JPH05150549A - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナーの製造方法

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JPH05150549A
JPH05150549A JP3317615A JP31761591A JPH05150549A JP H05150549 A JPH05150549 A JP H05150549A JP 3317615 A JP3317615 A JP 3317615A JP 31761591 A JP31761591 A JP 31761591A JP H05150549 A JPH05150549 A JP H05150549A
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JP
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toner
polymerizable monomer
polymerization
resin
parts
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JP3317615A
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Kazunari Takemura
一成 竹村
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、電子写真法、静電記録法及び静電
印刷法において静電荷像を現像するためのトナーの製造
方法を提供する。 【構成】 着色剤、帯電制御剤を含む重合性単量体混合
物を懸濁重合法により重合せしめて静電荷像現像用トナ
ーを得るに際して、該重合性単量体混合物中に、溶解度
パラメータが 9.0〜15.0(cal/cm3)1/2であり且つそのガ
ラス転移温度(Tg)が上記重合性単量体を重合して得ら
れる樹脂のTgより高い樹脂様物質を添加含有せしめて懸
濁重合を行わせることを特徴とする静電荷像現像用トナ
ーの製造方法。 【効果】 本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法に
よれば、従来実現されていなかった低温定着性と保存安
定性の両立を可能にしたばかりでなく、懸濁重合を用い
るというコスト的メリットを損なうこともなく、又従来
からの懸濁重合の特長である流動性の良い、粒径分布の
シャープなトナーが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法及び静電印刷法において静電荷像を現像するためのト
ナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
トナーを得るためには熱可塑性樹脂を溶融し、これに染
料、顔料等の着色剤、帯電制御剤、必要によりオフセッ
ト防止剤、定着促進剤、磁性体等を加えて十分に混練
し、冷却固化させた後、これを粗粉砕、微粉砕し、更に
所望の粒径を得るために分級を行う方法が実施されてい
た。しかしながらこの方法には種々の欠点が存在する。
即ち、第一にはコストであり、樹脂製造のために多くの
装置が必要であることや、工程数が多いこと、又分級を
行わなければならないので収率が低下することが挙げら
れる。特に近年、高画質化の流れが顕著になりトナーは
小粒径化する方向にあり、そうした場合分級効率はます
ます悪くなり、更なるコストアップを招く。第二には得
られるトナーが不定形であるために流動性が悪い点であ
り、これもトナーを小粒径化した場合ますますひどくな
ってしまう。トナーの流動性が悪いと画質が低下し、耐
刷時にはトナー濃度の制御が困難になる。第三には得ら
れるトナーが摩擦帯電の際の攪拌によって微粉が生じや
すい点であり、画像のカブリの原因となる。このように
従来トナーは様々な欠点を有したものであるが、今後さ
らに大きな問題が生じてくると思われる。即ち、これか
らは毎分60枚を超えるような大型の複写機であれ、非常
に安価な低速のプリンターであれ、トナーは低温定着性
を強く求められるようになり、上述のトナーでは対処で
きない。
【0003】これらの問題を一挙に解決する方法とし
