JPH05149761A - 自動調整検査装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 既存のフリーフロー式のローラコンベヤにて
振動を嫌うＶＴＲ等の被調整検査物の調整・検査を可能
にする。 【構成】 被調整検査物としてのＶＴＲ６を載せたパレ
ット５をローラコンベヤ１で搬送し、このローラコンベ
ヤ１による搬送途中でＶＴＲ６のプリント基板６ａにマ
ウントされた電子部品等の調整・検査を行う自動調整検
査装置１において、ローラコンベヤ１の中途の上方に、
ＶＴＲ６に電源の供給及び調整・検査用の電気信号を入
出力させるコンタクトプローブを複数本有したフィクス
チャーユニット１１を突設させ、このフィクスチャーユ
ニット１１に相対向するローラコンベヤ１の一対のフレ
ーム２，２間の取付板８に、パレット５を載置させるリ
フタ２０を配設する一方、リフタ２０のテーブル２３に
載置されて上昇するパレット５の左上コーナ部に、フィ
クスチャーユニット１１の各コンタクトプローブが接触
する各ランド５１を備えたコネクタ支持プレート５０を
取付けてある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えば、フリーフロ
ー式の既存のローラコンベヤでＶＴＲ等の被調整検査物
を搬送させ、該ローラコンベヤを停止させることなく被
調整検査物の調整検査を行うことができるようにした自
動調整検査装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、ＶＴＲ（ビデオテープレコー
ダ）等の製品は、組立てられて出荷する前に、ＶＴＲに
用いられるプリント基板にマウントされた可変抵抗器，
コンデンサの電子部品等の調整や検査が行われる。この
場合に、フリーフロー式のローラコンベヤ上を搬送する
パレットに上記ＶＴＲを載せ、該ローラコンベヤの搬送
途中で上記ＶＴＲの調整・検査を行っている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来のフリーフロ
ー式のローラコンベヤを用いるＶＴＲの組立て工程にお
いては、ＶＴＲの調整・検査を行うためにローラコンベ
ヤの一部分だけを停止させることができないため、上記
ローラコンベヤの搬送途中でＶＴＲの調整・検査を行う
際に、上記ＶＴＲを載置したパレットを強制的に停止さ
せることにより行っているが、この方法では、ＶＴＲに
ローラコンベヤによる振動が伝わって高精度の調整・検
査を行うことが難しかった。従って、組立てライン全体
のローラコンベヤを停止させてＶＴＲの調整・検査を行
う他は、既存のフリーフロー式のローラコンベヤを使用
して振動を嫌うＶＴＲの高精度な調整・検査を行うこと
は難しかった。

【０００４】そこで、この発明は、既存のローラコンベ
ヤ等のコンベヤにて振動を嫌うＶＴＲ等の被調整検査物
の調整・検査を高精度で行うことができる自動調整検査
装置を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】被調整検査物を載せたパ
レットをコンベヤで搬送し、このコンベヤによる搬送途
中で上記被調整検査物の調整・検査を行う自動調整検査
装置において、上記コンベヤの中途の上方に、上記被調
整検査物に信号を入出力させるコンタクトプローブを複
数本有したフィクスチャーユニットを突設させ、このフ
ィクスチャーユニットに相対向するコンベヤの下方に上
記パレットを載置させるリフタを配設する一方、上記リ
フタに載置されて上昇したパレットの上記フィクスチャ
ーユニットのコンタクトプローブに対向する位置に信号
接続部を設けてある。

【０００６】

【作用】被調整検査物を載せたパレットがコンベヤで搬
送されてフィクスチャーユニットの下方の位置に来たと
きに、パレットをリフタにより持ち上げてコンベヤから
パレットを離す。これにより、パレットに載置された被
調整検査物にはコンベヤによる振動が伝わらない。ま
た、パレットを持ち上げると、パレットの信号接続部と
フィクスチャーユニットのコンタクトプローブが接触し
て信号の入出力が可能となり、被調整検査物の調整・検
査がコンベヤ上で行われる。

