JPH05146616A - シリカガラスフイルター - Google Patents

シリカガラスフイルター

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JPH05146616A
JPH05146616A JP33778591A JP33778591A JPH05146616A JP H05146616 A JPH05146616 A JP H05146616A JP 33778591 A JP33778591 A JP 33778591A JP 33778591 A JP33778591 A JP 33778591A JP H05146616 A JPH05146616 A JP H05146616A
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Koichi Shiraishi
耕一 白石
Kuniko Andou
久爾子 安藤
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Coorstek KK
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Toshiba Ceramics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性、耐薬品性を高め、かつ高透過率、高
純度での濾過を可能とし、特に端面からの不純物の混入
を防止する。 【構成】 粒径を段階的に変えた高純度の非晶質シリカ
粉末の焼結体からなり、順次積層した円筒状の支持体及
び濾過層を備え、両端に同様な純度でかつ上記支持体よ
りも細孔径の端部層を設けることにより、フィルター全
体を高純度のシリカガラスで構成し、かつ両端面の被濾
過流体の流通量を支持体の流通量より少なくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体製造プロセス等
で使用される反応ガス等の気体、薬液等の液体の濾過に
使用するシリカガラスフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のフィルターとしては、芳
香族ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂
フィルター、アルミナ、炭化けい素、ムライト等のセラ
ミックスからなるセラミックフィルター、バイコール方
式でつくられたガラスフィルターが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の樹脂フィルターにおいては、耐熱性や耐薬品性に限
界があると共に、循環や送液の際の圧力変動に伴う脈動
により、フィルターの目が部分的に広がって捕集物がフ
ィルターを通ってしまい、完全な濾過を行えない。又、
脱ガスのために行うベーキングが困難であるという問題
がある。セラミックフィルターにおいては、上記樹脂フ
ィルターの問題点を概ね解決できるものの、その構成粒
子が結晶質で多面体で絡まった構造となるため、濾過流
体の流れが複雑となって圧力損失が大きくなると共に、
透過率が低下する。又、焼結した粒子の境界に明瞭な粒
界を生じ、この粒界には、粒界偏析により不純物が集ま
り易い。そして、粒界相が薬液等に侵されることによっ
て不純物を溶出すると共に、強度が低下する問題があ
る。更に、被濾過流体が支持層を経て濾過層を通ること
なく、非濾過面である端面から二次側(濾過された側)
へ流れ、濾過流体を汚染することを防止するため、主と
して多成分系ガラスからなる封止材を端部に含浸させて
いるが、この封止材からの不純物の混入が起こる問題が
ある。バイコール式方式のガラスフィルターにおいて
は、その中に含まれるほう素、アルカリイオン等の溶出
により、不純物の混入が起こる問題がある。そこで、本
発明は、耐熱性、耐薬品性に優れ、かつ高透過率、高純
度での濾過、特に端面からの不純物の混入を防止し得る
シリカガラスフィルターの提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、第1の発明のシリカガラスフィルターは、純度が9