て、懸濁重合法により低温定着性に優れたトナーを製造
する方法やマイクロカプセル化したトナーを製造する方
法が、近年多数提案されている。例えば、特開昭61−11
8758号公報には、懸濁重合法を応用したものとして、懸
濁重合で得られたトナーをシードとし、Tg(ガラス転移
温度)がシードより高い親水性の第2のモノマーを吸収
させ、保存安定性と低温定着性の両立を図る方法が提案
されている。しかしながら、このような方法では第2の
モノマーは十分な外殻を形成できず、満足のいく保存安
定性を有するトナーは得られない。又特開昭62−75543
号公報には、マイクロカプセル化したトナーが提案され
ている。しかし、このような方法においては、コスト的
に高くなるばかりか、界面重合を利用するような場合に
は、シェルの厚さのコントロールが難しく、トナーの合
一の問題も発生し、いまだ実際的な方法は開発されてい
ないのが現状である。更に、最近メカノケミカル的な方
法により乾式でカプセルトナーを得る方法が種々提案さ
れている。一例として、特開平3−77960 号公報を挙げ
ることができるが、このような方法では、すべてのトナ
ーを均一にカプセル化することは極めて困難であり、歩
留りが悪く、分級工程を有する等コスト的にも現実的な
ものとは言えない。
【0004】本発明の目的は、上述のような従来技術の
持つ問題点を解決することである。即ち懸濁重合法を利
用することにより、低温定着性に優れ、且つ保存安定性
の良いトナーを提供することにある。又、本発明の別の
目的は、流動性に優れた、粒径分布のシャープな低温定
着トナーを提供することにある。更に本発明のその他の
目的は、懸濁重合法によってトナーを製造する方法にお
いて、優れた低温定着性と良好な保存安定性を合わせ持
ち、且つ球形で流動性が良く、粒径分布のシャープなト
ナーを安価に製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討を重ねた結果、特定の樹脂様
物質を用いて、該樹脂様物質をトナー表面に偏在せしめ
ることにより、優れた低温定着性を有し、且つ良好な保
存安定性を示すトナーが得られることを見出し、本発明
を完成するに至ったものである。即ち本発明は、着色
剤、帯電制御剤を含む重合性単量体混合物を懸濁重合法
により重合せしめて静電荷像現像用トナーを得るに際し
て、該重合性単量体混合物中に、溶解度パラメータが
9.0〜15.0(cal/cm3)1/2であり且つそのガラス転移温度
(Tg)が上記重合性単量体を重合して得られる樹脂のTg
より高い樹脂様物質を添加含有せしめて懸濁重合を行わ
せることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法
に係るものである。
【0006】本発明において得られるトナーは、ガラス
転移温度(Tg)が高い樹脂様物質に表面が覆われてお
り、一種のカプセルトナーのようなものなので、内部の
主体となる樹脂をガラス転移温度(Tg)が低い、且つ低
分子量のものから構成し、低温定着性を高めた場合でも
良好な保存安定性を有する。即ち、優れた低温定着性と
保存安定性を合わせ持つトナーである。又メカノケミカ
ル的な方法で得られるカプセルトナーのようにシェルの
厚みが不均一になることがなく、耐刷時にシェルが壊れ
て、トナーが融着するようなことがない。さらに、本発
明では安定した懸濁状態のもとに重合が行われるので、
凝集物はほとんどなく、又トナーの粒径分布も通常の懸
濁重合法を用いた時に比べ、何ら変化することはないの
で、シャープな粒径分布を持つトナーを安価に得ること
ができる。
【0007】このように本発明は、安価で、流動性が良
く、優れた低温定着性を有し、且つ保存安定性の良い静
電荷像現像用トナーの製造方法に係るものである。以下
にその具体的な方法について詳述する。まず重合性単量
体にカーボンブラック等の着色剤、帯電制御剤、ワック
ス、その他必要に応じてトナー特性改良剤を加え、さら
に溶解度パラメータが 9.0〜15.0(cal/cm3)1/2であり、
且つそのガラス転移温度(Tg)が前記重合性単量体を重
合して得られる樹脂のTgより高い樹脂様物質を添加し、
これらを混合分散せしめる。この時更に効率良く樹脂様
物質を表面に偏在させるために、重合不活性な溶剤を添
加しておくと良い。このようにして得たトナー組成物を
