JPH05161370A - 超音波モータ - Google Patents
超音波モータInfo
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- JPH05161370A JPH05161370A JP3323083A JP32308391A JPH05161370A JP H05161370 A JPH05161370 A JP H05161370A JP 3323083 A JP3323083 A JP 3323083A JP 32308391 A JP32308391 A JP 32308391A JP H05161370 A JPH05161370 A JP H05161370A
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- Japan
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- driving
- frequency
- ultrasonic motor
- vibrator
- bending mode
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 不要モードが存在しても、この影響により駆
動時に鳴きが発生しないように振動子を構成する。 【構成】 不要モードの振動スペクトルcの周波数fc
が、振動子の駆動に供する固有振動数(駆動周波数
fD1)とその倍の周波数(駆動周波数fD2)との間に存
在した場合、鳴きの振動スペクトルaの周波数fa は、
fa =fD2−fcの関係となるので、fD2−fc の値が
可聴域以上となるように、振動子の駆動に供する固有振
動数を設定する。
動時に鳴きが発生しないように振動子を構成する。 【構成】 不要モードの振動スペクトルcの周波数fc
が、振動子の駆動に供する固有振動数(駆動周波数
fD1)とその倍の周波数(駆動周波数fD2)との間に存
在した場合、鳴きの振動スペクトルaの周波数fa は、
fa =fD2−fcの関係となるので、fD2−fc の値が
可聴域以上となるように、振動子の駆動に供する固有振
動数を設定する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ペンシル型形状の超音
波モータに係り、特に駆動時において鳴きの因子(可聴
域以上の周波数)が発生しても、これが可聴域に影響を
及ぼすことがないようにした超音波モータに関するもの
である。
波モータに係り、特に駆動時において鳴きの因子(可聴
域以上の周波数)が発生しても、これが可聴域に影響を
及ぼすことがないようにした超音波モータに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】棒形状に形成された超音波モータは、棒
形状の振動子の駆動面の表面粒子を円又は楕円運動さ
せ、この駆動面に加圧接触している移動体を摩擦力によ
り回転駆動する。振動子の駆動は、振動子に加圧挟持さ
れている圧電素子へ交流電界を印加することにより行う
もので、例えばカメラのオートフォーカス用として用い
られている円環型の超音波モータと比較して、小型化、
例えば人間の小指以下のサイズに形成することができる
という効果の他に、製作が簡単である等の効果を有して
いる。
形状の振動子の駆動面の表面粒子を円又は楕円運動さ
せ、この駆動面に加圧接触している移動体を摩擦力によ
り回転駆動する。振動子の駆動は、振動子に加圧挟持さ
れている圧電素子へ交流電界を印加することにより行う
もので、例えばカメラのオートフォーカス用として用い
られている円環型の超音波モータと比較して、小型化、
例えば人間の小指以下のサイズに形成することができる
という効果の他に、製作が簡単である等の効果を有して
いる。
【0003】図2は従来のペンシル型超音波モータの外
観斜視図を示し、図3はその断面図を示している。1は
円筒形状に形成された加振体、2は加振体1と同径の押
え体であり、加振体1と押え体2との間に駆動用の2枚
一組のA相圧電素子板3、2枚一組のB相圧電素子板4
及び1枚の振動検出用のS相圧電素子板(不図示)が不
