重量部に対して1〜15
    重量部であることを特徴とする高融点金属鋳造用の鋳型
    フェースコート材料。
  8. 【請求項8】希土ガラスは一般式 aLn23 ・bMO・cM′・dB23 (ただし、LnはYおよびランタン系列の元素からなる
    群から選ばれた少なくとも一種の元素、Mは、Mg、C
    a、Sr、BaおよびZnからなる群から選ばれた少な
    くとも一種の元素、M′はAl23 、SiO2 および
    Sb23 からなる群から選ばれた少なくとも一種の酸
    化物を表わし、a、b、c、およびdは、それぞれ1≦
    a≦30モル%、0≦b≦60モル%、0≦c≦20モ
    ル%、30≦d≦80モル%の範囲の値であり、かつb
    +cは、0≦b+c≦60モル%の範囲の値である。)
    で表わされるガラス粉末である請求項3〜7いずれかに
    記載の高融点活性金属鋳造用の鋳型フェースコート材
    料。
  9. 【請求項9】希土ガラスは一般式 aLn23 ・bMO・cM′・eM2 ″O・dB2
    3 (ただし、LnはYおよびランタン系列の元素からなる
    群から選ばれた少なくとも一種の元素、Mは、Mg、C
    a、Sr、BaおよびZnからなる群から選ばれた少な
    くとも一種の元素、M′はAl23 、SiO2 および
    Sb23 からなる群から選ばれた少なくとも一種の酸
    化物、M″はLi、Na、およびKからなる群から選ば
    れた少なくとも一種の元素を表わし、a、b、c、dお
    よびeは、それぞれ1≦a≦30モル%、0≦b≦60
    モル%、0≦c≦20モル%、30≦d≦80モル%、
    0<e≦15モル%の範囲の値であり、かつb+cは、
    0≦b+c≦60モル%の範囲の値である。)で表わさ
    れるガラス粉末である請求項3〜7いずれかに記載の高
    融点活性金属鋳造用の鋳型フェースコート材料。
  10. 【請求項10】所定形状を有するワックス模型表面に、
    請求項1〜9のいずれかに記載の高融点金属鋳造用の鋳
    型フェースコート材料を用いて被覆層(a)を形成し、
    しかるのちに、該被覆層(a)上にセラミックス粒状物
    を付着させる工程を1回以上繰返した後、さらにその上
    に、耐火性材料による被覆層(b)を形成して乾燥する
    工程と、ワックスを溶出し、焼成する工程を経て鋳型を
    作製し、該鋳型に溶融金属を注入し、鋳造品を得ること
    を特徴とする高融点活性金属鋳造品の製造方法。
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