JPH0515262A - 農産物栽培用微孔性フイルム及びこれを用いた農産物の栽培方法 - Google Patents
農産物栽培用微孔性フイルム及びこれを用いた農産物の栽培方法Info
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- JPH0515262A JPH0515262A JP19593991A JP19593991A JPH0515262A JP H0515262 A JPH0515262 A JP H0515262A JP 19593991 A JP19593991 A JP 19593991A JP 19593991 A JP19593991 A JP 19593991A JP H0515262 A JPH0515262 A JP H0515262A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は、果実の成育後半から成熟期にかけて
の降雨水が土壌中に入るのを防ぎ、且つ地中からの水蒸
気を自由に空気中に放出させて水分がフィルムの下面に
たまることを防止したり、炭酸ガス濃度制御、光透過率
制御、土壌温度等の向上を図る上、通気性、光遮蔽性、
透湿性、防水性、防風性を兼ね備えた特定の農産物栽培
用微孔性フィルムを用い、該農産物栽培用微孔性フィル
ムで農産物が植えられている土面を被覆することによ
り、果実の品質を向上させると共に雑草の成育防止、土
壌環境の維持を行う、農産物栽培用微孔性フィルム及び
これを用いた農産物の栽培方法を提供することを目的と
する。 【構成】本発明は、農産物が植えられている土面を被覆
する微孔性フィルムであって、該微孔性フィルムの平均
孔径が0.01〜60μmであり、且つこの微孔性フィ
ルムは、その光透過率が10%以下になる様に彩色を施
してなる事を特徴とするものである。
の降雨水が土壌中に入るのを防ぎ、且つ地中からの水蒸
気を自由に空気中に放出させて水分がフィルムの下面に
たまることを防止したり、炭酸ガス濃度制御、光透過率
制御、土壌温度等の向上を図る上、通気性、光遮蔽性、
透湿性、防水性、防風性を兼ね備えた特定の農産物栽培
用微孔性フィルムを用い、該農産物栽培用微孔性フィル
ムで農産物が植えられている土面を被覆することによ
り、果実の品質を向上させると共に雑草の成育防止、土
壌環境の維持を行う、農産物栽培用微孔性フィルム及び
これを用いた農産物の栽培方法を提供することを目的と
する。 【構成】本発明は、農産物が植えられている土面を被覆
する微孔性フィルムであって、該微孔性フィルムの平均
孔径が0.01〜60μmであり、且つこの微孔性フィ
ルムは、その光透過率が10%以下になる様に彩色を施
してなる事を特徴とするものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通気性、透湿性、防水
性、防風性に優れ、しかも農産物の土面を被覆する事に
よって、土中の水分を制御し、高品質の農産物を得ると
共に、土中の炭酸ガス濃度及び光の透過率を制御し、雑
草の成育防止、土壌環境維持を行う農産物栽培用微孔性
フィルム及びこれを用いた農産物の栽培方法に関するも
のである。
性、防風性に優れ、しかも農産物の土面を被覆する事に
よって、土中の水分を制御し、高品質の農産物を得ると
共に、土中の炭酸ガス濃度及び光の透過率を制御し、雑
草の成育防止、土壌環境維持を行う農産物栽培用微孔性
フィルム及びこれを用いた農産物の栽培方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、農産物の栽培においては、枝葉や
果実更に果菜類等の農産物の肥大だけではなく、果実、
品質、特に果汁の糖含量を高めたり、或いは高品質の果
菜類の早期収穫を得るためにビニールハウス内で果実の
成育後半から成熟期にかけて潅水を人工的にひかえて土
壌水分を少なく管理したり、或いは環境の改善を行って
いる。
果実更に果菜類等の農産物の肥大だけではなく、果実、
品質、特に果汁の糖含量を高めたり、或いは高品質の果
菜類の早期収穫を得るためにビニールハウス内で果実の
成育後半から成熟期にかけて潅水を人工的にひかえて土
壌水分を少なく管理したり、或いは環境の改善を行って
いる。
【0003】即ち、果実の成熟期に近付いてから水分が
豊富に供給されると、果実の栄養素である窒素などの成
分が水に溶解、吸収されやすいので樹体が栄養成長に偏
り、果実肥大はよくなるが、果皮が暑くなったり、果汁
成分の蓄積が悪くなったりして、食味が淡白になるな
ど、果実の品質低下の原因となる。又、この点は果菜類
についても同様のことがいえる。
豊富に供給されると、果実の栄養素である窒素などの成
分が水に溶解、吸収されやすいので樹体が栄養成長に偏
り、果実肥大はよくなるが、果皮が暑くなったり、果汁
成分の蓄積が悪くなったりして、食味が淡白になるな
ど、果実の品質低下の原因となる。又、この点は果菜類
についても同様のことがいえる。
【0004】そこで、果実をハウス栽培することにより
果実の成育後半から成熟期にかけて人工的に土壌水分を
少なく管理したり、果菜類を育む土壌温度を上昇した
り、土壌中の水分を管理することが試みられている。
果実の成育後半から成熟期にかけて人工的に土壌水分を
少なく管理したり、果菜類を育む土壌温度を上昇した
り、土壌中の水分を管理することが試みられている。
【0005】しかしながら、これらの農産物のハウス栽
培では、ハウスの建設費が高価であり、またハウス内で
の温度・水分管理に膨大な労力費がかかる上、収穫され
た農産物も高価となり、さほど普及していないのが実状
である。
培では、ハウスの建設費が高価であり、またハウス内で
の温度・水分管理に膨大な労力費がかかる上、収穫され
た農産物も高価となり、さほど普及していないのが実状
である。
【0006】一方、露地栽培では自然現象である降雨量
をコントロールすることが不可能であり、収穫前の天候
により農産物の品質が左右されていた。
をコントロールすることが不可能であり、収穫前の天候
により農産物の品質が左右されていた。
【0007】そこで、これらの問題を解消する手段とし
て、以下のものが提案されている。即ち、農産物栽培
用フィルムとして無孔のポリエチレンフィルムやポリ塩
化ビニルフィルム等の防水性を有する合成樹脂製フィル
ムを用い、該合成樹脂製フィルムで果実の成育後半から
成熟期にかけて土面を被覆して土壌水分を少なく管理し
たり、土壌温度を管理するものである。
て、以下のものが提案されている。即ち、農産物栽培
用フィルムとして無孔のポリエチレンフィルムやポリ塩
化ビニルフィルム等の防水性を有する合成樹脂製フィル
ムを用い、該合成樹脂製フィルムで果実の成育後半から
成熟期にかけて土面を被覆して土壌水分を少なく管理し
たり、土壌温度を管理するものである。
【0008】又、農産物栽培用フィルムとしてポリエ
チレンフィルムやポリ塩化ビニルフィルム等の防水性合
成樹脂製フィルムに機械的穿孔により500μm以上の
孔をあけたものを用い、この有孔フィルムで土面を被覆
するものである。