図示の電極板を介装して配置され、加振体1と押え体2
とを締結用のボルト5により締結することにより、これ
ら圧電素子及び電極板を挟持した振動子を構成してい
る。
観斜視図を示し、図3はその断面図を示している。1は
円筒形状に形成された加振体、2は加振体1と同径の押
え体であり、加振体1と押え体2との間に駆動用の2枚
一組のA相圧電素子板3、2枚一組のB相圧電素子板4
及び1枚の振動検出用のS相圧電素子板(不図示)が不
図示の電極板を介装して配置され、加振体1と押え体2
とを締結用のボルト5により締結することにより、これ
ら圧電素子及び電極板を挟持した振動子を構成してい
る。
【0004】ボルト5の有効ネジ部からの先端からは、
ピン部5aが延びており、その先端部にモータ取り付け
用の固定部材6が固定されている。この従来例では、移
動体加圧用の加圧バネ7を内装するバネケース8にベア
リング9を該加圧バネ7のスラスト力を受けるように嵌
合し、さらに該ベアリング9に移動体10を嵌合してお
り、加圧バネ7のバネ力を移動体10に付与し、移動体
10を加振体1の上面に形成された駆動面1aに加圧接
触させている。
ピン部5aが延びており、その先端部にモータ取り付け
用の固定部材6が固定されている。この従来例では、移
動体加圧用の加圧バネ7を内装するバネケース8にベア
リング9を該加圧バネ7のスラスト力を受けるように嵌
合し、さらに該ベアリング9に移動体10を嵌合してお
り、加圧バネ7のバネ力を移動体10に付与し、移動体
10を加振体1の上面に形成された駆動面1aに加圧接
触させている。
【0005】A相圧電素子板3とB相圧電素子板4とは
位置的に90°の位相差を有しており、これら両圧電素
子板3と4に時間的に90°の位相差を有する交流電界
を印加することにより、加振体1の駆動面1aの表面粒
子に円又は楕円運動を形成し、この駆動面1aに加圧接
触する移動体10を摩擦駆動する。なお、加振体1の外
周部には、断面凹形状の週溝1bを形成してくびれを設
け、駆動面1aの振動変位を大きくするようにしてい
る。また、移動体10の回転力は、例えば移動体10と
同軸的に配置された不図示の回転出力部材に、例えば摩
擦力を介して伝達させ、例えば該回転出力部材の外周部
に形成された歯車部を歯車伝達機構に噛合させることに
より外部に取り出すことができるようにしている。
位置的に90°の位相差を有しており、これら両圧電素
子板3と4に時間的に90°の位相差を有する交流電界
を印加することにより、加振体1の駆動面1aの表面粒
子に円又は楕円運動を形成し、この駆動面1aに加圧接
触する移動体10を摩擦駆動する。なお、加振体1の外
周部には、断面凹形状の週溝1bを形成してくびれを設
け、駆動面1aの振動変位を大きくするようにしてい
る。また、移動体10の回転力は、例えば移動体10と
同軸的に配置された不図示の回転出力部材に、例えば摩
擦力を介して伝達させ、例えば該回転出力部材の外周部
に形成された歯車部を歯車伝達機構に噛合させることに
より外部に取り出すことができるようにしている。
【0006】このような振動子は、例えば図10の
(a)に示すように、1次曲げモードで駆動されること
が多く、振動子1の両端間に1つの腹位置が形成される
こととなる。また、2次曲げモードの場合は図10の
(b)のように振動子の両端間に2つの腹位置が形成さ
れ、3次の曲げモードの場合は図10の(c)のように
3つの腹位置が形成される。なお、図10に示す各モー
ドは、何れも振動子の両端がフリーの状態、例えば空中
に浮いた状態と考えることができる。
(a)に示すように、1次曲げモードで駆動されること
が多く、振動子1の両端間に1つの腹位置が形成される
こととなる。また、2次曲げモードの場合は図10の
(b)のように振動子の両端間に2つの腹位置が形成さ
れ、3次の曲げモードの場合は図10の(c)のように
3つの腹位置が形成される。なお、図10に示す各モー
ドは、何れも振動子の両端がフリーの状態、例えば空中
に浮いた状態と考えることができる。
【0007】ただし、図10に示す振動子のモデルは、
断面が均一の丸棒としているため、正弦波(実際には、
