JPH05149157A - 車両用駆動力制御装置 - Google Patents

車両用駆動力制御装置

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JPH05149157A
JPH05149157A JP3314612A JP31461291A JPH05149157A JP H05149157 A JPH05149157 A JP H05149157A JP 3314612 A JP3314612 A JP 3314612A JP 31461291 A JP31461291 A JP 31461291A JP H05149157 A JPH05149157 A JP H05149157A
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torque
drive
slip
control
adjustment time
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Tomohiro Fukumura
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トラクションコントロール中、エンジン駆動
トルクを所定量ずつ増減させるトルク調整時間を、駆動
スリップ状態に応じて可変制御することにより、当該駆
動スリップ状態に応じた最適エンジン駆動トルクを得
る、高精度な駆動力制御を実現する。 【構成】 前後輪1L, 1R, 2L, 2Rの車輪回転数 VFL , V
FR , VRL , VRRを CPU11に入力する。 CPU11は所定の制
御プログラムを実行して、燃料供給コントロールユニッ
ト12からエンジンの各気筒13-1〜13-6へ出力されるイン
ジェクションパルスIP を遮断する信号FCを出力する
際に、燃料供給カットする気筒数を1気筒ずつ増減する
際の各気筒数毎のトルク調整時間を駆動スリップ状態に
応じて変更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両のエンジン駆動力を
精度良く制御して常に最適駆動力が得られるようにし
た、車両用駆動力制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】駆動輪に駆動スリップが発生したとき、
当該駆動輪へ供給する駆動力を駆動スリップ状態に応じ
て制御する、いわゆるトラクションコントロールを実施
する、車両用駆動力制御装置の従来例としては、例えば
特開平1−269621号公報、特開平1−269624号公報に開
示されたものがある。これら従来例は、駆動輪のスリッ
プ状態 (スリップ量等) をパラメータに用いて駆動スリ
ップ状態の判定を行い、この判定結果に基づきスロット
ル開度を調整して前記駆動輪へ供給する駆動力を制御す
ることにより当該駆動スリップを抑制しようとするもの
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例において
は、当該スリップ状態に応じて算出した目標エンジン駆
動トルクが達成されるように、演算にて求めた目標スロ
ットル開度に実際のスロットル開度が一致するようスロ
ットルバルブを調整することによってエンジン駆動トル
クの絶対値を制御しているため、アクチュエータとして
のスロットルバルブのスロットル開度が目標値に達する
までの間に応答遅れが生じてその応答遅れによってオー
バーシュートが生じることから、実際のエンジン駆動ト
ルクを目標エンジン駆動トルクに正確に一致(追従)さ
せるのが難しくなる。すなわち、単に駆動トルクの目標
値のみを設定しても、上記のごとく正確な駆動トルクの
制御ができず、結局トラクションコントロールの制御精
度を確保できなくなる。
【0004】本発明はエンジン駆動トルクを所定量ずつ
増減させるトルク調整時間を駆動スリップ状態に応じて
可変制御する、いわゆるエンジン駆動トルクの変化速度
指令制御とすることにより、上述した問題を解決するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的のため、本発明
