JP4429318B2 - 高効率で水素を分離するための複合構造を有する水素ガス分離器、ならびにその製造および使用方法 - Google Patents

高効率で水素を分離するための複合構造を有する水素ガス分離器、ならびにその製造および使用方法 Download PDF

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Description

本発明は、水素分子をガスから分離するのに用いるシステムおよび方法に関する。より詳細には、本発明は、水素原子しか容易に通過できない水素透過材料へ混合ガスを曝露することにより、水素を混合ガスから分離するシステムおよび方法に関する。
産業界には、水素分子を使用する数多くの用途が存在する。しかしながら、一般的な水素生成工程の多くでは、生成される水素ガスは純粋ではない。実際、水素を生成させたうえで得られるガスは、水蒸気、炭化水素および/または他の汚染物質で汚染されていることが多い。しかしながら、多くの実例では超高純度の水素が望まれている。当該技術分野では、超高純度の水素とは、一般的に純度が少なくとも99.999%の水素とみなされている。このような純度レベルを達成するためには、水素ガスを汚染物質から能動的に分離しなければならない。
従来技術では、汚染された水素ガスを精製する最も一般的な方法の1つは、パラジウムやパラジウム合金等の水素透過材料製の導管にガスを通過させる方法である。汚染された水素ガスが導管を通過する際、水素原子は導管の壁を透過し、それにより汚染物質から分離する。かかる従来技術の工程では、導管は、典型的には内部に圧力がかかった状態に保たれ、少なくとも摂氏300度に加熱される。導管内において、水素分子が導管の表面で水素原子に解離し、導管は水素原子を吸収する。水素原子は、高圧側から低圧側へ導管を透過する。水素原子は導管の低圧側に来ると再結合して水素分子を形成する。導管壁を通過した水素分子は回収して利用できる。かかる従来技術のシステムの一例は、Kosaka他の米国特許第5,614,001号「水素分離器、水素分離装置、および水素分離器を製造するための方法」に記載されている。
導管壁を通過する水素ガスの流量は、導管の長さと導管の壁厚に比例する。従って、高効率の精製システムは、流量を最大化するために非常に長くて非常に薄い導管を持つことになる。しかし、パラジウムは非常に高価な貴金属である。このため、パラジウムやパラジウム合金製の導管の製造は非常に高くつく。すなわち、水素ガス精製システムを製造する場合は、使用するパラジウムをできるだけ少なくするのが望ましい。更に、パラジウムやパラジウム合金で作った導管は、高温の加圧ガスを保持するのが普通である。従って、導管の壁をあまり薄くできない。導管壁に対する圧力勾配によっては、導管が破裂するか、潰れてしまうからである。
典型的な従来技術のパラジウムまたはパラジウム合金製の導管の、壁厚は約80μmであろう。導管の壁厚は、所定時間内にその壁を通過する精製された水素の量に反比例する。すなわち、導管の効率を向上させるためには、より薄い壁が望ましい。しかしながら、既に述べたように、通過するガスの圧力で導管が破裂または潰れてしまうほどに、導管の壁を薄くすることはできない。
更に問題を複雑化する事項として、パラジウムやパラジウム合金製の導管は、その内壁に汚染物質が詰まっていくので、時間の経過とともに効率が低下し得るということがある。かかる導管の寿命を長くするため、導管に逆圧をかけることにより導管を清掃するように多くのメーカーが取り組んでいる。こういった手順では、導管の外面を加圧した水素に曝露する。水素は導管壁を通過して導管の内側に入る。水素は、導管の内側に入る際、導管の内壁に堆積した汚染物質を幾らか除去する。
従来技術の水素精製導管の大半は略円筒形であるため、導管の内側を導管の外側よりも高く加圧するときは、導管はかなりの圧力勾配に耐えることができる。しかしながら、かかる導管を清掃するのに導管の外圧を内圧よりも高くするときは、圧力勾配をはるかに小さくして導管が内破しないようにしなければならない。
従来技術では、導管に使用するパラジウム量を最小化しつつ、なお導管の強度を増加させるべく改良した設計の導管が開発されている。かかる従来技術による装置の1つは、Iniotakisの米国特許第4,699,637号「水素透過膜」に示されている。Iniotakis特許では、パラジウムの薄層をメッシュ部材の2層間にはさんで補強している。そして、この積層構造を丸めて導管にする。かかる構造であれば使用するパラジウムは少ない。しかしながら、この導管は、硬いパラジウム導管と同じだけの圧力勾配を保持できない。それ故、より薄いパラジウム層がもたらす効率性の向上も、処理可能な圧力が限定され、その結果ガス流量が低下し、一部相殺されてしまう。