【０００７】

【実施例】以下、この発明の一実施例を図面と共に詳述
する。

【０００８】図１，２において、１０は自動調整検査装
置であり、既存のフリーフロー式のローラコンベヤ１に
取付けられたものである。このローラコンベヤ１は両側
のフレーム２，２に各チェーン３で駆動する多数の駆動
ローラ４，４，…を有しており、該一対のフレーム２，
２の各駆動ローラ４，４上面間を矩形板状のパレット５
が搬送されるようになっている。このパレット５にはＶ
ＴＲ（被調整検査物）６が載置されて搬送されるように
なっている。

【０００９】上記自動調整検査装置１０は、上記ローラ
コンベヤ１の一方のフレーム２の中途の上方に突設され
たフィクスチャーユニット１１を有している。図２に示
すように、このフィクスチャーユニット１１は、上記一
方のフレーム２の外面側に取付けられ、水平部１２ａが
一方のフレーム２の各駆動ローラ４の上方に位置するＬ
字型のユニット支持枠１２と、このユニット支持枠１２
の水平部１２ａの下面の前，後位置に垂直に突設された
一対の取付金具１３，１３と、この一対の取付金具１
３，１３の各支持溝部１３ａ，１３ａに一対の孔部１４
ａ，１４ａを介して前後，左右の水平方向に所定量移動
自在に吊り下げられたボード１４と、このボード１４の
上，下面に貫通されて該ボード１４の上面に上ボード１
４Ａを介して固定され、上記ＶＴＲ６のプリント基板６
ａ等に電源の供給及び調整・検査用の電気信号を入出力
させる複数本のコンタクトプローブ１５と、上記ボード
１４の下面に垂直に突設した一対の位置決めピン１６，
１６と、上記ボード１４の前後側に形成された逆円錐状
の一対の孔部１４ｂ，１４ｂに当接，離反自在にされる
と共に、上記ユニット支持枠１２の水平部１２ａの下面
の前後に垂直に突設された一対の基準軸１８，１８に圧
縮コイルバネ１９，１９を介して下方に摺動自在に付勢
され、上部側の外周面１７ａが逆円錐面状の一対の摺動
子１７，１７とで構成されている。

【００１０】図１に示すように、前記一対のフレーム
２，２下端の上記ユニット支持枠１２の下方には、取付
板８を固定してある。この取付板８上の中央には前記パ
レット５を載置して上記ユニット支持枠１２の水平部１
２ａ側に該パレット５を昇降動させるリフタ２０を配設
してある。このリフタ２０は取付板８上に立設されたエ
アシリンダ２１と、このエアシリンダ２１のロッド２２
の上端に固定された矩形板状のテーブル２３とで構成さ
れている。

【００１１】また、上記取付板８の前側中央には前スト
ッパ３０を配設してある。この前ストッパ３０は、図
１，２に示すように、上記取付板８上に立設されたエア
シリンダ３１と、このエアシリンダ３１のロッド３２の
上端凵部３２ａに軸３３を介して回転自在に支持された
ローラ３４とで構成されている。さらに、上記取付板８
の後側中央には後ストッパ４０を配設してある。この後
ストッパ４０は、図１に示すように、上記取付板８上に
立設されたエアシリンダ４１と、このエアシリンダ４１
のロッド４２の上端凵部４２ａに軸４３を介して回転自
在に支持されたローラ４４とで構成されている。

【００１２】さらに、上記リフタ２０に載置されてユニ
ット支持枠１２の水平部１２ａ側に上昇する上記パレッ
ト５の左上コーナ部の上記水平部１２ａに対向する位置
には矩形のコネクタ支持プレート５０を固定してある。
このコネクタ支持プレート５０の上面のボード１４の各
コンタクトプローブ１５に対向する位置には該各コンタ
クトプローブ１５の先端が接触する各ランド（信号接続
部）５１を設置してあると共に、上記コネクタ支持プレ
ート５０の上面の上記ボード１４の一対の位置決めピン
１６，１６に対向する位置には一対の位置決め穴部５
２，５２を穿設してある。さらに、上記コネクタ支持プ
レート５０の内側の一側面には前記ＶＴＲ６の雄コネク
タ７が嵌脱される雌コネクタ５３を埋設してある。尚、
図１中、符号９は上記リフタ２０に載置されて上昇する
パレット５の右上コーナ部が当接するストッパである。

