JPH0514833B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明はキノコ弁型チエツキ弁に係り、とりわ
け流体の流れ検知用のフロースイツチを備えた複
合型のキノコ弁型チエツキ弁に関する。

〔発明の技術的背景とその問題点〕

給水ポンプから送り出された水を、所定の箇所
に給水する給水系においては、停電時などポンプ
が停止した際ポンプの逆転防止を図るためチエツ
キ弁が用いられているが、給水配管の状態やポン
プの性状によつて給水系にウオーターハンマが生
じることがある。そこでこのウオーターハンマを
防止するためスプリング等で急閉動作を行うチエ
ツキ弁、例えばキノコ弁型チエツキ弁が用いられ
ている。また、通常の給水系においては、給水管
路中の流れを検知し、水の送水量を正確に制御す
るためフロースイツチが用いられている。

しかしながら、このようなチエツキ弁およびフ
ロースイツチは、従来は給水管路中にそれぞれ別
個に配設されており、そのため配管スペースが狭
くなるとともに、コストアツプの原因となつてい
た。

〔発明の目的〕

本発明はこのような点を考慮してなされたもの
であり、給水管路中の流れを検知し、水の送水量
を制御するフロースイツチの機能を備えたキノコ
弁型チエツキ弁を提供することを目的とする。

〔発明の概要〕

本発明は、流体の流入口、流出口および前記流
入口と流出口とを連通し、途中に弁座の形成され
ている流通路とを有する中空のケーシングと、前
記ケーシング内に前記弁座を当接閉止するよう前
記流体の流れ方向に移動可能に配設されたキノコ
弁と、前記キノコ弁を前記弁座に向けて押し付け
るスプリングと、前記キノコ弁を貫通して設けら
れた小ポートと、前記キノコ弁の前記ケーシング
の流出口に面する側に固着された揺動ピンと、前
記小ポートを開閉するよう前記揺動ピンに揺動可
能に取付けられた小フラツパと、前記小フラツパ
を前記小ポートに向けて押し付けるよう設けられ
た小スプリングと、前記キノコ弁に近接しキノコ
弁の上下運動に基づいて所定大流量を検知する位
置に設けられたキノコ弁用検知スイツチと、前記
小フラツパに近接し前記キノコ弁の閉位置におい
て小フラツパの揺動運動に基づいて所定小流量を
検知する位置に設けられた小フラツパ用検知スイ
ツチと、を有するキノコ弁型チエツキ弁である。

本発明によれば、小フラツパの揺動運動により
小流量が、キノコ弁の上下運動により大流量が確
実に検知され、給水系の制御信号が得られるとと
もに、ポンプ停止時にはキノコ弁および小フラツ
パが急速に流入口を閉止し、管路中の逆流を防止
し、ウオーターハンマの効果的な防止を図ること
ができる。またチエツキ弁とフロースイツチを別
個独立して配設しなくてもよいので配管スペース
が狭くなることはない。

〔発明の実施例〕

以下図面を参照して本発明の実施例について説
明する。

図は本発明によるキノコ弁型チエツキ弁の一実
施例を示す断面図である。

図において符号１１は、両端に流体の流入口１
３および流出口１５を有する中空のケーシングで
あり、この中空のケーシング１１内には、流入口
１３と流出口１５とを連通する流通路１４が形成
されている。流通路１４中にはケーシング１１の
内壁から突出して形成された弁座１７が設けられ
ており、この弁座１７に当接するようキノコ弁１
９が配設されている。キノコ弁１９は弁座１７に
密接して流通路１４を完全にしや断し得る大きさ
を有している。キノコ弁１９の上部１９ａは略円
筒中空状をしており、同じく略円筒中空状をした
保護体２３内に上下方向に揺動可能に挿入されて
いる。保護体２３はケーシング１１の内壁面の一
部が突出して形成されたリブ２４により固定保持
されている。このリブ２４は３〜４本設けられ、
それらの間を流体が通過しうるようにされてい
る。キノコ弁の上部１９ａと保護体２３の内部に
形成された空間には、スプリング２１が設けら
れ、このスプリング２１はキノコ弁１９を弁座１
７に押し付けるよう作用している。