油相とし、重合開始剤を加え、分散安定剤の存在下に懸
濁重合を行う。
【0008】懸濁重合法の例としては、水溶性高分子化
合物、難水溶性無機化合物等の分散安定剤を均一に溶解
或は分散した水相に、前記油相の分散液を加えて、ホモ
ミキサー、ホモジナイザー、或は渦巻流、キャビテーシ
ョンを利用した連続式分散機等の分散手段により5〜30
μmの油滴に分散する。油相と水相との重量比は1:1
〜1:10の範囲で、重合中、粒子の合一が起こらない範
囲で設定される。油相を水相中に均一に分散した分散液
を攪拌装置、コンデンサー、温度計、窒素導入管、脱水
管を付した重合反応槽に移し、重合開始剤の分解する温
度に昇温し、窒素雰囲気下に重合を行わせる。次いで、
必要に応じて水又は希酸で処理を行い、濾過、乾燥をし
てトナーを得る。また、重合不活性な溶剤を添加した場
合は、添加した重合不活性な溶剤の沸点、或は水との共
沸点以上に昇温し、常圧下、又は必要に応じて減圧を行
うことで該重合不活性な溶剤を留出し、この溶剤をトナ
ー粒子から除去せしめることで更に効率良く樹脂様物質
を表面に偏在させることができる。溶剤除去後は、濾別
して水相を除き、必要に応じて水又は希酸で処理を行
う。
【0009】本発明で用いられる樹脂様物質は、溶解度
パラメータ(Solubility Parameter:SP値)が 9.0〜1
5.0(cal/cm3)1/2であるものが選ばれる。ここで溶解度
パラメータとは実験的な方法で求めたものであり、特公
昭47−51830 号公報にも見られる様にSP値の異なる種々
の溶剤に樹脂様物質を溶解して、最大の極限粘度を与え
る溶剤のSP値をその樹脂様物質のSP値とした。溶解度パ
ラメータ(SP値)の限定も本発明においては重要であ
り、SP値が 9.0より小さいと、本発明に於て用いられる
スチレン等の重合性単量体との親和性が良くなりすぎ、
コア・シェル構造をとり難くなる。また、SP値が15.0よ
り大きいと、水との親和性が高くなりすぎ、樹脂様物質
を重合性単量体に加えておいても、重合中に水相への移
行が起こり易く、得られるトナーはコア・シェル構造を
とり難くなる。
【0010】さらに本発明において、樹脂様物質のガラ
ス転移温度(Tg)は、用いる重合性単量体を重合して得
られる樹脂のTgより高いことが必要であり、好ましくは
40℃以上、更に好ましくは50℃以上のものが用いられ
る。40℃以下の場合、トナーの保存安定性が悪くなる場
合があり、トナーの保存安定性を良くするために樹脂様
物質を多く加えなければならない。そうした場合、低温
定着性に優れたものが得難く、本発明の目的を達成し難
い。本発明で用いられる樹脂様物質の具体例としては、
エチルセルロース樹脂、メチルセルロース樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノ樹脂、エポキシ
樹脂等を挙げることができ、その添加量は重合性単量体
100重量部に対して1〜30重量部が好ましく、更に好ま
しくは2〜20重量部である。1重量部未満の場合は保存
安定性が十分保てなくなり、一方30重量部を超える場合
は低温定着性が悪くなり、帯電性にも影響を与えるので
好ましくない。
【0011】本発明においては、更に重合不活性な溶剤
を用いることで一層効率良く樹脂様物質を表面に偏在さ
せることができる。本発明で用いることのできる重合不
活性な溶剤としては、溶解度パラメータが 6.5〜12.0(c
al/cm3)1/2であり、且つ常圧での沸点が10〜150 ℃の範
囲であるものが好ましい。本発明で用いられる重合不活
性な溶剤の具体例としては、イソブチルアルコール、イ
ソプロピルエーテル、ペンタン、アミルエーテル、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタン、ドデカン、ジイソプロピル
ケトン、ラウリルアルコール、シクロヘキサン、ジエチ
ルベンゾエート、アニソール、ブチルアセテート、カー
ボンテトラクロライド、ジエチルケトン、キシレン、ト
ルエン、エチルアセテート、ベンゼン、クロロホルム、
メチルエチルケトン、クロルベンゼン、 1,2−ジクロロ
エタン、ジメチルカーボネート、イソアミルアルコー
ル、 1,4−ジオキサン、ニトロベンゼン等を挙げること
ができ、これらを単独或は2種類以上混合して用いるこ
