JPH0514978Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は踏板先端部に埋設した照明器具によ
り、階段を照らし、人が階段を踏み外さないよう
に階段先端部を照明した階段に関する。

〔従来技術とその問題点〕

一般に階段においては、照明は天井もしくは天
井に近い壁に設けられている。

しかし、このような天井に近く照明を設けてお
くと、上段の踏板の影が下段の踏板に映り、踏段
の奥行が見別け難い。また、上下段の踏板の影が
重なり、特に踏板の先端部を見別け難く人が足を
踏み外すことが多くあつた。

このような危険を無くすため、例えば実開昭54
−94012号、実開昭58−11801号、特開昭61−
290158号、実公昭35−31850号のように踏板先端
部裏面に照明器具を取付けたものは提案されてい
る。

しかし、これらの提案では照明器具の光が下段
の踏板を照らすが、踏板の先端部が照明が充分で
なく人が踏み外すおそれがあつた。

〔問題点を解決するための手段とその作用〕

本考案は上記の階段の危険性を解決するために
次のような構成を採用したものである。すなわ
ち、本考案の階段は、 踏板１の蹴込板２より突出した突出先端部１ａ
の幅方向裏面に凹部５を凹設するとともに、該凹
部５から踏板１表面に連通する小孔８を形成し、 この凹部５内に下段の踏板１を照らす照明器具
６を収納したものである。

本考案はこのようにして、踏板１の先端部表面
を照らして、局部的に明るくすることができ、人
が足を踏み外すという危険性を解消したものであ
る。

〔第１実施例の説明〕 以下本考案の実施例を説明する。まづ、第１〜
４図に示された第１実施例について説明する。

第１〜４図において、 １は踏板、２は蹴込板で、踏板１はその突出先
端部１ａが蹴込板２より突出している。

３は上床面、４は下床面、５は突出先端部１ａ
裏面に凹設した凹部、６は凹部５内に収納した照
明器具で、豆電球、蛍光灯が普通用いられてい
る。７はその配線、８は凹部２から踏板１表面に
連通した小孔である。９は金属塗装シート、金属
箔などで形成した反射鏡面である。

第１実施例は凹部５を下段の踏板１先端部に向
けて傾斜させ、直接照明器具６が下段の踏板１を
照らすようにしたものである。

このようにして照明器具６は下段の踏板１の先
端部のみならず、奥行をも集中的、局部的に照ら
すことにより、しかも夜間などは天井空間全体を
暗くしたまま、人は安全に階段を昇降することが
できる。

また第２図のように凹部５内に反射鏡面９を設
けることにより、照明器具６の光量をさらに実質
的に増加することができる。

また、凹部５から踏板１上面の突出先端部１ａ
に貫通する小孔８を設けることにより、凹部５の
光が踏板１の突出先端部１ａに漏れるので、踏板
１先端部がよりよく見易くなり、安全性がさらに
向上する。またこのようにして通路全体は、暗さ
を保つことができ、就寝時の邪魔ともならない。

照明器具６は階段の上部あるいは下部に設けた
手動スイツチにより点滅される。

また、手動スイツチにかえ近接スイツチ、光電
管スイツチ、反射型光電管スイツチ、赤外線スイ
ツチ、ウエートスイツチなど各種センサーを用い
た自動スイツチにより点滅を行なつても良い。

（第２実施例の説明） つぎに、第５図に示された第２実施例について
説明する。

第２実施例は第１実施例と異なり、凹部５を蹴
込板２に向けて傾斜させたものである。

このように凹部５を蹴込板２に向けて傾斜させ
ると照明光は蹴込板２に当つて反射した後、下段
の踏板１を照明することになる。

この場合、蹴込板２表面に反射鏡面２ａを設け
ておくことにより、下段の踏板１をよりよく照ら
すことができる。第２実施例の場合は、踏板１の
奥行きを良く照らすことができる利点がある。

（他の変形例） つぎに、他の変形例について述べる。

第６図は第４図の小孔８をスリツト状にした場
合を示している。第７図は凹部５にカバー１０
を、小孔８に滑り止めカバー１１を施した場合を
示している。

凹部５のカバー１０は蝶番１０ａで開閉できる
ようにした弾性板を用いることが望ましい。

また、小孔８にしたカバーは滑り止めになるよ
うな材質のものが望ましい。

第８図は凹部５を真下に向けた場合を示し、第
９図は末広状に設けた場合を示している。第８図
の場合は工作が容易であるが照明効果は余り好ま
しくない。第９図の場合は全表面を淡く照らすこ
とができる。

〔考案の効果〕

上段の踏板１の突出先端部１ａ内の照明器具６
が下段の踏板１を照らすので、人が足を踏み外す
のを防止できる。殊に踏板１の突出先端部１ａの
狭いスペースを利用し、小さな照明器具６を用い
て踏板１部分のみを照らすので、通路全体の暗さ
を保つことができる。したがつて、夜間人の就寝
を妨げることがない。

さらに、踏板１の突出先端部１ａに設けられた
凹部５から踏板１表面に連通する小孔８が設けら
れ、凹部５内の光が踏板１の突出先端部１ａの表
面に漏れ、この漏れた光は、踏板１表面におい
て、該踏板１の上段の踏板突出先端部１ａ裏面か
ら照らされる光と比べ、小孔８を通つて踏板１表
面に漏れてくる光のほうがはるかに照明器具６に
近いため、小孔８を通つて踏板１表面に漏れて来
た光のほうが明るく見えるものとなり〔照度は光
源からの距離の二乗に反比例する。〕、踏板の先端
部１ａがよりよく確認され、踏板先端部１ａに足
を引つ掛ける等の事故も防止されるものである。

【図面の簡単な説明】

（第１実施例）、第１図：全体側面図、第２
図：踏板１の側面図、第３図：同じく裏面図、第
４図：同じく斜視図、（第２実施例）、第５図：凹
部５を蹴込板２に向けて傾斜させた場合の側面
図、（他の変形例）、第６図：小孔８をスリツトと
したときの斜視図、第７図：滑り止めカバー１１
を設けたときの側面図、第８図：凹部５を下向き
にしたときの側面図、第９図：凹部５を末広状に
したときの側面図。 １……踏板、１ａ……突出先端部、２……蹴込
板、３……上床面、４……下床面、５……凹部、
６……照明器具、７……配線、８……小孔、９…
…反射鏡面、１０……凹部カバー、１０ａ……蝶
番、１１……滑り止めカバー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 踏板１の蹴込板２より突出した突出先端部１
   ａの幅方向裏面に凹部５を凹設するとともに、
   該凹部５から踏板１表面に連通する小孔８を形
   成し、 この凹部５内に下段の踏板１を照らす照明器
   具６を収納した、 ことを特徴とする階段。 下段の踏板１を照らすように踏板１先端に向
   けて傾斜した凹部５を設けた、請求項１記載の
   階段。 凹部５を蹴込板２に向けて傾斜させ照明器具
   ６の光を蹴込板２に反射させた後、下段の踏板
   １を照らすようにした請求項１記載の階段。