JPH0560144A - グリース封入転がり軸受 - Google Patents
グリース封入転がり軸受Info
- Publication number
- JPH0560144A JPH0560144A JP21843291A JP21843291A JPH0560144A JP H0560144 A JPH0560144 A JP H0560144A JP 21843291 A JP21843291 A JP 21843291A JP 21843291 A JP21843291 A JP 21843291A JP H0560144 A JPH0560144 A JP H0560144A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- grease
- oil
- rolling bearing
- mixed
- low temperature
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Rolling Contact Bearings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、低温始動時にも潤滑性能を充分に
発揮して異音を発生することのないグリース封入転がり
軸受とする。 【構成】 アルキルジフェニルエーテル油、鉱油、シリ
コーン油、パーフルオロエーテル油等の基油に、ウレ
ア、リチウムコンプレックス、リチウム石鹸、フッ素樹
脂等の増稠剤を混合して、２５℃での稠度が４２５以上
の潤滑グリースを調製し、このグリースを封入したグリ
ース封入転がり軸受とする。低温始動時にもグリースは
軸受内部に充分に侵入して潤滑するので、転がり軸受に
異音が発生しない。
発揮して異音を発生することのないグリース封入転がり
軸受とする。 【構成】 アルキルジフェニルエーテル油、鉱油、シリ
コーン油、パーフルオロエーテル油等の基油に、ウレ
ア、リチウムコンプレックス、リチウム石鹸、フッ素樹
脂等の増稠剤を混合して、２５℃での稠度が４２５以上
の潤滑グリースを調製し、このグリースを封入したグリ
ース封入転がり軸受とする。低温始動時にもグリースは
軸受内部に充分に侵入して潤滑するので、転がり軸受に
異音が発生しない。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、温度差の大きい条件
下で使用される転がり軸受に関し、特に寒冷地での自動
車の電装部品や補機等の回転部に適用されるグリース封
入転がり軸受に関する。
下で使用される転がり軸受に関し、特に寒冷地での自動
車の電装部品や補機等の回転部に適用されるグリース封
入転がり軸受に関する。
【０００２】
【従来の技術】一般に、自動車等に使用される電装部品
または補機用の転がり軸受は、高温長寿命性が必要とさ
れる一方、寒冷地での使用を考慮した低温起動性や車の
静粛性向上に貢献することをも要求されている。
または補機用の転がり軸受は、高温長寿命性が必要とさ
れる一方、寒冷地での使用を考慮した低温起動性や車の
静粛性向上に貢献することをも要求されている。
【０００３】上記した電装部品や補機に使用される軸受
は、グリースを封入した密封軸受であり、そのグリース
は、主に高温耐久性の良いものが選ばれていた。このよ
うな潤滑グリースの組成は、例えば基油として鉱油、合
成炭化水素油、ポリオールエステル油、ポリフェニルエ
ーテル油、シリコーン油、フッ素油を用い、増稠剤とし
てリチウム石鹸、リチウムコンプレックス、ポリウレ
ア、フッ素樹脂を用いたものであって、これらのグリー
スの硬さは２５℃の稠度にして、２２０〜３１０であっ
た。
は、グリースを封入した密封軸受であり、そのグリース
は、主に高温耐久性の良いものが選ばれていた。このよ
うな潤滑グリースの組成は、例えば基油として鉱油、合
成炭化水素油、ポリオールエステル油、ポリフェニルエ
ーテル油、シリコーン油、フッ素油を用い、増稠剤とし
てリチウム石鹸、リチウムコンプレックス、ポリウレ
ア、フッ素樹脂を用いたものであって、これらのグリー
スの硬さは２５℃の稠度にして、２２０〜３１０であっ
た。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記硬さの高
温耐久性のある従来のグリースをアイドラプーリ、テン
ションプーリ等の電装部品または補機用軸受に封入する
と、低温時（１０〜−４０℃）で潤滑性能が劣り、寒冷
地での低温始動時に軸受から異音が発生するという問題
点がある。
温耐久性のある従来のグリースをアイドラプーリ、テン
ションプーリ等の電装部品または補機用軸受に封入する
と、低温時（１０〜−４０℃）で潤滑性能が劣り、寒冷
