JPH05159978A - 電解コンデンサ用電解液 - Google Patents

電解コンデンサ用電解液

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JPH05159978A
JPH05159978A JP35020291A JP35020291A JPH05159978A JP H05159978 A JPH05159978 A JP H05159978A JP 35020291 A JP35020291 A JP 35020291A JP 35020291 A JP35020291 A JP 35020291A JP H05159978 A JPH05159978 A JP H05159978A
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JP
Japan
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acid
electrolytic solution
solute
electrolytic
range
Prior art date
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Pending
Application number
JP35020291A
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English (en)
Inventor
Yutaka Yokoyama
豊 横山
Tatsunori Tsuji
達紀 辻
Makoto Ue
誠 宇恵
Tomohiro Sato
智洋 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Chemi Con Corp
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Nippon Chemi Con Corp
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い電導度を有する電解液の電導度の低下を
極力抑制し、しかも耐電圧の高い電解コンデンサ用電解
液を得る。 【構成】 フタル酸、マレイン酸又は安息香酸の4級ア
ルキるアンモニウム塩を主溶質とし、γ−ブチロラクト
ンを主溶媒とする電解液に、亜リン酸を添加する。又、
溶質がフタル酸の4級アルキルアンモニウム塩の場合、
亜リン酸の添加量を1.0〜5.0重量%の範囲とす
る。更に溶質がマレイン酸もしくは安息香酸の4級アル
キルアンモニウム塩の場合、亜リン酸の添加量を0.2
〜5.0重量%の範囲とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電解コンデンサに用
いられる電解液、特に高い電導度と耐電圧を持つと共に
短絡事故などの発生の抑制に効果のある電解液に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電解コンデンサは、アルミニウム、タン
タルなどの絶縁性酸化皮膜層が形成され得るいわゆる弁
金属を陽極に用い、その表面を陽極酸化処理等によって
前記の絶縁性の酸化皮膜薄膜を誘電体層として形成した
ものを陽極側電極に用いる。そして、この陽極側電極に
対向させて陰極側電極を配置、陽極側電極と陰極側電極
間にセパレータを介在させ、このセパレータに電解液を
保持させて電解コンデンサが形成される。
【0003】陽極側電極は、通常表面積の拡大のためエ
ッチング処理がなされており、電解液はこの凹凸面に密
接して、実質的な陰極としての機能を有する。このため
電解液の電導度、温度特性などが電解コンデンサの電気
的特性を決定する要因となる。また電解液は、絶縁性の
酸化皮膜薄膜の劣化や損傷を修復し、漏れ電流や寿命特
性へ影響を及ぼす。このように、電解液は電解コンデン
サの特性を左右する重要な構成要素である。
【0004】電解液の特性の中でも、電導度は電解コン
デンサの損失、インピーダンス特性などに直接関わるこ
とから、近年高い電導度を有する電解液の開発が盛んに
行われている。この中でも有機酸特に各種のカルボン酸
をアニオンとした4級アンモニウム塩を溶質としたもの
をγ−ブチロラクトンなどの非プロトン溶媒に溶解した
ものが、従来のアンモニウム塩やアミン塩に比べて高い
電導度を得られるため、近年注目されている。このよう
