JPH05149341A - 多孔質滑り軸受 - Google Patents

多孔質滑り軸受

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JPH05149341A
JPH05149341A JP31609791A JP31609791A JPH05149341A JP H05149341 A JPH05149341 A JP H05149341A JP 31609791 A JP31609791 A JP 31609791A JP 31609791 A JP31609791 A JP 31609791A JP H05149341 A JPH05149341 A JP H05149341A
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夏比古 森
Tatsuya Suzuki
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NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、120〜130℃以上の温度条件
でトルクの増大またはグリースの漏洩がなく使用でき、
しかもグリースの製造工程および軸受への減圧含浸工程
において加熱溶融の必要がなく、生産設備、生産作業を
効率化し得て、もって生産コストの低減に貢献する多孔
質滑り軸受とする。 【構成】 多孔質基材の細孔内にグリースを充填してな
る多孔質滑り軸受において、前記グリースの増稠剤を四
フッ化エチレン樹脂等のフッ素化合物、テレフタラメー
ト、またはアリルウレア、ポリウレア等のウレア化合
物、有機処理された粘土、シリカエアロゲル等の非石鹸
増稠剤とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、たとえば、自動車用
補機、オーディオ・ビデオ・事務機器等の産業用機器の
電動機に利用される多孔質滑り軸受に関し、特に高温雰
囲気中で使用される多孔質滑り軸受に関する。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】一般に、多孔質滑り軸
受は、その細孔(空孔)内に潤滑油を保有し、軸受回転
に伴うポンプ作用及び摩擦熱による油の熱膨張によって
軸受部に油を供給し、軸受の長期使用を可能にしてい
る。しかし、高温雰囲気中では油の粘度が低下するた
め、必要以上に油が滲出して流失し、その結果軸受寿命
を短縮したり、周辺を汚したりするという不具合があっ
た。この対策としては、潤滑油に代えて半固体状のグリ
ースを使用することが考えられ、本願出願人は、特開昭
63−195416号において、リチウム石鹸等の増稠
剤を用いた、いわゆる石鹸グリースを含浸した多孔質滑
り軸受を開示した。
【0003】しかし、石鹸グリースは、100℃以上の
高温になると結晶転移が起こりその性状が変化する。例
えば、リチウム石鹸グリースは120〜130℃以上に
なると結晶転移を生じ、硬化または軟化する。硬化した
場合には潤滑性能に影響し、トルクの増大等を引き起こ
す。軟化した場合には、漏洩防止効果が低下する。した
がってこれ以上の温度で使用することはできない。リチ
ウムの他、一般的な石鹸増稠剤としてカルシウム、ナト
リウム等を挙げることができるが、いずれもリチウムよ
り耐熱温度は低く、石鹸グリースの耐熱限界は、概ね1
20〜130℃である。最近、自動車のラジエータ冷却
用ファンをはじめ、雰囲気温度が120〜130℃以上
で焼結軸受を使用する用途があるが、この耐熱限界のた
め、これらには適用できなかった。
【0004】また、このような石鹸グリースは、製造過
程において相転移温度以上の高温に加熱溶融して基油中
に石鹸増稠剤を分散または溶解する必要があるので、加
熱−冷却に伴う付帯設備が必要であり、製造上の手間が
かかるのが避けられない。
【0005】また、上記のような石鹸グリースを減圧条
件下で多孔質軸受に含浸するには、以下のような煩雑な
