JPH05150164A - 落射蛍光顕微鏡 - Google Patents

落射蛍光顕微鏡

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JPH05150164A
JPH05150164A JP31710091A JP31710091A JPH05150164A JP H05150164 A JPH05150164 A JP H05150164A JP 31710091 A JP31710091 A JP 31710091A JP 31710091 A JP31710091 A JP 31710091A JP H05150164 A JPH05150164 A JP H05150164A
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filter
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light
narrow band
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Takashi Nagano
隆 長野
Noriyuki Shimizu
敬之 清水
Masaaki Iwase
正明 岩瀬
Kazuo Kajitani
和男 梶谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、各蛍光色素ごとの蛍光強度の違
いおよび褪色速度の違いや観察者の好みに応じて多重染
色の蛍光像の明るさの比を任意に可変して観察しやすい
蛍光像を得ること、しかも効率の良い励起を行うことに
ある。 【構成】 落射照明用光源11からの光束を複数の狭帯
域励起光波長に変換する励起フィルター16と、この複
数の狭帯域励起光波長の光を反射させて標本に照射し、
当該標本20から発せられる複数種類の蛍光を透過する
ダイクロイックミラー17と、このダイクロイックミラ
ーの透過光より余分な波長域を透過せず蛍光像の波長の
みを透過させる吸収フィルター21とを有する落射蛍光
顕微鏡において、ダイクロイックミラー以前の光路中に
透過波長帯域をシフトして前記複数の狭帯域励起光の光
量比を可変する透過波長シフト用フィルター13を配置
した構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医学,生物学などの分
野において生物組織などの状態を観察するときに利用さ
れる落射蛍光顕微鏡に係わり、特に標本から発する2種
以上の蛍光像の強度を調整する技術を改良した落射蛍光
顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の蛍光顕微鏡は、医学お
よび生物学を初め、その他の分野において生物組織細胞
上で蛍光標識を施した蛋白や遺伝子などを検出する目的
の下に広く用いられている。特に、近年では、微弱な蛍
光しか発しない物質であっても、複数の蛍光標識による
多重染色によって、他の物質との位置相互関係を調べた
りするために多用されるようになってきた。
【0003】ところで、従来、かかる落射蛍光顕微鏡を
用いて多重染色蛍光標本を観察する場合、それぞれ単一
の蛍光色素を観察するための蛍光フィルターセット(励
起フィルター,ダイクロイックミラー,吸収フィルタ
ー)を切り換えることにより1つづつの蛍光色素を観察
するしかなく、それぞれの蛍光色素の位置相互関係を調
べるためにはそれぞれの蛍光像について写真やビデオメ
モリに多重記録して表示しなくてはならない。
【0004】従って、以上のような落射蛍光顕微鏡で
は、蛍光フィルータセットの切換操作に時間がかかるば
かりでなく、例えば褪色の速い蛍光色素や時間をパラメ
ータとした蛍光色素の位置相互関係の検出には不向きな
ものである。また、この観察方法は、蛍光フィルターセ
ットの切換えに伴い、ダイクロイックミラーや吸収フィ
ルターなどの部品精度によって観察光学系の芯ずれが発
生し、蛍光像より検出される位置相互関係に誤差が発生
する問題がある。
【0005】そこで、最近、以上のような不都合な問題
を改善するために、図7に示すような特性の蛍光フィル
ターセットが用いられている。つまり,この蛍光フィル
ターセットは、2種の蛍光色素A,Bを効率的に励起す
る2つの高透過率領域λEA,λEBを持つ励起フィルター
1と、これら2つの領域λEAとλEBとの間およびこの領
域λEBよりも長い波長領域の2つの高透過率領域を有す