の車両用駆動力制御装置の請求項1の構成は、図1に概
念を示す如く、駆動輪の駆動スリップ状態を検出するス
リップ検出手段を有し、この駆動スリップ状態の検出結
果に基づき駆動トルク制御手段がエンジン駆動トルクを
所定量ずつ増減制御するようにした車両用駆動力制御装
置において、前記駆動スリップ状態の検出結果に基づ
き、エンジン駆動トルクを前記所定量ずつ増減させるト
ルク調整時間を変更する、トルク調整時間変更手段を具
えて成ることを特徴とし、また請求項2の構成は、図2
に概念を示す如く、請求項1の構成に加えてエンジンの
必要駆動トルクを算出する必要駆動トルク算出手段を設
け、前記トルク調整時間変更手段が前記駆動スリップの
検出結果および前記必要駆動トルクの算出結果に基づき
トルク調整時間を変更するようにしたことを特徴とする
ものである。
【0006】
【作用】本発明の請求項1の構成によれば、スリップ検
出手段が検出した駆動輪の駆動スリップ状態に基づき、
駆動トルク制御手段がエンジン駆動トルクを所定量ずつ
増減制御する際に、トルク調整時間変更手段は、前記所
定量ずつエンジン駆動トルクを増減させるトルク調整時
間を前記駆動スリップ状態に基づいて変更するから、当
該駆動スリップ状態に正確に対応したエンジン駆動トル
クの増減がなされることになり、トラクションコントロ
ールの制御精度が向上する(なお、上記トルク調整時間
の変更は、例えば請求項3の如く、駆動スリップ状態と
してのスリップ量をS、スリップ変化率をdS/dt、前記
所定量をΔTr 、制御ゲインをKp ,KI 、目標スリッ
プ量を Sd とした場合、トルク調整時間Δtを
【数3】 Δt=ΔTr /{Kp ・dS/dt +KI ・(S-Sd ) } によって求めることによって行う)。
【0007】また本発明の請求項2の構成によれば、上
記請求項1の構成にエンジンの必要駆動トルクを算出す
る必要駆動トルク算出手段を加え、トルク調整時間変更
手段がこの必要駆動トルクおよびスリップ状態に基づい
てトルク調整時間を変更するから、上記トラクションコ
ントロールの制御精度向上の効果が得られる上に、路面
状態に応じた適切なトラクションコントロールを実現す
ることができる(なお、上記トルク調整時間の変更は、
例えば請求項4の如く、必要駆動トルクTroの変化率を
dTro/dtとした場合、トルク調整時間Δt を
【数4】Δt=ΔTr /{Kp ・dS/dt +KI ・(S-
Sd )-d Tro/dt} によって求めることにより行う) 。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図3は本発明の車両用駆動力制御装置の第1
実施例の構成を示す線図であり、図中、1L,1Rは左
前輪、右前輪、2L,2Rは左後輪、右後輪、3はエン
ジンを示す。この車両はエンジン3によって駆動輪であ
る前輪1L,1Rを駆動する前輪駆動車であり、各車輪
1L,1R,2L,2Rの近傍には夫々車輪回転センサ
4,5,6,7が設けてある。車輪回転センサ4〜7
は、各車輪の回転数を当該回転数に応じた周波数のパル
ス信号として検出するもので、得られた各車輪の回転数
VFL , VFR ,VRL , VRR に応じた周波数のパルス信号は
駆動力制御部8のF/Vコンバータ9に入力される。
【0009】駆動力制御部8はF/Vコンバータ9、A
/Dコンバータ10および CPU11を具えて成るものであ
り、F/Vコンバータ9は前記各車輪センサ4〜7から
の入力信号を電圧変換してA/Dコンバータ10に入力
し、A/Dコンバータ10は各入力信号をディジタル変換
して CPU11に入力する。なお CPU11は例えばマイクロコ
ンピュータを用いるものとする。
【0010】CPU11は入力された各車輪回転数(各車輪
速) VFL, VFR , VRL , VRRに基づき図4および図5の
制御プログラムを実行して、トラクションコントロール
(エンジン駆動力制御)を実施する際に用いるエンジン
駆動トルクを所定量ΔTr (例えば現在発生しているト
ルクに対するパーセンテージで設定する)ずつ増減させ
るトルク調整時間Δtを駆動スリップ状態に応じて変更
する、トルク調整時間可変制御(トルク変化速度指令制
御)を行う。なお本例で用いるトラクションコントロー
