JP3600321B2 - 高純度ガス用の精密フィルター及びその製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体製造工程においてその製造装置内に充填されるガスなどのように、極めて高い純度を保持する高純度ガスを供給する為にガスの濾過用として用いられる高純度ガス用の精密フィルターとその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体の開発は飛躍的な進歩を遂げ、電子機器の小型化や多機能化に貢献してきたことは周知のことであり、それに伴ってその製造プロセスも大きな変革を見て来た。
【0003】
例えば、その製造工程の大半はクリーンルームで処理されるとともに、各工程で用いる種々ガスの純度についても例えば0.01μm以上のパーティクルを99.9999999レベル以上の高い精度で除去する高精度濾過技術やフィルター材料が求められており、さらに、これを使用する際のベーキング加熱処理に耐える耐熱性などが必要とされている。
【0004】
このような高精度濾過での濾過機構は、従来のような単なる機械的濾過機構とは異なり、被処理流体中の不純物の大半をフィルター空孔壁表面に吸着されるという吸着現象によって行うものであり、吸着性の向上の為の空孔表面積の増大や吸着しやすい構成素材の改善がなされ、低圧損で高精度のフィルターも一部で得られている。
【0005】
例えば本願出願人はPCT WO(公開)93/06912号(特願平5−506457号)において濾過特性にすぐれたフィルターを提案している。このフィルターは、ステンレス鋼の微細粒子からなる微細層を比較的粗大空孔を持つ支持体に積層焼結することによって一体化した積層構造としており、表面側微細層による濾過精度と支持体での補強作用との複合によって適応したフィルターとして提供しようとするものである。
【0006】
この技術は、微細な所定空孔を持つよう選択した微細粉末や微細短繊維をバインダーを含まず懸濁した懸濁液中に、比較的粗な空孔を形成した支持体を浸漬して吸引させることによって、その表面に微細層を形成するものであり、しかもこのフィルターはオール金属製品でもあることから、例えば配管などの他の金属部材との結合容易性、耐圧強度を高め、さらに耐熱性、耐食性を兼備するものとして普及しつつある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような高効率フィルターにおいても問題が完全に解消したものではなく、例えば耐食性あるいは、フィルター製造途上で不可避的に発生する微粒子汚染の問題は、近年の品質要求を前提とするときには、未だ十分とは言えない。
【0008】
すなわち、耐食性の問題に対しては、金属フィルター、例えばステンレスフィルターでもその材質の選択あるいは成分組成の微妙な調整や添加成分等によってはある程度の対応は可能でもあるが、使用ガスの種類が多くなるとその各々に対するような特性を持たせることは現状技術及びコストの上で困難である。
【0009】
したがってそのような場合、その使用者は比較的短時間での早期更新を余儀なくされ、それに伴う発生費用や、その間の稼働停止の影響は大きな問題である。
例えば、半導体製造で用いられるHCLガスやHFガスなどを、ステンレス鋼フィルターによって濾過処理しようとする場合、これらガスは腐食性が高いため約1年程度で更新を行っているのが現状である。
【0010】
またそれに至るまでにも、フィルター自体の腐食は除々に進行しているのであり、腐食現象は、単に空孔径拡大による濾過機能の低下という問題のみにとどまらず、例えば腐食に伴って発生する腐食ガスによるガス組成変化や腐食生成物による汚染という二次的問題も生じる。
【0011】
さらに、被処理ガスの高純度化という点で見ると、フィルター自体をクリーンルーム内で製造しているとしても、その製造過程で発生し残留する不可避異物までも完全に排除したフィルター製品は現在の技術レベルでは解決困難であって、今後の半導体製品の高品質化を考える際には当然技術改良されなければならない。
【0012】