るダイクロイックミラー2および吸収フィルター3とを
組合せることにより、2種の蛍光色素A,Bを同時に観
察するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、以上のような
蛍光フィルターセットによれば、観察光学系の芯ずれや
位置相互関係の誤差をなくすことができるが、蛍光色素
ごとの蛍光強度の違いや蛍光の褪色速度の違いなどが生
じているとき、これら2種の蛍光強度を所望の明るさに
することが難しい。その結果、観察或いは写真等に記録
される蛍光像はどちらか一方が暗すぎたり、または明る
すぎたりする問題がある。
【0007】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、蛍光フィルターセットを切換えることなく多重染色
蛍光標本の観察を可能とし、しかも、各励起ごとの蛍光
強度を簡単な操作で適宜可変して観察しやすい蛍光像を
得る落射蛍光顕微鏡を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】先ず、請求項1,2に対
応する発明は上記課題を解決するために、落射照明用光
源から投射された光束を複数の狭帯域励起光波長に変換
するための励起フィルターと、この励起フィルターによ
り変換された複数の狭帯域励起光波長の光を反射させて
標本に照射し、当該標本から発せられる複数種類の蛍光
を透過するダイクロイックミラーと、このダイクロイッ
クミラーからの透過光より余分な波長域を吸収して蛍光
像の波長を透過させる吸収フィルターとを有する落射蛍
光顕微鏡において、前記複数の狭帯域励起光波長のう
ち、任意の2つの狭帯域励起光波長に対し、短波長側狭
帯域励起光波長領域の短波長側では部分的に低い透過率
を有し、かつ、長波長側狭帯域励起光波長領域では高い
透過率を有する状態から、長波長側狭帯域励起光波長領
域の長波長側では部分的に低い透過率を有し、かつ、短
波長側狭帯域励起光波長領域では高い透過率を有する状
態になるように、前記ダイクロイックミラー以前の落射
照明光路中に光軸と垂直方向の軸をもって回転可能に保
持し、光軸に対して適宜な角度だけ傾けることにより、
透過波長帯域をシフトして前記複数の狭帯域励起光の光
量比を可変する干渉フィルターを配置してなる構成であ
る。
【0009】次に、請求項1,3に対応する発明は、落
射照明用光源から投射された光束を複数の狭帯域励起光
波長に変換するための励起フィルターと、この励起フィ
ルターにより変換された複数の狭帯域励起光波長の光を
反射させて標本に照射し、当該標本から発せられる複数
種類の蛍光を透過するダイクロイックミラーと、このダ
イクロイックミラーからの透過光より余分な波長域を吸
収して蛍光像の波長を透過させる吸収フィルターとを有
する落射蛍光顕微鏡において、前記複数の狭帯域励起光
波長のうち、任意の2つの狭帯域励起光波長に着目し、
短波長側狭帯域励起光波長領域では高い透過率を有し、
かつ、長波長側狭帯域励起光波長領域では低い透過率を
有する第1のフィルターと、短波長側狭帯域励起光波長
領域では低い透過率を有し、かつ、長波長側狭帯域励起
光波長領域では高い透過率を有する第2のフィルターと
で構成され、これら第1,第2のフィルターを、前記ダ
イクロイックミラー以前の落射照明光路中に選択的に挿
脱することにより、透過波長帯域をシフトして前記複数
の狭帯域励起光の光量比を可変する構成である。
【0010】
【作用】従って、請求項1,2に対応する発明は以上の
ような手段を講じたことにより、ダイクロイックミラー
以前の落射照明光路中に光軸と垂直方向の軸をもって干
渉フィルターを回転可能に保持し、当該フィルターを光
軸に対して傾けることにより、透過波長帯域において長
波長側狭帯域の一部分を徐々にカットし、低波長側帯域
で高い透過率を有するようにシフトするので、前記励起
フィルターからの複数の狭帯域励起光の各光量が変化
し、これに伴って標本から発する複数の蛍光強度の比が
変化するので、複数種類の観察蛍光像の明るさを容易に
調整でき、しかも効率の良い励起を行うことができる。
【0011】次に、請求項1,3に対応する発明は、前
記ダイクロイックミラー以前の落射照明光路中に、短波
長側狭帯域励起光波長領域では高い透過率を有し、か
つ、長波長側狭帯域励起光波長領域では低い透過率を有
する第1のフィルターと、短波長側狭帯域励起光波長領
域では低い透過率を有し、かつ、長波長側狭帯域励起光
波長領域では高い透過率を有する第2のフィルターとを
