JPH051574A - エンジンのバルブタイミング制御装置 - Google Patents
エンジンのバルブタイミング制御装置Info
- Publication number
- JPH051574A JPH051574A JP15291591A JP15291591A JPH051574A JP H051574 A JPH051574 A JP H051574A JP 15291591 A JP15291591 A JP 15291591A JP 15291591 A JP15291591 A JP 15291591A JP H051574 A JPH051574 A JP H051574A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- valve timing
- valve
- engine
- intake
- timing control
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- Pending
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- Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
- Valve Device For Special Equipments (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 アルコール燃料の燃焼に伴うホルムアルデヒ
ドの排出抑制をバルブタイミングの変更によって行う。 【構成】 エンジンの吸気弁14および排気弁15の少なく
とも一方の開閉タイミングが変更可能なバルブタイミン
グ可変機構18,19 を備え、濃度検出手段31によって燃料
中のアルコール濃度を検出し、燃料中のアルコール濃度
の増大に応じてバルブタイミング可変機構に燃焼温度を
高めるように、例えばオーバーラップ期間を長くするべ
くバルブタイミングを変更するバルブタイミング制御手
段20を設けてなる。
ドの排出抑制をバルブタイミングの変更によって行う。 【構成】 エンジンの吸気弁14および排気弁15の少なく
とも一方の開閉タイミングが変更可能なバルブタイミン
グ可変機構18,19 を備え、濃度検出手段31によって燃料
中のアルコール濃度を検出し、燃料中のアルコール濃度
の増大に応じてバルブタイミング可変機構に燃焼温度を
高めるように、例えばオーバーラップ期間を長くするべ
くバルブタイミングを変更するバルブタイミング制御手
段20を設けてなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルコール含有燃料が
使用可能なエンジンのバルブタイミング制御装置に関す
るものである。
使用可能なエンジンのバルブタイミング制御装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、アルコール含有燃料が使用さ
れたエンジンの燃焼においては、ホルムアルデヒドの有
害成分が排出されることから、このホルムアルデヒドの
排出を低減するために空燃比をリーン調整するようにし
た技術が、例えば、特開平1−267309号公報に見られる
ように公知である。
れたエンジンの燃焼においては、ホルムアルデヒドの有
害成分が排出されることから、このホルムアルデヒドの
排出を低減するために空燃比をリーン調整するようにし
た技術が、例えば、特開平1−267309号公報に見られる
ように公知である。
【0003】また、エンジンのバルブタイミングを可変
に設け、各種の要求に対応して吸気弁もしくは排気弁の
開閉タイミングを変更するようにしたバルブタイミング
可変機構を設置したエンジンも知られている。
に設け、各種の要求に対応して吸気弁もしくは排気弁の
開閉タイミングを変更するようにしたバルブタイミング
可変機構を設置したエンジンも知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかして、前記のよう
なアルコール燃料の使用に対応するホルムアルデヒドの
排出対策として空燃比制御によるものでは、空燃比をリ
ーン化してもホルムアルデヒドの排出が十分に低減でき
ない問題を有する。
なアルコール燃料の使用に対応するホルムアルデヒドの