9.9%以上の非晶質シリカ粉末の焼結体からなる管状
の多孔質支持体、及び該支持体より小粒径でかつ同様な
純度の非晶質シリカ粉末を該支持体に積層した微細な多
孔質焼結体の濾過層を備え、管の両端に同様な純度でか
つ上記支持体よりも細孔径の端部層を設けたものであ
る。又、第2の発明のシリカガラスフィルターは、純度
が99.9%以上の非晶質シリカ粉末の焼結体からなる
管状の多孔質支持体、該支持体より小粒径でかつ同様な
純度の非晶質シリカ粉末を該支持体に積層した多孔質焼
結体の中間層、及び該中間層より小粒径でかつ同様な純
度の非晶質シリカ粉末を該中間層に積層した微細な多孔
質焼結体の濾過層を備え、管の両端に同様な純度でかつ
上記支持体よりも細孔径の端部層を設けたものである。
【0005】
【作用】上記両手段においては、フィルター全体が高純
度のシリカガラスで構成され、かつ両端面の被濾過流体
の流通量が支持体の流通量より少なくなる。又、第1の
手段においては、支持体と濾過層により、第2の手段に
おいては、支持体、中間層及び濾過層により、いわゆる
非対称膜の構造となると共に、構成粒子が非晶質である
ため、粒界に粒界相のない連続均一構造となり、かつ細
孔内面が平滑となる。更に、第2の手段においては、中
間層は、支持体と濾過層との結合を強化する一方、毛管
現象により有効濾過面積を増大する。支持体の気孔率
は、10〜60%が好ましい。10%未満であると圧力
損失が増大し、透過率が低下する。60%を超えると機
械的強度が低下するが、その問題がなければもっと高い
ものでもよい。
【0006】中間層は、1層以上とすることが好まし
く、その厚さは、支持体の平均気孔径の1/2以上が好
ましい。1/2未満であると結合の強化及び有効濾過面
積の増大に寄与しない。中間層に用いる粒子の大きさ
は、中間層が1層の場合、支持体の平均気孔径の1/2
以上で、支持体の構成平均粒径以下の平均粒径、特に支
持体の構成平均気孔径以下であることが好ましく、中間
層が2層以上の場合、m層目は(m−1)層目の平均気
孔径の1/2以上で(m−1)層目の構成平均粒径以下
の平均粒径であることが好ましい。中間層の粒子が上述
した範囲より小さいと支持体内に入って気孔をつぶし、
濾過性能を低下させる一方、上述した範囲より大きいと
粒径を小さい方へ推移させるという中間層を設ける目的
が達成できない。
【0007】濾過層の厚さは、構成粒子径の10〜50
0倍が好ましい。10倍未満であるとピンホール等を生
じてその機能を果たし得ず、500倍を超えると圧力損
失が大きくなると共に、透過率が小さくなり実用に供し
得ない。濾過層に用いる粒子の大きさは、濾過層に接す
る支持体又は中間層の平均気孔径の1/2以上で、濾過
層に接する支持体又は中間層の構成平均粒径以下である
ことが好ましい。濾過層の粒子が上述した範囲より小さ
いと支持体又は中間層の気孔内に入り込んで濾過層が形
成されない一方、上述した範囲より大きいと同様に濾過
層が形成されない。
【0008】支持体、中間層及び濾過層に用いる粒子の
75重量%以上の粒子がそれぞれの平均粒径の±50%
の範囲に入るものであることが好ましい。このようにす
ることにより気孔径が均一となり、目詰まりのない、透
過率の高いものとなり、この範囲外とすると気孔率が低
下する。又、支持体、中間層及び濾過層に用いる粉末粒
子は、実質的に球状であることが好ましく、このように
することにより、一層細孔内の表面が平滑となり、濾過
流体の流れが滑らかとなって圧力損失が小さくなり、か
つ高透過率が得られる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。 実施例1 火炎法(四塩化けい素(SiCl4 )を酸素−水素炎中
で分解してシリカ(SiO2 )を得る方法。)によって
合成した合成シリカガラスカレットをシリカガラス製の
ボールミル中で湿式粉砕し、平均粒径15μmのシリカ
粉末スラリーを得た。このスラリーを湿式分級し、20
〜30μm、4〜8μm及び0.5〜1μmのシリカ粉
末を得た。この粉末中の不純物濃度を表1に示す。