選択的に挿脱することにより、透過波長帯域がシフトす
るので、前述と同様に前記励起フィルターからの複数の
狭帯域励起光の各光量を変化させることができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は本発明に係わる落射蛍光顕微鏡の光
学系の一実施例を示す構成図である。同図において11
は例えば水銀ランプなどの光源、12は光源11から投
射された光を集光するコレクターレンズ、13はコレク
ターレンズ12の出力側光軸と垂直方向の軸をもって回
転可能に保持された透過波長シフト用フィルターとして
の干渉フィルターである。さらに、この干渉フィルター
13の出力側には、開口絞り14、視野絞り15、図7
に示す透過率を持った励起フィルター16および図7に
示す透過率を持ったダイクロイックミラー17の順序で
配置されている。
【0013】18は対物レンズ、19は標本20を載置
してなる上下動可能なステージであって、前記ダイクロ
イックミラー17からの反射光を対物レンズ18を介し
て標本20に照射し、この標本20から発する2種類の
蛍光を、再度対物レンズ18を通ってダイクロイックミ
ラー17に導く構成となっている。
【0014】前記ダイクロイックミラー17の出射側に
は、図7に示す透過率を持った吸収フィルター21、必
要に応じて光路を観察系または写真撮影系に切り換える
ために光路に挿脱可能に配置されたビームスプリッター
22が配置され、さらにビームスプリッター22の観察
系光路側には接眼光学系23が配置され、一方、写真撮
影系光路側には写真撮影用接眼レンズ24が配置されて
いる。
【0015】次に、図2は本発明に係わる落射蛍光顕微
鏡に適用する干渉フィルタ13の回転保持機構を示す断
面図であって、これは落射照明投光管の一部に設けられ
ている。すなわち、この回転保持機構は、投光管本体の
一部をなす筒体31、光軸と垂直方向の軸をもって干渉
フィルター13を回転可能に保持するように前記筒体3
1内に嵌合されるフィルター枠32、このフィルター枠
32を押すように動作可能なピン33、このピン33を
押すためのコイルばね34、前記筒体31に固定され前
記ピン33およびコイルばね34を支えるためのばね受
け35などによって構成されている。
【0016】従って、回転保持機構では、外部から電気
的または機械的手段により干渉フィルター13が回転さ
れ、かつ、コイルばね34の押圧力を受けて前記ピン3
3は押圧力を与えてフィルター枠32,つまり干渉フィ
ルター13を任意の回転位置で固定するものである。
【0017】次に、以上のように構成された落射蛍光顕
微鏡の動作について説明する。
【0018】先ず、干渉フィルター13が存在しないと
き、光源11から投射された光は、コレクターレンズ1
2で集光された後、励起フィルター16に導入され、こ
こで図3に示す如く複数の狭帯域励起光波長の光のみが
透過され、さらにダイクロイックミラー17によって反
射されてステージ19上の標本20に照射される。この
標本20は予め2種類の蛍光色素によって染色されてい
るので、この標本20からは図3に示すような2波長の
励起波長帯域λEA,λEBによる2種類の蛍光を発する。
【0019】そして、この標本20から発せられた蛍光
は、対物レンズ18およびダイクロイックミラー17を
透過し、吸収フィルター21によって不要な波長域の光
が吸収され、蛍光像の波長のみが接眼による観察系また
は写真撮影系に導かれる。
【0020】ところで、従来は、蛍光色素ごとの蛍光強
度の違いなどにより2種類の蛍光強度を所望の明るさに
バランスされることが難しいとされていたが、仮に2種
類の蛍光色素の蛍光強度を調節するに際しては、例えば
観察光路中の吸収フィルター21の特性を変えるか或い
は観察光路に補助フィルターを挿入して標本20から発
する蛍光を部分的にカットする蛍光カット手段と、照明
光路中に分光選択吸収を示さない中性濃度のNDフィル
ターを挿入するか開口絞り14を調節するなどして照明
光の強度を調節する光強度調節手段とが考えられる。
【0021】しかし、前者の蛍光カット手段では、カッ
トされた部分の蛍光を励起した励起光が無駄となり、そ
れだけ蛍光の利用効率が悪くなり、標本20にも余分な
ダメージを与えることになって好ましくない。一方、後
者の光強度調節手段では、2波長の励起光強度をそれぞ
れ独立的に調節できないので、2種類の蛍光の強度比を
変えることができない。
【0022】そこで、本発明に係わる落射蛍光顕微鏡に