sin、cos、sinh、coshの結合)の分布と
なるが、振動子は実際には図2、3に示すようなくびれ
や段差、中空部等が混在するため、モード(変位分布)
は複雑で、図4には1次曲げモードを軸心の変位分布と
して示し、図6に2次曲げモードの場合を同様に軸心の
変位分布として示している。ここで、図4において、2
相の圧電素子3、4によって発生する1次曲げモード
は、θ方向に位置的位相差が90°のずれを有する2
種、且つ時間的に90°ずれて励起されるため、移動体
との接触部A点は楕円運動を行う。なお、その運動方向
は振動子の形状により決まり、Z軸に対して角度α傾い
た面内を楕円運動する。このとき、加圧接触している移
動体は摩擦駆動される。
断面が均一の丸棒としているため、正弦波(実際には、
sin、cos、sinh、coshの結合)の分布と
なるが、振動子は実際には図2、3に示すようなくびれ
や段差、中空部等が混在するため、モード(変位分布)
は複雑で、図4には1次曲げモードを軸心の変位分布と
して示し、図6に2次曲げモードの場合を同様に軸心の
変位分布として示している。ここで、図4において、2
相の圧電素子3、4によって発生する1次曲げモード
は、θ方向に位置的位相差が90°のずれを有する2
種、且つ時間的に90°ずれて励起されるため、移動体
との接触部A点は楕円運動を行う。なお、その運動方向
は振動子の形状により決まり、Z軸に対して角度α傾い
た面内を楕円運動する。このとき、加圧接触している移
動体は摩擦駆動される。
【0008】超音波モータの特徴の一つとして静粛性が
ある。これはモータの裸特性が電磁モータと比べて低速
大トルクであるため、ギヤが不要又は減速比が小さくと
れるため、ギヤ音がないためである。
ある。これはモータの裸特性が電磁モータと比べて低速
大トルクであるため、ギヤが不要又は減速比が小さくと
れるため、ギヤ音がないためである。
【0009】ところで、超音波モータは、前述のように
摩擦力を駆動力として利用していおり、この摩擦エネル
ギーは大部分が駆動エネルギーと、摩擦熱の発生に費や
されるが、一部が不要な振動を発生させるのに費やされ
てしまうことがある。
摩擦力を駆動力として利用していおり、この摩擦エネル
ギーは大部分が駆動エネルギーと、摩擦熱の発生に費や
されるが、一部が不要な振動を発生させるのに費やされ
てしまうことがある。
【0010】そして、この不要振動が時として鳴き発生
の原因となることが解析された。
の原因となることが解析された。
【0011】図5は超音波モータの駆動中において鳴き
が発生しているときのマイクロフォンにて収録した振動
スペクトルを示す。
が発生しているときのマイクロフォンにて収録した振動
スペクトルを示す。
【0012】図5において、aは可聴域にある振動スペ
クトル(鳴きの周波数をfa とする)、bが駆動振動の
スペクトル(1次曲げモードの駆動であるので、その駆
動周波数をfD1とする)、dは駆動周波数の2倍の周波
数(fD2)の位置に発生する振動スペクトルである。
クトル(鳴きの周波数をfa とする)、bが駆動振動の
スペクトル(1次曲げモードの駆動であるので、その駆
動周波数をfD1とする)、dは駆動周波数の2倍の周波
数(fD2)の位置に発生する振動スペクトルである。
【0013】一方、振動スペクトルbとdとの間に生じ
ている振動スペクトルc(以下この振動スペクトルを不
要振動スペクトルと称し、その周波数をfc とする)の
成分は、本来駆動用の電気信号中に含まれていないが、
超音波モータにおける駆動系の非線形(主に移動体との
接触)の故、常に発生している。そこで、この不要振動
スペクトルcが他の振動スペクトルとの間にいかなる関
係にあるかを調べるため、駆動周波数を変化させたとこ
ろ、駆動の1次及び2次の周波数の変化に対して何等変
化しなかった。しかしながら、このとき鳴き周波数fa
は駆動周波数の変化に従って変化し、fa =fD2−fc
であることが確認された。このことから、不要振動スペ
クトルcは鳴きの原因といえる。しかし、不要振動スペ
クトルcの励振条件については厳密に判明していない
が、振動子の固有の振動であることは確認された。
ている振動スペクトルc(以下この振動スペクトルを不
