JPH10317013A - 複層フィルタの製造方法 - Google Patents

複層フィルタの製造方法

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JPH10317013A
JPH10317013A JP13178197A JP13178197A JPH10317013A JP H10317013 A JPH10317013 A JP H10317013A JP 13178197 A JP13178197 A JP 13178197A JP 13178197 A JP13178197 A JP 13178197A JP H10317013 A JPH10317013 A JP H10317013A
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Takahiro Kitagawa
貴宏 北川
Isao Endo
功 遠藤
Yasushi Yamamoto
裕史 山本
Akira Kosaka
晃 小阪
Takashi Nishi
隆 西
Atsushi Funakoshi
淳 船越
Ryutaro Motoki
龍太郎 元木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な方法により、濾過層と支持層とを独立
して孔径制御できる複層フィルタの製造方法を提供す
る。 【解決手段】 原料である第1粉粒体1を収容するため
のカプセル8の内表面のうち、少なくとも濾過面形成用
部分8bに、粉粒体を付着して保持可能な保持層3Lを
形成した後、その保持層3Lの表面に、前記第1粉粒体
1より平均粒径の小さい第2粉粒体2を保持させて小径
粉粒体層2Lを形成し、その小径粉粒体層2Lが形成さ
れたカプセル8内に前記第1粉粒体1を収容してカプセ
ル式の熱間等方加圧処理を行い、その後、少なくとも前
記カプセル8を除去して多孔体を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カプセル式の熱間
等方加圧処理を利用する複層フィルタの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、金属フィルタ等の製造方法として
は、原料である粉粒体を収容するためのカプセル内に粉
粒体を収容してカプセル式の熱間等方加圧処理を行い、
その後、前記カプセルを除去して多孔体を形成する方法
が知られていた。具体的には、例えば、管状の金属フィ
ルタを製造する場合、図5に示すように円筒状の充填空
間を形成してある炭素鋼製等のカプセル8の充填口8a
から、前記カプセル8内にステンレス鋼等の金属粒子M
を充填し(図5(イ)参照)、カプセル8内を前記充填
口8aを経て脱気した後、充填口8aを封止して(図5
(ロ)参照)、前記カプセル8に密封した金属粒子Mを
熱間等方加圧装置(以下、HIP装置という)に装入し
て等方加圧下で加熱焼結している。そして、焼結後の金
属多孔質焼結体をHIP装置から取出し、前記カプセル
8を削除して円筒状の金属フィルタ7を製造している
(図5(ハ)参照)。このとき前記封止は、真空チャン
バー中で電子ビーム溶接により行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のごとき製造方法
においては、カプセルの充填空間内に金属粒子を充填す
る際に、円筒の内外面の金属粒子の粒径を異ならせるこ
とが困難であるため、内外の通気孔径の異なる焼結体を
形成することができず、単層のフィルタが製造されてい
た。一方、金属フィルタ等の性能を向上させるための条
件としては、表面の最小阻止粒径の制御が容易であるこ
と、濾過層を形成する層の厚みが薄いこと(この層が厚
ければ圧損の増大を招き、好ましくない)、濾過層以外
の支持層の通気抵抗が小さく、且つ、強度を有すること
等が挙げられる。このような条件を満たすには、濾過層
と支持層とを独立して孔径制御する必要があり、上記の
ような製造方法により得られる金属粉末焼結フィルタ等
は、単層構造として形成されるので、このような条件を
満足することが出来なかった。
【0004】この問題に対処する方法として、一旦予備
焼結した予備焼結体の表面に第2の成形用粒子を付着さ
せて焼結することも考えられるが、前記第2の成形用粒
子からなる薄い層を均一に形成させることは困難であ
り、予め必要以上の厚さに形成した層を削り取ることが
必要になる。また、カプセル内に金属粒子材料を充填す
るのに、均一に充填することが困難であるという問題も
ある。そこで、内外面に異なる特性を有する焼結金属管
を製造するのに、予備成形した円筒体をカプセル内に配
