JP2002225164A - 摺動材料および摺動材料の製造方法 - Google Patents

摺動材料および摺動材料の製造方法

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JP2002225164A
JP2002225164A JP2001028463A JP2001028463A JP2002225164A JP 2002225164 A JP2002225164 A JP 2002225164A JP 2001028463 A JP2001028463 A JP 2001028463A JP 2001028463 A JP2001028463 A JP 2001028463A JP 2002225164 A JP2002225164 A JP 2002225164A
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porous intermediate
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metals
spraying
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Toronron Tan
トロンロン タン
Atsushi Kimoto
淳志 木本
Kunihiko Wada
国彦 和田
Masahiro Saito
正弘 齋藤
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接合界面での剥離強度が大きくて、性能、信
頼性の低下等を招くことがなく、熱応力の発生が小さ
く、しかも製造コストが安価な摺動材料およびその製造
方法を提供すること。 【解決手段】 この摺動材料は、第1の材料からなる第
1の部材1と、前記第1の部材上に形成された多孔質中
間層2と、前記多孔質中間層上に溶射により積層、成形
されその一部が該多孔質中間層の空隙部内に含浸された
第2の材料からなる第2の部材3とを具備する。第2の
部材を構成する第2の材料の一部が多孔質中間層の空隙
部内に含浸されるので接合界面の剥離強度が改善され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接合強度が大き
く、熱応力の発生が少なく、かつ安価に製造し得る摺動
材料および該摺動材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、工業技術に発展に伴って、単独材
料では実現が困難な複数の性能を兼備した材料、例えば
特性の異なる二種類の材料を積層、接合した摺動材料の
要求が高まっている。
【0003】摺動材料に対する要求特性は複雑化してお
り、例えば金属系材料若しくは金属系材料と樹脂系材料
というような異種材料を複合化するようなことも求めら
れている。
【0004】しかし、金属系材料若しくはセラミックス
系材料と樹脂系材料とを積層、接合した摺動部材におい
ては、金属系材料のような拡散反応が得られず、単純な
機械的結合により一体化しているため、十分な接合強度
を得ることが非常に困難であり機械的特性に乏しいとい
う問題がある。
【0005】一方、金属系材料と樹脂系材料との接合に
おいて界面強度の向上を図る方法として、金属系材料側
に粒状物若しくは繊維状物からなる多孔質中間層を形成
し、樹脂系材料の一部を多孔質中間層内に充填しつつ接
合する製造方法(特開平9−109311号公報)や、
接合される一方の部材の表面に孔部を有する板材からな
る多孔質中間層を接合しておき他方の部材の一部をこの
多孔質中間層に充填しつつ接合する製造方法(特開平1
0−29256号公報)も提案されている。
【0006】しかし、いずれの製造方法も、金属材料の
接合面に形成された多孔質中間層に樹脂系材料の一部を
充填しつつ接合するために、真空熱処理のもとで樹脂系
材料を溶融、拡散接合する非常に高価な製造プロセスを
採用しなければならず、摺動材料のコスト上昇の問題を
招いてしまうという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の、金属系材料若しくはセラミックス系材料と樹脂系材
料とを単に積層、接合した摺動部材では、十分な接合強
