JPH05156556A - 床材用不織布 - Google Patents

床材用不織布

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JPH05156556A
JPH05156556A JP34213291A JP34213291A JPH05156556A JP H05156556 A JPH05156556 A JP H05156556A JP 34213291 A JP34213291 A JP 34213291A JP 34213291 A JP34213291 A JP 34213291A JP H05156556 A JPH05156556 A JP H05156556A
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Mitsutoshi Takagaki
光利 高垣
Teruo Uchida
輝男 内田
Sanae Kawada
早苗 川田
Takashi Hirao
孝 平尾
Yutaka Saisho
裕 斎所
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 床材用不織布に対し、従来品と同様な遮音・
防音性、防水性、耐湿性を保持しながら、床の下地との
接着に際に使用する接着剤に含まれる溶剤の乾燥性を向
上させ、十分に接着できるようにする。また、そのよう
な床材用不織布をを低コストで製造できるようにする。 【構成】 第1の不織布層1、ポリオレフィン樹脂又は
エチレン−酢酸ビニルコポリマーからなるホットメルト
樹脂層2及び第2の不織布層3を、Tダイからホットメ
ルト樹脂を第1の不織布層と第2の不織布層との間に押
出すことにより積層する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、床材用不織布に関す
る。さらに詳しくは、この発明は、防水性、耐湿気性、
耐透湿性に優れた床材用緩衝材としての床材用不織布に
関する。
【0002】
【従来の技術】一戸建住宅やマンションなどの集合住宅
の床材としては、樹脂タイル、畳、カーペット、木質系
床材等が使われているが、中でも木質系床材は、ダニの
発生の心配がなく、掃除がし易く、清潔であるため、近
年、新築時のみなずリフォーム時にもその需要が増加し
ている。
【0003】ところで、床材の施工に際しては、騒音が
階下へ伝わらないようにする配慮が必要となる。このよ
うな床の騒音としては、子供が飛び跳ねたり走り回った
りする際に生じる重衝撃音と、椅子の引き摺りやスプー
ンの落下により生じる軽衝撃音とがある。重衝撃音の伝
わる程度は、主として建物の基本的構造に依存するが、
軽衝撃音の伝わる程度は床材の材質や構造にも大きく依
存する。従って、従来より、床材に緩衝材を使用するこ
となどで軽衝撃音の伝搬を防止することが種々試みられ
ている。
【0004】例えば、木質系床材の直貼り床(厚みが薄
く、直接コンクリートスラブ等に貼る床、総床厚10〜
30mm)は住居用の床材として広く利用されている
が、このような直貼り床に使用されている緩衝材として
は、数デニール程度の太さのシース/コアタイプのポリ
エステル系熱融着繊維を約15〜30重量%含有したカ
ードウエブを10〜20層程度積層した後にニードルパ
ンチを行い、更に熱融着繊維どうしを融着させるために
熱風で乾熱処理することにより製造した床材用不織布が
使用されている。
【0005】また、最近ではコンクリートからの湿気を
遮断するために、このような床材用不織布に更にホット
メルトフィルムを貼り合わすことにより耐湿性を向上さ
せた耐湿性床材用不織布が使用されている。図3は、こ
のような従来の耐湿性床材用不織布30の断面図を示し
ており、不織布ベース31にホットメルトフィルム層3
2が積層されている。このような耐湿性床材用不織布3
0をコンクリートスラブに接着する場合には、通常、ホ
ットメルトフィルム層32の面をコンクリートスラブ側
にし、エポキシ系接着剤を用いて接着する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな耐湿性床材用不織布30に使用されるホットメルト
フィルム層32としては、コンクリートとの接着に使用
するエポキシ系接着剤との接着性を良好なものとするた
めに、エポキシ系接着剤で接着できない廉価なポリオレ
フィン樹脂などは使用できず、エポキシ系接着剤で十分
に接着できる高価なアクリル−EVA系樹脂からなるホ
ットメルトフィルムを使用せざるを得ず、耐湿性床材用
不織布の製造コストが上昇してしまうという問題があ
る。
【0007】また、ホットメルトフィルム層32にピン
ホールが存在すると、そこからエポキシ系接着剤が不織
布に浸透して防音性能を低下させてしまうので、ホット
メルトフィルム層32をピンホールフリーとするため
に、その厚みを厚く、例えば50〜75μmにする必要
があり、更に耐湿性床材用不織布の製造コストが上昇し
てしまうという問題がある。
【0008】また、従来の耐湿性床材用不織布30をコ
ンクリートスラブにエポキシ系接着剤で接着した場合、
接着剤に含まれる溶剤がホットメルトフィルム層32の
存在のために乾燥しにくくなり、その結果、床材用不織
布30とコンクリートスラブとの接着性が改善できない
という問題もある。
【0009】この発明は以上のような従来技術の問題点
を解決しようとするものであり、従来の床材用不織布と