置し、その表面上に充填空間を形成して第2の成形用粒
子を充填して焼結することが考えられるが、前記円筒体
の型崩れを防止するためには所要の肉厚があり、それよ
りも薄い肉厚のものを製造するためには前記円筒体の表
面の仕上げ加工をも必要とし、多大の手間を要するとい
う問題がある。つまり、カプセル式の熱間等方加圧処理
を利用する金属粉末焼結フィルタの製造方法において、
濾過層と支持層とを独立して孔径制御しつつ、複層構造
のフィルタを得るのは困難であると考えられていた。そ
して、このことは金属フィルタに限らず、セラミックス
等の材料からなるフィルタや、材料を複合させたフィル
タにおいても同様の問題であった。
【0005】そこで、本発明の目的は、上記の問題点を
解消すべく、簡易な方法により、濾過層と支持層とを独
立して孔径制御できる粉末焼結複層フィルタの製造方法
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の複層フィルタの製造方法の特徴構成は、原料
である第1粉粒体を収容するためのカプセルの内表面の
うち、少なくとも濾過面形成用部分に、粉粒体を付着し
て保持可能な保持層を形成した後、その保持層の表面
に、前記第1粉粒体より平均粒径の小さい第2粉粒体を
保持させて小径粉粒体層を形成し、その小径粉粒体層が
形成されたカプセル内に前記第1粉粒体を収容してカプ
セル式の熱間等方加圧処理を行い、その後、少なくとも
前記カプセルを除去して多孔体を形成する点にある。こ
こで、濾過面形成用部分とは、複層フィルタの濾過面を
形成するための部分を指し、通常は複層フィルタの片面
のみに形成されるが、複層フィルタの両側から交互に濾
過を行うなど、特殊な用途の場合には複層フィルタの両
面に形成されることもある。
【0007】上記構成において、前記保持層は、濾過層
の形成が可能な程度の厚みだけ粉粒体を付着して保持可
能なものであればよいが、前記保持層が、液体で湿潤し
たセラミック粉体の層であることが後述の作用効果より
好ましい。
【0008】また、前記第1粉粒体および前記第2粉粒
体が金属であることが後述の作用効果より好ましい。
【0009】〔作用効果〕そして、本発明の上記特徴構
成によれば、原料である第1粉粒体を収容するためのカ
プセルの内表面のうち、少なくとも濾過面形成用部分
に、粉粒体を付着して保持可能な保持層を形成するた
め、その保持層の表面に、前記第1粉粒体より平均粒径
の小さい第2粉粒体を保持させることができる。そし
て、第2粉粒体を保持させて小径粉粒体層が形成された
カプセル内に前記第1粉粒体を収容してカプセル式の熱
間等方加圧処理を行うため、小径粉粒体層が層状にほぼ
維持されたまま熱間等方加圧処理がなされて第2粉粒体
の層は濾過層を形成し、同時に第1粉粒体の層は支持層
を形成する。このとき、各層の孔径は粒径の影響を大き
く受けるため、第1粉粒体及び第2粉粒体の粒子径を独
立して変えることにより、孔径の比較的小さい濾過層と
孔径の比較的大きい支持層とを独立して孔径制御するこ
とができる。また、保持層を形成する場所を変えること
によって、濾過層が形成される場所を変えることができ
る。なお、保持層を形成すること自体は、通常それほど
大掛かりな作業にならず、全製造工程を複雑にするもの
ではない。その結果、簡易な方法により、濾過層と支持
層とを独立して孔径制御できる複層フィルタの製造方法
を提供することができた。
【0010】また、前記保持層が、液体で湿潤したセラ
ミック粉体の層である場合、液体を介在させて界面の濡
れ現象を利用することにより、セラミック粉体の層に第
2粉粒体が付着して保持され易くなる。その際、毛細管
現象により液体が第2粉粒体の層(小径粉粒体層)に移
行すると、第2粉粒体どうしの付着力も高まるため、第
2粉粒体の層の厚みを大きくすることができる。一方、
セラミック粉体を用いているため、金属粒子やカプセル
より融点の高いものを選択して、第2粉粒体とカプセル
との接合を防止することができ、また、溶融しやすいシ
リカガラス等を使用しても、第2粉粒体が金属粒子であ
ればそれとは接合しにくい。
【0011】更に、前記第1粉粒体および前記第2粉粒
体が金属である場合、金属同士は熱間等方加圧により接
合し易いため、濾過層と支持層とが一体的に強固に結合
した複層フィルタが製造できる。特に、前記保持層がセ
ラミック粉体の層である場合には、上記のように第2粉
粒体とカプセルとの接合を好適に防止することができ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。本発明の複層フィルタの製造方法
は、図1に示すように、原料である第1粉粒体1を収容
するためのカプセル8の内表面のうち、少なくとも濾過