パラジウムの使用量を制限するためのもう1つの従来技術は、ドラムの皮のように、開口上に膜を形成するというアプローチである。そして、膜の両側に圧力勾配を生じさせることにより、水素が膜を通過させられる。かかる従来技術によるシステムの一例は、Wang他による米国特許第5,734,092号「平面パラジウム構造」に記載されている。これらの従来技術によるシステムに伴う問題は、パラジウムまたはパラジウム合金の膜が水平に配置されるのが典型的で、膜の一方側から他方側へ圧力勾配が存在することである。膜は平坦であるため、圧力勾配により生じる力に抗しようとする際、構造上の完全性をほとんど持たない。それ故、膜の破裂を防止するため、穿孔した硬い基板を用いて膜を補強している。しかしながら、穿孔した硬い基板は、製造が複雑で、膜中の流量を制限し、そしてシステム全体の効率を低下させてしまう。
Maの米国特許第6,152,987号「水素ガス抽出モジュールおよび製造方法」は、水素透過材料の中実層を、異なる材料の多孔質基板上に堆積させた水素分離器を開示している。多孔質基板は水素透過材料を支持し、従来技術によるメッシュ部材支持システムよりもはるかに強力な支持を提供する。しかしながら、多孔質基板は、孔の隙間が水素透過材料に露出された箇所でのみ、ガスを水素透過材料へ接触させるに過ぎない。この構成は、ガスに実際に曝露される水素透過材料の面積を大幅に制限してしまう。その上、温度係数および他の物理特性の差異に起因して、異なる材料の基板上に堆積した水素透過材料は、基板から分離しがちである。これは、水素透過材料を通じた汚染ガスの洩れを招き、最終的にはシステムが故障しかねない。
Roa他の米国特許出願第2003/0190486号も、水素透過材料の中実層を、異なる材料の多孔質基板上に堆積させた水素分離器を開示している。Roa出願では、第1の電気メッキ工程により、パラジウム合金を異なる材料の多孔質基板上に堆積させる。次いで、第2の電気メッキ工程で銅をパラジウム上に堆積させる。次いで、パラジウムおよび銅の各層を熱処理して、基板上にパラジウム合金を生成する。しかしながら、多孔質基板は、孔の隙間が水素透過材料に露出された箇所でのみ、ガスを水素透過材料へ接触させるに過ぎない。この構成は、ガスに実際に曝露される水素透過材料の面積を大幅に制限してしまう。
その上、パラジウム合金は異なる材料の多孔質基板へ良好に接合しない。このため、最終的に不具合が生じる。
パラジウム合金を多孔質基板上に直接堆積させるMa特許やRoa出願等の従来技術によるシステムでは、パラジウム合金のガスへの曝露を最大化するため、基板の孔径が大きいという別の問題がある。このため、厚く不均一なパラジウム層を多孔質基板上に堆積させて、基板の孔を覆う必要がある。これは、時間経過とともにパラジウム層に不具合を発生させてしまう。
米国特許第5,614,001号 米国特許第4,699,637号 米国特許第5,734,092号 米国特許第6,152,987号 米国特許出願第2003/0190486号
そのため、水素精製技術において、単位面積当たり高流量のガスを処理でき、なお極く少量の水素透過材料しか使用しないシステムおよび方法に対するニーズがある。また、水素透過層がその支持基板へ強固に接合されることにより、長期間に亘る大きな圧力勾配および温度サイクルの繰り返しにも確実に耐えられる水素精製システムに対するニーズもある。以下に記載および請求する本発明は、これらのニーズを満たすものである。
本発明は、新規な複合水素分離器を利用する水素精製システムおよび方法である。複合水素分離器は、パラジウム合金等の水素透過材料の第1の多孔質層を有する。次いで、同じ水素透過材料の中実層を第1の多孔質層上に堆積させる。複合水素分離器の構造をはさんで圧力差を発生させる。水素透過材料の多孔質層は中実層を支持し、中実層が大きな圧力差にも耐えられるようにする。その上、水素透過材料の多孔質層は中実層へ拡散接合されており、それにより、水素ガスに曝露される中実層の有効表面積が大幅に増加する。それ故、大流量の水素ガスが小さなスペースで得られる。
水素透過材料は、更に多孔質金属構造により支持することができる。多孔質金属構造は、複合水素分離器に構造上の完全性を与えるとともに、複合水素分離器が非常に大きな圧力勾配に曝された際に変形するのを防止する。
その結果、小型で貴金属の使用量が制限され、なおかつ水素ガスが高流量の水素精製システムが得られる。
水素ガス分離器であって、水素透過材料で作られた第1の多孔質層と前記第1の多孔質層上に前記第1の多孔質層と接触するように配設された前記水素透過材料の中実層とを含む分離器とした。
本発明のシステムは、小さなスペースおよび少量の貴金属を用いて、高流量の水素ガスを精製するための手段を提供する。本発明をより良好に理解するため、本発明の例示的な実施の形態の以下に続く説明を参照し、添付図面とともに検討する。
図1を参照すると、本発明に従う水素精製システム10の例示的な実施の形態の概略図が示されている。水素精製システム10は、精製された水素ガスを回収するための回収チャンバ12を含む。少なくとも1本の供給導管14が回収チャンバ12内に延在し、そこで供給導管14はそれぞれ、汚染された水素ガス16の供給源に接続されている。供給導管14はほとんどの場合、汚染された水素ガスを第1の気圧および少なくとも摂氏300度の所定操作温度に保持可能なように、ステンレス鋼または同等の合金で製作される。