排出対策として空燃比制御によるものでは、空燃比をリ
ーン化してもホルムアルデヒドの排出が十分に低減でき
ない問題を有する。
【0005】特に、冷間時にはエンジンの燃焼性が低下
してホルムアルデヒドの排出が増大する傾向にあるが、
この冷間時に空燃比をリーン化するとさらに燃焼が不安
定となり、ホルムアルデヒドの排出を有効に低減できる
ほどの空燃比のリーン化が実行できず、ホルムアルデヒ
ドの排出増大に十分に対処できないものである。
してホルムアルデヒドの排出が増大する傾向にあるが、
この冷間時に空燃比をリーン化するとさらに燃焼が不安
定となり、ホルムアルデヒドの排出を有効に低減できる
ほどの空燃比のリーン化が実行できず、ホルムアルデヒ
ドの排出増大に十分に対処できないものである。
【0006】そこで、本発明は上記事情に鑑み、ホルム
アルデヒドの排出低減をバルブタイミング可変機構によ
って行うようにしたエンジンのバルブタイミング制御装
置を提供することを目的とするものである。
アルデヒドの排出低減をバルブタイミング可変機構によ
って行うようにしたエンジンのバルブタイミング制御装
置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明のエンジンのバルブタイミング制御装置は、エン
ジンの吸気弁および排気弁の少なくとも一方の開閉タイ
ミングが変更可能なバルブタイミング可変機構を備え、
濃度検出手段によって燃料中のアルコール濃度を検出
し、燃料中のアルコール濃度の増大に応じてバルブタイ
ミング可変機構に燃焼温度を高めるようにバルブタイミ
ングを変更する信号を出力するバルブタイミング制御手
段を設けて構成したものである。
本発明のエンジンのバルブタイミング制御装置は、エン
ジンの吸気弁および排気弁の少なくとも一方の開閉タイ
ミングが変更可能なバルブタイミング可変機構を備え、
濃度検出手段によって燃料中のアルコール濃度を検出
し、燃料中のアルコール濃度の増大に応じてバルブタイ
ミング可変機構に燃焼温度を高めるようにバルブタイミ
ングを変更する信号を出力するバルブタイミング制御手
段を設けて構成したものである。
【0008】上記バルブタイミング制御手段は、例え
ば、アルコール濃度が高いほど、排気弁の閉時期を遅ら
せることで、または、吸気弁の開時期を早めることで、
吸排気弁のオーバーラップ期間が長くなるバルブタイミ
ングに変更するものである。このオーバーラップ期間は
冷間時にのみ長くするようにしてもよい。
ば、アルコール濃度が高いほど、排気弁の閉時期を遅ら
せることで、または、吸気弁の開時期を早めることで、
吸排気弁のオーバーラップ期間が長くなるバルブタイミ
ングに変更するものである。このオーバーラップ期間は
冷間時にのみ長くするようにしてもよい。
【0009】
【作用および効果】上記のようなエンジンのバルブタイ
ミング制御装置では、アルコール濃度が高くなった場合
には、例えばオーバーラップ期間が長くなるように、ま
たは、圧縮比が高くなるようにバルブタイミングを変更
することで燃焼温度を高めることにより、アルコールの
燃焼に伴って発生するホルムアルデヒドを十分に反応さ
せてその排出を低減することができる。
ミング制御装置では、アルコール濃度が高くなった場合
には、例えばオーバーラップ期間が長くなるように、ま
たは、圧縮比が高くなるようにバルブタイミングを変更
することで燃焼温度を高めることにより、アルコールの
燃焼に伴って発生するホルムアルデヒドを十分に反応さ
せてその排出を低減することができる。
【0010】
【実施例】以下、図面に沿って本発明の実施例を説明す
る。図1は一実施例のエンジンのバルブタイミング制御
装置の全体構成を示している。
る。図1は一実施例のエンジンのバルブタイミング制御
装置の全体構成を示している。
【0011】エンジン本体10に形成されたシリンダ11内
には図示しないピストンが摺動しており、シリンダ11に
開口する図示しない吸気ポートおよび排気ポートが、そ
れぞれ吸気弁14および排気弁15によって開閉される。該
吸気弁14および排気弁15の開閉駆動はカム機構16,17 に
よって行われる。
には図示しないピストンが摺動しており、シリンダ11に
開口する図示しない吸気ポートおよび排気ポートが、そ
れぞれ吸気弁14および排気弁15によって開閉される。該
吸気弁14および排気弁15の開閉駆動はカム機構16,17 に
よって行われる。
