JPH05154885A - 射出圧縮装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】構造を簡素化し、製造コストを低くする。 【構成】可動金型２４に対して相対的に移動可能にエジ
ェクタプレート４０が支持され、該エジェクタプレート
４０に上記エジェクタピン４１が取り付けられる。上記
エジェクタプレート４０に対向してアダプタ３３が配設
され、常時エジェクタプレート４０を押圧して、キャビ
ティ２５内に樹脂が充填されていない状態において上記
エジェクタピン４１をキャビティ２５内に設定量だけ移
動させる。そして、上記可動プラテン２２にブロック３
１が固定され、該ブロック３１内に圧縮空気によって上
記アダプタ３３にエジェクタプレート４０を押圧させる
ピストン３２が形成される。樹脂が充填されない状態に
おいては、上記エジェクタピン４１が設定量だけ突き出
しており、樹脂が充填されると上記エジェクタピン４１
が後退するが、上記圧縮空気の力によって常時樹脂を押
す。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、射出成形機の射出圧縮
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、サングラス、老眼鏡の一部には射
出成形法によるプラスチックレンズが使われていたが、
精度の高い光学部品としてのプラスチックレンズが必要
となり、射出圧縮成形法が提供されている。該射出圧縮
成形法は、射出が完了した後成形品が固化するまでの
間、樹脂を一様に圧縮し、比容積を低下させるとともに
分子配向の均一化を図るものであり、これによって成形
品の残留応力の歪みを低減するだけでなく、成形品の収
縮率を低減して寸法精度を向上させることができる。

【０００３】図２は従来の射出圧縮装置の断面図であ
る。図において、１は固定側取付板、２は固定側受板、
３はガイドピン、４は固定側型板、５は可動側型板、６
は可動側受板、７はスペーサブロック、８は可動側取付
板である。９，１０はエジェクタプレート、１１はエジ
ェクタピンである。該エジェクタピン１１は、取付部が
上記エジェクタプレート９，１０間に配設されて支持さ
れる。上記エジェクタプレート９は、金型が閉じられて
いる時に上記可動側取付板８に接触させられ、成形品を
突き出す時にはその突出し長さだけ移動する。

【０００４】また、１３は上記固定側型板４及び可動側
型板５の側方にあって接離し、溶融した樹脂を樹脂空間
１４内に射出するためのノズル、１６は射出時の樹脂圧
を形成するためのガイドピンである。上記構成の射出圧
縮装置において、上記固定側取付板１の上方に図示しな
い第１の油圧シリンダが、上記ガイドピン１６の上方に
図示しない第２の油圧シリンダが配設されていて、射出
時は該第２の油圧シリンダのみによって低圧状態を維持
する。射出が完了すると、上記第１の油圧シリンダの大
ラムと上記第２の油圧シリンダの両方によって圧力が加
えられるようになっている。

【０００５】そして、射出及び保圧が完了すると、上記
エジェクタプレート９，１０によってエジェクタピン１
１が移動させられ、上記樹脂空間１４内にある成形品が
突き出されるようになっている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の射出圧縮装置においては、射出が完了した時に第１
の油圧シリンダの大ラムと、第２の油圧シリンダの両方
によって圧力が加えられるようになっているため、油圧
シリンダ、油路、制御装置等が占めるスペースが大きく
製造コストが高くなってしまう。

【０００７】本発明は、上記従来の射出圧縮装置の問題
点を解決して、構造を簡素化し、製造コストを高くする
ことのない射出圧縮装置を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】そのために、本発明の射
出圧縮装置においては、固定プラテンと、該固定プラテ
ンに対向して配設される可動プラテンと、上記固定プラ
テンに取り付けられる固定金型と、該固定金型に対して
接離される可動金型を有している。そして、該可動金型
を貫通して延びるようにエジェクタピンが設けられ、上
記固定金型と可動金型間に形成されるキャビティに先端
を臨ませている。また、可動金型に対して相対的に移動
可能にエジェクタプレートが支持され、該エジェクタプ
レートに上記エジェクタピンが取り付けられるととも
に、上記エジェクタプレートに対向してエジェクタロッ
ドが配設され、突出し時に前進させられエジェクタプレ
ートを押圧する。

【０００９】また、該エジェクタプレートに対向してア
ダプタが配設され、常時エジェクタプレートを押圧し
て、キャビティ内に樹脂が充填されていない状態におい
て上記エジェクタピンをキャビティ内に設定量だけ突き
出させる。そして、上記可動プラテンにブロックが固定
され、該ブロック内に圧縮空気によって上記アダプタに
エジェクタプレートを押圧させるピストンが形成され
る。