供給導管14に沿って、複合水素分離器20が配設されている。複合水素分離器20は、純粋な水素ガスだけを供給導管14から回収チャンバ12へ透過させる。精製された水素は回収チャンバ12に入ると、回収されて使用される。
複合水素分離器20は、精製システム10の中で唯一、水素ガスに対して透過性がある部分である。すなわち、精製システム10全体の流量の容量は、複合水素分離器20の流量の容量特性に完全に依存している。
図2を参照すると、例示の複合水素分離器20は管状であり、内部には開放された中央導管22が明示されている。複合水素分離器20は供給導管14に取り付けられている。加圧された状態の汚染水素ガスは、複合水素分離器20の中心にある中央導管22を通過する。その周囲の回収チャンバ12内の圧力は、中央導管22内の圧力より低く保たれる。すなわち、複合水素分離器20の壁24をはさんで圧力差が存在し、その圧力差が水素ガスに複合水素分離器20の構造を透過させる。複合水素分離器20内の導管22と、回収チャンバ12との間の圧力差が大きいほど、複合水素分離器20からの水素流量が多い。
流れの方向は、回収チャンバ12と、複合水素分離器20内の導管22との間の圧力差の方向を選択的に変更することによって制御できる。通常の操作条件下では、複合水素分離器20内の圧力は、回収チャンバ12内の圧力より高く保たれている。すなわち、水素ガスは複合水素分離器20から流出し、精製される。しかしながら、整備周期(メンテナンスサイクル)中は、回収チャンバ12内の水素ガス圧力を、複合水素分離器20内の水素の圧力より高くすることができる。この場合、水素ガスが回収チャンバ12から複合水素分離器20へ流入し、その水素ガスを用いて複合水素分離器20の壁24の内側の表面に蓄積した汚染物質を除去できる。
複合水素分離器20の壁24は、成形の工程および手法を独特に組み合わせて製造した複合構造を有する。図2の拡大部分から、複合水素分離器20の壁24の構成は、壁24の厚さに沿って変化していることが分かる。すなわち、壁24は異なる材料からなる複合構造体である。
壁の第1の層は、支持するための基層30である。基層30は、本来は水素透過性でない非反応性の金属または合金で作られる。好ましい実施の形態では、基層用に選択される材料はタングステンまたはモリブデンである。しかしながら、壁24の基層30は多孔質であり、その構造上の孔を通じて水素ガスが自由に通過できる。より詳細に後述するが、基層30は、非反応性の金属または合金の粉末を所望形状に成形し、多孔質形態に焼結する、伝統的な粉末冶金手法を用いて作られる。基層30は、焼結前の孔の大きさが約0.7μmとなるように製造するのが好ましい。しかしながら、より大きい孔または小さい孔を用いてもよい。
多孔質基層30への接合を強固にするため、接合層31を基層30上に堆積させる。接合層31は薄く、基層30内の孔を塞ぐことはない。接合層は、3つの別々の層で構成するのが好ましい。第1の接合層33はクロムである。クロム層は、基層30のタングステン上に直接堆積させる。クロムの第1の接合層33は、後述のように、基層30のタングステンと接合する。
第2の接合層35はタングステン層である。タングステンをクロムの第1の接合層33上に堆積させ、クロムへ接合させる。
第3の接合層37は、水素分離器20で使用されるパラジウム合金によって、銅または銀の層である。パラジウム−銀合金を使用するのであれば、銀を第3の接合層37として使用する。しかし、パラジウム−銅合金の使用が好ましい。すなわち、第3の接合層37として銅を使用するのが好ましい。銀または銅は、タングステンの第2の接合層35を覆い、パラジウム合金が直接拡散接合できる面を提供するぬれ層として作用する。
そして、水素透過材料の第1の多孔質層32が、接合層31上に形成される。第1の多孔質水素透過層32は、Pd1−xAgまたはPd1−xCu等のパラジウム合金で作るのが好ましい。しかしながら、他の既知の水素透過合金も使用できる。かかる合金は、PdRu、PdAu、PdNiおよびPdFeを含むが、これらに限定されない。第1の多孔質層32は、単一の大きさの粒子で作ることができる。しかしながら、好ましい実施の形態では、第1の多孔質層におけるパラジウム合金粒子の大きさは段階的である。パラジウム合金粒子は、接合層31および基層30から遠いものほど小さくする。第1の多孔質水素透過層32は、後述の異なる方法でも形成できる。
第1の多孔質水素透過層32上へ、パラジウム合金または他の水素透過材料の中実層34を、後述する手法の1つを用いて堆積させる。中実層34用に選択する水素透過材料は、第1の多孔質水素透過層32用に選択した材料と同じであるのが好ましい。このように、中実層34と第1の多孔質水素透過層32とは、熱膨張等の物理特性を同じくする。その上、同じ水素透過材料を使用することにより、水素透過材料の中実層24を、第1の多孔質水素透過層32へ拡散接合させることができる。
水素透過材料の堆積中実層34の厚さは、好ましくは0.05ミクロンと0.20ミクロンの間である。堆積中実層34は、第1の多孔質水素透過層32と拡散接合する。しかしながら、堆積中実層34は、第1の多孔質水素透過層32の孔を密閉してしまう。すなわち、複合水素分離器20の壁24を通過するいかなる水素ガスも、堆積中実層34を透過して進まなければならない。
