JPH0515142Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、シフトレバーによるコントロールポ
ジシヨンを表示する自動車用自動変速機の表示装
置に関する。

（従来の技術） 一般に、自動車用自動変速機の表示装置は、た
とえば、特開昭62−214024号公報に示されるよう
に、各ポジシヨン記号を表示したポジシヨンプレ
ートの内面に沿つて、シフトレバーと共動する指
針を移動自在に設けている。そして、シフトレバ
ーはその下部の支点を中心として円弧運動するこ
とから、これにともなつて指針も円弧運動させ、
ポジシヨンプレートも下方に向つて彎曲した、す
なわち、長さ方向の前後部が中央部より低位にあ
る円弧状に形成している。

この場合、ポジシヨンプレートの曲面とシフト
レバーに追従する指針の移動軌跡とが同心の曲率
であるので、ポジシヨンプレートと指針との間の
距離は各位置で一定に保たれる。

しかし、近時、造形形状等の点から、ポジシヨ
ンプレートを上記とは逆方向にわずかに彎曲した
表示装置が考えられている。

この表示装置は、第４図および第５図に示すよ
うに、ケース１の前後方向に細長い表示窓２に、
上方に向つてわずかに彎曲したすなわち長さ方向
の前後部が中央部より高位にある円弧状に形成さ
れたポジシヨンプレート３が取付けられ、このポ
ジシヨンプレート３の長さ方向に沿つて各ポジシ
ヨン位置に各ポジシヨン記号とともに透明な表示
部４が設けられている。また、上記ケース１とこ
の内側に設けられたインナーケース５の上記表示
窓２に沿う長孔６，７間に下方に向つて円弧状に
わずかに彎曲した遮蔽板８が摺動自在に支持さ
れ、この遮蔽板８のシフトレバー孔９にシフトレ
バー１０が挿通されているとともに、遮蔽板８の
一側に上記ポジシヨンプレート３の内面に臨ませ
て着色した指針１１が突設されている。また、上
記ポジシヨンプレート３の下方に光源１２が配設
されている。

そして、シフトレバー１０をその下部の支点を
中心として前後方向に回動操作してポジシヨンを
切換えると、シフトレバー１０とともに遮蔽板８
が前後方向に摺動する。この際、ケース１とイン
ナーケース５の間の案内面およびこれに沿う遮蔽
板８は、シフトレバー１０の支点と同心の下方に
わずかに彎曲した円弧状をなしていて、指針１１
もその円弧面Ｒにならつてポジシヨンプレート３
の内側で移動し各ポジシヨンの１つの表示部４を
表示する。そして、夜間などにおいては、光源１
２の点灯により各表示部４を光らせる。

（考案が解決しようとする課題） 上記の表示装置によると、指針１１は下方にわ
ずかに彎曲した円弧面Ｒに沿つて円弧運動する
が、ポジシヨンプレート３は反対に上方へわずか
に彎曲した円弧面となつているため、各ポジシヨ
ン位置においてポジシヨンプレート３の表示部４
の裏面と指針１１との間の距離ｌが変化し、すな
わち、ポジシヨンプレート３の中央側の距離l₁よ
り前後端側の距離l₂が大きくなつて一定に保てな
いため、赤色光等による光源１２からの光が拡散
し、視認性が悪くなる。

本考案は、このような点を解決しようとするも
ので、ポジシヨンプレートと指針との間の距離を
一定にし、視認性を向上することを目的とするも
のである。

〔考案の構成〕

（課題を解決するための手段） 本考案の自動車用自動変速機の表示装置は、長
さ方向の前後部が中央部より高位にある円弧状に
形成されかつ長さ方向に沿つて各ポジシヨン記号
１４が表示されたポジシヨンプレート３と、この
ポジシヨンプレート３の内側に沿つて移動自在に
設けられシフトレバー１０と共動する指針１１と
を備え、上記ポジシヨンプレート３の各ポジシヨ
ン記号１４の側部にレンズ１６をそれぞれ埋設
し、この各レンズ１６の厚さを上記ポジシヨンプ
レート１３の長さ方向の中央部に位置するレンズ
１６から前後部に遠く位置するレンズ１６になる
ほどしだいに厚くして、各レンズ１６と上記指針
１１との間の距離を一定にしたものである。