【0012】前記カム機構16,17 のカム部16a,17a は、
2種類の異なった位相を持つカムを備え、このカムを切
り換えることによって吸気弁14および排気弁15のバルブ
タイミングが変更可能なバルブタイミング可変機構18,1
9 が構成され、バルブタイミング制御手段20としてのコ
ントローラからの制御信号にしたがってカム部16a,17a
のカムを選択的に切り換えて、吸気弁14および排気弁15
のバルブタイミングが変更可能に構成されている。
2種類の異なった位相を持つカムを備え、このカムを切
り換えることによって吸気弁14および排気弁15のバルブ
タイミングが変更可能なバルブタイミング可変機構18,1
9 が構成され、バルブタイミング制御手段20としてのコ
ントローラからの制御信号にしたがってカム部16a,17a
のカムを選択的に切り換えて、吸気弁14および排気弁15
のバルブタイミングが変更可能に構成されている。
【0013】シリンダ11に吸気を供給する吸気通路22の
上流側には、吸入空気量を検出するエアフローメータ23
が設けられ、その下流側にはスロットル弁24が配設さ
れ、下流端には各気筒に対して燃料を噴射供給するイン
ジェクタ25が配設されている。また、シリンダ11からの
排気ガスを排出する排気通路26には触媒27が介装されて
いる。
上流側には、吸入空気量を検出するエアフローメータ23
が設けられ、その下流側にはスロットル弁24が配設さ
れ、下流端には各気筒に対して燃料を噴射供給するイン
ジェクタ25が配設されている。また、シリンダ11からの
排気ガスを排出する排気通路26には触媒27が介装されて
いる。
【0014】前記コントローラ20は、前記バルブタイミ
ング可変機構18,19 の作動によるバルブタイミングを制
御すると共に、インジェンタ25による燃料噴射すなわち
空燃比の制御を行うものであり、このコントローラ20に
は運転状態を検出するために、前記エアフローメータ23
からの吸気量信号、吸気圧力を検出するブーストセンサ
28からのエンジン負荷信号、エンジン回転数を検出する
回転センサ29からの回転数信号、エンジン水温を検出す
る水温センサ30からのエンジン温度信号に加えて、燃料
のアルコール濃度を検出するアルコールセンサ31(濃度
検出手段)からのアルコール濃度信号がそれぞれ入力さ
れる。
ング可変機構18,19 の作動によるバルブタイミングを制
御すると共に、インジェンタ25による燃料噴射すなわち
空燃比の制御を行うものであり、このコントローラ20に
は運転状態を検出するために、前記エアフローメータ23
からの吸気量信号、吸気圧力を検出するブーストセンサ
28からのエンジン負荷信号、エンジン回転数を検出する
回転センサ29からの回転数信号、エンジン水温を検出す
る水温センサ30からのエンジン温度信号に加えて、燃料
のアルコール濃度を検出するアルコールセンサ31(濃度
検出手段)からのアルコール濃度信号がそれぞれ入力さ
れる。
【0015】上記エンジンにはアルコール濃度が0%
(ガソリンが 100%)から 100%の燃料が用いられるも
のであり、このアルコール濃度を前記アルコールセンサ
31によって検出する。このアルコールセンサ31は、前記
インジェクタ25に燃料タンク(図示せず)から燃料を供
給する燃料パイプの途中に介装され、例えば光学式のも
のが使用される。
(ガソリンが 100%)から 100%の燃料が用いられるも
のであり、このアルコール濃度を前記アルコールセンサ
31によって検出する。このアルコールセンサ31は、前記
インジェクタ25に燃料タンク(図示せず)から燃料を供
給する燃料パイプの途中に介装され、例えば光学式のも
のが使用される。
【0016】ここで、前記コントローラ20によるバルブ
タイミング可変機構18,19 に対する制御信号の出力によ
るバルブタイミングの変更制御例を説明すれば、まず、
図2に排気弁15のバルブタイミングを変更するバルブタ
イミング可変機構19のオフ時(実線)およびオン時(破
線)における吸気開弁特性INと排気開弁特性EXを示
すものである。すなわち、オフ時には排気弁15は進角し
て早い時期に開いて、吸気弁14が開いてから短いオーバ
ーラップ期間L1の後に閉じる一方、オン時には排気弁
15は遅角して遅い時期に開いて、吸気弁14が開いてから
長いオーバーラップ期間L2の後に閉じるようにバルブ
タイミングを変更する。