面形成用部分8bに、粉粒体を付着して保持可能な保持
層3Lを形成した後(以下、「保持層形成工程」とい
う)、その保持層3Lの表面に、前記第1粉粒体1より
平均粒径の小さい第2粉粒体2を保持させて小径粉粒体
層2Lを形成し(以下、「小径粉粒体層形成工程」とい
う)、その小径粉粒体層2Lが形成されたカプセル8内
に前記第1粉粒体1を収容してカプセル式の熱間等方加
圧処理を行い(以下、「HIP工程」という)、その
後、少なくとも前記カプセル8を除去して多孔体を形成
する(以下、「除去工程」という)ものである。
【0013】以下、本発明の複層フィルタの製造方法の
実施の形態の一例として、前記保持層3Lが、液体で湿
潤したセラミック粉体3の層であり、かつ前記第1粉粒
体1および前記第2粉粒体2が金属であり、円筒状の複
層フィルタ7を製造する場合を中心に各工程の順に説明
する。
【0014】〔保持層形成工程〕保持層形成工程は、原
料である第1粉粒体1を収容するためのカプセル8の内
表面のうち、少なくとも濾過面形成用部分8bに、粉粒
体を付着して保持可能な保持層3Lを形成する工程であ
る(図1(イ)参照)。原料である第1粉粒体1の材質
としては、カプセル式の熱間等方加圧処理により、多孔
状態となるように材料の接合が可能なものであればいず
れでもよいが、フィルタの耐熱性や粉粒体の接合性など
を考慮すると、ステンレス鋼(例えばSUS316
L)、ニッケル系合金(インコネル等)等の金属粒子
や、アルミナ、シリカ、窒化ケイ素等のセラミック粒子
などが好ましい。また、第1粉粒体1の平均粒径として
は、支持層7bとして機能する層を形成できるものであ
ればよく、濾過層7aを形成する第2粉粒体2の数倍〜
数百倍の平均粒径のものが用いられる。具体的には、平
均粒径が通常10〜10000μmのものが用いられ、
好ましくは100〜1000μmのものが用いられる。
【0015】カプセル8の材質としては、カプセル式の
熱間等方加圧処理に用いられるものならいずれでもよ
く、炭素鋼、軟鉄等の金属製カプセルやガラスカプセル
等が加工性や熱特性が適しているため好適に用いられ
る。なお、カプセル8は、フィルタの形状に合わせて予
め加工されており、円筒状に限らず、平板状や曲面板状
などの形状に加工される。また、濾過面形成用部分8b
は、本実施形態では、図1(イ)に示すようにカプセル
8の外缶部分に存在するが、これに限るものではない。
【0016】保持層3Lは、前述のように濾過層7aの
形成が可能な程度の厚みだけ粉粒体を付着して保持可能
なものであればよく、粘着性を有する粘着剤や粉粒体と
濡れを生じさせる各種液体を塗布した層、又はこれらを
保有する層などが好ましく用いられる。特に、液体で湿
潤した粉体層、液体で湿潤した繊維層、液体で湿潤した
多孔質層などは、前述のように液体による界面の濡れ現
象が利用できるため好ましく、最も好ましいのは、前述
のような理由から、保持層3Lが液体で湿潤したセラミ
ック粉体3の層である場合である。
【0017】液体で湿潤したセラミック粉体3の層を形
成する方法としては、セラミック粉末(シリカ粉末等)
の100重量部に対して10〜60重量部、好ましくは
30〜50重量部の液体を用いて調製したスラリーを、
円筒状のカプセル8に流し込んで、それを回転しながら
保形性と湿潤性を有するまで乾燥させる方法や、スプレ
ーを用いて適当な液体含有量のスラリーを噴霧して乾燥
させる方法などが挙げられる。ここで、液体の種類とし
ては、粉体等と濡れを生じるものであればよく、また、
乾燥やカプセル8内の脱気により容易に除去できるもの
が好ましく、例えばエタノール、アセトン等の有機溶剤
や水等の各種溶媒が挙げられる。このような層は、粉粒
体を付着して保持するのに十分な層厚さを有していれば
よく、0.1mm以上の層厚さが好ましい。なお、保持
層3Lが粉体を含有しない場合には、含有する場合と同
様の方法を採ることができるが、噴霧等により塗布する
方法が簡易な方法として用いられる。
【0018】〔小径粉粒体層形成工程〕小径粉粒体層形
成工程は、保持層3Lの表面に、前記第1粉粒体1より
平均粒径の小さい第2粉粒体2を保持させて小径粉粒体
層2Lを形成する工程である(図1(ロ),(ハ)参
照)。第2粉粒体2の材質としては、前記第1粉粒体1
と同様のものが用いられるが、特に第1粉粒体1と同種
の材質か、異種で熱的性質が近似する材質のものが、両
者の接合性の点で好ましく用いられる。また、第2粉粒
体2の平均粒径としては、濾過層7aを形成できるもの
であればよく、第1粉粒体1より平均粒径の小さいもの
が選択される。具体的には、濾過対象物によって適宜選
択されるが、平均粒径が通常0.1〜100μmのもの