ルは、後述するように、エンジンの各気筒13-1〜13-6に
対して燃料供給カットを行う方式のものである。
【0011】すなわち、図示しないオペレーティングシ
ステムによって所定周期毎の定時割込みにより繰返し実
行される図4の制御プログラムにおいて、まずステップ
101で駆動輪である左右前輪の回転数 VFL , VFRおよび
従動輪である左右後輪の回転数 VRL, VRR を、夫々対応
する車輪回転センサ4〜7より読込み、ステップ102で
前輪 (駆動輪) および後輪 (従動輪) の平均回転数 VF
, VRを VF =(VFL+VFR) /2、VR=(VRL+VRR) /2に
より算出する。次のステップ103 ではスリップ量Sの現
在値Sn をSn =VF−VRにより算出し、ステップ10
4 でスリップ変化率 dS /dtの現在値 dS n /dtを dS
n /dt=Sn −Sn-1 ( ただしSn-1 ; スリップ量の前
回値)により算出する。
【0012】このようにして求めたSn 、dSn /dtを用
いて、次のステップ105 ではエンジン駆動トルクを所定
量ずつ変化 (増減) させるトルク調整時間Δtを求め
る。ここでトルク調整時間Δtは、Δt=f(Sn , dSn
/dt)によりスリップ量Sn およびスリップ変化率dSn
/dtの関数として表わしたものであり、例えば予め図
示しないメモリ等に記憶しておいた上記関数のマップを
n およびdSn /dtに基づきルックアップすること
によりトルク調整時間Δtを求めるものとする。なおそ
の際、Sn およびdSn /dtに基づき本例の制御を必
要としないと判定される駆動スリップなしの走行状態の
場合には以下の制御を実施せず、制御をそのまま終了す
る。このΔtは、エンジン駆動トルクの変化方向(増加
または減少)を表わすために正および負の値を取るもの
とし、正のとき駆動トルクを減少させ(したがって燃料
供給カットする気筒数を増加させ)、負のとき駆動トル
クを増加させる(したがって燃料供給カットする気筒数
を減少させる)ものとする。なお上述したΔtの式がS
n およびdSn /dtの関数であることが明らかなよう
に、このΔtを用いる本例の制御はフィードフォワード
制御になる。
【0013】次のステップ106 ではΔtをタイマカウン
タセット値nO に変換する。この変換はタイマカウント
値の1に相当する時間を表わすサンプリング時間Tsamp
でΔtを除算することにより行うものとし(nO =Δt
/Tsamp)、Δtが大きくなるほどタイマカウンタ値n
O は大きくなる。上記ステップ101 〜106 はトルク調整
時間変更手段として機能する。なお、この図4の制御プ
ログラムを実行後、引続き図5の制御プログラムを実行
する。
【0014】図5の制御プログラムは実際にエンジン駆
動トルクを増減させるものであり、まずステップ111
で、前記ステップ105 で求めたトルク調整時間Δtの極
性をチェックし、Δtが正ならばステップ112 でエンジ
ン駆動トルクを所定量ΔTr 分(1気筒相当分)減少さ
せる指令を行い、Δtが負ならばステップ113 でエンジ
ン駆動トルクを所定量ΔTr 分減少させる指令を行う。
次のステップ114 でタイマカウンタの計数値nをリセッ
ト(n=0)してから、ステップ115 でnのインクリメ
ントを開始する(n=n+1)。このnのインクリメン
トはステップ116の判別が YESになるまで繰返し実行さ
れる。すなわち、ステップ116 ではタイマカウンタの計
数値nと前記ステップ106 で求めたタイマカウンタセッ
ト値nO との比較を行い、nがnO に達するまではステ
ップ116 の No −115 −116 の Noのループを繰返して
計数値nを増加させ、その間ステップ112 または113 の
指令が継続される。nがnO に達したとき(n≧
O )、上記ループを脱出して制御周期が終了し、その
後再びステップ101 に進むことになる。このループ中ス
テップ116 の判別に用いるセット値nO は前記ステップ
106 の実行により各制御周期毎に絶えず変化し続ける。
【0015】上記制御の作用を図6によって説明する。
図6は本例の制御の動作例を示すタイミングチャートで