本発明はこのような観点から、半導体製造に用いられるような高精度ガスを対象として前記不可避異物のような不純物の内部発生がなく、かつ耐食性及び濾過特性に優れた高純度ガス用の精密フィルターとその製造法を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の高純度ガス用の精密フィルターは、ガス中に混在する0.1μm以下の不純物粒子を吸着し捕獲しうる高純度のガスを得る高純度ガス用の精密フィルターであって、
平均粒径10μm以下の金属微細粒子、金属短繊維、又は繊維径10μm以下の金属繊維のうち少なくとも1種類以上を用いて焼結される焼結多孔体を形成するとともに、
該焼結多孔体は、空孔内壁表面及び該内壁表面に付着する不可避異物を含めて、SiO 2 又はAl 2 3 を含有する無機質の薄膜材によって被覆されることにより、1μm以下の空孔径と40%以上の空孔率とを備えるとともに
前記焼結多孔体は、前記無機質の懸濁状の薄膜液を吸引することにより前記薄膜材を形成したことを特徴とする。
【0014】
またその製造方法は、ガス中に混在する0.1μm以下の不純物粒子を吸着し捕獲しうることによって高純度のガスを得る高純度ガス用の精密フィルターの製造方法であって、溶融粘度10cps以下のSiO 2 又はAl 2 3 を含有する無機質懸濁状の薄膜液中に、平均粒径10μm以下の微細金属粒子、金属短繊維、又は繊維径10μm以下の金属繊維のうち少なくとも1種類以上を用いて焼結した焼結多孔体を浸漬するとともに、該焼結多孔体の一方の面から他方の面に向かって所定圧力で減圧して、該焼結多孔体の空孔内に前記薄膜液を吸引するとともに少なくともその空孔内壁表面と該空孔内壁表面に残留する不可避異物を含めて該薄膜液で被着した後、乾燥することにより焼結多孔体の表面を薄膜材で被覆することを特徴とする高純度ガス用の精密フィルターの製造方法である。
【0015】
前記構成の精密フィルターは、そのベースとして平均粒径10μm以下の金属微細粒子、金属短繊維、又は繊維径10μm以下の金属繊維等からなる焼結多孔体によって構成し、さらにその表面を無機質の薄膜材で被覆しているため、得られる空孔の大きさが精密濾過を達成するに十分な微細空孔を具えている。
【0016】
さらに、薄膜材による被覆は、金属の各粒子や繊維自体の表面を平滑化することにより、水分付着の機会を減少させ、ガス置換性を高めることができる。
【0017】
特に焼結多孔体が前記構成の金属短繊維の焼結によって形成された場合には、各短繊維の配向がランダムで配置されることにより、立体空孔の形成を可能とし、微細空孔と、高空孔率の焼結体とすることが出来る。
【0018】
また、前記薄膜材として無機質の液溶性のものを用いることによって、溶融粘度の適正な調整により焼結多孔体の空孔内部に十分な空孔を維持させながらよく浸透させることができ、例えば5μm以下、好ましくは1μm以下の厚さで均一に被覆することができるとともに、金属の欠点である腐食問題をカバーして全体としての耐食性向上に寄与するほか、非処理ガスとの化学反応も抑制できる利点がある。薄膜材中に、例えばSiO2 又はAl2 3 を含み、溶液中に分散させるゾルとしてなるものを用いることにより、その分散比率によって溶融粘度調整を可能とし、低粘性の液状体とすることができる。
【0019】
その結果、前記構成に係る精密フィルターは非処理ガスとの化学反応を抑制し、ベースとなる金属多孔体を腐食から保護できかつ耐熱性や耐圧強度を高めうる。
【0020】
さらに、このような薄膜材によって前記構成に係る焼結多孔体を被覆することは、金属フィルターの製造過程の中で、不可避的に内部残留していた不可避異物も含めて薄膜材で覆うことができることから、例えば従来用いられていた無被覆フィルターでは濾過処理に伴って該不可避異物がしばしば流出するという問題が生じていたのであるが、前記構成の製造方法を採用することによってその流失する危険が排除される。
【0021】
なお焼結多孔体を形成する前記金属微細粒子や金属短繊維など微粉末ではその粒径を10μm以下とし、また金属繊維では繊維径10μm以下とそれぞれ規制している。これらの値を越えるように大きいものを用いる場合、いくらその表面に薄膜材を被覆したとしても得られる空孔が大きくなって高純度ガス用としての適した孔径が得られないばかりか、それに伴って孔数も少なくなることから濾過性能は低下することになる。
【0022】