チレンフィルムやポリ塩化ビニルフィルム等の防水性合
成樹脂製フィルムに機械的穿孔により500μm以上の
孔をあけたものを用い、この有孔フィルムで土面を被覆
するものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
のものでは農産物の品質は向上するが、地中の水分が水
蒸気となり土面に被覆されたフィルムの下面にたまり地
中に成育している果樹や果菜類の木の根毛が水分を求め
て上を向いてしまったり、地中の上層部が過湿になっ
て、根腐れが生じたりする等、木の根の成長を妨げ、そ
の結果、樹勢が衰え、木が枯れてしまうという課題があ
る。
のものでは農産物の品質は向上するが、地中の水分が水
蒸気となり土面に被覆されたフィルムの下面にたまり地
中に成育している果樹や果菜類の木の根毛が水分を求め
て上を向いてしまったり、地中の上層部が過湿になっ
て、根腐れが生じたりする等、木の根の成長を妨げ、そ
の結果、樹勢が衰え、木が枯れてしまうという課題があ
る。
【0010】又、上記のものでは平均孔径が500μ
m以上の有孔フィルムを用いているので地中からの水蒸
気透過には好ましいが、降雨時には雨も通してしまい、
果実が水っぽくなり、糖含量量が低下する等の欠点があ
り果実の品質が低下する等の課題がある。
m以上の有孔フィルムを用いているので地中からの水蒸
気透過には好ましいが、降雨時には雨も通してしまい、
果実が水っぽくなり、糖含量量が低下する等の欠点があ
り果実の品質が低下する等の課題がある。
【0011】更に、上記の及びに共通するものであ
るが、雑草の成育防止の為に黒色、銀色フィルムを用い
る場合があるが、確かに雑草の成育防止はできるが、炭
酸ガス濃度が制御できず、雑草の根にカビが発生し、土
壌をいためる等の課題がある。
るが、雑草の成育防止の為に黒色、銀色フィルムを用い
る場合があるが、確かに雑草の成育防止はできるが、炭
酸ガス濃度が制御できず、雑草の根にカビが発生し、土
壌をいためる等の課題がある。
【0012】本発明は果実の成育後半から成熟期にかけ
ての降雨水が土壌中に入るのを防ぎ、且つ地中からの水
蒸気を自由に空気中に放出させて水分がフィルムの下面
にたまることを防止したり、炭酸ガス濃度制御、光透過
率制御、土壌温度等の向上を図る上、通気性、光遮蔽
性、透湿性、防水性、防風性を兼ね備えた特定の農産物
栽培用微孔性フィルムを用い、該農産物栽培用微孔性フ
ィルムで農産物が植えられている土面を被覆することに
より、果実の品質を向上させると共に雑草の成育防止、
土壌環境の維持を行う、農産物栽培用微孔性フィルム及
びこれを用いた農産物の栽培方法を提供することを目的
とする。
ての降雨水が土壌中に入るのを防ぎ、且つ地中からの水
蒸気を自由に空気中に放出させて水分がフィルムの下面
にたまることを防止したり、炭酸ガス濃度制御、光透過
率制御、土壌温度等の向上を図る上、通気性、光遮蔽
性、透湿性、防水性、防風性を兼ね備えた特定の農産物
栽培用微孔性フィルムを用い、該農産物栽培用微孔性フ
ィルムで農産物が植えられている土面を被覆することに
より、果実の品質を向上させると共に雑草の成育防止、
土壌環境の維持を行う、農産物栽培用微孔性フィルム及
びこれを用いた農産物の栽培方法を提供することを目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の農産物栽培用微孔性フィルム及びこれを用
いた農産物の栽培方法においては、以下に述べる技術的
手段を講じたものである。
に、本発明の農産物栽培用微孔性フィルム及びこれを用
いた農産物の栽培方法においては、以下に述べる技術的
手段を講じたものである。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。即ち、本
願請求項1の農産物栽培用微孔性フィルムにおいては、
農産物が植えられている土面を被覆する微孔性フィルム
であって、該微孔性フィルムの平均孔径が0.01〜6
0μmであり、且つこの微孔性フィルムは、その光透過
率が10%以下になる様に彩色を施してなる事を特徴と
するものである。
願請求項1の農産物栽培用微孔性フィルムにおいては、
農産物が植えられている土面を被覆する微孔性フィルム
であって、該微孔性フィルムの平均孔径が0.01〜6
0μmであり、且つこの微孔性フィルムは、その光透過
率が10%以下になる様に彩色を施してなる事を特徴と
するものである。
【0015】本発明が適用される農産物としては、特に
限定されるものではなく、果実や果菜類が挙げられる。
上記果実としては特に限定されるものではないが、具体
的には、例えばみかん、なし、ぶどう、桃、りんご、か
き、くり又はくるみ等が挙げられる。又、上記果菜類と
しては特に限定されるものではないが、具体的てには、
例えばトマト、すいか、うり又はいちごが挙げられる。
限定されるものではなく、果実や果菜類が挙げられる。
上記果実としては特に限定されるものではないが、具体
的には、例えばみかん、なし、ぶどう、桃、りんご、か
き、くり又はくるみ等が挙げられる。又、上記果菜類と
しては特に限定されるものではないが、具体的てには、
例えばトマト、すいか、うり又はいちごが挙げられる。
【0016】更に、本発明の農産物栽培用微孔性フィル
ムは、水は透過しないうえ、透湿性、防水性及び防風性
に優れたものであれば特に限定されるものではなく、熱
硬化性樹脂或いは熱可塑性樹脂のいずれのもので形成さ
れたものでも良いのである。
ムは、水は透過しないうえ、透湿性、防水性及び防風性
に優れたものであれば特に限定されるものではなく、熱
硬化性樹脂或いは熱可塑性樹脂のいずれのもので形成さ
れたものでも良いのである。
【0017】本発明で用いられる農産物栽培用微孔性フ
ィルムの厚さとしては、30〜500μmの範囲とする
のが好ましく、30μm未満ではフィルムの厚さが薄過
ぎて農産物が植えられている土面に適用する際に破れた
り、その搬送、取扱い中に破損するなどの問題があり、
一方、500μmを超えると経済的に不利であり、いず
れの場合も好ましくない。
ィルムの厚さとしては、30〜500μmの範囲とする
のが好ましく、30μm未満ではフィルムの厚さが薄過
ぎて農産物が植えられている土面に適用する際に破れた
り、その搬送、取扱い中に破損するなどの問題があり、
一方、500μmを超えると経済的に不利であり、いず
れの場合も好ましくない。
【0018】そして、この農産物栽培用微孔性フィルム
は、その平均孔径が0.01〜60μmであることが要
求される。このように構成することにより、果実の成育
後半から成熟期にかけての降雨水が直接土壌中に入るの
を防ぎ、且つ透湿性が良好で地中からの水蒸気を自由に
空気中に放出させて水分がフィルムの下面にたまること
を防止できるのであり、従って、糖含量が高い等の品質
の優れた果実や成育の良い農産物が得られるのである
が、特に、降雨水が土壌中に入るのを確実に防ぎ、且つ
透湿性が良好で地中からの水蒸気を効果的に空気中に放
出させ、一層品質の優れた農産物が得られたり、根腐れ
や樹勢低下を防止するなどの観点より、平均孔径が0.
