JPH05148798A - 難燃紙または難燃ボード - Google Patents

難燃紙または難燃ボード

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JPH05148798A
JPH05148798A JP19613391A JP19613391A JPH05148798A JP H05148798 A JPH05148798 A JP H05148798A JP 19613391 A JP19613391 A JP 19613391A JP 19613391 A JP19613391 A JP 19613391A JP H05148798 A JPH05148798 A JP H05148798A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発煙性が低く、かつ優れた難燃性を有する難
燃紙または難燃ボ−ドを提供する。 【構成】 セルロ−ス繊維を固形分で5 〜60重量%、含
水無機化合物を固形分で15〜94重量%、炭酸カルシウム
を固形分で0.06〜52重量%含有し、かつ含水無機化合物
/炭酸カルシウムが固形分で99.6/0.4 〜45/55の重量
比である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は難燃紙または難燃ボ−ド
に関し、更に詳しくはセルロ−ス繊維、含水無機化合物
及び炭酸カルシウムを所定の比率範囲で含有してなり、
発煙性が低く、かつ優れた難燃性を有する難燃紙または
難燃ボ−トに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、建築物の高層化、大規模化、集中
化に伴って建築物の難燃化や低発煙化といった防火対策
が重要視されている。従来から、建築物の防火対策上、
各種建材に難燃性を付与する難燃紙または難燃ボ−ドと
して、アスベスト繊維を主成分とするもの、難燃化薬剤
処理を施したもの、あるいは水酸化アルミニウム粉体を
多量に含有せしめたもの等が使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アスベ
スト繊維を主成分とするものは優れた難燃性を有し、発
煙も少ないという利点を有している反面、アスベスト繊
維は近年、肺癌の原因物質であるとされて以来、公害防
止及び作業環境衛生面の観点から特定物質に指定されて
おり、その使用が厳しく制限され、一部の国では使用が
禁止されている現状である。また、難燃化薬処理を施し
て製造した紙またはボ−ドは、有機リン化合物、含リン
含窒素化合物、スルファミン酸塩、無機リン酸塩、含ハ
ロゲン化合物、及びアンチモン系化合物等の難燃剤を含
有するために、発火時に有毒ガスを発生したり、多量の
発煙を生じ安全対策上、大きな問題を抱えている。この
点、水酸化アルミニウム粉体を多量に含有せしめて製造
した紙あるいはボ−ドは水酸化アルミニウムの200 〜30
0 ℃における脱水吸熱反応によって難燃化を図っている
ため、上記した難燃化薬剤処理を施したものほどには、
発火時の有毒ガスの発生及び発煙が問題となりにくい。
しかるに、この水酸化アルミニウム粉体を多量に含有せ
しめた、紙あるいはボ−ドにおいても、水酸化アルミニ
ウム粉体のみで紙あるいはボ−ドを製造することは今の
ところ技術的に不可能であり、セルロ−ス繊維に各種有
機質バインダ−で水酸化アルミニウム粉体を定着あるい
は結合せしめるのが一般的な方法である。従って、上記
した水酸化アルミニウム粉体を多量に含有せしめた紙あ
