JPH05212489A - 高融点活性金属鋳造用スラリーおよびそれを用いた鋳型による鋳造品の製造方法 - Google Patents

高融点活性金属鋳造用スラリーおよびそれを用いた鋳型による鋳造品の製造方法

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JPH05212489A
JPH05212489A JP10385791A JP10385791A JPH05212489A JP H05212489 A JPH05212489 A JP H05212489A JP 10385791 A JP10385791 A JP 10385791A JP 10385791 A JP10385791 A JP 10385791A JP H05212489 A JPH05212489 A JP H05212489A
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casting
slurry
rare earth
earth oxide
weight
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JP10385791A
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Hiroaki Toda
田 広 朗 戸
Koji Nishikawa
川 浩 二 西
Kenichiro Suzuki
木 健一郎 鈴
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JFE Steel Corp
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 高融点活性金属鋳造用スラリーは、希土類酸
化物と、水溶性有機高分子化合物あるいは無機化合物の
水性ゾルとを含有し、前記希土類酸化物100重量部中
その粒径が25μm以上44μm以下のものが50重量
部以上80重量部以下であり、かつ残りの希土類酸化物
の粒径は25μm未満である。このスラリーを用いて従
来のロストワックス法にて高融点活性金属鋳造品を製造
する。 【効果】 表面に微細模様を有するロストワックス鋳型
の表面被覆剤として用いることにより、TiあるいはT
i合金などの高融点活性金属を溶解・鋳造した後、鋳造
体表面の微細な模様が崩れることなく鮮明に形成され、
かつ反応硬化層の薄い鋳造品が得られるようになった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微細な表面模様を有す
るチタンあるいはチタン合金等の高融点活性金属鋳造用
ロストワックス鋳型製造用フェースコートスラリー組成
物およびこれを用いた鋳型による鋳造品の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】チタン、チタン合金等の高融点活性金属
を鋳造するに際して用いるロストワックス鋳型は、通
常、溶湯と接するキャビティー面(フェースコート)
と、その外側に位置し、鋳型自体の形状を維持すると共
に鋳型に強度を付与するバックアップコートからなる。
【0003】このようなロストワックス鋳型の溶湯と接
するキャビティー面(フェースコート)には、通常は耐
火性材料が用いられており、そのような耐火性材料とし
ては、W、Mo等の高融点金属と、ZrO2 、CaO等
の酸化物が知られている。ところが、耐火性材料として
前者を用いると、鋳造前の鋳型焼成段階で水素還元を行
なう必要があるため、設備が大型化し、制御が複雑にな
るという問題点を有する。一方、後者のうち、ZrO2
を用いると、ZrO2 は鋳込み金属と反応して鋳造品表
面に反応硬化層を生成するために、その除去に多大の工
数を必要とし、また、寸法精度を補償しえなくなるとい
う問題点を有し、CaOを用いると、CaOは吸湿性が
強いため、造型ならびに造型後の取り扱いが難しいとい
う問題点を有している。
【0004】そこで、鋳型フェースコートに用いる耐火
性材料として、チタン合金等の高融点活性金属との反応
が極めて小さいといわれているイットリアの使用が提案
された。
【0005】具体的に述べると、まず第一に、高融点活
性金属鋳造用鋳型のフェースコート用材料として、Y2
3 スラリーを用いるというSchulyerらの報告がある
(D.R.Schulyer, J.A.Petrusha and W.R.Keu, Proceedin