おいては、落射照明光路中に図2に示すような回転保持
機構をもった透過波長シフト用フィルター13を挿入
し、図4に示すような波長域の照明光を得るものであ
る。つまり、この透過波長シフト用フィルター13は干
渉フィルターであって、コレクターレンズ12の出力光
軸に対して垂直な方向(傾き0°)に干渉フィルター1
3を挿入したとき、図4(a)のような透過率を得るこ
とができ、一方、コレクターレンズ12の出力光軸に垂
直な方向の軸に対して45°だけ傾けて挿入したとき、
図4(b)のような透過率を得ることができる。
【0023】一般に、干渉フィルター13の干渉条件
は、最大透過率波長をλ、誘電体の光学的な厚さ(誘電
体の境界で生じる位相差も光路長に換算して含ませる)
をt、境界による反射角をΦとしたとき、次のような関
係式で表すことができる。
【0024】2t・cosΦ=mλ ここで、次数mを一定とし、かつ、干渉条件を一定とし
たとき、波長λはcosΦに比例する。このΦは反射角
であるが、スネルの法則により入射角と共役なので同等
と考えてよい。このことは、入射角を大きくしていけ
ば、cosΦが減少していき、同時に波長λも減少して
いき、よって最大透過率部分は徐々に低波長側へシフト
していく。このため、光軸に垂直な方向の軸から徐々に
45°まで傾けていくと、図4(a)の如き透過率波長
域から図4(b)の如き透過率波長域まで連続的に透過
率波長域をシフトさせることができる。
【0025】さらに、光軸に垂直な方向(傾き0°)に
設定した干渉フィルター13と、励起フィルター16と
を併用すれば、励起光は図4(a)の斜線部分となる。
この図から明らかなように、励起フィルター16から得
られる励起光のうち短波長側の励起波長帯域λEAではそ
の短波長側の一部分がカットされ、一方、長波長側の励
起波長帯域λEBでは干渉フィルター13の影響を受けて
いないので、2つの励起光λEA,λEBの強度比が変化し
ている。よって、2つの励起光λEA,λEBによって励起
される2種類の蛍光の強度比を変えることができる。
【0026】次に、光軸に垂直な方向をもつ軸から45
°傾けて設定した干渉フィルター13と、励起フィルタ
ー16とを併用すれば、励起光は図4(b)の斜線部分
となる。この場合には、励起フィルター16から得られ
る励起光のうち長波長側の励起波長帯域λEBではその長
波長側の一部分がカットされ、一方、短波長側の励起波
長帯域λEAでは干渉フィルター13の影響を受けていな
いので、前述と同様に2つの励起光λEA,λEBの強度比
を変えることができる。よって、2つの励起光λEA,λ
EBによって励起される2種類の蛍光の強度比を変えるこ
とができる。
【0027】さらに、干渉フィルター13の傾きを0°
と45°の2つの状態の間、つまり干渉フィルター13
が図4(a)に示す傾き0°の状態から徐々に45°の
方向に傾けていくと、干渉フィルター13による透過率
帯域はその傾斜角に従って短波長側にシフトしていく。
このとき、短波長側の励起波長帯域λEAではカットされ
る領域が徐々に少なくなり、励起光の強度が増加してい
く。また、長波長側の励起波長帯域λEBでは、干渉フィ
ルター13の不透過領域に重なってくるので、長波長側
から徐々にカットされる領域が増えていき、それに伴っ
て励起光の強度が減少していく。
【0028】ゆえに、以上の説明から明らかように、励
起光λEA,λEBの強度比を連続的に変化させることがで
きるが、これに伴って励起光λEA,λEBにより励起され
る2種類の蛍光の強度比も連続的に変化させることが可
能となる。よって、干渉フィルター13の傾きを0°と
45°の2つの状態の間の任意の角度に設定すれば、励
起光λEA,λEBにより励起される2種類の蛍光の強度の
比を所望とする値に調節することができる。
【0029】従って、以上のような実施例の構成によれ
ば、2種類の蛍光色素によって蛍光強度に差が生じた場
合や2種類の蛍光間で褪色の速度に差が生じた場合、2
種類の蛍光像の明るさのバランスが異なるが、かかる場
合には干渉フィルター13の傾きを変えること,つまり
簡便な操作により2種類の蛍光強度の比を容易に調節で
き、観察或いは写真撮影などにおいて一方の蛍光像が明
るすぎたり、或いは暗すぎたりする問題を解決すること
ができる。しかも、照明側の調光であるので、前述した
ような励起効率の悪さもなく、標本20に余分なダメー
ジを与える心配もなくなる。
【0030】次に、図5は本発明の他の実施例を示す図
であって、これは図2に示すフィルター保持機構の代り