水素透過材料の堆積中実層34の上には、第2の多孔質水素透過層36がある。第2の多孔質水素透過層36も、中実層34と同じ水素透過材料で作られる。しかしながら、第2の多孔質水素透過層36は、多孔質となるように製造される。すなわち、水素透過材料の堆積中実層34は、2つの水素透過材料の多孔質層32と36との間に挟まれている。
壁24の底部にある非反応性金属の基層30は、複合水素分離器20の壁24に物理的強度を与える。この基層30は、複合水素分離器20が容易に内側へ潰されたり、外側へ拡げられたりするのを防止する。それ故、複合水素分離器20は、内側または外側に変形することなく、大きな圧力差に耐えることができる。
第1の多孔質水素透過層32および第2の多孔質水素透過層36は、2つの目的に適う。第1に、これらの層は水素透過材料の堆積中実層34を、その両側から物理的に支持する。それ故、水素透過材料の中実層34は、その表面に沿ったほぼ全点で十分に支持される。しかし、中実層34のほとんど全点が支持されるにもかかわらず、中実層34全体は水素ガス透過に活性なままである。これは、支持する多孔質層32、36も、水素ガスに対して完全な透過性があるからである。そのため、水素透過材料の中実層34は断裂することなく、その両面間の非常に大きな圧力差にも耐えることができる。
第1の多孔質水素透過層32および第2の多孔質水素透過層36は、水素ガスに曝露される中実層34の表面を塞ぐことはない。それどころか、これらの多孔質層32、36は、中実層34の有効表面積を実際に増加させる。第1の多孔質水素透過層32および第2の多孔質水素透過層36は、堆積中実層34と同じ材料で作るのが好ましい。そのようにすれば、第1の多孔質水素透過層32及び第2の多孔質水素透過層36の中実層34への接合は、高度なテクスチャ加工を表面に施した中実層34を製造するのと同じ効果がある。これにより、中実層34を透過しようとする水素ガスに曝露される有効表面積が大幅に増加する。
このようにして、動作では、汚染ガスが、複合水素分離器20の中心にある導管22に入る。汚染ガスは、壁24の基層30内の孔を通過する。汚染ガスは、第1の多孔質水素透過層32内の孔も通過して、堆積中実層34に接触する。堆積中実層34は、水素を除く全てのガスの通過を妨げる。水素は中実層34を透過し、ここで水素ガスが中実層34に直接接触する。しかしながら、水素ガスは、堆積中実層34に接触しながら、これを支持する第1の多孔質水素透過層32の領域へも透過できる。その結果、非常に大きな表面積を水素ガスが通過できるようになる。
水素ガスは、堆積中実層34を透過すると、第2の多孔質水素透過層36に入る。第2の多孔質水素透過層36は、今や精製された水素ガスが周囲の回収チャンバ12へ更に通過する際、ほとんど抵抗にならない。
複合水素分離器20を清掃するときは、圧力差を逆転させる。すると、水素ガスが中央導管22に向かって複合水素分離器20へ流入する際、第2の多孔質水素透過層36が、堆積中実層34の有効表面積を増加させるように作用する。
前述のように、複合水素分離器20の壁24の各層は、異なる方法で作ることができる。図3を参照すると、基層30は、孔径が約0.5μm〜0.9μmの多孔状に焼結させた焼結金属であるのが好ましいことが分かるだろう。平均の孔径は0.7μmが好ましく、例として用いる。全体的な工程の柔軟性および幾何学的な縮尺のため、取り得る平均の孔径にはかなりの変動がある。基層30を所望の形状41に焼結させるか、または焼結させたブロックを所望の基板形状41に機械加工することができる。図示の例では、所望の基板形状41は管の断面である。
図4を参照すると、各接合層33、35、37は、基層30を基板とし、バイアス基板スパッタリングを用いて基層30上に堆積させるのが好ましいことが分かる。基板形状41を真空堆積チャンバ内に配置し、その中で各接合層33、35、37をそれぞれ別々に堆積させる。この0.7ミクロンの特定孔径の好ましい実施の形態では、クロムの第1の接合層33は、0.03ミクロンの層に堆積させる。この最初にスパッタされたクロム層は、粘着性を向上させる。タングステンの第2の接合層35は、0.10ミクロンの層に堆積させる。スパッタされたタングステンの第2の接合層35は、第1の接合層33と次の第3の接合層37との間の拡散隔壁の役割を果たす。銅の第3の接合層37は、0.20ミクロンの層に堆積させる。銅の第3の接合層37は、スパッタリング工程に続いて多孔質層と拡散接合される。これら最初の3つの接合層33、35、37の厚さは、層30の孔径に従って調節できる。平均の孔径が0.7μmである場合、3つの接合層33、35、37の厚さは、本例で示した通りであるのが好ましい。