要振動スペクトルと称し、その周波数をfc とする)の
成分は、本来駆動用の電気信号中に含まれていないが、
超音波モータにおける駆動系の非線形(主に移動体との
接触)の故、常に発生している。そこで、この不要振動
スペクトルcが他の振動スペクトルとの間にいかなる関
係にあるかを調べるため、駆動周波数を変化させたとこ
ろ、駆動の1次及び2次の周波数の変化に対して何等変
化しなかった。しかしながら、このとき鳴き周波数fa
は駆動周波数の変化に従って変化し、fa =fD2−fc
であることが確認された。このことから、不要振動スペ
クトルcは鳴きの原因といえる。しかし、不要振動スペ
クトルcの励振条件については厳密に判明していない
が、振動子の固有の振動であることは確認された。
【0014】なお、図5において、fc =68.00K
HZ 、fD1=39.25KHZ 、fD2=78.5KHZ
であり、fa =(78.5KHZ −68.00KHZ )
=10.5KHZ (可聴域)であり、これは鳴きの周波
数となる。
HZ 、fD1=39.25KHZ 、fD2=78.5KHZ
であり、fa =(78.5KHZ −68.00KHZ )
=10.5KHZ (可聴域)であり、これは鳴きの周波
数となる。
【0015】そして、不要振動のモードは、図4に示す
駆動に利用している1次曲げモードに対して、図6に示
すように(不要振動によって振動する場合のみを記
載)、振動子が全体的に2次モードで振動する2次曲げ
モード(以下鳴き2次曲げモードと称す)と、図7に示
すように(不要振動によって振動する場合のみを記載)
振動子の加振体に形成されたくびれ部から先端部分のみ
が2次モードで振動(以下皿曲げモードと称す)する、
2つのモードが現在確認されている。
駆動に利用している1次曲げモードに対して、図6に示
すように(不要振動によって振動する場合のみを記
載)、振動子が全体的に2次モードで振動する2次曲げ
モード(以下鳴き2次曲げモードと称す)と、図7に示
すように(不要振動によって振動する場合のみを記載)
振動子の加振体に形成されたくびれ部から先端部分のみ
が2次モードで振動(以下皿曲げモードと称す)する、
2つのモードが現在確認されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、超音波モータの駆動時に、鳴き2次曲げモ
ード、あるいは皿曲げモードの不要振動モードの発生に
よって、鳴きが生じることにある。
する課題は、超音波モータの駆動時に、鳴き2次曲げモ
ード、あるいは皿曲げモードの不要振動モードの発生に
よって、鳴きが生じることにある。
【0017】本発明の目的は、鳴き2次曲げモード、あ
るいは皿曲げモードの不要モードが生じていても、この
影響が可聴域に鳴きの振動成分として発生することない
振動子を有する超音波モータを提供することにある。
るいは皿曲げモードの不要モードが生じていても、この
影響が可聴域に鳴きの振動成分として発生することない
振動子を有する超音波モータを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の目的を
実現する超音波モータは、加振体と押え体との間に少な
くとも駆動用の電気−機械エネルギー変換素子を挟持固
定した振動子における該駆動用の電気−機械エネルギー
変換素子に駆動電気信号を印加することにより、該加振
体の駆動面の表面粒子にに円又は楕円運動を形成し、該
駆動面に加圧接触する移動体を摩擦駆動する超音波モー
タにおいて、該振動子は駆動に供する固有振動数とその
整数倍の振動数が、鳴きの原因となる屈曲モードの固有
振動数に対して、可聴周波数以上の差を有していること
を特徴とする。
実現する超音波モータは、加振体と押え体との間に少な
くとも駆動用の電気−機械エネルギー変換素子を挟持固
定した振動子における該駆動用の電気−機械エネルギー
変換素子に駆動電気信号を印加することにより、該加振
体の駆動面の表面粒子にに円又は楕円運動を形成し、該
駆動面に加圧接触する移動体を摩擦駆動する超音波モー
タにおいて、該振動子は駆動に供する固有振動数とその
整数倍の振動数が、鳴きの原因となる屈曲モードの固有