が用いられ、好ましくは5〜50μmのものが用いられ
る。
【0019】保持層3Lの表面に第2粉粒体2を保持さ
せる方法としては、上部の充填口8aから第2粉粒体2
を過剰に導入して(図1(ロ)参照)、保持層3Lの表
面に接触させた後、充填口8aを下側にして第2粉粒体
2を充填口8aから排出して付着部分のみを残留させる
(図1(ハ)参照)方法などが挙げられる。この方法に
よって、得られる小径粉粒体層の厚さは、通常10〜1
000μmであり、好ましくは濾過層の強度、製造の信
頼性および濾過抵抗などの点から50〜300μmであ
る。
【0020】〔HIP工程〕HIP工程は、小径粉粒体
層2Lが形成されたカプセル8内に前記第1粉粒体1を
収容してカプセル式の熱間等方加圧処理を行う工程であ
る(図1(ニ),(ホ)参照)。このとき、小径粉粒体
層2Lを構成する第2粉粒体2が、できるだけ剥離しな
いようにしながら、カプセル8内に第1粉粒体1を導入
することが望ましい。導入後には通常のカプセル式の熱
間等方加圧処理の方法に従って、予めカプセル8の脱気
や封止などが行われた後、次のような熱間等方加圧処理
が行われる。即ち、上記カプセル8を等方加圧加熱装置
(HIP装置)に装入して、例えば適当な昇温速度でH
IP温度まで昇温し、所定時間維持して焼結を行い、そ
の後、適当な昇温速度でさらに熱処理温度まで昇温し、
常圧で所定時間維持して溶体化処理を行う。このとき、
HIP温度は原料粉粒体の材質等に応じて適宜選択され
るが、ステンレス鋼(SUS316L)の場合を例示す
ると、600〜800℃の範囲が適当である。また、H
IP圧は、原料粉粒体の材質、粒径等に応じて適宜選択
されるが、ステンレス鋼(SUS316L)の場合を例
示すると、30〜120MPaの範囲が適当である。な
お、処理時間は、上記の条件によるが、0.5〜5時間
程度の範囲で、所望の多孔構造が得られるように調整す
るのが望ましい。また、HIP処理の後に行う熱処理
は、原料粉粒体の材質等に応じて行う場合と行わない場
合があるが、ステンレス鋼(SUS316L)の場合に
は、約1140で2時間程度行われる。
【0021】〔除去工程〕除去工程は、少なくとも前記
カプセル8を除去して多孔体を形成する工程である(図
1(ヘ),(ト)参照)が、保持層3Lが残留する場合
には、その保持層3Lも通常除去される。カプセル8の
除去は、酸等を用いた化学処理によってカプセル8を溶
解させる方法や切削等により機械的に削除する方法やこ
れらを組み合わせた方法などが挙げられる。本実施形態
では、HIP処理後に保持層3Lが残留するが、その場
合の除去方法としては、セラミック粉体3等が複層フィ
ルタ7と接合していない場合にはブラシがけ等により機
械的に剥離したり、複層フィルタ7と材質が異なる場合
には溶解度の差を利用する方法などが挙げられる。
【0022】上記により得られた製品は、円筒の外表面
側には第2粉粒体2で構成された濾過層7aが形成さ
れ、内表面側には第1粉粒体で構成された支持層7bが
形成された、ステンレス鋼粒子の焼結体から成る筒状の
複層フィルタ7となる。そして、濾過層7aと支持層7
bとの境界部は、支持層7bを構成する第1粉粒体1の
間隙に、第2粉粒体2が入り込んだ状態になっており、
同種の材質同士では第1粉粒体1と第2粉粒体2とが部
分的に接合している。また、かかる接合が生じない場合
でも境界部でのアンカー効果により、濾過層7aと支持
層7bとが一体的に形成される。
【0023】次に、本発明の他の実施の形態について説
明する。 〈1〉先の実施形態では、保持層3Lを形成する濾過面
形成用部分8bがカプセル8の外缶部分の全体に存在す
る場合の例を示したが、外缶部分の一部のみに存在する
ように構成してもよく、逆にカプセル8の内缶部分に存
在するように構成してもよい。このようにして、保持層
3Lを形成する場所を変えることにより、濾過層7aを
形成する場所を変えることができる。 〈2〉先の実施形態では、金属製のカプセル8を用い、
セラミック粉体で保持層3Lを形成するため、カプセル
8と保持層3Lの接合が起こりにくい場合の例を示した
が、シリカガラス製のカプセル8を用い、シリカガラス
粉体で保持層3Lを形成することにより、カプセル8と
保持層3Lの接合が起こり易いようにしてもよい。かか
る構成によると、カプセル8と保持層3Lを機械力によ
り同時に剥離できるなどの利点がある。
【0024】
【実施例】第1粉粒体として500μm篩下300μm
篩上(平均粒径約400μm)のステンレス鋼(SUS
316L)を用い、第2粉粒体として38μm篩下(平
均粒径約10μm)のステンレス鋼(SUS316L)
を用いて、円筒状の複層フィルタを製造した。製造した