各接合層33、35、37が上記の好ましい厚さである場合、結合させた接合層31の組み合わせ厚さは0.33ミクロンになる。基層30の孔径は0.7ミクロンであるのが好ましい。各接合層33、35、37を堆積させるにつれて、結合体の外面上の孔径は小さくなる。基板バイアス化によって達成される対向する孔表面への薄膜材料の堆積は、真空システムのジオメトリ、電力配分、およびプラズマスパッタリング中の動作パラメータの特質と整合するように制御される。本例の場合、0.7ミクロンの孔は接合層の厚さの0.33ミクロンに応じて縮小していき、その結果、新しい孔径は0.36ミクロンになる、すなわち直径が約50%縮小する。しかしながら、結合した接合層31を適用した後も、孔は確かに開いたまま残る。
上記検討から、基層30の当初の孔径と、堆積させた接合層33、35、37の合計厚との間には直接の対応があり、それは工程において柔軟に対応できることであることが分かる。具体的には、孔径は接合層33、35、37の厚さによって制御できるため、基層30における当初の孔径が大きいほど、堆積させた接合層33、35、37は厚くなる。接合層33、35、37の厚さは、上記の基層30における孔径が0.7ミクロンである場合の元の厚さにほぼ比例させることができる。
説明した接合層33、35、37の材料は例示で、変更できることが理解されよう。例えば、最初の2つの接合層33、35は、水素を透過しない材料で作ることができる。第3の接合層37は、水素に対して透過性があり、および後続の層と合金を形成して拡散接合するように作ることができる。
図5を参照すると、第1の多孔質水素透過層32が接合層33、35、37上に堆積されていることが分かる。これは様々な方法で実現できる。図示の製造方法では、パラジウムおよび銅の粒子を、Hereaus−Cermalloy V633またはV636等の流動媒体中に懸濁させる。かかる流動媒体は、窒素発火可能な厚膜ペースト調合物で一般的に使用される揺変剤である。この懸濁物が厚膜ペースト43を形成する。回転塗布、溶射、またはスクリーン印刷等の伝統的な厚膜堆積手法を用いて、厚膜ペースト43を接合層31上に堆積させ、ぬれた4層のスラグ45を形成する。厚膜ペースト43中のパラジウムおよび銅の粒子は、接合層31の外面内の孔より大きい。このため、厚膜ペースト43中のパラジウムおよび銅の粒子が、既存の孔を詰まらせてしまうことはない。
厚膜ペースト43の層を適用した後、ぬれたスラグ45を高温で乾燥および焼成(焼結)して第1の厚膜層47を形成する。乾燥工程は典型的には150℃で10分間行って、ペーストの希釈成分をとばす。焼結工程は、厚膜ペースト43中の構成粒子の物理特性により決定される温度で行われ、その結果、合金が生成される。この場合、焼結は、数パーセントの水素を含有する雰囲気中で、600℃で数時間行うことができる。第1の厚膜層47内では、焼結によってパラジウム粒子と銅粒子との間の拡散接合が促され、パラジウム合金が生成される。また焼結によって、接合層31間の拡散接合、基層30と接合層31との拡散接合、および接合層31と第1の厚膜層47との拡散接合も促される。すると、この第1の厚膜層47は、接合層31を介して基層30へ凝集接合(焼結)および粘着接合される。
熱処理後、多孔質基層30、3つの接合層31、および第1の厚膜層47が全て拡散接合した5層のスラグ49が形成される。
図6を参照すると、第1の厚膜層47上に厚膜層を続いて堆積させることによって、その層を厚くできることが分かる。5層のスラグ49に厚膜堆積および焼結を繰り返す。厚膜層を続いて堆積させる毎に、厚膜ペースト中の粒子の大きさを小さくすることによって、粒子間の孔の平均も小さくなる。後の厚膜層を焼結し、第1の多孔質水素透過層32が生成されるまで工程を繰り返す。このため、第1の多孔質水素透過層32は焼結させた粒子の幾つかの副層からなり、各副層の孔径は前の層より漸進的に小さくなって、最終の副層で設計値に達する。
最終副層の孔径の設計値は、採用されることになる中実パラジウム層の厚さと一致する。すなわち、透過層32の微細構造は全体として、動作中に中実パラジウム層の間に生じる圧力差の幅に耐えるのに必要な機械的強度を有する。つまり、圧力差の値が小さい場合、中実パラジウム層は比較的薄くできる。このため、最終の多孔質層は、中実パラジウム層の堆積によって孔が閉鎖されるように、孔の平均が比較的小さいはずである。同様に、より大きな圧力差で動作するためには、より厚い中実パラジウム層が機械的強度のために必要かもしれない。そのため、より厚い中実膜が要求され、より大きな孔径を用いることができる。微細構造の設計は、中実パラジウム層の実用動作範囲を表すとともに、要求される機械的強度に対して中実パラジウム層を最小限の厚さに維持することによって、中実パラジウム層の透過度を最大化する。そのため、設計は、機械的強度のために要求される圧力差に従って適応可能である。
各副層は、最終的な厚さがT1である第1の多孔質水素透過層32となる。T1は、堆積させた全厚膜副層の、熱処理後の厚さの合計である。第1の多孔質水素透過層32は単一のパラジウム合金からなる。しかしながら、第1の多孔質水素透過層32における粒子の大きさおよび孔径は、基層30からの距離の関数に従い小さくなる。厚膜の最も外側では、熱処理後の孔径が0.03ミクロンと0.05ミクロンとの間であるのが好ましい。この孔径のため表面は比較的滑らかになり、その上に材料の中実層を後で堆積させることができる。