タイミング可変機構18,19 に対する制御信号の出力によ
るバルブタイミングの変更制御例を説明すれば、まず、
図2に排気弁15のバルブタイミングを変更するバルブタ
イミング可変機構19のオフ時(実線)およびオン時(破
線)における吸気開弁特性INと排気開弁特性EXを示
すものである。すなわち、オフ時には排気弁15は進角し
て早い時期に開いて、吸気弁14が開いてから短いオーバ
ーラップ期間L1の後に閉じる一方、オン時には排気弁
15は遅角して遅い時期に開いて、吸気弁14が開いてから
長いオーバーラップ期間L2の後に閉じるようにバルブ
タイミングを変更する。
【0017】そして、図3に温間状態での上記バルブタ
イミング可変機構19のオン・オフ制御領域を示してい
る。すなわち、低回転高負荷領域Bではオフ状態とされ
てオーバーラップ期間を短くし、その他の低負荷高回転
領域Aではオン状態に作動して排気弁15の開閉タイミン
グを遅角してオーバーラップ期間を長くするものであ
る。このような基本的な作動に加えて、エンジン温度が
低い冷間時でかつアルコール濃度が高い(50%以上)場
合には、低回転高負荷領域Bでもオン状態に作動するよ
うに制御するものである。
イミング可変機構19のオン・オフ制御領域を示してい
る。すなわち、低回転高負荷領域Bではオフ状態とされ
てオーバーラップ期間を短くし、その他の低負荷高回転
領域Aではオン状態に作動して排気弁15の開閉タイミン
グを遅角してオーバーラップ期間を長くするものであ
る。このような基本的な作動に加えて、エンジン温度が
低い冷間時でかつアルコール濃度が高い(50%以上)場
合には、低回転高負荷領域Bでもオン状態に作動するよ
うに制御するものである。
【0018】上記のようなコントローラの制御を図4の
フローチャートに基づいて説明すれば、制御スタート
後、ステップS1で各種センサからの検出信号を読み込
み、この信号に基き、ステップS2で前記図3のマップ
に照合して現在の運転領域がバルブタイミング可変機構
19のオン領域か否かを判定する。
フローチャートに基づいて説明すれば、制御スタート
後、ステップS1で各種センサからの検出信号を読み込
み、この信号に基き、ステップS2で前記図3のマップ
に照合して現在の運転領域がバルブタイミング可変機構
19のオン領域か否かを判定する。
【0019】上記ステップS2の判定がYESでオン領
域すなわち低負荷高回転領域Aにある場合には、ステッ
プS5に進んでバルブタイミング可変機構19にオン信号
を出力して排気弁15のタイミングを遅らせてオーバーラ
ップ期間を長くする。
域すなわち低負荷高回転領域Aにある場合には、ステッ
プS5に進んでバルブタイミング可変機構19にオン信号
を出力して排気弁15のタイミングを遅らせてオーバーラ
ップ期間を長くする。
【0020】一方、前記ステップS2の判定がNOでオ
フ領域すなわち低回転高負荷領域にある場合には、ステ
ップS3に進んでエンジン水温が50℃以下の冷間状態に
あるか否かを判定する。そして、この判定がNOで温間
状態にある場合には、ステップS6でバルブタイミング
可変機構19にオフ信号を出力して、排気弁15のタイミン
グを早くしてオーバーラップ期間を短くする通常制御を
行う。
フ領域すなわち低回転高負荷領域にある場合には、ステ
ップS3に進んでエンジン水温が50℃以下の冷間状態に
あるか否かを判定する。そして、この判定がNOで温間
状態にある場合には、ステップS6でバルブタイミング
可変機構19にオフ信号を出力して、排気弁15のタイミン
グを早くしてオーバーラップ期間を短くする通常制御を
行う。
【0021】また、上記ステップS3の判定がYESの
冷間時には、ステップS4に進んでアルコール濃度が50
%(M50)以上か否かを判定し、この判定がNOでアル
コール濃度が低い場合には、上記ステップS6でバルブ
タイミング可変機構19にオフ信号を出力して、オーバー
ラップ期間を短くする通常制御を行う。
冷間時には、ステップS4に進んでアルコール濃度が50
%(M50)以上か否かを判定し、この判定がNOでアル
コール濃度が低い場合には、上記ステップS6でバルブ
タイミング可変機構19にオフ信号を出力して、オーバー
ラップ期間を短くする通常制御を行う。
【0022】これに対して、上記ステップS4の判定が
YESで、冷間時でかつアルコール濃度が高い場合に