gs Vac. Metall. Conf., R.C.Krutenat 編,Scientific
発行,Princeton. NJ., 1977年,475 〜503 頁)。
【0006】Schulyerらの報告では、細粒状イットリア
を分散させたコロイド状珪酸カリウム液に粗粒状イット
リアを加えたものを、鋳型の表面被覆剤として用いてい
る。Schulyerらは、「この表面被覆剤によって形成され
た表面被覆層は、工場の技術水準における正常品と比較
してなめらかではなく、気泡やピットがあり、スタッコ
が各所に見られた。」と報告している。
【0007】また、特開昭62−143864号公報に
は、溶媒として水、バインダーとしてY23 ゾルを使
用したフェースコート用材料(スラリー)が開示されて
いる。そして、特開昭62−143864号公報では、
バインダーとしてZrO2 ゾルを使用した場合について
も言及している。特開昭62−143864号公報によ
れば、このようなスラリーを使用して作製した鋳型で鋳
造された鋳造品は、表面の反応硬化層が薄くて良好であ
った。
【0008】さらに、特開昭63−115644号公報
には、Y23 、溶媒としてのアルコールおよびバイン
ダーとしてのSiO2 ゾルを使用したフェースコート用
材料(スラリー)が開示され、比較例として、溶媒を水
にかえた例が記載されている。特開昭63−11564
4号公報によれば、このようなスラリーを使用して作製
した鋳型で鋳造された鋳造品は、表面の反応硬化層が薄
くてよい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の公報では、スラリー中のY23 の粒径は特に言及さ
れていない。また、鋳造体も、階段状試験片に代表され
る表面に微細な模様がないものである。
【0010】実際、上記公報の記載通りにスラリーを調
整し、表面に微細模様を有するロストワックス鋳型の表
面被覆剤として使用し、鋳型を作製後、チタン合金を溶
解・鋳造し、鋳造品を得る場合、その表面の微細模様は
崩れてしまう。
【0011】表面に微細な模様、例えば幅0.7mm×
深さ0.7mm×長さ80mm程度の線状模様を有する
鋳造体を得ようとする場合、スラリー中のY23 粒と
して通常市販されているY23 粉(粒径1μm、5μ
m、20μm程度のもの)のみを使用すると、図1に示
されるような「鋳バリ」が発生し、微細な模様が崩れて
しまっている。
【0012】本発明は、鋳造体表面の微細な模様が崩れ
ることなく、鮮明に形成され、なおかつ表面の反応硬化
層が薄くてよい高融点活性金属鋳造用鋳型の作製に際し
て用いるフェースコートスラリー組成物と、それを用い
た工程を有する高融点活性金属鋳造品の製造方法の提供
を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、高融点活性
金属鋳造用スラリー中の希土類酸化物の粒径を例えば焼
結、溶融、仮焼などにより大きくしたものを所定量用い
れば、鋳造体の表面模様が微細であっても、模様が崩れ
ることなく鮮明に形成され、なおかつ表面の反応硬化層
が薄くてよい鋳造用鋳型が作製できることを見い出し、
本発明に至ったのである。
【0014】本発明の第一の態様は、希土類酸化物と、
水溶性有機高分子化合物あるいは無機化合物の水性ゾル
とを含有し、前記希土類酸化物100重量部中その粒径
が25μm以上44μm以下のものが50重量部以上8
0重量部以下であり、かつ残りの希土類酸化物の粒径は
25μm未満であることを特徴とする高融点活性金属鋳
造用スラリーを提供するものである。
【0015】本発明の第二の態様は、所定形状を有し、
微細模様のあるワックス模型表面に、上記の高融点活性
金属鋳造用希土類酸化物スラリーを用いて被覆層(a)
を形成し、しかるのちに、該被覆層(a)上にセラミッ
クス粒状物を付着させる工程を1回以上繰返した後、さ
らにその上に、耐火性材料による被覆層(b)を形成し
て乾燥する工程と、ワックスを溶出し、焼成する工程を
経て鋳型を作製し、該鋳型に溶融金属を注入し、鋳造品
を得ることを特徴とする高融点活性金属鋳造品の製造方
法を提供するものである。
【0016】
【作用】以下に本発明をさらに詳細に説明する。
【0017】まず、本発明第一の態様の高融点活性金属
鋳造用鋳型材料について、構成成分等を順次説明する。
本発明では、希土類酸化物は耐火性材料であり、La、
Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、H
o、Er、Tm、Yb、Lu等の酸化物、およびYある