図7を参照すると、パラジウム合金の中実層34が、第1の多孔質水素透過層32上に堆積されていることが分かる。蒸着、スパッタ堆積、溶射、回転塗布、浸漬、または電気めっきもしくは無電解めっき等、多くの堆積手法を用いることができる。パラジウム合金の中実層34は、中実層34の堆積後に孔が本質的に閉鎖されるように最小限の厚さになっている。バイアススパッタリングの場合、適切なスパッタリング条件下では、中実層34の厚さを第1の多孔質水素透過層32の平均の孔径の約半分にできる。しかしながら、実際の孔の偏りを補うため、パラジウムの中実層34の厚さは、第1の多孔質水素層32の外面上に存在する孔径と少なくとも同等であるのが好ましい。パラジウム合金の中実層34は第1の多孔質水素透過層32の孔を密閉し、それにより、いかなる汚染ガスも水素分離器の壁構造を通過して流れることが防止される。
第1の多孔質水素透過層32で用いる粒子の大きさはその外面において最小であるため、中実層34を堆積させる表面は非常に平坦で滑らかである。そのため、この滑らかな層を覆うパラジウムの中実層34は、ばらつきや欠陥が比較的少ない平坦層になる。
図8を参照すると、パラジウム合金の中実層34を堆積させた後、パラジウム合金の中実層34上に少なくとも1つの、パラジウム粒子および銅粒子の厚膜層が堆積されていることが分かる。熱処理後、この層が、パラジウム合金の中実層34を覆う第2の多孔質水素透過層36となる。パラジウム合金の中実層34上に複数の厚膜層を堆積させることにより、第2の多孔質水素透過層36における粒子の大きさも段階的にできる。しかしながら、パラジウム合金の中実層34に面する第2の多孔質水素透過層36における孔径は、パラジウム合金の中実層34に直接隣接する第1の多孔質水素透過層32の孔径と同じであるのが好ましい。
第1の多孔質水素透過層32および第2の多孔質水素透過層36と、パラジウム合金の中実層34とが接触していることにより、水素ガスの拡散に曝露される中実層34の有効表面積が増加する。この増加の目的は、続く例を検討することにより説明できる。第1の多孔質水素透過層32および第2の多孔質水素透過層36の両方における水素透過材料の粉末粒子の大きさは、パラジウム合金の中実層34と接触する各面上での平均直径がdであるとする。粒子が理想的な単純立方格子状に接続されている場合、各粉末粒子が占める表面積はdであろう。各層における粒子間の接触により生じる孔の面積はd(1−π/4)である。更に、粒子の各半球の曝露面積はd(π/2)である。これらの合計面積はd(1+π/4)で、これは1.79dに等しい。この結果、水素透過材料の堆積中実層34を多孔質層32と36間に挿入する実質的な効果は、堆積中実層34の有効表面積を79パーセント増やすことである。
そのため、水素透過材料の中実層34は、同じ水素透過材料の多孔質層32、36によって支持されることにより、その表面積が実質的に約79%増加する。
図3乃至図8では、水素透過材料の多孔質層32、36を、伝統的な厚膜堆積手法を用いて厚膜層として堆積させると説明した。かかる手法は、水素透過材料の第1および/または第2の多孔質層の粒子および孔径を段階的にする場合に好ましい。しかしながら、水素透過材料の第1および/または第2の多孔質層は、単一不変の粒子の大きさおよび孔径で製造できる。かかる構成では、他の製造手法が利用できる。
図9を参照すると、かかる例示的な製造方法が示されている。図9では、タングステン等の水素不透過材料40は、粉末粒子の大きさが既知の粉末状で提供される。粉末金属は第1の粉末冶金工程42で処理される。この工程は、粉末を所望形状に圧縮して焼結する。その結果、多孔質壁を有する基層スラグ44を得る。
次いで、スパッタ堆積工程53を繰り返し用いて、接合層を基層スラグ44に設ける。前述のように、接合層は、クロム、タングステン、および銅であるのが好ましい。これにより、4層のスラグ55を生成する。
次いで、4層のスラグ55を第2の粉末冶金工程46へ送る。この第2の工程では、粉末化した水素透過材料を4層のスラグ55の周辺に圧縮して焼結する。これにより、5層のスラグ48を生成する。
次いで、5層のスラグ48を堆積工程50へ移行させる。この工程では、水素透過材料の中実層を5層のスラグ48の周辺に堆積させ、6層のスラグ52を生成する。堆積工程50は、5層のスラグ48をコーティングするために、5層のスラグ48上に水素透過材料の薄い中実層を堆積させるいずれの既知の工程であってよい。
次いで、6層のスラグ52に第3の粉末冶金工程54を施す。この工程では、水素透過粉末材料をもう一層、6層のスラグ52の周辺に圧縮して焼結する。その結果、7層の複合水素分離器59が完成する。