振動数に対して、可聴周波数以上の差を有していること
を特徴とする。
【0019】鳴きの原因となる屈曲モードの振動数(可
聴域以上)が、振動子の駆動に供する振動数、すなわち
駆動に供する固有振動数、又は例えばその2倍の振動数
に対してその差(例えば、fD2−fc )が可聴域にある
と、その差fa が鳴きとして発生するので、該差が可聴
域以上にあれば、鳴きが発生しないことになる。
聴域以上)が、振動子の駆動に供する振動数、すなわち
駆動に供する固有振動数、又は例えばその2倍の振動数
に対してその差(例えば、fD2−fc )が可聴域にある
と、その差fa が鳴きとして発生するので、該差が可聴
域以上にあれば、鳴きが発生しないことになる。
【0020】したがって、このような差が可聴域以上と
なるように振動子の駆動に供する固有振動数を設定すれ
ば良いことになる。
なるように振動子の駆動に供する固有振動数を設定すれ
ば良いことになる。
【0021】
【実施例】図1は、本発明による超音波モータの第1の
実施例を示す振動子の断面図である。
実施例を示す振動子の断面図である。
【0022】図1に示す振動子は、図4に示す鳴きの発
生が生じる従来の振動子と全長(20mm)及び直径
(d=10mm)を同じとすると共に同材料で形成した
もので、図4の従来の振動子では、加振体1の周溝の長
さL1 を2mmとするのに対し、本実施例の振動子は加
振体1の周溝1bの長さL2 を3mm、押さえ体2の下
部の直径d2 を8mm、その長さL3 を4.5mmと
し、また周溝の直径d1 は等しくしている。なお、加振
体1及び押さえ体2は共に真鍮(BS )製であり、締結
用のボルト5はM4ネジ部を有するステンレス(SU
S)製としている。また、圧電素子は振動検出用も含め
て同厚(0.5mm)のものを5枚使用して、2.5m
m厚とし、最下部が振動子の底面から7.5mmの位置
としている。
生が生じる従来の振動子と全長(20mm)及び直径
(d=10mm)を同じとすると共に同材料で形成した
もので、図4の従来の振動子では、加振体1の周溝の長
さL1 を2mmとするのに対し、本実施例の振動子は加
振体1の周溝1bの長さL2 を3mm、押さえ体2の下
部の直径d2 を8mm、その長さL3 を4.5mmと
し、また周溝の直径d1 は等しくしている。なお、加振
体1及び押さえ体2は共に真鍮(BS )製であり、締結
用のボルト5はM4ネジ部を有するステンレス(SU
S)製としている。また、圧電素子は振動検出用も含め
て同厚(0.5mm)のものを5枚使用して、2.5m
m厚とし、最下部が振動子の底面から7.5mmの位置
としている。
【0023】このように、同材料からなる振動子の形状
を変えることにより、振動子の駆動に供する固有振動が
変化すると共に、当然鳴き発生の原因となる不要モード
の周波数も変化する。
を変えることにより、振動子の駆動に供する固有振動が
変化すると共に、当然鳴き発生の原因となる不要モード
の周波数も変化する。
【0024】しかし、この寸法変化により、1次曲げモ
ードにより駆動に供する固有振動数(fD1と同周波数)
が50KHZ 、その倍の周波数(fD2と同周波数)は1
00KHZ 、となると共に、不要モード(fc )は鳴き
の2次曲げモードでは周波数が77KHZ 、皿曲げモー
ドでは周波数が79KHZ となった。
ードにより駆動に供する固有振動数(fD1と同周波数)
が50KHZ 、その倍の周波数(fD2と同周波数)は1
00KHZ 、となると共に、不要モード(fc )は鳴き
の2次曲げモードでは周波数が77KHZ 、皿曲げモー
ドでは周波数が79KHZ となった。
【0025】このことから、鳴きの2次曲げモードが発
生した場合、 fa =100KHZ −77KHZ =23KHZ fa =50KHZ −77KHZ =−27KHZ となり、可聴域(20KHZ )以上となって、不要モー
ドが存在しても鳴きとして聞こえないことになる。
生した場合、 fa =100KHZ −77KHZ =23KHZ fa =50KHZ −77KHZ =−27KHZ となり、可聴域(20KHZ )以上となって、不要モー
ドが存在しても鳴きとして聞こえないことになる。