あり、例えば図示のように平均従動輪回転数VRよりも
平均駆動輪回転数VFが大きくなる(VR<VF)駆動
スリップの発生時、スリップ量Sが増加し続けて瞬時t
1 のスリップ量Sn が目標スリップ量Sd に一致する場
合、瞬時t1 以後エンジン駆動トルク制御(以下トルク
ダウンと称す)が実施される(なお図示のようにスリッ
プ量が目標スリップ量よりも小さくてトルクダウンを必
要としない瞬時t1 以前は、前述したようにステップ10
5 でトルク調整時間Δtを求める際に制御をそのまま終
了するから、トルクダウンは実施されずトルクダウン量
は0になる)。スリップ量Sn が目標スリップ量Sd
りも大きくなってトルクダウンを必要とする瞬時t1
後は、ステップ114 −115 の実行により瞬時t1 にイン
クリメントを開始されたタイマカウンタの計数値nがス
テップ106 のタイマカウンタセット値nO に達するまで
の間ステップ115 −116 のYES −115 のループが繰返さ
れることにより、トルクダウン量が所定量ΔTr (1気
筒カット相当)になる状態が図6にT1 で示す間維持さ
れる。また瞬時t1 から時間T1 が経過した瞬時t2
後、上記と同様の制御が実施されてトルクダウン量がさ
らに所定量ΔTr 増えて2気筒カット相当になる状態が
図5にT2 で示す瞬時t2 〜t3 の間維持され、トルク
ダウン量が3気筒カット相当の状態がT3 で示す瞬時t
3 〜t4 の間維持される。その後ステップ105 で求めた
Δtが負に転じてトルクダウン量が減少し、燃料供給カ
ットする気筒数が減少することによりエンジン駆動トル
クが所定量ΔTr ずつ増加(リカバー)され、トルクダ
ウン量が2気筒カット相当の状態がT4 で示す瞬時t4
〜t5 の間維持され、トルクダウン量が1気筒カット相
当の状態がT5 で示す瞬時t5 〜t6 の間維持され、そ
の後トルクダウン量が0になる。
【0016】ところで上記T1 〜T5 は、ステップ101
〜106 の実行によりステップ115 −116 の YES−115 の
ループを繰返す時間の基準になるnO が当該スリップ状
態(Sn およびdSn /dt)に応じて絶えず変化する
ことから、スリップが増加するほどその間隔が狭くなっ
て大きなトルクダウン量に短時間で到達し、これにより
当該駆動スリップの収束が早まる。このようにトラクシ
ョンコントロールが例えばエンジンの各気筒に対し燃料
供給カットを行う方式であって、トルクダウン量をステ
ップ状に制御する方式のものの場合において、トルク調
整時間T1 〜T 5 の間隔を可変制御することによりトル
クダウン量の連続的制御が可能になり、トラクションコ
ントロールの制御精度が向上する。また本例の車両用駆
動力制御装置は、例えばトラクションコントロールがス
ロットル開度を制御する方式の場合にも適用することが
でき、その場合、スロットル開度とエンジン駆動トルク
との関係(エンジン出力特性)が異なる複数種類のエン
ジンに適用する際に、エンジン駆動トルクを変化させる
所定量ΔTr が同一になるように設定するだけでよく、
エンジン毎のコントローラ(駆動力制御部8)のチュー
ニングを必要としないという効果が得られる。
【0017】図7は本発明の車両用駆動力制御装置の第
2実施例における、トルク調整時間可変制御の制御プロ
グラムを示すフローチャートである。この第2実施例は
第1実施例の図4のステップ105 を図7のステップ105a
に変更したものであり、その他は第1実施例と同様に構
成する。すなわち、ステップ105aではトルク調整時間Δ
Tを
【数5】 ΔT=ΔTr /{Kp ・dSn /dt +KI ・(Sn -Sd ) } (ただしKp ,KI : 制御ゲイン、Sd :目標スリップ
量) によって算出しており、この場合 (Sn −Sd )の
項を用いていることから、フィードバック制御になる。
【0018】この第2実施例の制御の作用は上述した図
6の動作例の場合とほぼ同様になり、したがって第1実
施例と同様の作用効果が得られる。
【0019】図8は本発明の車両用駆動力制御装置の第
3実施例における、トルク調整時間可変制御の制御プロ
グラムを示すフローチャートである。この第3実施例は
第2実施例においてトルク調整時間を求めるステップ10