【００１３】以上実施例の自動調整検査装置１によれ
ば、図１に示すように、ＶＴＲ６を載せたパレット５が
ローラコンベヤ１の一対のフレーム２，２の各駆動ロー
ラ４で搬送されてフィクスチャーユニット１１の下方に
来る直前に、前ストッパ３０のロッド３２が上昇する。
そして、図２に示すように、上記前ストッパ３０のロッ
ド３２の上端凵部３２ａに回転自在に支持されたローラ
３３で上記ローラコンベヤ１で搬送されて来たパレット
５を停止させる。この前ストッパ３０によりパレット５
が停止後に、リフタ２０のエアシリンダ２１が作動する
ことにより、そのテーブル２３が上昇して該テーブル２
３に上記パレット５を載せる。さらに、上記リフタ２０
のテーブル２３が上昇すると、上記パレット５がさらに
持ち上げられて上記ローラコンベヤ１の一対のフレーム
２，２の各駆動ローラ４から上記パレット５が離れる。
これにより、上記パレット５に載せれたＶＴＲ６のプリ
ント基板６ａ等にローラコンベヤ１のチェーン２により
駆動される各駆動ローラ４による振動が伝わらなくな
る。

【００１４】また、上記リフタ２０によりパレット５が
上昇すると、該パレット５に取付けられたコネクタ支持
プレート５０がフィクスチャーユニット１１の一対の基
準軸１８，１８に沿って各圧縮コイルバネ１９，１９の
圧縮力に抗して一対の摺動子１７，１７を押し上げる。
これにより、上記一対の摺動子１７，１７の各外周面１
７ａがフィクスチャーユニット１１の一対の取付金具１
３，１３に吊り下げられたボード１４の一対の孔部１４
ｂ，１４ｂから外れ、該ボード１４が図２に示すＢの量
だけ前後，左右の水平方向に移動自在になる。さらに、
上記リフタ２０によりパレット５が上昇すると、該パレ
ット５に取付けられたコネクタ支持プレート５０の一対
の位置決め穴部５２，５２に上記ボード１４の一対の位
置決めピン１６，１６が挿入される。この時、上記各位
置決めピン１６の先端と上記各位置決め穴部５２の中心
とのズレが、図２に示すＦの量以内ならば挿入が可能で
ある。

【００１５】上記リフタ２０によりパレット５が上昇し
て該パレット５の一対の位置決め穴部５２，５２にフィ
クスチャーユニット１１のボード１４の一対の位置決め
ピン１６，１６が挿入されることにより、上記ボード１
４の前後，左右の水平方向の位置が適正位置に矯正され
る。この状態で上記パレット５がさらに上昇すると、上
記ボード１４の各コンタクトプローブ１５の先端がパレ
ット５のコネクタ支持プレート５０の各ランド５１に確
実に接触され、電源の供給及び調整・検査用の電気信号
のやり取りを開始し、ＶＴＲ６のプリント基板６ａにマ
ウントされた図示しない電子部品等の所定の調整・検査
が自動的に行われる。

【００１６】上記ＶＴＲ６の所定の調整・検査が終了す
ると、リフタ２０によりパレット５が下降する。このパ
レット５が下降すると、ボード１４の一対の位置決めピ
ン１６，１６がパレット５のコネクタ支持プレート５０
の一対の位置決め穴部５２，５２より抜けてボード１４
は自由になる。そして、一対の摺動子１７，１７が各圧
縮コイルバネ１９の圧縮力により下方に押し下げられ、
各摺動子１７の外周面１７ａとボード１４の各孔部１４
ａが当接する。これにより、上記ボード１４が元の初期
位置に戻される。尚、上記ボード１４を初期位置に戻す
のは、毎回上記作業終了時にボード１４を初期位置に戻
さないと累積誤差によりボード１４が適正位置に矯正さ
れなくなるためである。