いはScの酸化物から選択される1種または2種以上の
混合物が用いられる。
【0018】本発明によれば、スラリー中の希土類酸化
物100重量中その粒径が25μm以上〜44μm以下
の希土類酸化物を50重量部以上80重量部以下とし、
かつ残りの希土類酸化物の粒径は25μm未満としたの
で、表面に微細模様を有するロストワックス鋳型の表面
被覆剤として用いることにより、TiあるいはTi合金
などの高融点活性金属を溶解・鋳造した後、鋳造体表面
の微細な模様が崩れることなく、鮮明に形成され、なお
かつ表面の反応硬化層もうすくすることができる。25
μm以上44μm以下の希土類酸化物粒がスラリー中の
希土類酸化物100重量部中50重量部未満では、微細
な模様が崩れてしまう鋳バリ欠陥が発生する。また、8
0重量部を越えると、微細模様の大きな崩れはないもの
の、表面での小さな欠けが生じてしまう。なお、希土類
酸化物の粒径が44μmを越えるものが、希土類酸化物
中に存在すると鋳造後の鋳造体の鋳肌表面の荒れがめだ
つ。そこで、粒径が44μmをこえる希土類酸化物は含
まないようにした。また、希土類酸化物の粒径が25μ
m未満のものが希土類酸化物100重量部中50重量部
をこえると、鋳バリ欠陥が発生する。
【0019】水溶性有機高分子化合物は、バインダーと
して用いられており、微粒子状の前記希土類酸化物を分
散させ、本発明の高融点活性金属鋳造用鋳型材料をスラ
リーとし、かつ、スラリーを安定に保つために必須の成
分であり、また、本発明の前記鋳型材料乾燥時のグリー
ン強度を維持するために有用な成分である。
【0020】水溶性有機高分子化合物としては、例え
ば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、
ポリビニルブチラール等の水溶性アルコール系高分子化
合物、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、エチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース
等のセルロース誘導体やデキストリン、アラビアゴム、
カラゲニン等の多糖類、アルギン酸ナトリウム、アルギ
ン酸アンモニウム、アルギン酸アミン、ポリアクリル酸
ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、メタアクリ
ル酸等の水溶性ポリカルボン酸の塩等が例示される。
【0021】また、バインダーとして用いられる無機化
合物の水性ゾルにおいて、無機化合物としては、SiO
2 、Al23 、ZrO2 、CeO2 、Y23 等が例
示される。
【0022】なお、水溶性有機高分子化合物または無機
化合物は、1種でも2種以上の混合物で用いてもよい。
【0023】本発明第一の態様の高融点活性金属鋳造用
スラリーの必須構成成分は以上の通りであるが、各々の
含有量は、以下の通りである。
【0024】希土類酸化物の含有量は特に限定されない
が、水等も含めた本発明の鋳型材料全量中の40〜80
wt%程度となるように用いるのがよい。40wt%未
満では、乾燥時にクラックが生じやすく、一方、80w
t%超では、鋳型材料がスラリー状とならなかったり、
スラリー状となった場合でも、粘度が高くなりすぎ、そ
のために、後記の如く、使用時に模型表面に所望の厚さ
の層を形成できない。
【0025】水溶性有機高分子化合物の含有量は特に限
定されないが、水溶性アルコール系高分子化合物および
多糖類からなる群から選択される化合物を用いる場合
は、その含有量は、前記希土類酸化物100重量部に対
して0.1〜10重量部とするのがよい。0.1重量部
未満では、バインダーとしての効果がなく、一方、10
重量部超では、焼成後の空隙が増し、密度が低下するた
めに、強度が低下する。
【0026】また、水溶性アルコール系高分子化合物お
よび多糖類からなる群から選択される化合物は、その含
有量が水等も含めた本発明のスラリー全量中の0.1〜
10wt%程度となるように用いるのがよい。0.1w
t%未満では、バインダーとしての効果がなく、一方、
10wt%超では、スラリー状とならなかったり、スラ
リー状となった場合でも、粘度が高くなりすぎ、そのた
めに、後記の如く、使用時に模型表面に所望の厚さの層
を形成できない。
【0027】水溶性ポリカルボン酸の塩を用いる場合
は、その含有量は、前記希土類酸化物100重量部に対
して0.1〜2.5重量部とするのがよい。0.1重量
部未満では、乾燥時にクラックが生じ易く、一方、2.