5aで用いた式中に必要駆動トルク(路面状態および走行
状態に応じてエンジンに定常的に必要になる駆動トル
ク)Troの項を追加するためのステップを追加したもの
であり、その他は第2実施例と同様に構成する。すなわ
ち、図8の制御プログラムのステップ121 では、図4の
ステップ101 〜104と全く同一内容の制御を実行して前
後輪平均回転数 VF , VR、スリップ量Sn およびその変
化率dSn /dtを求め、次のステップ122で従動輪であ
る後輪の平均回転数の現在値VFn および前回値VF
n-1 を読込む。ステップ123 では車両の前後G値XG
【数6】XG =(VRn −VRn-1 )/Tsamp により算出し、ステップ124 で必要駆動トルクTro
【数7】Tro=K・XG (ただしK:車体重量、タイヤ半径、減速比等によって
決定される定数)により算出する。そして次のステップ
125 で、エンジン駆動トルクを所定量ΔTr ずつ増減さ
せるトルク調整時間Δtを
【数8】Δt=ΔTr /{Kp ・dSn /dt +KI ・(Sn
-Sd ) −dTro/dt } によって算出する (このステップ125 は必要駆動トルク
算出手段として機能する)。ここでΔtは第1実施例と
同様に正のとき駆動トルクを減少させ、負のとき駆動ト
ルクを増加させるものとし、得られたΔtは次のステッ
プ126 でnO =Δt/Tsampによってタイマカウンタセ
ット値no に変換しておく。なお図8の制御プログラム
を実行後、第1実施例と同様に実際にエンジン駆動トル
クを増減させる図5の制御プログラムを実行するものと
する。
【0020】上記制御の作用を図8によって説明する。
一般に車両走行中のエンジン駆動力Tr は必要駆動トル
クTroを考慮した場合、
【数9】 Tr =Kp ・(Sn -Sd ) + KI ・∫(S n -Sd )dt-Tro と表わすことができ、この式を時間微分すると、
【数10】ΔT r /Δt=KP ・dSn /dt + KI ・(Sn -S
d )-dTro/dt となり、この式をΔtについて解くと
【数11】Δt=ΔTr /{KP ・dSn /dt + KI ・(S
n -Sd )-dTro/dt } となる。ここで、上記式中に必要駆動トルクTroの時間
微分の項を追加した効果について考察すると、図5と同
一の動作例を示す図9において、例えば瞬時t5 に路面
状態が低摩擦係数路(低μ路)から高摩擦係数路(高μ
路)へと変化したとすると、図8のステップ125 の演算
式中、{KP ・dSn /dt + KI ・(Sn -Sd ) }はスリッ
プ量Sが減少しスリップ変化率 dS n /dt が負になるた
め負になり、上記路面状態の変化に伴い必要駆動トルク
の変化率(−dTro/dt)の負の値が大きくなるため
式全体としては分母の負の値が大きくなってΔtは小さ
くなる。この結果、図9に点線で示すように、必要駆動
トルクTroを考慮しない実線の場合に比べエンジン駆動
トルクのリカバーが早まることになり、走行状態および
路面状態に応じた最適エンジン駆動力が得られるような
駆動力制御が可能になる。
【0021】なお上記各実施例におけるトルク調整時間
Δtを算出する式中にて、スリップ状態の予測制御とし
てのdSn /dt の項を用いたが、これに加えてハンチング
防止としてのd2S n /dt2の項を用いてもよい。また上記
各実施例においてはトラクションコントロールとして燃
料供給カットを行う方式を採用しているが、これに限定
されるものではなく、例えばエンジンのスロットル弁を
電気的に制御するスロットル開度制御やエンジンの点火
時期制御を行う方式に適用してもよく、例えば前記各実
施例における気筒毎の燃料供給カットに加えて、この1
気筒カットによるトルクダウン量の何分の1かに当たる
量のトルクダウンを点火時期を遅らせることにより行な
うようにし、この点火時期制御によるトルクダウン量を
徐々に増やすことにより、トルクの変化をなめらかにす
ることもできる。また、本例は前輪駆動車に適用した例
を示したが後輪駆動車に適用してもよい。
【0022】
【発明の効果】かくして本発明の車両用駆動力制御装置
は上述の如く、請求項1の構成においては、エンジン駆