地での低温始動時に軸受から異音が発生するという問題
点がある。
【０００５】この発明は、上記した従来の高温耐久性あ
るグリースを封入した転がり軸受では、低温始動時に潤
滑性能が充分でなく異音が発生するという問題点を解決
し、前記異音を発生することのないグリース封入転がり
軸受とすることを課題としている。
るグリースを封入した転がり軸受では、低温始動時に潤
滑性能が充分でなく異音が発生するという問題点を解決
し、前記異音を発生することのないグリース封入転がり
軸受とすることを課題としている。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては２５℃での稠度が４２５以上の
潤滑グリースを封入した転がり軸受としたのである。
め、この発明においては２５℃での稠度が４２５以上の
潤滑グリースを封入した転がり軸受としたのである。
【０００７】以下、その詳細を述べる。
【０００８】この発明における潤滑グリースは、所要の
高温耐久性の条件に合わせて基油、増稠剤その他安定
剤、添加剤等の種類およびそれらの配合割合を設定すれ
ばよく、調製後の２５℃での稠度（ＪＩＳ Ｋ２２２０
５．３）が４２５以上であればよい。
高温耐久性の条件に合わせて基油、増稠剤その他安定
剤、添加剤等の種類およびそれらの配合割合を設定すれ
ばよく、調製後の２５℃での稠度（ＪＩＳ Ｋ２２２０
５．３）が４２５以上であればよい。
【０００９】したがって、基油としては、前記従来例の
ものを、特に制限することなく用いることができる。高
温耐久性に優れたグリースを得るには、フェニル系の基
油、たとえばポリフェニルエーテル油が好ましい。ま
た、増稠剤も上記基油中に適当な大きさでミセル構造を
導入し得る適当な種類のものを選択使用し、配合量も前
記種類に合わせて適宜設定する。前記基油の耐熱性に特
によく対応する増稠剤としてはポリウレアが挙げられ
る。
ものを、特に制限することなく用いることができる。高
温耐久性に優れたグリースを得るには、フェニル系の基
油、たとえばポリフェニルエーテル油が好ましい。ま
た、増稠剤も上記基油中に適当な大きさでミセル構造を
導入し得る適当な種類のものを選択使用し、配合量も前
記種類に合わせて適宜設定する。前記基油の耐熱性に特
によく対応する増稠剤としてはポリウレアが挙げられ
る。
【００１０】
【作用】この発明の密封転がり軸受は、１０〜−４０℃
程度の低温条件でも、従来のグリースに比べて軟質であ
る稠度４２５以上のグリースが軸受内部によく侵入して
完全潤滑されるので、低温始動時に異音を発生させるこ
とがない。
程度の低温条件でも、従来のグリースに比べて軟質であ
る稠度４２５以上のグリースが軸受内部によく侵入して
完全潤滑されるので、低温始動時に異音を発生させるこ
とがない。
【００１１】
〔実施例１および２〕基油として４０℃の動粘度が１０
３ｃＳｔのアルキルジフェニルエーテル油（松村研究所
社製：モレスコハイルーブＬＢＸ−１００）９４部また
は同１２３ｃＳｔのアルキルジフェニルエーテル油（松
村石油研究所社製：モレスコハイルーブＬＢＸ−１００
（５０wt％）とモレスコハイルーブＬ−１５０（５０wt
％）の混合油）９２部に、芳香族アミン（日本化薬社
製：パラトルイジン）２．８部または３．７部、イソシ
アネート（日本ポリウレタン社製：ミリオネートＭＴ）
３．２部または４．３部をそれぞれ反応させて、前記基
油中に増稠剤となるウレア化合物を混入し、ついで三本
ロールで混和し均質化した。得られた実施例１または２
のグリースに対して、２５℃の混和稠度およびこれらグ
リースを封入した転がり軸受の冷時異音の発生を以下の
実験方法で測定し、結果を表１に示した。
３ｃＳｔのアルキルジフェニルエーテル油（松村研究所
社製：モレスコハイルーブＬＢＸ−１００）９４部また
は同１２３ｃＳｔのアルキルジフェニルエーテル油（松
村石油研究所社製：モレスコハイルーブＬＢＸ−１００
（５０wt％）とモレスコハイルーブＬ−１５０（５０wt
％）の混合油）９２部に、芳香族アミン（日本化薬社
製：パラトルイジン）２．８部または３．７部、イソシ
アネート（日本ポリウレタン社製：ミリオネートＭＴ）
３．２部または４．３部をそれぞれ反応させて、前記基
油中に増稠剤となるウレア化合物を混入し、ついで三本
ロールで混和し均質化した。得られた実施例１または２
のグリースに対して、２５℃の混和稠度およびこれらグ
リースを封入した転がり軸受の冷時異音の発生を以下の
実験方法で測定し、結果を表１に示した。
【００１２】
【表１】
【００１３】混和稠度：ＪＩＳ Ｋ２２２０ ５．３に
より測定した。
より測定した。
【００１４】冷時異音測定：軸受６２０３にグリースを
封入し、ゴム製の接触シールを両側面に備え付け、その