02〜10μm、好ましくは0.05〜5μmのものが一
層望ましい。
は、その平均孔径が0.01〜60μmであることが要
求される。このように構成することにより、果実の成育
後半から成熟期にかけての降雨水が直接土壌中に入るの
を防ぎ、且つ透湿性が良好で地中からの水蒸気を自由に
空気中に放出させて水分がフィルムの下面にたまること
を防止できるのであり、従って、糖含量が高い等の品質
の優れた果実や成育の良い農産物が得られるのである
が、特に、降雨水が土壌中に入るのを確実に防ぎ、且つ
透湿性が良好で地中からの水蒸気を効果的に空気中に放
出させ、一層品質の優れた農産物が得られたり、根腐れ
や樹勢低下を防止するなどの観点より、平均孔径が0.
02〜10μm、好ましくは0.05〜5μmのものが一
層望ましい。
【0019】更に、本発明の農産物栽培用微孔性フィル
ムはその光透過率が10%以下になる様に彩色を施して
なる事を特徴とする。
ムはその光透過率が10%以下になる様に彩色を施して
なる事を特徴とする。
【0020】このように、彩色を施すにはフィルム原料
中にカーボンブラックなどの顔料を練り込む方法の他、
暗色のインクで微孔をふさがない程度にフィルム表面に
印刷する方法、後述する通気性補強用基材に暗色化され
た材料を使用する方法等を採用できる。
中にカーボンブラックなどの顔料を練り込む方法の他、
暗色のインクで微孔をふさがない程度にフィルム表面に
印刷する方法、後述する通気性補強用基材に暗色化され
た材料を使用する方法等を採用できる。
【0021】本発明において、光透過率は、照度計を用
い、フィルム上とフィルム下の照度を測定し、以下の計
算を行った。
い、フィルム上とフィルム下の照度を測定し、以下の計
算を行った。
【0022】
【式1】
【0023】本発明においては、光透過率をこの方法で
測定した値が10%以下であることを要す。この値が1
0%を超えると光線の透過率が多すぎて、雑草が成育す
る環境になるので好ましくない。
測定した値が10%以下であることを要す。この値が1
0%を超えると光線の透過率が多すぎて、雑草が成育す
る環境になるので好ましくない。
【0024】このように、農産物栽培用微孔性フィルム
において、その光透過率が10%以下であることによ
り、微孔性フィルムの平均孔径との関連で通気性の確
保、及び雑草の成育防止、土中の炭酸ガス濃度の制御に
よりカビの発生を防ぎ、土壌の環境維持を行うことがで
きるのである。
において、その光透過率が10%以下であることによ
り、微孔性フィルムの平均孔径との関連で通気性の確
保、及び雑草の成育防止、土中の炭酸ガス濃度の制御に
よりカビの発生を防ぎ、土壌の環境維持を行うことがで
きるのである。
【0025】尚、上記農産物栽培用微孔性フィルムに
は、通常用いられる酸化防止剤、紫外線安定剤、帯電防
止剤、滑剤、蛍光剤等を添加して成るものでもよいので
ある。
は、通常用いられる酸化防止剤、紫外線安定剤、帯電防
止剤、滑剤、蛍光剤等を添加して成るものでもよいので
ある。
【0026】本願請求項2の農産物栽培用微孔性フィル
ムにおいては、このフィルムが熱可塑性樹脂からなるこ
とにより、品質が安定したフィルムを経済的に量産しう
るので極めて有用である。
ムにおいては、このフィルムが熱可塑性樹脂からなるこ
とにより、品質が安定したフィルムを経済的に量産しう
るので極めて有用である。
【0027】上記熱可塑性樹脂としては特に限定される
ものではないが、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピ
レン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポ
リ塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂等からなる群よ
り選ばれた少なくとも一種の樹脂で形成された単層フィ
ルム或いは複合フィルム等が挙げられる。
ものではないが、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピ
レン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポ
リ塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂等からなる群よ
り選ばれた少なくとも一種の樹脂で形成された単層フィ
ルム或いは複合フィルム等が挙げられる。
【0028】上記ポリエチレン樹脂において、特に線状
低密度ポリエチレン樹脂が微孔性フィルムの生産・加工
性に優れ生産コストが安価であり、しかも、得られた微
孔性フィルムの強度が大きいことより最も好ましい。
低密度ポリエチレン樹脂が微孔性フィルムの生産・加工
性に優れ生産コストが安価であり、しかも、得られた微
孔性フィルムの強度が大きいことより最も好ましい。
【0029】上記線状低密度ポリエチレン樹脂はエチレ
ンとα−オレフィンとの共重合体であり、α−オレフィ
ンとしては、ブテン、ヘキセン、オクテン等が挙げられ
る。
ンとα−オレフィンとの共重合体であり、α−オレフィ
ンとしては、ブテン、ヘキセン、オクテン等が挙げられ
る。
【0030】上記熱可塑性の農産物栽培用微孔性フィル
ムには、所望により、充填剤が配合されたものも含まれ
るが、かかる充填剤としては炭酸カルシウム、タルク、
クレー、カオリン、シリカ、硫酸バリウム、硫酸カオリ
ン、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム、
酸化チタン、アルミナ、マイカ等が挙げられる。
ムには、所望により、充填剤が配合されたものも含まれ
るが、かかる充填剤としては炭酸カルシウム、タルク、
クレー、カオリン、シリカ、硫酸バリウム、硫酸カオリ
ン、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム、
酸化チタン、アルミナ、マイカ等が挙げられる。
【0031】この充填剤の平均粒径は30μm以下のも
のが用いられ、好ましくは0.1〜10μmの範囲のも
のが望ましい。粒径が、大き過ぎると貫通孔が大きくな
り、逆に小さ過ぎると凝集が起こり分散性が劣るから好
ましくない。
のが用いられ、好ましくは0.1〜10μmの範囲のも
のが望ましい。粒径が、大き過ぎると貫通孔が大きくな