度を得ることが非常に困難であり機械的特性に乏しいと
いう問題があった。
【0008】また、金属系材料側に多孔質中間層を形成
し、樹脂系材料の一部を多孔質中間層内に充填させて一
体化する製造方法では、非常に高価な製造プロセスにな
って製品価格が高くなってしまうという問題があった。
【0009】本発明は、このような問題に対処してなさ
れたもので、接合界面での剥離強度が大きくて、性能、
信頼性の低下等を招くことがなく、熱応力の発生が小さ
く、しかも製造コストが安価な摺動材料およびその製造
方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の摺動材料は、請
求項1に記載したように、第1の材料からなる第1の部
材と、前記第1の部材上に形成された多孔質中間層と、
前記多孔質中間層上に溶射により積層、成形されその一
部が該多孔質中間層の空隙部内に含浸された第2の材料
からなる第2の部材とを具備することを特徴とする。
【0011】このような本発明の摺動材料は、例えば、
第1の部材上に、金属系材料若しくは金属系材料とセラ
ミックス材料からなる溶射材料を溶射して多孔質中間層
を形成する工程と、前記多孔質中間層上に、第2の材料
を溶射するとともに該多孔質中間層内に一部を充填して
前記第2の部材を積層、成形する工程とを有することを
特徴とする摺動材料の製造方法により得ることができ
る。
【0012】本発明における、第1の部材としては、S
USのような鉄系材料や銅系材料或はアルミやアルミ合
金系材料又はセラミックス系材料を合金を用いることが
でき、セラミックスとしてはアルミナ、窒化ケイ素、窒
化アルミ等の板材、棒材その他用途に応じた形状に成形
した部材を用いることができる。
【0013】本発明における多孔質中間層は、金属系材
料から選ばれる少なくとも一種、若しくは金属系材料と
セラミックス系材料の複合物からなるものであって、S
USのような鉄系材料や銅系材料或はアルミやアルミ合
金系材料又はセラミックス系材料等の溶射材料を用いる
ことができる。
【0014】多孔質中間層の形成は、公知の溶射法によ
り行うことができる。
【0015】多孔質中間層を溶射により形成する場合の
溶射材料の平均粒子径は、1μmから100μm程度が
好ましく、特に5〜50μm程度がより好ましい。
【0016】溶射により形成された多孔質中間層の孔径
は、前記第2の部材が容易に充填することができれば良
く、特に限定されるものではない。
【0017】例えば、第2の部材を、後述する溶融含浸
法により含浸する場合には、多孔質中間層の空隙部の孔
径は数十μmから数mm程度までの範囲であることが望
ましく、また後述する粉体ディスパージョン含浸法によ
り多孔質中間層内に充填する場合には、多孔質中間層の
空隙部の孔径は数μmから数十μm程度が望ましい。
【0018】本発明の摺動材料の第1の部材と第2の部
材の接合強度は、一般に多孔質中間層の空隙内に充填さ
れた第2の部材の総断面積と関係し、多孔質中間層の空
隙部の孔径を拡大することにより第1の部材と第2の部
材の接合強度を向上させることができる。
【0019】本発明においては、多孔質中間層の空隙部
の孔径を、多孔質中間層を構成する金属系材料を少なく
とも二種の金属で構成し、該金属の少なくとも一種を他
の金属および前記第1の部材よりも低い融点とし、この
低融点の金属を加熱により溶解、流出させて低融点の金
属の占領部を空隙にし、該多孔質中間層の空間率を増加
させることができる。
【0020】すなわち、本発明の摺動材料は、第1の部
材上に、少なくとも二種の金属からなり該金属の少なく
とも一種は他の金属および第1の部材よりも低融点の金
属材料又は少なくとも二種の金属からなり該金属の少な
くとも一種は他の金属および第1の部材よりも低融点の
金属材料又は該金属材料とセラミックス材料からなる溶
射材料を溶射して多孔質中間層を形成する工程と、多孔
質中間層を加熱して低融点の金属を溶解、流出させて低
融点の金属の占領部を空隙にし、該多孔質中間層の空間
率を増加させる熱処理工程と、空間率の増加された多孔
質中間層上に、該多孔質中間層内に一部を充填しつつ、
第2の材料を溶射して積層、成形して前記第2の部材を
形成する工程とを有する方法によって製造することがで
きる。