るいはボ−ドであっても強制燃焼させたとき、含有する
セルロ−ス繊維や有機質バインダ−などの燃焼による発
煙が避けられず、低発煙化対策上不十分である。よっ
て、さらに発煙性が低く、かつ優れた難燃性を有する難
燃紙または難燃ボ−ドの開発が急がれていた。本発明は
上記の課題を解決するためになされたもので、発煙性が
低く、かつ優れた難燃性を有する難燃紙または難燃ボ−
ドを提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る難燃紙また
は難燃ボ−ドはセルロ−ス繊維を固形分で5 〜60重量
%、含有無機化合物を固形分で15〜94重量%、炭酸カル
シウムを固形分で0.06〜52重量%含有し、かつ、含水無
機化合物/炭酸カルシウムが固形分で99.6/0.4〜45/5
5の重量比とするものである。上記した含水無機化合物
としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、
水酸化カルシウム、2水和石こう及びアルミン酸化カル
シウム等を挙げることができる。これらの含水無機化合
物は何れも分子内に結晶水を持ち化学的に類似した構造
を有する。また、含水無機化合物はその種類によって、
分解温度及び吸熱量に幾分差があるが、高温加熱時に分
解して吸熱作用により難燃効果を示すという点では全く
共通している。従って基本的に前記含水無機化合物のい
ずれを用いてもよいが入手価格等の経済性をも考慮する
と水酸化アルミニウムが最適である。本発明に係る難燃
紙または難燃ボ−ド中の炭酸カルシウムの含有率範囲は
固形分で0.06〜52重量%好ましくは0.4 〜45重量%であ
る。炭酸カルシウムの含有率が0.06重量%未満では発煙
量低減効果が十分に得られない。また反対に、その含有
率が52重量%を超えた場合にはセルロ−ス繊維の過少に
より十分な強度を有する難燃紙または難燃ボ−ドが得ら
れないか、あるいは含水無機化合物/炭酸カルシウムの
適性比率を確保できなくなり、十分な発煙量低減効果が
得られない。
【0005】含水無機化合物の含有率範囲は、固形分で
15〜94重量%好ましくは40〜90重量%である。含水無機
化合物の含有率が15重量%未満では、十分な難燃性と低
発煙化効果が得られない。反対に94重量%を超えた場合
は、含水無機化合物の過多により十分な強度を有する難
燃紙または難燃ボ−ドを得ることができない。セルロ−
ス繊維の含有率の範囲は、固形分で5 〜60重量%好まし
くは10〜40重量%である。セルロ−ス繊維の含有率が5
重量%未満では、十分な強度が得られず、また60重量%
を超えた場合は有機物質の過多により、十分な難燃性と
低発煙化効果を有する難燃紙または難燃ボ−ドを得るこ
とができない。含水無機化合物/炭酸カルシウムの含有
比率範囲は、固形分で99.6/0.4 〜45/55好ましくは99
/1 〜60/40の重量比である。その含有比率範囲が99.6
/0.4よりも含水無機化合物過多側あるいは45/55より
も炭酸カルシウム過多側では十分な発煙量低減効果が得
られない。本発明の難燃紙または難燃ボ−ドはセルロ−
ス繊維と含水無機化合物と炭酸カルシウムからなるが、
含水無機化合物または炭酸カルシウムの歩留を向上させ
るための各種の有機系歩留向上剤あるいはSBR、NB
R、アクリル系のラテックス等を含有していてもよい。
また必要に応じてガラス繊維、炭素繊維、ロックウ−ル
繊維等の無機繊維、ナイロン、ポリエステル、ポリプロ
ピレン等の各種合成繊維、合成樹脂あるいは着色のため
の合成染料等を含有していてもよい。さらにまた用途に