工程を必要とする。すなわち、まず、真空容器内に焼
結軸受を配置した後、軸受内の空気を取り除くため、1
-2torr程度の真空状態とする。つぎに、半固体状の
グリースをポンプにて容器内に注入し、真空容器内を上
記グリースの相転移温度以上まで加熱する。そして、
加熱により液体になったグリースを焼結軸受内に含浸さ
せ、含浸終了後、真空容器内に空気を入れ、常圧とす
る。その後、真空容器内から残量の液体グリースをポ
ンプに回収して、グリースを含浸させた焼結軸受を真空
容器内から取り出す。
【0006】以上の作業(〜)を1サイクルとし
て、所要サイクル繰り返して行なう。上記の真空含浸工
程は、真空容器内を真空状態にするまでに約40分程度
の時間を要するため、いったん回収したグリースは再度
真空容器内に注入する際、冷却されて元の半固体状のグ
リース状態になっている。そのため、グリースを再度高
い相転移温度まで加熱しなければならず、また、このよ
うにグリースの加熱と冷却を繰り返すことにより、グリ
ースが徐々に酸化され、グリース性状が劣化し、長期の
再利用ができないという問題がある。さらに、相転移温
度が高いため、加熱するために設備が大掛かりとなると
共に、液体グリースとするまでに長時間を要するので、
作業性が悪く、作業コストが高くなるという問題もあっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記した
ように従来の石鹸増稠剤を用いたグリースが120〜1
30℃程度で結晶転移を起こすので、これを含浸した軸
受の高温使用時のトルクが増大するか、またはグリース
が漏洩し易くなるという問題点および、このような石鹸
グリースの焼結軸受等の多孔質軸受に対する含浸工程に
おいて加熱溶融する必要があり、これが生産効率の低減
を招くという問題点を解決し、120〜130℃以上の
温度条件でトルクの増大またはグリースの漏洩なく使用
でき、しかも、グリースの製造工程および軸受への減圧
含浸工程において加熱溶融の必要がなく、生産設備、生
産作業を効率化し得て、もって生産コストの低減に貢献
する多孔質滑り軸受を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、多孔質基材の細孔内にグリー
スを充填してなる多孔質滑り軸受において、前記グリー
スの増稠剤が耐熱性非石鹸増稠剤である手段を採用した
のである。
【0009】以下、その詳細を述べる。
【0010】この発明に用いる非石鹸増稠剤は、200
℃以下の温度では石鹸増稠剤のように結晶転移を生じ
ず、耐熱温度は少なくとも200℃以上あるものである
と共に、化学的安定性および親和性があって、油に不溶
で基油の中に細かく分散した構造をつくるものであれば
有機物でも無機物でも使用できる。例えば、有機物では
四フッ化エチレン樹脂(以下、PTFEという)等のフ
ッ素化合物、テレフタラメート、またはアリルウレア、
ポリウレア等のウレア化合物、無機物では有機処理され
た粘土(ベントナイト)、シリカエアロゲルなどを挙げ
ることができる。
【0011】この中でシリカエアロゲルは、基油に対す
る増稠性が極めて良く、常温常湿雰囲気下で所定量の基
油と混合し、乳化装置等の均質化装置を用いて処理する
ことによって簡単にグリース化することができる。ま
た、粒径が10-2μm程度であるので、従来のリチウム
あるいはマグネシウム石鹸を増稠剤とするグリースのよ
うに加熱溶融しなくても、常温雰囲気下で容易に焼結軸
受(空孔径:1〜10μm程度)内に含浸することがで
きる。
【0012】基油となる潤滑油としては、鉱油系潤滑油
でも合成潤滑油(例えば、ジエステル油、ポリオールエ
ステル油、ポリ−α−オレフィン油、ジフェニルエーテ
ル油等)であってもよく、通常の潤滑グリースに使用さ
れる各種添加剤(例えば、酸化防止剤、清浄分散剤、極
圧剤、摩耗防止剤、油性向上剤、摩擦調整剤、粘度指数
向上剤、流動点降下剤、錆止め剤、消泡剤等)を共存さ
せてもよい。
【0013】また、上記基油に対する前記非石鹸増稠剤