り、逆に小さ過ぎると凝集が起こり分散性が劣るから好
ましくない。
【0032】上記農産物栽培用微孔性フィルムにおい
て、熱可塑性樹脂と、充填剤との配合割合は、熱可塑性
樹脂100重量部に対し、充填剤100〜300重量部
の範囲とするのが望ましく、かかる配合割合とすること
により、機械的強度および防水性や透湿性の優れたフィ
ルムが容易に製造できるのである。
て、熱可塑性樹脂と、充填剤との配合割合は、熱可塑性
樹脂100重量部に対し、充填剤100〜300重量部
の範囲とするのが望ましく、かかる配合割合とすること
により、機械的強度および防水性や透湿性の優れたフィ
ルムが容易に製造できるのである。
【0033】又、本発明の熱可塑性農産物栽培用微孔性
フィルムには、充填剤の混練性、分散性を向上させた
り、成形・加工性を向上させたり、或いはフィルムの機
能的強度を向上させるために、オレフィンターポリマー
や軟化剤が配合されていてもよいのである。
フィルムには、充填剤の混練性、分散性を向上させた
り、成形・加工性を向上させたり、或いはフィルムの機
能的強度を向上させるために、オレフィンターポリマー
や軟化剤が配合されていてもよいのである。
【0034】この場合において、熱可塑性樹脂、充填剤
及びオレフィンターポリマー又は軟化剤の配合割合は、
熱可塑性樹脂100重量部に対し、充填剤100〜30
0重量部、オレフィンターポリマー又は軟化剤が5〜1
00重量部の範囲とするのが望ましく、かかる配合割合
とすることにより、機械的強度および防水性や透湿性が
一層優れた微孔フィルムを極めて容易に製造しうるので
ある。
及びオレフィンターポリマー又は軟化剤の配合割合は、
熱可塑性樹脂100重量部に対し、充填剤100〜30
0重量部、オレフィンターポリマー又は軟化剤が5〜1
00重量部の範囲とするのが望ましく、かかる配合割合
とすることにより、機械的強度および防水性や透湿性が
一層優れた微孔フィルムを極めて容易に製造しうるので
ある。
【0035】上記オレフィンターポリマーとしては、数
平均分子量が5000〜800000のゴム状物質であ
れば、特に限定されるものではなく、具体的な代表例と
しては、エチレン、α−オレフィンおよび非共役二重結
合を有する環状または非環状からなる共重合物(所謂E
PDM)が用いられる。
平均分子量が5000〜800000のゴム状物質であ
れば、特に限定されるものではなく、具体的な代表例と
しては、エチレン、α−オレフィンおよび非共役二重結
合を有する環状または非環状からなる共重合物(所謂E
PDM)が用いられる。
【0036】上記熱可塑性農産物栽培用微孔性フィルム
としては、一軸延伸又は二軸延伸により形成された多孔
質の熱可塑性フィルムであって、その平均孔径が60μ
m以下であれば特に限定されるものではなく、延伸によ
り直接微孔性フィルムを形成したもの或いは延伸により
微孔性フィルムを得、次いで、これを更に、酸、アルカ
リ又は水等で可溶性充填剤を溶出して形成した微孔性フ
ィルムでもよいのである。
としては、一軸延伸又は二軸延伸により形成された多孔
質の熱可塑性フィルムであって、その平均孔径が60μ
m以下であれば特に限定されるものではなく、延伸によ
り直接微孔性フィルムを形成したもの或いは延伸により
微孔性フィルムを得、次いで、これを更に、酸、アルカ
リ又は水等で可溶性充填剤を溶出して形成した微孔性フ
ィルムでもよいのである。
【0037】本願請求項3の農産物栽培用微孔性フィル
ムにおいては、微孔性フィルムの片面もしくは両面が通
気性補強用基材で補強されていることにより、当該フィ
ルムの強度が著しく向上するので、このフィルムを土面
に敷設後、この上で作業をしても当該フィルムが破れる
ことがなく、安心して農作業ができるのである。
ムにおいては、微孔性フィルムの片面もしくは両面が通
気性補強用基材で補強されていることにより、当該フィ
ルムの強度が著しく向上するので、このフィルムを土面
に敷設後、この上で作業をしても当該フィルムが破れる
ことがなく、安心して農作業ができるのである。
【0038】ここで用いられる通気性補強用基材として
は、通気性であって、且つフィルム全体の強度を向上さ
せるものであれば特に限定されるものではない。この通
気性補強用基材の代表的なものとしては例えば、熱接着
性多孔質フィルム、パンチングフィルム等の多孔質プラ
スチックフィルム或いは布、不織布更にガラス繊維や金
属繊維で形成した多孔質基材等が挙げられる。
は、通気性であって、且つフィルム全体の強度を向上さ
せるものであれば特に限定されるものではない。この通
気性補強用基材の代表的なものとしては例えば、熱接着
性多孔質フィルム、パンチングフィルム等の多孔質プラ
スチックフィルム或いは布、不織布更にガラス繊維や金
属繊維で形成した多孔質基材等が挙げられる。
【0039】又、上記の微孔性フィルムと通気性補強用
基材との接合は両者を重ねて部分的或いは全面に熱接着
或いは熱融着するか、又は上記両者の間に熱接着性多孔
質フィルムを介在させて部分的或いは全面に熱接着して
もよいのである。
基材との接合は両者を重ねて部分的或いは全面に熱接着
或いは熱融着するか、又は上記両者の間に熱接着性多孔
質フィルムを介在させて部分的或いは全面に熱接着して
もよいのである。
【0040】この接合箇所の面積はフィルムの面積の3
〜100%、好ましくは5〜90%の範囲に亘って全面
に略均一に形成するのが望ましい。複合箇所の面積が、
3%未満ではフィルム相互間の接合面積が小さ過ぎて層
間剥離が部分的に生じ、この結果、得られた積層フィル
ムの機械的強度が不充分となる場合があり、一方、90
%を超えると通気性が低下し、このために地中の水分が
水蒸気となり土面に被覆されたフィルムの下面に溜ま
り、その結果、農産物の正常な成長が妨げられる恐れが
あり、いずれも好ましくないのである。
〜100%、好ましくは5〜90%の範囲に亘って全面
に略均一に形成するのが望ましい。複合箇所の面積が、
3%未満ではフィルム相互間の接合面積が小さ過ぎて層
間剥離が部分的に生じ、この結果、得られた積層フィル
ムの機械的強度が不充分となる場合があり、一方、90
%を超えると通気性が低下し、このために地中の水分が
水蒸気となり土面に被覆されたフィルムの下面に溜ま
り、その結果、農産物の正常な成長が妨げられる恐れが
あり、いずれも好ましくないのである。
【0041】ところで、上記接合部の面積は、例えば金