軸受をハウジングにセットして−４０℃の低温槽に入
れ、充分冷却させた後、これを室温下に設置された軸受
装置に取り付け、アキシャル荷重０．２kgｆの条件下で
毎分２０００回転の速度で内輪を回転させ、ヒトの聴覚
による異常音（冷時異音）の発生の有無を調べた。
封入し、ゴム製の接触シールを両側面に備え付け、その
軸受をハウジングにセットして−４０℃の低温槽に入
れ、充分冷却させた後、これを室温下に設置された軸受
装置に取り付け、アキシャル荷重０．２kgｆの条件下で
毎分２０００回転の速度で内輪を回転させ、ヒトの聴覚
による異常音（冷時異音）の発生の有無を調べた。
【００１５】〔実施例３〕基油として鉱油（三興石油社
製：レビアスパラルーブ１２０）９５部に、増稠剤とし
て高級脂肪酸リチウム（堺化学工業社製：Ｓ７０００）
の３部と低級脂肪酸リチウム（ＡＬＦＡ ＰＲＯＤＵＣ
ＴＳ社製：安息香酸リチウム）の２部とを混合したリチ
ウムコンプレックスを添加して２７０℃で加熱溶解し、
３５℃まで冷却後、三本ロールで混和して均質化したグ
リースを得た。このグリースに対して、実施例１と全く
同様にして実験を行ない、結果を表１中に示した。
製：レビアスパラルーブ１２０）９５部に、増稠剤とし
て高級脂肪酸リチウム（堺化学工業社製：Ｓ７０００）
の３部と低級脂肪酸リチウム（ＡＬＦＡ ＰＲＯＤＵＣ
ＴＳ社製：安息香酸リチウム）の２部とを混合したリチ
ウムコンプレックスを添加して２７０℃で加熱溶解し、
３５℃まで冷却後、三本ロールで混和して均質化したグ
リースを得た。このグリースに対して、実施例１と全く
同様にして実験を行ない、結果を表１中に示した。
【００１６】〔実施例４〕基油としてシリコーン油（信
越化学工業社製：ＫＦ９６（１００））９４部に、増稠
剤としてリチウム石鹸（堺化学工業社製：Ｓ７０００）
を６部添加して２２０℃で加熱分散を充分に行なった
後、３５℃まで冷却後、三本ロールで混和して均質化し
たグリースを得た。このグリースに対して実施例１と全
く同様にして実験を行ない、この結果を表１中に示し
た。
越化学工業社製：ＫＦ９６（１００））９４部に、増稠
剤としてリチウム石鹸（堺化学工業社製：Ｓ７０００）
を６部添加して２２０℃で加熱分散を充分に行なった
後、３５℃まで冷却後、三本ロールで混和して均質化し
たグリースを得た。このグリースに対して実施例１と全
く同様にして実験を行ない、この結果を表１中に示し
た。
【００１７】〔実施例５〕基油としてパーフルオロエー
テル油（ダイキン工業社製：デムナムＳ−２００）９５
部に、フッ素樹脂（デュポン社製：ＶＹＤＡＸ１００
０）６７部を充分に分散混合した後、フッ素樹脂に含ま
れている溶媒（フレオンＴＦ）を充分蒸発させ、三本ロ
ールでさらに混和し、均質化したグリースを得た。この
グリースに対して実施例１と全く同様にして実験を行な
い、結果を表１中に示した。
テル油（ダイキン工業社製：デムナムＳ−２００）９５
部に、フッ素樹脂（デュポン社製：ＶＹＤＡＸ１００
０）６７部を充分に分散混合した後、フッ素樹脂に含ま
れている溶媒（フレオンＴＦ）を充分蒸発させ、三本ロ
ールでさらに混和し、均質化したグリースを得た。この
グリースに対して実施例１と全く同様にして実験を行な
い、結果を表１中に示した。
【００１８】〔比較例１〜４〕原材料を表２に示す配合
割合とする他は、実施例１または２と全く同様にして基
油と増稠剤を混和し、それぞれグリースを得た。これら
グリースに対して実施例１と全く同様にして実験を行な
い、この結果を表２に示した。
割合とする他は、実施例１または２と全く同様にして基
油と増稠剤を混和し、それぞれグリースを得た。これら
グリースに対して実施例１と全く同様にして実験を行な
い、この結果を表２に示した。
【００１９】
【表２】
【００２０】〔比較例５〕原材料を表２に示す配合割合
とする他は、実施例３と全く同様にして基油と増稠剤を
混和し、グリースを得た。このグリースに対して実施例
３と全く同様にして実験を行ない、この結果を表２に示
した。
とする他は、実施例３と全く同様にして基油と増稠剤を
混和し、グリースを得た。このグリースに対して実施例
３と全く同様にして実験を行ない、この結果を表２に示
した。
【００２１】〔比較例６〜７〕原材料を表２に示す配合
割合とする他は、実施例４と全く同様にして基油と増稠
剤を混和し、グリースを得た。このグリースに対して実
施例４と全く同様にして実験を行ない、この結果を表２
に示した。
割合とする他は、実施例４と全く同様にして基油と増稠
剤を混和し、グリースを得た。このグリースに対して実
施例４と全く同様にして実験を行ない、この結果を表２
に示した。
【００２２】〔比較例８〕原材料を表２に示す配合割合