は、0.1〜10重量%であってよい。上記範囲未満の
少量では漏洩防止効果が期待できず、上記範囲を越える
多量では滑らかな摺動を阻害するので好ましくないから
である。
【0014】なお、多孔質滑り軸受の基材は、通常、鉄
・銅・錫・亜鉛・ニッケル等またはこれらを組み合わせ
た合金の微粉粒から構成されるが、特に限定されるもの
ではない。また、滑り軸受の形状も、特に限定されるも
のではなく、平面軸受・スラスト軸受・ジャーナル軸受
等、軸と軸受とが機構学的に面接触していて、軸受の回
転に伴って滑りを生ずる軸受であればいずれでも良い。
なお、ここで滑り軸受に限定する理由は、ころがり軸受
においては、ボール・レース(軌道輪)等の部材には強
度の点で多孔質材を使用することはできないからであ
る。ただし、保持器に多孔質焼結材を用いる場合には、
上記の滑り軸受と同様の処理を施したものを用いても良
い。
【0015】
【作用】この発明の多孔質滑り軸受は、非石鹸増稠剤を
用いたグリースが常温下で製造されかつ軸受に含浸され
たものであるから、製造効率がよく、また、このグリー
スが120〜130℃以上でも結晶転移を生じないの
で、高温雰囲気下で使用しても、トルクの増大またはグ
リースの漏洩を起こさない。
【0016】
【実施例】
実施例1:基油としてポリオールエステル油(興和油化
社製:アイビーアトラス56)に、増稠剤としてシリカ
エアロゲル(日本アエロジル社製:アエロジルR−97
2)1重量%を常温常圧下で混合し、さらに乳化装置を
用いて均質化してグリースを得た。
【0017】このグリースを外径12mm、内径6mm、長
さ6mmの多孔質(細孔径1〜10μm)の焼結銅合金製
ブッシュ状滑り軸受と共に真空容器に収容し、常温で1
-2torrの真空条件下で減圧含浸を行なった。
【0018】上記グリースは液体の潤滑油(基油)が、
固体のコロイド状シリカの三次元的ネットワーク構造の
中に埋められた2成分系のものであって、リチウムやマ
グネシウム石鹸を用いたグリースと同様の漏洩防止効果
があり、かつ100℃以上の高温時でも結晶転移が生じ
ないので、耐熱性が非常に優れたものであった。
【0019】実施例2:基油としてポリオールエステル
油(興和油化社製:アイビーアトラス56)に、増稠材
としてPTFE(ダイキン工業社製:ルブロンL−2)
1重量%を界面活性剤と共に常温圧下で混合し、さらに
乳化装置を用いて均質化してグリースを得た。
【0020】このグリースを外径12mm、内径6mm、長
さ6mmの多孔質(細孔径1〜10μm)の焼結銅合金製
ブッシュ状滑り軸受と共に真空容器に収容し、常温で1
-2torrの真空条件下で減圧含浸を行なった。PTFE
は、それ自体低摩擦材料あるいは固体潤滑剤として使わ
れるほど潤滑性が良く、耐熱性も通常300℃以上であ
り、得られた軸受は、漏洩防止効果があると共に耐焼き
付き性が著しく向上したものであった。
【0021】
【効果】この発明は、以上説明したように、軸受の多孔
質基材の細孔内に耐熱性非石鹸増稠剤を用いて結晶転移
が生じないグリースを含浸充填したものであるから、1
20〜130℃以上の高温雰囲気下で使用しても、この
軸受からグリースが漏洩せず、トルクが増大することが
ない。また、このようなグリースは、製造工程および軸
受への減圧含浸工程において加熱溶融する必要がなくて
製造効率がよく、生産コストの低減に貢献するため、産
業上利用価値が高いものであるということができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質基材の細孔内にグリースを充填し
    てなる多孔質滑り軸受において、 前記グリースの増稠剤が耐熱性非石鹸増稠剤であること
    を特徴とする多孔質滑り軸受。
JP3316097A 1991-11-29 1991-11-29 多孔質滑り軸受 Expired - Fee Related JP2522874B2 (ja)

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