【表1】 粒径20〜30μmのシリカ粉末に水を添加してスラリ
ーとする一方、図1に示すように、円形の突起1を有す
る下型2と、上記突起1より適宜大径の穴3を有する上
型4と、上記突起1と同外径の円柱状の中子5とから形
成される型穴6に上記スラリー7を流し込んだ。乾燥
後、離型前に粒径4〜8μmのシリカ粉末に水を添加し
てスラリーとし、型穴6に流し込み、乾燥させ、更にこ
の状態で、粒径0.5〜1μmのシリカ粉末に水を添加
してスラリーとし、同様に型穴6に流し込み、乾燥させ
た。そして、乾燥体を離型し、上下逆にして型穴6内に
挿入した後、粒径4〜8μmのシリカ粉末に水を添加し
てスラリーとし、型穴6に流し込み、乾燥させ、更にこ
の状態で、粒径0.5〜1μmのシリカ粉末に水を添加
してスラリーとし、同様に型穴6に流し込み、乾燥させ
て離型した後、1500℃の温度で焼成し、非晶質シリ
カ粉末の焼結体からなる平均気孔径5μmの多孔質で、
かつ非濾過面である両端に細孔径0.1μmの端部層を
設けた内径10mm、外径15mm、長さ50mmの支
持体を得た。次いで、粒径4〜8μmのシリカ粉末に水
を添加してスラリーとし、上記多孔質支持体の管内面に
流し込み、シリカ粒子を付着させた後、1300℃の温
度で焼成し、支持体上に平均気孔径1μmの中間層を積
層した。又、粒径0.5〜1μmのシリカ粉末に水を添
加してスラリーとし、上記中間層上に流し込み、シリカ
粒子を付着させた後、1200℃の温度で焼成して中間
層上に平均細孔径0.1μmの濾過層を積層し、支持
体、中間層及び濾過層により、いわゆる非対称膜の構造
をもつシリカガラスフィルターを得た。
【0010】実施例2 実施例1と同様な方法により同様な粒径及び純度のシリ
カ粉末を得た。粒径20〜30μmのシリカ粉末70重
量部にテトラエトキシシラン10重量部及び0.1N塩
酸20重量部を加えてスラリーとし、図1のものと同様
な型の型穴に流し込んだ。乾燥後、離型前に粒径4〜8
μmのシリカ粉末に水を添加してスラリーとし、型穴に
流し込み、乾燥させ、更にこの状態で、粒径0.5〜1
μmのシリカ粉末に水を添加してスラリーとし、同様に
型穴に流し込み、乾燥させた。そして、乾燥体を離型
し、上下逆にして型穴内に挿入した後、粒径4〜8μm
のシリカ粉末に水を添加してスラリーとし、型穴に流し
込み、乾燥させ、更にこの状態で、粒径0.5〜1μm
のシリカ粉末に水を添加してスラリーとし、同様に型穴
に流し込み、乾燥させた離型した後、1500℃の温度
で焼成し、非晶質シリカ粉末の焼結体からなる平均気孔
径5μmの多孔質で、かつ非濾過面である両端に細孔径
0.1μmの端部層を設けた内径10mm、外径15m
m、長さ50mmの支持体を得た。次いで、実施例1と
同様に粒径4〜8μmのシリカ粉末に水を添加してスラ
リーとし、上記多孔質支持体の管内面に流し込み、シリ
カ粒子を付着させた後、1300℃の温度で焼成し、平
均気孔径1μmの中間層を支持体上に積層した。又、粒
径0.5〜1μmのシリカ粉末に水を添加してスラリー
とし、上記中間層上に流し込み、シリカ粉子を付着させ
た後、1200℃の温度で焼成して平均細孔径0.1μ
mの濾過層を中間層上に積層し、支持体、中間層及び濾
過層により、いわゆる非対称膜の構造をもつシリカガラ
スフィルターを得た。
【0011】実施例3 実施例1と同様な方法により同様な粒径及び純度のシリ
カ粉末を得た。粒径20〜30μmのシリカ粉末70重
量部にアエロジル200(三菱金属製)5重量部及び
0.1N塩酸25重量部を加えてスラリーとし、図1の
ものと同様な型の型穴に流し込んだ。乾燥後、離型前に
粒径4〜8μmのシリカ粉末に水を添加してスラリーと
し、型穴に流し込み、乾燥させ、更にこの状態で、粒径
0.5〜1μmのシリカ粉末に水を添加してスラリーと
し、同様に型穴に流し込み、乾燥させた。そして、乾燥
体を離型し、上下逆にして型穴に挿入した後、粒径4〜
8μmのシリカ粉末に水を添加してスラリーとし、型穴
に流し込み、乾燥させ、更にこの状態で、粒径0.5〜
1μmのシリカ粉末に水を添加してスラリーとし、同様
に型穴に流し込み、乾燥させて離型した後、1500℃