属製凹凸ロールにおける凸部の占める割合によって極め
て容易に調節しうるのである。
属製凹凸ロールにおける凸部の占める割合によって極め
て容易に調節しうるのである。
【0042】即ち、加熱された金属製凹凸ロール間にフ
ィルムを通過させると、当該金属製凹凸ロールにおける
凸部の頂点にフィルムが接触し、この凸部箇所でフィル
ムは接合されるが、凹部箇所ではフィルムと金属製凹凸
ロールとの接触がないためフィルムに接合部は形成され
ないのである。
ィルムを通過させると、当該金属製凹凸ロールにおける
凸部の頂点にフィルムが接触し、この凸部箇所でフィル
ムは接合されるが、凹部箇所ではフィルムと金属製凹凸
ロールとの接触がないためフィルムに接合部は形成され
ないのである。
【0043】上記熱接着性多孔質フィルムとしては、多
孔質であって加熱により接着性が発現するものであれば
特に限定されるものではない。この熱接着性多孔質フィ
ルムとしては、特に、ホットメルト系樹脂で形成された
ものが他のフィルムとの熱接着性が良好で優れた補強効
果が得られるから好ましいのである。
孔質であって加熱により接着性が発現するものであれば
特に限定されるものではない。この熱接着性多孔質フィ
ルムとしては、特に、ホットメルト系樹脂で形成された
ものが他のフィルムとの熱接着性が良好で優れた補強効
果が得られるから好ましいのである。
【0044】具体的には、例えばエチレン−酢酸ビニル
共重合樹脂やエチレン−イソブチルアクリレート共重合
体樹脂などのエチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂
等のエチレン系ホットメルト樹脂等が挙げられるが、こ
れらのうち特にエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチ
レン−アクリル酸エステル共重合樹脂が優れた接着力を
有し、しかも安価である上、生産・加工性に優れている
から好ましい。
共重合樹脂やエチレン−イソブチルアクリレート共重合
体樹脂などのエチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂
等のエチレン系ホットメルト樹脂等が挙げられるが、こ
れらのうち特にエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチ
レン−アクリル酸エステル共重合樹脂が優れた接着力を
有し、しかも安価である上、生産・加工性に優れている
から好ましい。
【0045】上記エチレン系ホットメルト樹脂におい
て、酢酸ビニル含有量が8〜40重量%、メルトインデ
ックス(MI)が0.9〜20の範囲であって融点が40
〜100℃のものが良好な加工性や接着力が得られるの
で好ましい。
て、酢酸ビニル含有量が8〜40重量%、メルトインデ
ックス(MI)が0.9〜20の範囲であって融点が40
〜100℃のものが良好な加工性や接着力が得られるの
で好ましい。
【0046】上記熱接着性多孔質フィルムは、公知の方
法で熱接着性フィルムを得、該フィルムを一軸延伸又は
二軸延伸したり或いはかくして得られたフィルム中の可
溶性充填剤を酸、アルカリ、又は水等で溶出するなどの
方法により得られる。
法で熱接着性フィルムを得、該フィルムを一軸延伸又は
二軸延伸したり或いはかくして得られたフィルム中の可
溶性充填剤を酸、アルカリ、又は水等で溶出するなどの
方法により得られる。
【0047】又、この熱接着性多孔質フィルムには、種
々の酸化防止剤や帯電防止剤等の添加剤を適量配合した
ものも挙げられる。
々の酸化防止剤や帯電防止剤等の添加剤を適量配合した
ものも挙げられる。
【0048】本願請求項4の農産物栽培用微孔性フィル
ムにおいてはその通気度が2000sec/100cc以下
で、且つ透湿度が1000g/m2・day以上であることよ
り、適度の通気性が得られる上、透湿度が極めて良好で
土中の水分のコントロールが極めて良好になり、このた
め特に土中の水分が上方に移動し易い条件下でも水分が
フィルムの下面に溜まることを防止できるのであり、従
って、糖含量が高い等の品質の優れた果実が得られるの
である。
ムにおいてはその通気度が2000sec/100cc以下
で、且つ透湿度が1000g/m2・day以上であることよ
り、適度の通気性が得られる上、透湿度が極めて良好で
土中の水分のコントロールが極めて良好になり、このた
め特に土中の水分が上方に移動し易い条件下でも水分が
フィルムの下面に溜まることを防止できるのであり、従
って、糖含量が高い等の品質の優れた果実が得られるの
である。
【0049】又、上記目的を達成するために、本発明の
農産物の栽培方法においては、上述の農産物栽培用微孔
性フィルムを用いて農産物が植えられている土面を被覆
することにより、果実の成育後半から成熟期にかけて土
中の水分を管理したり、土壌温度を挙げたりすることに
より高品質の農産物が得られる上、土中の炭酸ガス濃度
及び光の透過率を制御し、雑草の成育防止、土壌環境維
持を行うことができるのである。
農産物の栽培方法においては、上述の農産物栽培用微孔
性フィルムを用いて農産物が植えられている土面を被覆
することにより、果実の成育後半から成熟期にかけて土
中の水分を管理したり、土壌温度を挙げたりすることに
より高品質の農産物が得られる上、土中の炭酸ガス濃度
及び光の透過率を制御し、雑草の成育防止、土壌環境維
持を行うことができるのである。
【0050】
【作用】本発明の農産物栽培用微孔性フィルムにおいて
は、これを用いて農産物が植えられている土面を被覆す
ることにより、果実の成育後半から成熟期にかけての降
雨水が土壌中に入るのを防ぎ、且つ地中からの水蒸気を
自由に空気中に放出させて地中の水分をコントロールす
ることができるのであり、このため果実の糖含量を向上
させ、これによって、品質の優れた果実を得ることがで
きるのであり、又、地中の水分がフィルムの下面にたま
ることを防止できる上、このフィルムの敷設によって防
水性、防風性を兼ね備えるのであり、しかも土中の炭酸
ガス濃度及び光の透過率を制御し、雑草の成育防止、土
壌環境維持を行うことができる作用を有するのである。
は、これを用いて農産物が植えられている土面を被覆す
ることにより、果実の成育後半から成熟期にかけての降
雨水が土壌中に入るのを防ぎ、且つ地中からの水蒸気を