なものとしては、例えば特公平3−6646号公報、特
公平3−8092号公報などが知られている。
【0005】従来定格電圧が50Vを越える領域で、上
記のような高電導度電解液を使用するためには、高圧領
域で用いられているホウ酸−エチレングリコール系の電
解液などと混合した複合系の電解液とする方法がある。
しかしこの場合、高圧用の電解液は電導度が低く、大幅
な電導度の低下が免れない。そこで電導度の低下を防ぐ
ために同時に水を添加することが考えられるが、水の添
加は高温度での使用限度や寿命特性への悪影響が知られ
ているところであり適当でない。
【0006】又、耐電圧の向上のために各種の薬剤の添
加を行うことも検討されており、その中には、リン酸、
アルキルリン酸エステルなどリン化合物を添加するもの
などがある。各種のリン化合物の中で亜リン酸(H3
3 )の添加については、例えば、特公昭52−347
46号公報などになどにその記載が見られるが、これは
通常のアンモニウム塩溶質における劣化防止を目的とし
たものものであり特定の溶質、特に4級アルキルアンモ
ニウム塩における耐電圧の向上については充分な検討は
なされていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上記の問題
点を改良したもので、高い電導度を有する電解液の電導
度の低下を極力抑止し、しかも耐圧向上効果に優れると
共に、短絡事故などが発生しにくく耐圧特性が安定して
維持できる電解液を得ることを目的としている。
【0008】発明者は、特定の系すなわちフタル酸、マ
レイン酸又は安息香酸の4級アルキルアンモニウムを溶
質とする電解液に対し、亜リン酸を所定量添加すること
で、この発明の目的に合致した電解液が得られるという
ことを見出しこの発明を完成したものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の電解液は、カ
ルボン酸、特にフタル酸、マレイン酸または安息香酸か
ら選ばれたものをアニオン成分とし、4級アルキルアン
モニウムをカチオン成分とした塩を主溶質とし、これを
γ−ブチロラクトンを主溶媒とする溶媒中に溶解した電
解液を基本電解液として用いる。そして、この基本電解
液に亜リン酸を添加したことを特徴としている。
【0010】又、この発明は、基本の電解液の溶質がフ
タル酸の4級アルキルアンモニウム塩である場合、添加
する亜リン酸の添加量を、1.0〜5.0重量%の範囲
とすることも特徴としている。
【0011】更にこの発明は、基本の電解液の溶質がマ
レイン酸もしくは安息香酸の4級アルキルアンモニウム
塩である場合、添加する亜リン酸の添加量を、0.2〜
5.0重量%の範囲とすることも特徴としている。
【0012】この発明で用いる基本電解液の溶質におけ
るカチオン成分は、4級アルキルアンモニウムであれば
特に制限はないが、一般的には炭素数が1ないし4のア
ルキル基のものから選択された対称形または非対称形4
級アンモニウムが適している。
【0013】この発明の電解液での溶質の濃度は特に限
定されるものではないが、通常5〜25重量%程度であ
り、特に好ましくは10〜20重量%で用いる。溶質量
がこの範囲以下であると、この系の特徴である高電導度
が得られない。又、溶質量が多いと低温で溶質が析出す
るなどの不都合が起き、やはり適当でない。
【0014】亜リン酸の添加量は、電解液の溶質がフタ
ル酸の4級アルキルアンモニウム塩である場合、好まし
くは電解液に対し、1.0〜5.0重量%である。電解
液の溶質がマレイン酸もしくは安息香酸の4級アルキル
アンモニウム塩である場合、好ましくは電解液に対し、
0.2〜5.0重量%である。添加がこの範囲より少な
いと、耐電圧向上の顕著な効果が得られない。一方添加
量がこの範囲を越えると、耐電圧の向上の効果はあるも
のの、電導度が悪くなり、損失や等価直列抵抗値が悪く
なってしまうからである。
【0015】
【作用】この発明によれば、フタル酸、マレイン酸およ
び安息香酸の4級アルキルアンモニウムを溶質とし、γ
−ブチロラクトンを主溶媒とする電解液に、亜リン酸を
添加することで、電解液の耐電圧が向上し、電解コンデ
ンサの使用電圧領域の上限を拡大できる。
【0016】
【実施例】以下実施例に基づいてこの発明を詳細に説明
する。実験は、溶質にフタル酸、マレイン酸および安息
香酸の4級アンモニウム塩からなる3種の塩を用い、こ
れをγ−ブチロラクトンに溶解した3種の基本電解液を