【００１７】このように、上記パレット５上のＶＴＲ６
の振動対策のために該パレット５を持ち上げる動作と、
パレット５側への電源供給及びパレット５側とフィクス
チャーユニット１１間の電気信号のやり取りを、ローラ
コンベヤ１の一対のフレーム２，２間の取付板８に設け
られた１つの駆動源であるリフタ２０で上記パレット５
を上昇させることにより同時に行うことができる。これ
により、既存の上記ローラコンベヤ１を使用して該ロー
ラコンベヤ１全体を停止させることなく、ローラコンベ
ヤ１上において振動のない状態でＶＴＲ６の電気測定，
調整・検査等が自動で出来る。上記１つのリフタ２０で
パレット５の昇降動、及び、フィクスチャーユニット１
１のボード１４の各コンタクトプローブ１５とパレット
５のコネクタ支持プレート５０の各ランド５１との接
触，離反をそれぞれ行うようにしたので、部品点数を可
及的に減らすことができ、駆動部の故障発生率の低い高
精度の自動調整検査装置１０を低コストで製造すること
ができる。

【００１８】また、上記フィクスチャーユニット１１の
ボード１４の各コンタクトプローブ１５とパレット５の
コネクタ支持プレート５０の各ランド５１との接触位置
は、ボード１４の一対の位置決めピン１６，１６及びコ
ネクタ支持プレート５０の一対の位置決め穴部５２，５
２により多少のズレ（例えば前後，左右の水平方向に±
５ｍｍのズレ）があっても確実に接触させることができ
るので、各コンタクトプローブ１５の取付位置及び各ラ
ンド５１の設置位置に高精度が要求されず、そのらの取
付，設置作業も簡単である。また、前ストッパ３０によ
るパレット５の停止位置精度もラフで良い。さらに、上
記各コンタクトプローブ１５の先端側に無理な負荷がか
からないため、各コンタクトプローブ１５の断線を減少
させることができる。

【００１９】尚、前記実施例によれば、コンベヤとして
チェーン駆動によるフリーフロー式のローラーコンベヤ
を用いたが、チェーンコンベヤ等の他の種類の既存のコ
ンベヤに前記実施例を適用できることは勿論である。

【００２０】

【発明の効果】以上のように、この発明によれば、被調
整検査物を載せたパレットをコンベヤで搬送し、このコ
ンベヤによる搬送途中で上記被調整検査物の調整・検査
を行う自動調整検査装置において、上記コンベヤの中途
の上方に、上記被調整検査物に信号を入出力させるコン
タクトプローブを複数本有したフィクスチャーユニット
を突設させ、このフィクスチャーユニットに相対向する
コンベヤの下方に上記パレットを載置させるリフタを配
設する一方、上記リフタに載置されて上昇したパレット
の上記フィクスチャーユニットのコンタクトプローブに
対向する位置に信号接続部を設けたので、上記コンベヤ
を停止させることなく、コンベヤの中途上方で上記被調
整検査物の調整・検査を容易確実に、且つ、既存のコン
ベヤを用いて低コストで行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示す自動調整検査装置を
備えたローラコンベヤの全体斜視図。

【図２】上記自動調整検査装置の一部を断面で示す説明
図。

【符号の説明】

１…ローラコンベヤ、５…パレット、６…ＶＴＲ（被調
整検査物）、１０…自動調整検査装置、１１…フィクス
チャーユニット、１５…コンタクトプローブ、２０…リ
フタ、５１…ランド（信号接続部）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被調整検査物を載せたパレットをコンベ
   ヤで搬送し、このコンベヤによる搬送途中で上記被調整
   検査物の調整・検査を行う自動調整検査装置において、 上記コンベヤの中途の上方に、上記被調整検査物に信号
   を入出力させるコンタクトプローブを複数本有したフィ
   クスチャーユニットを突設させ、このフィクスチャーユ
   ニットに相対向するコンベヤの下方に上記パレットを載
   置させるリフタを配設する一方、上記リフタに載置され
   て上昇したパレットの上記フィクスチャーユニットのコ
   ンタクトプローブに対向する位置に信号接続部を設けた
   ことを特徴とする自動調整検査装置。