は、前記ステップS5に進んでバルブタイミング可変機
構19にオン信号を出力して排気弁15のタイミングを遅ら
せてオーバーラップ期間を長くする。
YESで、冷間時でかつアルコール濃度が高い場合に
は、前記ステップS5に進んでバルブタイミング可変機
構19にオン信号を出力して排気弁15のタイミングを遅ら
せてオーバーラップ期間を長くする。
【0023】上記のような処理により、冷間時でアルコ
ール濃度が高い場合には、アルコールの燃焼に伴って発
生するホルムアルデヒド(HCOH)の増大に対して、
排気弁15の閉時期を遅らせてオーバーラップ期間を長く
することにより燃焼温度を上昇し、シリンダ内の排気ガ
スを長時間高温に保つことにより燃焼反応させて、この
ホルムアルデヒドの排出を低減する。また、HC、NO
xの成分も燃焼温度の上昇によって同様に排出を低減す
るものである。
ール濃度が高い場合には、アルコールの燃焼に伴って発
生するホルムアルデヒド(HCOH)の増大に対して、
排気弁15の閉時期を遅らせてオーバーラップ期間を長く
することにより燃焼温度を上昇し、シリンダ内の排気ガ
スを長時間高温に保つことにより燃焼反応させて、この
ホルムアルデヒドの排出を低減する。また、HC、NO
xの成分も燃焼温度の上昇によって同様に排出を低減す
るものである。
【0024】さらに、上記のようにオーバーラップ期間
の拡大により、吸気行程のシリンダ内に持ち込まれる排
気ガス量(EGRガス量)が増大し、吸気温度が上昇す
ることに伴って燃料の気化、霧化が促進されて燃焼性が
改善され、NOxの排出抑制も期待できる。また、上記
EGRガスの持ち込みにより空燃比がリーンとなるが、
アルコール濃度の高い運転状態では、リーン性能がガソ
リンより良好なため、運転性能の低下は少ない。特に、
冷間時には暖機補正によってエンジン回転数は上昇して
おり、上記EGRガス量の増量による運転性の低下は実
質的には問題とならない。
の拡大により、吸気行程のシリンダ内に持ち込まれる排
気ガス量(EGRガス量)が増大し、吸気温度が上昇す
ることに伴って燃料の気化、霧化が促進されて燃焼性が
改善され、NOxの排出抑制も期待できる。また、上記
EGRガスの持ち込みにより空燃比がリーンとなるが、
アルコール濃度の高い運転状態では、リーン性能がガソ
リンより良好なため、運転性能の低下は少ない。特に、
冷間時には暖機補正によってエンジン回転数は上昇して
おり、上記EGRガス量の増量による運転性の低下は実
質的には問題とならない。
【0025】なお、上記バルブタイミング制御で通常温
間時に低回転高負荷領域Bでバルブタイミング可変機構
19をオフ状態として排気弁15のタイミングを進角してオ
ーバーラップ期間を短くするのは、このような要求出力
の高い低回転状態でオーバーラップ期間が長いと前記E
GRガス量が増大し過ぎて出力が低下するのを改善する
ためである。
間時に低回転高負荷領域Bでバルブタイミング可変機構
19をオフ状態として排気弁15のタイミングを進角してオ
ーバーラップ期間を短くするのは、このような要求出力
の高い低回転状態でオーバーラップ期間が長いと前記E
GRガス量が増大し過ぎて出力が低下するのを改善する
ためである。
【0026】次に、図5はバルブタイミング可変機構18
が吸気弁14のバルブタイミングを変更する場合の、オフ
時(実線)およびオン時(破線)における吸気開弁特性
INと排気開弁特性EXを示すものである。すなわち、
オフ時には吸気弁14は遅角して排気弁15が閉じる直前の
遅い時期に開いてオーバーラップ期間L1は短く、吸気
弁14は遅く閉じる一方、オン時には吸気弁14は進角して
排気弁15が閉じる相当前に開いてオーバーラップ期間L
2は長く、吸気弁14は早い時期に閉じるようにバルブタ
イミングを変更する。
が吸気弁14のバルブタイミングを変更する場合の、オフ
時(実線)およびオン時(破線)における吸気開弁特性
INと排気開弁特性EXを示すものである。すなわち、
オフ時には吸気弁14は遅角して排気弁15が閉じる直前の
遅い時期に開いてオーバーラップ期間L1は短く、吸気
弁14は遅く閉じる一方、オン時には吸気弁14は進角して
排気弁15が閉じる相当前に開いてオーバーラップ期間L
2は長く、吸気弁14は早い時期に閉じるようにバルブタ
イミングを変更する。
【0027】そして、前記図3および図4のような制御
特性に基づいて上記バルブタイミング可変機構18の制御