とができる。これらのうち特に、イソブチルアルコー
ル、イソアミルアルコール等のアルコール類が好まし
い。本発明において用いられる、重合不活性な溶剤の添
加量は、重合性単量体100重量部に対して、20〜300 重
量部が好ましく、更に好ましくは50〜200 重量部であ
る。20重量部未満の場合は、樹脂様物質の表面偏在化に
対して十分な効果を発揮しなくなり、一方 300重量部を
超える場合は、重合に悪影響を及ぼし、分子量の低下や
重合率の低下を招く傾向があり、さらには重合時の分散
安定性も悪くなってしまい好ましくない。
【0012】本発明に用いられる帯電制御剤は、正帯電
性のもの或は負帯電性のものいずれでも良く、例えば、
アゾ系錯体染料のような負帯電性の帯電制御剤を用いた
場合は、負帯電性トナーが、又ニグロシンのような正帯
電性の帯電制御剤を用いた場合は、正帯電性トナーが得
られ、必要に応じて使いわけて、又は混合して用いるこ
とができる。帯電制御剤の添加量は重合性単量体 100重
量部に対して、 0.1〜5重量部が好ましく、更に好まし
くは 0.5〜3重量部である。
【0013】本発明において用いることのできる重合性
単量体としては重合可能な全ての単量体が使用可能であ
り、例えばスチレン、クロルスチレン、α−メチルスチ
レン等のスチレン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸 n−ブチル、ア
クリル酸 iso−ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル
酸 n−オクチル、アクリル酸 2−エチルヘキシル、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸 n
−ブチル、メタクリル酸iso−ブチル、メタクリル酸ジ
メチルアミノエチル、メタクリル酸 t−ブチルアミノエ
チル等の(メタ)アクリル酸エステル類、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル等の(メタ)アクリル酸誘導
体等から選ばれた1種或は2種以上が混合して用いられ
る。
【0014】本発明において用いられる着色剤としては
適当な顔料又は染料を任意に用いることができ、例えば
黒色トナーの場合、サーマルブラック法、アセチレンブ
ラック法、チャンネルブラック法、ファーネスブラック
法、ランプブラック法等により製造される各種のカーボ
ンブラック、及びグラフト化カーボンブラックが、カラ
ートナーの場合、銅フタロシアニン、モノアゾ系顔料(
C.I.Pigment Red 5, C.I.Pigment Orange 36, C.I.Pigm
ent Red 22 )、ジスアゾ系顔料( C.I.PigmentYellow 8
3)、アントラキノン系顔料( C.I.Pigment Blue 60)、ジ
スアゾ系染料(Solvent Red 19 )、ローダミン系染料
( Solvent Red 49)等が単独或は2種以上混合して用い
られ、重合性単量体 100重量部に対して1〜30重量部、
好ましくは5〜20重量部含有せしめれば良い。
【0015】又、本発明においてはその他の添加剤とし
て、耐オフセット性、定着性等を改良するためにトナー
特性改良剤を添加しても良く、特に低分子量ポリオレフ
ィン等の離型剤を含有せしめるのが望ましい。例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコ
ポリマー、塩素化ポリエチレンワックス等が挙げられる
が、特にスチレングラフトポリエチレンワックスが好ま
しい。その量は重合性単量体 100重量部に対して1〜20
重量部、好ましくは3〜15重量部である。
【0016】本発明において懸濁重合の際に用いられる
分散安定剤としては、ゼラチン、澱粉、ヒドロキシエチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニ
ルピロリドン、ポリビニルアルキルエーテル、ポリビニ
ルアルコール等の水溶性高分子分散剤、硫酸バリウム、
硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、リン酸カルシウム等の難水溶性無機分散
剤の1種又は2種以上の混合物が挙げられる。これらの