5重量部超では、スラリー状とならなかったり、スラリ
ー状となった場合でも、粘度が高くなりすぎ、そのため
に、後記の如く、使用時に模型表面に所望の厚さの層を
形成できない。
【0028】また、水溶性ポリカルボン酸の塩は、その
含有量が水等も含めた本発明のスラリー全量中の0.1
〜5wt%程度となるように用いるのがよい。0.1w
t%未満では、バインダーとしての効果がなく、一方、
5wt%超では、スラリー状とならなかったり、スラリ
ー状となった場合でも、粘度が高くなりすぎ、そのため
に、後記の如く、使用時に模型表面に所望の厚さの層を
形成できない。
【0029】また、無機化合物の含有量は、前記希土類
酸化物100重量部に対して、1〜15重量部となるよ
うにするのがよい。1重量部未満では、バインダーとし
ての効果がなく、一方15重量部超では、無機化合物と
Ti及びTi合金溶湯との反応が無視できないほど大き
くなる。
【0030】本発明の高融点活性金属鋳造用スラリーの
製法は、常法に従えばよい。具体的には、水溶性有機高
分子化合物を未溶解分のない所望の濃度の水溶液に溶解
調製して得た水溶液または無機化合物の水性ゾルを攪拌
しつつ、粒度調整した希土類酸化物の微粉末を少量づつ
添加し、所定濃度のスラリーとする。なお、粒度調整し
た希土類酸化物の微粉末に、水溶性有機高分子化合物の
水溶液あるいは無機化合物の水性ゾルを加えていっても
よい。次いで、このスラリーをボールミル、自動乳鉢等
に仕込み、未分散粒子が消滅するまで充分混練する。
【0031】スラリー製造時に気泡の混入を防止するた
め、必要に応じて消泡剤を添加することが好ましく、シ
リコーン系、POE−POP縮合物系等が消泡剤として
用いられる。消泡剤は、希土類酸化物100重量部に対
して0.01〜1.0重量部含有させることが好まし
い。
【0032】また、本発明第二の態様は、所定形状を有
するワックス模型表面に、前記高融点活性金属鋳造用ス
ラリーを用いて被覆層(a)を形成し、しかるのちに、
該被覆層(a)上にセラミックス粒状物を付着させる工
程を1回以上繰返した後、さらにその上に、耐火性材料
による被覆層(b)を形成して乾燥する工程と、ワック
スを溶出し、焼成する工程を経て鋳型を作製し、該鋳型
に溶融金属を注入し、鋳造品を得ることを特徴とする高
融点活性金属鋳造品の製造方法を提供するものである。
【0033】次に、本発明第二の態様について説明す
る。本発明第二の態様は、上記本発明第一の態様の高融
点活性金属鋳造用鋳型材料を用いたロストワックス鋳造
法による高融点活性金属鋳造品の製造方法であり、その
好適例は下記の通りである。
【0034】[フェースコートの形成] (1) 目的とする鋳造品と同じ大きさ、形状のワックス模
型を1個以上準備し、これをワックス製の湯口、湯道に
接着し、いわゆるツリーとする。ここで用いるワックス
は、パラフィンを主体とする公知のものでよいが、それ
に限定されるものではない。 (2) 上記ツリーをスラリー状の本発明第一の態様の高融
点活性金属鋳造用スラリーに浸漬し、ワックス模型表面
に、該鋳型材料にて被覆層(a)を形成させる。 (3) ワックス模型表面に形成された被覆層(a)が乾く
前に、被覆層(a)上にセラミックス粒状物(スタッ
コ)を万遍なく付着させる。ここで用いるセラミックス
粒状物は、耐火度の高い耐火性材料であればその種類は
問わないが、(2) の工程で用いた高融点活性金属鋳造用
スラリー中に含有される希土類酸化物が好ましい。 (4) 上記(2) および(3) の工程を、必要により、さらに
1回以上繰返す。
【0035】[バックアップコートの形成] (5) (1) 〜(4) の処理がなされたワックス模型を、コロ
イダルシリカあるいはエチルシリケート加水分解液、及
びジルコンフラワーあるいは溶融シリカフラワー等のセ
ラミックス微粉を含有する公知のバックアップコート用
スラリーに浸漬した後、ムライト質あるいはジルコン等
のセラミックス(耐火性材料)にて被覆層(b)を形成
する。 (6) 上記(5)の工程を、被覆層(b)の厚さが所定の厚
さとなるまで繰返す。 (7) 被覆層(b)を十分に乾燥する。