複層フィルタの寸法は外径114mm、内径110m
m、長さ1000mmである。カプセルは内缶、外缶、
上蓋、および下蓋から構成され、内缶、外缶、および下
蓋を組み立てて溶接して、開口部を有するカプセルとし
た。それを旋盤にセットし、シリカ粉末スラリー(シリ
カ粉末100重量部に対してエタノール40重量部)を
流しこみ、上蓋をして旋盤を作動させ、約2時間放置し
て、保形性を保ちながら表面が湿潤している状態まで乾
燥させて、保持層を形成した。その後、前記の第2粉粒
体を一旦充填し、すぐに粉末を排出して、小径粉粒体層
を形成した。次に、前記の第1粉粒体を充填し、上蓋を
溶接してカプセルを封止した。このカプセルを等方加圧
加熱装置(HIP装置)に装入して、適当な昇温速度で
HIP温度(620℃)まで昇温し、108MPaで所
定時間(2時間)維持して焼結を行い、その後、適当な
昇温速度でさらに熱処理温度(1140℃)まで昇温
し、常圧で所定時間(2時間)維持して溶体化処理を行
った。その後のフィルタをHIP装置から取り出して、
内缶を機械加工で除去後、外缶を化学的に溶解してカプ
セルを除去し、複層フィルタを製造した。
【0025】上記の工程で製造した筒状の複層フィルタ
の外表面近傍の断面を電子顕微鏡で観察した結果、図2
〜図4に示すように、円筒の外表面側には第2粉粒体で
構成された濾過層が形成され、内表面側には第1粉粒体
で構成された支持層が形成されたものであった。そし
て、濾過層と支持層との境界部は、支持層を構成する第
1粉粒体の間隙に、第2粉粒体が入り込んだ状態になっ
ていると共に、第1粉粒体と第2粉粒体とが部分的に接
合して、濾過層と支持層とが一体的に形成されていた。
【0026】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の工程を説明する説明図
【図2】実施例で得られた複層フィルタの断面の電子顕
微鏡写真
【図3】実施例で得られた複層フィルタの断面の電子顕
微鏡写真
【図4】実施例で得られた複層フィルタの断面の電子顕
微鏡写真
【図5】従来の製造方法の説明図
【符号の説明】
1 第1粉粒体 2 第2粉粒体 2L 小径粉粒体層 3 セラミック粉体 3L 保持層 8 カプセル 8b 濾過面形成用部分
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年5月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小阪 晃 大阪府枚方市中宮大池1丁目1番1号 株 式会社クボタ枚方製造所内 (72)発明者 西 隆 大阪府枚方市中宮大池1丁目1番1号 株 式会社クボタ枚方製造所内 (72)発明者 船越 淳 大阪府枚方市中宮大池1丁目1番1号 株 式会社クボタ枚方製造所内 (72)発明者 元木 龍太郎 大阪府枚方市中宮大池1丁目1番1号 株 式会社クボタ枚方製造所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料である第1粉粒体(1)を収容する
    ためのカプセル(8)の内表面のうち、少なくとも濾過
    面形成用部分(8b)に、粉粒体を付着して保持可能な
    保持層(3L)を形成した後、 その保持層(3L)の表面に、前記第1粉粒体(1)よ
    り平均粒径の小さい第2粉粒体(2)を保持させて小径
    粉粒体層(2L)を形成し、 その小径粉粒体層(2L)が形成されたカプセル(8)
    内に前記第1粉粒体(1)を収容してカプセル式の熱間
    等方加圧処理を行い、 その後、少なくとも前記カプセル(8)を除去して多孔
    体を形成する複層フィルタの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記保持層(3L)が、液体で湿潤した
    セラミック粉体(3)の層である請求項1記載の複層フ
    ィルタの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第1粉粒体(1)および前記第2粉
    粒体(2)が金属である請求項1又は2記載の複層フィ
    ルタの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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CN114523109A (zh) * 2022-04-24 2022-05-24 西部宝德科技股份有限公司 高精度梯度孔隙滤芯的制备方法

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