分散安定剤の使用量は、重合性単量体 100重量部に対し
て、 0.5〜20重量部が好ましく、更に好ましくは2〜10
重量部である。上記の分散安定剤の中で、特にリン酸カ
ルシウムが好ましく用いられる。本発明におけるリン酸
カルシウムとは、第三リン酸カルシウム〔Ca3(p
o4)2 〕、ヒドロキシアパタイト〔mCa3(PO4)2・nCa(OH)
2〕、第二リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム等
を挙げる事ができるが、ヒドロキシアパタイト及び第三
リン酸カルシウムが最も好ましい。この際、分散安定助
剤としてアニオン性界面活性剤、例えばドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム等をリン酸カルシウムに対して
0.01〜10重量%の範囲で存在させても構わない。
【0017】本発明において、重合開始剤としては、一
般に用いられる油溶性の過酸化物系或はアゾ系開始剤が
利用できる。例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロ
イル、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾ
ビス( 2,4−ジメチルバレロニトリル)、オルソクロル
過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル等
が挙げられる。これらは単独或は混合して用いられる。
上記の重合開始剤の使用量は、重合性単量体 100重量部
に対して 0.1〜10重量部が好ましく、更に好ましくは
0.5〜5重量部である。
【0018】又、本発明においては、重合性単量体組成
物を水性媒体中で、トナーに適した粒径にまで剪断分割
する手段として、キャビテーション、渦巻流又は乱流を
利用した連続式分散機を用いるのが好ましい。キャビテ
ーションは、ローターやタービン翼などが液体中で勢い
良く回転する際に、翼の後に圧力の低下による気泡を生
じるが、この際に発生する超音波によって強い剪断力を
与える方法である。超音波を利用するものであっても、
超音波発振子を利用するものは、粒径分布が広くなって
しまうため好ましくない。又、キャビテーションを利用
するものでも、バッチ式のものは、何回も剪断を繰り返
される間に、剪断回数の不均一が生じ、従って粒径分布
が広くなるため好ましくない。キャビテーションを利用
した連続式分散機の例としては、固定子と回転子(ジェ
ネレータ又はロータ・ステータ)を備えた連続式のもの
が挙げられ、具体例としては、スラッシャー〔(株)三
井三池製作所製〕、T.K.ハイラインミルマイルダー
〔(株)荏原製作所製〕、T.K.ホモミックラインフロ
ー、T.K.パイプラインホモミキサー〔特殊機化工業
(株)製〕等が挙げられ、これ以外でも同様な方式であ
れば良い。
【0019】一方、渦巻流、乱流を利用した分散機の例
としては、ノズル又はスリットから高速で分散液を噴出
させ、液の勢いにより渦巻流を起こさせる方式、高速で
流れる液体を、槽内で具備した固定羽根又は槽内形状に
より乱流を起こさせる方式のものが挙げられる。具体的
な例としては、ハイドロシャー(ゴーリン・コーポレー
ション製)、スタチックミキサーPSM(ペッツホルド社
製)、T.K.フィスカリン〔特殊機化工業(株)製〕等の
旋回渦巻流方式、スルザーミキサー〔スルザーブラザー
ズ(株)製〕、ハイ・ミキサー〔東レ(株)製〕、ノリ
タケスタチックミキサー〔ノリタケ(株)製〕等のライ
ンミキサータイプの乱流方式が挙げられる。これらは、
すべて連続処理方式のものである。
【0020】更に、本発明においては、トナーに磁性体
を含有させることができ、磁性トナーとして用いること
もできる。磁性体を含有させる場合は、着色剤と同様に
重合性単量体中に分散せしめて用いるのが好ましい。磁
性体の含有量は、重合性単量体 100重量部に対して20〜
200重量部が好ましく、更に好ましくは50〜150 重量部
である。
【0021】
【発明の効果】本発明の静電荷像現像用トナーの製造方
法によれば、従来実現されていなかった低温定着性と保
存安定性の両立を可能にしたばかりでなく、懸濁重合を
用いるというコスト的メリットを損なうこともなく、又
従来からの懸濁重合の特長である流動性の良い、粒径分