【0036】[焼成] (8) 約180℃程度でワックスを溶出させた後、約10
00〜1100℃で鋳型を焼成する。
【0037】[鋳造] (9) チタンあるいはチタン合金等の高融点活性金属を融
解し、前記鋳型に注湯する。前記金属の融解方法は問わ
ないが、真空あるいは非酸化性雰囲気中での融解が望ま
しい。 (10) 鋳型内で金属が冷却、凝固した後、鋳型を除去し
て鋳造品を取出し、湯道、湯口等を除去して製品とす
る。 なお、上記工程のうち(5) 〜(10)の工程は、従来から実
施されている公知の方法がいずれも適用可能である。
【0038】
【実施例】以下に本発明を実施例および比較例を挙げて
具体的に説明する。
【0039】(実施例1)イットリア粉A(粒径範囲2
5μm以上44μm以下、平均粒径38μm)50重量
部、イットリア粉B(粒径範囲5μm以上25μm未
満、平均粒径18μm)25重量部、イットリア粉C
(粒径範囲0.5μm以上5μm未満、平均粒径1.5
μm)25重量部をフィラーとし、バインダーとして2
0%シリカゾル水溶液45重量部を混合撹拌してスラリ
ーを作製した。
【0040】次に表面に幅0.7mm×深さ0.7mm
×長さ80mmの線状模様を有する30mm×100m
m×15mmのワックス製の模型を準備し、上記スラリ
ーにこの模型を浸漬し、模型表面にスラリー被覆層
(a)を形成させ、スラリーが乾く前に、スラリー被覆
層(a)の上からイットリア粉(平均粒径250μm)
をスタッコとして付着させ、フェースコートを形成し
た。
【0041】以降は、従来から実施されている公知の方
法に基いて行なった。すなわち、フェースコート形成後
の模型について、これをコロイダルシリカ及びジルコン
フラワーからなるスラリーに浸漬した後、ムライト質ス
タッコにより被覆層(b)を形成するという工程を7回
行ない、バックアップコートを形成した。
【0042】乾燥後、オートクレーブで180℃にて脱
ロウし、続いて、電気炉にて1100℃で焼成して試験
鋳型を得た。
【0043】電子ビーム溶解炉にて、Al 6wt%と
V4wt%とを含むチタン合金を融解し、これを鋳込み
温度1950℃で、真空(10-3Torr)にて、上記
試験鋳型に注湯した。チタン合金が冷却、凝固後、試験
鋳型を除去し、サンドブラストにて鋳造品表面を仕上げ
た後、鋳造体表面の微細模様が崩れることなく鮮明に形
成されているかどうかを調べた。
【0044】また、鋳造品の表面から深さ方向の硬さを
マイクロビッカース硬度計にて測定し、反応硬化層深さ
を求めた。結果は表1に示した。また、表面の写真を図
2に示す。
【0045】(実施例2)フィラーとしてイットリア粉
A50重量部、イットリア粉B37.5重量部、イット
リア粉C12.5重量部を用いた以外は、実施例1と同
様に実施した。
【0046】(実施例3)フィラーとしてイットリア粉
A62.5重量部、イットリア粉B18.75重量部、
イットリア粉C18.75重量部を用いた以外は、実施
例1と同様に実施した。
【0047】(実施例4)フィラーとしてイットリア粉
A75重量部、イットリア粉B12.5重量部、イット
リア粉C12.5重量部を用いた以外は、実施例1と同
様に実施した。
【0048】(実施例5)フィラーとしてイットリア粉
A80重量部、イットリア粉B10重量部、イットリア
粉C10重量部を用いた以外は、実施例1と同様に実施
した。
【0049】(比較例1)フィラーとしてイットリア粉
B50重量部、イットリア粉C50重量部を用いた以外
は、実施例1と同様に実施した。
【0050】(比較例2)フィラーとしてイットリア粉
B70重量部、イットリア粉C30重量部を用いた以外
は、実施例1と同様に実施した。
【0051】(比較例3)フィラーとしてイットリア粉
A34重量部、イットリア粉B33重量部、イットリア
粉C33重量部を用いた以外は、実施例1と同様に実施
した。
【0052】(比較例4)フィラーとしてイットリア粉
A45重量部、イットリア粉B27.5重量部、イット
リア粉C27.5重量部を用いた以外は、実施例1と同
様に実施した。
