JPH05149199A - 内燃機関用ピストン - Google Patents

内燃機関用ピストン

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JPH05149199A
JPH05149199A JP31090791A JP31090791A JPH05149199A JP H05149199 A JPH05149199 A JP H05149199A JP 31090791 A JP31090791 A JP 31090791A JP 31090791 A JP31090791 A JP 31090791A JP H05149199 A JPH05149199 A JP H05149199A
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JP
Japan
Prior art keywords
piston
piston pin
boss hole
internal combustion
combustion engine
Prior art date
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Pending
Application number
JP31090791A
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English (en)
Inventor
Toru Akiba
場 亨 穐
Toshio Ogasawara
俊 夫 小笠原
Yoshio Akimune
宗 淑 雄 秋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ピストンピンボス孔とセラミック製ピストン
ピンとの間でのクリアランスの増加がなく、クリアラン
スの増加による打音の発生を防止して内燃機関における
静粛性の向上をはかる。 【構成】 セラミック製ピストンピンをピストンピンボ
ス孔7に嵌挿してコネクティングロッドの小端部側を枢
着する内燃機関用ピストン1において、ピストンピンボ
ス孔7の表面および表面近傍に繊維8を複合化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、内燃機関のシリンダ
ボア内で往復運動するピストンとして利用される内燃機
関用ピストンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関のシリンダボア内で往復運動す
る内燃機関用ピストンとしては、ピストンクラウンの外
周側部分に複数条のピストンリング溝を有すると共に前
記ピストンリング溝に続いてピストンスカートを有し、
さらにはピストンピンボス孔を有する構造としたものが
多く用いられている。
【0003】このような内燃機関用ピストンにおいて、
コネクティングロッドの小端部側を枢着するピストンピ
ンとしてセラミック製のものを用いてこのピストンピン
をピストンピンボス孔に嵌挿したときには、ピストンピ
ンボス孔のうちとくにピストンクラウン側の部分が前記
セラミック製ピストンピンの相手材攻撃性により摩耗
し、内燃機関の総運転時間が増加するにつれてピストン
ピンボス孔の形状が初期の真円形状から卵形形状へと変
形し、ピストンピンボス孔とセラミック製ピストンピン
との間でピストン往復動方向におけるクリアランスが増
大して、燃焼時にピストンピンボス孔とセラミック製ピ
ストンピンとが衝撃的に衝突するようになり、この衝突
によってピストンピンボス孔の部分で打音が発生し、内
燃機関の静粛性を低下させることになりかねないという
問題点があった。
【0004】一方、ピストンの軽量化や高強度化などの
ために、ピストンの全体ないしは大部分を繊維で複合化
したピストンも開発されているが、このような構造とし
たピストンでは、ピストン自体の形状が一回の熱サイク
ル毎に熱変形を生じ、これを繰り返すことによって恒久
的なピストンの形状変形をひき起こすことがあり、ピス
トンピンボス孔部を含むピストンピンの全体ないしは大
部分を繊維複合化したときには総運転時間の増加に伴っ
てピストンの恒久的な変形を生ずることがあるという問
題点があることから、これらの問題点を解決することが
課題となっていた。
【0005】
【発明の目的】この発明は、上記した従来の課題にかん
がみてなされたものであって、セラミック製ピストンピ
ンをピストンピンボス孔に嵌挿してコネクティングロッ
ドの小端部側を枢着する内燃機関用ピストンにおいて、
ピストンピンボス孔の形状変化が少なく、したがって、
ピストンピンボス孔とセラミック製ピストンピンとの間
でのクリアランスの増加が少なく、それゆえ、ピストン
ピンボス孔とセラミック製ピストンピンとが衝撃的に衝
突することがなくなって、内燃機関のピストンピンボス
孔部分での静粛性を長期間にわたって良好に維持するこ
とが可能であり、しかも、ピストンの全体ないしは大部
分を繊維複合化したもののように恒久的な形状変形を生
じがたいものにすることが可能である内燃機関用ピスト
ンを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、セラミック
製ピストンピンをピストンピンボス孔に嵌挿してコネク
ティングロッドの小端部側を枢着する内燃機関用ピスト
ンにおいて、ピストンピンボス孔の表面および表面近傍
のうち少なくともピストンクラウン側におけるピストン