とする他は、実施例５と全く同様にして基油と増稠剤を
混和し、グリースを得た。このグリースに対して実施例
５と全く同様にして実験を行ない、この結果を表２に示
した。
とする他は、実施例５と全く同様にして基油と増稠剤を
混和し、グリースを得た。このグリースに対して実施例
５と全く同様にして実験を行ない、この結果を表２に示
した。
【００２３】表１および表２の実験結果からも明らかな
ように、２５℃での稠度が２８０〜４２０の比較例１〜
８では冷時異音が発生したのに対し、同温での稠度４２
５以上（４２５以上の値は測定不能）の実施例１〜５で
は冷時異音の発生が認められなかった。
ように、２５℃での稠度が２８０〜４２０の比較例１〜
８では冷時異音が発生したのに対し、同温での稠度４２
５以上（４２５以上の値は測定不能）の実施例１〜５で
は冷時異音の発生が認められなかった。
【００２４】
【効果】この発明は、以上説明したように、２５℃での
稠度が４２５以上のグリースを封入した転がり軸受とし
たものであるから、低温下での始動時にも潤滑性能を充
分に発揮して異音を発することがなく、特に寒冷地で自
動車等軸受使用部材の静粛性を向上させることができる
という利点がある。したがって、この発明の産業上の利
用価値はきわめて高いものであるということができる。
稠度が４２５以上のグリースを封入した転がり軸受とし
たものであるから、低温下での始動時にも潤滑性能を充
分に発揮して異音を発することがなく、特に寒冷地で自
動車等軸受使用部材の静粛性を向上させることができる
という利点がある。したがって、この発明の産業上の利
用価値はきわめて高いものであるということができる。
Claims (1)
- 【請求項１】 ２５℃での稠度が４２５以上の潤滑グリ
ースを封入してなるグリース封入転がり軸受。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21843291A JPH0560144A (ja) | 1991-08-29 | 1991-08-29 | グリース封入転がり軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21843291A JPH0560144A (ja) | 1991-08-29 | 1991-08-29 | グリース封入転がり軸受 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0560144A true JPH0560144A (ja) | 1993-03-09 |
Family
ID=16719820
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21843291A Pending JPH0560144A (ja) | 1991-08-29 | 1991-08-29 | グリース封入転がり軸受 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0560144A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0671801A2 (en) * | 1994-03-11 | 1995-09-13 | Nippondenso Co., Ltd. | Alternator for vehicle |
| WO2001092741A1 (en) * | 2000-05-31 | 2001-12-06 | Ntn Corporation | Over-running clutch pulley with clutch and bearing lubricant |
-
1991
- 1991-08-29 JP JP21843291A patent/JPH0560144A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0671801A2 (en) * | 1994-03-11 | 1995-09-13 | Nippondenso Co., Ltd. | Alternator for vehicle |
| EP0671801A3 (ja) * | 1994-03-11 | 1995-10-25 | Nippon Denso Co | |
| WO2001092741A1 (en) * | 2000-05-31 | 2001-12-06 | Ntn Corporation | Over-running clutch pulley with clutch and bearing lubricant |
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