JPH05153006A - 配電線搬送受信装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 配電線の負荷や伝送特性による外乱に対し
て、データ誤りのない配電線搬送受信装置を提供する。 【構成】 受信されたＦＳＫ信号は増幅器１で増幅さ
れ、バンドパスフィルタ２によりＦＳＫ信号周波数に帯
域制限され、Ａ／Ｄ変換器３によりデジタル信号に変換
され、送信データ“０”と“１”に対応した通過帯域を
もつデジタルバンドパスフィルタ４，５によりデータ
“０”と“１”に対応したフィルタ出力が得られ、前記
フィルタ出力を絶対値回路６，７により絶対値をとり、
コンパレータ１０により同期用のデータと一致すると、
タイマー１１を起動し、カウンタ８，９により前記デー
タ“０”と“１”に対応したフィルタ出力値の絶対値を
計測する。起動後、１ビットの送信時間が経過したとき
のカウンタ８，９のデータの総和をコンパレータ１２に
より大小比較を行い、大きいものを受信データ出力とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、配電自動化システムに
おいて変電所の親局と各地の子局との通信に用いられる
配電線搬送受信装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、配電自動化システムの配電線搬送
通信においても、高速で信頼性の高い配電線搬送受信装
置が要求されている。

【０００３】以下、従来の配電線搬送受信装置について
図２を参照しながら説明する。図２は従来の配電線搬送
受信装置のブロック構成を示しており、周波数偏移変調
（ＦＳＫ：frequency-shift keying）された受信信号は
増幅器２１で増幅され、バンドパスフィルタ（ＢＰＦ）
２２によりＦＳＫ信号周波数に帯域制限され、位相比較
器２３に入力されて電圧制御発振器２４の出力と位相比
較され、その出力はローパスフィルタ（ＬＰＦ）２５で
平滑され、電圧制御発振器２４に入力される閉ループ系
にてＦＳＫ信号周波数に追従し、ローパスフィルタ２５
の出力レベルがＦＳＫ信号周波数に応じて決まり、コン
パレータ２６によりレベル比較を行い、出力を受信デー
タとすることにより、復調を行うものである。なお、図
において、２７は位相比較器２３、電圧制御発振器２４
およびローパスフィルタ２５により構成されたＰＬＬ
（phase locked loop）回路部である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の配電線搬送受信装置では、配電線の負荷によ
る６０Hzの高調波や伝送特性等に起因する外乱により、
ＰＬＬ回路部２７が同期はずれを起こし、再び同期をと
るまでに、ローパスフィルタ２５の出力レベルがコンパ
レータ２６のスレショールドレベルを越えるため、デー
タ誤りが発生していた。

【０００５】本発明は上記課題を解決するもので、配電
線の負荷や伝送特性による外乱に対して、データ誤りの
ない配電線搬送受信装置を提供することを目的としてい
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、ＦＳＫ変調された受信信号をＡ／Ｄ変換す
る手段と、そのＡ／Ｄ変換する手段により変換されたデ
ジタル信号の送信データ“０”と“１”に各々対応した
変調周波数の通過帯域をもつ２個のバンドパスフィルタ
と、その２個のバンドパスフィルタの絶対値出力のいず
れかが同期用送信データと一致した時点より計測を開始
し１ビットの送信時間を時間計測する手段と、その時間
計測する手段により計測された時間内に計測された前記
データ“０”と“１”に対応した各々のバンドパスフィ
ルタの出力の計測値の総和を求める手段と、前記データ
“０”と“１”に対応した各々のバンドパスフィルタの
出力の総和の大小判定を行う手段とを備え、前記大小判
定により大きいものを受信データとするものである。