【0026】同様に、皿曲げモードの場合、 fa =100KHZ −79KHZ =21KHZ fa =50KHZ −79KHZ =−29KHZ となり、可聴域以上の差が生じるので、不要モードが存
在しても鳴きとして聞こえないことになる。
在しても鳴きとして聞こえないことになる。
【0027】なお、不要モードの1つである皿曲げモー
ドは、振動子の周溝よりも上部のみが振動するため、鳴
きが発生した時の振動数をそのままとし、該周溝よりも
下側の振動子部分の直径を変えたり、または長さを変え
たり、さらに比剛性(弾性率/密度)の高い材料に変え
たりすることで、振動子の駆動に供する固有振動数を変
えて同様の効果を得ることができる。
ドは、振動子の周溝よりも上部のみが振動するため、鳴
きが発生した時の振動数をそのままとし、該周溝よりも
下側の振動子部分の直径を変えたり、または長さを変え
たり、さらに比剛性(弾性率/密度)の高い材料に変え
たりすることで、振動子の駆動に供する固有振動数を変
えて同様の効果を得ることができる。
【0028】図8は本発明の第2の実施例を示す図であ
る。
る。
【0029】本実施例は、図4に示す従来の振動子と直
径及び長さを等しくし、周溝1bの長さL4 を1mm、
中央部の内径d3 を2mmとして周溝よりも上部の剛性
を高めたもので、振動子の駆動に供する固有振動数が3
8KHZ 、皿曲げモードの振動数が99KHZ であっ
た。
径及び長さを等しくし、周溝1bの長さL4 を1mm、
中央部の内径d3 を2mmとして周溝よりも上部の剛性
を高めたもので、振動子の駆動に供する固有振動数が3
8KHZ 、皿曲げモードの振動数が99KHZ であっ
た。
【0030】この場合、fa =99KHZ −38KHZ
×2=23KHZ となり、可聴域よりも大きいので、皿
曲げモードによる鳴き発生の影響はないことになる。
×2=23KHZ となり、可聴域よりも大きいので、皿
曲げモードによる鳴き発生の影響はないことになる。
【0031】図9は、図1に示す第1の実施例における
振動子を用いた超音波モータを駆動源とする装置の概略
を示し、移動体10は外周部に歯車部11aを有する回
転出力部材11と摩擦接触し、移動体10の回転を出力
する。回転出力部材11の歯車部11aは入力歯車12
に噛合し、該入力歯車12と同軸の小歯車13に伝達
し、この小歯車13が噛合する例えばカメラの合焦用レ
ンズ鏡筒14を回転させる。一方、入力歯車12の回転
により同軸的に設けられた光学式エンコーダスリット板
15も回転し、フォトカップラ15により位置、速度検
出を行う。
振動子を用いた超音波モータを駆動源とする装置の概略
を示し、移動体10は外周部に歯車部11aを有する回
転出力部材11と摩擦接触し、移動体10の回転を出力
する。回転出力部材11の歯車部11aは入力歯車12
に噛合し、該入力歯車12と同軸の小歯車13に伝達
し、この小歯車13が噛合する例えばカメラの合焦用レ
ンズ鏡筒14を回転させる。一方、入力歯車12の回転
により同軸的に設けられた光学式エンコーダスリット板
15も回転し、フォトカップラ15により位置、速度検
出を行う。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、振
動子の形状や、材質を変えることにより、鳴きの発生原
因となる不要モードの振動数と、振動子の駆動に供する
固有振動数の整数倍、例えば2倍の振動数との差を可聴
域よりも大きくすることにより、駆動時に不要モードが
生じていても、実際には鳴きのない状態でモータを駆動
することができる効果が得られる。
動子の形状や、材質を変えることにより、鳴きの発生原
因となる不要モードの振動数と、振動子の駆動に供する
固有振動数の整数倍、例えば2倍の振動数との差を可聴
域よりも大きくすることにより、駆動時に不要モードが
生じていても、実際には鳴きのない状態でモータを駆動
することができる効果が得られる。
【図1】本発明による超音波モータの第1の実施例を示
す振動子の概略図。
す振動子の概略図。
【図2】従来の超音波モータの外観斜視図。
【図3】図2の縦断面図。
【図4】図2、3に示す従来の超音波モータの駆動モー
ドを示す図。