布のシャープなトナーが得られる。
【0022】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらの実施例に限定されるものではない。尚、実施例、
比較例及び試験例中の部は重量部である。実施例1 スチレン60部、 2−エチルヘキシルアクリレート40部、
ジビニルベンゼン 1.0部(以上3成分のTgの設計値:2
0.9℃)、カーボンブラック〔三菱化成(株)製、#44
〕 7.5部、低分子量ポリエチレン〔三井石油化学工業
(株)製、三井ハイワックス1120H 〕2部、帯電制御剤
〔保土谷化学(株)製、アイゼンスピロンブラックTRH
〕1部をアトライターで5時間分散した後、エチルセ
ルロース(商品名 ハーキュレスN-4 、Tg:140℃)8部
を溶解し、更に2,2'−アゾビスイソブチロニトリル4部
を加えたものを、スーパタイト10〔ヒドロキシアパタイ
トの10重量%水スラリー、日本化学工業(株)製〕 100
部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム〔東京化成
工業(株)製〕 0.1部、水 400部を混合したものに加
え、混合攪拌した。次にこの混合液をキャビテーション
利用の連続式分散機マイルダー〔(株)荏原製作所製〕
にフィード量25 l/min、回転数8000rpm の条件で2回通
過させ、懸濁・分散せしめた。この懸濁液を脱水管、コ
ンデンサー、攪拌装置を装着したセパラブルフラスコ中
にて 100rpm の攪拌速度で窒素雰囲気下、80℃で6時間
重合反応を行わせた。重合反応後、濾過、塩酸洗浄、水
洗浄を行い、40℃にて一晩、減圧乾燥させてトナーを得
た。得られたトナーの粒径及び粒径分布をコールターカ
ウンター〔日科機(株)製、TA−II型、アパーチャー径
100μm〕で測定したところ、重量平均粒径が11.0μ
m、粒径の個数分布の標準偏差は 2.6μmであった。得
られたトナーを透過型電子顕微鏡にて観察したところ、
図1の様に樹脂様物質1が重合性単量体重合物2の周囲
に形成された、きれいなコア・シェル構造が見られた。
尚、多成分のガラス転移温度は、下記の Foxの式より求
め、設計値とした。
【0023】
【数1】
【0024】ここで、Tgは多成分のガラス転移温度
(℃)、T1,T2,・・・は各成分のガラス転移温度
(℃)、x,y,・・・は各成分の重量分率を表わし、
x+y+・・・=1である。
【0025】実施例2 実施例1において、エチルセルロース(商品名 ハーキ
ュレスN-4 )8部を、ポリエステル樹脂〔花王(株)
製、KTP2150 、Tg: 80℃〕10部に変え、カーボンブラッ
ク等と一緒にアトライターにて5時間分散する以外は同
様にしてトナーを得た。得られたトナーの重量平均粒径
は10.5μm、粒径の個数分布の標準偏差は2.5μmであ
った。このトナーを透過型電子顕微鏡にて観察したとこ
ろ、図1の様なきれいなコア・シェル構造が見られた。
【0026】実施例3 実施例1においてアトライターで5時間分散後に、エチ
ルセルロース(商品名ハーキュレスN-4 )5部とイソブ
チルアルコール 100部を加え、その他は実施例1と同様
にして重合を行った。次いで90℃に昇温することでイソ
ブチルアルコールを留出させ、エチルセルロースの表面
偏在化を促進させた。更に、減圧することでイソブチル
アルコールを完全に除去した後、濾過、塩酸洗浄、水洗
浄を行い、40℃で一晩、減圧乾燥してトナーを得た。得
られたトナーの重量平均粒径は11.5μm、粒径の個数分
布の標準偏差は 2.8μmであった。このトナーを透過型
電子顕微鏡にて観察したところ、図1の様なきれいなコ
ア・シェル構造が見られた。
【0027】比較例1 実施例1においてエチルセルロースを加えない以外は、
全く同様にしてトナーを得た。得られたトナーの重量平
均粒径は11.4μm、粒径の個数分布の標準偏差は 2.4μ
mであった。このトナーを透過型電子顕微鏡にて観察し
たが、コア・シェル構造は見られなかった。
【0028】比較例2 実施例2にておいてポリエステル樹脂に変えてポリアミ
ド樹脂(Tg:110℃)を用いた以外は、同様にしてトナー
を得た。得られたトナーの重量平均粒径は10.0μm、粒
径の個数分布の標準偏差は 2.9μmであった。このトナ
ーを透過型電子顕微鏡にて観察したが、コア・シェル構