を行い、温間時などの通常制御では低回転高負荷領域B
でオフ作動し、その他の低負荷高回転領域Aでオン作動
するのに対し、冷間時でしかもアルコール濃度が高い場
合には、上記低回転高負荷領域Bでもオン作動するよう
に制御するものである。
特性に基づいて上記バルブタイミング可変機構18の制御
を行い、温間時などの通常制御では低回転高負荷領域B
でオフ作動し、その他の低負荷高回転領域Aでオン作動
するのに対し、冷間時でしかもアルコール濃度が高い場
合には、上記低回転高負荷領域Bでもオン作動するよう
に制御するものである。
【0028】上記のような吸気弁14のバルブタイミング
の変更処理により、冷間時でアルコール濃度が高い場合
には、吸気弁14の開時期を進角させてオーバーラップ期
間を長くすることにより燃焼温度を上昇させ、ホルムア
ルデヒド等の排出低減を行うものである。すなわち、排
気行程後期の排気ガスを吸気ポート内に導き、燃料の気
化、霧化を促進して燃焼性を改善し、燃焼温度の上昇を
得るものである。また、吸気弁14が早期に閉じることに
よって、圧縮開始時期が早くて実質的な圧縮比が高くな
り、さらに燃焼温度が上昇してホルムアルデヒドの排出
抑制が行えるものである。
の変更処理により、冷間時でアルコール濃度が高い場合
には、吸気弁14の開時期を進角させてオーバーラップ期
間を長くすることにより燃焼温度を上昇させ、ホルムア
ルデヒド等の排出低減を行うものである。すなわち、排
気行程後期の排気ガスを吸気ポート内に導き、燃料の気
化、霧化を促進して燃焼性を改善し、燃焼温度の上昇を
得るものである。また、吸気弁14が早期に閉じることに
よって、圧縮開始時期が早くて実質的な圧縮比が高くな
り、さらに燃焼温度が上昇してホルムアルデヒドの排出
抑制が行えるものである。
【0029】なお、上記バルブタイミング制御で通常温
間時に低回転高負荷領域Bでバルブタイミング可変機構
18をオフ状態として吸気弁14のタイミングを遅角してオ
ーバーラップ期間を短くするのは、吸気弁14を遅く閉じ
ることで吸気充填量を増大して出力を高めるためであ
る。
間時に低回転高負荷領域Bでバルブタイミング可変機構
18をオフ状態として吸気弁14のタイミングを遅角してオ
ーバーラップ期間を短くするのは、吸気弁14を遅く閉じ
ることで吸気充填量を増大して出力を高めるためであ
る。
【0030】次に、図6はバルブタイミング可変機構1
8,19 のオン、オフ領域をアルコール濃度の大きさに応
じて変更するようにした例の制御マップ図である。すな
わち、アルコール濃度が100 %の純アルコール燃料(M
0)の場合には、全領域がオフ領域に設定され、アルコ
ール濃度が増大すると高回転低負荷側からオン領域が広
がるように制御領域が設定されている。これにより、ア
ルコール濃度により細かく対応してバルブタイミングす
なわちオーバーラップ期間を変更制御し、運転性能を確
保しつつホルムアルデヒドの排出抑制を行うようにして
いる。
8,19 のオン、オフ領域をアルコール濃度の大きさに応
じて変更するようにした例の制御マップ図である。すな
わち、アルコール濃度が100 %の純アルコール燃料(M
0)の場合には、全領域がオフ領域に設定され、アルコ
ール濃度が増大すると高回転低負荷側からオン領域が広
がるように制御領域が設定されている。これにより、ア
ルコール濃度により細かく対応してバルブタイミングす
なわちオーバーラップ期間を変更制御し、運転性能を確
保しつつホルムアルデヒドの排出抑制を行うようにして
いる。
【0031】なお、前記実施例ではアルコール濃度に応
じて排気弁または吸気弁の一方のみのバルブタイミング
を変更するようにしているが、両方のタイミングを同時
に変更するようにしてもよい。
じて排気弁または吸気弁の一方のみのバルブタイミング
を変更するようにしているが、両方のタイミングを同時
に変更するようにしてもよい。
【図1】本発明の一実施例におけるエンジンのバルブタ
イミング制御装置を示す全体構成図
イミング制御装置を示す全体構成図
【図2】排気弁のバルブタイミング変更例を示す特性図
【図3】バルブタイミングの切換制御領域を示すマップ
図
図
【図4】コントローラの処理を説明するためのフローチ
ャート図
ャート図
【図5】吸気弁のバルブタイミング変更例を示す特性図
【図6】アルコール濃度変化に対応して制御領域を変更
する例のマップ図