キノコ弁１９には小径の小ポート２５が、キノ
コ弁１９を貫通して設けられている。またこの小
ポート２５の流出口１５側の端部には小弁座２６
が形成されている。そして、この小弁座２６に密
接して小ポート２５を閉止する小フラツパー２７
が、キノコ弁１９の流出口１５側に揺動可能に配
設されている。小フラツパ２７は、その端部がキ
ノコ弁１９の流出口１５側に固設された揺動ピン
２９に対し回動自在に挿入保持され、また揺動ピ
ン２４に巻着された小スプリング３１により小弁
座２６に向けて押し付けられている。小フラツパ
２７の端部にはマグネツト３３が取り付けられ、
このマグネツト３３の揺動運動により作動する小
フラツパ用検知スイツチ、例えばリードスイツチ
３５が、マグネツト３３に近接してケーシング１
１に固設されている。また、小ポート２５が穿設
されている側と反対側のキノコ弁１９の端部に
は、マグネツト３７が取り付けられ、このマグネ
ツト３７の上下運動により作動するキノコ弁用検
知スイツチ、例えばリードスイツチ３９が、マグ
ネツト３７に近接してケーシング１１に固設され
ている。なお、リードスイツチ３９の取り付け箇
所は上下方向に調整移動可能とされている。

次にこのような構成からなる本実施例の作用に
ついて説明する。

まず、給水系において小流量が流れる場合、給
水ポンプにより水が流入口１３に圧送され、ケー
シング１１内に入ると、水のもつエネルギにより
小フラツパ２７が押され、流量に応じた角度だけ
揺動する。この小フラツパ２７の揺動運動は、マ
グネツト３３によりリードスイツチ３５を開作動
させる。リードスイツチ３５が開作動する時の小
フラツパ２７の角度およびその流量をあらかじめ
定めておけば、このリードスイツチ３５の作動に
より、給水系に水が送水されていることおよびそ
の流量が検知される。この場合、キノコ弁が閉じ
られているので流通面積が非常に小さくなり、小
流量を正確に検知できる。給水量がさらに多くな
ると、キノコ弁１９もその流量に応じて上昇運動
をする。このキノコ弁１９の上昇運動は、マグネ
ツト３７によりリードスイツチ３９を開作動させ
る。リードスイツチ３９が開作動する時のキノコ
弁の上昇変位およびその流量をあらかじめ定めて
おけば、このリードスイツチ３９の開作動により
所定の流量を検知できる。またリードスイツチ３
９の取り付け位置は変更することができるので、
リードスイツチ３９を開作動させる流量は任意に
定めることができる。

以上のことから、水の需要が少なく、所定の小
流量以下となると、小フラツパ２７の揺動する角
度が小さくなり、リードスイツチ３５が閉作動
し、ポンプの運転を停止したり、その他ポンプの
運転台数を減らすことができる。次に水の需要が
増加し、小フラツパ２７が揺動してリードスイツ
チ３５が開作動する場合は、ポンプの運転台数を
増加させたり、その他ポンプの運転状況を換える
ことができる。さらに水の需要が増加し、キノコ
弁１９の上昇運動が始まり、所定の大流量以上と
なると、リードスイツチ３９が開作動するので、
この場合はポンプの運転台数をさらに増加するこ
とができる。このように所定の小流量および所定
の大流量を正確に検知し、ポンプの運転台数の制
御を行うことができるので、ポンプの耐久性の向
上およびランニングコストの低減を図ることがで
きる。