の温度で焼成し、非晶質シリカ粉末の焼結体からなる平
均気孔径5μmの多孔質で、かつ非濾過面である両端に
細孔径0.1μmの端部層を設けた内径10mm、外径
15mm、長さ50mm支持体を得た。次いで、実施例
1と同様に粒径4〜8μmのシリカ粉末に水を添加して
スラリーとし、上記多孔質支持体の管内面に流し込み、
シリカ粒子を付着させた後、1300℃の温度で焼成
し、平均気孔径1μmの中間層を積層した。又、粒径
0.5〜1μmのシリカ粉末に水を添加してスラリーと
し、上記中間層上に流し込み、シリカ粉子を付着させた
後、1200℃の温度で焼成して平均細孔径0.1μm
の濾過層を中間層上に積層し、支持体、中間層及び濾過
層により、いわゆる非対称膜の構造をもつシリカガラス
フィルターを得た。なお、上記各実施例においては、支
持体、中間層及び濾過層の3層によって、いわゆる非対
称膜構造のシリカガラスフィルターを得る場合について
述べたが、これに限らず、支持体及び濾過層の2層構造
で、かつ両端の端部層の細孔径を濾過層の細孔径以下と
するシリカガラスフィルターを得るようにしてもよい。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように本発明のシリカガラ
スフィルターによれば、フィルター全体が高純度のシリ
カガラスで構成され、かつ両端面の被濾過流体の流通量
が支持体の流通量より少なくなるので、フィルターを耐
熱性、耐薬品性に優れたものとすることができると共
に、両端面からの不純物の混入を防止することができ
る。又、シリカガラスフィルターは、支持体及び濾過層
により、又は支持体、中間層及び濾過層により、いわゆ
る非対称膜の構造となるので、濾過面積を大きくするこ
とができ、かつ構成粒子が非晶質であるため、粒界に粒
界相のない連続均一構造をとると共に、細孔内面が平滑
となるので、濾過流体の流れが滑らかとなり、圧力損失
を小さくして、濾過率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のシリカガラスフィルターの
製造工程の一部の説明図である。
【符号の説明】
2 下型 4 上型 5 中子 6 型穴 7 スラリー
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/304 341 Z 8831−4M

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 純度が99.9%以上の非晶質シリカ粉
    末の焼結体からなる管状の多孔質支持体、及び該支持体
    より小粒径でかつ同様な純度の非晶質シリカ粉末を該支
    持体に積層した微細な多孔質焼結体の濾過層を備え、管
    の両端に同様な純度でかつ上記支持体よりも細孔径の端
    部層を設けたことを特徴とするシリカガラスフィルタ
    ー。
  2. 【請求項2】 純度が99.9%以上の非晶質シリカ粉
    末の焼結体からなる管状の多孔質支持体、該支持体より
    小粒径でかつ同様な純度の非晶質シリカ粉末を該支持体
    に積層した多孔質焼結体の中間層、及び該中間層より小
    粒径でかつ同様な非晶質シリカ粉末を該中間層に積層し
    た微細な多孔質焼結体の濾過層を備え、管の両端に同様
    な純度でかつ上記支持体よりも細孔径の端部層を設けた
    ことを特徴とするシリカガラスフィルター。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007313435A (ja) * 2006-05-26 2007-12-06 Tokyo Electric Power Co Inc:The 石英ガラスフィルター

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007313435A (ja) * 2006-05-26 2007-12-06 Tokyo Electric Power Co Inc:The 石英ガラスフィルター

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