ドを示す図。
【図5】図4の鳴き発生時の振動スペクトルを示す図。
【図6】鳴きの2次曲げモードを示す図。
【図7】皿曲げモードを示す図。
【図8】第2の実施例を示す縦断面図。
【図9】図1に示す第1の実施例の超音波モータを使用
した駆動装置の概略図。
した駆動装置の概略図。
【図10】振動モードを説明する図。
1…加振体 2…押さえ体 3、4…圧電素子 5…ボルト 6…固定部材 7…加圧バネ 8…バネケース 9…ベアリング 10…移動体 11…回転出力部材
Claims (7)
- 【請求項1】 加振体と押え体との間に少なくとも駆動
用の電気−機械エネルギー変換素子を挟持固定した振動
子における該駆動用の電気−機械エネルギー変換素子に
駆動電気信号を印加することにより、該加振体の駆動面
の表面粒子にに円又は楕円運動を形成し、該駆動面に加
圧接触する移動体を摩擦駆動する超音波モータにおい
て、 該振動子は駆動に供する固有振動数とその整数倍の振動
数が、鳴きの原因となる屈曲モードの固有振動数に対し
て、可聴周波数以上の差を有していることを特徴とする
超音波モータ。 - 【請求項2】 請求項1において、振動子は駆動に供す
る固有振動数とその2倍の振動数が、鳴きの原因となる
屈曲モードの固有振動数に対して、可聴周波数以上の差
を有していることを特徴とする超音波モータ。 - 【請求項3】 請求項1又は2において、鳴きの原因と
なる屈曲モードの次数と駆動モードの次数が異なること
を特徴する超音波モータ。 - 【請求項4】 請求項1、2又は3において、振動子は
加振体の外周部に周方向に沿って周溝を有するくびれ形
状に形成されたことを特徴とする超音波モータ。 - 【請求項5】 請求項4において、鳴きの屈曲モードは
周溝より駆動面側のみの範囲において励起されることを
特徴とする超音波モータ。 - 【請求項6】 請求項4において、鳴きの屈曲モードは
振動子全体を励起することを特徴とする超音波モータ。 - 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5又は6に記載
の超音波モータを駆動源とする装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3323083A JPH05161370A (ja) | 1991-12-06 | 1991-12-06 | 超音波モータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3323083A JPH05161370A (ja) | 1991-12-06 | 1991-12-06 | 超音波モータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05161370A true JPH05161370A (ja) | 1993-06-25 |
Family
ID=18150895
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3323083A Pending JPH05161370A (ja) | 1991-12-06 | 1991-12-06 | 超音波モータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05161370A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014236522A (ja) * | 2013-05-30 | 2014-12-15 | キヤノン株式会社 | 振動型アクチュエータおよび光学機器 |
-
1991
- 1991-12-06 JP JP3323083A patent/JPH05161370A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014236522A (ja) * | 2013-05-30 | 2014-12-15 | キヤノン株式会社 | 振動型アクチュエータおよび光学機器 |
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