よっては、難燃紙あるいは難燃ボ−トの機械的強度及び
後加工適性の改善等を図るべく、乾燥または湿潤紙力増
強剤、サイズ剤、耐水化剤等を含有せしめるべきことは
いうまでもない。
【0006】本発明の難燃紙または難燃ボ−ドに含水無
機化合物または炭酸カルシウムを含有せしめる方法とし
ては、含水無機化合物または炭酸カルシウムを含有する
塗料を紙またはボ−ドの表面に塗布して含有せしめるな
どの方法も考えられる。しかし、所定の含水無機化合物
または炭酸カルシウムの含有量を確保し、あるいは、厚
さ方向での品質の均一化を図るためには、原料スラリ−
中に含水無機化合物または炭酸カルシウムを粉体状ある
いはスラリ−状にて内添して、含有せしめる方法が最も
好ましい。この場合、セルロ−ス繊維、含水無機化合物
及び炭酸カルシウムの添加方法及び添加順序等は任意で
あり、必要に応じ叩解処理等を施してもよい。こうして
得た原料スラリ−を用いて本発明に係る難燃紙あるいは
難燃ボ−ドを製造するには、通常の抄造法に従って行え
ばよい。即ち、通常の長網、丸網あるいは傾斜網等の抄
造網上に前記原料スラリ−を供給し、濾渦、脱水した
後、圧搾、乾燥するばよい。また必要により各種コンビ
ネ−ション網や、多槽丸網及び各種ラミネ−タなどによ
り紙層を2層以上重ね合わせてもよい。さらに用途によ
っては、得られた難燃紙または難燃ボ−ドに各種塗料の
吹付け、もしくは塗布あるいは印刷などの表面処理を施
したり、あるいは化粧板、レザ−、合成樹脂膜等を貼り
合わせるなどして、該難燃紙あるいは難燃ボ−トの付加
価値を一段と高めることができることはいうまでもな
い。
【0007】本発明の難燃紙あるいは難燃ボ−ドは含水
無機化合物と炭酸カルシウムを含有するだけで優れた難
燃性を発揮するが、従来慣用の難燃剤の使用を妨げるも
のではない。併用可能な難燃剤としては、有機リン化合
物、含リン含窒素有機化合物、スルファミン酸塩、無機
リン酸塩、含ハロゲン化合物及びアンチモン系化合物等
の公知の難燃剤を挙げることができる。また、該難燃剤
の使用方法としては原料スラリ−中に内添せしめるか、
抄造工程中あるいは抄造後に含浸または塗布せしめて紙
あるいはボ−ド中に含ませる等の方法が挙げられる。た
だし、この場合、含水無機化合物及び炭酸カルシウムの
含有量を考慮して難燃剤の含有量を定めるべきことは当
然である。
【0008】
【作用】本発明における低発煙性の発現機構の詳細につ
いては未だ不明であるが、含水無機化合物と炭酸カルシ
ウムが所定の含有比率範囲にある場合、セルロ−ス繊維
等の有機物質あるいはその燃焼生成物と含水無機化合物
と炭酸カルシウムあるいはこれらの熱分解生成物との間
の物理的、化学的相互作用によるものと考えられる。即
ち、後述するように炭酸カルシウムを極く微量含有せし
めるだけで、きわめて顕著な低発煙化効果が認められ
る。また、含水無機化合物と炭酸カルシウムの含有比率
が所定範囲からはずれると、このような低発煙化効果は
顕著でなくなる。さらに、具体的には、図1、図2、図
3及び図4に示す通り、紙あるいはボ−ド中の含水無機
化合物/炭酸カルシウムの含有重量比率の変化に対応し
て発煙係数(発煙量)が鋭い極小値を示して変化するこ
とから、含水無機化合物の熱分解によって生成した水蒸
気と炭酸カルシウムの熱分解によって生成した二酸化炭
素とセルロ−ス繊維等の有機物質あるいはその燃焼生成
物との間の相剰的相互作用により、燃焼状態を規定する
パラメ−タの1つとして知られている燃焼雰囲気内の一
酸化炭素/二酸化炭素の比率への影響とも相挨って結果