自由に空気中に放出させて地中の水分をコントロールす
ることができるのであり、このため果実の糖含量を向上
させ、これによって、品質の優れた果実を得ることがで
きるのであり、又、地中の水分がフィルムの下面にたま
ることを防止できる上、このフィルムの敷設によって防
水性、防風性を兼ね備えるのであり、しかも土中の炭酸
ガス濃度及び光の透過率を制御し、雑草の成育防止、土
壌環境維持を行うことができる作用を有するのである。
【0051】又、土壌温度を上昇して果実や果菜類の農
産物の成長を促進したり、雑草の成育を押さえる、土壌
環境の維持等の作用を有するのである。
産物の成長を促進したり、雑草の成育を押さえる、土壌
環境の維持等の作用を有するのである。
【0052】更に、本発明の農産物の栽培方法において
は、上述の農産物栽培用微孔性フィルムを用いて農産物
が植えられている土面を被覆し、これによって、果実の
成育後半から成熟期にかけて土中の水分を管理したり、
果菜類の成長を促進することにより高品質の農産物が得
られるのであり、しかも土中の炭酸ガス濃度及び光の透
過率を制御し、雑草の成育防止、土壌環境維持を行うこ
とができる作用を有するのである。
は、上述の農産物栽培用微孔性フィルムを用いて農産物
が植えられている土面を被覆し、これによって、果実の
成育後半から成熟期にかけて土中の水分を管理したり、
果菜類の成長を促進することにより高品質の農産物が得
られるのであり、しかも土中の炭酸ガス濃度及び光の透
過率を制御し、雑草の成育防止、土壌環境維持を行うこ
とができる作用を有するのである。
【0053】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0054】微孔性フィルムの製造
第1表に各々示すように、熱可塑性樹脂として線状低密
度ポリエチレン(ポリマー成分)(MI2.0、密度0.
93)、オレフィンターポリマーとしてEPDM(商品名
EPT9720、三井石油化学(製))、軟化剤としてポ
リブテン(数平均分子量1260)、充填剤として炭酸カ
ルシウム(平均粒径2μm、脂肪酸処理)、滑剤としてス
テアリン酸、着色剤としてブラックマスターカラーを、
表1に各々示す配合割合で配合して充分に撹拌混合し、
この混合物を二軸混練機(TEM−50、東芝機械社
(製))により充分に混練して得た組成物を、常法により
造粒する。
度ポリエチレン(ポリマー成分)(MI2.0、密度0.
93)、オレフィンターポリマーとしてEPDM(商品名
EPT9720、三井石油化学(製))、軟化剤としてポ
リブテン(数平均分子量1260)、充填剤として炭酸カ
ルシウム(平均粒径2μm、脂肪酸処理)、滑剤としてス
テアリン酸、着色剤としてブラックマスターカラーを、
表1に各々示す配合割合で配合して充分に撹拌混合し、
この混合物を二軸混練機(TEM−50、東芝機械社
(製))により充分に混練して得た組成物を、常法により
造粒する。
【0055】この組成物を溶融して65φのインフレー
ション押出し機によりフィルム化し、かくして得られた
フィルムをロール延伸機により一軸延伸を行い、これに
よって表1に各々示す延伸率の農産物栽培用微孔性フィ
ルム(黒色)を得た。
ション押出し機によりフィルム化し、かくして得られた
フィルムをロール延伸機により一軸延伸を行い、これに
よって表1に各々示す延伸率の農産物栽培用微孔性フィ
ルム(黒色)を得た。
【0056】この場合、延伸条件としては延伸温度60
℃、延伸速度6m/min、延伸率は、ロールの速度比を変
えることにより、表1から表3の値になるように各々調
節した。
℃、延伸速度6m/min、延伸率は、ロールの速度比を変
えることにより、表1から表3の値になるように各々調
節した。
【0057】得られた農産物栽培用微孔性フィルムには
延伸ムラもなく、多孔質化されたフィルムであった。
延伸ムラもなく、多孔質化されたフィルムであった。
【0058】実施例1〜4
得られた各々の農産物栽培用微孔性フィルムを早生温州
ミカンを栽培している土面に9月10日〜10月10日
の間敷設し(試験地、熊本県)、その収穫後の早生温州ミ
カンの糖含量(糖度)更に農産物の状態を肉眼で観察し
た。尚、この間の降雨量は90mmであった。その結果を
表4に示す。
ミカンを栽培している土面に9月10日〜10月10日
の間敷設し(試験地、熊本県)、その収穫後の早生温州ミ
カンの糖含量(糖度)更に農産物の状態を肉眼で観察し
た。尚、この間の降雨量は90mmであった。その結果を
表4に示す。
【0059】比較例1〜5
実施例と同様の組成物を用い、これを溶融して65φの
インフレーション押出し機によりフィルム化し、かくし
て得られたフィルムをそのまま用いたり(比較例4)、又
は、得られたフィルムを実施例と同様に延伸(比較例1
〜3)したり、更に、得られたフィルムを機械的穿孔に
より500μmの孔を形成したものを用いた(比較例
5)。これらのフィルムを用い、実施例と同様の試験を
行った。その結果を表4に示す。
インフレーション押出し機によりフィルム化し、かくし
て得られたフィルムをそのまま用いたり(比較例4)、又
は、得られたフィルムを実施例と同様に延伸(比較例1
〜3)したり、更に、得られたフィルムを機械的穿孔に
より500μmの孔を形成したものを用いた(比較例
5)。これらのフィルムを用い、実施例と同様の試験を
行った。その結果を表4に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】又、上記農産物栽培用微孔性フィルムを温
州ミカンを栽培している土面に敷設し、光線透過率、炭
酸ガス濃度、さらには、雑草の成育状態について観察し
た。その結果を表5に示す。
州ミカンを栽培している土面に敷設し、光線透過率、炭
酸ガス濃度、さらには、雑草の成育状態について観察し
た。その結果を表5に示す。
【0065】この際、比較例として微孔質性フィルム
(白)、市販のビニルフィルム、市販の黒色ポリフィルム
についても観察した。
(白)、市販のビニルフィルム、市販の黒色ポリフィルム
についても観察した。
【0066】
【表5】
【0067】注1) 表2において、延伸率は、次式によ
り測定した。
り測定した。
【0068】
【式2】
【0069】注2) 表2において、透湿度はJIS L
1099による方法で測定した。
1099による方法で測定した。