動トルクを所定量ずつ増減させるトルク調整時間を例え
ば請求項3に示す如く駆動スリップ状態に応じて可変制
御するから、当該駆動スリップ状態に正確に対応したエ
ンジン駆動トルクの増減がなされることになり、トラク
ションコントロールの制御精度が向上する。また、請求
項2の構成においては、上記請求項1の構成にエンジン
の必要駆動トルクを算出する必要駆動トルク算出手段を
加え、トルク調整時間変更手段がこの必要駆動トルクお
よびスリップ状態に基づいてトルク調整時間を例えば請
求項4に示す如く変更するから、上記トラクションコン
トロールの制御精度向上の効果が得られる上に、路面状
態に応じた適切なトラクションコントロールを実現する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概念図である。
【図2】本発明の概念図である。
【図3】本発明の車両用駆動力制御装置の第1実施例の
構成を示す線図である。
【図4】同例におけるトルク調整時間可変制御の制御プ
ログラムを示すフローチャートである。
【図5】同例におけるトルク調整時間可変制御の制御プ
ログラムを示すフローチャートである。
【図6】同例の作用を説明するためのタイミングチャー
トである。
【図7】本発明の車両用駆動力制御装置の第2実施例に
おける、トルク調整時間可変制御の制御プログラムを示
すフローチャートである。
【図8】本発明の車両用駆動力制御装置の第3実施例に
おける、トルク調整時間可変制御の制御プログラムを示
すフローチャートである。
【図9】同例の作用を説明するためのタイミングチャー
トである。
【符号の説明】
1L, 1R 前輪 (駆動輪) 2L, 2R 後輪 (従動輪) 3 エンジン 4〜7 車輪回転センサ 11 CPU 12 燃料供給コントロールユニット 13-1〜13-6 気筒

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動輪の駆動スリップ状態を検出するス
    リップ検出手段を有し、この駆動スリップ状態の検出結
    果に基づき駆動トルク制御手段がエンジン駆動トルクを
    所定量ずつ増減制御するようにした車両用駆動力制御装
    置において、 前記駆動スリップ状態の検出結果に基づき、エンジン駆
    動トルクを前記所定量ずつ増減させるトルク調整時間を
    変更する、トルク調整時間変更手段を具えて成ることを
    特徴とする、車両用駆動力制御装置。
  2. 【請求項2】 エンジンの必要駆動トルクを算出する必
    要駆動トルク算出手段を設け、前記トルク調整時間変更
    手段が前記駆動スリップの検出結果および前記必要駆動
    トルクの算出結果に基づきトルク調整時間を変更するよ
    うにしたことを特徴とする、請求項1記載の車両用駆動
    力制御装置。
  3. 【請求項3】 前記スリップ検出手段が駆動スリップ状
    態としてスリップ量Sおよびその変化率 dS/dtを検出
    し、前記トルク調整時間変更手段がエンジン駆動トルク
    を所定量ΔTr ずつ増減させるトルク調整時間Δtを 【数1】 Δt=ΔTr /{Kp ・dS/dt +KI ・(S-Sd ) } (ただしKp ,KI :制御ゲイン、Sd : 目標スリップ
    量) によって変更するようにしたことを特徴とする、請
    求項1記載の車両用駆動力制御装置。
  4. 【請求項4】 エンジンの必要駆動トルクTroを算出す
    る必要駆動トルク算出手段を設け、前記トルク調整時間
    変更手段がトルク調整時間Δtを 【数2】Δt=ΔTr /{Kp ・dS/dt +KI ・(S-
    Sd )-d Tro/dt} によって変更するようにしたことを特徴とする、請求項
    3記載の車両用駆動力制御装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001138888A (ja) * 1999-10-13 2001-05-22 Robert Bosch Gmbh 車両の駆動ユニットの制御方法および装置
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