【0021】この方法に使用される低融点の金属として
は、第1の部材および多孔質中間層を構成する他の金属
よりも低融点の金属であれば、実質的にいかなる金属で
も使用可能であり、このような低融点の金属としては、
例えば、鉛系合金、鉛−亜鉛合金、アルミ等が例示され
る。
【0022】本発明においては、多孔質中間層の空隙部
の孔径を、多孔質中間層を構成する金属系材料を少なく
とも二種の金属で構成し、該金属の少なくとも一種は他
の金属および前記第1の部材よりも酸性溶液若しくはア
ルカリ性溶液により優先的に腐食するものとし、この金
属を酸性溶液若しくはアルカリ性溶液により優先的に腐
食除去して酸性溶液若しくはアルカリ性溶液により優先
的に腐食する金属の占領部を空隙にし、該多孔質中間層
の空間率を増加させることにより第1の部材と第2の部
材の接合強度を向上させることができる。
【0023】すなわち、本発明の摺動材料は、第1の部
材の上に、少なくとも二種の金属からなり該金属の少な
くとも一種は他の金属および前記第1の部材よりも酸性
溶液若しくはアルカリ性溶液により優先的に腐食する金
属材料又は該金属材料とセラミックス材料からなる溶射
材料を溶射して多孔質中間層を形成する工程と、多孔質
中間層を酸性溶液若しくはアルカリ性溶液で処理して酸
性溶液若しくはアルカリ性溶液により優先的に腐食する
金属を選択的に腐食、除去して酸性溶液若しくはアルカ
リ性溶液により優先的に腐食する金属の占領部を空隙に
し、該多孔質中間層の空間率を増加させる腐食処理工程
と、空間率の増加された多孔質中間層上に、該多孔質中
間層内に一部を充填しつつ、第2の材料を溶射して積
層、成形して第2の部材を形成する工程とを具備するこ
とを特徴とする方法によって製造することができる。
【0024】この方法に使用される酸性溶液若しくはア
ルカリ性溶液により優先的に腐食する金属としては、第
1の部材および多孔質中間層を構成する他の金属よりも
酸性溶液若しくはアルカリ性溶液により優先的に腐食す
る金属であれば、実質的にいかなる金属でも使用可能で
あり、例えば、鉛系合金、鉛−亜鉛合金、アルミ等が例
示される。
【0025】他の金属等よりも酸性溶液若しくはアルカ
リ性溶液により優先的に腐食する金属としては、アル
ミ、亜鉛、マグネシウム等を用いることができる。
【0026】多孔質中間層上に、該多孔質中間層内に一
部を充填しつつ、第2の部材を積層、成形する方法とし
ては、次のような方法を採ることができる。 (1)溶融含浸法 第2の部材を構成する樹脂等の第2の材料を多孔質中間
層上に溶射し、加熱により溶融させて溶融状態の溶射材
料を多孔質中間層の空隙部内に含浸させる。 (2)粉体デイスパージョン法 第2の部材を構成する樹脂材料の粉体を分散媒に分散さ
せたディスパージョンを多孔質中間層上に塗布し樹脂粉
体を多孔質中間層の空隙部内に含浸させ、分散媒を乾燥
除去した後、この上に第2の材料を溶射して多孔質中間
層内の樹脂粉体を溶融させるとともに溶射された第2の
材料と一体化させて第2の部材を成形する。
【0027】第2の部材を構成する樹脂としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ナイロン、四フッ化エチレ
ン・パーフルオロアルコキシエチレン樹脂、ポリエーテ
ルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン等が挙げら
れ、これらは一種又は二種以上の混合で使用される。こ
れらの樹脂は、樹脂単体でも使用可能であるが、充填剤
を樹脂中に分散させて使用することもできる。
【0028】このような充填剤としては、ガラス、アル
ミナ、シリカ、ジルコニア、ベリリア、炭化ケイ素、窒
化ケイ素、炭化ボロン、窒化ボロン等の固体潤滑剤が挙
げられる。これらは短繊維状または粒子状で使用され
る。短繊維状の充填剤の平均直径は、0.05〜100
μm、好ましくは0.1〜50μm、より好ましくは1
〜10μmの範囲である。短繊維状の充填剤の平均直径
は、0.05〜100μm、好ましくは0.1〜50μ
m、より好ましくは1〜10μmはの範囲である。な
お、充填剤の配合量は、通常1〜90体積%の範囲であ
る。第2の部材の厚さは、用途により異なるが通常1〜
5mm程度である。
