JPH0515446Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ この考案は、家庭で生じる使用済みの油、或い
は自動車の交換後の古いエンジンオイル等の廃油
を処理するために使用されている廃油処理用容器
に関する。

＜従来の技術＞ 家庭や飲食店で生じる使用済みの天ぷら油等の
食用油、或いは自動車の交換後の古いエンジンオ
イル等の廃油の処理は、安易に行えるものではな
い。

即ち、このような廃油を下水に流せば下水管が
詰まり、悪臭を放ち、河川の汚染等の公害問題に
なり、また、所定の容器に貯蔵して処理するにし
ても、保管場所を大きく占めたり、漏れたりす
る。

そこで、このような廃油を簡単に処理できる手
段として、種々の技術が提案されている。

＜考案が解決しようとする課題＞ 例えば、特開昭58−199041号公報に開示された
考案は、上記した廃油を有効に吸収できる素材に
関するものであるが、製造時、流通時、使用時等
において、パルプの微細粉末が飛散して、取り扱
いにくい問題がある。

また、実開昭58−54409号公報、実開昭59−
14401号公報、実開昭61−22881号公報等に開示さ
れた考案は、上記した素材を所定の袋に収容する
容器の提案であるが、この素材は廃油を吸収でき
るものではあつても、瞬間的ではなく、多少の時
間を要し、従つて廃油を供給した際に容器から溢
れてしまう欠点がある。

また、上記素材は綿状であると、容器内に機械
的に一定量を収容することができないので、手作
業になつて量産が困難であると云つた不都合も存
する。

＜課題を解決するための手段＞ 本考案は上記した問題点を解決するために考案
されたものであつて、非通油性で耐油性を有する
収納材の内部に、吸油性シートと綿状パルプを積
層して構成したマツト状の吸油材を、収納材の高
さ方向に重合状に積んで収納し、各吸油材と収納
材との間には、収納材の内部に供給する廃油を貯
溜可能な空隙を形成したことを特徴とする。

＜作用＞ 本考案は上記した構成であり、従つて先ず、吸
油材はマツト状であつて、吸油材を高さ方向に積
んで収納材内に収納するものであることからその
収納操作が簡単に行える。また、吸油材は廃油を
充分に吸収でき、しかも収納材の高さ方向に重合
状に積んで収納した各吸油材と収納材との間には
空隙を形成しているので、収納材内に一度に大量
の廃油を供給しても、この空隙内に貯溜させるこ
とが可能となる。従つて、廃油が収納材から溢れ
ることはなく、吸油材に確実に、しかも迅速に吸
収されることになる。

＜実施例＞ 以下本案を実施例の図面に基づいて詳細に説明
する。

先ず、本考案の廃油処理用容器は、収納材１の
内部に、複数枚の吸油材２…を上下方向に収納し
た構成である。

上記収納材１は、非通油性で耐油性を有するも
のであつて、ビニール等の合成樹脂、紙に樹脂を
ラミネートしたもの等が素材として使用すること
ができる。従つて、内部に使用済みの熱い廃油を
供給しても外部に染み出ることはない。

また、上記吸油材２は、厚手のマツト状で油を
充分に吸収できるものであり、その具体的な構成
は、第１図で示すように例えば極薄の紙、不織布
等の吸油性シート３に、主として故紙を再利用し
た古い紙やパルプ等の微細な粉砕物による綿状パ
ルプ４を、機械的手段により薄く積層し、この積
層体を２重、３重に折り畳んだものである。

そして、第２図に示すように上記吸油材２を複
数枚、収納材１内に高さ方向に重合状に積んで収
納するのであるが、その際、各吸油材２と収納材
１との間には、収納材１の内部に供給する廃油を
貯溜することができる程度の空隙５が形成される
ようにする。

尚、吸油材２は、吸油性シート３に綿状パルプ
４を薄く積層して折り畳むことにより厚手のマツ
ト状に構成しても良い。

上記の構成に係る廃油処理用容器によれば、収
納材１内に供給された廃油は、その一部は直接吸
油材２に直ちに吸い込まれ、また一部は収納材１
の内面に沿つて侵入して空隙５に貯溜され、その
後、徐々に吸油材２に吸い込まれることになる。
したがつて、収納材１から廃油が溢れることはな
い。

以上、本考案を図面の実施例について説明した
が、本考案は上記した実施例に限定されるもので
はなく、実用新案登録請求の範囲に記載した構成
を変更しない限りどのようにでも実施することが
できる。

例えば、吸油材２を収容した収納材１を、外箱
体に保持させるようにすれば、収納材１をより安
定して保持することができ、倒れたり、廃油がこ
ぼれたりすることを防止することができる。

＜考案の効果＞ 本考案によれば、吸油材がマツト状であるため
収納材等の容器に収納する操作が簡単であり、機
械的に一定量を効率良く収納できる。また、製造
時、流通時、使用時等において、パルプの微細粉
末が飛散してしまうことがなく、取り扱い易いも
のとなる。

また、収納材の内部に高さ方向に重合状に積ん
で収納した複数枚の吸油材と収納材との間には空
隙が形成され、該空隙に廃油を貯留することがで
きるので吸油容量が大きく、吸油材が廃油と接触
する面積が大きいので吸油速度も速いものとな
り、収納材以内に一度に多量の廃油を供給しても
確実に且つ迅速に吸収することができるし、収納
材が倒れてこぼれることがない。

更に、本考案の吸油材は、吸油性シートに綿状
パルプを積層して構成しているので、吸油性シー
トに浸透した廃油が綿状パルプの微細な間隙に移
つて吸油容量を向上する役割を果たし、しかも吸
油速度が速く、廃油を迅速に処理をすることがで
きる。

また、本考案で使用する綿状パルプは使い古し
た段ボールや新聞紙といつた材料を粉砕したもの
であり、大量の安定供給が可能であり、材料コス
トが極めて低廉で、しかも省資源化に多大な貢献
をするものである。

このため、廃油を吸収した状態で廃油処理が容
易で、公害問題を引き起こすこともなく、構成が
簡単で低廉に大量生産が可能となる等、実用的価
値の高い廃油処理用の容器を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
吸油材の斜視図、第２図は収納材内に吸油材を収
納した状態の斜視図である。 図中、１は収納材、２は吸油材、３は吸油性シ
ート、４は綿状パルプ、５は空隙である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 非通油性で耐油性を有する収納材の内部に、吸
   油性シートと綿状パルプを積層して構成したマツ
   ト状の吸油材を、収納材の高さ方向に重合状に積
   んで収納し、各吸油材と収納材との間には、収納
   材の内部に供給する廃油を貯溜可能な空隙を形成
   してなる廃油処理用容器。