的にきわめて特異、かつ大きな発煙量低減効果が発現す
るものと考えられる。また含水無機化合物と炭酸カルシ
ウムの併用によるこれらの熱分解温度の差による段階的
吸熱分解反応の効果も考えられよう。
【0009】
【実施例】次に本発明を以下の実施例に基いてさらに具
体的に説明する。本実施例中の各項目の測定は次の方法
により行なった。 米坪 :JIS P−8118による。 厚さ及び密度 :JIS P−8118による。 難燃性 :UL94規格V−0またはV−1によ
る。 発煙性(発煙係数) :JIS A−1321の表
面燃焼試験による。 実施例1 市販の針葉樹系末晒硫酸塩パルプを離解機にて離解して
得たセルロ−ス繊維分散液の所定量を取り、これに水酸
化アルミニウム粉体(平均粒径 5.7μm である。以下同
じ)を添加し、撹拌機にて十分に分散混合し、次いで炭
酸カルシウム粉体(平均粒径1.5 μm である。以下同
じ)を添加し、撹拌機にて十分に分散混合し、角型テス
ト抄紙機にて手抄を行い、セルロ−ス繊維26.6重量%、
水酸化アルミニウム71.8重量%、炭酸カルシウム1.6 重
量%含有するボ−ドAを得た。ボ−ドAについて米坪、
厚さ、密度、発煙係数及び難燃性をそれぞれ測定し、そ
の結果を表1及び図1に示した。 実施例2 実施例1においてセルロ−ス繊維分散液の取量、水酸化
アルミニウム粉体と炭酸カルシウム粉体の添加料を変化
させた以外は実施例1と同様にした。セルロ−ス繊維2
5.9重量%、水酸化アルミニウム65.3重量%、炭酸カル
シウム8.8 重量%を含有するボ−ドBを得た。 実施例3 実施例1においてセルロ−ス繊維分散液の取量、水酸化
アルミニウム粉体と炭酸カルシウム粉体の添加料を変化
させた以外は実施例1と同様にした。セルロ−ス繊維2
7.3重量%、水酸化アルミニウム53.0重量%、炭酸カル
シウム19.7重量%を含有するボ−ドCを得た。 比較例1 実施例1においてセルロ−ス繊維分散液の取量、水酸化
アルミニウム粉体と炭酸カルシウム粉体の添加料を変化
させた以外は実施例1と同様にした。セルロ−ス繊維2
8.1重量%、水酸化アルミニウム31.4重量%、炭酸カル
シウム40.5重量%を含有するボ−ドDを得た。上記実施
例2と3及び比較例1で得たボ−ドB、ボ−ドC及びボ
−ドDについて、米坪、厚さ、密度、発煙係数及び難燃
性をそれぞれ測定し、その結果を表1及び図1に示し
た。
【0010】比較例2 実施例1において、セルロ−ス繊維分散液の取量と水酸
化アルミニウム粉体の添加料を変化させ、炭酸カルシウ
ム粉体を添加しない以外は実施例1と同様にして、セル
ロ−ス繊維25.9重量%、水酸化アルミニウム74.1重量%
を含有するボ−ドEを得た。ボ−ドEについて、米坪、
厚さ、密度、発煙係数及び難燃性をそれぞれ測定し、そ
の結果を表1及び図1に示した。 実施例4 実施例1において、水酸化アルミニウム粉体の代わりに
水酸化マグネシウム粉体を用い、セルロ−ス繊維分散液
の取量と、炭酸カルシウム粉体の添加量を変化させた以
外は実施例1と同様にした。セルロ−ス繊維32.4重量
%、水酸化マグネシウム65.4重量%、炭酸カルシウム2.
7 重量%を含有するボ−ドFを得た。 実施例5 実施例1において、水酸化アルミニウム粉体の代わりに
水酸化マグネシウム粉体を用い、セルロ−ス繊維分散液
の取量と、炭酸カルシウム粉体の添加量を変化させた以
外は実施例1と同様にした。セルロ−ス繊維30.5重量
%、水酸化マグネシウム59.3重量%、炭酸カルシウム1
0.2重量%を含有するボ−ドGを得た。 実施例6 実施例1において、水酸化アルミニウム粉体の代わりに