【0029】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態の摺
動材料における第1の部材上に形成された多孔質中間層
を模式的に示す断面図である。同図において、第1の部
材1の上には、溶射処理により多孔質中間層2が形成さ
れており、この多孔質中間層層2は、例えば、第1の金
属2aと第2の金属2bからなる金属材料で構成されて
いる。
【0030】図2は、本発明の一実施形態による摺動材
料の構成を模式的に示す断面図である。同図において、
多孔質中間層2は、第1の部材1の表面に設けられた多
孔質中間層2の上に第2の部材3を溶射により積層、成
形されている。
【0031】図3は、本発明の一実施形態の摺動材料に
おける第1の部材上に形成された多孔質中間層2を模式
的に示す断面図である。同図において、多孔質中間層2
は、第1の部材1の上には、第1の金属2aと第2の金
属2b(点線で示す)とからなる金属材料を溶射処理
し、次いで酸性溶液若しくはアルカリ性溶液で第2の金
属系材料2bを腐食させ、第2の金属2bの占領部を空
隙部にして空間率を増加させて形成されている。図4
は、本発明の一実施形態による摺動材料の構成を模式的
に示す断面図である。同図において、多孔質中間層2
は、第1の部材1の表面に設けられた多孔質中間層2の
上に第2の部材3を溶射により積層、成形されている。
【0032】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例について説明
する。 実施例1 まず、第1の部材1として直径300mm、厚さ20m
mのSUS304ステンレス板を用意し、このステンレ
ス板1上に、平均粒径100μmのSUS304粉末と
平均粒径100μmの1050アルミニウム粉末の複合
物からなる溶射材料をプラズマ溶射して、厚さ約300
μmの多孔質中間層を形成した(図1)。なお、SUS
304粉末とアルミニウム粉末の体積混合比を1対1と
した。このようにして、平均孔径約10μm、空間率約
10%の多孔質中間層を得た。
【0033】次に、多孔質中間層を形成した第1の部材
の上に第2の部材として、平均粒径40μmのポリエー
テルエーテルケトン樹脂粉末をガス溶射して、厚さ2m
mの溶射層を積層、成形した。
【0034】上記ポリエーテルエーテルケトン樹脂溶射
層を形成したSUS304ステンレス板を1.33×1
0-1Paの真空中にて360℃、30分間加熱し、ポリ
エーテルエーテルケトン樹脂を多孔質中間層に含浸させ
緻密化処理をした。このようにして、SUS304ステ
ンレス板上に形成した多孔質中間層内にポリエーテルエ
ーテルケトン樹脂を一部含浸し、厚さ2mmの摺動面を
結合した摺動材料を得た(図2)。得られた摺動材料の
結合界面のせん断強度を評価した結果、12MPaと良
好なせん断強度が得られた。
【0035】実施例2 実施例1と同様に、第1の部材として直径300mm、
厚さ20mmのSUS304ステンレス板を用意し、こ
のステンレス板上に、多孔質中間層構成物質として平均
粒径100μmのSUS304粉末と平均粒径100μ
mの1050アルミニウム粉末の複合物の溶射材料をプ
ラズマ溶射して、厚さ300μmの多孔質中間層を形成
した(図1)。なお、SUS304粉末とアルミニウム
粉末の体積混合比は1対1とした。
【0036】次に、多孔質中間層2を形成した第1の部
材を5重量%NaOH水溶液に沈積し、アルミニウムと
NaOHの化学反応により溶解し、アルミニウムの占領
部を空隙部にした。このようにして、平均孔径数十μ
m、空間率約40%の多孔質中間層を得た(図3)。さ
らに、多孔質中間層を形成した第1の部材の上に第2の
部材として、平均粒径40μmのポリエーテルエーテル
ケトン樹脂粉末をガス溶射して、厚さ2mmの溶射層を
積層、成形した(図3)。
【0037】上記ポリエーテルエーテルケトン樹脂溶射
層を形成したSUS304ステンレス板を1.33×1
0-1Paの真空中にて360℃、30分間加熱し、ポリ
エーテルエーテルケトン樹脂を多孔質中間層に含浸さ
せ、緻密化処理をした。このようにして、SUS304
ステンレス板上に形成した多孔質中間層内にポリエーテ
ルエーテルケトン樹脂を一部含浸し、厚さ2mmの摺動
面を結合した摺動材料を得た(図4)。得られた摺動材
料の結合界面のせん断強度を評価した結果、18MPa