【００１０】

【作用】本発明によれば、上記のように固定プラテン
と、該固定プラテンに対向して配設される可動プラテン
と、上記固定プラテンに取り付けられる固定金型と、該
固定金型に対して接離される可動金型を有している。上
記可動プラテンを移動させることによって、型閉じ、型
締め、型開き等が行われる。

【００１１】そして、上記可動金型を貫通して延びるよ
うにエジェクタピンが設けられ、上記固定金型と可動金
型間に形成されるキャビティに先端を臨ませている。ま
た、可動金型に対して相対的に移動可能にエジェクタプ
レートが支持され、該エジェクタプレートに上記エジェ
クタピンが取り付けられるとともに、上記エジェクタプ
レートに対向してエジェクタロッドが配設される。上記
キャビティ内に樹脂が充填され、金型による冷却作用を
受けて成形が終了すると、上記エジェクタロッドが前進
させられエジェクタプレートを押圧する。その結果、エ
ジェクタピンがキャビティ内に移動して成形品を突き出
す。

【００１２】また、上記エジェクタプレートに対向して
アダプタが配設され、常時エジェクタプレートを押圧し
て、キャビティ内に樹脂が充填されていない状態におい
て上記エジェクタピンをキャビティ内に設定量だけ突き
出させる。そして、上記可動プラテンにブロックが固定
され、該ブロック内に圧縮空気によって上記アダプタに
エジェクタプレートを押圧させるピストンが形成され
る。

【００１３】樹脂が充填されない状態においては、上記
エジェクタピンが設定量だけ突き出しており、樹脂が充
填されると上記エジェクタピンが後退するが、上記圧縮
空気の圧力によって常時樹脂を押す。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら詳細に説明する。図１は本発明の射出圧縮装置が
適用される射出成形機の概略図、図３は本発明の射出圧
縮装置の概略図である。図において、２１は固定プラテ
ン、２２は該固定プラテン２１に対して接離自在に配設
された可動プラテン、２３は上記固定プラテン２１に取
り付けられている固定金型、２４は上記可動プラテン２
２に取り付けられている可動金型である。２５は上記固
定金型２３及び可動金型２４間に形成され、樹脂が充填
されるキャビティである。

【００１５】２６は射出装置、２７はホッパ２８から供
給された樹脂を溶融し、前方に移動させる加熱シリン
ダ、２９は加熱シリンダ２７内の溶融した樹脂を上記キ
ャビティ２５内に射出するための射出ノズルである。射
出された樹脂は、スプル３０を介してキャビティ２５内
に供給される。３１は上記可動プラテン２２の可動金型
２４側に取り付けられるブロックであり、該ブロック３
１にエア式圧縮装置が設けられる。該エア式圧縮装置
は、２個のエア駆動によるピストン３２を上記ブロック
３１に内蔵することによって形成されている。該ピスト
ン３２の先端には、ピストン突出し位置調整用のアダプ
タ３３及びシム３４が取り付けられている。

【００１６】上記ブロック３１は、射出成形機の可動プ
ラテン２２にボルト３５によって固定され、金型受板３
８はボルト３９によって上記ブロック３１に固定され
る。そして、上記アダプタ３３は金型受板３８のエジェ
クタプレート４０を押圧している。該エジェクタプレー
ト４０には、キャビティ２５に先端を臨ませた複数のエ
ジェクタピン４１が取り付けられていて、上記可動金型
２４と固定金型２３を開いて成形品を取り出す際に上記
エジェクタピン４１が移動して成形品を突き出す。その
ため、エジェクタ装置４２と連結されたエジェクタロッ
ド４３が、上記エジェクタプレート４０に当接自在に配
設されている。

【００１７】次に、上記ピストン３２を駆動するための
エア配管について説明する。エア配管は圧縮空気の供給
源に接続されるフィルタ５１、圧縮空気の圧力を所定圧
に減圧する減圧弁５２、圧力計５３、手動操作弁５４及
び配管５５によって構成される。上記構成のエア式圧縮
装置において、配管５５の手動操作弁５４を常時開放状
態とすることによって、エア式圧縮装置には常時空気圧
（圧力可変）が供給され、ピストン３２は常時前進状態
に置かれる。したがって、アダプタ３３がエジェクタプ
レート４０を押すため、キャビティ２５内に樹脂の無い
場合は、エジェクタプレート４０に固定されているエジ
ェクタピン４１はキャビティ２５内にシム３４で調整し
た量だけ突き出している。