図9に示す製造手法では、粉末材料を圧縮および焼結して水素透過材料の多孔質層を形成する。粉末材料は均質な金属粉である必要はない。それどころか、不活性セラミックナノ粒子を提供して、それらのセラミックナノ粒子をパラジウム合金や他の水素透過材料でコーティングできる。コーティングされたセラミックナノ粒子は、あたかも均質な金属粉末であるかのように、圧縮および焼結することができる。コーティングされたセラミックナノ粒子を用いる利点は、中実金属粉末で可能な水準よりもはるかに、粉末の粒子の大きさを一定に保てることである。従って、大きさがより一定した孔を各多孔質層に作ることができる。なお、パラジウム合金をコーティングしたセラミックナノ粒子を用いて形成したパラジウム合金の多孔質層を第1´の多孔質層という。また、パラジウム合金の中実層をパラジウム合金の多孔質層の間に設ける構成の場合には、両側のパラジウム合金の多孔質層をそれぞれ、第1´の多孔質層及び第2´の多孔質層という。
このように図示および説明した複合水素分離器の実施の形態では、単一の中実層を用いている。中実層は、水素分離器の外面を形成する水素透過材料の層により取り囲まれている。かかる構成は例示的なものに過ぎず、水素分離器の各層は、重ねたり省いたりできることは言うまでもない。従って、多孔質層間に複数の中実層が堆積した、幾つかの層を持つ複合水素分離器が可能である。
図10には、複合水素分離器の壁60の代替の実施の形態が示されている。この実施の形態では、水素分離器の複合壁60は6層のみ有する。6層とは、基層62、3つの接合層63、第1の水素透過層64、および堆積中実層66である。基層62、接合層63、および第1の多孔質水素透過層64は、前述のものと同じである。しかし、ここでは堆積中実層66が最外層である。堆積中実層66の外側表面積を増加させるため、堆積中実層66の外面は輪郭加工が施されている。輪郭加工は、堆積中に中実層66の一部をマスキングするか、または堆積後に中実層66をエッチングするかして、施すことができる。堆積中実層66の外面の輪郭加工は、中実層66の外側表面積を増加させるのに役立ち、それにより、前述の実施の形態で用いられていた第2の水素透過層と同じ機能を果たす。しかし、図10の実施の形態はパラジウム合金の使用量がより少ないので、より安価なことが分かるだろう。
図11を参照すると、本発明の複合水素分離器の壁70の、更にもう1つの代替の実施の形態が示されている。この実施の形態では、水素分離器の複合壁70はやはり6層を有する。6層とは、基層72、3つの接合層73、多孔質水素透過層74、および堆積中実層76である。基層72は、前述の焼結粉末手法を用いて作ることができる。次いで、接合層73を基層72上に堆積させる。接合層73の上面に、水素透過材料の層を堆積させる。この層は当初、中実層として堆積させる。次いで、伝統的なマスキングおよびエッチング手法でこの層を穿孔加工することにより、図示の多孔質水素透過層74が作られる。多孔質水素透過層74はマスキングおよびエッチング手法を用いて作られるので、多孔質水素透過層74に形成される孔の大きさを正確に制御できる。
次いで、水素透過材料の中実層76を多孔質層74上に堆積させる。そして、中実層76の上面を部分的にエッチングして、周囲の雰囲気に曝露される中実層76の表面積を増加させる。エッチングは、化学エッチングまたはレーザエッチングのいずれかにより行うことができる。
本発明の各実施の形態では、導管形状の水素分離器を説明してきた。このような実施の形態は、例示的なものに過ぎないことが理解されよう。本発明の水素分離器は、汚染水素ガスの領域と精製水素ガスの領域との間の隔壁として作用するのであれば、いかなる形状にも作ることができる。
図12を参照すると、管形状でなく、しかもその製作に粉末冶金手法を用いない水素分離器80の構成が示されている。図12の実施の形態では、基板82が提供される。この基板は、水素に対して不透過性の合金または半導体のいずれかの材料で作られる。しかしながら、基板82は、化学エッチングまたはレーザエッチングにより多孔質に作られる。接合層83を基板82上に堆積させる。水素透過材料の第1の層84を、伝統的な堆積手法を用いて接合層83に設ける。次いで、化学エッチングまたはレーザエッチングにより、水素透過材料の第1の層84を穿孔加工する。基板82における穿孔の大きさと、水素透過材料の第1の層84における穿孔の大きさとは同等で、両層の多孔率を一定に維持するのが好ましい。
次いで、水素透過材料の第2の層86を水素透過材料の第1の層84上に堆積させる。水素透過材料の第2の層86は、部分的にエッチングして、その上面に露出する表面積を増加させることができる。しかしながら、水素透過材料の第2の層86のエッチングは部分的でしかなく、水素透過材料の第2の層86は、依然として水素透過材料の第1の多孔質層84上の中実な隔壁であることに変わりはない。
本明細書で説明および図示した本発明のシステムおよび方法の各実施の形態は例示に過ぎず、当業者は本発明の範囲から逸脱することなく示した実施の形態に対して変形を加えられることが理解されるだろう。かかる変形、修正、および代替の実施の形態の全ては、付帯の請求項により定義される本発明の範囲に含まれることを意図するものである。