（作用） 本考案では、シフトレバー１０をその下部の支
点を中心として前後方向に回動操作してポジシヨ
ンを切換えると、指針１１が下方に向つてわずか
に彎曲した円弧面Ｒにならつてポジシヨンプレー
ト３の内側で移動し、各ポジシヨン記号１４に対
応するレンズ１６を介してそのポジシヨンを表示
する。

この際、ポジシヨンプレート３は上方に向つて
わずかに彎曲しているが、各ポジシヨンにおける
レンズ１６と指針１１との間の距離ｌは一定であ
るので、前後においても指針１１による表示が一
定となり、視認性を良好にしている。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を第１図ないし第３図
を参照して説明する。

この第１図ないし第３図に示す装置も、基本的
には、前記第４図および第５図に示した装置と同
様に、ケース１、表示窓２、ポジシヨンプレート
３、表示部４、インナーケース５、長孔６，７、
遮蔽板８、シフトレバー孔９、シフトレバー１
０、指針１１、光源１２の構成を備えており、対
応する部分に同一符号を付し、詳細な説明は省略
する。

そして、ポジシヨンプレート３は、上方に向つ
てわずかに彎曲したすなわち長さ方向の前後部が
中央部より高位にある円弧状に形成され、かつ、
指針１１は、シフトレバー１０の支点と同心の下
方に向つてわずかに彎曲した円弧面Ｒに沿つてポ
ジシヨンプレート３の内側で移動する。

そして、本考案では、上記ポジシヨンプレート
３の表示部４において、ポジシヨンプレート３の
長さ方向に沿つて表示された各ポジシヨン記号１
４の一側部に表示孔１５をそれぞれ形成し、この
各表示孔１５に透明レンズ１６をそれぞれ埋設す
る。この各レンズ１６の厚さは、ポジシヨンプレ
ート３の長さ方向の中央部に位置するレンズ１６
から前後部に遠く位置するレンズ１６になるほど
しだいに厚くし、各レンズ１６をその上面をポジ
シヨンプレート３の上面と面一にして取付けて、
内方への突出高さを異ならせ、各レンズ１６の内
端と上記各位置の指針１１との間の距離ｌを一定
にしている。

そうして、シフトレバー１０をその下部の支点
を中心として前後方向に回動操作してポジシヨン
を切換えると、指針１１が下方に向つてわずかに
彎曲した円弧面Ｒにならつてポジシヨンプレート
３の内側で移動し、各ポジシヨン記号１４に対応
するレンズ１６を介してそのポジシヨンを表示す
る。

この際、ポジシヨンプレート３は上方に向つて
わずかに彎曲しているが、各ポジシヨンにおける
レンズ１６と指針１１との間の距離ｌは一定であ
るので、前後においても指針１１による表示が一
定となり、視認性を良好にしている。

〔考案の効果〕

本考案によれば、シフトレバーの操作によりポ
ジシヨンを切換えるとともに指針を移動し、各ポ
ジシヨン記号に対応するレンズを介してそのポジ
シヨンを表示する際、ポジシヨンプレートが上方
に向つてわずかに彎曲していても、各ポジシヨン
におけるレンズと指針との間の距離は一定である
ので、前後においても指針による表示が一定とな
り、視認性が良好となり、安全性を向上すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の装置の一実施例を示す断面
図、第２図はその一部の拡大断面図、第３図はそ
のポジシヨンプレートの斜視図、第４図は従来の
装置の断面図、第５図はその一部の拡大断面図で
ある。 ３……ポジシヨンプレート、１０……シフトレ
バー、１１……指針、１４……ポジシヨン記号、
１６……レンズ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 長さ方向の前後部が中央部より高位にある円弧
   状に形成されかつ長さ方向に沿つて各ポジシヨン
   記号が表示されたポジシヨンプレートと、 このポジシヨンプレートの内側に沿つて移動自
   在に設けられシフトレバーと共動する指針とを備
   え、 上記ポジシヨンプレートの各ポジシヨン記号の
   側部にレンズをそれぞれ埋設し、この各レンズの
   厚さを上記ポジシヨンプレートの長さ方向の中央
   部に位置するレンズから前後部に遠く位置するレ
   ンズになるほどしだいに厚くして、各レンズと上
   記指針との間の距離を一定にした ことを特徴とする自動車用自動変速機の表示装
   置。