次に停電時によりポンプが停止した時には、キ
ノコ弁１９およびそれに続いて小フラツパ２７
が、スプリング２１および小スプリング３１の反
発力により、急速な閉止動作を行い、管路中の逆
流が生ずる前に、流通路１４を完全にしや断す
る。この急速閉止動作によりウオーターハンマが
効果的に防止される。このとき、小フラツパ２７
の閉方向への揺動によりリードスイツチ３５が閉
作動し、ポンプ停止信号が発生されるとともに、
ポンプブレーキを作動させ、ポンプの逆転を防止
することができる。

なお、本実施例においては、検知スイツチをマ
グネツトの動きに応じて作動するリードスイツチ
により構成される例を示したが、これに限らず、
例えばキノコ弁および小フラツパの動きを近接ス
イツチによつて検知する構成のものでもよい。

また、小流量および大流量のいずれも、検知流
量は流入口の大きさ、スプリングの強さ、キノコ
弁又は小フラツパの重さ、リードスイツチの位置
等で決定されるが、これらは所望により自由に調
整することができる。

また、キノコ弁の上下運動および小フラツパの
揺動運動を検知するために、それぞれ１個のリー
ドスイツチを設けた例を示したが、これに限ら
ず、それぞれ複数のリードスイツチを設けても良
い。複数のリードスイツチを設けると、大流量の
場合も小流量の場合もそれぞれ所定の流量を複数
検知することができ、より効果的なポンプの運転
台数制御を行うことができる。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明によればキノコ弁
の閉位置において、小フラツパ用検知スイツチに
より小フラツパの揺動運動から所定小流量を正確
に求めることができる。またキノコ弁用検知スイ
ツチによりキノコ弁の上下運動から所定大流量を
正確に求めることができる。これにより給水ポン
プの運転台数の制御を効率よく行うことができ
る。また、ポンプ停止時においては、流入口を急
速に閉止し、給水管路中の逆流を防止し、ウオー
ターハンマを効果的に防止することができる。ま
た、フロースイツチおよび逆止弁としての機能を
１つの機器により発揮することができるので、従
来のように別個独立して配設しなくてもよい。従
つて配管スペースが狭くなることはなく、配管系
のコストダウンを図ることができる。また、管路
中の部材が減少するので、圧力損失を小さくする
ことができる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明によるキノコ弁型チエツキ弁の一実
施例を示す断面図である。 １１……ケーシング、１３……流入口、１４…
…流通路、１５……流出口、１７……弁座、１９
……キノコ弁、２１……スプリング、２３……保
護体、２４……リブ、２５……小ポート、２７…
…小フラツパ、３１……小スプリング、３３……
マグネツト、３５……リードスイツチ、３７……
マグネツト、３９……リードスイツチ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 流体の流入口、流出口および前記流入口と流
   出口とを連通し、途中に弁座の形成されている流
   通路とを有する中空のケーシングと；前記ケーシ
   ング内に前記弁座を当接閉止するよう前記流体の
   流れ方向に移動可能に配設されたキノコ弁と；前
   記キノコ弁を前記弁座に向けて押し付けるスプリ
   ングと；前記キノコ弁を貫通して設けられた小ポ
   ートと；前記キノコ弁の前記ケーシングの流出口
   に面する側に固着された揺動ピンと；前記小ポー
   トを開閉するよう前記揺動ピンに揺動可能に取付
   けられた小フラツパと；前記小フラツパを前記小
   ポートに向けて押し付けるよう設けられた小スプ
   リングと；前記キノコ弁に近接しキノコ弁の上下
   運動に基づいて所定大流量を検知する位置に設け
   られたキノコ弁用検知スイツチと；前記小フラツ
   パに近接し前記キノコ弁の閉位置において小フラ
   ツパの揺動運動に基づいて所定小流量を検知する
   位置に設けられた小フラツパ用検知スイツチと；
   を有するキノコ弁型チエツキ弁。 ２ 検知スイツチは、マグネツトの動きによつて
   作動するリードスイツチであることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項記載のキノコ弁型チエツキ
   弁。