にフィルタ切換機構を用いた例である。同図において4
1は投光管本体の一部を構成する筒体、42は空穴およ
び複数枚のフィルターを光路に挿脱切換えするためのス
ライダー、43aは空穴、43b,43cは後述する本
実施例に用いるフィルター、44a〜44cは各空穴4
3a,フィルター43b,43cの位置決め用クリック
溝、45はクリック溝44a〜44cに嵌合させて前記
スライダー42を位置決め、かつ、固定する如く動作可
能なピン、46はピン45を押すためのコイルばね、4
7は前記筒体41に固定され前記ピン45およびコイル
ばね46を支えるためのばね受けである。
【0031】従って、以上のようなフィルター機構のフ
ィルター43bおよび43cと励起フィルター16とを
組合せたとき、得られる励起光は図6(a),(b)の
斜線部分で示すように現れる。
【0032】特に、図6(a)においては、フィルター
43bが励起フィルター16による2種類の励起波長帯
域λEA,λEBに対し、短波長側では高い透過率、長波長
側では低い透過率を有しているので、2種類の励起波長
帯域λEA,λEBの強度は長波長側の励起波長帯域λEB
方が短波長側の励起波長帯域λEAよりも低くなってい
る。その結果、励起光λEA,λEBにより励起される2種
類の蛍光強度の比は、前記励起光側の強度比の変化に準
じてフィルター43bを光路に挿入しない場合の強度比
に比べて一定割合で変化する。
【0033】次に、図6(b)においては、フィルター
43cが励起フィルター16による2種類の励起波長帯
域λEA,λEBに対し、短波長側では低い透過率、長波長
側では高い透過率を有しているので、2種類の励起波長
帯域λEA,λEBの強度は長波長側の励起波長帯域λEB
方が短波長側の励起波長帯域λEAよりも高くなってい
る。その結果、励起光λEA,λEBにより励起される2種
類の蛍光強度の比は、前記励起光側の強度比の変化に準
じてフィルター43cを光路に挿入しない場合の強度比
に比べて一定割合で変化する。
【0034】ゆえに、スライダー42によって空穴43
a、フィルター43b,43cを適宜切換えることによ
り、励起光λEA,λEBの強度比を励起フィルター16の
みによる励起光状態から図6(a)の斜線部分の如き励
起光または図6(b)の斜線部分の如き励起光に、適宜
に一定の割合で変化させることができ、励起光λEA,λ
EBの強度比に準ずる励起光λEA,λEBによる2種類の蛍
光の強度比は任意の一定割合で調節することができる。
【0035】なお、フィルター43b,43cの透過率
の傾斜は任意に設計できるので、蛍光色素および標本2
0の状態に応じて、励起光λEA,λEBによる2種類の蛍
光の強度比は用いるフィルター43b,43cの設計に
より自由に設定できる。
【0036】従って、このような実施例の構成によれ
ば、2種類の蛍光色素による蛍光強度の違いや褪色の状
態が既知の場合、スライダー42の切換えのみにより2
種類の蛍光の強度比を素早く変化させることができ、観
察および写真撮影時に蛍光色素ごとの蛍光像の明るさの
ばらつきをなくして観察しやすい蛍光像を得ることがで
きる。また、照明側の調光であるので、観察光路中での
蛍光強度の調節に見られる励起効率の悪さもなく、観察
標本20に余分なダメージを与えることもない。
【0037】なお、上記実施例では、スライダー42内
に2種類のフィルター43b,43cを用いたが、例え
ば1種類および2種類以上の複数種のフィルターおよび
それに対応したスライダーを用いることにより、観察者
の好みや検鏡状況に応じた複数の要求にも対応すること
が可能である。
【0038】その他、本発明はその要旨を逸脱しない範
囲で種々変形して実施できる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、多
重染色蛍光標本においてこの標本から発する各蛍光色素
の励起光量比を、励起光側の光軸に対して垂直方向から
干渉フィルターを徐々に所定方向に傾けるように回転さ
せるか、或いはスライダーによりフイルターを挿脱切換
えするといった簡単な操作によって調整できるので、各
蛍光色素ごとの蛍光強度の違いおよび褪色速度の違いや
観察者の好みに応じて多重染色の蛍光像の明るさの比を
変えることができ、観察或いは写真などの撮影に際して
蛍光色素の違いによる蛍光像の明るさの相違を確実に補
正でき、観察しやすい蛍光像を得ることができる。
【0040】また、照射光側で励起光を調節するので、