水酸化マグネシウム粉体を用い、セルロ−ス繊維分散液
の取量と、炭酸カルシウム粉体の添加量を変化させた以
外は実施例1と同様にした。セルロ−ス繊維31.1重量
%、水酸化マグネシウム40.5重量%、炭酸カルシウム2
8.4重量%を含有するボ−ドHを得た。 比較例3 実施例1において、水酸化アルミニウム粉体の代わりに
水酸化マグネシウム粉体を用い、セルロ−ス繊維分散液
の取量と、炭酸カルシウム粉体の添加量を変化させた以
外は実施例1と同様にした。セルロ−ス繊維30.2重量
%、水酸化マグネシウム19.9重量%、炭酸カルシウム4
9.9重量%を含有するボ−ドIを得た。上記実施例4〜
6及び比較例3で得たボ−ドF、ボ−ドG、ボ−ドH及
びボ−ドIについて、米坪、厚さ、密度、発煙係数及び
難燃性をそれぞれ測定し、その結果を表1及び図2に示
した。
【0011】比較例4 比較例2において、水酸化アルミニウム粉体の代わりに
水酸化マグネシウム粉体を用い、セルロ−ス繊維分散液
の取量を変化させた以外は、比較例2と同様にして、セ
ルロ−ス繊維32.8重量%、水酸化マグネシウム67.2重量
%を含有するボ−ドJを得た。ボ−ドJについて、米
坪、厚さ、密度、発煙係数及び難燃性をそれぞれ測定
し、その結果を表1及び図2に示した。 実施例7 実施例1において、セルロ−ス繊維分散液の取量、水酸
化アルミニウム粉体と炭酸カルシウム粉体の添加量を変
化させた以外は実施例1と同様にして、セルロ−ス繊維
23.8重量%、水酸化アルミニウム74.8重量%、炭酸カル
シウム1.4 重量%を含有する紙a得た。紙aについて米
坪、厚さ、密度及び難燃性をそれぞれ測定し、また紙a
を2枚重ねて発煙係数を測定し、その結果を表1及び図
3に示した。 実施例8 実施例7において、セルロ−ス繊維分散液の取量、水酸
化アルミニウム粉体と炭酸カルシウム粉体の添加量を変
化させた以外は実施例7と同様にした。セルロ−ス繊維
24.2重量%、水酸化アルミニウム67.2重量%、炭酸カル
シウム8.6 重量%を含有する紙bを得た。 実施例9 実施例7において、セルロ−ス繊維分散液の取量、水酸
化アルミニウム粉体と炭酸カルシウム粉体の添加量を変
化させた以外は実施例7と同様にした。セルロ−ス繊維
24.5重量%、水酸化アルミニウム55.7重量%、炭酸カル
シウム19.8重量%を含有する紙cを得た。 比較例5 実施例7において、セルロ−ス繊維分散液の取量、水酸
化アルミニウム粉体と炭酸カルシウム粉体の添加量を変
化させた以外は実施例7と同様にした。セルロ−ス繊維
25.1重量%、水酸化アルミニウム33.0重量%、炭酸カル
シウム41.9重量%を含有する紙dを得た。上記実施例8
と9及び比較例5で得た紙b、紙c及び紙dについて、
実施例7と同様にして、米坪、厚さ、密度、発煙係数及
び難燃性をそれぞれ測定し、その結果を表1及び図3に
示した。
【0012】比較例6 比較例2において、セルロ−ス繊維分散液の取量と水酸
化アルミニウム粉体の添加量を変化させた以外は比較例
2と同様にした。セルロ−ス繊維25.9重量%、水酸化ア
ルミニウム74.1重量%を含有する紙eを得た。紙eにつ
いて、実施例7と同様にして、米坪、厚さ、密度、発煙
係数及び難燃性をそれぞれ測定し、その結果を表1及び
図3に示した。 実施例10 実施例7において、水酸化アルミニウム粉体の代わりに
水酸化マグネシウム粉体を用いセルロ−ス繊維分散液の
取量と、炭酸カルシウム粉体の添加量を変化させた以外
は実施例7と同様にした。セスルロ−ス繊維26.8重量
%、水酸化マグネシウム71.1重量%、炭酸カルシウム2.