【0070】注3) 表3において、防水性はJIS L
−1092(高水圧法…静水圧法)により測定した。
−1092(高水圧法…静水圧法)により測定した。
【0071】注4) 表3において、晴天地の結露は40
℃で相対湿度50%時での各種フィルムの裏面の結露情
況を肉眼により観察した。
℃で相対湿度50%時での各種フィルムの裏面の結露情
況を肉眼により観察した。
【0072】注5) 表3において、降雨時の防水性は2
0mm/hr降水時の各種フィルムの防水性をチェックし
た。 即ち、各フィルムの下に吸取紙を置きこのフィルムに高
さ10mmの水溜りをつくり、その後微孔性フィルムを剥
がして吸取紙が吸水していれば防水性は不良とし、吸取
紙が吸水していなければ防水性は良好とした。
0mm/hr降水時の各種フィルムの防水性をチェックし
た。 即ち、各フィルムの下に吸取紙を置きこのフィルムに高
さ10mmの水溜りをつくり、その後微孔性フィルムを剥
がして吸取紙が吸水していれば防水性は不良とし、吸取
紙が吸水していなければ防水性は良好とした。
【0073】注6) 表4において、糖度は屈折糖度計示
度により測定した。
度により測定した。
【0074】注7) 表5において、光透過率は、照度計
を用い、フィルム上とフィルム下の照度を測定し、以下
の計算を行った。
を用い、フィルム上とフィルム下の照度を測定し、以下
の計算を行った。
【0075】
【式3】
【0076】注8) 表5において、CO2濃度指数は、
根部が密性している付近に小穴をあけた塩ビパイプ(φ
20mm)をカンレイシャで包み、塩ビチューブ(φ5mm)
を付けて埋め込んだ。1ケ月後、パイプに溜まったガス
を1ml(2反復)抜き取り、ガスクロマトグラフィーに
かけて測定した。炭酸ガス濃度は、日立ガスクロマトグ
ラフ164型:シリカゲルカラム(1m)を設けた熱伝導度
検出器(TCD)を用い、カラム温度90℃、Heガス
1.1kg/cm2で測定した。
根部が密性している付近に小穴をあけた塩ビパイプ(φ
20mm)をカンレイシャで包み、塩ビチューブ(φ5mm)
を付けて埋め込んだ。1ケ月後、パイプに溜まったガス
を1ml(2反復)抜き取り、ガスクロマトグラフィーに
かけて測定した。炭酸ガス濃度は、日立ガスクロマトグ
ラフ164型:シリカゲルカラム(1m)を設けた熱伝導度
検出器(TCD)を用い、カラム温度90℃、Heガス
1.1kg/cm2で測定した。
【0077】注9) 表5において、雑草の成育状態、カ
ビの発生具合は、顕微鏡及び肉眼にて観察した。
ビの発生具合は、顕微鏡及び肉眼にて観察した。
【0078】表1から表3に示す結果より、各実施例の
ものは防水性が良好であり、しかも晴天時におけるフィ
ルムの下面の結露も認められなかった。これに対し、比
較例1・2及び比較例5のものは防水性が著しく悪く、
水がフィルムを透過することが認められるのであり、
又、比較例3のものは一部に結露が認められ、更に、比
較例4のものは結露が認められた。
ものは防水性が良好であり、しかも晴天時におけるフィ
ルムの下面の結露も認められなかった。これに対し、比
較例1・2及び比較例5のものは防水性が著しく悪く、
水がフィルムを透過することが認められるのであり、
又、比較例3のものは一部に結露が認められ、更に、比
較例4のものは結露が認められた。
【0079】又、表4に示す結果より、各実施例のもの
は、糖度更に樹勢状態のいずれも良好であることが認め
られる。
は、糖度更に樹勢状態のいずれも良好であることが認め
られる。
【0080】これに対し、比較例1・2及び比較例5の
ものは糖度が低いことが認められる。又、比較例3・4
のものは根腐れが生じ、樹勢が低下していることが認め
られた。 表5に示す結果より実施例である微孔性フィ
ルム(黒)はほとんど雑草の成育が無く、土壌の環境を破
壊するカビの発生も見られなかった。これに対し、比較
例のものは雑草の発生、カビの発生が認められた。
ものは糖度が低いことが認められる。又、比較例3・4
のものは根腐れが生じ、樹勢が低下していることが認め
られた。 表5に示す結果より実施例である微孔性フィ
ルム(黒)はほとんど雑草の成育が無く、土壌の環境を破
壊するカビの発生も見られなかった。これに対し、比較
例のものは雑草の発生、カビの発生が認められた。
【0081】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されている効果を奏する。
ているので、以下に記載されている効果を奏する。
【0082】請求項1の農産物栽培用微孔性フィルムに
おいては、農産物が植えられている土面を被覆する微孔
性フィルムの平均孔径が0.01〜60μmであるの
で、果実の成育後半から成熟期にかけての土中水分を管
理することにより、果実の糖含量を向上させたり、果菜
類の成長を促進する等、品質の優れた農産物を得ること
ができるのであり、又、地中の水分がフィルムの下面に
たまることを防止できるので農産物の正常な成長を促進
できるのであり、更にこのフィルムの敷設によって防水
性、防風性が向上するのであり、しかも土中の炭酸ガス
濃度及び光の透過率をコントロールして雑草の成育防止
を図ったり、土壌の環境の維持を図るなどの効果を奏す
るのである。
おいては、農産物が植えられている土面を被覆する微孔
性フィルムの平均孔径が0.01〜60μmであるの
で、果実の成育後半から成熟期にかけての土中水分を管
理することにより、果実の糖含量を向上させたり、果菜
類の成長を促進する等、品質の優れた農産物を得ること
ができるのであり、又、地中の水分がフィルムの下面に
たまることを防止できるので農産物の正常な成長を促進
できるのであり、更にこのフィルムの敷設によって防水
性、防風性が向上するのであり、しかも土中の炭酸ガス
濃度及び光の透過率をコントロールして雑草の成育防止
を図ったり、土壌の環境の維持を図るなどの効果を奏す
るのである。
【0083】請求項2の農産物栽培用微孔性フィルムに
おいては当該フィルムが熱可塑性樹脂からなることによ
り、品質が安定したものを経済的に量産しうるのであ
り、このように品質の安定したフィルムを用いることに
より、優れた品質の農産物が得られるのである。
おいては当該フィルムが熱可塑性樹脂からなることによ
り、品質が安定したものを経済的に量産しうるのであ
り、このように品質の安定したフィルムを用いることに
より、優れた品質の農産物が得られるのである。