ピンボス孔の表面ないしは表面近傍に繊維を複合化した
構成としたことを特徴としており、このような内燃機関
用ピストンに係わる発明の構成をもって前述した従来の
課題を解決するための手段としている。
【0007】
【発明の作用】この発明に係わる内燃機関用ピストンで
は、上記した構成としているので、ピストンピンとして
セラミック製のものを用いたときでも、ピストンピンボ
ス孔がセラミック製ピストンピンの相手材攻撃性によっ
ても摩耗しがたいものとなり、ピストンピンボス孔とセ
ラミック製ピストンピンとの間でのクリアランスが増大
しがたいものとなって、前記クリアランスが増大したと
きにおけるようなピストンピンボス孔部での打音の発生
が防止され、ピストンピンボス孔部での静粛性が良好に
維持されることとなる。
【0008】
【実施例】図1および図2はこの発明に係わる内燃機関
用ピストンの第1の実施例を示すものであって、図に示
す内燃機関用ピストン1は、ピストンクラウン2の外周
側に3条のピストンリング溝3,4,5を有し、前記ピ
ストンリング溝3,4,5の下方にはピストンスカート
6を有していると共に、ピストンピンボス孔7を有し、
ピストンピンボス孔7の表面および表面近傍に繊維8を
複合化し、この場合に、繊維8は左右のスナップリング
係止部9a,9b間で複合化した構造をなしている。
【0009】この第1の実施例において、ピストン1は
アルミニウム合金より形成したものであり、繊維8には
アルミナ繊維を用いたものであって、このような構造の
ピストン1を製造するに際しては、前記アルミナ繊維よ
りなる筒状成形体を鋳造装置のピストンピンボス孔成形
部分に配設したのち溶融アルミニウム合金を加圧鋳造す
ることによって成形され、ピストンピンボス孔7に仕上
げ加工した状態では、図3に示すように、表面に繊維8
が分散した構造をなすものとなっている。
【0010】図4は、上記ピストンピンボス孔7の表面
および表面近傍に繊維8を複合化した本発明実施例によ
るピストン1と、繊維を複合化しない従来例によるピス
トンをそれぞれ個別に内燃機関に組み込み、セラミック
製ピストンピンを用いてコネクティングロッドの小端部
側を枢着して運転した場合における機関の総運転時間と
ピストンピンボス孔7の摩耗量との関係を調べた結果を
例示するものであって、図4において横軸に機関の総運
転時間をとり、縦軸にピストンピンボス孔7の摩耗量を
摩耗した体積で求めた値をとっている。
【0011】図4に例示した結果より明らかなように、
ピストンピンボス孔7の表面および表面近傍に繊維8を
複合化させた本発明実施例によるピストン1では、繊維
を複合化させない従来例のピストンに比べて、ピストン
ピンボス孔7部分での摩耗量が著しく少ないものとなっ
ており、ピストンピンとしてセラミック製のものを用い
たときでも摩耗量を著しく少ないものにできることが確
かめられた。
【0012】図5は、上記図4に示した摩耗量の測定評
価において、ピストンピンボス孔7とセラミック製ピス
トンピンとの間のクリアランス変化を調べた結果を例示
するものであって、図5において横軸に総運転時間をと
り、縦軸にクリアランスをとっている。
【0013】図5に例示した結果より明らかなように、
ピストンピンボス孔7の表面および表面近傍に繊維8を
複合化させた本発明実施例によるピストン1では、繊維
を複合化させない従来例のピストンに比べて、ピストン
ピンボス孔7とセラミック製ピストンピンとの間でのク
リアランスの増加が著しく小さいものとなっており、ピ
ストンピンとしてセラミック製のものを用いたときでも
クリアランスの増大を抑制できることが認められた。
【0014】そして、図4および図5に示した運転試験
において、機関運転時における騒音の大きさの変化を調
べたところ、図6に示す結果であった。
【0015】図6に示すように、本発明実施例による場
合には従来例の場合に比べて騒音の増加が著しく少ない
ものとなっており、ピストンピンボス孔7の表面および
表面近傍に繊維8を複合化させたものとすることによっ
て、騒音レベルの低減に有効であることが確かめられ
た。
【0016】また、ピストンピンボス孔の表面および表
面近傍に繊維を複合化しない従来のピストンにおいて、
ピストンピンをセラミック製のものとし、ピストンピン
ボス孔とピストンピンとの間におけるクリアランス管理
を金属製のピストンピンを用いたときと同様にして行っ
た場合には、セラミック製ピストンピンとピストンとの
間での熱膨張差によって機関運転による温度上昇時にセ
ラミック製ピストンピンとピストンピンボス孔との間で
のクリアランスがより大きなものとなり、ピストンピン
ボス孔が摩耗する以前においても打音を発生することに
なるという問題点があった。
【0017】また、反対に、機関運転による温度上昇時
におけるクリアランスを重視して運転時に打音が生じな
いようにクリアランス管理を行ったときには、温度が低
下したときにピストンピンボス孔がセラミック製ピスト
ンピンを圧縮することによってピストンピンボス孔部に
多大な応力が発生することになるという問題点があっ
た。
【0018】これに対し、本発明のようにピストンピン
ボス孔7の表面ないし表面近傍に繊維8を複合化させた
ものとすることによって、繊維8を複合化させたピスト
ンピンボス孔部周辺の熱膨張率とセラミック製ピストン
ピンの熱膨張率との差を減少させることが可能となり、
セラミック製ピストンピンとピストンとの間での熱膨張
差により生ずる上記問題点も同時に解決できることとな
る。