1 重量%を含有する紙fを得た。 実施例11 実施例7において、水酸化アルミニウム粉体の代わりに
水酸化マグネシウム粉体を用いセルロ−ス繊維分散液の
取量と、炭酸カルシウム粉体の添加量を変化させた以外
は実施例7と同様にした。セルロ−ス繊維27.0重量%、
水酸化マグネシウム63.1重量%、炭酸カルシウム9.9 重
量%を含有する紙gを得た。 実施例12 実施例7において、水酸化アルミニウム粉体の代わりに
水酸化マグネシウム粉体を用いセルロ−ス繊維分散液の
取量と、炭酸カルシウム粉体の添加量を変化させた以外
は実施例7と同様にした。セルロ−ス繊維27.4重量%、
水酸化マグネシウム45.3重量%、炭酸カルシウム27.3重
量%を含有する紙hを得た。 比較例7 実施例7において、水酸化アルミニウム粉体の代わりに
水酸化マグネシウム粉体を用いセルロ−ス繊維分散液の
取量と、炭酸カルシウム粉体の添加量を変化させた以外
は実施例7と同様にした。セルロ−ス繊維28.1重量%、
水酸化マグネシウム24.3重量%、炭酸カルシウム47.6重
量%を含有する紙iを得た。上記実施例10〜12及び
比較例7で得た紙f、紙g、紙h及び紙iについて実施
例7と同様にして米坪、熱さ、密度、発煙係数及び難燃
性をそれぞれ測定し、その結果を表1及び図4に示し
た。
【0013】比較例8 比較例2において、水酸化アルミニウム粉体の代わりに
水酸化マグネシウム粉体を用い、セルロ−ス繊維分散液
の取量を変化させた以外は比較例2と同様にした。セル
ロ−ス繊維27.3重量%、水酸化マグネシウム72.7重量%
を含有する紙jを得た。紙jについては実施例7と同胞
にして米坪、熱さ、密度、発煙係数及び難燃性をそれぞ
れ測定し、その結果を表1及び図4に示した。
【0014】
【表1】
【0015】表1、図1、図2、図3及び図4から明ら
かなように紙あるいはボ−ド中に含水無機化合物と炭酸
カルシウムの所定量を含有せしめることにより、発煙係
数、即ち発煙量が飛躍的に減少した。また、優れた難燃
性を保持できることがわかった。特に、炭酸カルシウム
の含有量が極く微量であっても顕著な発煙量低減効果が
得られることがわかった。
【0016】
【発明の効果】本発明は上記の説明から判るように、紙
あるいはボ−ド中に含水無機化合物と炭酸カルシウムの
所定量を含有せしめたので、発煙量を飛躍的に減少させ
ることができた。また、発煙性が低くかつ優れた難燃性
を有する難燃紙または難燃ボ−ドが得られる。さらに、
炭酸カルシウムが水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウムなどの含水無機化合物の数分の1から10分の1以
下の価格であることから経済的に安価な難燃紙または難
燃ボ−ドが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発煙係数とボ−ドの中の含水無機化合物/炭酸
カルシウムの含有重量比率との関係図で、含水無機化合
物が水酸化アルミニウムの場合を示す。
【図2】発煙係数とボ−ドの中の含水無機化合物/炭酸
カルシウムの含有重量比率との関係図で、含水無機化合
物が水酸化マグネシウムの場合を示す。
【図3】発煙係数と紙中の含水無期化合物/炭酸カルシ
ウム含有重量比率との関係図で、含水無機化合物が水酸
化アルミニウムの場合を示す。
【図4】発煙係数と紙中の含水無期化合物/炭酸カルシ
ウム含有重量比率との関係図で、含水無機化合物が水酸
化マグネシウムの場合を示す。
【符号の説明】
A〜J ボ−ド a〜j 紙
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 難燃紙または難燃ボード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 7199−3B D21H 3/78

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロ−ス繊維を固形分で5 〜60重量
    %、含水無機化合物を固形分で15〜94重量%、炭酸カル
    シウムを固形分で0.06〜52重量%含有し、かつ含水無機
    化合物/炭酸カルシウムが固形分で99.6/0.4〜45/55 の
    重量比であることを特徴とする難燃紙または難燃ボ−
    ド。
  2. 【請求項2】 含水無機化合物は水酸化アルミニウム、
    水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、2水和石こう
    及びアルミン酸化カルシウムの中から選ばれた少なくと
    も1種類からなる請求項1記載の難燃紙または難燃ボ−
    ド。
  3. 【請求項3】 2層以上の紙層の積層体からなる請求項
    1または2記載の難燃紙または難燃ボ−ド。
JP3196133A 1991-07-11 1991-07-11 難燃紙または難燃ボ―ド Expired - Lifetime JP2520336B2 (ja)

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Cited By (5)

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