する例のマップ図
10 エンジン本体
14 吸気弁
15 排気弁
18,19 バルブタイミング可変機構
20 コントローラ(バルブタイミング制御手段)
30 水温センサ
31 アルコールセンサ(濃度検出手段)
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所
F02D 43/00 G 8109−3G
45/00 301 M 8109−3G
Claims (5)
- 【請求項1】 エンジンの吸気弁および排気弁の少なく
とも一方の開閉タイミングが変更可能なバルブタイミン
グ可変機構を備えたエンジンのバルブタイミング制御装
置において、燃料中のアルコール濃度を検出する濃度検
出手段と、該濃度検出手段の信号を受け、燃料中のアル
コール濃度の増大に応じて燃焼温度を高めるようにバル
ブタイミングを変更する信号を前記バルブタイミング可
変機構に出力するバルブタイミング制御手段とを備えた
ことを特徴とするエンジンのバルブタイミング制御装
置。 - 【請求項2】 前記バルブタイミング制御手段は、アル
コール濃度が高いほど吸排気弁のオーバーラップ期間が
長くなるバルブタイミングに変更することを特徴とする
請求項1記載のエンジンのバルブタイミング制御装置。 - 【請求項3】 前記バルブタイミング制御手段は、冷間
時にのみ吸排気弁のオーバーラップ期間を長くすること
を特徴とする請求項2記載のエンジンのバルブタイミン
グ制御装置。 - 【請求項4】 前記バルブタイミング制御手段は、排気
弁の閉時期を遅らせることで吸排気弁のオーバーラップ
期間を長くすることを特徴とする請求項2記載のエンジ
ンのバルブタイミング制御装置。 - 【請求項5】 前記バルブタイミング制御手段は、吸気
弁の開時期を早めることで吸排気弁のオーバーラップ期
間を長くすることを特徴とする請求項2記載のエンジン
のバルブタイミング制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15291591A JPH051574A (ja) | 1991-06-25 | 1991-06-25 | エンジンのバルブタイミング制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15291591A JPH051574A (ja) | 1991-06-25 | 1991-06-25 | エンジンのバルブタイミング制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH051574A true JPH051574A (ja) | 1993-01-08 |
Family
ID=15550930
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15291591A Pending JPH051574A (ja) | 1991-06-25 | 1991-06-25 | エンジンのバルブタイミング制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH051574A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2010052775A1 (ja) | 2008-11-06 | 2010-05-14 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
WO2012049751A1 (ja) | 2010-10-14 | 2012-04-19 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の排気浄化装置 |
JP2012127219A (ja) * | 2010-12-14 | 2012-07-05 | Hitachi Automotive Systems Ltd | 内燃機関の可変動弁装置及び該可変動弁装置の制御装置 |
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1991
- 1991-06-25 JP JP15291591A patent/JPH051574A/ja active Pending
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