【０００７】

【作用】本発明は上記した構成により、送信データと同
期をとり、１ビットの送信時間にデータ“０”と“１”
に対応したバンドパスフィルタの出力の計測値の絶対値
の総和を求め、総和の大小を判定し、大きいものを受信
データとするものである。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例について図１を参照
しながら説明する。図１において、１はＦＳＫ変調され
た受信信号を入力信号とする増幅器、２はその増幅器１
の出力が入力されるバンドパスフィルタ（ＢＰＦ）、３
はそのバンドパスフィルタ２のアナログ出力をデジタル
出力に変換するＡ／Ｄ変換器、４，５はそれぞれＡ／Ｄ
変換器３のデジタル出力が入力されるバンドパスフィル
タ（ＢＰＦ）であり、デジタル信号の送信データ“０”
と“１”に各々対応した変調周波数の通過帯域をもって
いる。６はバンドパスフィルタ４の、７はバンドパスフ
ィルタ５の出力を入力とするそれぞれ絶対値回路であ
る。８は絶対値回路６の、９は絶対値回路７の出力を入
力とするそれぞれカウンタであり、後記のタイマーによ
り計測された時間内に計測されたデータ“０”と“１”
に対応した２個のバンドパスフィルタ４，５の出力の計
測値の総和を求める。１０は絶対値回路６，７の出力を
入力とするコンパレータであり、絶対値回路６，７の出
力のいずれかが同期用送信データと一致した時に出力す
る。１１はコンパレータ１０の出力により計測を開始し
１ビットの送信時間を時間計測するタイマーである。１
２はカウンタ８，９の出力を入力とするコンパレータで
あり、前記データ“０”と“１”に対応した各々のバン
ドパスフィルタ４，５の出力の総和の大小判定を行う。
そしてこのコンパレータ１２の出力は受信データとな
る。１３はバンドパスフィルタ４からコンパレータ１２
までを含む判定回路である。

【０００９】次にその動作について説明すると、ＦＳＫ
変調された受信信号は増幅器１で増幅され、バンドパス
フィルタ２によりＦＳＫ信号周波数に帯域制限され、Ａ
／Ｄ変換器３によりデジタル信号に変換され、送信デー
タ“０”と“１”に対応した通過帯域をもつデジタルバ
ンドパスフィルタ４，５によりデータ“０”と“１”に
対応したフィルタ出力が得られ、このフィルタ出力をそ
れぞれ絶対値回路６，７により絶対値をとり、コンパレ
ータ１０により同期用のデータと一致すると、タイマー
１１を起動し、カウンタ８，９により前記データ“０”
と“１”に対応したフィルタ出力値の絶対値を計測す
る。起動後、１ビットの送信時間が経過したときのカウ
ンタ８，９のデータの総和をコンパレータ１２により大
小比較を行い、大きいものを受信データ出力とする。

【００１０】このように本実施例の配電線搬送受信装置
によれば、１ビットの送信時間におけるデータ“０”と
“１”に対応したフィルタ出力値の絶対値の総和を計数
しているので、一時的な外乱があった場合そのデータを
相対的に小さくすることができ、外乱の影響を少なくす
ることができる。また、前記フィルタ出力値の大小がデ
ータ“０”と“１”に対応しており、“０”と“１”の
両方のデータの判定情報を得ることができ、正確なデー
タ判定ができる。

【００１１】

【発明の効果】以上の実施例から明らかなように本発明
によれば、１ビットの送信時間分の“０”と“１”のデ
ータ値を判定基準に取り込むことにより外乱の影響を受
けにくく、また“０”と“１”の両方のデータの判定情
報を得ることができ、正確なデータ判定ができる配電線
搬送受信装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の配電線搬送受信装置の構成
を示すブロック図

【図２】従来の配電線搬送受信装置の構成を示すブロッ
ク図

【符号の説明】

３ Ａ／Ｄ変換器（Ａ／Ｄ変換する手段） ４，５ バンドパスフィルタ ６，７ 絶対値回路 ８，９ カウンタ（バンドパスフィルタの出力の計測値
の総和を求める手段） １０ コンパレータ １１ タイマー（１ビットの送信時間を時間計測する手
段） １２ コンパレータ（バンドパスフィルタの出力の総和
の大小判定を行う手段）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】周波数偏移変調された受信信号をＡ／Ｄ変
   換する手段と、そのＡ／Ｄ変換する手段により変換され
   たデジタル信号の送信データ“０”と“１”に各々対応
   した変調周波数の通過帯域をもつ２個のバンドパスフィ
   ルタと、その２個のバンドパスフィルタの絶対値出力の
   いずれかが同期用送信データと一致した時点より計測を
   開始し１ビットの送信時間を時間計測する手段と、その
   時間計測する手段により計測された時間内に計測された
   前記データ“０”と“１”に対応した各々のバンドパス
   フィルタの出力の計測値の総和を求める手段と、前記デ
   ータ“０”と“１”に対応した各々のバンドパスフィル
   タの出力の総和の大小判定を行う手段とを備え、前記大
   小判定により大きいものを受信データとすることを特徴
   とする配電線搬送受信装置。