同様に軽衝撃音に対する遮音・防音性に優れ、更に防水
性、耐湿性にも優れ、接着剤に含まれる溶剤の乾燥性に
も優れた床材用不織布及びそれを低コストで製造する方
法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明者は、ホットメ
ルト樹脂として廉価なポリオレフィン樹脂等を用い、し
かも、従来、露出していたホットメルト樹脂層面を更に
不織布で覆うことにより上述の目的が達成できることを
見出し、この発明を完成させた。
【0011】即ち、この発明は、第1の不織布層、ポリ
オレフィン樹脂又はエチレン−酢酸ビニルコポリマーか
らなるホットメルト樹脂層及び第2の不織布層が順次積
層された床材用不織布を提供する。
【0012】また、この発明は、第1の不織布層、ポリ
オレフィン樹脂又はエチレン−酢酸ビニルコポリマーか
らなるホットメルト樹脂層及び第2の不織布層が順次積
層された床材用不織布の製造方法において、第1の不織
布層と第2の不織布層との間にTダイからホットメルト
樹脂を押出すことにより該ホットメルト樹脂層を形成す
ることを特徴とする床材用不織布の製造方法を提供す
る。
【0013】以下、この発明を図面を参照しながら詳細
に説明する。
【0014】図1は、この発明の床材用不織布の断面図
を示しており、床材用不織布10は、第1の不織布層
1、ホットメルト樹脂層2及び第2の不織布層3が順次
積層された構造となっている。
【0015】第1の不織布層1は、この発明の床材用不
織布10の防音・遮音性を担う部分であり、防音・遮音
の目的に用いられている従来の不織布を使用することが
でき、例えば、サーモボンド不織布、ニードルパンチ不
織布などを使用することができる。また、使用する繊維
の種類、配合割合、目付量、厚さ、加工条件等を変える
ことによりJIS A1418に基づく軽衝撃音に対す
る遮音性を、例えばL値45、L値50或いはL値55
と変化させることができる。
【0016】なお、不織布層1の目付量は、使用目的、
使用する繊維の種類、繊維の太さ等により異なるが、木
質系の直貼り床に使用する場合には、不織布としての厚
みが数mm〜15mmが一般的であることから、100
〜1000g/mであることが好ましい。
【0017】ホットメルト樹脂層2は、床の下地例えば
コンクリートスラブからの湿気を遮断するためのもので
あり、製造コストを低減化するためにポリエチレン、ポ
リプロピレン等のポリオレフィン樹脂又はエチレン−酢
酸ビニルコポリマーから形成する。その層厚は必要に応
じて適宜設定できるが、一般には50〜150μmの厚
みとすることが好ましい。また、ホットメルト樹脂層2
は、この発明の床材用不織布の切削性を改善し、また、
床の下地との接着のために使用される接着剤が第1の不
織布層1に染み込まないようにする。これによりこの発
明の床材用不織布の防音性能の低下を押さえることがで
きる。
【0018】第2の不織布層3は、床の下地例えばコン
クリートスラブと床材用不織布とを例えばエポシキ系接
着剤を用いて接着する場合に、両者の接着性を向上させ
るために設けられる。このような第2の不織布層3とし
ては、目付量20〜100g/mのポリエチレン、ポ
リプロピレン等のポリオレフィンやナイロン等のポリア
ミドなどからなるスパンレース又はスパンボンド布が好
ましい。これらのスパンレース又はスパンボンド布を使
用することにより、それらの表面凹凸に接着剤が入り込
み、その結果接着剤の耐剥離強度が向上する。しかも、
接着剤中に含まれるトルエンやキシレン等の溶剤が不織
布層3の面方向に拡散し易くなり、接着剤の乾燥固化を
促進することができる。
【0019】この発明の床材用不織布は、第1の不織布
層1となる不織布と、ホットメルト樹脂層2となるホッ
トメルト樹脂フィルムと、第2の不織布層3となる不織
布とを重ね合わせてヒートプレスすることによっても製
造できるが、図2に示すように、Tダイ24からホット
メルト樹脂22を第1の不織布21と第2の不織布22
との間に押出し、冷却ロール25を通過させることによ
り製造することもできる。後者の場合には高価な樹脂フ
ィルムを使用しないので、低コストで床材用不織布を製
造できる。
【0020】
【作用】この発明の床材用不織布は、ホットメルト樹脂
層と床の下地との間に、スパンレースやスパンボンド布
等の不織布層を更に設けているので、床の下地との接着
性を向上させ、しかも、接着剤に含まれる溶剤の拡散が
容易となり、接着剤の乾燥を早めることが可能となる。
【0021】また、この発明の床材用不織布の製造方法
は、ホットメルト樹脂層を、高価なホットメルト樹脂フ
ィルムを使用することなく、Tダイからホットメルト樹
脂を押出すことにより形成するので、低いコストで床材
用不織布を製造することが可能となる。
【0022】
【実施例】以下、この発明を実施例に基づいて具体的に
説明するが、この発明はこれに限定されるものではな
い。
【0023】実施例1 50重量%のポリオレフィン系融着繊維と50重量%の
ポリエステル繊維との配合からなる目付量300g/m
のニードルパンチ不織布に熱風を貫通させることによ
りサーモボンディングを行った。
【0024】この不織布と40g/m目付のスパンレ
ースとの間にTダイラミネート機により70μmの厚み
となるようにポリエチレンを押し出しながら貼り合わせ
ることにより床材用不織布を得た。
【0025】この床材用不織布の防水・耐透湿性は0.