調製し、これに添加剤である亜リン酸を加えて特性を調
べた。
【0017】表1ないし表3はこの結果を示したもの
で、これら電解液の組成は、いずれもγ−ブチロラクト
ン85重量%に、フタル酸テトラメチルアンモニウム塩
(表1)、マレイン酸トリエチルメチルアンモニウム塩
(表2)、安息香酸トリエチルメチルアンモニウム塩
(表3)をそれぞれ15重量%溶解した。
【0018】これらの基本電解液に、この発明である亜
リン酸を基本電解液100に対し、0〜10重量%の範
囲で6段階添加した電解液について、その電導度、耐電
圧(火花電圧)を測定した。
【0019】なお、電導度は調合した電解液の25℃に
おける電導度で単位は(mS/cm)である。又、耐電
圧(VS ) は、これらの電解液を用いた電解コンデンサ
を作成し、25℃で5mAの定電流で電圧を印加し、電
圧−時間の上昇カーブを調べることで行った。耐電圧
は、電圧の上昇カーブではじめにスパイクあるいはシン
チレーションが観測された電圧とした。
【0020】耐電圧試験に用いるために作成した電解コ
ンデンサの仕様は、240Vで化成した陽極箔をセパレ
ータ、陰極箔とともに巻回し、巻回端面からリード線を
導出させたコンデンサ素子に電解液を含浸(40℃、減
圧下で1時間)し、この素子を金属ケースに収納し、開
口部を封口ゴムで閉じ、外装ケースの端部を巻き締めし
て電解コンデンサとした。この電解コンデンサの定格電
圧は160WV、静電容量22μF、外形寸法は10φ
×25lのものである。
【0021】
【表1】
【0022】この実験例においては、亜リン酸の添加が
少量(1.0重量%未満)の場合、無添加のものに比し
て耐電圧の向上に顕著な効果が見られない。少なくとも
耐電圧の向上のためには、添加量が1.0重量%以上あ
ることが望ましく、又電導度の低下の防止するために
は、5.0重量%までの添加に止めるのが好ましいこと
がわかる。
【0023】
【表2】
【0024】この実験例の場合、亜リン酸の添加量に応
じて特に顕著に耐電圧が向上することが認められるが、
同時に電導度の低下が免れない。耐電圧の向上と、高電
導度の維持の面からは、好ましい添加量の範囲は、0.
2〜5.0重量%である。
【0025】
【表3】
【0026】この実験例についても、表2と同じよう
に、好ましい添加量の範囲は、0.2〜5.0重量%で
ある。
【0027】これらの実験結果からわかるように、この
発明の電解液を用いた電解液は、いずれも、耐電圧が向
上していることが認められる。しかも、添加剤の添加に
よる電導度の低下は余り顕著でなく、高い電導度を維持
しつつ、耐電圧が図れていることが認められた。
【0028】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、高
い電導度を維持しつつ、しかも高い耐電圧特性を有する
電解液が得られるので、従来定格電圧50V以下の領域
でしか得られなかった低損失で低いインピーダンス特性
を有する電解コンデンサを、定格電圧が50Vを越える
電圧領域でも実現することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇恵 誠 茨城県稲敷郡阿見町中央8丁目3番1号 三菱油化株式会社筑波総合研究所内 (72)発明者 佐藤 智洋 茨城県稲敷郡阿見町中央8丁目3番1号 三菱油化株式会社筑波総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フタル酸、マレイン酸又は安息香酸の4
    級アルキルアンモニウム塩を主溶質とし、γ−ブチロラ
    クトンを主溶媒とする電解液に、亜リン酸を添加したこ
    とを特徴とする電解コンデンサ用電解液。
  2. 【請求項2】 溶質がフタル酸の4級アルキルアンモニ
    ウム塩であり、亜リン酸の添加量が、1.0〜5.0重
    量%の範囲である請求項1記載の電解コンデンサ用電解
    液。
  3. 【請求項3】 溶質がマレイン酸もしくは安息香酸の4
    級アルキルアンモニウム塩であり、亜リン酸の添加量
    が、0.2〜5.0重量%の範囲である請求項1記載の
    電解コンデンサ用電解液。
JP35020291A 1991-12-09 1991-12-09 電解コンデンサ用電解液 Pending JPH05159978A (ja)

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