造は見られなかった。
【0029】試験例 以上の実施例及び比較例で得たトナーについて、トナー
100部に対し疎水性シリカ「商品名 アエロジル R−97
2 」(日本アエロジル社製) 0.3部を加えて表面処理を
施した後、トナー濃度が3重量%となるように樹脂被覆
された鉄粉と混合し、現像剤を調製した。これらの現像
剤について、市販の電子写真複写機を改造して、定着性
を調べた。定着ローラの回転速度は160mm/sec とし、オ
イルは塗布しないで評価した。又、 100ccのスクリュー
管にトナー10gを静かに入れ静置したものを、50℃の恒
温槽に24時間放置することで保存安定性を評価した。評
価結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】(注)*1定着強度 :底面が15×7.5mm の
砂消しゴムに 500gの荷重を載せ、定着機を通して定着
された画像の上を3往復擦り、擦る前後でアクベス社の
反射濃度計にて光学反射密度(ID)を測定し、以下の定
義による定着率が70%を超える際の定着ローラの温度を
もって定着強度を表す。
【0032】
【数2】
【0033】*2保存安定性:50℃で24時間放置したスク
リュー管を常温で10分間放冷した後、逆さまにしトナー
が落下しだす時間、及びトナーのブロッキング性をもっ
て以下の5ランクに分類した。Bランク以上で実用が可
能である。 Aランク;瞬時に落下する。トナーは全く固まっていな
い。 Bランク;15秒以内に落下する。トナーは全く固まって
いない。 Cランク;1分以内に落下する。軽いブロッキングが見
られる。 Dランク;落下しない。指で潰れる程度のブロッキング
がある。 Eランク;落下しない。指では潰せない固まりがある。
【0034】表1の結果から、本発明のトナーは比較品
と比べて、何れも優れた低温定着性と良好な保存安定性
を有し、重合安定性も良い為粒径分布もシャープであ
り、又これに対し樹脂様物質を添加しないで製造され
た、低ガラス転移温度(Tg)で低分子量の比較品である
トナーにおいては、保存安定性が極めて悪く、完全にト
ナーが固まってしまっていることが判る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により得られた重合トナーの断面
図を模式的に示した概略図である。
【符号の説明】
1 樹脂様物質 2 重合性単量体重合物

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色剤、帯電制御剤を含む重合性単量体
    混合物を懸濁重合法により重合せしめて静電荷像現像用
    トナーを得るに際して、該重合性単量体混合物中に、溶
    解度パラメータが 9.0〜15.0(cal/cm3)1/2であり且つそ
    のガラス転移温度(Tg)が上記重合性単量体を重合して
    得られる樹脂のTgより高い樹脂様物質を添加含有せしめ
    て懸濁重合を行わせることを特徴とする静電荷像現像用
    トナーの製造方法。
  2. 【請求項2】 該重合性単量体混合物中に、更に溶解度
    パラメータが 6.5〜12.0(cal/cm3)1/2 である重合不活
    性な溶剤を含有せしめて重合を行い、次いで該重合不活
    性な溶剤を除去することを特徴とする請求項1記載の静
    電荷像現像用トナーの製造方法。
  3. 【請求項3】 樹脂様物質の添加量と、重合不活性な溶
    剤の添加量が、重合性単量体 100重量部に対して、それ
    ぞれ1〜30重量部と、20〜300 重量部であることを特徴
    とする請求項2記載の静電荷像現像用トナーの製造方
    法。
JP3317615A 1991-12-02 1991-12-02 静電荷像現像用トナーの製造方法 Pending JPH05150549A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8518623B2 (en) 2010-03-31 2013-08-27 Canon Kabushiki Kasiha Toner and toner particle producing method

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