【0053】(比較例5)フィラーとしてイットリア粉
A90重量部、イットリア粉B5重量部、イットリア粉
C5重量部を用いた以外は、実施例1と同様に実施し
た。
【0054】(比較例6)フィラーとしてイットリア粉
A80重量部、イットリア粉D(粒径範囲44μmより
大きく、61μm以下 平均粒径52μm)を用いた以
外は、実施例1と同様に実施した。
【0055】表1から明らかなように、本発明の高融点
活性金属鋳造用希土類酸化物スラリーを表面に微細模様
を有するロストワックス鋳型の表面被覆剤として用いる
ことにより、TiあるいはTi合金などの高融点活性金
属を溶解・鋳造した後、鋳造体表面の微細な模様が崩れ
ることなく、鮮明に形成され、かつ反応硬化層の薄い鋳
造品が得られた。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【発明の効果】本発明の結果、表面に微細模様を有する
ロストワックス鋳型の表面被覆剤として用いることによ
り、TiあるいはTi合金などの高融点活性金属を溶解
・鋳造した後、鋳造体表面の微細な模様が崩れることな
く鮮明に形成され、かつ反応硬化層の薄い鋳造品が得ら
れるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】
【図2】両図とも金属組織を示す図面代用写真である。
【図1】比較例1の結果を示すもので、鋳造体表面の鋳
バリ欠陥の様子を示す図である。
【図2】実施例1の結果を示すもので、鋳造体表面に鋳
バリ欠陥がない様子を示す図である。
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】金属組織を示す図面代用写真である。比較例1
の結果を示すもので、鋳造体表面の鋳バリ欠陥の様子を
示す図である。
【図2】金属組織を示す図面代用写真である。実施例1
の結果を示すもので、鋳造体表面に鋳バリ欠陥がない様
子を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西 川 浩 二 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 鈴 木 健一郎 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類酸化物と、水溶性有機高分子化合
    物あるいは無機化合物の水性ゾルとを含有し、前記希土
    類酸化物100重量部中その粒径が25μm以上44μ
    m以下のものが50重量部以上80重量部以下であり、
    かつ残りの希土類酸化物の粒径は25μm未満であるこ
    とを特徴とする高融点活性金属鋳造用スラリー。
  2. 【請求項2】 所定形状を有し、微細模様のあるワック
    ス模型表面に、請求項1に記載の高融点活性金属鋳造用
    希土類酸化物スラリーを用いて被覆層(a)を形成し、
    しかるのちに、該被覆層(a)上にセラミックス粒状物
    を付着させる工程を1回以上繰返した後、さらにその上
    に、耐火性材料による被覆層(b)を形成して乾燥する
    工程と、ワックスを溶出し、焼成する工程を経て鋳型を
    作製し、該鋳型に溶融金属を注入し、鋳造品を得ること
    を特徴とする高融点活性金属鋳造品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1299850C (zh) * 2004-05-28 2007-02-14 沈阳铸造研究所 钇稀土陶瓷型壳钛合金熔模精密铸造方法
WO2007029785A1 (ja) * 2005-09-07 2007-03-15 Ihi Corporation 鋳型及びその製造方法並びに鋳型を用いた鋳造品
JP2016501131A (ja) * 2013-06-17 2016-01-18 インスティチュート オドレウニクトワ 鋳型および他の製品を製造するためのセラミック層の組成物

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