又、焼結多孔体は、空孔径を1μm以下かつ40%以上の空孔率としている。このように規制した理由としては、例えば半導体のような超精密品の製造に際して使用されるガスのフィルタとして使用されるからであり、しかも効率的な濾過を行うためには空孔径と空孔率とをそれ以上高めるのが好ましい。
【0023】
なお、前記粒径又は繊維径の下限については特に規定するものではないが、実現可能範囲から見たより好適範囲としては微粉末における粒径では0.1〜10μmさらに好ましくは0.1〜3μmであり、また金属繊維にあっては繊維径0.3〜5μm程度とする。
【0024】
他方、このようなフィルターの製造方法にあっては、前記薄膜液の溶融粘度が10cps以下とした無機質懸濁状液体を使用しており、それによって形成される薄膜材の厚さを薄くかつ均一に被覆できるようにするものであり、その為に、薄膜液中に焼結多孔体を浸漬してその一方の面から減圧吸引しながら焼結多孔体に前記薄膜液を十分浸透させながら、液中より引上げて乾燥するという方法を採用している。
【0025】
このような方法を用いることにより、薄膜材が各空孔内部に至るまで十分に進入するとともに、微細空孔でありながらも空孔を閉塞することがない厚さで焼結多孔体の表面を被覆する。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を図面に基づき説明する。
高純度ガス用の精密フィルター1(以下精密フィルターという)は、焼結多孔体2を空孔内まで薄膜材3により被覆している。又前記焼結多孔体2は、予め寸法が規制された金属微細粒子、金属短繊維又は金属繊維を焼結することにより形成される。
【0027】
本例では、前記焼結多孔体2は、図1、2に示す如く比較的厚肉の保持部材4とともに積層された積層フィルタ5を形成している。
【0028】
保持部材4は、例えば粒径20〜60μmの比較的粗大な粉末を用いて形成される一方、焼結多孔体2は直径が0.3〜1μm程度の金属短繊維をその空孔径が0.05〜0.1μm程度となるよう形成している。
【0029】
焼結多孔体2は本例では、前記保持部材4とともに図1に示すように外径20mm長さ60mmのカップ型をなし、該焼結多孔体2はその外向き面に配され、かつその厚さを0.5mm程度に形成している。
【0030】
このような積層構造とすることにより、所定濾過面内でより大きな濾過効率が得られるように形成されており、また、フィルターが例えばディスク形状のようなものにあってはこれら微粉末以外にも前記金属繊維を用いて構成とすることもできる。また使用繊維径や分布密度を層毎に変化させたり、あるいは前記短繊維とを積層して用いることができる。
【0031】
特に、繊維径が0.1〜8μmかつアスペクト比率(L/D)が2〜30の短繊維を用いた場合には、各短繊維の分布がランダム方向にかつ直針状を呈しつつ焼結されることから微小でしかも立体的な空孔形成を可能とし、また低圧損でもあることから非常に好ましい。
【0032】
このような積層構造とすることにより、焼結多孔体2が例えば1mm程度以下(通常0.5mm以下)と比較的薄くまた微細でもあることから、圧力損失を小さくできる利点もある。
【0033】
本例では、このような金属短繊維を用いた焼結多孔体2として、空孔率40%以上の場合として説明しているが、具体的構成や形態や応用は種々変形されてかまわず、例えば前記短繊維のみで全体を構成したり、あるいはそれに変えて金属微細粒子のみ、あるいは前記両者の適宜混合調整したものを用いたり、あるいはその形状は前記以外にも円筒、錘形などとすることもでき、又は、本願発明の目的から逸脱しない範囲で形状を円筒、錘形の他任意の形状にも設定しうる。特にディスク型では製作が容易であり、一方、カップ型、円筒型は濾過面積が増大する点では優位である。
【0034】
なお保持部材4の材質についてはあえて限定するものではなく、各種金属が採用可能であり、例えばCu、Alなどを用いるならばコスト低減に貢献でき、他方チタンやニッケル鋼、クロム鋼その他の高合金鋼、例えばステンレス鋼などを用いるならば、耐圧強度も耐熱性にも優れたものとなり、通常SUS316L材、304L材などの採用が好ましい。
【0035】