1cc/cm/sec(フラジル型通気度)という非
常に優れた値を示した。
【0026】次に、この実施例の床材用不織布を緩衝材
として木質系の床材に貼り合せたものを、エポキシ系接
着剤を用いて下地としてのコンクリート面に接着したと
ころ、この床材用不織布の下地との接着状態は非常に良
好であった。また、Tダイポリエチレン層を強制的に剥
離したところ、エポキシ系接着剤が不織布層に滲み出し
ていなかった。
【0027】なお、この実施例の床材用不織布をJIS
A1418に従って軽衝撃音の遮音レベルを測定し
た。その結果、63Hz、125Hz及び500Hzの
オクターブ帯域中心周波数に対する遮音性はそれぞれ、
L値47、49及び45であり、L−50等級という遮
音性を示した。
【0028】比較例1 実施例1と同様に、50重量%のポリオレフィン系融着
繊維と50重量%のポリエステル繊維との配合からなる
目付量300g/mのニードルパンチ不織布に熱風を
貫通させることによりサーモボンディングを行った。
【0029】得られた不織布の片面にポリオレフィン系
ホットメルトフィルムを熱ロールでラミネートすること
により床材用不織布を製造した。
【0030】この床材用不織布の防水・耐透湿性は、熱
ロール処理時にピンホールが発生しているために26c
c/cm/sec(フラジル型通気度)であり、非常
に悪い値を示した。また、この床材用不織布を実施例1
と同じ木質系床材と貼り合わせたものをエポキシ系接着
剤でコンクリート面に接着したところ、接着剤がホット
メルトフィルムを浸透して不織布層にまで達していた。
【0031】なお、この比較例の床材用不織布について
実施例1と同様に遮音性を測定したところL値50であ
った。
【0032】
【発明の効果】この発明の床材用不織布は、良好な防水
性、耐湿気性、耐透湿性を有し、しかも接着剤に含まれ
る溶剤の乾燥性にも優れ、床の下地と十分に接着するこ
とができる。また、この発明の製造方法によれば、その
ような床材用不織布を低コストで製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の床材用不織布の断面図であ
る。
【図2】図2は、この発明の床材用不織布の製造方法の
説明図である。
【図3】図3は、従来の床材用不織布の断面図である。
【符号の説明】
1 第1の不織布層 2 ホットメルト樹脂層 3 第2の不織布層 10 床材用不織布
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D04H 1/54 Q 7199−3B D06M 17/04 (72)発明者 平尾 孝 大阪府大阪市中央区高麗橋2−6−10 ダ イニック株式会社大阪支社営業所内 (72)発明者 斎所 裕 東京都豊島区東池袋3−1−1 ダイニッ ク株式会社東京本社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の不織布層、ポリオレフィン樹脂又
    はエチレン−酢酸ビニルコポリマーからなるホットメル
    ト樹脂層及び第2の不織布層が順次積層された床材用不
    織布。
  2. 【請求項2】 第2の不織布層がポリオレフィン若しく
    はポリアミドのスパンレース布又はスパンボンド布であ
    る請求項1記載の床材用不織布。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の床材用不織布の製
    造方法において、第1の不織布層と第2の不織布層との
    間にTダイからホットメルト樹脂を押出すことにより該
    ホットメルト樹脂層を形成することを特徴とする床材用
    不織布の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100391055B1 (ko) * 2001-03-26 2003-07-12 연일화섬공업(주) 방수공사용 시트 제조방법 및 그 장치
KR20040017490A (ko) * 2002-08-21 2004-02-27 박성탁 자동차 내장재용 부직포매트의 제조방법
WO2006117868A1 (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Kabushiki Kaisha Meisei Shokai 繊維複合材とその製造方法
JP2012082949A (ja) * 2010-09-17 2012-04-26 Bridgestone Kbg Co Ltd 制振構造体
CN103538304A (zh) * 2013-10-30 2014-01-29 浙江凌龙纺织有限公司 蕾丝面料与无纺布的复合面料

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CN103538304A (zh) * 2013-10-30 2014-01-29 浙江凌龙纺织有限公司 蕾丝面料与无纺布的复合面料

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