標本より発し、観察光路に導かれる蛍光は調節フィルタ
ーにより強度が弱められることがないので、蛍光強度を
上げるために、通常より多くの励起光を標本に照射する
必要がなく、標本に対しダメージを与えることがない。
【0041】て発光による蛍光を損なうことなく効率の
良い励起を行うことができ、また標本に対しても余分な
ダメージを与えることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる落射蛍光顕微鏡の一実施例を
示す光学系の配置構成図。
【図2】 本発明に係わる落射蛍光顕微鏡に適用するる
干渉フィルターの回転保持機構を示す断面図。
【図3】 干渉フィルターなしの場合の励起フィルター
の透過波長域を示す図。
【図4】 干渉フィルターの傾斜角度を異ならせたとき
の透過率および干渉フィルターと励起フィルターとを併
用したときの励起光の波長を示す図。
【図5】 本発明に係わる落射蛍光顕微鏡に用いるフィ
ルター切換機構を示す図であって、同図(a)はフイル
ターの位置決めを説明する図、同図(b)はフィルター
切換機構の断面図。
【図6】 フィルターを変えたときの透過率およびフィ
ルターと励起フィルターとを併用したときの励起光の波
長を示す図。
【図7】 従来の蛍光フィルターセットの透過率特性を
示す図。
【符号の説明】
11…光源、12…コレクターレンズ、13…透過波長
シフト用フィルター(干渉フィルタ−)、16…励起フ
ィルター、17…ダイクロイックミラー、18…対物レ
ンズ、20…標本、21…吸収フィルター、22…ビー
ムスプリッター、23…接眼光学系、24…写真撮影用
接眼レンズ、31,41…筒体、32…フィルター枠、
42…スライダー、43b,43c…フィルター。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梶谷 和男 東京都渋谷区幡ケ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 落射照明用光源から投射された光束を複
    数の狭帯域励起光波長に変換するための励起フィルター
    と、この励起フィルターにより変換された複数の狭帯域
    励起光波長の光を反射させて標本に照射し、当該標本か
    ら発せられる複数種類の蛍光を透過するダイクロイック
    ミラーと、このダイクロイックミラーからの透過光より
    余分な波長域を吸収して蛍光像の波長を透過させる吸収
    フィルターとを有する落射蛍光顕微鏡において、 前記ダイクロイックミラー以前の落射照明光路中に透過
    波長帯域をシフトして前記複数の狭帯域励起光の光量比
    を可変する透過波長シフト用フィルターを配置したこと
    を特徴とする落射蛍光顕微鏡。
  2. 【請求項2】 透過波長シフト用フィルターは、前記複
    数の狭帯域励起光波長のうち、任意の2つの狭帯域励起
    光波長に対し、短波長側狭帯域励起光波長領域の短波長
    側では部分的に低い透過率を有し、かつ、長波長側狭帯
    域励起光波長領域では高い透過率を有する状態から、長
    波長側狭帯域励起光波長領域の長波長側では部分的に低
    い透過率を有し、かつ、短波長側狭帯域励起光波長領域
    では高い透過率を有する状態になるように、前記ダイク
    ロイックミラー以前の落射照明光路中に光軸と垂直方向
    の軸をもって回転可能に保持し、当該光軸に対して適宜
    な角度だけ傾けることにより透過波長帯域をシフトする
    干渉フィルターであることを特徴とする請求項1記載の
    落射蛍光顕微鏡。
  3. 【請求項3】 透過波長シフト用フィルターは、前記複
    数の狭帯域励起光波長のうち、任意の2つの狭帯域励起
    光波長に着目し、短波長側狭帯域励起光波長領域では高
    い透過率を有し、かつ、長波長側狭帯域励起光波長領域
    では低い透過率を有する第1のフィルターと、短波長側
    狭帯域励起光波長領域では低い透過率を有し、かつ、長
    波長側狭帯域励起光波長領域では高い透過率を有する第
    2のフィルターとで構成され、これら第1,第2のフィ
    ルターを、前記ダイクロイックミラー以前の落射照明光
    路中に選択的に挿脱することにより透過波長帯域をシフ
    トすることを特徴とする請求項1記載の落射蛍光顕微
    鏡。
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