前記薄膜材3は、例えばSiO2 である無色透明の「グラスモドキ」((有)テー・エス・ビー社の商品名)が好適に採用しうる。なお「グラスモドキ」はメタノールなどの溶剤で溶融させることができその粘度は3.5cps以下にまでも調整でき、このような低粘度化は、被覆厚さを容易に5μm以下、好ましくは0.01〜1μmに薄くすることが出来る。又前記したように、Al 2 3 を含有することもできる。
【0036】
このような溶液性無機質からなる薄膜材3は図3に示す如く、空孔内壁面に付着するゴミのような不可避異物7を含めて空孔内壁表面を被覆することが出来、濾過処理時において、前記空隙に付着した不可避異物7の流出を防止することが出来る。
【0037】
なお、前記「グラスモドキ」を採用することによって、例えば被膜厚さを1.8μmとしたとき、室温状態で1時間放置後の硬度がエンピツ硬度3H程度とハードコートとなり、さらに時間の経過及び放置環境温度の上昇に連れて硬くなって、100℃の2時間放置では9Hとなる。
【0038】
さらにその耐熱性についても、500℃程度の温度では何ら問題はなく、母材である焼結多孔体2の酸化を防止するとともに、高硬度であるため、焼結多孔体2の摩滅による空隙閉塞にも有効である。
【0039】
また、本発明の他の実施の形態として、前記薄膜材3と焼結多孔体2との密着性をより確かにする為に、両者間に該薄膜材3とは異なる例えば下地処理材で予め焼結多孔体2の表面に下地処理しておくことにより、薄膜材3の密着性を高めより強固とすることも可能である。この下地処理材としては、焼結多孔体2及び薄膜材3に対してともに親和性の強い通常プライマと呼ばれる各種の予備膜材が用いられる。
【0040】
また、図3に見られるように不可避異物7を含んで被覆した部分には、それによって微小凸部9が形成され、それだけ表面積増大や空孔微細化による特性向上に寄与できる。
このように形成された精密フィルター1は、0.01μm以下の濾過精度で、空孔率は42〜50%であった。
【0041】
図4に本発明の更に他の実施の態様を示す。
通常、フィルター1はその取り扱いの関係から、例えばこれをフィルターと結合してこのフィルター保持する金属管などの保持部材4Aが付設又は延設される。このような場合、焼結多孔体2と保持部材4Aとが接合する境界部6には深い溝10が形成され、この溝10内でのガスが滞留する。このようなガスの滞留は、例えば半導体製造用ガスのように高純度が求められる用途においては大きな問題となる。
【0042】
しかしながら、本例のように両者の境界部6を保持部材4側に越える部分まで含めて薄膜材3により被覆するならば、結合境界部6に存在する溝が補修されガスの残留を防止することが出来る。
【0043】
このように精密フィルター1は、金属からなる濾材としての利便性を維持しながらも、その欠点である耐食性を改善するとともに、残留不純物7の流出を抑制し、装置メンテナンスの軽減を図って長寿命化を図る。
【0044】
つぎに、図1にかえって本発明の製造方法を説明する。
本発明の精密フィルター1は、本例では、カップ状をなし、その開口部を金属板材からなる保持部材4Aによって閉鎖されている。従ってカップ状体の内側には、空所Oが形成される。この焼結多孔体2を前記構成の薄膜材を溶解し溶融粘度が10cps以下の無機質懸濁状の薄膜液3A中に浸漬するとともに、空所Oに通じかつポンプPが介在する吸気管11によって、吸引することにより、焼結多孔体2の外周面がなす一方の面Aから空所Oに向く他方の面Bに向かって薄膜液3Aを吸引する。
【0045】
この吸引によって、薄膜液3Aは、焼結多孔体2の空孔及びその内壁表面に残留している不可避異物7を含んで薄膜液3Aを被覆しながら焼結多孔体2を薄膜液3Aの中から引上げ乾燥する。その結果、焼結多孔体2内に微細化した空孔を形成しながら、その全体を薄膜材3で被覆した精密フィルター1が形成される。
【0046】
この時の処理条件は、薄膜材が例えば4cps以下の低粘性の溶液の前記「ガラスモドキ」であるならば、0.2〜0.7kg/cm程度の減圧圧力で約1〜5分間程度で処理すれば可能となる。また減圧圧力は得られる製品の被覆厚さに影響し、例えばその処理を高圧で行うならば、得られる薄膜材3は薄くなり、空隙、壁面などに付着している不可避異物7を該薄膜液3Aの流れによって流出させることができるが、逆に、低圧の場合には被覆層も形成される薄膜材3がやや厚くなり、また不可避異物7を空孔内にかつ薄膜層3で被覆し残留させることができる。その調整は、必要に応じて任意に選択される。
