JPH0322161Y2

JPH0322161Y2 -

Info

Publication number: JPH0322161Y2
Application number: JP1987147484U
Authority: JP
Priority date: 1987-09-29
Filing date: 1987-09-29
Publication date: 1991-05-15
Also published as: JPS6453101U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）この考案は、家庭で生じる使用済みの油、或い
は自動車の交換後の古いエンジオイル等の廃油を
処理するために使用されている廃油処理用容器に
関する。

（従来の技術）家庭や飲食店で生じる使用済みの天ぷら油等の
食用油、或いは自動車の交換後の古いエンジンオ
イル等の廃油の処理は、安易に行えるものではな
い。

即ち、このような廃油を下水に流せば下水管が
詰まり、悪臭を放ち、河川の汚染等の公害問題に
なり、また、所定の容器に貯蔵して処理するにし
ても、保管場所を大きく占めたり、漏れたりす
る。

そこで、このような廃油を簡単に処理できる手
段として、種々の技術が提案されている。

（考案が解決しようとする課題）例えば、特開昭58−199041号公報に開示された
考案は、上記した廃油を有効に吸収できる素材に
関するものであるが、製造時、流通時、使用時等
において、パルプの微細粉末が飛散して、取り扱
いにくい問題がある。

また、実開昭58−54409号公報、実開昭59−
14401号公報、実開昭61−22881号公報等に開示さ
れた考案は、上記した素材を所定の袋に収納する
容器の提案であるが、この素材は廃油を吸収でき
るものではあつても、瞬間的ではなく、多少の時
間を要し、従つて廃油を供給した際に容器から溢
れてしまう欠点がある。

また、上記素材が綿状であると、容器内に機械
的に一定量を収容することができないので、手作
業になつて量産が困難であると云つた不都合も存
する。

（課題を解決するための手段）本考案は上記した問題点を解決するために考案
されたものであつて、非通油性で耐油性を有する
収納材の底部に、吸油性シートに綿状パルプを薄
く積層して折り畳むことにより厚手のマツト状に
構成した吸油材を、収納材の横方向に重合状に並
べて収納し、各吸油材の重合間隔には、収納材の
内部に供給する廃油を貯溜可能な空〓を形成した
ことを特徴とする。

（作用）本考案は上記した構成であり、従つて先ず、吸
油材は厚手のマツト状であるため収納材に収納す
る操作が簡単であり、また廃油を充分に吸収でき
る。しかも、複数枚の吸油材を横方向に重合状に
並べて収納材内に収納し、且つ各吸油材の重合間
隔には空〓を形成しているので、収納材内に一度
に大量の廃油を供給しても、この空〓内に貯溜さ
せることが可能となる。従つて、廃油が収納材か
ら溢れることはなく、吸油材に確実に吸収される
ことになる。

（実施例）以下本考案を実施例の図面にもとづいて説明す
る。

先ず、本考案の廃油処理用容器は、収納材１の
外部に、複数枚の吸油材２…を収納した構成であ
る。

上記収納材１は、非通油性で耐油性を有するも
のであつて、ビニール等の合成樹脂、紙に樹脂ラ
ミネートしたもの等が素材として使用される。従
つて、内部に廃油を供給しても外部に染み出るこ
とはない。

また、上記吸油材２は厚手のマツト状で、油を
充分に吸収できるものであり、その具体的な構成
は、第１図で示すように例えば極薄の紙、不織布
等の吸油性シート３に、主として故紙を再利用し
た古い紙やパルプ等の微細な粉砕物による綿状パ
ルプ４を、機械的手段により薄く積層し、この積
層体を２重、３重に折り畳んだものである。

そして、第２図に示すように上記吸油材２を複
数枚、横方向に重合状に並べて収納材１に収納す
るのであるが、その際、各吸油材２の重合間隔に
は収納材１の内部に供給する廃油を収納する空〓
５が形成されるようにする。

尚、吸油材２は、吸油性シート３に綿状パルプ
４を薄く積層して折り畳むことにより厚手のマツ
ト状に構成しても良い。

上記の構成に係る廃油処理用容器によれば、収
納材１内に供給された廃油は、その一部は直接吸
油材２に直ちに吸い込まれ、また一部は収納材１
の内面に沿つて侵入して空〓５に貯溜され、その
後、徐々に吸油材２に吸い込まれることになる。
したがつて、収納材１から廃油が溢れることはな
い。

以上、本考案を図面の実施例について説明した
が、本考案は上記した実施例に限定されるもので
はなく、実用新案登録請求の範囲に記載した構成
を変更しない限りどのようにでもい実施すること
ができる。

例えば、吸油材２を収容した収納材１を、外箱
体に保持させるようにすれば、収納材１をより安
定して保持することができ、倒れたり、廃油がこ
ぼれたりすることを防止することができる。

（考案の効果）本考案によれば、吸油材が厚手のマツト状であ
るため収納材等の容器に収納する操作が簡単であ
り、機械的に一定量を効率良く収納できる。しか
も、製造時、流通時、使用時等において、パルプ
の微細粉末が飛散してしまうことがなく、取り扱
い易いものとなる。

また、収納材の底部に横方向に重合状に並べて
収納した複数枚の吸油材の重合間隔には空〓が形
成され、該空〓に廃油を貯溜することができるの
で吸油容量が大きく、吸油材が廃油と接触する面
積が大きいので吸油速度も速いものとなり、収納
材内に一度の大量の廃油を供給しても確実に且つ
迅速に吸収することができる。また、収納材が倒
れてこぼれることもない。

さらに、本考案の吸油材は、吸油材シート材が
設けられ、しかもその吸油性シート材が綿状パル
プの間〓に移り、より吸油容量を向上する役割を
果たし、しかも極めて吸油速度が速く、廃油の迅
速な処理を行うことができる。

また、本考案に使用する綿状パルプは、使い古
した段ボールや新聞紙といつた材料を粉砕したも
のであり、大量の安定供給が可能であり、材料コ
ストが極めて安く、しかも省資源化に多大な貢献
をするものである。

加えて、本考案の吸油材は、吸油性シート材上
に綿状パルプを供給してプレスし、折り畳みなが
らカツトするだけで製造することができるので、
枚葉のシート材を製造してそのシート材を多数使
用する場合に比べて、製造コストも極めて低廉で
ある。

従つて、廃棄処理が容易で、公害問題を引き起
すこともなく、構成が簡単で廉価に大量生産が可
能である等、実用的価値の高い廃油処理用容器を
供給することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
吸油材の斜視図、第２図は収納材内に吸油材を収
納した状態の斜視図である。図中、１……収納材、２……吸油材、５……空
〓である。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

非通油性で耐油性を有する収納材の底部に、吸
油性シートに綿状パルプを薄く積層して折り畳む
ことにより厚手のマツト状に構成した吸油材を、
収納材の横方向に重合状に並べて収納し、各吸油
材の重合間隔には、収納材の内部に供給する廃油
を貯溜可能な空〓を形成してなる廃油処理用容
器。