と良好なせん断強度が得られた。
【0038】実施例3 実施例1と同様に、第1の部材として直径300mm、
厚さ20mmのSUS304ステンレス板を用意し、こ
のステンレス板上に、多孔質中間層構成物質として平均
粒径100μmのSUS304粉末と平均粒径100μ
mの1050アルミニウム粉末の複合物の溶射材料をプ
ラズマ溶射して、厚さ300μmの多孔質中間層を形成
した。なお、SUS304粉末とアルミニウム粉末の体
積混合比を1:1とした(図1)。
【0039】次に、多孔質中間層を形成した第1の部材
をアルゴンガス雰囲気中で700℃、1時間加熱し、溶
融したアルミニウムを流出させた。このようにして、平
均孔径数十μm、空間率約40%の多孔質中間層を得た
(図3)。さらに、多孔質中間層を形成した第1の部材
の上に第2の部材として、平均粒径40μmのポリエー
テルエーテルケトン樹脂粉末をガス溶射して、厚さ2m
mの溶射層を積層、成形した。
【0040】上記ポリエーテルエーテルケトン樹脂溶射
層を形成したSUS304ステンレス板を1.33×1
0−1Paの真空中にて360℃、30分間加熱し、ポ
リエーテルエーテルケトン樹脂を多孔質中間層に含浸さ
せ、緻密化した。このようにして、SUS304ステン
レス板上に形成した多孔質中間層内にポリエーテルエー
テルケトン樹脂を一部含浸しつつ積層、結合した摺動材
料を得た(図4)。得られた摺動材料の結合界面のせん
断強度を評価した結果、17MPaと良好なせん断強度
が得られた。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
多孔質中間層の孔径およびその空間率を自由にコントロ
ールすることができ、溶射処理という慣用の簡単な方法
を用いて極めて低コストで接合界面の剥離強度を向上さ
せることができる。
【0042】また、第1の部材と第2の部材間に多孔質
中間層が介在し、かつ、この多孔質中間層中に第2の部
材が含浸しているので、特に第1の部材と第2の部材の
熱膨張係数が異なる場合には熱応力緩和層として機能
し、熱応力の発生を緩和する効果を奏する。
【0043】本発明の摺動材料は、大気中、水中、油中
で使用されるカム部材の滑り面、ベアリング軸受、スラ
スト軸受、ジャーナル軸受等に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の摺動材料における第1の
部材上に形成された多孔質中間層を模式的に示す断面図
である。
【図2】本発明の一実施形態による摺動材料の構成を模
式的に示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態の摺動材料における第1の
部材上に形成された多孔質中間層2を模式的に示す断面
図である。
【図4】本発明の一実施形態による摺動材料の構成を模
式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1………第1の部材、 2………多孔質中間層 2a……第1の金属 2b……第2の金属 3………第2の部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16C 33/20 F16C 33/20 Z (72)発明者 和田 国彦 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 齋藤 正弘 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 Fターム(参考) 3J011 DA02 LA01 QA03 QA05 SB01 SC01 SD01 4F100 AB01A AB01B AB04A AB04B AB10B AD00A AD00B AK01C AK54C AK56C BA03 BA07 BA10A BA10C CA23C DE01B DJ00B EH56B EH56C GB51 JA04B JB02B JL11 4K031 AA02 AB03 AB08 CB11 CB37 CB41 CB51 DA04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の材料からなる第1の部材と、前記
    第1の部材上に形成された多孔質中間層と、前記多孔質