【0047】
このような条件は、使用する焼結多孔体の空孔特性や薄膜材3の特性によっても種々変化することから、事前に適切な範囲を決定すべきであり、また両者のぬれ性向上の為に予め焼結多孔体2の表面を前記と同様の方法によって下地処理した上で用いるのがよい。
【0048】
下地処理としては、例えば粘性の異なる同一組成の溶液により数回に分けて複数層の被膜処理としたり、あるいは種類の異なる溶液を用いて複合構造に形成することも出来る。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の精密フィルターは、規制された寸法からなる粒子又は繊維表面を薄膜材で被覆することを要旨としているため、濾過特性や耐食性を改良でき、例えば半導体製造の際に使用される種々ガスの純度を高めることが出来る。
【0050】
また、その製造方法を採用することにより、大型設備や複雑工程の処理は必要なく、少量から効率よく、しかも品質を安定させて製造することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の精密フィルターの製造方法の一例を示す概略図である。
【図2】その精密フィルターの厚さ方向断面を拡大して示す断面図である。
【図3】焼結多孔体を形成する金属短繊維を被膜材とともに示す拡大斜視図である。
【図4】精密フィルターの他の態様を示す断面図である。
【符号の説明】
2 焼結多孔体
3 薄膜材
3A 薄膜液
4 保持部材
6 結合境界部
7 不可避異物

Claims (7)

  1. ガス中に混在する0.1μm以下の不純物粒子を吸着し捕獲しうる高純度のガスを得る高純度ガス用の精密フィルターであって、
    平均粒径10μm以下の金属微細粒子、金属短繊維、又は繊維径10μm以下の金属繊維のうち少なくとも1種類以上を用いて焼結される焼結多孔体を形成するとともに、
    該焼結多孔体は、空孔内壁表面及び該内壁表面に付着する不可避異物を含めて、SiO 2 又はAl 2 3 を含有する無機質の薄膜材によって被覆されることにより、1μm以下の空孔径と40%以上の空孔率とを備えるとともに
    前記焼結多孔体は、前記無機質の懸濁状の薄膜液を吸引することにより前記薄膜材を形成したことを特徴とする高純度ガス用の精密フィルター。
  2. 前記薄膜材は、その被覆厚さを5μm以下とした請求項1に記載の高純度ガス用の精密フィルター。
  3. 前記薄膜材は、組成が異なる2種以上の積層被覆層により形成されたことを特徴とする請求項1記載の高純度ガス用の精密フィルター。
  4. 前記焼結多孔体は該焼結多孔体を保持する保持部材に結合境界部を介して一体に結合され、かつ前記薄膜材は前記結合境界部を保持部材側に越えて被覆したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の高純度ガス用の精密フィルター。
  5. 高純度ガスは、半導体製造の際にその製造装置内に充填されるガスであることを特徴とする請求項1記載の高純度ガス用の精密フィルター。
  6. ガス中に混在する0.1μm以下の不純物粒子を吸着し捕獲しうることによって高純度のガスを得る高純度ガス用の精密フィルターの製造方法であって、溶融粘度10cps以下のSiO 2 又はAl 2 3 を含有する無機質懸濁状の薄膜液中に、平均粒径10μm以下の微細金属粒子、金属短繊維、又は繊維径10μm以下の金属繊維のうち少なくとも1種類以上を用いて焼結した焼結多孔体を浸漬するとともに、該焼結多孔体の一方の面から他方の面に向かって所定圧力で減圧して、該焼結多孔体の空孔内に前記薄膜液を吸引するとともに少なくともその空孔内壁表面と該空孔内壁表面に残留する不可避異物を含めて該薄膜液で被着した後、乾燥することにより焼結多孔体の表面を薄膜材で被覆することを特徴とする高純度ガス用の精密フィルターの製造方法。
  7. 前記焼結多孔体は、前記薄膜液の密着性を高める為に予めその表面を下地処理材で被覆し下地被覆多孔体であることを特徴とする請求項6記載の高純度ガス用の精密フィルターの製造方法。
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