水素精製システムの例示的な実施の形態の概略図である。 複合水素分離器の例示的な実施の形態の一部を、拡大断面図とともに示す図である。 本発明の例示的な実施の形態で用いる基層の断面図である。 本発明の例示的な実施の形態を製造する際に用いる製造工程の概略図である。 本発明の例示的な実施の形態を製造する際に用いる製造工程の概略図である。 本発明の例示的な実施の形態を製造する際に用いる製造工程の概略図である。 本発明の例示的な実施の形態を製造する際に用いる製造工程の概略図である。 本発明の例示的な実施の形態を製造する際に用いる製造工程の概略図である。 本発明の代替の例示的な実施の形態を製造する際に用いる代替の製造工程の概略図である。 複合水素分離器の代替の実施の形態の断面図である。 本発明の複合水素分離器を形成するのに用いる第2の例示的な製造工程の概略図である。 本発明の複合水素分離器を形成するのに用いる第3の例示的な製造工程の概略図である。
符号の説明
10 水素精製システム 12 回収チャンバ
14 供給導管 16 汚染された水素ガス
20 複合水素分離器 22 中央導管
24 壁 30 基層
31 接合層 32 第1の多孔質層
33 第1の接合層 34 中実層
35 第2の接合層 36 第2の多孔質水素透過層
37 第3の接合層 40 水素不透過材料
41 形状 42 第1の粉末冶金工程
43 厚膜ペースト 44 基層スラグ
45 スラグ 46 第2の粉末冶金工程
47 厚膜層 48 5層のスラグ
49 5層のスラグ 50 堆積工程
52 6層のスラグ 54 第3の粉末冶金工程
55 4層のスラグ 59 7層の複合水素分離器
60 壁 62 基層
63 3つの接合層 64 第1の多孔質水素透過層
66 中実層 70 壁
72 基層 73 接合層
74 多孔質水素透過層 76 中実層
82 基板 83 接合層
84 水素透過材料の第1の層 86 水素透過材料の第2の層

Claims (11)

  1. 水素ガス分離器であって、パラジウム合金の多数の粒子を堆積して成るパラジウム合金の第1の多孔質層を設け、当該第1の多孔質層上に当該第1の多孔質層と接触するようにパラジウム合金の中実層を設けることを特徴とする、水素ガス分離器。
  2. 水素ガス分離器であって、パラジウム合金をコーティングしたセラミックの多数のナノ粒子を堆積して成るパラジウム合金の第1´の多孔質層を設け、当該第1´の多孔質層上に当該第1´の多孔質層と接触するようにパラジウム合金の中実層を設けることを特徴とする、水素ガス分離器。
  3. 前記第1の多孔質層又は前記第1´の多孔質層の孔径が、前記中実層からの距離の関数に従い変化することを特徴とする、請求項1、2のいずれか一項に記載の水素ガス分離器。
  4. 前記第1の多孔質層又は前記第1´の多孔質層を支持するための多孔質基層を設け、当該多孔質基層上に、当該多孔質基層の孔径より大きい粒子から成るパラジウム合金の前記第1の多孔質層又は前記第1´の多孔質層を設けることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水素ガス分離器。
  5. 前記多孔質基層が、中央導管として管状に成形され、前記第1の多孔質層又は前記第1´の多孔質層が前記多孔質基層を取り囲み、前記中実層が前記第1の多孔質層又は前記第1´の多孔質層を取り囲むことを特徴とする、請求項4に記載の水素ガス分離器。
  6. 前記多孔質基層と前記第1の多孔質層又は前記第1´の多孔質層との間に少なくとも1つの接合層を設けることを特徴とする、請求項4〜5のいずれか一項に記載の水素ガス分離器。
  7. 前記多孔質基層と、前記第1の多孔質層又は前記第1´の多孔質層との間に複数の層からなる接合層を設け、当該接合層のうち前記第1の多孔質層又は前記第1´の多孔質層に接する層は、前記第1の多孔質層又は前記第1´の多孔質層のパラジウム合金に用いたパラジウム以外の金属と同じ金属の層であることを特徴とする、請求項4〜5のいずれか一項に記載の水素ガス分離器。
  8. パラジウム及びパラジウム以外の金属の多数の粒子を流動媒体中に懸濁させ、当該流動媒体を堆積、乾燥、焼成させることによりパラジウム合金の第1の多孔質層を形成し、当該第1の多孔質層上にパラジウム合金の中実層を堆積させることを特徴とする、水素ガス分離器を製造する方法。
  9. 堆積中に前記中実層の一部をマスキングするか、または堆積後に前記中実層をエッチングして、前記中実層の外側にマスキング又はエッチングによる輪郭を形成する工程を含むことを特徴とする、請求項8に記載の水素ガス分離器を製造する方法。
  10. パラジウム及びパラジウム以外の金属の多数の粒子を流動媒体中に懸濁させ、前記中実層上に、当該流動媒体を堆積、乾燥、焼成させることによりパラジウム合金の第2の多孔質層を形成することを特徴とする、請求項8に記載の水素ガス分離器を製造する方法。
  11. 多孔質基層を形成し、当該多孔質基層の孔径より大きい粒子を流動媒体中に懸濁させ、当該多孔質基層上に、当該流動媒体を堆積、乾燥、焼成させることによりパラジウム合金の前記第1の多孔質層を形成することを特徴とする、請求項8〜10のいずれか一項に記載の水素ガス分離器を製造する方法。
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