【0084】請求項3の農産物栽培用微孔性フィルムに
おいては、微孔性フィルムの片面もしくは両面が通気性
補強用基材で補強されていることにより、当該フィルム
の強度が著しく向上するので、このフィルムを土面に敷
設後、この上で作業をしても当該フィルムが破れること
がなく、安心して農作業ができるのである。
おいては、微孔性フィルムの片面もしくは両面が通気性
補強用基材で補強されていることにより、当該フィルム
の強度が著しく向上するので、このフィルムを土面に敷
設後、この上で作業をしても当該フィルムが破れること
がなく、安心して農作業ができるのである。
【0085】請求項4の農産物栽培用微孔性フィルムに
おいてはその通気度が2000sec/100cc以下で、
且つ透湿度が1000g/m2・24hrs以上であることよ
り、適度の通気性が得られる上、透湿度が極めて良好で
土中の水分のコントロールが極めて良好であり、このた
め特に土中の水分が上方に移動し易い条件下でも水分が
フィルムの下面にたまることを防止できるのであり、従
って、糖含量が高い等の品質の優れた農産物が得られる
のである。
おいてはその通気度が2000sec/100cc以下で、
且つ透湿度が1000g/m2・24hrs以上であることよ
り、適度の通気性が得られる上、透湿度が極めて良好で
土中の水分のコントロールが極めて良好であり、このた
め特に土中の水分が上方に移動し易い条件下でも水分が
フィルムの下面にたまることを防止できるのであり、従
って、糖含量が高い等の品質の優れた農産物が得られる
のである。
【0086】請求項5の農産物の栽培方法においては、
上述の農産物栽培用微孔性フィルムを用いて農産物が植
えられている土面を被覆して農産物を栽培するものであ
り、ビニールハウスを用いるのに比べて至極安価であ
り、しかも果実の成育後半から熟成期にかけて土中の水
分を管理することにより高品質の果実が得られる上、土
中の炭酸ガス濃度及び光の透過率をコントロールして雑
草の成育防止を図ったり、土壌の環境の維持を図ること
ができるので極めて有益である。
上述の農産物栽培用微孔性フィルムを用いて農産物が植
えられている土面を被覆して農産物を栽培するものであ
り、ビニールハウスを用いるのに比べて至極安価であ
り、しかも果実の成育後半から熟成期にかけて土中の水
分を管理することにより高品質の果実が得られる上、土
中の炭酸ガス濃度及び光の透過率をコントロールして雑
草の成育防止を図ったり、土壌の環境の維持を図ること
ができるので極めて有益である。
フロントページの続き
(72)発明者 大根 達彦
大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東
電工株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】農産物が植えられている土面を被覆する微
孔性フィルムであって、該微孔性フィルムの平均孔径が
0.01〜60μmであり、且つこの微孔性フィルム
は、その光透過率が10%以下になる様に彩色を施して
なる事を特徴とする農産物栽培用微孔性フィルム。 - 【請求項2】微孔性フィルムが熱可塑性樹脂からなる請
求項1に記載の農産物栽培用微孔性フィルム。 - 【請求項3】微孔性フィルムの片面もしくは両面が通気
性強用基材で補強されている請求項1又は2に記載の農
産物栽培用微孔性フィルム。 - 【請求項4】微孔性フィルムは、その通気度が2000
sec/100cc以下で、且つ透湿度が1000g/m2・da
y以上である請求項1ないし3のいずれかに記載の農産
物栽培用微孔性フィルム。 - 【請求項5】請求項1ないし4のいずれかに記載された
農産物栽培用微孔性フィルムを用いて農産物が植えられ
ている土面を被覆する事を特徴とする農産物の栽培方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19593991A JPH0515262A (ja) | 1991-07-09 | 1991-07-09 | 農産物栽培用微孔性フイルム及びこれを用いた農産物の栽培方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19593991A JPH0515262A (ja) | 1991-07-09 | 1991-07-09 | 農産物栽培用微孔性フイルム及びこれを用いた農産物の栽培方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0515262A true JPH0515262A (ja) | 1993-01-26 |
Family
ID=16349488
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19593991A Pending JPH0515262A (ja) | 1991-07-09 | 1991-07-09 | 農産物栽培用微孔性フイルム及びこれを用いた農産物の栽培方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0515262A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110050624A (zh) * | 2019-03-22 | 2019-07-26 | 泰安市泰山林业科学研究院 | 一种基于负压技术与液体浸泡的黑松裸根树苗造林方法 |
JP2020096537A (ja) * | 2018-12-17 | 2020-06-25 | 大日本印刷株式会社 | 農業シート |
-
1991
- 1991-07-09 JP JP19593991A patent/JPH0515262A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020096537A (ja) * | 2018-12-17 | 2020-06-25 | 大日本印刷株式会社 | 農業シート |
CN110050624A (zh) * | 2019-03-22 | 2019-07-26 | 泰安市泰山林业科学研究院 | 一种基于负压技术与液体浸泡的黑松裸根树苗造林方法 |
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