【0019】図7および図8はこの発明の第2の実施例
を示すものであって、図に示す内燃機関用ピストン1
は、ピストンクラウン2の外周側に3条のピストンリン
グ溝3,4,5を有し、前記ピストンリング溝3,4,
5の下方にはピストンスカート6を有していると共に、
ピストンピンボス孔7を有し、ピストンクラウン2側に
おけるピストンピンボス孔7の表面および表面近傍に繊
維8を複合化し、この場合に、繊維8は左右のスナップ
リング係止部9a,9b間で複合化した構造をなしてい
る。
【0020】このような構造のピストン1を製造するに
際しては、例えば、アルミナ繊維よりなる円弧状成形体
を鋳造装置のピストンピンボス孔成形部分のうちピスト
ンクラウン成形部分に近い位置に配設したのち、例えば
溶融アルミニウム合金を加圧鋳造することによって成形
され、ピストンピンボス孔7に仕上げ加工した状態で
は、ピストンピンボス孔7のうちピストンクラウン2側
の表面および表面近傍に繊維8が複合化したものとなっ
ている。
【0021】図9は、上記ピストンピンボス孔7のうち
ピストンクラウン2に近い側の表面および表面近傍に繊
維8を複合化した本発明実施例によるピストン1と、繊
維を複合化していない従来例によるピストンをそれぞれ
個別に内燃機関に組み込み、セラミック製ピストンピン
を用いてコネクティングロッドの小端部側を枢着して運
転した場合における騒音の変化を調べた結果を例示する
ものであって、本発明実施例によるピストン1ではセラ
ミック製ピストンピンによって攻撃を受けがたいことか
ら、ピストンピンボス孔7部分での摩耗およびセラミッ
ク製ピストンピンとの間でのクリアランスが増加しがた
いことによって、従来例の場合に比べて騒音の増加がか
なり抑制できることが確かめられた。
【0022】
【発明の効果】この発明では、セラミック製ピストンピ
ンをピストンピンボス孔に嵌挿してコネクティングロッ
ドの小端部側を枢着する内燃機関用ピストンにおいて、
ピストンピンボス孔の表面および表面近傍のうち少なく
ともピストンクラウン側におけるピストンピンボス孔の
表面ないしは表面近傍に繊維を複合化した構成としたか
ら、ピストンピンボス孔の形状変化が著しく少なく、し
たがって、ピストンピンボス孔とセラミック製ピストン
ピンとの間でのクリアランスの増加が少なく、それゆ
え、ピストンピンボス孔とセラミック製ピストンピンと
が衝撃的に衝突することがなくなって、内燃機関のピス
トンピンボス孔部分での静粛性を長期にわたって良好に
維持することが可能であり、しかも、ピストンの全体な
いしは大部分を繊維複合化した場合のように恒久的な形
状変化が生じがたいものにでき、さらには、ピストンピ
ンボス孔部分の熱膨張係数をセラミック製ピストンピン
の熱膨張係数に近付けることができるので、両者の熱膨
張量の差による高温時におけるクリアランスの増大にも
とづく打音の発生(低温時を基準にクリアランス管理し
た場合)や、低温時における収縮にもとづく応力の発生
(高温時を基準にクリアランス管理した場合)などとい
った不具合がなくなり、ピストンピンボス孔部分での騒
音の低減ならびに耐久性の向上が実現されるという著し
く優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による内燃機関用ピストンの第1の実
施例を示す縦断面説明図である。
【図2】この発明による内燃機関用ピストンの第1の実
施例を示す正面説明図である。
【図3】この発明による内燃機関用ピストンの第1の実
施例において、ピストンピンボス孔の表面を部分的に示
す説明図である。
【図4】この発明の第1の実施例による内燃機関用ピス
トンと従来例による内燃機関用ピストンの総運転時間に
よるピストンピンボス孔部分の摩耗量の変化を調べた結
果を例示するグラフである。
【図5】この発明の第1の実施例による内燃機関用ピス
トンと従来例による内燃機関用ピストンの総運転時間に
よるピストンピンボス孔とセラミック製ピストンピンと
の間におけるクリアランスの変化を調べた結果を例示す
るグラフである。
【図6】この発明の第1の実施例による内燃機関用ピス
トンと従来例による内燃機関用ピストンの総運転時間に
よる騒音の変化を調べた結果を例示するグラフである。
【図7】この発明による内燃機関用ピストンの第2の実
施例を示す縦断面説明図である。
【図8】この発明による内燃機関用ピストンの第2の実
施例を示す正面説明図である。
【図9】この発明の第2の実施例による内燃機関用ピス
トンと従来例による内燃機関用ピストンの総運転時間に
よる騒音の変化を調べた結果を例示するグラフである。
【符号の説明】
1 内燃機関用ピストン 2 ピストンクラウン 7 ピストンピンボス孔 8 繊維

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック製ピストンピンをピストンピ
    ンボス孔に嵌挿してコネクティングロッドの小端部側を
    枢着する内燃機関用ピストンにおいて、ピストンピンボ
    ス孔の表面および表面近傍のうち少なくともピストンク
    ラウン側におけるピストンピンボス孔の表面ないしは表
    面近傍に繊維を複合化したことを特徴とする内燃機関用
    ピストン。
JP31090791A 1991-11-26 1991-11-26 内燃機関用ピストン Pending JPH05149199A (ja)

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