【００１８】次に、上記射出圧縮装置における成形工程
について説明する。まず、型締装置が作動して型締めが
行われると、加熱シリンダ２７内で溶融した樹脂が射出
装置２６によってキャビティ２５内に充填される。その
時、キャビティ２５内に移動していたエジェクタピン４
１は樹脂圧に負けて後退する。キャビティ２５内に閉じ
込められた樹脂は、金型によって冷却作用を受け、ある
一定時間経過した後に固化する。しかし、この間、後退
したエジェクタピン４１はエア式圧縮装置の力でキャビ
ティ２５内の樹脂を押し続けるため、冷却によって樹脂
が収縮しても樹脂を押し続けるので、キャビティ２５内
の樹脂圧は常に保持される。したがって、「ひけ」のよ
うな局部的な窪みが生じなくなる。

【００１９】そして、完全に固化した成形品は型開きさ
れ、エジェクタ装置４２が作動してエジェクタロッド４
３が前進し、エジェクタピン４１を突き出すことによっ
て取り出される。なお、本発明は上記実施例に限定され
るものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形する
ことが可能であり、それらを本発明の範囲から排除する
ものではない。

【００２０】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、可動金型を貫通して延びるようにエジェクタピン
が設けられ、上記固定金型と可動金型間に形成されるキ
ャビティに先端を臨ませていて、上記可動金型に対して
相対的に移動可能にエジェクタプレートが支持され、該
エジェクタプレートに上記エジェクタピンが取り付けら
れるとともに、上記エジェクタプレートに対向してエジ
ェクタロッドが配設される。

【００２１】そして、上記エジェクタプレートに対向し
てアダプタが配設され、常時エジェクタプレートを押圧
して、キャビティ内に樹脂が充填されていない状態にお
いて上記エジェクタピンをキャビティ内に設定量だけ移
動させる。そして、上記可動プラテンにブロックが固定
され、該ブロック内に圧縮空気によって上記アダプタに
エジェクタプレートを押圧させるピストンが形成され
る。

【００２２】したがって、樹脂が充填されていない状態
においては、上記エジェクタピンが設定量だけ突き出し
ており、樹脂が充填されると上記エジェクタピンが後退
し、上記圧縮空気の圧力によって成形品が固化するまで
の間常時樹脂を押す。油圧式の圧縮装置に比較して空圧
シリンダ、管路、制御装置等が占めるスペースが小さく
製造コストを低くすることができる。また、油漏れによ
る油汚染の心配もなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の射出圧縮装置が適用される射出成形機
の概略図である。

【図２】従来の射出圧縮装置の断面図である。

【図３】本発明の射出圧縮装置の概略図である。

【符号の説明】

２１ 固定プラテン ２２ 可動プラテン ２３ 固定金型 ２４ 可動金型 ２５ キャビティ ３１ ブロック ３２ ピストン ３３ アダプタ ４０ エジェクタプレート ４１ エジェクタピン ４３ エジェクタロッド

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 （ａ）固定プラテンと、（ｂ）該固定プ
   ラテンに対向して配設される可動プラテンと、（ｃ）上
   記固定プラテンに取り付けられる固定金型と、（ｄ）該
   固定金型に対して接離される可動金型と、（ｅ）該可動
   金型を貫通して延び、上記固定金型と可動金型間に形成
   されるキャビティに先端を臨ませたエジェクタピンと、
   （ｆ）上記可動金型に対して相対的に移動可能に支持さ
   れ、上記エジェクタピンが取り付けられるエジェクタプ
   レートと、（ｇ）該エジェクタプレートに対向して配設
   され、突出し時に前進させられてエジェクタプレートを
   押圧するエジェクタロッドと、（ｈ）上記エジェクタプ
   レートに対向して配設され、常時エジェクタプレートを
   押圧して、キャビティ内に樹脂が充填されていない状態
   において上記エジェクタピンをキャビティ内に設定量だ
   け突き出させるアダプタと、（ｉ）上記可動プラテンに
   固定されたブロック内に配設され、圧縮空気によって上
   記アダプタにエジェクタプレートを押圧させるピストン
   を有することを特徴とする射出圧縮装置。