    中間層上に溶射により積層、成形されその一部が該多孔
    質中間層の空隙部内に含浸された第2の材料からなる第
    2の部材とを具備することを特徴とする摺動材料。
  2. 【請求項2】 前記第1の部材が、金属系材料又はセラ
    ミックス系材料からなることを特徴とする請求項1記載
    の摺動材料。
  3. 【請求項3】 前記多孔質中間層が、前記第1の部材上
    に溶射により積層、成形された金属系材料からなること
    を特徴とする請求項1又は2記載の摺動材料。
  4. 【請求項4】 前記多孔質中間層が、前記第1の部材へ
    の溶射処理により積層、成形された金属系材料とセラミ
    ックス系材料との複合物からなることを特徴とする請求
    項1乃至3のいずれか1項記載の摺動材料。
  5. 【請求項5】 前記多孔質中間層を構成する金属系材料
    が少なくとも二種の金属からなり、かつ該金属の少なく
    とも一種は他の金属、前記第1の部材および前記多孔質
    中間層よりも低い融点を有することを特徴とする請求項
    1乃至4のいずれか1項記載の摺動材料。
  6. 【請求項6】 前記多孔質中間層を構成する金属系材料
    が、少なくとも二種の金属からなり、かつ該金属の少な
    くとも一種は他の金属、前記第1の部材および前記多孔
    質中間層よりも酸性溶液若しくはアルカリ性溶液により
    優先的に腐食することを特徴とする請求項1乃至5のい
    ずれか1項記載の摺動材料。
  7. 【請求項7】 前記第2の部材が、樹脂系材料若しくは
    充填材を含有した樹脂系材料からなることを特徴とする
    請求項1乃至6のいずれか1項記載の摺動材料。
  8. 【請求項8】 前記第1の部材上に、金属系材料若しく
    は金属系材料とセラミックス材料からなる溶射材料を溶
    射して多孔質中間層を形成する工程と、 前記多孔質中間層上に、第2の材料を溶射するとともに
    該多孔質中間層内に一部を充填して前記第2の部材を積
    層、成形する工程とを有することを特徴とする摺動材料
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第1の部材上に、少なくとも二種の
    金属からなり該金属の少なくとも一種は他の金属および
    前記第1の部材よりも低融点の金属材料又は少なくとも
    二種の金属からなり該金属の少なくとも一種は他の金属
    および前記第1の部材よりも低融点の金属材料又は該金
    属材料とセラミックス材料からなる溶射材料を溶射して
    多孔質中間層を形成する工程と、 前記多孔質中間層を加熱して前記低融点の金属を溶解、
    流出させて前記低融点の金属の占領部を空隙にし、該多
    孔質中間層の空間率を増加させる熱処理工程と、 前記空間率の増加された多孔質中間層上に、第2の材料
    を溶射するとともに該多孔質中間層内に一部を充填して
    前記第2の部材を積層、成形する工程とを有することを
    特徴とする摺動材料の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記第1の部材の上に、少なくとも二
    種の金属からなり該金属の少なくとも一種は他の金属お
    よび前記第1の部材よりも酸性溶液若しくはアルカリ性
    溶液により優先的に腐食する金属材料又は該金属材料と
    セラミックス材料からなる溶射材料を溶射して多孔質中
    間層を形成する工程と、 前記多孔質中間層を酸性溶液若しくはアルカリ性溶液で
    処理して前記酸性溶液若しくはアルカリ性溶液により優
    先的に腐食する金属を選択的に腐食、除去して前記酸性
    溶液若しくはアルカリ性溶液により優先的に腐食する金
    属の占領部を空隙にし、該多孔質中間層の空間率を増加
    させる腐食処理工程と、 前記空間率の増加された多孔質中間層上に、第2の材料
    を溶射するとともに該多孔質中間層内に一部を充填して
    前記第2の部材を積層、成形する工程とを具備すること
    を特徴とする摺動材料の製造方法。
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